NUCLEAIRE
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┗■3.人工的に起きたオクラホマの誘発地震
│ 私が地震学者として思い当たるのはシェールガスの採掘である
│ 「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」コラムその61
└────(島村英紀 地震学者)
≫≫地震学の教科書には「米国では西岸のカリフォルニア州と北部のアラスカ
州だけに地震が起きる」と書いてある。
しかし情勢は変わった。この6月には米国南部にあるオクラホマ州で起きた
地震が全米一になったのだ。オクラホマ州では2008年までの30年間に起きた地
震は、ごく小さなマグニチュード(M)3まで数えても2回しかなかった。つま
り先天的な無地震地帯だった。
だが2009年には20回、2010年にはさらに増えて43回の地震が起きた。そ
の後ほとんど毎年増え続けて今年は6月19日までに207回に達した。この数
は今年の同じ期間でのカリフォルニア州の140回を抜いた。全米一になった
のだ。地震の数が増えるとともに、最近は大きめの地震も混じるようになって
いる。7月12日にはM4.3の地震が起きた。
米国で地震観測を担当するのは米国地質調査所だ。その専門家は「過去半年
の地震発生頻度を見ると、さらに大きく破壊的な地震の発生を懸念する理由は
十分にある」と警告した。このほか7月12日から翌日にかけて7回の地震が相次
いだ。棚から物が落ちたり、建物に亀裂が入った。いままで地震がなかっただ
けに、結構な騒ぎになっている。
震源は州都オクラホマシティーから北に隣接するローガン郡にかけて拡がり、
震源の深さは8キロと浅い。
≫≫私が地震学者として思い当たるのはシェールガスの採掘である。前にこの
連載で書いたように、近年シェールガスの採掘が盛んになった米国各地で、い
ままでに起きなかった地震が頻発している。
オクラホマ州の北東にあるオハイオ州でも地震が起きだしている。同州北部
のシェールガス井の周辺だけで起きている地震だ。ここでは2011年12月31日に
同州でかつて起きたことがないM4.0の地震が発生した。このためこの地震後
に、その掘削井戸から半径8キロ以内の注入井にまで井戸の閉鎖を拡大した。
そのほか2011年にはアーカンソー州でも大規模な群発地震が発生して、当局
は注入井2か所の操業を一時停止させた。米国内陸部のアーカンソー州、コロ
ラド州、オクラホマ州、ニューメキシコ州、テキサス州でM3以上の地震が、
2011年段階ですでに20世紀の平均の6倍にも増えている。いずれもシェールガ
ス採掘が最近盛んになった州だ。
シェールガス採掘には「水圧破砕法」という手法が使われている。化学物質
を含む液体を地下深くに超高圧で注入して岩石を破砕する手法だ。これによっ
てシェール(頁岩=けつがん)層に割れ目を作る。そこから層内の原油やガス
を取り出すという掘削法である。
シェールガス採掘には限らない。石油や天然ガスの掘削、ダム、廃液の地下
投棄・・。地球内部に影響を及ぼすような人工的な作業が地震を起こす例はこ
のところ世界的に増えている。
さて、地震がなかった米国内陸部でも被害地震が起きるのだろうか。
(7月25日『夕刊フジ』より)
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┗■4.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
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◆原発を考える連続講座(第2回)
8.9 緊急シンポジウム - 低線量被曝と避難問題を考える
https://www.facebook.com/events/1585933584966945/
日時 8月9日(土)午後2時~5時
場所 京都大学 文学部 新棟第3講義室(予定)
資料代 一般700円、学生500円(予約不要)
内容
テーマ1:低線量被曝・内部被曝から考える
原発問題 --- 寺岡弘文さん
(東京医科歯科大学名誉教授:低線量被曝によるDNA損傷と癌化について
長期に亘り実験的に取り組んできた生命科学者)
テーマ2:原発事故と避難計画-避難できない
『住民避難計画』 --- 児玉正人さん
(1986年のチェルノブィリ事故から脱原発運動にかかわる。2011年の福島
第1原発事故を契機に、京都北部を広域で結ぶ「原発なしで暮らしたい
丹波の会」結成・同事務局)
主催 8.9 緊急シンポジウム「低線量被曝と避難問題を考える」実行委員会
連絡先 汚染水問題を憂う京都府民の会・代表世話人・木原壯林
TEL: 090-1965-7102 E-mail: kiharas-chem@zeus.eonet.ne.jp
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┗■5.新聞より
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◆検察 起訴相当議決 ---大津波の恐れ報告 東電元会長出席の会議
(8月1日 東京新聞より)
東京電力福島第一原発の事故が発生する約三年前、東電の勝俣恒久元会長(74
)が出席した社内の会議で、高さ一四メートルの大津波が福島第一を襲う可能
性があると報告されていたことが、三十一日に公表された東京第五検察審査会
の議決で分かった。これまでの東電の説明では、勝俣氏は大津波の可能性を知
らないとされ、本人も検察に同趣旨の供述をしていたが、検審は「信用できな
い」と否定、起訴相当と判断した。東京地検は同日、議決を受け、再捜査する
ことを決めた。(中略)
検察側の捜査資料にあった会議のメモなどから(中略)出席していた勝俣氏
は大津波の可能性を知りうる立場にあり、「東電の最高責任者として各部署に
適切な対応策を取らせることも可能な地位にあった」と結論づけた。(後略)
◆非常用電源水没、福島事故前も2度 元社員ら指摘 対応せず放置
(8月1日 東京新聞より)
大津波で全電源を失い、重大事故を起こした東京電力福島第一原発で、少なく
とも1983年と91年の2回、大雨や配管からの水漏れでタービン建屋地下の非常
用ディーゼル発電機が水没する事故が起きていたことが、元東電社員や作業員
らの証言で分かった。水没を教訓に、発電機など重要設備を安全な場所に移し
ていれば、大事故は防げた可能性が高いが、東電は対応しなかった。(後略)
◆《本音のコラム》 鏡のむこう 鎌田 慧(ルポライター)
集団的自衛権行使の容認、さらには原発再稼働の強行。民意に逆らう安倍内
閣は、近年まれな独善強権政権である。「なにが秘密か。それが秘密」と批判
された「特定秘密保護法」を強行採決。その直前に、「国家安全保障会議」が
設置された。早速、武器輸出を「防衛装備移転」と姑息にいいかえ、ミサイル
部品を米国に輸出することを決めた。
安倍晋三首相は財界幹部をひきつれ海外を歴訪、原発輸出から兵器輸出へと
歩きまわっている。原発輸出はほかならぬ核拡散だ。重厚長大型産業の経団連
の利益のために「死の商人」の露払い役をかって出ている。
米国・国家安全保障会議の翻訳版が、「日本版NSC」と呼ばれる「国家安
全保障会議」である。本家NSCの一端を担う国家安全保障局(NSA)の秘密
を暴露したのが、その職員でCIAの工作員でもあったエドワード・スノーデ
ンである。
米政府の国家悪に、たったひとりで挑戦したスノーデンの活動は、すでに報
道されている。彼が収集した情報をもとにして書かれた、グレン・グリーン
ウォルドの「暴露」は、日本版NSCの未来を暗示して、背筋を寒くさせられ
る。
戦争をしたがる政府の敵は自国の国民である。戦中に猛威を振るった憲兵隊
の残虐さをみるとよくわかる。むこう側は何も見えない。が、むこうはこっち