NUCLEAIRE
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たんぽぽ舎です。【TMM:No2298】
2014年10月4日(土)地震と原発事故情報-5つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.「原発震災」を予言した地震学者 石橋克彦氏が告発
「川内原発再稼働の審査書決定は無効だ!」
「週刊朝日」10月3日号に掲載
★2.JCO臨界事故を忘れない「9・30」15周年
9月30日朝・経済産業省前追悼と抗議 夜・学習会
9月28日東海村で現地集会とデモ 坂東喜久恵(たんぽぽ舎)
★3.御嶽山の噴火予知が失敗したワケ
噴火予知はせいぜい数日前にしかわからない。警戒レベルを決める客観的で数値的な基準もない。
「警戒せよ! 生死を分ける地震の基礎知識」コラムその71 島村英紀(地震学者)
★4.新聞より2つ
◆ 噴火予知できないのに 【金曜日の声 官邸前】 (10月4日東京新聞より)
◆ 福島第一、津波26メートル想定 東電が報告 汚染水流出の恐れ
(10月4日朝日新聞見出しのみ)
★5.テント日誌9月28日(日)経産省前テントひろば1114日 商業用原発375日
今日は昨日と打って変わって雲ひとつない青空のさわやかな天気
(I・K)、(K.M)、(三上治)
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※10月6日(月)は大型台風18号が日本列島に上陸(接近)の予報が出ています。下記学習会の開催時間に暴風雨等の影響も予測されます。開催について不明な場合は、3時以降にたんぽぽ舎にお問い合わせください。
進路・交通への影響等勘案し決定致します。
★10月6日(月)19時から[学習会]沖縄と原発 その共通点と今後の活動のヒント
お話:水沢澄江さん 参加費:800円(学生400円)
開始少しまえ~現地DVD上映「辺野古・住民たちの抵抗と海上の闘いの今」
(会場は「スペースたんぽぽ」です)
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※10月3日発信のメルマガはNo2297です。2296は間違いです。訂正をお願いします。(事務局)
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┗■1.「原発震災」を予言した地震学者 石橋克彦氏が告発
│ 「川内原発再稼働の審査書決定は無効だ!」
| 「週刊朝日」10月3日号に掲載
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「週刊朝日」10月3日号に石橋克彦・神戸大学名誉教授の記事が掲載されています。紹介します。
http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/asahi-20140924-02/1.htm
九州電力の川内原発(鹿児島県)が再稼働に向けて急ピッチで動き始めた。審査書を原子力規制委員会が正式決定し、政府は再稼働を進めるという文書を交付した。だが、「原発震災」を早くから警告してきた地震学者の石橋克彦・神戸大学名誉教授は、審査書は無効だと訴える。
これまで川内原発の審査書に対する批判は、火山噴火が軽視されているとか、避難計画が不十分であるとかが大半でした。しかし、地震に関して重大なことが見過ごされています。
福島原発事故の反省に立って原子力規制行政が抜本的に改められ、国民の不安と不信を払拭(ふっしょく)すべく新規制基準が作られたはずです。全国初となる川内原発の審査書は、その試金石です。
ところが、新基準自体の欠陥は脇に置くとしても、新基準のもとで規制委員会がきちんと審査したかというと、実はそれが驚くほどいい加減なのです。 (中略)
だが、石橋氏は月刊誌「科学」9月号に、そもそもの審査がおかしいと批判する論文を発表した。どういうことなのか。
一言でいうならば、耐震設計の基準とする揺れ=「基準地震動」を策定する手続きが規則で決められているのに、それを飛ばしているのです。これは基準地震動の過小評価につながり、法令違反とさえ言えます。
(中略)
原発の安全上重要な施設は、基準地震動に対して無事であることが求められています。そのため、「内陸地殻内地震」「プレート間地震」「海洋プレート内地震」について、敷地に大きな影響を与えると予想される地震を複数選び、それらによる地震動を検討することになっています。
しかし九電は、活断層による内陸地殻内地震しか検討しませんでした。プレート間地震と海洋プレート内地震については、揺れは震度5弱に達せず、原発に大きな影響を与えないとして無視したのです。
実は、けっしてそうは言い切れません。地震学的に、具体的な懸念があるのです。ところが審査では、九電の言いなりにしてしまった。 (中略)
杜撰審査続けば再び原発震災も
川内原発の基準地震動は620ガルとよく言われますが、これは直下で震源不詳のM6.1の地震が起きた場合の想定最大加速度です。しかし、活断層がなくてもM7程度までの大地震は起こりうるので、これは明らかに過小評価です。 (中略)
しかし、そういう技術的な話とは別に、規則に定められた手続きを飛ばしたのは、「耐震偽装」ともいえる大問題でしょう。 (中略)
石橋氏は憤る。
これでは規制委員会は九電の代弁者にすぎません。まるで“子供の使い”です。審査メンバーに地震がわかっていて真剣に考える人がいないか、再稼働路線に屈服したかでしょう。 (中略)
その石橋氏が、今はこう警告する。
これほど杜撰(ずさん)な審査なのですから、無効にしてやり直すべきです。これが前例になって手抜き審査が続けば、第二の原発震災を招きかねません。
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┗■2.JCO臨界事故を忘れない「9・30」15周年
│ 9月30日朝・経済産業省前追悼と抗議 夜・学習会
│ 9月28日東海村で現地集会とデモ
└──── 坂東喜久恵(たんぽぽ舎)
1999年9月30日10時35分頃茨城県東海村の「JCO・東海事業所」で発生した臨界事故から15年。その間毎年、東京でも追悼・講演会等の活動を続けてきました。
1.9月28日(日)は東海村石神コミュニティセンターで「フクシマを忘れない!再稼働を許さない JCO臨界事故15周年集会」と東海駅までのデモが開催されました。(主催:茨城平和擁護県民会議他)
この集会には近隣22の自治体の市町村長や市町村議長からのメッセージが寄せられていました。JCO事故・フクシマ事故を身近で体験した方々の安全への思いが伝えられていました。
お話(鼎談)は、村上達也さん(前東海村村長)、大泉恵子さん(JCO健康被害裁判元原告)、青木秀樹さん(東海第2原発差止訴訟・弁護士)、
司会は相沢一正さん
2.9月30日(火)の10:00からは経産省別館前で毎年実施している追悼と原因究明や原子力推進政策への抗議の集会を開催。10時35分に1分間の黙祷、その後白菊を献花しました。
夜7時からは「スペースたんぽぽ」で学習会をおこないました。
◎JCO事故とは何だったのか「《1999年発生―今年で15年》の歴史とその教訓」
佐々木敏彦さん(原発・核燃とめようかい)
事故のことや問題点をよく知らない人が増えているので、基本的問題と15年間の運動について報告。
◎「JCO事故から見える福島原発事故-被爆者に賠償なし」山崎久隆さん《たんぽぽ舎》
この3日前に、御嶽山の噴火があったため、差し迫っている日本の火山の危険性と、川内原発再稼働に関する規制委のいいかげんさについてが中心テーマになりました。
ちなみにですが、1999年9月30日JCO臨界事故当日も、たんぽぽ舎で山崎さん講師の「原発事故分析」の学習会を開催中でした。しかし、刻々入ってくる事故の情報や、山崎さんには新聞社等の問い合わせが続く中、テーマは変更になり「JCO事故の解析」をしました。
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┗■3.御嶽山の噴火予知が失敗したワケ
| 噴火予知はせいぜい数日前にしかわからない
| 警戒レベルを決める客観的で数値的な基準もない。
| 「警戒せよ! 生死を分ける地震の基礎知識」コラムその71
└────島村英紀(地震学者)
御嶽山の噴火予知には失敗した。気象庁が火山ごとに発表している「噴火警戒レベル」1(平常)という登山もしていい状態からいきなり噴火したので、火山活動の被害としては戦後最悪の規模になってしまった。気象庁が警戒レベルを3(居住地域近くまで生命に危険の及ぶ噴火が予測されたり発生したりする)に引き上げたのは噴火の40分も後だった。
じつは火山の噴火予知は学問的にはまだまだの段階なのである。
火山は山ごとに違う性質を持っていて、なかには噴火予知に成功した例もある。しかし、予知に失敗して今回のように不意打ちの噴火が起きてしまった例も世界的に数多い。
いちばん成功した例としては北海道・室蘭の近くにある有珠(うす)山がある。2000年に噴火したときは事前の警告で住民が避難して死傷者は一人も出なかった。
有珠山は歴史上知られている7回の噴火すべてで、近くに有感地震が起きだしてから1-2日以内に噴火した。つまり経験的に噴火予知ができる火山なのである。だがこの有珠山でさえ、噴火に至る学問的なメカニズムは分かっていない。
また鹿児島・桜島のように、年に数百回も噴火する火山では、大学による精密な観測網が敷かれているうえに蓄積した経験も豊かなので噴火予知が成功している。
しかし、有珠山にせよ桜島にせよ、噴火予知はせいぜい数日前にしかわからない。数週間以上前には、何も分からないのが実情なのである。
そして、このほかの日本のほとんどの火山では今回の御嶽山と同じように噴火予知が出来なくて不意打ちになる可能性が高い。
これは火山ごとに性質が違うためだ。ひとつの火山で使えた予知の方法が、ほかの火山では役に立たないことが多い。実情は、地下で起きている「事件」が精密に分からなくても「実用的な噴火予知」だけはいくつかの火山で成功してきた、ということなのだ。
このためいまの学問水準では火山を監視するには多様な経験と豊富な知識に裏付けられた判断能力が必要だ。有珠山も桜島もそれぞれの地元の大学が「ホームドクター」のように経験を蓄積していたから可能になった。
ところが2007年に気象庁が5段階の警戒レベルや、それに応じての「噴火警報」が出される仕組みを作って前面に出ることになった。
だがそれぞれの警戒レベルを決める客観的で数値的な基準もない。そのうえ地震や火山噴火などの専門教育を受けた気象庁の職員はごく少ない。庁内の人事異動で気象など他部門から火山監視に配置換えになることも多い。経験も知識も十分ではない可能性が高い。
つまり5段階の警戒レベルや噴火警報を出す仕組みこそ出来てしまっているのに、肝心の噴火予知がいまだあてにならない。気象庁が噴火警報を発令するのを待って避難すればいいということはない。そのことが明らかになってしまったのが今度の噴火なのである。
今回、「警戒レベル1」という「安心情報」を出してこれだけの被害を生んでしまった責任は重いというべきであろう。
(10月3日号『夕刊フジ』より)