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たんぽぽ舎です。【TMM:No1319】
                               転送歓迎
                           
         ◆ 地震と原発事故情報 その304 ◆
          3つの情報をお知らせします(1月21日)
 
★1 メール読者のご心配と意見に対しての返事です
      (3月10・11日のツアーについて)
★2 <テント日誌  2件1/18、1/19>
★3 読者からのイベントのお知らせ:2件
      ◇ 第11回 沼田眞賞授賞式・記念講演会(1月22日)
   ◇ 『すべての原発いますぐなくそう!全国会議ヒロシマ
      (NAZENヒロシマ)結成集会』(2月11日)
 
 
★1 メール読者のご心配と意見に対しての返事です
       (3月10・11日のツアーについて)
  地震と原発事故情報その302(1月20日配信)で案内した郡山へのツアーに
 ついて、ご意見が届きました。それに関して答えました。
 
○意見内容     (S区Y氏)
たんぽぽ舎 ご担当者様
 いつもご苦労様です。
メール情報で勉強させていただいております。
  が、本日下記の情報には目を疑いました。
   ☆ さようなら原発1000万人アクション in 福島 現地集会
   3月10日(土)・11日(日)福島へ行こうバスツアー 申込み開始
  私は皆様と同じく反原発の立場に立つ者で、原発をなくすために微力を尽く
したいと考えるものの一人です。
  しかし上記ツアーについては、会津など比較的線量が低いところで行われると
 いうなら別ですが、もし、そうでないのなら懸念します。
  あれから一年という節目のイベントが大事なものであることは一般論としては
 理解できるとしても、それをあえて福島という高線量地域で行うこと、他地域
から
  わざわざツアーを組んで向かう意味は私には理解できません。決死隊ですか?
もちろん違いますよね。
  参加しようとする方は実際は真剣な方ばかりだと思いますが、  私には、何か
間違っているように思えます。
  浜岡原発ツアーとか、柏崎刈羽ツアーとか、それならばわかりますし  私も参
加してみたいと思ったりします。
  しかし、福島なら行けません。
  そんなに気軽に行ってよいところではないと思うのですけれど、  参加者はそ
れなりのリスクを理解して行くのでしょうか…。
  脱原発派の中には、現実の放射能被爆に対しては意外と  無頓着な人がいると
いう話も聞いたことがありますので心配です。
  短期滞在とはいえ、反原発のこれからを担って行くであろう人材たちに  被爆
を積み重ねてほしくないなあ、と思ってしまいます。
  まさか子連れで参加しようなんていう方がいたら、私は絶叫するかもしれませ
ん。
  私には全くもって驚くべきツアーですが、さらには、主催ではなくとも、たん
ぽぽ舎が  関わっているということに正直、驚いています。
  無論、たんぽぽ舎の存在意義は大きいという私の認識には変わりはありません
が…。
  以上、読者の一感想としてお伝えしたく思います。
  上記の懸念が杞憂であり、イベントが安全な地域で行われるものであることを
願ってやみません。
 
○たんぽぽ舎からの返事
1.メールありがとうございました。
  集会会場は、郡山市です。郡山市の放射線量モニタリングの数値は、市合同
 庁舎で、0.69から0.70マイクロシーベルト(1月14から16日)くらいです。
 
2.この行動は、さよなら原発1000万人アクションが中心です。
  (福島県内で1万人、県外から1万人、計2万人の予定)
  福島からはぜひ「福島を忘れていない」意味からも来てほしい、と熱烈なよ
 びかけです。私たちと親しい市民グループからもきています。
  これらの人たちとの連帯が原発廃止運動に重要だと考えています。
 
3.私たちは、放射能はイヤですが、「連帯」を重視します。
  もちろん、「マスクも帽子、手袋なども用意」して、対策には努めます。
 
  ご心配いただいてありがとうございます。
 
★2 <テント日誌   2件>
 2-1 <テント日誌 1/18(水)>
 再稼働に向けなりふり構わず狂奔する安全・保安院
   ―― 経産省前テントひろば 130日目 ――
 
1月18日(水) 晴れ
 いつもなら午前中に来る経産省の退去通告が今日はなぜか午後になった。交わ
す会話は至って簡単。警備課長腕時計を見て、「え~、1時30分、お名は?」
「○○○○、今日は遅いじゃないか」「おれたちだって忙しいんだよ」要するに
午後に予定されている「大飯3、4号機」ストレステストの専門家意見聴取の警
備打ち合わせにてんてこ舞いだったというわけだ。
 傍聴者市民を「意見聴取会」から別室に隔離しようとする経産省に対し市民の
怒りが爆発した。機動隊が省内に入った。3時間後、安全・保安委は委員たちを
別室に誘導。委員二人がこれを拒絶。この段階で経産省の目論見は破産したとい
うべきだ。移動した委員だけが別室で出したストレステスト合格の結論など誰が
信用するか。
 寒風の中、経産省前の抗議行動は深夜まで続いた。
 この日、第2テント(前は女性テントと言っていた)では、改憲阻止の会のメ
ンバーを中心に「とつきとうか」の椎名さんも参加して、今後のたたかいについ
ての討議が行われた。
 椎名さんが川田龍平、阿部知子両議員を中心とする議員たちの動きを報告した。
長い名前になるが、「放射性物質から子供及び妊婦をはじめとする国民の健康を
保護するための施策の推進に関する法律案」の素案作りを進めているという。
 原発に関する一般国会議員の動きが鈍い中でこれは朗報だ。この動きを全国会
議員に広め、行く行くは「放射能から子供を守る超党派議員連盟」といったもの
に育てたいと、大いに盛り上がった。
国会が始まる1月24日(火)から~31日までの「国会前座り込み」が確認さ
れた。
椎名さんたちも、全国から訪れる女性たちと共に出身地選出議員への働きかけを
強めるという。
テントと国会前を繋ぐ重層的な運動軸を作ろうという構想だ。20日のテント全
体会議にも提案しようということになった。
 
2-2<テント日誌 1/19(木)>
        福島を知り、フクシマに立つ!
   ―― 経産省前テントひろば 131日目 ――
 
1月19日(木) 曇り 夜は雨
 
 今日はテントも、昨日のストレステスト意見聴取会の件でもちきりだった。み
んな東京新聞を手にしている。
怒りと道理と信念が直接行動を生み、それが新たな事態を生み出し、闘いの真実
をあからさまにしていく、そういうことをひしひしと感じさせられるものであっ
た。
 昨日、実況中継の映像を流し続けたOurPlanetTVの彼は、経産省正門前でマイ
クアピール。
80代の斉藤さんは今日もテント前でマイクアピール。
 今日、福島大の教員をされてる方がテントを来訪される。福島の現状を、言葉
をかみしめるように話される。声は時々涙声に。
 福島では放射能に対して危険を感じた方は次々と避難してしまっている。残っ
ている方の多くは、あえてその危険性を見ようとしないか、避難できないぶん政
府の言う除染・復興に望みをつなごうとするか、自縄自縛的な状態にあるという。
放射能と言うだけで非難され、学校の校庭の放射線量を計測しょうとすると校長
に追い出され、・・・と。
 これから、テント日誌に福島の今を、「福島便り」として寄せていただくこと
を約束された。
 コンビニに寄ったついでに、週刊朝日を買う。そこには東電が福島第2原発の
再稼働を策動していること、保安院がこのフクニの早急な復旧を11日に指示し
ていることが書かれていた。怒りと驚きが頭を突き抜ける。
 福島知事が公式に福島の全原発の廃炉を表明したのは、1月8日のことである。
 こういう中で、3・10-11と郡山市で福島県民集会と前日イベントが予定
されている。10日は10月27-29日に経産省前座り込み行動を行い、今と
つきとおかのフクシマ村行動を行っている「原発いらない!福島の女たち」も主
催者として加わっている。「福島を知って下さい!フクシマに立って下さい!」
と参加を呼びかけている。
 フクシマを脳裏に刻み、フクシマに繋がり、フクシマと連帯する!それは今も
尚、私たちの反=脱原発の原点であり、原動力であり続けている。
 3・10-11 福島へ! バスツァ-での参加者を募っています。
 
★3 読者からのイベントのお知らせ(1月22日、2月11日)
 
◇ 第11回 沼田眞賞授賞式・記念講演会
 自然保護ですぐれた実績をあげた方を表彰する「沼田眞賞」。今年受賞の「長
島の自然を守る会」が上関原子力発電所計画に反対し守ろうとしてきたものにつ
いてお話いただきます。
日時:2012年1月22日(日)12時半開場、13時開会、17時終了
場所:清澄庭園大正記念館(東京都江東区清澄)
    清澄白河駅徒歩5分
参加費:無料
内容:受賞記念講演(長島の自然を守る会 代表 高島美登里)
 
記念講演 加藤真(京都大学教授)、飯田知彦(九州大学農学博士)
・パネルディスカッション 高島、加藤、飯田、山戸孝
        (上関原発を建てさせない祝島島民の会)
申込み窓口:日本自然保護協会 管理部・田村
TEL.03-3553-4101 FAX.03-3553-0139
tamura@nacsj.or.jp
◇  『すべての原発いますぐなくそう!全国会議ヒロシマ(NAZENヒロシマ)
結成集会』
    日時:2月11日(土)午後1時から午後3時
    講演:清野和彦さん(元福島県教職員組合委員長・すべての原発いますぐな
くそう全国会議呼びかけ人)
    会場:広島平和記念資料館(原爆資料館)地下1階 会議室1(広島市中区
中島町1-2)
    資料代:500円
    詳細は http://nonuke.at.webry.info/201201/article_1.html
お問い合わせ hiroshima.nonuke@gmail.com
PR
たんぽぽ舎です。【TMM:No1318】
                               転送歓迎
 
         ◆ 地震と原発事故情報 その303 ◆
        4つの情報をお知らせします(1月20日)
 
  1月14日、四国電力伊方2号機が定期検査で停止。
  四国の全原発が停止状態。残るは東電2基、関電1基、北海道電1基、
  中国電力1基の計5基、全原発停止へあと一歩
 
 
★1.放射能「新基準値」説明会
     遺伝的影響は無視と厚労省
            NPO法人 食品と暮らしの安全基金 丸田 晴江
★2.たんぽぽ舎に届いた年賀状から・その2(3人の方、敬称略)
 ◇小出 裕章
 ◇菅井 益郎
 ◇今井 俊政
★3.<テント日誌 1/17(火)>
    再稼働阻止へ、経産省との日々のせめぎ合い
       ―― 経産省前テントひろば 129日目――
★4.新聞・雑誌から、1つ
 ◇杉並区・東電所有地購入構想
  区議の社員が監査委員に 利益相反の恐れ
 
 
 
★1.放射能「新基準値」説明会
     遺伝的影響は無視と厚労省
 
            NPO法人 食品と暮らしの安全基金 丸田 晴江
 
 ◇遺伝的影響は無視と厚労省
 
 1月16日、都内で「食品中の放射性物質対策に関する説明会」がありまし
た。食品中の放射性物質の新たな基準値について、国の見解を聞けるので、会
場は満席です。今回、新たに基準を見直すことになったのは、「放射性セシウ
ムの検出が下がった」ことで、基準を引き下げても「わが国の食糧供給上、問
題がなくなったから」だそうです。「健康影響を考慮して」という理由ではな
いので驚きました。
 4月から、食品の基準は500から100ベクレル/kgに下がる予定です
が、参加者からは「100ベクレルでもまだ高い!なぜもっと下げられないの
か」という意見が多く出ました。放射性物質による健康影響についての説明が
ありましたが、ガンについてのリスク評価ばかり。低線量域での影響は「よく
わからないので、影響は無いものとしている」ように感じました。遺伝的影響
についても「ヒトでの調査では見られていない」として無視。役人にとって面
倒なことが起こる内容の文献は「被ばく線量の推定が信頼できない」「調査研
究手法が不適切」などと理由をつけて、参考にしないのです。
 
 ◇食品と暮らしの安全基金からパブリックコメントへ意見を提出
 
 食品の放射性物質の新たな基準値について厚生労働省がパブリックコメント
を求めたので、私たちは、遺伝的な悪影響を防ぐため、1月17日に意見を提
出しました。放射能の遺伝的な影響には閾値がないこと、日本人という集団へ
の影響を最小限にするため、食品も飲料もすべて1ベクレル/㎏にして、基準
を超えた食品の補償を東京電力にさせるべきと主張する内容です。
 安全基金のホームページ(http://tabemono.info/)に、全文を掲載していま
す。
 皆さんも意見を寄せてください。
 
 ◆厚労省/食品衛生 パブリックコメント
 
「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の一部を改正する省令及び食品、添
加物等の規格基準の一部を改正する件(食品中の放射性物質に係る基準値の設
定)(案)等に関する御意見の募集について」
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495110333&Mode=0
 
 
★2.たんぽぽ舎に届いた年賀状から・その2(3人の方、敬称略)
 
◇迎春 2012年元旦
 昨年3月11日、福島第一原子力発電所事故が起こりました。41年間、こ
んな事故を起こしたくない一心で生きてきましたが、私の夢は叶いませんでし
た。悪夢が続き、私にとっては戦争のような毎日です。みなさんからは様々な
励ましやお心遣いをいただきましたが、それをお礼を言う余裕すらなく、ご無
礼を続けてきました。お許しください。それでも、時は確実に流れ、年が明け
ました。きっと春も来るでしょう。
 滔々と流れる歴史の中で、お元気でお過ごしください。
 
                       大阪府泉南郡 小出 裕章
 
 
◇昨年は3.11東日本大震災と東電福島第一原発の重大事故が発生したとん
でもない年でした。とくに3+1基の原発が全電源喪失から炉心溶解事故に発
展し、水素爆発とともに大量の放射性物質を放出したことは、天災が引鉄にな
ったとはいえ、明らかに東電が引き起こした人災です。これまでも政・官・
財・学・マスコミ・司法・民間大労組の七位一体の推進構造をきびしく批判し
てきましたが、事故対策はうまく行って数十年から百年は覚悟する必要がある
と思います。足尾・水俣・アスベスト公害などを教訓として取組み、一刻も早
く全原発の停止と廃炉を実現すべく頑張りましょう。本年も宜しくお願いいた
します。
 いろんな人たちが次々と来てたいへんでしょう。にぎやかでよし。
 2012年 元旦
 
                     埼玉県さいたま市 菅井 益郎
 
 
◇あけましておめでとうございます
 昨年はみなさま東奔西走の毎日だったのではと思います。名古屋からみなさ
まの更なる発展を祈念しております。
 
                      愛知県名古屋市 今井 俊政
 
 
★3.<テント日誌 1/17(火)>
    再稼働阻止へ、経産省との日々のせめぎ合い
       ―― 経産省前テントひろば 129日目――
 
 不寝番の担当時間は深夜の2時30分前まである。それから眠りについたの
は3時だったが冷え込む中であれこれ自問していた。が、堂々巡りを脱しえな
い。一体、脱原発は可能か(?)今の運動に足らないものは(?)俺はどうし
てここにいるのか(?)消灯の時間までの話(雑談)なども含め反芻してい
た。が、これという答えはない。答えがないのが答えという一種の矛盾に置か
れるのが体制や権力に対抗する側がいつも強いられるところである。これは経
験的に分かる。ここでの耐え方、凌ぎ方がどんな運動でも難しいのであろうが
ここをどう乗り越えていくのか。それがテント広場の運動にもあるのだろうと
思う。
 
 経産省側はこの間、毎日のようにテントの監視を強め、隙あれば介入しよう
としている。彼らの張った鎖で転倒し怪我した事件の責任の追及に対しては答
えず、火器の使用についてうるさく写真を撮るなどしている。今日は先の事故
の責任と鎖を取り除けという要求への答を前川審議官が持ってきた。もちろ
ん、事故の責任には答えず、要求は拒否であるが帰りがけに火器の使用につい
てテント側と論争になった。我々がテント内で使用するものは安全で最低限の
ものであり、防寒上避けられないものだ。我々はここで日常を形成している面
があり、防寒上で不可欠の範囲の物しか使用していないのであり、こういうト
リビアルなところでのイチャモンを拒否する。彼はテント側の批判に答えられ
ずに引きあげた。
 
 この経産省では18日(水)第7回目のストレステストに対する専門家意見
聴聞会がある。この会を経て保安院は大飯原発の安全確認をする予定と報じら
れている。23日には国際原子力機関(IAEA)の調査団を来日させてお墨
付きを得ようと準備している。ストレステストを経て再稼働というレールに乗
った行動である。福島第一原発震災は未だに収束をせずまたその事故の検証も
なされていないのに再稼働戦略は進められているのだ。「今まで安全と評価し
てきた人たちが再び評価したところで、結果は同じである」という声が強い中
での進行である。今回の意見聴聞会では傍聴を排除し《傍聴は別室で映像をみ
るだけにする》、しかも三菱重工から多額の金銭を受け取った岡本孝司・山口
彰・阿部豊の三委員を残したままである。保安院の密室性と原子力ムラとして
の癒着構造を露骨に証明している。
 
 経産省や原子力ムラは福島第一原発震災の直後から、原発再稼働に戦略を定
めてきた。その準備をやってきたのである。保安院は東電に福島第二原発の再
開の準備に入るように促したと報じられているが、彼らは4月に日本の全原発
の稼働が停止する段階からの反撃の対応《戦略》を練ってきたのであり、スト
レステスト→安全宣言→再稼働を道筋にしている。政府が政局で身動きの取れ
ない間も官僚主導で事を進める準備をしているのだ。経産省のこういう動きを
監視し、不断の抗議や異議申し立てをすることがテントの重要な役割である
が、経産省は隠れた密室的に原子力行政を進めてきた従来のありようを反省し
公開的に事を進めるべきだ。前で述べたようにトリビァルなことでテントに介
入するのではなく、公開の討議に応じたらどうだ。
 
 やはりまだ寒い。寒さに耐えながらのテント維持であるが、テント周辺での
行動はテントを支える力が厚みを増したことを実感させてくれる。再稼働の動
きに対決しつつ、ミニコンサート、舞踏、それぞれの方法でのアピール活動を
やっていただきたい。防寒具の寄付をお願いしたところヒートテックスの下着
などが届いている。紙面を借りてお礼を申し上げたい。我々は有形無形の励ま
しに元気づけられている。
 
                              (M/O)
 
 
★4.新聞・雑誌から、1つ
 
 ◇杉並区・東電所有地購入構想
  区議の社員が監査委員に 利益相反の恐れ
 
 東京都杉並区の安斉昭区議(42)が、東京電力の社員を兼務しつつ、議員
活動を続けていることが「こちら特報部」の取材で分かった。区内には東電の
厚生施設があり、区が購入する方向で協議している。同区議は区の監査委員も
努めており、「利益相反」の可能性を指摘する声も出ている。
 安斉氏のホームページによると、(中略)東電学園高等部を88年に卒業、
同年に東電杉並支店に入社している。
 東電労組支部の執行委員長などを経て、2007年に杉並区議選に民主党新
人で立候補し、初当選。その次の昨年の統一地方選挙でも再選した。(略)
 公職選挙法では、公務員を除き、職業を理由にして選挙の立候補を禁じた規
定はなく、会社員と議員の兼業は可能だ。
 だが、区議として手厚い待遇を税金で受ける一方(ボーナスを含め、年収は
一千万円を超える)、公的資金の注入を受け、被災民には十分な保証を果たし
ていない東電からも仮に給与を得ているとすれば、そこに釈然としない思いを
抱く人は少なくないはずだ。(略)
 東電は既に福島原発事故の被災者の保障に充てるため、杉並区にある厚生施
設「東京電力総合グランド」(約4万8百平方メートル)を同区に売却するこ
とを決定。売却価格は約200億円とみられ、区も前向きに購入計画を協議し
ている。
 そこで、再び安斉氏に注目が集まる。というのも、同氏は事業が正しく執行
されているかをチェックする監査委員を務めているからだ。東電社員でありな
がら、この土地取引を公平な立場で審査できるのか。議会内でも公正な立場を
保てない「利益相反」を危ぶむ声がささやかれている。ちなみに監査委員の報
酬として、別に月額約15万円が支給されている。
 社員として忠実であろうとすれば、高値売却が必然。区議としてなら、値下
げを追及すべきだ。安斉氏がそうした矛盾した立場に立たされていることは間
違いない。
 
          (東京新聞1月20日付け「こちら特報部」より抜粋)
たんぽぽ舎です。【TMM:No1317】
                               転送歓迎
 
         ◆ 地震と原発事故情報 その302 ◆
         5つの情報をお知らせします(1月20日)
 
   1月14日、四国電力伊方2号機が定期検査で停止。
   四国の全原発が停止状態。残るは東電2基、関電1基、北海道電1基、
   中国電力1基の計5基、全原発停止へあと一歩
 
 
 ★1.さようなら原発1000万人アクション in 福島 現地集会
   3月10日(土)・11日(日)福島へ行こうバスツアー 申込み開始
 ★2.集会へはなかなか行けないが、自分も"何か協力"したい人々の意思を
   結集できました「ストップ原発&再処理・意見広告の会」
   のべ500万円、9回の意見広告を実現 (1)    (岩田 深雪)
 ★3.<テント日誌 1/16(月)>
     脱原発世界大会からテントへ 千客万来
     ―― 経産省前テントひろば 128日目 ――
 ★4.読者から(イベントのお知らせ3つ)
  ◇「命と健康」連続講座第2回 放射能から命守りたい 1月29日(日)
  ◇『いまできること!-放射能汚染とエネルギーのはなし-』1月21日(土)
  ◇持続可能な社会づくりに向けて 1月25日(水)
 ★5.新聞から──2つの記事
 
 
 
★1.さようなら原発1000万人アクション in 福島 現地集会
   3月10日(土)・11日(日)福島へ行こうバスツアー 申込み開始
 
 ○3月10日開催:~脱原発~怒・ド・ドッと3・11前日祭(仮称)へ
  参加希望のかたは【福島1泊バス】としてお申込みください。/定員50人
  料金:9,500円
  ([行き]新宿発あさ8時、バス代+1泊代、[帰り]新宿着21時頃)
 ○3月11日開催:3.11福島県民集会(仮称)のみ参加希望のかたは
  【福島日帰りバス】としてお申込みください。/定員50人
  料金:4,000円
  ([行き]新宿発あさ8時、バス代、[帰り]新宿着21時頃)
 ○申込み専用メール【 basu@tanpoposya.net 】あてにお申込み下さい。
  ☆メールのタイトル:【福島1泊バス】または【福島日帰りバス】
  ☆申込者の氏名・住所・電話番号・メールアドレス(お持ちの方)・年令*
  (*:参加者は全員、交通傷害保険に入りますので年令が必要です)
  ☆折り返し送付する「受付けメール」をご確認の上、事前に料金の
   お支払いをお願いします。
 ○主催:福島原発事故緊急会議、 実務担当:たんぽぽ舎 バスツアー係
 
 
★2.集会へはなかなか行けないが、自分も“何か協力”したい人々の意思を
   結集できました「ストップ原発&再処理・意見広告の会」
   のべ500万円、9回の意見広告を実現 (1)    (岩田 深雪)
 
 ◇目標・発足の頃
 意見広告へかける究極の期待(願い、目標)とは、広告の主張(私達の訴え
かけ)が多くの共感を得て、世論となり、政策に反映され、政治を動かすこと
でしょう。
 この会が、「再処理とめたい!首都圏市民のつどい」に集う有志の中から2007
年7月「ストップ再処理工場・意見広告の会」として発足したときは、その前
に先ず六ヶ所村の問題(再処理とは?)を知ってもらうこと、広めることが重
要でした。でも知ったからといって、すぐに集会やデモなどの反対行動を起こ
せない大部分の人々の思いを汲み上げ、束ねて、「反再処理」、「反核燃」、
「反原発」という意思を表明する「場」が「意見広告」であると考えました。
 
 ◇取り組んできたこと
  ~のべ500万円のカンパで9回も意見広告が出せました
 青森県六ヶ所村にある使用済核燃料再処理工場を止めたいと願う多くの声を
広く一般から集め、その賛同金をもとに「再処理反対」の意見広告を、地元紙
と首都圏でこれまで4回新聞に掲載しました(2008年2月16日の青森県の東奥日
報夕刊、同年3月29日の岩手県の岩手日報夕刊、同年9月21日の毎日新聞(首
都圏+静岡+山梨)朝刊、2009年9月30日の東京新聞朝刊)。
 ’09年12月には会の名称を「ストップ原発&再処理・意見広告の会」と改
め、それに伴い、第5弾、第6弾として、15年ぶりに運転再開しようとしてい
た特殊原子炉「もんじゅ」に反対する意見広告を’10年3月17日、18日、と
’10年12月1日に同じ地元3紙(日刊県民福井、北陸中日新聞、中日新聞福井
県版)に掲載しました。次いで、「もんじゅ」と同様に、日本でもっとも大事
故を起こす危険性が高い、東海地震震源域の真上に建つ「浜岡原発」を止めた
いと、週刊金曜日(’11年月11日号)と’11年2月27日の静岡新聞(西部版)
朝刊とに意見広告を出しました。’11年3月11日に東日本大震災にともなう福
島第一原発の未曽有の大事故を経験し、「直ちに全原発を止めよ!」の意見広
告を’11年4月26日(チェルノブイリ事故25周年の日)に毎日新聞朝刊に掲
載しました。以上、これまで9回の意見広告を出してきました。
(詳しくは http://www.iken-k.com/ 参照)
 
 
★3.<テント日誌 1/16(月)>
    脱原発世界大会からテントへ 千客万来
    ―― 経産省前テントひろば 128日目 ――
 
1月16日(月) 晴れ後曇り
 14日・15日の脱原発世界会議は大成功だったようである。
準備されたスタッフの苦労は大変なものだったと思うが、この成功は脱原発へ
の気運をさらに高めてくれるに違いない。そしてそれをうけて、今日は全国・
全世界から多くの方々がテントを来訪された。
 国内からは、佐賀で玄海原発に反対して運動されている方が3名、北海道で
泊原発に反対して運動されている方が3名来訪された。
外国からは、韓国のエネルギー正義行動の代表の方々が来訪された。韓国では
3月いっぱいが「脱原発月間」として様々なイベントがあり、とくに3・10
に大きな集会を予定されているとのこと。
 日韓中の連携した反原発戦線を構想したいということであった。
 スイス・フランスのジャーナリストも来られる。
 そしてオーストラリアから先住民のアボリジニの方、環境派の方、通訳の方
と4名で来訪される。
 アボリジニの方は、日本では原発が殆ど停まっているというのでさぞかし真
っ暗なんじゃないかと思っていたら、眩しいくらいに明るいので驚いたとい
う。
 日本はウランの3割をオーストラリアから輸入しているが、ウラン鉱はアボ
リジニの居住地にあり、その採鉱のために被曝しているが、オーストライア政
府はそれを隠蔽すべく抑えつけているという。
 それでもアボリジニの方は「自分たちがウランの採鉱や輸出を阻止しえてい
たならば福島の事故・被災はなかったろうに申し訳ない」と言われる。福島の
事故・被災がありながら原発輸出をしようとしている日本は、アボリジニの方
にどのように映じているであろうか。
 私たちは今、正念場に立たされているのであろう。
 テントにはいろいろな人々が集い、終日賑わった。
 夜、テントでは福島の子ども達を放射能から守るための対国会・対議員行動
の計画が椎名さんを交えて議論されている。        ( Y・T )
 
 
★4.読者から(イベントのお知らせ3つ)
 
 ◇「命と健康」連続講座第2回 放射能から命守りたい
  ○福島第1原発事故の現状と今後の課題
   講師:原田裕史さん
  (たんぽぽ舎講師。筑波大学大学院修了理工学修士。たんぽぽ舎では
   「地震がよくわかる会」「核開発に反対する会」に所属、3.11以前
   から「地震による原発事故の危険性」を指摘、日本の核開発準備の危険
   を訴える。共著に「隠して核武装する日本」)
  ○福島現地からの報告
   報告:佐藤幸子さん
  (有機農法で農業経営。5人の子どもを育てる。福島第1原発事故により
   営農は休止状態。子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク世話人
   福島子どものいのちを守る会代表)
 
  日時:1月29日(日)午後2時 (午後1時半開場)
  会場:杉並産業商工会館・講堂 杉並区阿佐谷南3―2―9
  【交通手段】・JR中央線 阿佐ヶ谷駅南口より徒歩5分
        ・丸ノ内線 南阿佐ヶ谷駅より徒歩3分
  資料代:500円(高校生まで無料)
  主催:杉並・市民講座実行委員会 
  問合せ:Eメール seiichi@keshiba-shinjo.net
     090-5497-4222(けしば)、090-1500-9886(新城)
 
 ◇『いまできること!~放射能汚染とエネルギーのはなし~』
   私たちは、汚染された東葛地域で、どんな風に子ども達を守っていけば
   よいのでしょう?
   また、未来にはどんなエネルギーの可能性があるのでしょう?
   衣・食・住に関するヒントの展示コーナーと、目からウロコの
   田中優さんのお話。
 
  日時:2012年1月21日(土)14:00~17:00
  場所:松戸市民会館 ホール および ロビーホワイエ
     ヨーカドー側に出て線路沿いに上野方面へ6分
  内容:14:00~『知る見るバザール』
     15:10~『田中優さんのおはなし』
  参加費:500円(高校生以下無料)
  主催:「田中優さん講演会」実行委員会(協力:こども東葛ネット)
  お申込/お問合せ先:「こども東葛ネット」
  http://tohkatsunet.wordpress.com/
  メール:kodomo.tohkatsu.net@gmail.com
 
 ◇持続可能な社会づくりに向けて
  環境・平和、暦などをテーマにして、年間200本以上各地に飛び回る
  ワークショップファシリテーター・冨田貴史さんとのお話し会。
  http://twitter.com/takafumitomita
  日時 2012年1月25日(水)10時~15時
  場所 守谷市:高野公民館 美術工芸室
  ※昼食12:30~13:30 各自お持ちください(持ち寄り歓迎)
  ※午前・午後だけの参加でも構いません。
  ※事前に参加連絡下されば助かります。当日参加も可能です。
 にしつじ:tuji24@fineocn.ne.jp(kyo.24@docomo.ne.jp:携帯からのみ可
 
  ○午前の部:10:00~12:30 参加費:1000円
   ワークショップ『持続可能な社会づくりに向けて』
   震災以降、放射能のホットスポット地域となり私達の住む街も様々こと
   を考えさせられるようになりました。
   人が作ったものでおびやかされる日々・・・。
   私達は自然と対話をし、どう共生しながら、どんな社会をつくって行け
   るのだろう。震災前から活躍している冨田さんのお話を伺いながら、
   アットホームに未来について分かち合いましょう。
 
  ○午後の部:13:30~14:30 参加費:500円
   暦からよみとる実践法『自然のリズムから心や体を知る』
   自然なリズムに合わせた旧暦、取り入れないことには始まらない。
   いま“冬の土用”に入っています。この時期は体の中心を整える。
 
 
★5.新聞から──2つの記事
・福島のマンション 高線量測定 ─経産省、年末に報告受理─
              (2012年1月17日 デーリー東北より抜粋)
 経済産業省が福島県二本松市のマンションの室内で屋外より高い放射線量が
測定されたとの報告を昨年末に受けたにもかかわらず、すぐに調査などの対応
を取っていなかったことが16日、分かった。(中略)報告では、2、3階部
分などは放射線量が高くなかったことから、同省はコンクリートが関係してい
る可能性は低いと判断したという。
 
・「SPEEDI」試算結果 事故直後、米軍に提供
 文科省、国内公表の9日前
              (2012年1月17日 デーリー東北より抜粋)
 東京電力福島第一原発事故で発生3日後の昨年3月14日、放射性物質の拡
散状況を予測する緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)
による試算結果を、文部科学省が外務省を通じて米軍に提供していたことが
16日、分かった。
 SPEEDIを運用する原子力安全委員会が拡散の試算結果を公表したのは
3月23日。公表の遅れによって住民避難に生かせず、無用な被ばくを招いた
と批判されているが、事故後の早い段階で米軍や米政府には試算内容が伝わっ
ていた。(中略)
 昨年末に公表された政府の事故調査・検証委員会の中間報告書(中略)は
「放射量を仮定した計算結果が提供されていれば、より適切な避難経路を選ぶ
ことができた」と指摘した。
たんぽぽ舎です。【TMM:No1316】
                               転送歓迎
 
         ◆ 地震と原発事故情報 その301 ◆
          4つの情報をお知らせします(1月19日)
 
   1月14日、四国電力伊方2号機が定期検査で停止。
   四国の全原発が停止状態。残るは東電2基、関電1基、北電1基、
   中国電力1基の計5基、全原発停止へあと一歩
 
 
★1.「正常性バイアス」に汚染される官僚たち
   「そんなことが起きるはずが無い」という希望的観測、別名「正常性
    バイアス」のなせる業にハマった官僚・行政機関
              (たんぽぽ舎・劣化ウラン研究会 山崎久隆)
★2.1万1千人が参加した横浜で開催された[脱原発世界会議]に
   二日間行ってきました。       (たんぽぽ舎会員 富永誠治)
★3.<テント日誌 1/15(日)>
    横浜では脱原発世界大会
    ―― 経産省前テントひろば 127日目 ――
★4.読者から(イベントのおさそい、初デモの感想)
 
 
 
 
★1.「正常性バイアス」に汚染される官僚たち
   「そんなことが起きるはずが無い」という希望的観測、
   別名「正常性バイアス」のなせる業にハマった官僚・行政機関
 
                たんぽぽ舎・劣化ウラン研究会 山崎久隆
 
 二本松市で発覚した「セシウム汚染コンクリート事件」、住宅一棟が、放射
能汚染された砕石を使ったコンクリートを土台としていた。汚染された砕石は
膨大な量にのぼり、200社以上が汚染砕石を使った工事を行ったとみられる
という。しかし「汚染」といっても、どのくらいの値だったかが計られていた
わけでもないので、実態はほとんど分からない。
 少なくてもこのアパートに住んでいた中学生が身につけていた積算線量計
が、たった三ヶ月で1.5mSvにも達したことで発覚したという。べらぼうな
値ではあるが、同じ程度の外部被曝環境に住んでいる人は、実はたくさんい
る。この住宅が問題なのだから、あらためて福島市渡利地区や伊達市などの高
線量地域からの避難が必要なのだということを行政は再認識すべきだ。
-----
 ◆もともとあった強力な「正常性バイアス」
 こんなことは3月の放射能拡散で容易に想像できた事態だ。稲わらや田畑が
高濃度汚染されている地域の砕石が、汚染されていないと思う方が「異常」
だ。このような「思い込み」はどうして起きるのだろうか。
 これら全て、原子炉緊急事態宣言が全交流電源喪失時点(15時半)から3
時間も経ってから宣言されたこと(*)、SPEEDIのデータを住民避難に
活用しなかったこと、20ミリシーベルトを遙かに超える地域からの住民避難
をしなかったことなど、全てが行政機関により「そんなことが起きるはずが無
い」という希望的観測、別名「正常性バイアス」のなせる業だ。
 正常性バイアスというのは、災害に遭遇した際に「そんなはずはない」と、
現状を正しく認識し確認することに恐怖を抱くあまり、「自分たちは大丈夫
だ」などと根拠も無く正常を装おうとする心理状態を言う。パニック障害の一
種でもある。
 東北地方太平洋沖地震に遭遇した際、都内で遭遇した人の多くが「このくら
いならば大丈夫だろう」と思ったに違いない。同時に東北地方でも、同様に
思った人は多かった。地震だけならば、いずれ揺れは収まっていき、それまで
に倒壊しなかった建物ならば、まず助かる。実際に家屋が倒壊して圧死してし
まうような揺れの中では「大丈夫だろう」などと考えるゆとりは無いと言われ
ている。阪神淡路大震災で神戸市内で地震に遭遇した友人によれば、寝ていて
揺れに気づいたときには、もう路上に放り出されていた。家屋が倒壊し、二階
に寝ていた友人はあっという間に道路に投げ出されていたという。死んでいて
もおかしくなかった。
 一方、津波の被災者の多くには「正常性バイアス」が働いたことが分かって
いる。多くの人は避難を開始する前に、または避難をせずに津波に襲われてい
る。「10mもの防潮堤があるのだから大丈夫だろう」「ここは高台だから大
丈夫だろう」「海岸から3キロもあるから大丈夫だろう」という具合である。
 これが「正常性バイアス」である。
 
 (*)原子力災害対策特別措置法第15条に定める原子力緊急事態に至った
  場合、内閣総理大臣による原子力緊急事態宣言が直ちに発出されること
  になっている。この宣言により、国により原子力災害対策本部が設置さ
  れ、原子力事業者、各行政機関、関係自治体などに対する必要な指示な
  どを行うとともに、原子力災害現地対策本部をオフサイトセンターに設
  置し、原子力災害合同対策協議会が組織されることになっている。
  16時36分に宣言そのものはなされたというが、公式に発表され公示
  されるのが19時3分で、「直ちに公示」されていない
-----
 ◆放射能災害でも「正常性バイアス」
 人間、ずーっと恐怖感にさいなまれたままだとどうにかなってしまう。特に
放射能のように目にも見えず臭いもしないものに対しては、特にそうだ。JC
O臨界事故やチェルノブイリ原発事故でさえ、半年もすれば測定しても目に見
える汚染は無くなっていた。あとは海外からの輸入品が問題だった。
 しかし今回はそうはいかない。後何年も、何十年も続く放射能と向き合わね
ばならない。本当は行政機関にこそその覚悟が必要なのだが、もはや事故直後
に緊張の糸が切れてしまった機関があったようだ。経産省である。
 原子炉は自分の担当部局ではない、だから「担当外」だ。考えたくも無い。
それらの連鎖が「飯館村の採石場は安全か」と聞かれて、砕石では無くセメン
トを計って「問題ないでしょう」などと信じられない失策を冒す。もはや自分
の担当から離したくてしょうが無いという心理だけが働く。これも一種の「正
常性バイアス」である。
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 ◆行政機関に蔓延する「正常性バイアス」
 何事も無かったことにしたいのは「人情」である。特に「対策」を迫られる
部局の担当者にとって、紛れもない「余分な仕事」である。だからこそ「問題
は無いのだ」と思い込みたい。ますます「正常性バイアス」に毒される素地が
出来る。
 この状態に陥っているのは、少なくても教育委員会(学校や特に給食)、環
境部局(清掃)、上下水道局(汚泥)、福祉部局(保育園)、公園緑地(公
園)、道路部局(道路)、農地農業部局(農地や山林)、漁業部局(漁業)そ
して防災担当(避難対策)。ありとあらゆる部門に及ぶ。これが引き起こして
いるのが全く無用な住民被曝なのだ。
-----
 ◆解決はどうするか・・・
 これだけほとんどの行政機関に蔓延している正常性バイアスをどうするか。
 ちょっと良い方法は思い浮かばない。繰り返しクレームを付けるほかは無い
のだが、そうなると住民側が「モンスター」「クレーマー」扱いされてしま
う。出来れば議会やPTAや町内会などといった、既存の組織に働きかけ、住
民の声として伝える方法が良いだろう。
 もう一つ。今回のようなことが起きた場合、ちゃんと責任を取らせるべきだ
ろう。せめて間違った指導をした場合、その部局の管理職については訓告、戒
告、異動などにより責任を取らせるべきだ。行政機関には、それしか有効な方
法は見当たらない。
 
 
★2.1万1千人が参加した横浜で開催された[脱原発世界会議]に
   二日間行ってきました。       (たんぽぽ舎会員 富永誠治)
 
 最も印象に残ったのは福島から避難している母親と小学生の発言でした。
 紹介します。
 ──福島の郡山市から家族と避難、世田谷に永住することにした
   管澤沙織さんはこう発言しました──
 -------------------------
 「住み慣れた家を、
 築き上げた仕事を、
 かけがえのない友人たちを、
 やっと見つけた夢を、
 娘と見つけた保育園を、
 
 孫の成長を近くで見守ってくれていた父母の深い愛情と、
 彼女(娘)を取り巻くたくさんの愛情を、
 ・・・・犠牲にして(福島を)出てきました。
 
 この犠牲の上に成り立っているものは何ですか?
 それでも原発は必要ですか!
 
 ここを照らすたくさんの電球の先には,たくさんの人たちの
 無念 と絶望と諦念、たくさんの涙があることを忘ずに、そ
 れを無駄にせずに、この二日間を有意義にすごされるこ
 とを切に願います。・・・」
 -------------------------
 
 また、小学4年生の富塚悠吏君の発言は・・・。
 -------------------------
 「国の偉い人達に言いたいです。大切なのは、僕たちの命ですか、
 それともお金ですか。僕は病気になりたくはありません。僕には
 将来の夢があります。科学者などの専門家になって環境にやさしい
 エネルギーの開発や何か人の役に立つ仕事をしたいです。
 その夢を叶えるため、僕は健康に暮らしたい。絶対死にたくありません。
 皆さん、子どもたちも原発は要らないと思います」
 -------------------------
 
 ユーチューブでアップされていますので、どうぞ。
 ◎福島から避難している小学4年生と母親の発言
  http://www.youtube.com/watch?v=wu5Q79Rus20&feature=related
 ◎肥田舜太郎氏の発言
  http://www.youtube.com/watch?v=4NXRK_gd4bw&feature=related
 ◎山本太郎氏の発言
  http://www.youtube.com/watch?v=MZdEZ8j1vxM&feature=related
 ◎上野千鶴子氏の発言
  http://www.youtube.com/watch?v=ygK0J5eL4IA&feature=related
 
 
★3.<テント日誌 1/15(日)>
   横浜では脱原発世界大会
   ―― 経産省前テントひろば 127日目 ――
 
 今日は横浜で行われている脱原発世界大会の2日目です。
 経産省前テントひろばの展示もありまして、盛況だそうです。
 昨日は脱原発世界大行進という名で横浜駅の裏手の脱原発世界会議の会場を
遠望する公園から会場そばを通って山下公園まで。参加者は4500名(主催者発
表)。みな思い思いのプラカードやデコレーション、ぬいぐるみまで。サウン
ドカーも出てにぎやかなデモでした。
 土曜日には、テントからも脱原発世界大会&大行進に大勢が参加している裏
ではテントひろば横に右翼団体が小さなテントを立てるという動きがあったの
ですが、居合わせた方に話を聞くと、テントを立て、宅配ピザをとって食べ、
記念写真を撮って帰ったそうで、テントひろばに対してなにかするという事も
無く、大きな混乱はなかったようです。
 土曜日の報道によりますと、経産省の原子力安全保安院は関西電力大飯原発
のストレステストの結果を妥当とする方針を決めたそうです。再稼働の前提と
なるストレステストを通過させることで政府・電力会社による原発再稼働攻勢
が始まります。
 既に東北電力、中部電力、北陸電力、四国電力、九州電力、日本原子力発電
で全ての原発が停止しており、残りは北海道電力泊3号、東京電力柏崎刈羽
5号、6号、関西電力高浜3号、中国電力島根2号の計5基となっています。
たった5基、505万kWです。
 今月中に柏崎刈羽5号と島根2号が止まり、3基、314万kWのみになります。
計算上は原発が無くても電気は大丈夫だとわかっていましたが、もうすぐ誰も
が実感します。
 福島第一原発事故の究明どころか、収束すらおぼつかない中での原発稼働は
無責任です。現在動いている原発も速やかに止めるべきです。
 
中東情勢を考えると、政府等は石油不足を表看板にして再稼働の宣伝をするか
もしれませんが、石油の備蓄は200日分はありますし、イランからの輸入は限定
的です。石油の輸入が滞ることで産業に影響が出る場合には必要電力も減るた
めに大勢に影響はないハズです。
 とは言え、イメージは大事です。エネルギー安全保障という点で、国産石炭
や天然ガスの安定確保を広げることで原子力推進勢力を減らすことが出来るで
しょう。再生可能エネルギー推進のエネルギーにすることもできるかもしれま
せん。
 今後も原発再稼働に強く反対していきましょう。        (H.H)
 
 
★4.読者から(イベントのおさそい、初デモの感想)
 
 ◇「NO!原発 脱原発 サラバ原発長野県民集会」
  1月28日(土)13:00~16:00、場所:県松本文化会館中ホール
 基調提言:宮地良彦(元信州大学学長)・中馬清福(信濃毎日新聞主筆)
 映像による福島原発現地報告:山本宗輔(フォトジャーナリスト)
 私の主張:澤村健一(福島からの避難者)他
 詩の朗・歌唱
 大会宣言:「サラバ原発・変えよう暮らし方」
 参加費:1000円  ※託児あり(100円・要予約)
 主催:「サラバ原発・変えよう暮らし方」の会
 問合せ:0261-75-2402(田中) 090-4628-8549(水谷)
 
 ◇「さよなら原発・あきる野・初デモ」に参加して
                 (さよなら原発~にしたま~ 辻淑子)
 「さよなら原発・あきる野・初デモ」が、1月15日(日)に秋川駅周辺で
おこなわれました。東京の中では、人口の少ない地域での初めてのデモ。しか
も寒い時期なのでどのぐらい人が集まるか不安でしたが、たんぽぽ舎のメルマ
ガをはじめ、いろいろな方に情報発信していただいたお陰で、予定の50人を
大幅に上回る137人の参加がありました!
 そのうち37人は子どもたちで、「原発いらない!」の元気なかわいい声が
街に響き、デモをしている私たちも胸が熱くなりました。フォルクローレの生
演奏あり、沖縄のエイサ踊りあり、さまざま工夫を凝らしたコスチュームあり
……。初めてデモに参加したというお子さん連れのお母さんからは、「とって
も楽しく、脱原発のアピールできた!」との感想をいただきました。
たんぽぽ舎です。【TMM:No1315】
                               転送歓迎
 
         ◆ 地震と原発事故情報 その300 ◆
          4つの情報をお知らせします(1月19日)
 
   1月14日、四国電力伊方2号機が定期検査で停止。
   四国の全原発が停止状態。残るは東電2基、関電1基、北電1基、
   中国電力1基の計5基、全原発停止へあと一歩
 
 
★1-1.あまりにも傲慢な原発推進者たち
     ─私たちは再稼働をどうしても阻止したい
                     (さよなら原発みなと 佐藤)
★1-2.傍聴者が委員と保安院にストレスをかける
   本会議場での議事進行は流会へ
   別室で井野委員、後藤委員と我々を排除して会議を開催
   大飯原発2基についてテスト妥当の評価     (緊急会議 木村)
★2.<テント日誌 1/14(土)>
     街宣右翼の???なパフォーマンス
       ―― 経産省前テントひろば 126日目 ――
★3.住民転居希望 避難続き つもる疲労
   福島 放射能砕石問題の波紋 経産省からは何も連絡なし
             (1月19日東京新聞 こちら特報部より抜粋)
★4.1月14日配信【TMM:No1311】記事「福島県大熊町町長選挙の裏事情」に
   ついて、著者より訂正の申し入れがありましたので訂正版を配信します
   (編集部より:訂正版の配信が遅くなったことをお詫びいたします)
 
 
 
★1-1.あまりにも傲慢な原発推進者たち
     ─私たちは再稼働をどうしても阻止したい
     (インチキ・ストレステスト委員会を傍聴して)
                  (さよなら原発みなと 佐藤れい子)
 
 1.17(水)16時15分から行われた 「第7回 発電用原子炉施設の安全
性に関する総合的評価に係る意見聴取会」 と言う長い名称の傍聴会に行きま
した。いわゆるストレステストの評価を容認するというものです。いま定期検
査で止まっている原発は、私たち反原発運動の高まりのなかで再稼働できてい
ません。それを何とか再稼働しようとする一つ目の扉をこじ開けようとしてい
るのです。
 テレビの報道では「乱入した」とか、最初に部屋に入った杉原さんの抗議の
場面ばかりが流され、あたかも力づくで押し入ったかの様な印象を与えていま
したが、実際は報道や委員たちに続いて入っただけです。
その後の抗議も何ら混乱なくそれぞれが意見を訴えました。
 
おもな要求は①三菱重工から献金を受けた岡本幸司(東大教授)、山口 彰 
(大阪大教授)、阿部豊(筑波大教授)三名の退任。
②傍聴を同室で認めること。です。
 
 そして福島から来た女性が 「福島原発はまだ収束していません。毎日モク
モクと煙をあげています。私たちは毎日被曝させられているんです。この状況
を知らないはずはありません。皆さんはどう思っているのですか?答えてくだ
さい」 と悲痛な声で訴えました。委員たちの誰も一言も声を発しません。
 彼女は毎日の放射能との戦いの生活、矢も盾もたまらず駆けつけたものの会
議の場所がわからず捜してとても疲れたと、見るからに疲労困憊していまし
た。近所の4歳の子が 「おばちゃん、僕が大人になったら○○マンになって放
射能をやっつけるからね」と言ってくれます とも。
「誰か答えてください。岡本さん、答えてください。」再三の問いかけにも委
員達は鉄仮面のように無表情を貫くばかりです。
 最後まで部屋に残られた後藤正志さんは「今日びっくりしたのは、大飯3,
4号機をこの場で安全だと決めつけようとしたこと。問いかけたことについて
答えが全部出ているわけではない。再質問も出しているのに、その答えも出て
いないのに評価済みとしようとしている。詭弁以外の何物でもない。原発の潜
在的な危険性も 、その他の危険性についても何も答えていない」と怒って発言
されました。
 原発推進者たちは野田政権になってがっちりスクラムを組み直し攻勢を強化
してきています。再稼働は絶対に阻止しなければ彼らはもっともっと攻撃して
きます。
 皆で知恵を出し合い、力を合わせ『再稼働 絶対阻止!』で頑張りましょう.
 最低限実現しなければならない課題だと思います。
 
 
★1-2.傍聴者が委員と保安院にストレスをかける
   本会議場での議事進行は流会へ
   別室で井野委員、後藤委員と我々を排除して会議を開催
   大飯原発2基についてテスト妥当の評価
                  (福島原発事故緊急会議 木村雅夫)
 
 1月18日夕刻、経産省別館前で抗議行動が行われている中、予期せぬ展開
で、第7回「発電用原子炉施設の安全性に関する総合評価(いわゆるストレス
テスト)に係る意見聴取会」(以下、ストレステスト意見聴取会)で、私たち
は沢山のメディアの前で再稼動に積極的な委員と保安院に対して「傍聴者を会
議会場から締めださないで、利益相反違反を許さず原発業界から寄付を受けて
いる委員を解任して」など私たちの考えを聞かせて重いストレスをかけ、会を
流会にさせた。しかしながら、終了予定時刻を過ぎた頃に、彼らは井野委員、
後藤委員と我々を排除して別室で会議を開催し、大飯原発2基についてテスト
妥当の評価を出した。
 原子力安全・保安院は、過去2回に講堂で行われていたストレステスト意見
聴取会を、この第7回は会議室と傍聴室と分離し傍聴でなく遠聴を私たちに強
いた。私たち傍聴者の一部は、これに抗議するために、会議室に行ったとこ
ろ、意外にも報道の出入りに合わせて私たちも入ることができた。会議開始前
だがほとんどの参加者が席についている中、私たちは傍らで傍聴させるように
要請した。保安院は前回に議事進行の邪魔になったから傍聴室を別室にしたと
いう、不規則発言で議事進行を遅らせたことはほとんどないのに。おまけに、
原子力産業から寄付を受けていた委員の利益相反行為についての指摘にも答え
ない。
 挙げたこぶしを下ろすことはできない、委員と保安院とメディアの前で私た
ちは順次リレートークを開始、寄付金受取委員には厳しく解任をせまった。山
本太郎さんもちゃんとした傍聴を強く要請。さらに福島から来た女性が、福島
原発事故が全く収束していないこと、放射性物質を浴びる生活を強いられてい
ることなど厳しさを訴えたが、委員からも保安院からも「事故が収束してい
る」との反論は出ず言わば野田収束宣言を否定。
 保安院の担当が焦って動き出した。委員を別室に連れて行き、今後の対応を
考えるという。私たちは引き続きリレートークを続けた。警察が呼ばれたが、
沢山のメディアのテレビカメラが見張っており、別室の傍聴席にも150名程
の人が居て、簡単には我々を排除できない。結局会議終了予定の19時15分
ごろに保安院が結論を持ってきた。国際会議場(本館17階)で傍聴者無しで
やる、これは枝野大臣の判断だ、という。保安院に強く抗議したが決定を覆す
ことはできず、井野・後藤委員は、傍聴者を排除した状態で会に参加できない
と記者会見した。
 以上、予定の開催時間では全く議事進行させなかったが、大飯原発の評価の
会議は2人の委員の異論を聞くことなく実施された模様。就任時に情報公開を
強く指示したはずの枝野大臣が傍聴者排除の会議開催を決め記者会見したとい
う。私たちは強く抗議せねばならない。
 
 
★2.<テント日誌 1/14(土)>
     街宣右翼の???なパフォーマンス
       ―― 経産省前テントひろば 126日目 ――
 
1月14日(土)晴れ 冷え込む
 昨日に続いて、警官が、6時半くらいに突然、顔を覗かせる。今朝は2名。
「火器を使っているという通報があったので・・・」定例以外の来訪なので、
こちらは緘黙する。「今何人いますか?」「5、6人だが」と答えると、その
まま帰った。中に入ってくることはないが、これで、二日目。勤務その他で、
泊まってくれた人々が出てしまうと、二人になったりする。
 ユニクロのシャツ半ダース、さる学者さんからカンパされている。
 12時半ころから、制服警官が現れ、その数が尋常ではない。向かいの道際
に、コーンを並べ始めた。「マラソンかなにかか?」と尋ねに出ると「ちが
う」という。そうして、警官が50人になり、列をなして並ぶ。そこへ、音も
なく声もなく4台の街頭宣伝車が現れる。社名は控えてあるので興味のある方
はQまでおたずねください。ばらばらに降りたが、打ち合わせ済みのように、
経済産業省前の霞ヶ関の地図案内の周りに、簡易テントを建てた。警官隊は何
の干渉もなく黙って見守っている。あれこれテント周りで難癖をつけられるの
はこちらのほうだ。
 昨日、ご老人がまさしく重症をおったところ。二、三人、中年男性が掲示板
を背に立ち、足元には、七輪が置かれている。いっさいの言葉が大きく発せら
れることはない。こちらのテントに、罵声がほんの2、3分なげつけられただ
け。そして、ちょうど一時間経過したところで、テントをたたみ、警官や公安
に低姿勢で挨拶しながら立ち去った。公安は、片付けの手助けまでしていた。
その間、ピザなどの出前を注文して悦に入っている。去り際、なじみの公安?
に、「明日も来るのでよろしく・・・」と低い声で伝えていた。
 こちらのビデオ撮影は、高圧的に、干渉され、許さないと言明され、邪魔さ
れた。これがどういった主題のパフォーマンスかまったく、考えられない。防
衛に集まった人々で、議論はしたが、結論めいたものはでていないといってい
い。だが、ネットでは右翼の襲来か緊張が走る。とこんな椿事の後、テントは
いつものとおり、来客、すわりこみのひとびとに困惑させる事態はこれ以降は
なかった。
 横浜では脱原発世界大会と大行進が行われている。テントからも参加。
                               (Q記)
 
 
★3.住民転居希望 避難続き つもる疲労
   福島 放射能砕石問題の波紋 経産省からは何も連絡なし
             (1月19日東京新聞 こちら特報部より抜粋)
 
 福島県浪江町の砕石場から広がっている汚染コンクリート禍。空気や海水、
がれきのみならず、放射性物質による汚染はじわじわと列島を覆いつつある。
砕石は氷山の一角だ。規制がなかったり、手遅れになった事例は今後も出てく
ることだろう。一度起こしたら取り返しが付かない。それが原発事故の怖さ
だ。にもかかわらず、政府は原発の再稼働に向け、アクセルを踏み続けてい
る。
 「やっと落ち着いた生活が出来るようになったのに、また引っ越さなければ
いけない」。問題発覚から三日だった十八日、高い放射線量が検出されたマン
ションの二階に住む主婦山崎ひろ子さん(六三)はため息をついた。JR二本松
駅にほど近いマンションは三階建てで、計十二世帯が居住。うち南相馬市と波
江町からの避難者が五世帯ずつを占める。(中略)マンションは同市の建設会
社「佐藤組」が昨年二月に建設を開始。佐藤組の佐藤昭次社長は「よもやこん
な問題が起きるとは想像しなかった。専門家にも話を聞き、放射線量を下げる
方法がないか検討してるが、いずれにせよ、かなりの費用がかかる」と困惑す
る。
 問題の砕石を出荷した双葉砕石工業は(同県富岡町)が原発事故以降に出荷
した石は約五千二百十トン。二百数十の建設会社に流れたとみられ、全容把握
には相当の時間がかかるとみられる。
 二本松市は原発事故以降に実施した約百六十の公共工事について、建物や道
路などの放射線量調査を開始。市放射能測定除染課の担当者は「市で把握でき
るのは市内のことだけ。少しでも情報がほしいのに経済産業省からは何も連絡
もない。報道では初めて知ることばかりだ。」と憤然した。(中略)
 汚染物氷山の一角か 砂利、銅線、農機具、重機・・・・
今回の問題は突発的に起きたように見えるが、福島県は昨年五月末、政府の全
力災害現地対策本部に県内の建築資材の取り扱いを問い合わせていた。コンク
リート原料になる下水道汚泥から高濃度の放射性物質が相次いで検出されたた
めだ。しかし政府からの回答はなく、国も何の対応も取らなかった。(中略)
県内では事故後、砕石以外にも砂利などが野放図に採取され続けていたとう。
(中略)「震災が起きた直後には県外の廃品業者がきて、野積みの銅線もどん
どん持って行った。どこの銅線かなんて、それを買う業者はきかない」と言っ
た。
 中古車問題も深刻だ。オークション会場では、「福島ナンバー」の落札額は
標準の半額以下だという。「だから、ナンバーを外して出品する。(中略)」
という。飯館村のトラックも販売した。(中略)エアクリーナーで毎時一二〇
マイクロシーベルトを計測したこともあったと振り返る。
 
 
★4.1月14日配信【TMM:No1311】記事について、著者より訂正の申し入れが
   ありましたので、訂正版を配信いたします。
  (編集部より:訂正版の配信が遅くなったことをお詫びいたします)
 
   福島県大熊町町長選挙の裏事情
    ~いまだに東電が町政に深く関与している大熊町の実態~
    原発なくせ候補が原発推進候補に勝てなかった実情
                      たんぽぽ舎会員 近藤(福島県在住)
 
 去る2011年11月20日に大熊町町長選挙が行われました。大熊町は今回の大事
故が起きた福島第一原発の1号炉から4号炉の立地町で、現在全域が警戒区域に
指定されています。
 「除染を進めて町への帰還を」と訴えた現職の渡辺利綱氏が中高年層を中心
に支持者を集めて3451票で当選。「町ごとの移転を」と主張した新人の木幡仁
氏が2343票で、落選。・・のような地元マスコミの報道でした。
 放射能汚染の厳しい現実を直視し、「地元には帰れない」と言う事を前提と
して、町ごとの移転を主張した木幡氏の主張こそ至極真っ当な主張でしょう。
いくら数兆円をかけて除染したところで、数年で戻れる筈がありません。
 しかし、この点以外にマスコミが報道しなかったもっと別の対立要因もあっ
たのです。
 木幡さんのHP  http://kowatajin.blogspot.com/  には
 2.町として町民の東電賠償請求を支援します。
 ・役場に弁護士を常駐とし、賠償請求のモデルプランを作成、
  請求をスムーズに行えるようにします。
 ・大熊町役場に常駐入居している東電職員を撤退させます。
 とあります。これには驚きです。現在会津若松市にある大熊町役場の仮庁舎
には東電の職員が3人も入居して常駐しているのです。それは現職渡辺利綱町長
の方針で、東電の職員が常駐してすぐに対応出来るように・・との説明です。
町役場に東電の職員を時々呼ぶのなら理解できますが、損害賠償の請求相手で
ある東電が役場に常駐しているのはかなり異様な事態でしょう。町役場が東電
と癒着して、損害賠償を東電に有利に進める為、さらに、損害賠償請求裁判の
阻止の為・・と考えられても当然でしょう。
 大熊町には東電関係の会社に勤めている人間が6~7割いるのです。東電職員
が3人も常駐している町役場でまともに損害賠償の話ができる筈がありません。
そればかりか、賠償金もまだまともに支払われていない避難民は、今東電やそ
の関連会社をクビになったら生活していけないという不安も大きいでしょう。
 これまでにも、仮設庁舎に常駐している東電職員を撤退させるよう、木幡氏
や他の住民も何度か申し入れして来たようですが、そのままにされてきた経緯
があります。
 まともに考えたら木幡氏の主張通り、東電職員は撤退させて、その代わりに
弁護士を常駐させ、損害賠償のモデルプランを作成してもらうほうが、被災し
た町民にとって遥かに便利で有利でしょう。
 木幡氏の最後の主張は
 5.原発をなくす。
 です。そう、もうお分かりの通り、今回の選挙は、原発推進派で東電と仲の
良かった現職と、脱原発、脱東電を主張した木幡氏の闘いであったのです。
 原子力マネーで潤ってきた大熊町は、この期に及んでも、東電の影響力は絶
大なのです。マスコミもこの異様な事態をしっかり報道するべきではないで
しょうか? 原発立地である大熊町では、東電を潰して解体しなければ、まとも
な選挙も出来ないようです。
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