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たんぽぽ舎です。【TMM:No1087】
                          転送歓迎
 
        ◆ 地震と原発事故情報 その72 ◆
 
        7つの情報をお知らせします(5月18日)
 
   1.浜岡原発停止操作もまともにできず炉に海水流入
     重大事故なのに報道せず―日本のテレビ・新聞はおかしい―
                          (山崎久隆)
   2.緊急シンポジウム
    「原発報道を考える~メディアは真実を伝えているのか」
     2011.5/22(日)文京シビック小ホール開会18時45分
   3.全国の原発を止めなくては日本は滅びるだろう―
     いわき市の5/15反原発デモの内容
   4.広瀬隆さんの新刊のご案内「FUKUSHIMA 福島原発メルトダウン」 
     (朝日新書)と、広瀬隆さん2つのDVDのご案内です
   5.いろりばた会議3回連続学習会「よくわかる原子力」
     第2回2011.5.19(木)18:45~21:00『原子力の2つの顔(原爆と原発)』
     第3回2011.5.26(木)18:45~21:00『エネルギー1割カットで
                     〝原子力のない暮らし"』
   6.反原発自治体議員・市民連盟の結成総会に(5/22東京・全水道会館)
          に、ユーストリーム生中継が入ります。
       当日お出でになれない方、ぜひご覧ください。
   7.5月後半の東電前アクションのお知らせ
 
 
★1.浜岡原発停止操作もまともにできず炉に海水流入
   重大事故なのに報道せず―日本のテレビ・新聞はおかしい―
                         (山崎久隆)
 
 津波も来ていないのに、浜岡原発5号機で停止操作中に復水器に海水が大量に
400トンも流入し、原子炉にまで回っていたことが、15日になって報道されてい
ます。
 実際の海水流入が起きたのは、14日の停止操作が始まってからすぐの午後4時
半ごろだと言われています。復水器の中には蒸気が入ってきますが、これを海水
で冷やしています。そのための細管が大量に復水器にあります。400トンという
異常に大量の海水流入であったということから、3万本以上ある細管の、かなり
の数が破断したのでは無いかと思われます。
 その後の停止操作はECCS緊急炉心冷却装置を使って行われたと言うことで
すが、緊急冷却装置が作動しなかったらどうなったのか、非常に危うい運転状態
にあったと思われます。
 このニュース、テレビではテレビ朝日とNHKくらいしか流していません。一
体どうなっているのかこの国のメディアは。
 日本経済新聞の記事の書きぶりを見てみましょう。
 「中部電力は15日、浜岡原子力発電所5号機が同日正午すぎ、原子炉内部の温
度が100度未満の「冷温停止」と呼ばれる安定状態になったことを明らかにした。
政府の停止要請を受けた浜岡原発の停止作業がすべて終了した。」海水流入の前
に「無事」停止したかの書きぶりに呆れます。
 だってそんなことはニュースになりません。普通。安全に止まっただけならば
これが冒頭で良いですが実際には重大事故が起きていたのですから。
 次のセンテンス
「5号機は14日午後1時に運転を停止。その後、冷温停止に向けた作業中に、タ
ービンを回し終えた蒸気を水に戻す「主復水器」の水の純度を示す数値が異常と
なったため、一時作業を中断した。放射性物質の漏えいはなく、作業を再開し、
冷温停止状態となった。」
 この記事までだと何が起きたのか分かりません。まず「何が起きた」から先に
書くのが普通でしょう。冷温停止になったことは結果であって、その前にトラブ
ルが起きたのにそのことは後回しとは、恐れ入ります。
「中部電力によると、冷却水に約400トンの海水が混ざった可能性があるが、原
子炉の損傷はないとしている。」
 結局事故について触れたのはこれだけです。
 400トンの海水流入とは重大事故です。記事の重要度から言えばまずこれが先
ではないでしょうか。原発震災を経ていてさえもまだ、日本のメディアは安全宣
伝にこれつとめている現実に、本当に怒りがわきます。
 
 
★2.緊急シンポジウム
  「原発報道を考える~メディアは真実を伝えているのか」
 
 原発事故をめぐる政府の「安全」「安心」説明が事実によって次々と破たんを
余儀なくされていますが、同時にそれを伝えるマスメディアの報道についても、
かつてないほどの市民の不信感が噴き出しています。いったい何が真実なのか。
メディアの何を信じたらよいのか。実際に現場取材を行ったジャーナリストたち
に生々しい報告をしてもらい、一連の原発報道を徹底検証してみたいと思います。
また、現在立入禁止となっている福島第一原発周辺の「警戒区域」内の取材につ
いても議論します。第一原発敷地内やJビレッジ、原発作業員などに対して、定
期的や取材・撮影・記者会見等の機会を求める要請書を政府や東電に提出する予
定で、その共同アピールをこのシンポジウムで公表する予定です。
 
 2011年5月22日(日)開場18時20分 開会18時45分 閉会21時30分(予定)
 会場:文京シビック小ホール
 定員:370名  入場料:1000円
 出演者:神保哲生(ビデオニュース・ドットコム)
         綿井健陽(ビデオジャーナリスト)
         広河隆一(『DAYS JAPAN』編集長)
         香山リカ(精神科医)
         金平茂紀(TBS「報道特集」キャスター)
         川村晃司(ジャーナリスト/テレビ朝日コメンテイター)
 司会:篠田博之(月刊『創』編集長)
 
        ※特別アピール「布川冤罪事件再審判決直前!冤罪被害者の訴え」
         杉山卓男・他 
    原発報道シンポジウムの最後に、5月24日に予定されている布川事件判決に
ついて、40年以上も無実を晴らす闘いを続けている被害者から特別アピールがあ
ります。
 
確実に座席を確保したい方は『創』ホームページから予約をお願いします。
              http://www.tsukuru.co.jp/sinsai.html
またローソンにてチケット販売中(Lコード39566)。
 
主催:月刊『創』編集部 電話03-3225-1413 FAX03-3225-0898
後援:『週刊金曜日』『DAYS JAPAN』編集部
 
 
★3.全国の原発を止めなくては日本は滅びるだろう―
   いわき市の5/15反原発デモの内容
 
 5月15日(日)に行われた、いわきで行われた反原発デモに参加してきました。
以下はその内容です。参加者は主催者に聞いても把握していないということで分
からなかったのですが、約1000人はいたかな?と思います。
 5月15日(日)、いわき市平公園に、原発による被曝に怒りと不安を覚えた大勢
の市民が集まりました。いわきアクション、ママの会、NO NUKES MORE HEARTS
共催による「さよなら原発、放射能汚染のない平和な未来を求めるパレード」に
は、いわき市内、福島県内だけでなく、東京、大阪、岡山、上関原発に反対する
祝島を応援しているカヤック隊のメンバーも参加しました。最初、主催者からい
わき市に対する申し入れの内容が発表されました。次に古市県議からは地産地消、
東京の電気は東京で作ってほしい、また柏木市議からは市議会で廃炉を主張した
が、合意が得られない、議会の合意には多くの市民の声が必要という発言があり
ました。主催の佐藤和義市議からは福島県民は被曝者になることを強制されてい
る。既に3月から積算すると1000マイクロシーベルトを超え、場所によっては
4000または5000マイクロシーベルトを超えている。故郷を追われた県民の思いを
共有したい。国の耐震基準は全くの作文に過ぎず、何の役にも立たない。全国の
原発を止めなくては日本は滅びるだろうという話があった。また、参加者の中か
ら福島の子どもたちを夏休みなどを使って、短期間でも関西方面などに疎開させ
てはという提案がされ、大阪からの参加者が全く同じことを考えていたので賛同
したいという運動の輪が広がりました。この後、平公園を出て、いわき駅まで約
1時間、楽器の演奏しながら、「原発いらない」とにぎやかにいわき市内をパレ
ードしました。
 いわき市への申し入れ(要約)
 1.学校にガイガーカウンターを設置すること 
 2.ベントをする場合は登下校時を避けるようにすること
 3.20mシーベルトではなく平常時の基準にしてほしい
 4.学校給食にも国の基準ではなくいわき市独自の基準を設けてほしい
 5.第1、第2原発を廃炉にすること
                                    (メルマガ読者からの投稿)
 (編集部より、500人の参加と聞いています)
 
 
★4.広瀬さんの新刊とDVDをご案内します。
 
 ◎新刊「FUKUSHIMA 福島原発メルトダウン」(朝日新書)
 
 ◎広瀬隆さんDVD特価
  広瀬隆さんDVD-2枚セットで、1500円(2000円のところを500円おまけ)
  イ.3月26日講演DVD 広瀬隆 140分(頒価は1000円)
  ロ.4月30日講演DVD 広瀬隆・子供を守れ、ほか(頒価は1000円)
  ロは、5月20日に完成。20日中に発送の予定です。
   クロネコメール便のため、届くのに2~3日かかると思います。
  お申し込みは、FAXかEメールで、3/26と4/30の区別、あるいは両方、
  必要な枚数とご氏名、送付先住所、電話番号をお知らせ下さい
 
 
★5.いろりばた会議3回連続学習会「よくわかる原子力」のご案内です。
  1回目に参加していない方も歓迎です。是非ご参加ください。
  第2回2011.5.19(木)18:45~21:00『原子力の2つの顔(原爆と原発)』
  第3回2011.5.26(木)18:45~21:00『エネルギー1割カットで
                  〝原子力のない暮らし"』
  会場:たんぽぽ舎
 
 
★6.「反原発自治体議員連盟(準)」の結成総会(5/22東京・全水道会館)に、
  ユーストリーム生中継が入ります。
    当日お出でになれない方、ぜひご覧ください。
  ここにリンクしてください→http://www.ustream.tv/channel/tanpoponews
  (過去のたんぽぽ舎主催の講演もみられます)
 
 
★7.5月後半の東電前アクションのお知らせ、転送・転載大歓迎!!
 
 メルトダウン!? なのに責任取らない、脱原発しないのはおかしいよ!
 みんなで東京電力&政府対策本部と中部電力へ抗議・話し合い・申し入れ
 しよう!
・5月20日(金)17時半に新橋SL広場に集合。
              18時半に東京電力&政府対策本部へ抗議&申し入れ。
   東電の出てくる担当者は警備課。中電担当者も総務課。
   真に責任と権限のある経営者などが回答する事を求め、次々出てくる色んな
   問題も抗議します!鳴り物大歓迎★
 
・5月27日(金)16時に新橋SL広場に集合、東電&政府本部前へ。
   申し入れ書の回答を受け取ります。その後中部電力にも行き、申し入れの回
  答を受け取る予定です。
      ※その後、18時~日比谷野音の大集会&デモに合流します!
  詳細は「東電前アクション」ブログをご覧ください:
PR
たんぽぽ舎です。【TMM:No1086】
                          転送歓迎
 
         ◆ 地震と原発事故情報 その71 ◆
 
        4つの情報をお知らせします(5月17日)
 
   
   ★1.5月22日(日)『反原発自治体議員・市民連盟』結成総会への
      お誘い(再) ―原発廃止を願う議員・市民の皆さまへ―
   ★2.5月23日(月) 文部科学省 包囲・要請行動&院内集会
   ★3.今すぐ止めるべき原発・その一
      浜岡停止はそんなに大英断か?―ちがうぞ
   ★4.『パエトーン』―20年以上前の反原発マンガ無料公開中!
      (源八おじさんより)
 
 
 
★1.5月22日(日)『反原発自治体議員・市民連盟』結成総会へのお誘い(再)
      ―原発廃止を願う議員・市民の皆さまへ―
 
 福島第一原発は廃炉へ、浜岡原発は停止への方向へ向かっていますが、まだ日
本各地には私たちの生活とこどもたちの未来を脅かす原発や核施設が多数存在し
ています。
 これまでも、原発現地はもちろん、電気の消費地でも原発を廃止しようという
活動が続いてきましたが、今回の原発震災を受けて、更に活発に広がると思いま
す。そこで、全国の原発廃止への力を集めて、国への要望、情報交換、署名活動、
大衆行動などを力強く進めようと、『反原発自治体議員・市民連盟』を立ち上げ
ます。
 1月の準備集会には、60名を超える議員・市民の皆さまにお集まりいただき、
様々な意見が交わされました。
 議員の連盟だから出来ること、議員と市民の連盟だから出来ることがたくさん
あります。全国各地から、多数の議員・市民の皆さんの参加をお願いいたします。
 
【日時】5月22日(日) 午後1時30分~4時30分
 
【会場】全水道会館・会議室
 
【内容】
 第1部 結成総会
     以下の決定と承認
     規約・行動計画・会費・組織・役員・その他
 
 第2部 記念講演
     講師:菅井益郎さん(國學院大学教授・市民エネルギー研究所)
     「福島県飯館村の現地調査をして~放射能汚染の実態ほか」
 
【問い合わせ】反原発自治体議員連盟(準備会)事務局
       東京都千代田区三崎町2-6-2
       ダイナミックビル5階たんぽぽ舎内
 
【TEL/FAX】03-5211-7199
  ※以上お誘い合わせの上奮ってご参加ください。
 
 
★2.5月23日(月) 文部科学省 包囲・要請行動&院内集会
 
子ども20ミリシーベルトを撤回せよ! 福島の子どもたちを守れ!
 
【集合】 13:00 @文部科学省前
     東京都千代田区霞が関3-2-2(最寄駅:虎の門、霞が関)
     
 
あまりの事態に、福島の親たちが立ち上がりました!
福島からバスを仕立てて乗り込みます。
みなさんもぜひ応援してください!
5月23日(月)午後1時、文科省前に集まってください。
 
 13:30 文部科学大臣への要請(交渉中)
     (文科省外にて)要請行動
 15:30-16:30
     院内集会「福島の子どもたちを守れ!」
     於:参議院議員会館 講堂
 16:30-17:00
     記者会見 於:参議院議員会館 講堂
 
 
★3.今すぐ止めるべき原発・その一
浜岡停止はそんなに大英断か?―ちがうぞ
 
週刊サンデー毎日(5月29日号)が“姑息な放射能垂れ流し政策”を特集している。
なかなか読みごたえのある内容です。その“さわり"の部分、いくつかの文章の
目次を紹介します。
 
*今すぐ止めるべき原発(一覧)
 
 ・下北半島―六ヶ所再処理工場の高レベル放射性廃棄物
      フルでMOX燃料使用は大間原発が世界初(危険)
 ・柏崎刈羽原発
 ・志賀原発―1本の断層を3本に値切りの筆頭
 ・福井県内の原発銀座は“高齢化"―マーク1は廃炉だ!
  ―原発反対ではない慎重派の怒り
 ・島根原発―中国電力が無視した宍道断層
 ・玄海原発―圧力容器ぜい性遷移温度は最悪
 
*広瀬隆「ケタ違いに若い日本列島の宿命」
 ―30億年~2億年の欧米とちがい、わずか2000万年。つまり地盤がぜい弱で、
 いまだに活発、地震が多発するのは宿命(世界の地震の20%もが日本で)。
 日本は原発を持ってはいけない国です(原発の適地が日本中どこにもない)。
 
*未知なる恐怖、地下水ヒバク
 メルトダウン「福島第一」、死の灰9万トンの行方、小田原のお茶に「放射性
 物質」が 意味する事態
 
*東電救済、甘すぎる賠償のウラ―国民にツケ」10兆円
 5兆円の送電資産を売却しろ、米国メーカーGEに損害賠償を
 
 
★4.『パエトーン』―20年以上前の反原発マンガ無料公開中!
                          (源八おじさんより)
 
 山岸凉子さんという漫画家さんの作品『パエトーン』が、潮出版の公式サイト
で無料公開されています。  『パエトーン』は、神になり代われると思い上が
ったパエトーンをめぐるギリシャ神話になぞらえて、原子力発電の是非を世に問
いかけた短編マンガです。
 1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故の発生を受け執筆されたそうですが、
今回の福島原発事故を受けて、特別に無料公開されたようです。20年以上も前の
作品ですが、その内容は今読んでも古さを感じさせません。
 25年前に、チェルノブイリ事故があり、その直後にこのような警告がありなが
ら、我々は愚かにも福島原発事故を起こしてしまいました。改めて多くの方々に
読んでいただきたいともいます。また、マンガという手法で反原発を訴えている
ことも素晴らしいと思います。20年以上も前に、源八おじさんの大先輩がいたの
ですね。
 
 山岸凉子『パエトーン』
たんぽぽ舎です。【TMM:No1085】
                          転送歓迎
 
        ◆ 地震と原発事故情報 その70 ◆
 
        6つの情報をお知らせします(5月16日)
 
   1.『東電が、140万kwを東北電力に融通
        なんだ!!東電の電力、余裕があるんじゃないか!』
   2.『東電の夏の電力は不足しない・データは語る』
        市民エネルギー研究所―安藤多恵子さん講演(5/15)
   3.『デモは横入り大歓迎よ』
          60代の足の悪い男性を守って歩いたら警官がいじわる(5/7)
   4.『ドイツ気象局発表核物質拡散予報』
   5.『サミットで管首相がまた余計なことを発表する。やめてくれー』
   6.『ご案内2つ―5月18日集会と広瀬隆DVD特価』
 
 
★1.「東電が、140万kwを東北電力に融通」
    なんだ!!東電の電力、余裕があるんじゃないか!
 
 東京電力は、被災した火力発電所の復旧などにより、8月末の電力供給力を従
来計画に550万kw上積みし、5620万kwに拡大。供給不足が深刻な東北電力に東電
から最大140万kwを融通する。
 東電の供給力については、中部電力の浜岡原発停止の影響が懸念されたが、東
電が中国電力などへ支援を要請し、西日本から100万kwの融通を受ける計画は変
更しない。
 東電は、5500万kwの供給力確保を目標に発電所の復旧を急いできたが、復旧に
めどが立ち、目標を上回る供給力を確保できる見通しとなった。(デイリーニュ
ース 5月13日号の要約)
 編集部:なんだ!東電の電力、余裕があるじゃないか、データを今まで隠して
     たのか?東電の得意わざは、情報隠し。
 
 
★2.「東電の夏の電力は不足しない・データは語る」
   市民エネルギー研究所―安藤多恵子さん講演(5月15日)
 
 2011年5月15日、明大リバティータワーで「福島第一原発事故で、起きたこと、
わかったこと、これからのこと―」と題する講演会が開かれました。(主催:た
んぽぽ舎、市民エネルギー研究所、(財)大竹財団、現代史研究会)。
写真家の豊田直己さんからの現地の写真報告では、満員の観客(約250名)は、
死に絶えた牛車の多数の牛たちに涙を禁じえませんでした。続く市民エネルギー
研究所の小泉好延さんの講演(「福島第一原発事故で起きたこと、わかったこと」
)では、貴重な生データ、現地写真の引用によって、これまでの国・東電の事故
発表の不足と欺瞞が暴かれました。
 さらに、市民エネルギー研究所の安藤多恵子さんの講演、「東京電力は電力会
社の資格があるのか」は、いかに「夏場に電力が足りなくなる」キャンペーンは
「ウソ」であり、事業者として東電が資格を欠くとかという事実を、東電数字デ
ータによって明白に示してくれました。それによれば、全原発停止とした場合の
東電の発電設備量は、停止中の火力の減少分を考慮しても約5497万Kw。それに対
し、東電の今夏の発電設備量を市民エネ研が推定した結果は、約5500万Kw~5700
万Kw。その結果、「東電の全原発を停止しても、今夏の発電設備は間に合う」こ
とがわかりました。これまで東電は、たびたびの電力危機キャンペーンに加え、
オール電化などを大々的にうたうことによって、電力需要の喚起を繰り返してき
ました。一番の問題は、もうけのために絶えず電力の需要を作為的に拡大し続け
てきた電力会社側にこそあります。夏場の最大電力は数日、数時間のピークカッ
ト対策で間に合うことが、具体的な数字によって示されたのです。こうした東電
を、安藤さんは事業者として失格、原子力で破綻した東電に送電、配電は任せら
れないと指摘。発電と 送・配電の分離と、さらなる電力自由化を強く訴えまし
た。そして、今後の見通しとして、「原発は廃炉へ、電力の地域独占体制を廃止
する、需要を減らしながら、未来にとっても無理のない電源構成へ移行すべし」
と、道筋を示してくださいました。
 講演はこの後、現地からの報告(柏崎刈羽原発現地・矢部忠夫さん、東海第二
原発現地・相沢一正さん)を頂き、盛会のうちに終了しました。
 
 
★3.「デモは横入り大歓迎よ」
   60代の足の悪い男性を守って歩いたら警官のいじわる(5/7)
                            山田知惠子
 5月7日渋谷サウンドデモに参加しました。
たんぽぽ舎はデモ出発隊列のすぐ横で、警察の妨害で出発が遅れていることなど
をアナウンスしていました。すると、警官が「デモをやる人はフェンスの中に入
って下さい!」「あななたちはデモに入りませんね!入りませんね!」と規制し
てきました。
 私が「それはあなたが勝手に決めたことでしょう。なんで従わなきゃならない
の?!」と聞くと、「並んでる人がいますから」と言うのです。
ディズニーランドじゃあるまいし、デモはよこはいり大歓迎なのよ!
こちらが強く言うと、黙ってひきさがりました。
 今回のデモは沿道から参加する人が沢山いました。
プラカードを持ったご夫婦が沿道を歩いていたので声をかけると、「どこに入ろ
うかと思って」とのことで「ここが最後ですから、入ってください」と言うと歩
道のフェンスを乗り越えて加わってくれました。
また、渋谷の混雑した交差点でも若いカップルが入ってきました。二人の足取り
は軽く、見ているだけの人から行動する人になったという感動を私も受けとりま
した。
 原宿駅あたりで一人の男性が入ってきました。この方は区役所前でたんぽぽ舎
のパンフレットを買ってくれた人でした。年配で、アゴを固定し、杖をついてい
たため、「デモしたいけど、ムリだよねー」と言っていた方でした。きっと原発
を止めなければという思いにかられて、なんとしても参加したいと思われたので
しょう。
 私たちたんぽぽ舎の横断幕を持った3人は1万人?デモの9995人目くらいの位
置だったので、私たちがこの方と行かなければ彼はデモから取り残されてしまう
と思い、一緒に進むことにしました。どのみち遅々として進まなかったし。とこ
ろが、警官は自分たちが邪魔をしてデモの進行を遅らせているのに、動くとなる
と「早くしてください。詰めてください。」と勝手なことを言ってくるのです。
「足の悪い人がいるのが見えないの!?」「焦らせないで」と何度も言うのに、
動くたびに追いたてるのです。
すでに7時をまわり、暗くなってしまった中、東京都児童館あたりでした。今ま
で杖と傘を支えに黙々と歩いていた男性がたまりかねて、警官に「なぜ焦らせる
んだ! 俺の前に行けばいいだろう!」と抗議しました。私たちも「あんたたち
はずっと追い立ててきたから彼が怒るのは当然だ!デモは国民の権利なんだ。妨
害するんじゃない!」と抗議しました。
 このような警察の妨害の中でも彼は長時間のデモを歩き続け、2度目のタワー
レコード前あたりで、デモ終点まであと少しというところでしたが、「もう無理」
とデモ隊から抜けました。周りにいたみんなは彼を拍手で送りました。彼にとて
も励まされたのです。
8時少し前にやっと終点についた私たちを、終わって帰る人たちや終点で待って
いてくれた人たちが拍手や声援で迎えてくれ、とてもうれしかったです。
 今回、渋谷交差点の横断歩道から私の肩をたたいて激励してくれた方たちが次
のデモでは一緒に歩いてくれる人になるのだろうと実感しています。
 
 
★4.「ドイツ気象局発表核物質拡散予報です」
 
   ドイツ時間表記なので日本時間換算するためには9時間足してください。
 
    この予想のデータは日本のSPEEDIによるものです。
   USTREAM 放射線測定「リアルタイム」
   Real-time update of radiation level
 
  このURLを開くと現在、東京都新宿区、渋谷区セルリアンタワー内、
  港区六本木、埼玉県川越市、久喜市、神奈川県横浜市、千葉県一宮
  海岸付近、福島県郡山市、福島市方木田、茨城県水戸市、宮城県角田、
  に設置してあるガイガー・カウンターをWebcamを通してリアルタイムで
  見る事ができます。
 
 
★5.「サミットで管首相がまた余計なことを発表する。辞めてくれ―」
 
 すでにご存知の方もいらっしゃることと存じますが、
来たるドービルG8サミットで、また余計なことを発表するとのニュースです。
せっかく浜岡停止要請が決断できたのですから、敢えて国際社会に向けて余計な
ことを言わなくてもよいと思うのですが・・。OECDの設立50周年フォーラム
でも余計なことを言うのでしょうか?
 何か一言クギをさしておきたいところですね。(投稿より)
 
 
★6.「ご案内2つ――5月18日集会と広瀬隆DVD特価」
 
 ・5月18日(水)の案内―神田香織「チェルノブイリの祈り」、他
  原発停止、壊憲阻止、国民投票法の撤廃を求める集会が、豊島公会堂で開か
  れる。18:30~20:30、デモ。
  神田香織さんの講談:「チェルノブイリの祈り」と
  リレートーク:「原発止めよう 福島原発事故は,すべて人災」
  柳田真(たんぽぽ舎)ほか、5人のトーク 資料代:500円
 ・広瀬隆さんDVD-2枚セットで、1500円(2000円のところを500円おまけ)
  イ.3月26日講演DVD 広瀬隆 140分(頒価は、1000円)
  ロ.4月30日講演DVD 広瀬隆・子供を守れ、ほか(頒価は、1000円)
  ロは、5月20日に完成。20日中に発送の予定です。
   クロネコメール便のため、届くのに2~3日かかると思います。
  お申し込みは、FAXかEメールで、3/26と4/30の区別、あるいは両方、
  必要な枚数とご氏名、送付先住所、電話番号をお知らせ下さい。

たんぽぽ舎です。【TMM:No1084

                          転送歓迎

 

        ◆ 地震と原発事故情報 その69 ◆

 

        2つの情報をお知らせします(5月15日)

      

 

 ★1「原発は憲法違反である」  大河原礼三

 ★2 話ははっきりさせなければならない。(被曝線量その3)

                   山崎 久隆

 

 

★1「原発は憲法違反である」  大河原礼三

 

▲憲法前文は「恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利」を宣言して

いるが、原発は放射能被害の恐怖と不安と人命破壊を引き起こして平和的生存

権を侵害する。

▲憲法は13条で「生命、自由および幸福追求に対する国民の権利」を保障し、

22条で「居住の自由」を保障し、25条で「健康な生活を営む権利」を保障

し「公衆衛生の向上と増進」を目指しているが、原発は放射能汚染によって健

康を破壊し、飲食物の摂取を危険にし、それらの生産者の生活を脅かし、地域

住民を転居させるなど、生命権と健康権と幸福追求権と生活権と居住権を甚だ

しく侵害する。

▲憲法18条は「何人も、その意に反する苦役に服させられない」と規定して

いるが、原発作業員は、日常的に放射能の危険に曝され、事故のときには、そ

の犠牲者にさせられるのであるから、彼らの労働は憲法が禁止している「意に

反する苦役」である。

▲憲法21条は「表現の自由」を保障し、23条は「学問の自由」を保障して

いるが、国の原発政策は、原発に批判的な意見の表明を抑圧し、批判的な研究

を抑圧してこれらの自由権を侵害し、国民の「知る権利」を侵害する。

▲憲法98条は「日本国が締結した条約および確立された国際法規は、これを

誠実に遵守することを必要とする」と規定しているが、福島原発が放射性廃棄

物を海洋投棄したことは、海洋投棄に関する国際条約に違反している。

■電力会社は大地震の際に原発事故を防ぐ能力がないことを露呈し、原発は憲

法違反を不可避的に引き起こす制御不可能な危険物・暴力源であることが明ら

かになったのであるから、原発は当然法律で禁止されるべきである。

                            (2011.4.17

 

編集部から:新聞に投書された原稿で、優れた内容です。しかし、大手新聞

には残念ながら載りませんでした。(不採用)

 原発は憲法違反であることを具体的にフクシマ事故に即して書かれた内容で、

広く皆さんに知っていただきたく、著者の了解を得て掲載します。(柳田)

 

 

 ★2 話ははっきりさせなければならない。 被曝線量その3

                        山崎久隆

 

 この間の学校の放射線許容量が大混乱を来している。その間の事情は、週刊

ダイヤモンド誌に詳しいが、要は「2007ICRP勧告の国内法整備が出来ていな

いうちに重大放射性物質拡散事故が発生したため、ICRP勧告に沿った考えを持

つ専門家とそういう考えに反対する専門家が時々で報道で、あるいは国の会議

などで個々が勝手な主張をするため、何が正しいか誰にも分からなくなってい

る」ことが大きかったということ。

 勝手な主張の最たるものは「100ミリシーベルトまでの被曝は何の影響も

ない」というもの。さらに加えて「低線量の放射線は人体に有益」ということ

を付け加えるものさえいる。

 実際のところはその1とその2で述べたとおり低線量の放射線はむしろ直線

モデルの影響よりも有害性が高い可能性さえある。

 ICRPは、ではどう言っているのだろうか。これについても、人によっては大

きなすり替えをしている場合がある。

 

 ICRP2007年勧告においては、「緊急時被ばく状況」から「現存被ばくの状

況」という概念を用い、緊急時で逃げ惑うような状況「緊急時被ばく」から、

一定の落ち着きを取り戻した、事故収束段階に移行し、その段階で一定の濃度

の放射性物質による汚染が残った状態を「現存被ばく」という。

 では、勧告本文の重要部分を訳してみる。

 この項目は、現存被ばくの基準を勧告している部分だ。

 

----------------------------------------------------------------------

ICRP Publication 111

 

P11

 

(o) The reference level for the optimisation of protection of people living in-contaminated areas should be selected in the lower part of the 120 mSv/year band recommended in Publication 103 (ICRP, 2007) for the management of this category of exposure situations. Past experience has demonstrated that a typical value used for constraining the optimisation process in long-term post-accident situations is 1 mSv/year. National authorities may take into account the prevailing circumstances, and also take advantage of the timing of the overall rehabilitation programme to adopt intermediate reference levels to improve the situation progressively.

 

http://www.icrp.org/publication.asp?id=ICRP%20Publication%20111

 

(o) 汚染地区内に生活している人々の防護の最適化のための基準レベルは、

この被ばく状態の区分に関する管理についてパブリケーション103(国際放

射線防護委員会2007)で勧告された1~20mSv/年の幅の下の方で選

択されるべきです。過去の経験により長期間にわたる事故後の状況で最適化過

程を拘束するために使われる典型的な値が1mSv/年であることが明示され

ています。国の機関は現地の一般的状況を考慮に入れて、そして次第に状態を

改善するために中間の基準レベルを採用するため全体的な復興計画の時間を設

定することを採用してもよいです。

----------------------------------------------------------------------

 

敢えて直訳にしているが、これにより、ICRPは「20ミリシーベルトを基準」

になどしていないことが分かる。あくまでも120の間で「下の方」と言って

いるから、まともに読めば110ミリシーベルトに相当する。原子力安全委員

の中に10ミリシーベルトを基準にすべきといった人がいたようだが、おそらく

ICRP勧告をそのまま適用しようと思ったのかもしれない。

 10ミリシーベルトを一般居住の基準とし、1020ミリシーベルトまでについ

ては、他の項目から推察するに「個人被ばく管理をしたうえで、汚染除去や原

状回復などの特定の作業過程において暫定的に居住を認めても良い」とも読め

る。

 もちろん子供の被ばく基準など、この中では一切言っていない。

 このどこをどう読めば「20ミリシーベルトまで許容される」と読めるのか。

 ICRPの基準さえ逸脱しているのが、今の文科省・厚労省基準なのである。

 

 福島原発震災は、まだ終息さえしていない。従って、「現存被ばく」と呼べ

る状況にさえなってない。緊急避難を必要としている段階なのだから、むしろ

もっと厳しい基準を特に乳幼児、子供や妊婦、免疫機能が弱い人たちに対して

適用すべきであろう。それは年間1ミリシーベルトを超えてはならないとすべ

きだろう。

 

 なお、筆者はICRP勧告は低線量被曝リスクを過小評価しており、採用すべき

では無いと考えている。しかしながら現状はICRP勧告さえ逸脱したとんでもな

い状況なので、敢えてICRP勧告の内容解説を試みた。

 

    その3の掲載が遅くなりました。12と合わせお読みください。

たんぽぽ舎です。【TMM:No1083】
                          転送歓迎
 
        ◆ 地震と原発事故情報 その68 ◆
 
        6つの情報をお知らせします(5月14日)
 
     1.5月22日(日)『反原発自治体議員・市民連盟』
       結成総会へのお誘い―原発廃止を願う議員・市民の皆さまへ
     2.運命を分けたものは?
       東電福島第一原発1-4は×で、5-6は○の理由[山崎久隆]
     3.日本の原子力教育は科学教育ではない。もう愚かな
       洗脳キャンペーンはやめさせよう![しげのさおり]
     4.電機メーカー商品の不買呼びかけをしたい―読者から
     5.ドイツ、2021年までに脱原発可能
     6.好評!たんぽぽ舎パンフNo.53のお知らせ
       
 
★1.5月22日(日)『反原発自治体議員・市民連盟』結成総会へのお誘い
    ―原発廃止を願う議員・市民の皆さまへ―
 
 福島第一原発は廃炉へ、浜岡原発は停止への方向へ向かっていますが、まだ日
本各地には私たちの生活とこどもたちの未来を脅かす原発や核施設が多数存在し
ています。
これまでも、原発現地はもちろん、電気の消費地でも原発を廃止しようという活
動が続いてきましたが、今回の原発震災を受けて、更に活発に広がると思います。
そこで、全国の原発廃止への力を集めて、国への要望、情報交換、署名活動、大
衆行動などを力強く進めようと、『反原発自治体議員・市民連盟』を立ち上げま
す。
 1月の準備集会には、60名を超える議員・市民の皆さまにお集まりいただき、
様々な意見が交わされました。
 議員の連盟だから出来ること、議員と市民の連盟だから出来ることがたくさん
あります。全国各地から、多数の議員・市民の皆さんの参加をお願いいたします。
 
【日時】5月22日(日) 午後1時30分~4時30分
 
【会場】全水道会館・会議室
 
【内容】
 第1部 結成総会
     以下の決定と承認
     規約・行動計画・会費・組織・役員・その他
 
 第2部 記念講演
     講師:菅井益郎さん(國學院大学教授・市民エネルギー研究所)
     「福島県飯館村の現地調査をして~放射能汚染の実態ほか」
 
【問い合わせ】反原発自治体議員連盟(準備会)事務局
       東京都千代田区三崎町2-6-2
       ダイナミックビル5階たんぽぽ舎内
 
【TEL/FAX】03-5211-7199
 
 ※以上お誘い合わせの上奮ってご参加ください。
 
 
★2.運命を分けたものは何か。東電福島1-4は×で、5-6は○の理由は?
                                山崎久隆
 
 「地震に係る確率論的安全評価手法の改良・独立行政法人 原子力安全基盤機
構10 原確報」(以下PSA解析)について紹介をしたが、これを福島第一に即
して見直してみよう。
 PSA解析では防波堤の高さを基準海面+13mとしているが、福島第一はそん
なに高くは無かった。実際の高さは5.7m。さらに海水ポンプ設置高はそれよりも
さらに低く基準水面から4mしかない。これを先のPSA解析に照らせば、もと
もと波高が6m程度で海水ポンプは使用出来なくなることになる。6mの津波が
「とても予想が出来ないほどの大津波」だろうか。
 ここでも東電と報道によるミスリードがある。
 津波の波高が6mで、福島第一は海水ポンプの破損により冷却不能になり、炉
心損傷は免れない。PSA解析はそう断じていたのだ。
 
 2010年12月公表のPSA解析は、BWR4について津波波高が少なくても15m
あればアウトと書いていた。微妙に福島第一と似ていて違えている。
 BWR4とは、日本で最も古いBWRである敦賀1や福島第一1の後継として
GE社が開発したもので、日本では福島第一の2~4と浜岡1,2、女川1がこ
れにあたる。BWR5(改良標準型を含む)は東海第二、福島第一6、第二、柏
崎刈羽1~5など多数ある。
 
 BWR4で敷地高さ13mというと、福島第一の5に相当する。1~4は10mしか
ないのだ。この3mの差が、福島第一の1~4と5,6の運命を分けた。
 さらに言えば女川もまた、敷地の高さが津波の高さをやや上回ったこと、外部
電源が取れていたことが幸いした。福島第一は外部電源が無く、非常用ディーゼ
ルも6号機の1台だけしか動いていなかった。
 
 PSA解析は、海水ポンプが水没し、非常用ディーゼルや外部電源の全喪失が
起きれば、炉心損傷を免れないことを明確に記述しており、その最初の関門が津
波波高6m超えだった。1~4号機については、敷地の高さが10mしかないので、
2m高い12mが最終防衛線だった。ここを超えたら、もはやなすすべはなかったの
だ。
 
 まとめると、既に昨年のPSA解析において、福島第一は津波波高6mで海水
ポンプは使用不能となり、炉心損傷の確率が極めて高くなり、波高が12mに達し
たら、その確率はほぼ100%になっていたこと。その対策をしなければならないと
いう危機感が当時も無かったし、地震発生時点でも無かった。すなわち、原子力
安全基盤機構という原子力産業の側の機関が行っている解析に
対してさえ、真剣に対処する必要を感じていない人たちが、現在の原発を動かし
ていることになる。
 
 ことは東電だけの問題ではない。この解析に従って津波対策を強化していた原
発など一つも無いのだから。
 
 
★3.日本の原子力教育は科学教育ではない。
   もうこのおろかな洗脳キャンペーンをやめさせよう
                               しげのさおり
  
 SPA! 5/17号に、もはや洗脳!![子供向け原発教材]のヤバい中身 が掲載され
た。
「原発教育の問題点は主に2点。1つはリスクや危険性を語らずに安全性だけを
強調していること。リスクがあるからこそ安全対策をしているはずなのに、なぜ
かリスクの部分だけが抜け落ちている。(略)そしてもう一転は、教本の中で一言
も書かれていないにもかかわらず、巧妙に原発推進派へ誘導するような構成にな
ってること。」と、記事中の理科教育事情に詳しい京都女子大学教授小波英夫氏
のコメント。またこういうテキストに対して無批判に教える教師・・悪質な現状
がうかびあがる。
 また、こうした教育をうけた子供たちによって作られる原子力ポスターコンク
ールも紹介されている。 危険性を書いた作品はスポイルされ、賛美する内容の
ものばかりが入選。原子力発電がなんたるか知っている人間からすれば、ナンセ
ンスな作品群が紹介されている。 詳しくは記事をご覧ください。
 学校教育、CMを使い、執拗に繰り返される原子力の必要性。しかし放射線の人
体影響についての情報は一切教えない。医師すらも、放射線、放射線の人体影響
について無知な日本。
 こういった現状は原子力に限らず日本の教育制度、体質を象徴している。
教え子を嘘で固めた教育をし、命の危険にさらす戦地に送り出し敗戦に突入した
太平洋末期の頃の日本と何も変わっていない。今後の教育体制をどのように替え
ていけるか、政府・現場・国民1人1人に問いかけられているのではないでしょ
うか。
 
変えていく意思のある方、まずはこちらへ署名を。
 
原子力ポスターコンクール廃止署名
 
 
★4.電器メーカー商品の不買呼びかけをしたい―読者から
 
たんぽぽ舎さま
 デモ行進の計画的ぶつ切りも、不当逮捕もひどいですね。私は、当日、デモに
参加していながら、到着後、「あれ?参加者の列はこんなに短かかったっけ?」
と、恥ずかしながら、ノー天気に考えていました。でも、圧力かけられても、
「塩の行進」のように、忍耐強く、非暴力で「脱原発」にむかいたいです。
 そこで質問です。デモの時、電器メーカー(日立・三菱・東芝)商品の不買の
呼びかけをプラカード等で意志表示しても、メーカー側に訴えられませんか?
初歩的な質問でごめんなさい。(O子)
 
私の考え
*憲法で保障する「言論の自由」の範囲です、
*メーカーに訴えられないと思います。
 過去、不買運動で訴えられたことは聞いたことはありません。訴える法的根拠
はないと
 思います。
*なお、私は貯金を大手の銀行から城南信金(原発反対)へ移しました。電器メー
カーへお金を貸している大手銀行への抗議の意見表示です。     (柳田)
 
 
★5.2021年までに脱原発可能―ドイツ諮問委答申へ
 
 福島第1事故を受け、ドイツのメルケル首相が原発政策に関して諮問した「倫
理委員会」が、「2021年までに脱原発が可能」とする報告書案をまとめた。(DPA
通信が12日までに伝えた)それによると、ドイツ全17基のうち、福島後に停止し
た7基、故障多発で停止中の1基の計8基を止めても電力供給に支障はなく、さ
らに 残りの原発も天然ガス、風力への代替により、21年までには全廃可能と提
言している。
 これを受け、メルケル政権は新エネルギー政策法案を6月上旬に決定し、議会
で7月には採用される予定。(東京新聞 5月13日号より要約)
 
 
★6.好評!たんぽぽ舎パンフ(No.53)のお知らせをいたします。
 
 小出裕章著「日本の原子力推進策は破綻した―大事故の前に原子力から撤退を」
の増刷を重ね、2011年4月に第5刷を発行しています。
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