NUCLEAIRE
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たんぽぽ舎です。【TMM:No2280】
2014年9月13日(土)地震と原発事故情報-6つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1. 原発事故は科学技術の大失敗 (上)
運転再開は無謀 (上下2回で掲載)
槌田敦インタビュー
★2.手書きのカラーポスターでき上がり-無料配布中
東電本店・九州電力東京支社への3ヶ月の月例行動の日程ポスター
★3.9月11日テントひろば記者会見での発言
水汚染対策+廃炉プロセスの破綻
セシウム拡散の原因はガレキ撤去作業 山崎久隆(たんぽぽ舎)
★4.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
◆ 「放射能市民測定活動報告交流会」 9月21日(日)
―3年間の食品・環境測定のまとめと今後の課題-
★5.噴火口がつくる「天然の良港」-世界各地海際の噴火口は良港
ニューギニア島ラバウルにあるタブルブル火山噴火
「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」その67
島村英紀(地震学者)
★6. 新聞より6つ
◆川内「適合」は不当 (金曜日の声 官邸前) (9月13日東京新聞より)
◆電力自由化で核燃事業苦境
競争 事業者に資金不安 見直し検討 必要性疑問
(9月13日朝日新聞見出し)
◆電源喪失時に自衛隊出動 内閣府 川内原発の避難計画
◆川内再稼働へ経産省が文書 鹿児島県知事らに
◆原子力防災強化 国に検討チーム 担当相が方針
◆伊方の地震想定引き上げる考え 四国電
(以上9月13日朝日新聞見出し)
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┗■1. 原発事故は科学技術の大失敗 (上)
│ 運転再開は無謀 (上下2回で掲載)
└──── 槌田敦インタビュー
原子力規制委員会は川内原発の事実上合格と決定しました。
しかし、この決定には、福島原発の事故が反映されていません。
「原発運転の最低条件は科学技術を満たすこと」と槌田先生は語ります。
○─日本の原子力開発は物理学者の提案で始まったと聞きましたが。
槌田 そうです。東京大学の茅誠司教授と大阪大学の伏見康治教授の提案で始まります。1952 年のことで、アイゼンハワー大統領の「平和のための原子力」の1年前です。
日本の科学者は原爆開発には協力しないとしていましたが、これは、自主・民主・公開で防げると考えていました。
○─放射能の危険は考えなかったのですか?
槌田 科学者は、原子力の安全は、科学技術で解決できると自信を持っていました。
原発がどのような事故を起こすかを考えて、それに対して科学技術により原子炉などを設計すればよいとしていました。
放射能が核燃料から漏れ出す原因は核燃料の過熱だから、緊急炉心冷却系(ECCS)を付けて冷却する。それでも核燃料から漏れ出した放射能は、格納容器で覆い、外部に出ないようにする、としました。
この考えをDBA(Design Basis Accidents 設計基準事故)と言います。「起こり得る事故を想定して設計する」という意味です。
今回の福島原発事故は、この想定された事故の範囲内でした。原子炉の過熱はECCSで抑え、放射能は格納容器で漏れだしを防げるはずでした。
ところが、ECCS が働かず、格納容器は破裂の心配で、ベント(開放)しました。
その結果、福島県民は大量被曝しました。
○電源を失って最悪の事態に
─科学技術が働かなかったのですね。
槌田 科学技術を使うには費用がかかります。ところが、東京電力はその費用をケチったので、6つの問題が起こりました。
まず、(1)直流電源が確保できず、1、2号機では7時間、3号機では15 時間、原子炉の水位と圧力を測定できませんでした。
1号機と3号機では、この時間内に原子炉が空焚きになり、最終段階に突入していたのです。状態が把握できていないのですから、どうしようもなかったのです。
(2)やっと測定できた水位と圧力は誤表示で、作業を混乱させました。2つの水位計の値は異なり、また、圧力が真空以下だったりしました。これでは対処のしようがありません。
この誤表示の欠陥は、事前にわかっていましたが、東電は欠陥をそのままにしていたのです。
○─温度の測定はできたのですか?
槌田 こちらは、もっとひどいことになっていました。
(3)高圧交流電源が地震により確保できず、原子炉などの温度は、8日間も測定できませんでした。温度が測定できず、核燃料の冷却ができているかどうか不明だったのです。
(4)事故の最終段階では、ECCS低圧注水系を使います。これには交流電源が必要です。
1号機と2号機では、非常用交流電源も津波で浸水して使用できませんでした。
─菅直人首相は、電源車をヘリコプターで運べと指示しましたね。
槌田 電源車は重くて運べないのです。道路が回復したあとでは持ち込むことができたのに、東電は菅首相の指示を無視しました。
改善しなかった安全装置の欠陥
─ ECCS は使えたのですか?
槌田 これはひどいものでした。原子炉が空焚きになると発生する水素ガスの問題です。
(5)1号機のECCS非常用復水器は、水素ガスが溜まって使用不能になりました。これも事前にわかっていたことですが、東電は放置していたのです。
(6)2号機と3号機では、ECCS蒸気凝縮系に水素ガスが溜まるとして、これを撤去していました。ECCSの欠陥を改善するのではなく、ECCSそのものを取り外すという、とんでもないことをしていたのです。
非常用復水器と蒸気凝縮系が生きていれば、運転中の福島原発1、2、3号機すべてで、過酷事故にはならないで済んだのです。
福島原発の過酷事故は、東電がこのようにDBA(科学技術)で必要な安全費用をケチったことで起こったのです。
規制委員会は、これら6項目を検討して他の原発の安全に反映させる必要があります。
ところが、福島原発事故でわかったことを反省せず、これらをすべて闇の中に隠して、川内原発の運転を安全だと認めたのです。
(「食品と暮らしの安全」から許可を受け転載)
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┗■2.手書きのカラーポスターでき上がり-無料配布中
│ 東電本店・九州電力東京支社への3ヶ月の月例行動の日程ポスター
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西崎さん手書きのきれいなカラーポスターが出来上っています。
3ヶ月の日程を書き込んだ「3ヶ月ポスター」です。
10月1日(水)・11月5日(水)・12月3日(水)の3ヶ月貼れるポスター。
3ヵ月の内容は、九州電力東京支社へは、川内原発再稼働やめよ(17:30~18:30の1時間)、すぐ近くの東京電力へは、「東電は原発事故の責任をとれ、汚染水止めよ、被害者へ賠償補償せよ、」など(19:00~20:00の1時間)。できれば両方ご参加下さい。
ポスターを貼って下さい。多くの人の目にふれます。
毎月の第一水曜日夕方、ぜひ多くの皆さん、ご参加下さい。(問合せ:たんぽぽ舎柳田真へ)
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┗■3.9月11日テントひろば記者会見での発言
│ 水汚染対策+廃炉プロセスの破綻
│ セシウム拡散の原因はガレキ撤去作業
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
○汚染水問題は、東電の対処能力を超えていると思います。
氷を投入して汚染水を凍らせる作戦は失敗し、ドライアイスも効果は無く、コンクリートで固める方法を試みるというのですが、コンクリートの場合失敗すると後がないといった問題もあります。
凍らない理由は単純で、水の流れがあるからです。熔け落ちた燃料を冷やすために入れる水も汚染水になって流れ出しています。流れは原子炉から、あるいは外周の地下水から生じています。
東京電力福島第一原発の周辺地域は、今でも高い空間線量がありますが、それ意外に建物や敷地から大量の放射性物質が拡散しています。
○それが一昨年の8月にとうとう大量放出事故を起こしました。
その影響で昨年度の福島県産米にキロあたり100ベクレルを超える米が見つかる事態となりました。
セシウム米は南相馬市太田地区の一部から見つかっていますが、その周囲も50ベクレルなどの汚染がありました。しかしこは原発から20kmを超える地域です。ゼオライトやカリ肥料などの対策を施せば大きな汚染はないはずの地域で、非常に高い汚染が見つかった原因は、8月のセシウム拡散事故しか考えられない。
農水省も南相馬市もそう考えていて、東電も可能性は否定できないとしているのに、その補償さえされていません。
さらに怖いのは、拡散した放射性物質は塵状のものであることから、人が吸い込むこともあっただろうということ。
米の表面付着で大量の汚染が確認された地域に、大勢の市民が住んでいます。
太田地区だけではない。SPEEDI、もう解体することになってしまった、唯一の放射性物質拡散予測システムが、南相馬から飯館にかけての拡散を推定しています。
図を見て下さい。(注:原子力規制委員会の環境防災Nネットで公開されている空間線量データグラフ
http://www.bousai.ne.jp/vis/jichitai/fukushima/index.html )
2012年の8月20日に原発から2.8kmの双葉町郡山地区に高いピークがあります。これが放射性物質の拡散を記録したものと思われますが、すぐに元に戻ったことと周辺には恒常的にもっと高い地域も沢山あるため、警告はされていません。この前日までに原発内では12名が被曝をしたとされる拡散事故が起きていますから、大きな拡散事故の発生を東電も十分認識していました。
○この後に放射性物質は南相馬に、飯館に拡散していったのですが、その先ではもうモニタリングポストに有意な反応は見られません。塵の拡散では、よほど高い濃度でないと観測できない欠陥が再度明らかになったということです。
○セシウムを拡散させた作業は、使用済燃料プールから燃料を抜くためには避けられないガレキ撤去作業でした。しかし拡散対策をしないままで、現場作業員も住民も被曝するのは当然です。
国も東電も、持てる技術と資金を十分投入しなければ、破たんの道を突っ走る原発を制御できません。
規制委員会もアンダーコントロールではなく、アン・コントロール状態の原発にこそ全力を投ずべきです。
真後ろに立っている経産省の役割、当然税金で仕事をしている官僚の任務は、紛れもなく原発の終息以外に無いのです。経産省の官僚はいますぐ、鹿児島県庁ではなく、福島第一原発に行くべきです。
福島第一原発事故の責任は、国、経産省、そして東電役員にありますから、さまざまな切り口で追求します。そのうちの一つが「経産省前テントひろば」です。
また、東電の責任追及としては、株主代表訴訟を取り組んでいる原告の一人でもあります。9月25日に11時から東京地裁103号法定で第13回口頭弁論が開かれます。どうぞおこし下さい。