NUCLEAIRE
ニュークレール情報板
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たんぽぽ舎です。【TMM:No1299】
転送歓迎
◆ 地震と原発事故情報 その284 ◆
4つの情報をお知らせします(1月3日)
12月25日、九州電力玄海4号機が定期検査で停止、
日本の稼働している原発は6基、全原発停止へあと一歩
★1.2012年へのメッセージ
原子力帝国の利権構造を壊し、
第二の大惨事を起こさないうちに原発の即時廃止を!
★2.「山谷支援ありがとうございました」
★3.テント日誌より
イ.<テント日誌 12/27(火)>
テントに年賀状到着
テント談話室『語り合おう再生可能文化』第1回盛況のうちに
―― 経産省前テントひろば 108日目 ――
ロ.<テント日誌 12/29(木)>
“脱原発門松”が構え、新年への決意を示す
―― 経産省前テントひろば 110日目 ――
★4.槌田博さんの講演会『放射能と食の安全について』参加報告
明治の粉ミルクのセシウム汚染は空気汚染のせいでした。
★1.2012年へのメッセージ
原子力帝国の利権構造を壊し、
第二の大惨事を起こさないうちに原発の即時廃止を!
柳田 真
1.福島原発事故は予見されていた。
心ある人々が何年も前から、原発の根本問題(放射能汚染)と利益優先の
電力会社運営の危うさに警鐘を鳴らし、加えて地震大国日本の原発の大危
険性を訴え続けてきた。
2.事故は現在の日本社会の姿を映し、今後の在り方を問うた。どういう社会
を目指し、どう生きるかと。
3.自らと子供たちを「放射能と汚染食物から守る」ために、たくさんの市民
が立ち上がった。
3.11以前には「東京で20人のデモ」だったが今では万人を超す。大
小たくさんの学習会が開かれ、多くの人が立ち上がった。25年間少数の
支持者の共に孤立無援の苦闘をしてきた者にとってこれは画期的なこと
だ。これらの市民の立ち上がりの中に「未来の希望」を見る。この力をみ
んなで3~4倍に大きくできれば、原子力帝国の利権構造を壊せる。第二
の大惨事を起こさないうちに原発を廃止出来る。
4.21世紀を責任ある大人として生き抜きたい。みなさんと共に全力で考
え、行動したい。
★2.「山谷支援ありがとうございました」
たんぽぽ舎から皆様へ
「山谷労働者越冬支援・年末助け合い物資カンパ」ご協力ありがとうござい
ました。今年で30回目になる年末助け合い運動も全国の皆様のご協力のおか
げで、山谷労働者の皆さんに物資とカンパ金をお届けできることになりまし
た。この場を借りてお礼申し上げます。
今年は福島第一原発の事故対応により、たんぽぽ舎においても連日、会議が
行われたり、問い合わせ電話に追われる中で、物資の置き場がないなどの問題
を抱え、実施も危ぶまれた中での期間を短縮しての取り組みとなりました。物
資受け入れ作業を手伝っていただいた皆さんのご尽力でスムーズに荷物の整理
が出来、三度の搬送作業を終えることが出来ました。
本日、28日、山谷労働福祉会館における「越冬支援集会」にボランテア活
動に協力して頂いた皆さんとご挨拶に行く予定となっております。日雇い労働
者が置かれている厳しい状況をお伺いすることになると思いますが、皆様から
送られた支援が命を救う活動に役立てられていることを報告できるかと思いま
す。
今回、福島の方から新品の靴が数え切れないほど「経産省前テントひろば」
を通じて届いたり、お米券やテレカがお手紙に添えられて同封されておりまし
た。テレカについては一日一日の契約補償しかない労働者にとって、次の仕事
を探す上で大変貴重なものとなります。また、毎年茨城で手作りで野菜を作っ
ているグループの皆さんから、カブ、ダイコン、ネギが届けられました。皆様
からのお米とともに29日から始まる「共同炊事」-越冬支援炊き出しに使っ
ていただくことになります。
社民党ー福島みずほ事務所より急遽連絡があり、物資受入日を延長しての取
り組みとなりましたが受け入れ荷物170個、カンパ金64万円になりまし
た。カンパ金を送って頂いた皆様へは「山谷労働福祉会館運営委員会」より領
収書をお届けする予定になっております。年明けになりますが、受け渡しの確
認とさせていただきます。
2012年は、福島原発事故の一刻も早い収束と、被曝労働の根絶のために
も「原発いらない」の声を皆さんと共に大きくしていく年になることを心に期
し、ご報告に変えさせていただきます。
2011年12月28日
たんぽぽ舎「運営委員会」・ボランテア一同
★3.テント日誌より
イ.<テント日誌 12/27(火)>
テントに年賀状到着
テント談話室『語り合おう再生可能文化』第1回盛況のうちに
―― 経産省前テントひろば 108日目 ――
テント前広場に早々と年賀状を届けていただいた人がいました。紙面をかり
てお礼を申し上げる次第ですが、年賀状をお寄せいただく方は下記のところに
お願いします。〒100-0013東京都千代田区霞ケ関1-3-1経産省前
テント広場です。
12月28日派御用納めですが、このテント前広場は1月3日まで特別態勢
に入ります。テント前広場はいつものように24時間態勢で維持されます。今
年は帰省や温泉行きなどを変更してテントで年末を過ごす決意をした人もいま
す。時間のある人はテント前広場に参じて欲しいですね。
また、何かの企画を持ち込んでやってもらいたいのですが、年賀状などいた
だければ嬉しいですね。テントにも張り出して年賀の風景を飾りたいと思って
います。来年の春になると原発は全部止まります。現在稼働しているのは6基
ですが春ころには止まるはずです。そして再稼働の動きが出てきます。再稼働
を許さな決意やみなさんの周辺の動きを伝えていただければ励みになると思い
ます。年賀状等で全国的交流をいたしましよう。
テントに岩波書店でチエルノブイリで起こったことについての本の翻訳を進
めている女性5人のグループが訪れました。以前にイギリス在住の女性が訪問
された折にチエルノブイリ事故で乳がんになってイギリスまで手術を受けにき
た女性のことを話されました。日誌で紹介したのですが僕らはチエルノブイリ
事故について、そこで起こったことについてほとんど知らないのが実際です。
ですから本として刊行を期待したいところ大です。彼女たちは15時から開か
れていた『テント談話室 放射能と月と再生 語り合おう再生可能文化』に参
加された。
上記のテント談話室は作家でルポライターであり『脱原発・再生文化論』の
著者である川元祥一さんが主催するものでその第1回目でした。今回は「半減
期」に学ぶこととしてなされました。
川元さんは原発事故で拡散する放射能については多くの専門知識は必要な
く、生活者として放射能が再生不能のもので人の手で制御不能であることが確
認すれば十分であるという観点から、放射能や環境破壊の心配のない再生可能
文化を提起しています。3・11以降を生活者として生きる再生文化運動を提
唱していますが、これは「自然と生命力」という人類の歴史から学び未来を生
きようということであります。
今回は自然の生命力としての「半減期に学ぶこと」と題されたお話で、参加
者も多数で盛会でした。再生という概念を物質的観点ではなく、自然と人間の
関係の再生という視点を持つ川元さんの話は興味深いものです。みなさんとの
討議《談話》として進めようと意図も良くわかります。今後も継続されるとの
ことですが、日程が決まればお知らせしたいと思います。
沖縄では政府の辺野古アセス評価書の提出に抗議する闘いが盛り上がりそれ
を押しとどめています。こちらでは防衛省や首相官邸にたいする抗議行動が
「辺野古への基地建設を許さない実行委員会」の主催で展開されています。こ
の行動はアメリカに追随し、沖縄の人々の意志を無視する政府の暴挙に抗議す
るものです。テントに集う人達もこの行動に連帯しています。
(M/O)
ロ.<テント日誌 12/29(木)>
“脱原発門松”が構え、新年への決意を示す
―― 経産省前テントひろば 110日目 ――
12月29日(木) 晴れ。テントの入り口の両側に大きな門松が置いてあ
る。昨夜、国立市の植木職人をしている若い女性が届けてくれたそうである。
その時居合わせた人達は、見知らぬ若い女性が車をいきなり乗り付け運び出し
た時、大変驚き、そして大変喜んだそうである。“脱原発門松”は霞ヶ関を睨
み付けるように立っている。
今夜は第1テントも第2テントも賑わっている。第1テント内には先日訪れ
てこられた千代田区労協からのカラフルなバナーが張られている。午後8時経
産省の役人3人が、マスク姿にビデオカメラをもってテント近辺を徘徊する。
公安かと見まがうようないでたちである。どうやら、テント内外に火気はない
かと見ながら録画しているようである。撤去の口実を探り出そうとすることな
のか。時々、夜8時きっかりに登場するとのことだ。
何人かが「人の顔を勝手にビデオに撮って、肖像権の侵害だ。取り消せ」と抗
議すると、ほうほうのていで逃げ帰った。
椎名さんが帰ってきて、昨日(?)にあった、「3・11福島県民集会」の
実行委員会の話を伺う。この集会が脱原発を柱とする“県民大会”として成功
することを願いつつ、首都圏-全国から支援・連帯に駆けつけようと、ボル
テージは上がる。
年末・年始、テントひろばでのイベントはめじろおしである。さしあたり、
30・31の紹介を。
(Y・T)
★4.槌田博さんの講演会『放射能と食の安全について』参加報告
明治の粉ミルクのセシウム汚染は空気汚染のせいでした。
冨塚 元夫
12月22日(木)スペースたんぽぽ槌田博さんの講演会「『放射能と食の
安全について』ヒバク=自然被曝+外部被曝+内部被曝」に参加しました。
1.チェルノブイリ爆発事故では事故から4年後の1990年から子どもの甲
状腺癌が急増しています。広く知られている統計ではベラルーシ、ウクライ
ナ、ロシアの順に人数が多いのですが、バラルーシがチェルノブイリの北に位
置し、汚染が風によって主に北に広がったためです。
1992年以降は各年100人を超えています。その後減少に転じますが、
患者が子どもでなく大人になったからこの統計から外れたためです。原発推進
派も認める公式統計はこの甲状腺癌だけですが、甲状腺癌は1986年以前は
100万人に一人という統計があり、隠しようがなかったためです。
その他の癌、病気も増えていますが、2倍・3倍という増え方のため、原発
推進派は別の原因だと言っています。一般には十分な証拠がないとされていま
す。(手間暇のかかる疫学調査を役人もIEAEもやろうとしないからと私は
思います)
2.1ベクレルの放射能は、1秒間に1回放射線を出す。1ベクレルの放射能
が出す放射線の数は、核種によって異なる。ヨウ素はα(アルファー)線とγ
(ガンマ)線1本ずつですが、セシウム134はα線1本とγ線2本出しま
す。1ベクレルの放射線が出す放射線の強さは核種によって異なる。
放射線の生物への影響の強さを示すのがシーベルトです。まず水にあたえる
エネルギーをグレイという単位で表し、人に対する影響については、核種によ
って係数を変えて換算します。数字はあくまでも概算結果ですから、かなり怪
しい数字で、信頼できるのは一桁です。つまり0.52ミリシーベルトと0.
55ミリシーベルトの違いは実際はない(気にする必要ない)ということで
す。
3.低線量被曝の影響は直線しきい値なし(LNTモデル)が一般に認めれて
います。(ICRPも認めている)ICRP等の公式見解では100人が10
0ミリシーベルト(1万人が1ミリシーベルトでも同じ)浴びると1人癌にな
ります。(その半数が死亡します。子どもは5人、Gofman氏によれば一般で4
人、子供は20人です。)
自然被曝はこの世に生きるための重荷(負荷)で避けられません。外部と内
部被曝はさらに重い荷物になりますから、おなじ負荷でも体力のない人がまず
倒れるのです。
4.概算暗算の勧め---これば便利!
(1) 外部被曝空間線量の概算:Xマイクロシーベルト/時間->10ミリシー
ベルト/年。政府などはもっと低くなる換算をしますが(昼8時間以外は屋内
にいるから低く計算しているが、そうでない人もいるので最大で計算すべき)
たんぽぽ舎4階は大体0.07マイクロシーベルト/時間ですから、年間に
すると0.7ミリシーベルトになります。1ミリシーベルトまであと0.3ミ
リシーベルトしか残りありません。
(2) 内部被曝(放射線に汚染した食品)ベクレルとシーベルトの換算式(IC
RP方式)の概算式:50ベクレル/kg->1マイクロシーベルト(汚染食
品のベクレル数を50で割ればマイクロシーベルトの値が求まる。ICRP方
式ではヨウ素とセシウムの経口摂取実効線量計数は約2×10のマイナス8乗
シーベルト/ベクレル)1年に1000食として、年にすると1ミリシーベル
ト(365×3で1095ですが、あくまで概算ですから)。
例1)200ベクレル/kgの肉100gの場合50で割り、4マイクロシー
ベルト、さらに10で割り(100gだから)0.4マイクロシーベルト、し
たがって0.4ミリシーベルト/年
例2)100ベクレルのお米を一回に140g食べる場合、140を50で割
り、0.28マイクロシーベルト、0.3ミリシーベルト/年。
野菜や水を加えると内部被曝だけですぐ1ミリシーベルトになります。気を
付けましょう!
5.来年4月から暫定基準ではない食品の新基準案でる。
上記のように100ベクレル/kgに近いもの取り続ければ、0.3ミリ
シーベルト/年になります。飲料水は10ベクレル/kgですが、通常の短時
間分析ではNDになります。膨大な数の飲料水(ジュース等含む)は測りきれ
ません。さらに空気中の埃にあるセシウムは計算できません。明治の粉ミルク
を見て下さい。空気のせいでした。東京も避難勧奨地域では?
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◆ 地震と原発事故情報 その284 ◆
4つの情報をお知らせします(1月3日)
12月25日、九州電力玄海4号機が定期検査で停止、
日本の稼働している原発は6基、全原発停止へあと一歩
★1.2012年へのメッセージ
原子力帝国の利権構造を壊し、
第二の大惨事を起こさないうちに原発の即時廃止を!
★2.「山谷支援ありがとうございました」
★3.テント日誌より
イ.<テント日誌 12/27(火)>
テントに年賀状到着
テント談話室『語り合おう再生可能文化』第1回盛況のうちに
―― 経産省前テントひろば 108日目 ――
ロ.<テント日誌 12/29(木)>
“脱原発門松”が構え、新年への決意を示す
―― 経産省前テントひろば 110日目 ――
★4.槌田博さんの講演会『放射能と食の安全について』参加報告
明治の粉ミルクのセシウム汚染は空気汚染のせいでした。
★1.2012年へのメッセージ
原子力帝国の利権構造を壊し、
第二の大惨事を起こさないうちに原発の即時廃止を!
柳田 真
1.福島原発事故は予見されていた。
心ある人々が何年も前から、原発の根本問題(放射能汚染)と利益優先の
電力会社運営の危うさに警鐘を鳴らし、加えて地震大国日本の原発の大危
険性を訴え続けてきた。
2.事故は現在の日本社会の姿を映し、今後の在り方を問うた。どういう社会
を目指し、どう生きるかと。
3.自らと子供たちを「放射能と汚染食物から守る」ために、たくさんの市民
が立ち上がった。
3.11以前には「東京で20人のデモ」だったが今では万人を超す。大
小たくさんの学習会が開かれ、多くの人が立ち上がった。25年間少数の
支持者の共に孤立無援の苦闘をしてきた者にとってこれは画期的なこと
だ。これらの市民の立ち上がりの中に「未来の希望」を見る。この力をみ
んなで3~4倍に大きくできれば、原子力帝国の利権構造を壊せる。第二
の大惨事を起こさないうちに原発を廃止出来る。
4.21世紀を責任ある大人として生き抜きたい。みなさんと共に全力で考
え、行動したい。
★2.「山谷支援ありがとうございました」
たんぽぽ舎から皆様へ
「山谷労働者越冬支援・年末助け合い物資カンパ」ご協力ありがとうござい
ました。今年で30回目になる年末助け合い運動も全国の皆様のご協力のおか
げで、山谷労働者の皆さんに物資とカンパ金をお届けできることになりまし
た。この場を借りてお礼申し上げます。
今年は福島第一原発の事故対応により、たんぽぽ舎においても連日、会議が
行われたり、問い合わせ電話に追われる中で、物資の置き場がないなどの問題
を抱え、実施も危ぶまれた中での期間を短縮しての取り組みとなりました。物
資受け入れ作業を手伝っていただいた皆さんのご尽力でスムーズに荷物の整理
が出来、三度の搬送作業を終えることが出来ました。
本日、28日、山谷労働福祉会館における「越冬支援集会」にボランテア活
動に協力して頂いた皆さんとご挨拶に行く予定となっております。日雇い労働
者が置かれている厳しい状況をお伺いすることになると思いますが、皆様から
送られた支援が命を救う活動に役立てられていることを報告できるかと思いま
す。
今回、福島の方から新品の靴が数え切れないほど「経産省前テントひろば」
を通じて届いたり、お米券やテレカがお手紙に添えられて同封されておりまし
た。テレカについては一日一日の契約補償しかない労働者にとって、次の仕事
を探す上で大変貴重なものとなります。また、毎年茨城で手作りで野菜を作っ
ているグループの皆さんから、カブ、ダイコン、ネギが届けられました。皆様
からのお米とともに29日から始まる「共同炊事」-越冬支援炊き出しに使っ
ていただくことになります。
社民党ー福島みずほ事務所より急遽連絡があり、物資受入日を延長しての取
り組みとなりましたが受け入れ荷物170個、カンパ金64万円になりまし
た。カンパ金を送って頂いた皆様へは「山谷労働福祉会館運営委員会」より領
収書をお届けする予定になっております。年明けになりますが、受け渡しの確
認とさせていただきます。
2012年は、福島原発事故の一刻も早い収束と、被曝労働の根絶のために
も「原発いらない」の声を皆さんと共に大きくしていく年になることを心に期
し、ご報告に変えさせていただきます。
2011年12月28日
たんぽぽ舎「運営委員会」・ボランテア一同
★3.テント日誌より
イ.<テント日誌 12/27(火)>
テントに年賀状到着
テント談話室『語り合おう再生可能文化』第1回盛況のうちに
―― 経産省前テントひろば 108日目 ――
テント前広場に早々と年賀状を届けていただいた人がいました。紙面をかり
てお礼を申し上げる次第ですが、年賀状をお寄せいただく方は下記のところに
お願いします。〒100-0013東京都千代田区霞ケ関1-3-1経産省前
テント広場です。
12月28日派御用納めですが、このテント前広場は1月3日まで特別態勢
に入ります。テント前広場はいつものように24時間態勢で維持されます。今
年は帰省や温泉行きなどを変更してテントで年末を過ごす決意をした人もいま
す。時間のある人はテント前広場に参じて欲しいですね。
また、何かの企画を持ち込んでやってもらいたいのですが、年賀状などいた
だければ嬉しいですね。テントにも張り出して年賀の風景を飾りたいと思って
います。来年の春になると原発は全部止まります。現在稼働しているのは6基
ですが春ころには止まるはずです。そして再稼働の動きが出てきます。再稼働
を許さな決意やみなさんの周辺の動きを伝えていただければ励みになると思い
ます。年賀状等で全国的交流をいたしましよう。
テントに岩波書店でチエルノブイリで起こったことについての本の翻訳を進
めている女性5人のグループが訪れました。以前にイギリス在住の女性が訪問
された折にチエルノブイリ事故で乳がんになってイギリスまで手術を受けにき
た女性のことを話されました。日誌で紹介したのですが僕らはチエルノブイリ
事故について、そこで起こったことについてほとんど知らないのが実際です。
ですから本として刊行を期待したいところ大です。彼女たちは15時から開か
れていた『テント談話室 放射能と月と再生 語り合おう再生可能文化』に参
加された。
上記のテント談話室は作家でルポライターであり『脱原発・再生文化論』の
著者である川元祥一さんが主催するものでその第1回目でした。今回は「半減
期」に学ぶこととしてなされました。
川元さんは原発事故で拡散する放射能については多くの専門知識は必要な
く、生活者として放射能が再生不能のもので人の手で制御不能であることが確
認すれば十分であるという観点から、放射能や環境破壊の心配のない再生可能
文化を提起しています。3・11以降を生活者として生きる再生文化運動を提
唱していますが、これは「自然と生命力」という人類の歴史から学び未来を生
きようということであります。
今回は自然の生命力としての「半減期に学ぶこと」と題されたお話で、参加
者も多数で盛会でした。再生という概念を物質的観点ではなく、自然と人間の
関係の再生という視点を持つ川元さんの話は興味深いものです。みなさんとの
討議《談話》として進めようと意図も良くわかります。今後も継続されるとの
ことですが、日程が決まればお知らせしたいと思います。
沖縄では政府の辺野古アセス評価書の提出に抗議する闘いが盛り上がりそれ
を押しとどめています。こちらでは防衛省や首相官邸にたいする抗議行動が
「辺野古への基地建設を許さない実行委員会」の主催で展開されています。こ
の行動はアメリカに追随し、沖縄の人々の意志を無視する政府の暴挙に抗議す
るものです。テントに集う人達もこの行動に連帯しています。
(M/O)
ロ.<テント日誌 12/29(木)>
“脱原発門松”が構え、新年への決意を示す
―― 経産省前テントひろば 110日目 ――
12月29日(木) 晴れ。テントの入り口の両側に大きな門松が置いてあ
る。昨夜、国立市の植木職人をしている若い女性が届けてくれたそうである。
その時居合わせた人達は、見知らぬ若い女性が車をいきなり乗り付け運び出し
た時、大変驚き、そして大変喜んだそうである。“脱原発門松”は霞ヶ関を睨
み付けるように立っている。
今夜は第1テントも第2テントも賑わっている。第1テント内には先日訪れ
てこられた千代田区労協からのカラフルなバナーが張られている。午後8時経
産省の役人3人が、マスク姿にビデオカメラをもってテント近辺を徘徊する。
公安かと見まがうようないでたちである。どうやら、テント内外に火気はない
かと見ながら録画しているようである。撤去の口実を探り出そうとすることな
のか。時々、夜8時きっかりに登場するとのことだ。
何人かが「人の顔を勝手にビデオに撮って、肖像権の侵害だ。取り消せ」と抗
議すると、ほうほうのていで逃げ帰った。
椎名さんが帰ってきて、昨日(?)にあった、「3・11福島県民集会」の
実行委員会の話を伺う。この集会が脱原発を柱とする“県民大会”として成功
することを願いつつ、首都圏-全国から支援・連帯に駆けつけようと、ボル
テージは上がる。
年末・年始、テントひろばでのイベントはめじろおしである。さしあたり、
30・31の紹介を。
(Y・T)
★4.槌田博さんの講演会『放射能と食の安全について』参加報告
明治の粉ミルクのセシウム汚染は空気汚染のせいでした。
冨塚 元夫
12月22日(木)スペースたんぽぽ槌田博さんの講演会「『放射能と食の
安全について』ヒバク=自然被曝+外部被曝+内部被曝」に参加しました。
1.チェルノブイリ爆発事故では事故から4年後の1990年から子どもの甲
状腺癌が急増しています。広く知られている統計ではベラルーシ、ウクライ
ナ、ロシアの順に人数が多いのですが、バラルーシがチェルノブイリの北に位
置し、汚染が風によって主に北に広がったためです。
1992年以降は各年100人を超えています。その後減少に転じますが、
患者が子どもでなく大人になったからこの統計から外れたためです。原発推進
派も認める公式統計はこの甲状腺癌だけですが、甲状腺癌は1986年以前は
100万人に一人という統計があり、隠しようがなかったためです。
その他の癌、病気も増えていますが、2倍・3倍という増え方のため、原発
推進派は別の原因だと言っています。一般には十分な証拠がないとされていま
す。(手間暇のかかる疫学調査を役人もIEAEもやろうとしないからと私は
思います)
2.1ベクレルの放射能は、1秒間に1回放射線を出す。1ベクレルの放射能
が出す放射線の数は、核種によって異なる。ヨウ素はα(アルファー)線とγ
(ガンマ)線1本ずつですが、セシウム134はα線1本とγ線2本出しま
す。1ベクレルの放射線が出す放射線の強さは核種によって異なる。
放射線の生物への影響の強さを示すのがシーベルトです。まず水にあたえる
エネルギーをグレイという単位で表し、人に対する影響については、核種によ
って係数を変えて換算します。数字はあくまでも概算結果ですから、かなり怪
しい数字で、信頼できるのは一桁です。つまり0.52ミリシーベルトと0.
55ミリシーベルトの違いは実際はない(気にする必要ない)ということで
す。
3.低線量被曝の影響は直線しきい値なし(LNTモデル)が一般に認めれて
います。(ICRPも認めている)ICRP等の公式見解では100人が10
0ミリシーベルト(1万人が1ミリシーベルトでも同じ)浴びると1人癌にな
ります。(その半数が死亡します。子どもは5人、Gofman氏によれば一般で4
人、子供は20人です。)
自然被曝はこの世に生きるための重荷(負荷)で避けられません。外部と内
部被曝はさらに重い荷物になりますから、おなじ負荷でも体力のない人がまず
倒れるのです。
4.概算暗算の勧め---これば便利!
(1) 外部被曝空間線量の概算:Xマイクロシーベルト/時間->10ミリシー
ベルト/年。政府などはもっと低くなる換算をしますが(昼8時間以外は屋内
にいるから低く計算しているが、そうでない人もいるので最大で計算すべき)
たんぽぽ舎4階は大体0.07マイクロシーベルト/時間ですから、年間に
すると0.7ミリシーベルトになります。1ミリシーベルトまであと0.3ミ
リシーベルトしか残りありません。
(2) 内部被曝(放射線に汚染した食品)ベクレルとシーベルトの換算式(IC
RP方式)の概算式:50ベクレル/kg->1マイクロシーベルト(汚染食
品のベクレル数を50で割ればマイクロシーベルトの値が求まる。ICRP方
式ではヨウ素とセシウムの経口摂取実効線量計数は約2×10のマイナス8乗
シーベルト/ベクレル)1年に1000食として、年にすると1ミリシーベル
ト(365×3で1095ですが、あくまで概算ですから)。
例1)200ベクレル/kgの肉100gの場合50で割り、4マイクロシー
ベルト、さらに10で割り(100gだから)0.4マイクロシーベルト、し
たがって0.4ミリシーベルト/年
例2)100ベクレルのお米を一回に140g食べる場合、140を50で割
り、0.28マイクロシーベルト、0.3ミリシーベルト/年。
野菜や水を加えると内部被曝だけですぐ1ミリシーベルトになります。気を
付けましょう!
5.来年4月から暫定基準ではない食品の新基準案でる。
上記のように100ベクレル/kgに近いもの取り続ければ、0.3ミリ
シーベルト/年になります。飲料水は10ベクレル/kgですが、通常の短時
間分析ではNDになります。膨大な数の飲料水(ジュース等含む)は測りきれ
ません。さらに空気中の埃にあるセシウムは計算できません。明治の粉ミルク
を見て下さい。空気のせいでした。東京も避難勧奨地域では?
PR
たんぽぽ舎です。【TMM:No1298】
転送歓迎
◆ 地震と原発事故情報 その283 ◆
4つの情報をお知らせします(12月28日)
★1.基準「100ベクレル」は妥当か?-食品や飲料水の新基準について
全体としては「まだ10倍以上は高すぎる」。子どもたちはゼロベースに、
少なくとも5ベクレル以下に
山崎久隆
★2.<テント日誌 12/25(日)>
九州電力玄海4号停止で残り6基に
テントから霞ヶ関に響く歌声、
― 経産省前テントひろば 106日目 ―
★3.<テント日誌 12/26(月)>
寒さ厳しき中に熱気溢れるテント
― 経産省前テントひろば 107日目 ―
★4.メールマガジン読者からの情報
『マンガで見る原爆と原発』出版
長崎で被曝したマンガ家、西山進さん(83歳)原発事故に
怒りの書き下ろし!
★1.基準「100ベクレル」は妥当か?-食品や飲料水の新基準について
全体としては「まだ10倍以上は高すぎる」、ゼロベースに、
少なくとも5ベクレル以下に
山崎久隆
食料品や飲料水からの放射線被曝限度をどのように捉えるかについては、既
に一定の基準がある。いろいろな場面や物質から様々に被曝するのが現実の社
会なので、全体を足して1ミリシーベルトを限度とした場合、個々の限度は
10マイクロシーベルト(100分の1ミリシーベルト)相当に割り当てると
考える。
例えば「飲料水から10マイクロシーベルト」「主食から10マイクロシー
ベルト」「副食から10マイクロシーベルト」「空間から10マイクロシーベ
ルト」「医療用線源から10マイクロシーベルト」などという具合にである。
この逆算から出てくる一つの被曝源が「震災廃棄物」であり、それを処理処
分した場合の被曝線量を10マイクロシーベルトに抑えるには100ベクレル
/kgとすると決めたのがクリアランスレベルの考え方を踏襲したものだ。実際
にそうなるかどうかは条件が多岐に変化するため分からないが、この程度に抑
えておけば、悪い条件が重なっても10マイクロシーベルトを超えないだろう
と判断したと言うことだ。
問題は多く、私は反対だが、クリアランスレベルは既に2004年に導入さ
れている。原子炉等規制法の改正として実施されているので、今回の原発震災
によって決められたということではない。キロあたり8000ベクレルとか、
10万ベクレルなどといった恐ろしい環境省の「暫定処理基準値」のほうは、
これに照らせば違法であると言わざるを得ない。(放射性廃棄物として適切な
施設で焼却するか、または密封管理した専用処分場に処分する)
食品の限度を100ベクレル/kgにした場合、どの程度の被曝量に相当する
のか、これについてはおおむね飲食物の摂取で「1ミリシーベルトには達しな
い」ということで導入されるようだが、これは今までの考え方からは10倍以
上も高すぎる。
「厚労省は、仮に新基準値上限の食品を一年間食べ続けることも考えにくい
ため、実際には0.7ミリシーベルトをかなり下回るとみている。」という厚
労省の「解説」が茨城新聞に載っていたが、これも間違った考え方である。基
準値というのは、これを超える場面も想定をして、悪い条件が重なっても十分
安全側に入る程度に設定しなければならない。つまり、規制値一杯の食品ばか
り食べたとしても目標の被曝限度の10分の1(厚労省の言い方に沿うならば
100マイクロシーベルト)程度に収まるようにすべきなのだ。
安全規制値とは、そのような考え方で決めるものなのである。
さて、この「100ベクレル/kg」にしろ「500ベクレル/kg」にしろ、
これはいわば「我慢量」である。原発震災により日本中に拡散した放射能を誰
がどれだけ「引き受けるか」という問題だ。極めてパーソナルな問題であると
同時に、責任を分担すべき人とそうでない人がいるだろう。そこをはき違えて
はならない。
「未来の世代にツケを回すな」これは反原発運動がチェルノブイリ原発事故
の頃に私たちが主張したスローガンだったが、いつしか「未来の世代に負担を
残すな」という言葉が「高レベル放射性廃棄物処理処分」の場面でNUMOに
より主張されだした。この本末転倒振りに唖然としたが、今度は未来の世代を
「過度に」被曝させるような「被曝基準」を政府自ら作り出した。それも「安
全基準だ」として。
依然として安全神話が形を変えて再生産されてるだけで無く、とうとう自ら
言っていることの論理矛盾にも気づかなくなっているらしい。
成人、子どもたち、乳幼児、産婦別に、さらに「水<牛乳<主食<野菜類<
魚肉類<その他」という段階を設けた摂取限度をもうけるべきだろう。
既に原発を作り続けてしまった世代からの、最後の罪滅ぼしが出来るとした
ら、未来の世代を可能な限り「飲食物を通じてはゼロ被曝」に近づける努力を
こそ今すべきなのだ。特に学校給食のように、子どもたちが摂取するシーンで
は、ゼロベース、現実的には少なくても5ベクレル以下を測定できる装置で
「測定限界以下」とするべきだ。40ベクレル/kgはやはり10倍高すぎる。
全体としては「まだ10倍以上は高すぎる」これが今回の「100ベクレル
/kgなどの新規制値」に対する私の意見である。
☆2011.12.22発信「地震と原発事故情報その278」掲載の安田節子さんの文章も
ご参照下さい。
☆1/18学習会もあります。
2012年1月18日(水)18:30~「牛乳が汚染-食の安全対策」
お話:安田節子さん
★2.<テント日誌 12/25(日)>
九州電力玄海4号停止で残り6基に
テントから霞ヶ関に響く歌声、
― 経産省前テントひろば 106日目 ―
12月25日(日)晴。
テント前で歌声集会。「月桃の花」歌舞団だそうだ。一般参加者を巻き込みギ
ターに合わせて寒い中、元気な歌声が霞ヶ関に響く。
曲目は「線路は続くよどこまでも」の曲に乗せて「放出続くよどこまでも」など
原発止めよーう いーますぐに―
原発止めよーう もーいらなーい
世界の国かーら 原発をー
なーくしてしまおーう いーますぐに
なーくしてしまおーう いーますぐに
25日の夜には九州電力玄海原発4号機が止まり、日本で稼働中の原発は6基のみ
になる。54基あるうちの6基。日本は89%脱原発状態になる。あとたった一割だ。
去年の実績から考えると、電力需要のピーク時の3~4%を担うに過ぎない。
テントの正面に掲げられた横断幕には「再稼働反対」のメッセージ。このまま再
稼働を許さなければ5月には全ての原発が止まる。
日本の電力会社は様々な理由により、原発を止めても停電が起きないくらいの発
電設備を抱えている。一番の理由は「総括原価方式」だろう。投資したらした分
だけ電力料金に上乗せできるのだから、発電所を作りすぎても不思議ではない。
次にバブル経済が挙げられる。バブルの頃の電力需要の伸びが将来も続くとして
発電所の建設を行いバブルがはじければ発電所は余る。電力会社の高コスト体質
が嫌われ自家発電や特定規模電気事業者(PPS)が増えたこともある。
2011年現在、計算上日本の電力供給力は、原発を全部止めてもまだ余力がある。
テントの正面には再稼働反対の横断幕が掲げられている。このまま再稼働を許さ
なければもうすぐ実証される。(H.H)
★3.<テント日誌 12/26(月)>
寒さ厳しき中に熱気溢れるテント
― 経産省前テントひろば 107日目 ―
12月26日(月)晴れ。冷え込みは一段と厳しい。
午後、先日テントを来訪された折、お願いしていた南條倖司&まあさんのライブ
が行われる。群馬県南部の下仁田町で半自給的音楽生活を送っておられるとのこ
とで、下仁田ネギをいっぱいお土産に持参してこられた。
30名あまりの聴衆を前に、美しい声音でたっぷりと歌っていただいた。
聴衆からは「テントへのカンパ投げ銭」がたっぷり!
夕刻から、第2テントでは若い人達の鍋パーティーが賑やかに行われている。
第1テントにはポルトガル・ブラジルからの青年達(?)が3名来訪。やはりバル
セロナで知ったのだそうだ。
明日の夜から、何日間かテントに泊まり込みで詰めていたいとのこと。ここは是
非、泊まり込み体制の有力な「戦力」として加わっていただこうということに。
そしてその 体験を広く世界に伝えてもらえれば・・・。
同じ時間帯に、スペースたんぽぽでは重要な学習会が開催されているはず。スト
レステストの意見聴取会にあわせて、ストレステストの問題点は何か、意見聴取
会で何が議論されているのか、一連の手続きの何が問題か、などについて学習し
て、意見聴取会の積極的な傍聴や保安院への具体的な働きかけなどにつなげて、
再稼働を止める力にする、というものである。
そちらの方も気にしながら、テントでの交流をおこなう。
今夜は第2テントに女性2人(中年とシニアの)が泊まり込むということで、
いっぱい荷物を抱えて、用意万端である。(Y・T)
★4.メールマガジン読者からの情報
『マンガで見る原爆と原発』出版
長崎で被曝したマンガ家、西山進さん(83歳)原発事故に怒りの書き下ろし!
著者の西山進さんは、17歳の時に長崎で被曝。戦後、上京してマンガ家にな
った。現在は福岡市で被爆者団体の役員として活動している。311の震災に伴う
原発事故に心を痛めていたところ政府、財界、マスコミの無責任な対応ぶりに怒
りをこめてペンをとって描き上げたのが『マンガで見る原爆と原発』だ。
政府、東電は、放射能被害は大したことがなく終息にむかっているという。し
かし、西山さんは反論。「被害は甚大で広がっていること」をわかりやすく指摘。
さらに、原発と核兵器は、密接な関係にあると言及する。しかし、政府はその点
をひた隠しにし、マスコミもそのことには故意にふれない。
若いお母さんたちにも手軽に手にとってもらえるようにと一気に書き上げたのが
『原爆と原発』だ。 http://cr21.web.fc2.com
『マンガで見る原爆と原発』2011年/B5判並製/30頁/630円(税込)
<< ご注文方法 >>氏名・住所・電話番号・ご希望の冊数をご明記のうえ、
FAX:03-3226-5292、またはメール:creative21@joy.ocn.ne.jpでご連絡下さい。
後日、記載されたご住所に振込用紙と書籍をお届け致します。
(送料は実費をご負担下さい。1~3冊では100円になります)
☆ ご一緒に西山さんの「あの日の事」もご購入いただけます。
「あの日のこと」2005年/B5判上製/120頁/1,890円(税込)
長崎で被曝したマンガ家がやさしい絵で自らの被曝体験と平和への思いを書く。
転送歓迎
◆ 地震と原発事故情報 その283 ◆
4つの情報をお知らせします(12月28日)
★1.基準「100ベクレル」は妥当か?-食品や飲料水の新基準について
全体としては「まだ10倍以上は高すぎる」。子どもたちはゼロベースに、
少なくとも5ベクレル以下に
山崎久隆
★2.<テント日誌 12/25(日)>
九州電力玄海4号停止で残り6基に
テントから霞ヶ関に響く歌声、
― 経産省前テントひろば 106日目 ―
★3.<テント日誌 12/26(月)>
寒さ厳しき中に熱気溢れるテント
― 経産省前テントひろば 107日目 ―
★4.メールマガジン読者からの情報
『マンガで見る原爆と原発』出版
長崎で被曝したマンガ家、西山進さん(83歳)原発事故に
怒りの書き下ろし!
★1.基準「100ベクレル」は妥当か?-食品や飲料水の新基準について
全体としては「まだ10倍以上は高すぎる」、ゼロベースに、
少なくとも5ベクレル以下に
山崎久隆
食料品や飲料水からの放射線被曝限度をどのように捉えるかについては、既
に一定の基準がある。いろいろな場面や物質から様々に被曝するのが現実の社
会なので、全体を足して1ミリシーベルトを限度とした場合、個々の限度は
10マイクロシーベルト(100分の1ミリシーベルト)相当に割り当てると
考える。
例えば「飲料水から10マイクロシーベルト」「主食から10マイクロシー
ベルト」「副食から10マイクロシーベルト」「空間から10マイクロシーベ
ルト」「医療用線源から10マイクロシーベルト」などという具合にである。
この逆算から出てくる一つの被曝源が「震災廃棄物」であり、それを処理処
分した場合の被曝線量を10マイクロシーベルトに抑えるには100ベクレル
/kgとすると決めたのがクリアランスレベルの考え方を踏襲したものだ。実際
にそうなるかどうかは条件が多岐に変化するため分からないが、この程度に抑
えておけば、悪い条件が重なっても10マイクロシーベルトを超えないだろう
と判断したと言うことだ。
問題は多く、私は反対だが、クリアランスレベルは既に2004年に導入さ
れている。原子炉等規制法の改正として実施されているので、今回の原発震災
によって決められたということではない。キロあたり8000ベクレルとか、
10万ベクレルなどといった恐ろしい環境省の「暫定処理基準値」のほうは、
これに照らせば違法であると言わざるを得ない。(放射性廃棄物として適切な
施設で焼却するか、または密封管理した専用処分場に処分する)
食品の限度を100ベクレル/kgにした場合、どの程度の被曝量に相当する
のか、これについてはおおむね飲食物の摂取で「1ミリシーベルトには達しな
い」ということで導入されるようだが、これは今までの考え方からは10倍以
上も高すぎる。
「厚労省は、仮に新基準値上限の食品を一年間食べ続けることも考えにくい
ため、実際には0.7ミリシーベルトをかなり下回るとみている。」という厚
労省の「解説」が茨城新聞に載っていたが、これも間違った考え方である。基
準値というのは、これを超える場面も想定をして、悪い条件が重なっても十分
安全側に入る程度に設定しなければならない。つまり、規制値一杯の食品ばか
り食べたとしても目標の被曝限度の10分の1(厚労省の言い方に沿うならば
100マイクロシーベルト)程度に収まるようにすべきなのだ。
安全規制値とは、そのような考え方で決めるものなのである。
さて、この「100ベクレル/kg」にしろ「500ベクレル/kg」にしろ、
これはいわば「我慢量」である。原発震災により日本中に拡散した放射能を誰
がどれだけ「引き受けるか」という問題だ。極めてパーソナルな問題であると
同時に、責任を分担すべき人とそうでない人がいるだろう。そこをはき違えて
はならない。
「未来の世代にツケを回すな」これは反原発運動がチェルノブイリ原発事故
の頃に私たちが主張したスローガンだったが、いつしか「未来の世代に負担を
残すな」という言葉が「高レベル放射性廃棄物処理処分」の場面でNUMOに
より主張されだした。この本末転倒振りに唖然としたが、今度は未来の世代を
「過度に」被曝させるような「被曝基準」を政府自ら作り出した。それも「安
全基準だ」として。
依然として安全神話が形を変えて再生産されてるだけで無く、とうとう自ら
言っていることの論理矛盾にも気づかなくなっているらしい。
成人、子どもたち、乳幼児、産婦別に、さらに「水<牛乳<主食<野菜類<
魚肉類<その他」という段階を設けた摂取限度をもうけるべきだろう。
既に原発を作り続けてしまった世代からの、最後の罪滅ぼしが出来るとした
ら、未来の世代を可能な限り「飲食物を通じてはゼロ被曝」に近づける努力を
こそ今すべきなのだ。特に学校給食のように、子どもたちが摂取するシーンで
は、ゼロベース、現実的には少なくても5ベクレル以下を測定できる装置で
「測定限界以下」とするべきだ。40ベクレル/kgはやはり10倍高すぎる。
全体としては「まだ10倍以上は高すぎる」これが今回の「100ベクレル
/kgなどの新規制値」に対する私の意見である。
☆2011.12.22発信「地震と原発事故情報その278」掲載の安田節子さんの文章も
ご参照下さい。
☆1/18学習会もあります。
2012年1月18日(水)18:30~「牛乳が汚染-食の安全対策」
お話:安田節子さん
★2.<テント日誌 12/25(日)>
九州電力玄海4号停止で残り6基に
テントから霞ヶ関に響く歌声、
― 経産省前テントひろば 106日目 ―
12月25日(日)晴。
テント前で歌声集会。「月桃の花」歌舞団だそうだ。一般参加者を巻き込みギ
ターに合わせて寒い中、元気な歌声が霞ヶ関に響く。
曲目は「線路は続くよどこまでも」の曲に乗せて「放出続くよどこまでも」など
原発止めよーう いーますぐに―
原発止めよーう もーいらなーい
世界の国かーら 原発をー
なーくしてしまおーう いーますぐに
なーくしてしまおーう いーますぐに
25日の夜には九州電力玄海原発4号機が止まり、日本で稼働中の原発は6基のみ
になる。54基あるうちの6基。日本は89%脱原発状態になる。あとたった一割だ。
去年の実績から考えると、電力需要のピーク時の3~4%を担うに過ぎない。
テントの正面に掲げられた横断幕には「再稼働反対」のメッセージ。このまま再
稼働を許さなければ5月には全ての原発が止まる。
日本の電力会社は様々な理由により、原発を止めても停電が起きないくらいの発
電設備を抱えている。一番の理由は「総括原価方式」だろう。投資したらした分
だけ電力料金に上乗せできるのだから、発電所を作りすぎても不思議ではない。
次にバブル経済が挙げられる。バブルの頃の電力需要の伸びが将来も続くとして
発電所の建設を行いバブルがはじければ発電所は余る。電力会社の高コスト体質
が嫌われ自家発電や特定規模電気事業者(PPS)が増えたこともある。
2011年現在、計算上日本の電力供給力は、原発を全部止めてもまだ余力がある。
テントの正面には再稼働反対の横断幕が掲げられている。このまま再稼働を許さ
なければもうすぐ実証される。(H.H)
★3.<テント日誌 12/26(月)>
寒さ厳しき中に熱気溢れるテント
― 経産省前テントひろば 107日目 ―
12月26日(月)晴れ。冷え込みは一段と厳しい。
午後、先日テントを来訪された折、お願いしていた南條倖司&まあさんのライブ
が行われる。群馬県南部の下仁田町で半自給的音楽生活を送っておられるとのこ
とで、下仁田ネギをいっぱいお土産に持参してこられた。
30名あまりの聴衆を前に、美しい声音でたっぷりと歌っていただいた。
聴衆からは「テントへのカンパ投げ銭」がたっぷり!
夕刻から、第2テントでは若い人達の鍋パーティーが賑やかに行われている。
第1テントにはポルトガル・ブラジルからの青年達(?)が3名来訪。やはりバル
セロナで知ったのだそうだ。
明日の夜から、何日間かテントに泊まり込みで詰めていたいとのこと。ここは是
非、泊まり込み体制の有力な「戦力」として加わっていただこうということに。
そしてその 体験を広く世界に伝えてもらえれば・・・。
同じ時間帯に、スペースたんぽぽでは重要な学習会が開催されているはず。スト
レステストの意見聴取会にあわせて、ストレステストの問題点は何か、意見聴取
会で何が議論されているのか、一連の手続きの何が問題か、などについて学習し
て、意見聴取会の積極的な傍聴や保安院への具体的な働きかけなどにつなげて、
再稼働を止める力にする、というものである。
そちらの方も気にしながら、テントでの交流をおこなう。
今夜は第2テントに女性2人(中年とシニアの)が泊まり込むということで、
いっぱい荷物を抱えて、用意万端である。(Y・T)
★4.メールマガジン読者からの情報
『マンガで見る原爆と原発』出版
長崎で被曝したマンガ家、西山進さん(83歳)原発事故に怒りの書き下ろし!
著者の西山進さんは、17歳の時に長崎で被曝。戦後、上京してマンガ家にな
った。現在は福岡市で被爆者団体の役員として活動している。311の震災に伴う
原発事故に心を痛めていたところ政府、財界、マスコミの無責任な対応ぶりに怒
りをこめてペンをとって描き上げたのが『マンガで見る原爆と原発』だ。
政府、東電は、放射能被害は大したことがなく終息にむかっているという。し
かし、西山さんは反論。「被害は甚大で広がっていること」をわかりやすく指摘。
さらに、原発と核兵器は、密接な関係にあると言及する。しかし、政府はその点
をひた隠しにし、マスコミもそのことには故意にふれない。
若いお母さんたちにも手軽に手にとってもらえるようにと一気に書き上げたのが
『原爆と原発』だ。 http://cr21.web.fc2.com
『マンガで見る原爆と原発』2011年/B5判並製/30頁/630円(税込)
<< ご注文方法 >>氏名・住所・電話番号・ご希望の冊数をご明記のうえ、
FAX:03-3226-5292、またはメール:creative21@joy.ocn.ne.jpでご連絡下さい。
後日、記載されたご住所に振込用紙と書籍をお届け致します。
(送料は実費をご負担下さい。1~3冊では100円になります)
☆ ご一緒に西山さんの「あの日の事」もご購入いただけます。
「あの日のこと」2005年/B5判上製/120頁/1,890円(税込)
長崎で被曝したマンガ家がやさしい絵で自らの被曝体験と平和への思いを書く。
たんぽぽ舎です。【TMM:No1297】
転送歓迎
◆ 地震と原発事故情報 その282 ◆
4つの情報をお知らせします(12月27日)
12月25日、九州電力玄海4号機が定期検査で停止、
日本の稼働している原発は6基、全原発停止へあと一歩
★1.学習会『ストレステスト評価による危険な再稼働への道
―そもそも机上のシミュレーション』
で討論・確認された再稼働阻止にむけた具体的活動方針
★2.「もんじゅ」と永平寺
「もんじゅ」(文殊菩薩に由来)の命名への懺悔
住みやすさランキング1位の裏側にあるもの
★3.新聞、雑誌から、1つ
「お母さん革命」息長く―放射能から子ども守りたい
給食の産地公開要求・線量計測
★4.東京電力へ 女たちの御用納め
東電に今年最後のご挨拶に参りましょう!
★1.学習会『ストレステスト評価による危険な再稼働への道
―そもそも机上のシミュレーション』
で討論・確認された再稼働阻止にむけた具体的活動方針
昨日26日、スペースたんぽぽで開催された学習会『ストレステスト評価に
よる危険な再稼働への道―そもそも机上のシミュレーション』には約50名の
参加のもと、年末最後の学習会に相応しい熱気にあふれた討論の中、いよいよ
正念場を向けえた原発の再稼働阻止にむけた幾つかの具体的な方針が提起され
ました。
詳細な報告は別稿にゆずるとして、ここでは討議された方針の一部を紹介す
ることで学習会の報告としたいと思います。
論議された具体的活動方針
○意見聴取会の傍聴と議論内容の周知・拡散を
・意見聴取会に合わせて経産省前でのビラまき等を含む
・意見聴取会に向けた大衆的な取り組み、聴取会前後での意思一致と意見
交流
○EPZ(30km圏内緊急時計画区域)の自治体、運動体への働きかけ
当該地域への働きかけと共闘に向けて一歩前に踏み出そう
○JNES(独立行政法人原子力安全基盤機構)、御用委員の追及
・JNES、御用委員の問題点の情報周知・拡散
・保安院へ抗議・質問のメール、ファックスを集中送付
★2.「もんじゅ」と永平寺
「もんじゅ」(文殊菩薩に由来)の命名への懺悔
住みやすさランキング1位の裏側にあるもの
山崎 久隆 たんぽぽ舎 劣化ウラン研究会
住みやすさランキングというものがある。第一位は福井県、二位富山県、三
位は石川県だそうだ。北陸三県が上位を占めた。出身者としては何となく面映
ゆいところだが、この地域には、ある事情がある。
福井は若狭湾に電力二社の原発13基と日本原子力研究開発機構の「もんじ
ゅ」が建っている。それに伴う交付金は半端な金額ではない。2010年度で
204億円、市町村と福井県はほぼ半々。石川県にも北陸電力唯一の志賀原発
が二基、能登半島のど真ん中に建っている。その交付金は2010年度で25
億円にもなる。
住みやすさの中には、インフラ整備や公共事業の多さというものもあるのだ
ろうから、原発交付金がなにがしかの「貢献」をしてきたと思われる。ちなみ
に北陸電力の本店は第二位の富山県にある。北陸三県の一人あたり所得額は全
国で9から20位くらい。トップ3では無い。従って他地域に比べて特に収入
が多いというわけでは無い。一方、冬は雪が降り、夏は暑い日もある。エネル
ギー消費量は住戸の床面積が比較的広い(1位富山2位福井9位石川)ことも
あり、他地域に比べると多くトップ3を独占し、福井、石川、富山の順であ
る。
住みやすさランキングが高い理由は、おそらく就業率の高さ(2位福井、5
位富山、6位石川)、比較的長い労働時間による平均収入の高さが所以だろ
う。高額所得者は少ないが、困窮世帯も少ないということだ。自ずと平均化す
るから、町に高級品を扱う店は少なく、比較的に低価格の商品が多く並ぶ。地
元産の農産物はいわゆる「有機農産物」など付加価値の高い商品でも断然安
い。地産地消の良い面が出ている。
原発推進は地元に行けば分かるが、空気のようなものであり、反原発運動は
息の詰まるような閉塞感の中で取り組まれてきた。町民の多数が本人、家族、
親戚のどこかで原発や電力につながっている。若狭湾の多くの町はそうだ。
その町の真ん中に立つ、曹洞宗の総本山、道元が1244年に開創した古
刹、永平寺が主催して11月2日に一つのシンポジウムが開かれた。発言者と
して招かれたのは小浜市の明通寺(真言宗)住職の中島哲演さんと福島県飯舘
村の酪農家、長谷川健一さんらだ。「いのちを慈しむ~原発を選ばないという
生き方」は、まさに反(脱)原発講演会なのだが、永平寺は、現在の日本原子
力研究開発機構、当時は動力炉・核燃料開発事業団が福井県に建設した「ふげ
ん」(もちろん普賢菩薩に由来)と「もんじゅ」(文殊菩薩に由来)の命名に
かかわった経緯があるという。いわば「名前使用権」を認めたと言うことらし
い。法的な裏付けがあるわけでは無いが、お墨付きにはなっていた。
このシンポジウムを運営する「禅を学ぶ会」事務局長で永平寺の布教部長の
西田正法さんは「原発に対する認識が足りなかった私たちの責任は重く、間違
いだった。懺悔することから始めたい」。「使用済み核燃料を残し、DNAに
作用する放射線という危険をはらむ原発は、子孫への負の遺産となる。命を長
い時間の視座に置く仏教の教えと相反する」「今の生活を見直すきっかけにし
てほしい」と呼び掛けている。(毎日新聞2011年10月14日大阪朝刊より)
これについては何年も前から「偽「もんじゅ」と批判をしてきた槌田敦さん
の存在を忘れてはならないだろう。「ひらがな「もんじゅ」はそもそも偽物。
智慧どころか愚かさの象徴」と喝破していた。高速炉「もんじゅ」そのもの
は、文殊菩薩のお導きか?今止まっているが、他の13基ある原発の一部がま
だ動いている。定期検査のために全部止まるにはあと一ヶ月程度かかる。それ
までの間、神経をすり減らして生きなければならない人たちが大勢いる。3.
11以前ならば最悪でも福井県の一部が被災するだけと思っていた人も多かっ
ただろう。しかしこれからの季節の風は日本海側から太平洋に向けて卓越す
る。もし大規模放射能放出事故が起きれば、わずか30キロ先にある琵琶湖に
大量の放射能が降り注ぐ事態になる。
琵琶湖沿岸や琵琶湖の水を使う滋賀県だけではなく、京都、大阪の人々にと
っても死活的重大な問題だ。これがリアリティを持って関西の人々にも迫って
きている。琵琶湖のある滋賀県では、断固運転再開反対で活動が始まってい
る。既に差止の仮処分申請も行われた。嘉田知事も運転再開には慎重で「卒原
発」との立場だそうだ。橋下前大阪府知事らは関西広域連合を動かし、原発再
稼働に待ったをかけるという。市民グループも次々に反対の声を上げ始めてい
る。
原発運転再開をもくろむ電力をはじめとした企業や国にとって、立地自治体
を丸め込むならば、手慣れた手法でいくらでも工作するのだろうが、遙かに離
れた自治体の長が次々に叛旗を翻すのに何ら打つ手を持っていないらしい。後
は国と経済界だのみ、電力危機キャンペーンに、ストレステストの結果と安全
性のお墨付きがあれば、運転を強行できるだろうと踏んでいる。
こんなバカげた連中に、危険な原発をいじらせていては福島原発震災を繰り
返すだけだ。直ちに原発の運転を全部停止させ、電力ではなく公害などの社会
問題の専門家とNGOのメンバーと地域住民で、この「巨大な核のゴミ」をど
うするか、検討し始める必要がある。
★3.新聞、雑誌から、1つ
「お母さん革命」息長く―放射能から子ども守りたい
給食の産地公開要求・線量計測
○福島第一原発の事故後、「放射能から子どもを守りたい」との一心で各地域
で立ち上がり、果敢に行動する母親たちの姿が目立った。それはたった一人か
ら、仲間やグル―プ同士、インターネットによるネットワーク化まで見られ
た。行政に働きかけて動かした成果もあれば、厚い壁にあえぎ続けるケースも
多い。
アラブの春になぞらえた今年の社会現象の名は「お母さん革命」――。「福
島の原発が廃炉になるころには、小学生のうちの子は四十歳を過ぎている。そ
れを考えたら『お母さん革命』じゃなく、『おばあちゃん革命』になるまで、
息長く続けなきゃいけない」こう話すのは、東京都練馬区の主婦宮崎みどりさ
ん(四六)だ。(略)
「仕事と育児を両立させるほど器用じゃないので」と、今は小学四年の長男
(一○)と年長児の次男(五つ)の子育てに専念する。(略)最初は一人で思
い悩んでいた。練馬区内では五月ごろから、子どもを放射性物質から守るため
の母親グループが結成され始めていた。(略)「学校は何もしない。働きかけ
なきゃ」と思ったのは、原発の爆発から間もない三月十八日。(略)自身の活
動を、アンデルセン童話「裸の王様」に出てくる子どもにたとえる。詐欺師に
騙された王様や家来たちが言い出せない状況で「王様は裸だよ!」と叫ぶ。
(略)
「もう危険じゃない、という心理操作に惑わされないように、忍耐強く活動
を続けたい。それが大人の責任だと思うから」。「ホットスポットハンター」
とも呼ばれ、放射線測定器を持ち歩く川崎市中原区の長戸清美さん(四七)も
二児の母親だ。八月、市民グループの一員として市内の公園の放射線量を調
べ、周囲より線量が高い「ホットスポット」を次々と見つけた。市がそれまで
公園の中央部などを計測し、安全の目安とした毎時0・一九マイクロシーベル
トを上回る場所はなく「問題はない」との姿勢を、変えさせた。(略)
「お母さん革命」について「国が情報をちゃんと出さないから、自分たちで
動かなければいけないと思った人が多いのでは」。長戸さんは子どもへの愛情
と「本能的な種の保存」といい、国への不信は続く。「食品の規制値も一キロ
当たり二、三ベクレルでないと。草の根でまだまだ頑張らないと、子どもたち
を守れない」。
「青鞜」創刊 原水爆禁止訴え発信
先駆らいてうの志継ぐ―「存命なら『原発廃止』のひと言でしょう」
○一九五四年三月、マーシャル諸島ビキニ環礁で米国が行った水爆実験を機に
世界に広がった原水爆禁止運動。その発端は杉並区の母親たちの署名活動だっ
た。遠洋マグロ漁船・第五福竜丸の被ばくや、汚染されたマグロは母親たちを
嘆かせた。その流れの中心で、原水爆禁止の訴えを発信したのが、平塚らいて
う(一八八六~一九七一)。女性解放運動と自立をけん引した作家だった。そ
の生涯を紹介する写真集「わたくしは永遠に失望しない」(ドメス出版)を出
した「らいてう研究会」代表の折井美耶子さん(七六)は「もし生きていたら
『原発廃止』の一言でしょう。らいてうの思想の中心は、命の問題でした」と
語る。(略)
日頃、主張も異なる女性たちが東京連合婦人会を組織し、復興に力を合わせ
た。らいてうも加わった。会は行政と協力し、ふとん作りなど被災女性の受産
活動に動いた。大正デモクラシーを経て、女性の活動範囲は広がり、戦前から
の婦人参政権運動も戦後ようやく実る。らいてうは晩年も八十五歳で亡くなる
まで平和運動に身を尽くす。七〇年安保に反対し、自宅近くをデモ行進した。
当時を知る折井さんは「小柄で、とってももの静かな方。銀髪がおきれいでし
た」とその思いを代弁する。「原発再稼働を許すらいてうではない。命を守る
運動を積極的に進めることが、志を継ぐこと。男性たちにも頑張ってもらいた
い」
(東京新聞12月26日『こちら特報部』より抜粋)
★4.東京電力へ 女たちの御用納め
東電に今年最後のご挨拶に参りましょう!
わたしたちの人生を、生活を、環境を、めちゃくちゃに破壊した福島原発事
故から9ヵ月が過ぎ、2011年も終わろうとしています。
しかしこの間、避難も、防御も、除染も、補償も、東電および政府への責任
追及も十分には行われず、その上、原発の再稼働や輸出といった信じ難い暴挙
が行われようとしています。
「こんな気持ちじゃ、とても年を越せない!」
「東電にも、仕事納めなんかさせないわ!」という声が、「福島の女たち」の
中からわき上がってきました。
そこで師走の慌ただしい時期ではありますが、「女たちの御用納め」を企画
しました。東電に今年最後のご挨拶に参りましょう!
日時:12月28日(水)昼12時
場所:東京電力本社前~経産省前
昼12時に東京電力本社(東京都千代田区内幸町1丁目1-3)前に集合し、
霞ヶ関経産省前でもアクションを行う予定です。
呼びかけ:原発いらない福島の女たち(http://onna100nin.seesaa.net/)
☆なお、午後6時30分から7時まで経産省への抗議・申し入れ行動も行われ
ます。
主催:再処理止めたい首都圏市民の集い
転送歓迎
◆ 地震と原発事故情報 その282 ◆
4つの情報をお知らせします(12月27日)
12月25日、九州電力玄海4号機が定期検査で停止、
日本の稼働している原発は6基、全原発停止へあと一歩
★1.学習会『ストレステスト評価による危険な再稼働への道
―そもそも机上のシミュレーション』
で討論・確認された再稼働阻止にむけた具体的活動方針
★2.「もんじゅ」と永平寺
「もんじゅ」(文殊菩薩に由来)の命名への懺悔
住みやすさランキング1位の裏側にあるもの
★3.新聞、雑誌から、1つ
「お母さん革命」息長く―放射能から子ども守りたい
給食の産地公開要求・線量計測
★4.東京電力へ 女たちの御用納め
東電に今年最後のご挨拶に参りましょう!
★1.学習会『ストレステスト評価による危険な再稼働への道
―そもそも机上のシミュレーション』
で討論・確認された再稼働阻止にむけた具体的活動方針
昨日26日、スペースたんぽぽで開催された学習会『ストレステスト評価に
よる危険な再稼働への道―そもそも机上のシミュレーション』には約50名の
参加のもと、年末最後の学習会に相応しい熱気にあふれた討論の中、いよいよ
正念場を向けえた原発の再稼働阻止にむけた幾つかの具体的な方針が提起され
ました。
詳細な報告は別稿にゆずるとして、ここでは討議された方針の一部を紹介す
ることで学習会の報告としたいと思います。
論議された具体的活動方針
○意見聴取会の傍聴と議論内容の周知・拡散を
・意見聴取会に合わせて経産省前でのビラまき等を含む
・意見聴取会に向けた大衆的な取り組み、聴取会前後での意思一致と意見
交流
○EPZ(30km圏内緊急時計画区域)の自治体、運動体への働きかけ
当該地域への働きかけと共闘に向けて一歩前に踏み出そう
○JNES(独立行政法人原子力安全基盤機構)、御用委員の追及
・JNES、御用委員の問題点の情報周知・拡散
・保安院へ抗議・質問のメール、ファックスを集中送付
★2.「もんじゅ」と永平寺
「もんじゅ」(文殊菩薩に由来)の命名への懺悔
住みやすさランキング1位の裏側にあるもの
山崎 久隆 たんぽぽ舎 劣化ウラン研究会
住みやすさランキングというものがある。第一位は福井県、二位富山県、三
位は石川県だそうだ。北陸三県が上位を占めた。出身者としては何となく面映
ゆいところだが、この地域には、ある事情がある。
福井は若狭湾に電力二社の原発13基と日本原子力研究開発機構の「もんじ
ゅ」が建っている。それに伴う交付金は半端な金額ではない。2010年度で
204億円、市町村と福井県はほぼ半々。石川県にも北陸電力唯一の志賀原発
が二基、能登半島のど真ん中に建っている。その交付金は2010年度で25
億円にもなる。
住みやすさの中には、インフラ整備や公共事業の多さというものもあるのだ
ろうから、原発交付金がなにがしかの「貢献」をしてきたと思われる。ちなみ
に北陸電力の本店は第二位の富山県にある。北陸三県の一人あたり所得額は全
国で9から20位くらい。トップ3では無い。従って他地域に比べて特に収入
が多いというわけでは無い。一方、冬は雪が降り、夏は暑い日もある。エネル
ギー消費量は住戸の床面積が比較的広い(1位富山2位福井9位石川)ことも
あり、他地域に比べると多くトップ3を独占し、福井、石川、富山の順であ
る。
住みやすさランキングが高い理由は、おそらく就業率の高さ(2位福井、5
位富山、6位石川)、比較的長い労働時間による平均収入の高さが所以だろ
う。高額所得者は少ないが、困窮世帯も少ないということだ。自ずと平均化す
るから、町に高級品を扱う店は少なく、比較的に低価格の商品が多く並ぶ。地
元産の農産物はいわゆる「有機農産物」など付加価値の高い商品でも断然安
い。地産地消の良い面が出ている。
原発推進は地元に行けば分かるが、空気のようなものであり、反原発運動は
息の詰まるような閉塞感の中で取り組まれてきた。町民の多数が本人、家族、
親戚のどこかで原発や電力につながっている。若狭湾の多くの町はそうだ。
その町の真ん中に立つ、曹洞宗の総本山、道元が1244年に開創した古
刹、永平寺が主催して11月2日に一つのシンポジウムが開かれた。発言者と
して招かれたのは小浜市の明通寺(真言宗)住職の中島哲演さんと福島県飯舘
村の酪農家、長谷川健一さんらだ。「いのちを慈しむ~原発を選ばないという
生き方」は、まさに反(脱)原発講演会なのだが、永平寺は、現在の日本原子
力研究開発機構、当時は動力炉・核燃料開発事業団が福井県に建設した「ふげ
ん」(もちろん普賢菩薩に由来)と「もんじゅ」(文殊菩薩に由来)の命名に
かかわった経緯があるという。いわば「名前使用権」を認めたと言うことらし
い。法的な裏付けがあるわけでは無いが、お墨付きにはなっていた。
このシンポジウムを運営する「禅を学ぶ会」事務局長で永平寺の布教部長の
西田正法さんは「原発に対する認識が足りなかった私たちの責任は重く、間違
いだった。懺悔することから始めたい」。「使用済み核燃料を残し、DNAに
作用する放射線という危険をはらむ原発は、子孫への負の遺産となる。命を長
い時間の視座に置く仏教の教えと相反する」「今の生活を見直すきっかけにし
てほしい」と呼び掛けている。(毎日新聞2011年10月14日大阪朝刊より)
これについては何年も前から「偽「もんじゅ」と批判をしてきた槌田敦さん
の存在を忘れてはならないだろう。「ひらがな「もんじゅ」はそもそも偽物。
智慧どころか愚かさの象徴」と喝破していた。高速炉「もんじゅ」そのもの
は、文殊菩薩のお導きか?今止まっているが、他の13基ある原発の一部がま
だ動いている。定期検査のために全部止まるにはあと一ヶ月程度かかる。それ
までの間、神経をすり減らして生きなければならない人たちが大勢いる。3.
11以前ならば最悪でも福井県の一部が被災するだけと思っていた人も多かっ
ただろう。しかしこれからの季節の風は日本海側から太平洋に向けて卓越す
る。もし大規模放射能放出事故が起きれば、わずか30キロ先にある琵琶湖に
大量の放射能が降り注ぐ事態になる。
琵琶湖沿岸や琵琶湖の水を使う滋賀県だけではなく、京都、大阪の人々にと
っても死活的重大な問題だ。これがリアリティを持って関西の人々にも迫って
きている。琵琶湖のある滋賀県では、断固運転再開反対で活動が始まってい
る。既に差止の仮処分申請も行われた。嘉田知事も運転再開には慎重で「卒原
発」との立場だそうだ。橋下前大阪府知事らは関西広域連合を動かし、原発再
稼働に待ったをかけるという。市民グループも次々に反対の声を上げ始めてい
る。
原発運転再開をもくろむ電力をはじめとした企業や国にとって、立地自治体
を丸め込むならば、手慣れた手法でいくらでも工作するのだろうが、遙かに離
れた自治体の長が次々に叛旗を翻すのに何ら打つ手を持っていないらしい。後
は国と経済界だのみ、電力危機キャンペーンに、ストレステストの結果と安全
性のお墨付きがあれば、運転を強行できるだろうと踏んでいる。
こんなバカげた連中に、危険な原発をいじらせていては福島原発震災を繰り
返すだけだ。直ちに原発の運転を全部停止させ、電力ではなく公害などの社会
問題の専門家とNGOのメンバーと地域住民で、この「巨大な核のゴミ」をど
うするか、検討し始める必要がある。
★3.新聞、雑誌から、1つ
「お母さん革命」息長く―放射能から子ども守りたい
給食の産地公開要求・線量計測
○福島第一原発の事故後、「放射能から子どもを守りたい」との一心で各地域
で立ち上がり、果敢に行動する母親たちの姿が目立った。それはたった一人か
ら、仲間やグル―プ同士、インターネットによるネットワーク化まで見られ
た。行政に働きかけて動かした成果もあれば、厚い壁にあえぎ続けるケースも
多い。
アラブの春になぞらえた今年の社会現象の名は「お母さん革命」――。「福
島の原発が廃炉になるころには、小学生のうちの子は四十歳を過ぎている。そ
れを考えたら『お母さん革命』じゃなく、『おばあちゃん革命』になるまで、
息長く続けなきゃいけない」こう話すのは、東京都練馬区の主婦宮崎みどりさ
ん(四六)だ。(略)
「仕事と育児を両立させるほど器用じゃないので」と、今は小学四年の長男
(一○)と年長児の次男(五つ)の子育てに専念する。(略)最初は一人で思
い悩んでいた。練馬区内では五月ごろから、子どもを放射性物質から守るため
の母親グループが結成され始めていた。(略)「学校は何もしない。働きかけ
なきゃ」と思ったのは、原発の爆発から間もない三月十八日。(略)自身の活
動を、アンデルセン童話「裸の王様」に出てくる子どもにたとえる。詐欺師に
騙された王様や家来たちが言い出せない状況で「王様は裸だよ!」と叫ぶ。
(略)
「もう危険じゃない、という心理操作に惑わされないように、忍耐強く活動
を続けたい。それが大人の責任だと思うから」。「ホットスポットハンター」
とも呼ばれ、放射線測定器を持ち歩く川崎市中原区の長戸清美さん(四七)も
二児の母親だ。八月、市民グループの一員として市内の公園の放射線量を調
べ、周囲より線量が高い「ホットスポット」を次々と見つけた。市がそれまで
公園の中央部などを計測し、安全の目安とした毎時0・一九マイクロシーベル
トを上回る場所はなく「問題はない」との姿勢を、変えさせた。(略)
「お母さん革命」について「国が情報をちゃんと出さないから、自分たちで
動かなければいけないと思った人が多いのでは」。長戸さんは子どもへの愛情
と「本能的な種の保存」といい、国への不信は続く。「食品の規制値も一キロ
当たり二、三ベクレルでないと。草の根でまだまだ頑張らないと、子どもたち
を守れない」。
「青鞜」創刊 原水爆禁止訴え発信
先駆らいてうの志継ぐ―「存命なら『原発廃止』のひと言でしょう」
○一九五四年三月、マーシャル諸島ビキニ環礁で米国が行った水爆実験を機に
世界に広がった原水爆禁止運動。その発端は杉並区の母親たちの署名活動だっ
た。遠洋マグロ漁船・第五福竜丸の被ばくや、汚染されたマグロは母親たちを
嘆かせた。その流れの中心で、原水爆禁止の訴えを発信したのが、平塚らいて
う(一八八六~一九七一)。女性解放運動と自立をけん引した作家だった。そ
の生涯を紹介する写真集「わたくしは永遠に失望しない」(ドメス出版)を出
した「らいてう研究会」代表の折井美耶子さん(七六)は「もし生きていたら
『原発廃止』の一言でしょう。らいてうの思想の中心は、命の問題でした」と
語る。(略)
日頃、主張も異なる女性たちが東京連合婦人会を組織し、復興に力を合わせ
た。らいてうも加わった。会は行政と協力し、ふとん作りなど被災女性の受産
活動に動いた。大正デモクラシーを経て、女性の活動範囲は広がり、戦前から
の婦人参政権運動も戦後ようやく実る。らいてうは晩年も八十五歳で亡くなる
まで平和運動に身を尽くす。七〇年安保に反対し、自宅近くをデモ行進した。
当時を知る折井さんは「小柄で、とってももの静かな方。銀髪がおきれいでし
た」とその思いを代弁する。「原発再稼働を許すらいてうではない。命を守る
運動を積極的に進めることが、志を継ぐこと。男性たちにも頑張ってもらいた
い」
(東京新聞12月26日『こちら特報部』より抜粋)
★4.東京電力へ 女たちの御用納め
東電に今年最後のご挨拶に参りましょう!
わたしたちの人生を、生活を、環境を、めちゃくちゃに破壊した福島原発事
故から9ヵ月が過ぎ、2011年も終わろうとしています。
しかしこの間、避難も、防御も、除染も、補償も、東電および政府への責任
追及も十分には行われず、その上、原発の再稼働や輸出といった信じ難い暴挙
が行われようとしています。
「こんな気持ちじゃ、とても年を越せない!」
「東電にも、仕事納めなんかさせないわ!」という声が、「福島の女たち」の
中からわき上がってきました。
そこで師走の慌ただしい時期ではありますが、「女たちの御用納め」を企画
しました。東電に今年最後のご挨拶に参りましょう!
日時:12月28日(水)昼12時
場所:東京電力本社前~経産省前
昼12時に東京電力本社(東京都千代田区内幸町1丁目1-3)前に集合し、
霞ヶ関経産省前でもアクションを行う予定です。
呼びかけ:原発いらない福島の女たち(http://onna100nin.seesaa.net/)
☆なお、午後6時30分から7時まで経産省への抗議・申し入れ行動も行われ
ます。
主催:再処理止めたい首都圏市民の集い
たんぽぽ舎です。【TMM:No1296】
転送歓迎
◆ 地震と原発事故情報 その281 ◆
5つの情報をお知らせします(12月26日)
12月25日、九州電力玄海4号機が定期検査で停止、
日本の稼働している原発は6基、全原発停止へあと一歩
★1.原発予算4,200億円(案)反対=>震災復興費へまわせ
野田(民主党)内閣の原発推進路線を打ち破ろう
★2.「脱原発」意志しめさず 野田内閣 12年度予算案決定
原発関連4188億円、再生エネは原発の半分(2100億円)
★3.東電前年末ジャンボ・アクション
熱気と元気にあふれた集会
東電柏崎・刈羽原発2基の即時停止を求める
★4.<テント日誌 12/23(金)>
ハワイ伝統舞踊の講座 そして東電前行動へ
―― 経産省前テントひろば 104日目 ――
<テント日誌 12/24(土)>
厳しい寒さの中、平和のピアノコンサート
―― 経産省前テントひろば 105日目 ――
★5.メルマガ読者からの講演会・集会のお知らせ
◆判決不服従アクションin郡山
12月27日(火)判決に対する異議申立&判決勉強会
「子どもたちを救わないという結論はいかにして導かれたか」
★1.原発予算4,200億円(案)反対=>震災復興費へまわせ
野田(民主党)内閣の原発推進路線を打ち破ろう
(柳田 真)
民主党野田内閣の来年度予算案(2012年度)が24日、閣議決定され
た。一般会計90兆円余、税収が42兆円、国債が44兆円。つまり、半分強
は国債(借金)で賄うという3年連続の異常予算。
原発推進予算は、4,188億円。震災からの復旧・復興費用は新たな特別
会計で3兆7,754億円。うち、除染・汚染廃棄物処理など原子力災害復興
関連費が4,811億円。(原発災害復興は巨費がかかる!)
問題は原発推進予算の4,200億円だ。3.11福島大惨事を経験して前
菅内閣は脱原発をきめたはず。しかるに、野田内閣は原発予算をほとんど前年
並みで、削減していない。全く“脱原発”になっていない不当な予算案だ。私
たちは原発推進予算4.200億円に大反対し、それらを震災復興費へまわす
ことを要求する。
★2.「脱原発」意志しめさず 野田内閣 12年度予算案決定
原発関連4188億円、再生エネは原発の半分(2100億円)
政府は24日午前の臨時閣議で、東日本大震災と東京電力第一原発事故後、
初の予算となる2011年度予算案を閣議決定した。注目の原子力予算は前年
度からほぼ横ばいで、野田政権の「脱原発」の意志は明確に示されなかった。
一方、予算案では歳入に占める国債の割合が過去最悪となり、借金依存の構図
が一層強まった。
12年度の主な原子力予算は、安全・事故対策の研究開発費を大幅に増やす
などの変化はあったものの前年度予算より1・1%減の4188億円と横ば
い。原発の代替電源として期待されている再生可能エネルギー関連は、技術開
発費を増やしたが、総額は11年度の補正予算などを加えても2100億円余
と原子力の半分にとどまった。
政策仕分けで在廃を含めた検討が提言された高速増殖原型炉「もんじゅ」
(福井県敦賀市)は前年度比二割減の175億円。「安全の確保できるぎりぎ
りまで絞った。」(財務省)結果という。(中略)
政策的な削減は、原発推進の研究開発費を86億円と半減したことや、原子
力関連シンポジウムでの「やらせ」問題を受けた原発推進広報費の全廃(11
年度は15億円)などにとどまった。
再生エネでは、普及を促す電力の固定価格買い取り制度が来夏に始まるた
め、同じ効果を持つ導入補助金を大幅に削減。経産省の当初予算で比べると、
関連予算の総額は二割減の809億円となった。ただ11年度第三次補正予算
で住宅用太陽光発電の導入補助金を1200億円近くも計上しており、他省庁
分も含めると再生エネ関連は2100億円程度となる。
(東京新聞12月24日付けより抜粋)
★3.東電前 年末ジャンボ・アクション
熱気と元気にあふれた集会
東電柏崎・刈羽原発2基の即時停止を求める
12月23日、夕方、寒風、吹きさす中、東電前アクションの呼びかけに応
じて、今年度、最後となる東電前抗議行動が行われた。この日は3連休の初
日、クリスマス気分に浮かれる街で、一体どのくらい人が集まるのかと思った
が、東電のあまりの無責任さは、クリスマスの気分を吹き飛ばし、約180名
が東電本社前に集まった。参加者は寒さをものともせず、警察の嫌がらせにも
めげず、自作プラカード、ライト、ドラム等で自分の思いを表した。賑やかな
ドラムの音をバックに、福島からの参加者を始め、次々とマイクで福島の被災
者に対する賠償や柏崎・刈羽原発の停止を東電本社に向けて訴えた。その後、
東電前アクションによる、自作劇、有志によるフラメンコダンスが披露され
た。
激動の2011年ももうすぐ終わろうとしている。東電は未だ、原発を停止
しようとはしていない。地震はいつくるかわからない。しかし、参加者のこの
熱気、元気さに希望がある。3.11以降、わずか3人の若者の行動で始まっ
た東電前アクション。これまでなかったような若者の活躍が目立った1年でも
あった。全原発停止まであと7基。原発ゼロを目指し、東電の責任逃れを許さ
ず、抗議行動を続けることを誓って行動は終了した。
☆なおその後、たんぽぽ舎へ戻り、たんぽぽ舎と東電前アクションの合同忘年
会を2時間弱楽しみ交流しました。
★4.<テント日誌 12/23(金)>
ハワイ伝統舞踊の講座 そして東電前行動へ
―― 経産省前テントひろば 104日目 ――
12月23日(金)晴
早朝、冷たい空気を入れたくないので、8時過ぎても、幕を開けないで置
く。テントの幕がひきつり、みなれた公安警察が首をさしだす。「あっちで手
薄になるから、こっちになにが来ても、難しいかもな。気をつけなさい!」
「あっち」でズラ―ッと白いテントが並んでいることは知っている。キャンバ
ス自体に差異はなさそうだが、お偉いかたのお誕生日だそうな…白と紺の幕が
テントの壁となっている。
小生、水道橋と霞が関を自転車で往復していることが生きがいとなってい
る。まさしく、「共同幻想」の枢軸に住もうとしていることになる。霞が関
は、共同幻想の壮大な楼閣だが、その足元に立っているテントの御常連は、ひ
たすら現実を確認しなければならぬ日々であり、これは闘争であり、暮らしと
なった。
本日、104日目。弾圧担当のH氏に、防衛動員いるかな…という連絡入れ
る。「あちらのためには、この日ばっかりは、さわがしくならないように!
と応じてみては?」 とアドバイスが即メール返信され、ご本人もそのあと、
すぐ現れた。二人ともT舎に出かけなければならなかったが、テントの御常連
は、なにもないだろうという反応だった。まさしく、結果、右利きのお客様は
一切こなかったそうである。
テントから「東電前アクション年末ジャンボ」に、ほぼ同時に十月十日(と
つきとおか)座り込みのSさんに、この日の第二テントのイベントについてお
伺いしながら同道させていただく。こちらは、第二テント、女性の園なので、
別件でテント広場にいなかった記者として取材させて頂いた。
午後2時より、フラダンス・USAの観光事業として作り上げられたあのフ
ラダンスなどではなく、民族祭祀の芸能としての本来のハワイ伝統舞踊の講座
があった。フランスでもロシアでも舞踊家は大学教授に匹敵するかそれ以上。
日本では、舞踊家ほどおとしめられているものは無い…ハワイの古式正統舞踊
の講座に20人以上参集し、男性も2名いたという。TPPテント地下大学に
ついでのこの企画、すぐれて弁証法的ですね。
東電前アクションの集会のあと、ひとり、トイレに向かった記者を朝の公安
警察が追いかけてくる。28日、「どうなるのか、テントの中にいれてもらえ
るか? こっちもやりたくないからな、どうなるのか、誰に聞けばいい?」
記者は「椎名さんに聞いてみて下さい」と答えた。まずかったろうか?記者は
公安に与しやすしと思われているらしい。というわけで、これからどうしまし
ょう?
寒風の中、ウクレレでひとり歌を歌っていらした女性は、たくさんのうたを
持っていて、福島原発以後の民衆の気持ちを替え歌で歌ってくれ、座り込みも
座禅だけのようなものではないことを教えてくれました。相変わらず、I上人
の南無妙法蓮華経の続く中で…。
(Q記)
<テント日誌 12/24(土)>
厳しい寒さの中、平和のピアノコンサート
―― 経産省前テントひろば 105日目 ――
12月24日(土)晴。無風。
昨日23日は、風に悩まされた。議事堂から吹き下ろす風は、入口を直撃。凍
て風と枯れ葉を吹き込む。テーブルの紙は、震え、落ち、舞い狂う。脱原発の
旗は、ばたばた、なぎ倒される。敷石に触れる足は冷え、毛布を巻きつけなけ
ればいられない。現代化学カイロのさしいれもないではないけれど。
夜11時を過ぎれば、消灯時間となり、昨日の立ち入り検査の結果、火器、
ガスタンク、ガスレンジ、石油ストーブ、喫煙、トイレなど一切、禁じられて
いる。風の強い夜は、古代の穴居人のような恐怖と戦慄にみまわれるばかり。
北海道のアイヌ・モシリで、山の中の砂防ダムづくりを体験している記者も、
この第二の自然コンクリート・ジャングルも結構キビシイ。投石を恐れて、デ
ザインされた敷石はアスファルトで固められた。疑心暗鬼にかられる権力派は
「おもちゃ」を使いたくてうずうずしている。何重ものモニターをしかけ、こ
れ見よがしに、ビデオを撮影に来る。ハイテク公安の練習台としては、うって
つけの「島」であろう。人間の鎖に対抗して、封鎖した鎖を、やっとのことま
たいで、その人は来た。
「原発もトイレなきマンションと言われていますが、このテントもトイレが
ありません。(音楽家が尿意や便意で悩まされていれば、おのずから、演奏は
おちつきのないものになる、とかつて先輩が語っていた)。ピアノもこんなも
のですが、これもTさんの御好意なので…「ちょっと、指ならしさせて…」リ
ハーサルで、ユダヤ人のゲットーから脱走する「ピアニスト」のテーマをひい
て下さった。福島の子どもたちの「ゲットー」は放射能の霧の中にある。福島
市も福島県も文科省も「脱走」しなくてもいいよ、という。転校はご自由です
から…金持ちにしか、転校などできるものではない。
平和のピアニスト、池邊幸恵さんは、ご自身で編集制作されたDVDをスク
リーンに映しながら、演奏された。風か何かのせいで、発電機の配線が乱れ、
電圧がさがり、白いテントのなかでの映像はかげろうのごとく、音は、ふきす
ぎる風のように、はかない響きとなる。 スーザン・ソンタグは、コソボで
「ゴド―を待ちながら」の公演をした。ベケットは、「大切なのは、台詞の意
味ではありません。役者の言葉の響きなんです」と初演のインタビューにこた
えている。スーザン・ソンタグは、日本の雑誌文明に苛立っていった、「ぜい
たくすぎるのよ」。
テントの中で、ひとりの女性が演奏と歌を聴いて、目をうるませている。琴
線を啓くということがわかるか、とかつて、非暴力の闘士が訴えていたことを
思い出す。105日目、闘争は始まったばかりである。辺野古のテントは、九
電本社前テントは、立川テント村は…世界のオキュパイテントの闘志たちは、
ピアノの音がきこえるだろうか?福島の子どもたちの心に、ショパンの心が届
くだろうか?池邊さんは、2時間を超えなんとするコンサートのあとで、今度
は、ピアニカでやってみようかしら…とほほえんでいた。
それから、「スペースたんぽぽ」で、福島の学童疎開裁判の柳原弁護士の報
告を聞きにいらっしゃっていた。大学のピアノ教師が演奏会にでなければと思
い詰めたのは、阪神淡路大震災に対応できない政治意識の無力さを痛感してか
らと語られた。柳原氏は、日本の人権擁護精神は、世界最悪であることが、白
日のもとにさらされた、と慨嘆を隠さない。福島市はチェルノブイリのデータ
や放射能被ばくの研究成果を「不知」として退け、学童疎開の義務を怠った福
島市訴追裁判は、地裁却下となった。
国際刑事裁判所に訴え出る意思もあると弁護士は語られた。経産省安全保安
院のお役人は、モニターデータのほかには、信ずべきデータとはならないので
す、と語っていたことを思い出す。コンピュートピアの宣伝マンは、福島の子
どもの怒りも涙も、テクノサウンドでなければ感じないらしい。たんぽぽ舎の
柳田さんは、経産省自体のモニターデータが頼りにならないことを立証するコ
ピーを配布された。ガンジーは、行動の根底的動機を自己実現とかつて語った
そうである。ガンジーの自己とは、仏陀だった。福島のこどもたちは、日本政
府や経産省安全保安院や東電の人間をまず、自己実現モデルとして励む意思は
まず、いやなことだろうことはまちがいない。文科省やら医者やらが、自分た
ちが殺されるのを励ます側にまわっていようとは!しかし、歌手になりたい子
供たちは、たくさんいるにちがいない!
(Q記)
★5.メルマガ読者からの講演会・集会のお知らせ
◆判決不服従アクションin郡山
12月27日(火)判決に対する異議申立&判決勉強会
「子どもたちを救わないという結論はいかにして導かれたか」
今月16日、福島地裁郡山支部は、年1mSv以下の安全な環境で教育を実
施せよという14人の小中学生の申立を認めない(却下する)という判断を下
しました。これは子どもの人権侵害の歴史に永遠の汚点を残す最も恥ずべき判
決(決定)です。
申立人はこの誤りをただすために27日(火)、以下の通り、異議申立の手
続をします。そして、なぜ、このような恥ずべき判決が出現したのか、被ばく
した子どもたちを救わないという結論を導くためにどのような事実と理屈が採
用されたのか、判決の中身を勉強したいと思います。
日 時:2011年12月27日(火)午後1時集合
場 所:福島地方裁判所郡山支部 隣麓山公園入り口広場
(郡山市麓山一丁目347番)
スケジュール 午後1時 集合
午後1時10分 裁判所に即時抗告申立書を提出。
午後1時40分 労働福祉会館で記者会見
(2階中会議室 郡山市虎丸町7-7)
午後3時 同会議室 判決勉強会
講師 弁護団 柳原敏夫
資料 裁判所の判決(決定)
《参考》 裁判所の判決(決定)に対するコメント(1)コメント(2)
コメント(3)
連絡先:ふくしま集団疎開裁判の会
代表/井上利男 電話 024-954-7478
子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク 国・県への対応部会
世話人/駒崎ゆき子 携帯 090-2608-7894
メール office.sokai@gmail.com
転送歓迎
◆ 地震と原発事故情報 その281 ◆
5つの情報をお知らせします(12月26日)
12月25日、九州電力玄海4号機が定期検査で停止、
日本の稼働している原発は6基、全原発停止へあと一歩
★1.原発予算4,200億円(案)反対=>震災復興費へまわせ
野田(民主党)内閣の原発推進路線を打ち破ろう
★2.「脱原発」意志しめさず 野田内閣 12年度予算案決定
原発関連4188億円、再生エネは原発の半分(2100億円)
★3.東電前年末ジャンボ・アクション
熱気と元気にあふれた集会
東電柏崎・刈羽原発2基の即時停止を求める
★4.<テント日誌 12/23(金)>
ハワイ伝統舞踊の講座 そして東電前行動へ
―― 経産省前テントひろば 104日目 ――
<テント日誌 12/24(土)>
厳しい寒さの中、平和のピアノコンサート
―― 経産省前テントひろば 105日目 ――
★5.メルマガ読者からの講演会・集会のお知らせ
◆判決不服従アクションin郡山
12月27日(火)判決に対する異議申立&判決勉強会
「子どもたちを救わないという結論はいかにして導かれたか」
★1.原発予算4,200億円(案)反対=>震災復興費へまわせ
野田(民主党)内閣の原発推進路線を打ち破ろう
(柳田 真)
民主党野田内閣の来年度予算案(2012年度)が24日、閣議決定され
た。一般会計90兆円余、税収が42兆円、国債が44兆円。つまり、半分強
は国債(借金)で賄うという3年連続の異常予算。
原発推進予算は、4,188億円。震災からの復旧・復興費用は新たな特別
会計で3兆7,754億円。うち、除染・汚染廃棄物処理など原子力災害復興
関連費が4,811億円。(原発災害復興は巨費がかかる!)
問題は原発推進予算の4,200億円だ。3.11福島大惨事を経験して前
菅内閣は脱原発をきめたはず。しかるに、野田内閣は原発予算をほとんど前年
並みで、削減していない。全く“脱原発”になっていない不当な予算案だ。私
たちは原発推進予算4.200億円に大反対し、それらを震災復興費へまわす
ことを要求する。
★2.「脱原発」意志しめさず 野田内閣 12年度予算案決定
原発関連4188億円、再生エネは原発の半分(2100億円)
政府は24日午前の臨時閣議で、東日本大震災と東京電力第一原発事故後、
初の予算となる2011年度予算案を閣議決定した。注目の原子力予算は前年
度からほぼ横ばいで、野田政権の「脱原発」の意志は明確に示されなかった。
一方、予算案では歳入に占める国債の割合が過去最悪となり、借金依存の構図
が一層強まった。
12年度の主な原子力予算は、安全・事故対策の研究開発費を大幅に増やす
などの変化はあったものの前年度予算より1・1%減の4188億円と横ば
い。原発の代替電源として期待されている再生可能エネルギー関連は、技術開
発費を増やしたが、総額は11年度の補正予算などを加えても2100億円余
と原子力の半分にとどまった。
政策仕分けで在廃を含めた検討が提言された高速増殖原型炉「もんじゅ」
(福井県敦賀市)は前年度比二割減の175億円。「安全の確保できるぎりぎ
りまで絞った。」(財務省)結果という。(中略)
政策的な削減は、原発推進の研究開発費を86億円と半減したことや、原子
力関連シンポジウムでの「やらせ」問題を受けた原発推進広報費の全廃(11
年度は15億円)などにとどまった。
再生エネでは、普及を促す電力の固定価格買い取り制度が来夏に始まるた
め、同じ効果を持つ導入補助金を大幅に削減。経産省の当初予算で比べると、
関連予算の総額は二割減の809億円となった。ただ11年度第三次補正予算
で住宅用太陽光発電の導入補助金を1200億円近くも計上しており、他省庁
分も含めると再生エネ関連は2100億円程度となる。
(東京新聞12月24日付けより抜粋)
★3.東電前 年末ジャンボ・アクション
熱気と元気にあふれた集会
東電柏崎・刈羽原発2基の即時停止を求める
12月23日、夕方、寒風、吹きさす中、東電前アクションの呼びかけに応
じて、今年度、最後となる東電前抗議行動が行われた。この日は3連休の初
日、クリスマス気分に浮かれる街で、一体どのくらい人が集まるのかと思った
が、東電のあまりの無責任さは、クリスマスの気分を吹き飛ばし、約180名
が東電本社前に集まった。参加者は寒さをものともせず、警察の嫌がらせにも
めげず、自作プラカード、ライト、ドラム等で自分の思いを表した。賑やかな
ドラムの音をバックに、福島からの参加者を始め、次々とマイクで福島の被災
者に対する賠償や柏崎・刈羽原発の停止を東電本社に向けて訴えた。その後、
東電前アクションによる、自作劇、有志によるフラメンコダンスが披露され
た。
激動の2011年ももうすぐ終わろうとしている。東電は未だ、原発を停止
しようとはしていない。地震はいつくるかわからない。しかし、参加者のこの
熱気、元気さに希望がある。3.11以降、わずか3人の若者の行動で始まっ
た東電前アクション。これまでなかったような若者の活躍が目立った1年でも
あった。全原発停止まであと7基。原発ゼロを目指し、東電の責任逃れを許さ
ず、抗議行動を続けることを誓って行動は終了した。
☆なおその後、たんぽぽ舎へ戻り、たんぽぽ舎と東電前アクションの合同忘年
会を2時間弱楽しみ交流しました。
★4.<テント日誌 12/23(金)>
ハワイ伝統舞踊の講座 そして東電前行動へ
―― 経産省前テントひろば 104日目 ――
12月23日(金)晴
早朝、冷たい空気を入れたくないので、8時過ぎても、幕を開けないで置
く。テントの幕がひきつり、みなれた公安警察が首をさしだす。「あっちで手
薄になるから、こっちになにが来ても、難しいかもな。気をつけなさい!」
「あっち」でズラ―ッと白いテントが並んでいることは知っている。キャンバ
ス自体に差異はなさそうだが、お偉いかたのお誕生日だそうな…白と紺の幕が
テントの壁となっている。
小生、水道橋と霞が関を自転車で往復していることが生きがいとなってい
る。まさしく、「共同幻想」の枢軸に住もうとしていることになる。霞が関
は、共同幻想の壮大な楼閣だが、その足元に立っているテントの御常連は、ひ
たすら現実を確認しなければならぬ日々であり、これは闘争であり、暮らしと
なった。
本日、104日目。弾圧担当のH氏に、防衛動員いるかな…という連絡入れ
る。「あちらのためには、この日ばっかりは、さわがしくならないように!
と応じてみては?」 とアドバイスが即メール返信され、ご本人もそのあと、
すぐ現れた。二人ともT舎に出かけなければならなかったが、テントの御常連
は、なにもないだろうという反応だった。まさしく、結果、右利きのお客様は
一切こなかったそうである。
テントから「東電前アクション年末ジャンボ」に、ほぼ同時に十月十日(と
つきとおか)座り込みのSさんに、この日の第二テントのイベントについてお
伺いしながら同道させていただく。こちらは、第二テント、女性の園なので、
別件でテント広場にいなかった記者として取材させて頂いた。
午後2時より、フラダンス・USAの観光事業として作り上げられたあのフ
ラダンスなどではなく、民族祭祀の芸能としての本来のハワイ伝統舞踊の講座
があった。フランスでもロシアでも舞踊家は大学教授に匹敵するかそれ以上。
日本では、舞踊家ほどおとしめられているものは無い…ハワイの古式正統舞踊
の講座に20人以上参集し、男性も2名いたという。TPPテント地下大学に
ついでのこの企画、すぐれて弁証法的ですね。
東電前アクションの集会のあと、ひとり、トイレに向かった記者を朝の公安
警察が追いかけてくる。28日、「どうなるのか、テントの中にいれてもらえ
るか? こっちもやりたくないからな、どうなるのか、誰に聞けばいい?」
記者は「椎名さんに聞いてみて下さい」と答えた。まずかったろうか?記者は
公安に与しやすしと思われているらしい。というわけで、これからどうしまし
ょう?
寒風の中、ウクレレでひとり歌を歌っていらした女性は、たくさんのうたを
持っていて、福島原発以後の民衆の気持ちを替え歌で歌ってくれ、座り込みも
座禅だけのようなものではないことを教えてくれました。相変わらず、I上人
の南無妙法蓮華経の続く中で…。
(Q記)
<テント日誌 12/24(土)>
厳しい寒さの中、平和のピアノコンサート
―― 経産省前テントひろば 105日目 ――
12月24日(土)晴。無風。
昨日23日は、風に悩まされた。議事堂から吹き下ろす風は、入口を直撃。凍
て風と枯れ葉を吹き込む。テーブルの紙は、震え、落ち、舞い狂う。脱原発の
旗は、ばたばた、なぎ倒される。敷石に触れる足は冷え、毛布を巻きつけなけ
ればいられない。現代化学カイロのさしいれもないではないけれど。
夜11時を過ぎれば、消灯時間となり、昨日の立ち入り検査の結果、火器、
ガスタンク、ガスレンジ、石油ストーブ、喫煙、トイレなど一切、禁じられて
いる。風の強い夜は、古代の穴居人のような恐怖と戦慄にみまわれるばかり。
北海道のアイヌ・モシリで、山の中の砂防ダムづくりを体験している記者も、
この第二の自然コンクリート・ジャングルも結構キビシイ。投石を恐れて、デ
ザインされた敷石はアスファルトで固められた。疑心暗鬼にかられる権力派は
「おもちゃ」を使いたくてうずうずしている。何重ものモニターをしかけ、こ
れ見よがしに、ビデオを撮影に来る。ハイテク公安の練習台としては、うって
つけの「島」であろう。人間の鎖に対抗して、封鎖した鎖を、やっとのことま
たいで、その人は来た。
「原発もトイレなきマンションと言われていますが、このテントもトイレが
ありません。(音楽家が尿意や便意で悩まされていれば、おのずから、演奏は
おちつきのないものになる、とかつて先輩が語っていた)。ピアノもこんなも
のですが、これもTさんの御好意なので…「ちょっと、指ならしさせて…」リ
ハーサルで、ユダヤ人のゲットーから脱走する「ピアニスト」のテーマをひい
て下さった。福島の子どもたちの「ゲットー」は放射能の霧の中にある。福島
市も福島県も文科省も「脱走」しなくてもいいよ、という。転校はご自由です
から…金持ちにしか、転校などできるものではない。
平和のピアニスト、池邊幸恵さんは、ご自身で編集制作されたDVDをスク
リーンに映しながら、演奏された。風か何かのせいで、発電機の配線が乱れ、
電圧がさがり、白いテントのなかでの映像はかげろうのごとく、音は、ふきす
ぎる風のように、はかない響きとなる。 スーザン・ソンタグは、コソボで
「ゴド―を待ちながら」の公演をした。ベケットは、「大切なのは、台詞の意
味ではありません。役者の言葉の響きなんです」と初演のインタビューにこた
えている。スーザン・ソンタグは、日本の雑誌文明に苛立っていった、「ぜい
たくすぎるのよ」。
テントの中で、ひとりの女性が演奏と歌を聴いて、目をうるませている。琴
線を啓くということがわかるか、とかつて、非暴力の闘士が訴えていたことを
思い出す。105日目、闘争は始まったばかりである。辺野古のテントは、九
電本社前テントは、立川テント村は…世界のオキュパイテントの闘志たちは、
ピアノの音がきこえるだろうか?福島の子どもたちの心に、ショパンの心が届
くだろうか?池邊さんは、2時間を超えなんとするコンサートのあとで、今度
は、ピアニカでやってみようかしら…とほほえんでいた。
それから、「スペースたんぽぽ」で、福島の学童疎開裁判の柳原弁護士の報
告を聞きにいらっしゃっていた。大学のピアノ教師が演奏会にでなければと思
い詰めたのは、阪神淡路大震災に対応できない政治意識の無力さを痛感してか
らと語られた。柳原氏は、日本の人権擁護精神は、世界最悪であることが、白
日のもとにさらされた、と慨嘆を隠さない。福島市はチェルノブイリのデータ
や放射能被ばくの研究成果を「不知」として退け、学童疎開の義務を怠った福
島市訴追裁判は、地裁却下となった。
国際刑事裁判所に訴え出る意思もあると弁護士は語られた。経産省安全保安
院のお役人は、モニターデータのほかには、信ずべきデータとはならないので
す、と語っていたことを思い出す。コンピュートピアの宣伝マンは、福島の子
どもの怒りも涙も、テクノサウンドでなければ感じないらしい。たんぽぽ舎の
柳田さんは、経産省自体のモニターデータが頼りにならないことを立証するコ
ピーを配布された。ガンジーは、行動の根底的動機を自己実現とかつて語った
そうである。ガンジーの自己とは、仏陀だった。福島のこどもたちは、日本政
府や経産省安全保安院や東電の人間をまず、自己実現モデルとして励む意思は
まず、いやなことだろうことはまちがいない。文科省やら医者やらが、自分た
ちが殺されるのを励ます側にまわっていようとは!しかし、歌手になりたい子
供たちは、たくさんいるにちがいない!
(Q記)
★5.メルマガ読者からの講演会・集会のお知らせ
◆判決不服従アクションin郡山
12月27日(火)判決に対する異議申立&判決勉強会
「子どもたちを救わないという結論はいかにして導かれたか」
今月16日、福島地裁郡山支部は、年1mSv以下の安全な環境で教育を実
施せよという14人の小中学生の申立を認めない(却下する)という判断を下
しました。これは子どもの人権侵害の歴史に永遠の汚点を残す最も恥ずべき判
決(決定)です。
申立人はこの誤りをただすために27日(火)、以下の通り、異議申立の手
続をします。そして、なぜ、このような恥ずべき判決が出現したのか、被ばく
した子どもたちを救わないという結論を導くためにどのような事実と理屈が採
用されたのか、判決の中身を勉強したいと思います。
日 時:2011年12月27日(火)午後1時集合
場 所:福島地方裁判所郡山支部 隣麓山公園入り口広場
(郡山市麓山一丁目347番)
スケジュール 午後1時 集合
午後1時10分 裁判所に即時抗告申立書を提出。
午後1時40分 労働福祉会館で記者会見
(2階中会議室 郡山市虎丸町7-7)
午後3時 同会議室 判決勉強会
講師 弁護団 柳原敏夫
資料 裁判所の判決(決定)
《参考》 裁判所の判決(決定)に対するコメント(1)コメント(2)
コメント(3)
連絡先:ふくしま集団疎開裁判の会
代表/井上利男 電話 024-954-7478
子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク 国・県への対応部会
世話人/駒崎ゆき子 携帯 090-2608-7894
メール office.sokai@gmail.com
たんぽぽ舎です。【TMM:No1295】
転送歓迎
◆ 地震と原発事故情報 その280 ◆
3つの情報をお知らせします(12月26日)
12月25日、九州電力玄海4号機が定期検査で停止、
日本の稼働している原発は6基、全原発停止へあと一歩
★1.学習会『ストレステスト評価による危険な再稼働への道
―そもそも机上のシミュレーション』
参加のお誘い
★2.原発再稼働などとんでもない
「Ss」の1.1倍で壊れる原発
★3.<テント日誌 12/22(木)>
経産省防災課による「査察」 コトもなく
―― 経産省前テントひろば 103日目 ――
★1.学習会『ストレステスト評価による危険な再稼働への道
―そもそも机上のシミュレーション』
参加のお誘い
明日、12月26日(月)に「11.11-12.11再稼働反対!全国ア
クション」主催による学習会『ストレステスト評価による危険な再稼働への道
―そもそも机上のシミュレーション』とタイトルでの学習会を開催します。
この間5回にわたって開催された「発電用原子炉施設の安全性に関する総合
評価に係る意見聴聞会」に実行委に仲間が数名参加し、「反対派」委員である
後藤委員、井野委員の発言に対してはエールを送り、保安院の傀儡と化した他
の委員に対しては不規則発言を繰り返し、その欺瞞性を暴く闘いを繰り返して
きました。
そもそもこの聴聞会はストレステストの評価の透明性を「担保」する目的で
「広く」一般民間人にに対しても門戸が開かれているのだが、参加者の殆どは
電力会社、プラント会社等の原発村関係者ばかりのいわゆる「さくら」ばか
り。不規則発言をしようにもネクタイ族に挟まれて、中々そのチャンスが見い
だせない。しかし、何人かの仲間が確実に場外から「推進派委員」とりわけ
「議長役」を仰せつかった岡本委員に対して鋭い指摘の矢を浴びせていく。
聴聞会後の短い時間に後藤・井野委員と話す時間を持てたが、ああした援護
射撃でも官僚だけが集まったシャンシャン会議では有効なそうだ。
それにしてもこのストレステストの評価方法は酷い。保安院は管理側である
にもかかわらず完全に電力会社の下僕と化した代弁を繰り返し、実質提出され
たストレステストの評価を行うJNESも原発メーカーOBばかり。この体制
でまともな安全審査などできやしない。そもそもストレステストの範疇や、方
法論、評価基準でさえ曖昧なまま、ひたすら「ストレステストの報告は概ね妥
当」の着地点だけがハッキリしている。後藤・井野委員も当然このことに対し
て鋭い質問を発しているが、官僚特有ののらりくらいり戦術で正面切って回答
しようとしない。
このままでは折角「公開性」と「透明性」を担保するという名目で開かれた
公聴会そのもので、彼ら保安院の出来レースを許しかねません。そのためにも
公聴会内部で奮闘する後藤・井野委員とどう連帯し、公聴会を「暴露の演壇」
と化すか、後藤・井野委員のお仲間である「プラント技術者の会」の井川さ
ん、小川さん両氏をお招きして、ストレステストの「技術的側面」よりもその
「実体構造」に焦点を当て、公聴会内外における運動の道を探るべく勉強会を
行いたいと思います。
スペースたんぽぽの今年最後の学習会となりますが、皆さんのご参加をお待
ちしております。
日 時:12月26日(月)開場18:00 開演19:00
場 所:スペースたんぽぽ(たんぽぽ舎入居のビルの4階)
http://maps.google.com/maps?rlz=1I7GGLL_ja&oe=UTF-8&um=1&ie=UTF-8&q=%E3%81%9F%E3%82%93%E3%81%BD%E3%81%BD%E8%88%8E&fb=1&hq=%E3%81%9F%E3%82%93%E3%81%BD%E3%81%BD%E8%88%8E&cid=0,0,10132845393293958024&ei=8MDsTselBYzPmAWCo434CQ&sa=X&oi=local_result&ct=image&ved=0CAgQ_BI
資料代:500円
★2.原発再稼働などとんでもない
「Ss」の1.1倍で壊れる原発
山崎 久隆 たんぽぽ舎 劣化ウラン研究会
○耐震設計とは
原発の耐震性能を決める手法をまず簡単に説明する。
原発の耐震性を決めるための基礎になる「揺れの大きさ」を「基準地震動・
Ss」という。耐震設計審査指針が改定された2006年から適用されており、原
発の耐震性能を評価する基準の揺れの大きさを加速度で表現したものだ。それ
までの耐震設計審査指針では「設計用最強地震」に対してS1、それより大き
い「設計用限界地震」についてはS2という基準が使われていた。Ssの考え
方はS2に近いが同じでは無い。
現在の一般建築物においても「レベル1(希に発生する地震動)」「レベル
2(極めて希に発生する地震動)」という基準を使っている。おおむねレベル
1は200ガルで、損傷を受けないこと。レベル2は400ガルで、倒壊しな
いことなどとなっている。以前は原発が一般建築物の「3倍程度強固に作って
いる」と宣伝していた根拠は、このレベル1の3倍程度でも破損せず、レベル
2の3倍程度でも倒壊しないという趣旨だったと考えても良いだろう。(3倍
というのは単純に600ガルと言うことではない)
地震とは、地下数百キロからゼロキロの間にあるであろう震源断層が活動す
ることにより生ずる。揺れは地盤を通って原発の基礎に到達し、さらに原発内
部に侵入して構造物や機器類を揺らす。その際重要なのは、構造物が耐えられ
るかどうかだ。そのためには耐震力のある設計が必要だ。
理学的にいえば、地震が起きることも、その大きさも、一定の確率の下でし
か評価できない。最大限、ある断層が「100%動く」とは言えても、いつ、
どれだけの大きさの地震として、と問われれば「わからない」としか言えな
い。そのため「30年以内に99%」などと表現している。
しかし構造物を作るのに確率は役に立たない。揺れの大きさを特定しないと
設計が出来ない。そのため工学的に「割り切りが必要」と裁判所の法定で堂々
と言ったのが斑目春樹原子力安全委員会委員長だった。ただし、この発言には
重大な前提が欠けていた。それは「割り切りが必要な場所」などに、そもそも
立地してはならないことだ。「原子力施設の立地指針の判断目安」(64年原
子力委員会決定)に、はっきりそう書いてあるのだから反論の余地は無い。
基本的考え方の冒頭に「大きな事故の誘因となるような事象が過去において
なかったことはもちろんであるが、将来においてもあるとは考えられないこ
と。また、災害を拡大するような事象も少ないこと」とあるのだから。
日本で最も巨大かつ頻繁な海溝型地震を起こすとされる場所に、原発を建て
ることを許可した理由を釈明すべき立場の安全委員長が、「割り切り」と言っ
たのは浜岡原発に対してだ。驚くべき開き直りと無責任さは、この国の原子力
行政のデタラメぶりを象徴するものだ。
○原発の地震動評価手法
原発などの構造物は、一定の条件の下に定める工学的基盤、いわゆる「解放
基盤面」において、どれだけの揺れを想定するかにより耐震設計が決まってく
る。これは原発ごとに決められる。
「解放基盤面」を決めるのは、地下の地盤の堅さであり、地震の横波と呼ば
れるS波(剪断波とも言う)が地中を伝わる速度が毎秒700メートル以上の
地盤を「解放基盤面」としている。この値は全国の原発で共通で、従って解放
基盤面が地下196メートル以上の場所にある福島第一や、地下8.6メート
ルのところにある女川原発などの違いが出る。一般的に地下浅いところにある
ということは固い地盤がすぐ下にあると言うことであり、100メートル以上
も離れている場合は軟弱な地盤であると言えるだろう。
解放基盤面では、地震の際には上に地盤が乗ったまま揺れることになるの
で、地震の波が地表面に反射して跳ね返り、基盤面の揺れが干渉により変化す
る。上部地盤の影響を受けてしまうと揺れの大きさや周期などを元に建屋内部
の影響を計算し評価することが困難なため、上部地盤を取り除いた「仮想的な
地盤」をコンピュータ上で作る。地盤を「はぎ取って」地震波形を作ることに
なるので、それを「はぎ取り波」という。
この波は単純に「地震加速度600ガル」などという数値ではない。これで
は設計は出来ない。ここで言う600ガルというのは、周期0.1秒における
地震加速度でしかない。実際に設計する際には、基準地震動の波形を作らなけ
ればならない。特に0.3秒や1秒付近の周期でどれだけの大きさの速度、加
速度になるかは重要だ。この周期は配管などの構造物や建屋の固有周期が多く
存在しているので、共振により損傷することも考慮しなければならない。それ
ら「卓越周期」「周期ごとの加速度、速度」「変位量」などが分からなければ
設計は出来ない。これらを代表して「周期0.1秒の加速度」をSsの数値と
して発表しているに過ぎない。
なお、中越沖地震を踏まえて現在の柏崎刈羽原発のSsはぎ取り波は実に
2280ガルにもなっている。これらを踏まえて以下をお読みください。
○福島第一のSsと実測値
福島第一はSs600ガルに対して実測値は675ガル、さらに震源域に近
かった女川ではSs580に対して636ガル、いずれも実測値がSsを上回
った。しかし柏崎刈羽原発が2007年に中越沖地震で記録した1699ガル
(Ssは以前は600ガル)という大きな差は無かった。
そういう意味では、地震動の大きさは基準地震動を超えたが、そのために機
器類が破壊されることは本来は無いはずだった。東電も中間報告で「地震の大
きさはほぼ想定通り」と書いたくらいだ。
実際、柏崎刈羽では、2700カ所以上の機器類の破損があった。津波は無
かったが地震動だけでも原子炉を破壊する危険性はあった。3号機の起動変圧
器は炎上し、外部電源も失われた。非常用ディーゼル発電機も起動したものが
多かったが、全体的に電力不足に陥り、タービン駆動給水ポンプを動かすため
に補助ボイラーが起動したが、1から5号機と6,7号機でそれぞれ一台しか
使用できなかった。そのため運転していた3、4号機で一台を取り合う結果と
なり、起動変圧器が炎上していた3号機を優先したため4号機の冷温停止には
丸2日掛かっている。これなど、後一歩深刻な事態に陥っていたら、メルトダ
ウンにはならなかったとしても燃料が露出し損傷する事態に至っていたかもし
れない。
しかしこれが教訓にはならなかった。見過ごされた問題は、地震だけで十分
深刻な事態になっていたことだ。
いまストレステストが各地の原発で行われているが、そのうち一次テストの
結果が公表された大飯原発3、4号機と伊方原発3号機では、最も厳しい配管
類についてもSsによる揺れに対して約1.8倍程度の「余裕」があることに
なっている。
福島第一原発でも現在の大飯原発などで実施されているテストで使われてい
る計算手法を使えば。同程度の「余裕」があるという結果になると思われる。
従って1.8倍程度の「余裕」は、もはや余裕ではないと考えるべきなのでは
ないだろうか。だからこそ福島第一のストレステストこそ一番に行うべきだっ
たのだ。
福島第一原発で観測した揺れはSsの1.1倍ほどだった。それが多くの機
器類を破損させ、おそらく冷却系配管の一部を破壊した。それが正確に評価で
きるテストでなければ意味は無い。
具体的にどこがどのように破壊されたかは依然として不明だが、1号機では
隔離時復水器(IC・非常用復水器と誤って表記されることが多い)につなが
る配管、あるいはICそのもの、2、3号機はおそらくECCS系の配管や再
循環系配管、これまでのバックチェックでも一番弱いとみられている原子炉隔
離時冷却系配管が損傷しているかもしれない。
この原子炉隔離時冷却系・RCICというのは、電源喪失を起こした際に最
後まで冷却水を炉内に送るためのタービン駆動ポンプがつながっている系統
で、本来ならば電源喪失後も最後まで破壊されないように、最も強固に作るべ
きものだと思うのだが、実際には安全保護系の中では最も脆弱である。つまり
Ssに匹敵する地震に襲われると最初に破壊されるのが最後まで駆動を期待さ
れているポンプだという、実に信じられないほど強度不足の装置なのだ。
こんな指摘をすれば、以前の東電は「そのような事態になればECCSが働
く」「必要なポンプ駆動用電力は非常用ディーゼル発電機で供給する」と答え
ていた。
今回の事故の謎(たくさんあるがそのうちのひとつ)は、RCICがどうし
て止まったか(または止めたか)が分からないことだ。地震による損傷が原因
の一つである可能性は高いと思われる。
★3.<テント日誌 12/22(木)>
経産省防災課による「査察」 コトもなく
―― 経産省前テントひろば 103日目 ――
12月22日(木)曇り。日射しがないと寒い。
午後、経産省防災課が「査察」として、テントにやってくる。10日程前で
あったか、経産省防災課が警告書なるものを持ってきた。要するに火気厳禁と
いうことで、電気であれ、ガスであれ、暖房器具やコンロの使用は一切ダメ、
照明もダメというものであった。凍死者が出ようが、そんなことはお構いな
し、というような警告書であった。
もとより、防火については、右翼による放火等に対する備えということもあ
り、早くから万全の注意と体制を取っている。今日やってきたのは、その警告
書に基づく「査察」ということであった。テントの中は綺麗に整理され、彼ら
はなんら問題となるものを見つけることはできなかった。そして「何か見つけ
た時はビデオを撮るから」と捨てゼリフを残して引き上げていった。
女性テントは、椎名さんが戻ってきてからは相変わらず賑わっている。訪問
者が絶えないようだ。昨日もお知らせした、28日の【女たちの御用納め行
動!!】の案内です。
わたしたちの人生を、生活を、環境を、めちゃくちゃに破壊した福島原発事
故から9カ月が過ぎ、2011年も終わろうとしています。しかしこの間、避
難も、防御も、除染も、補償も、東電および政府への責任追及も十分には行わ
れず、その上、原発の再稼働や輸出といった信じ難い暴挙が行われようとして
います。
「こんな気持ちじゃ、とても年を越せない!」
「東電にも、仕事納めなんかさせないわ!」
という声が、「福島の女たち」の中からわき上がってきました。そこで師走の
慌ただしい時期ではありますが、「女たちの御用納め」を企画しました。
東電に今年最後のご挨拶に参りましょう!
■日 程 12月28日(水)、昼12時に東京電力本社
(東京都千代田区内幸町1丁目1ー3)前
に集合し、霞ヶ関経産省前でもアクションを行う予定です。あなたも、あふれ
る思いの丈を叫びに行きませんか。
■往復無料バスツアー(福島→郡山→須賀川→西郷バスストップを経由して東
電へ)も企画しました。(対象者は福島)
呼応して、できるだけ多くの方が東電本社前に集まって、今年1年の怒りの
声を東電に!年末年始、テントでは多くの企画が検討されています。反原発紅
白歌合戦、ゆく年くる年リレートーク、元旦霞ヶ関マラソン等々です。1月4
日は新年餅つき大会が予定されています。
(am10時~準備 pm3時~餅つき)
( Y・T )
転送歓迎
◆ 地震と原発事故情報 その280 ◆
3つの情報をお知らせします(12月26日)
12月25日、九州電力玄海4号機が定期検査で停止、
日本の稼働している原発は6基、全原発停止へあと一歩
★1.学習会『ストレステスト評価による危険な再稼働への道
―そもそも机上のシミュレーション』
参加のお誘い
★2.原発再稼働などとんでもない
「Ss」の1.1倍で壊れる原発
★3.<テント日誌 12/22(木)>
経産省防災課による「査察」 コトもなく
―― 経産省前テントひろば 103日目 ――
★1.学習会『ストレステスト評価による危険な再稼働への道
―そもそも机上のシミュレーション』
参加のお誘い
明日、12月26日(月)に「11.11-12.11再稼働反対!全国ア
クション」主催による学習会『ストレステスト評価による危険な再稼働への道
―そもそも机上のシミュレーション』とタイトルでの学習会を開催します。
この間5回にわたって開催された「発電用原子炉施設の安全性に関する総合
評価に係る意見聴聞会」に実行委に仲間が数名参加し、「反対派」委員である
後藤委員、井野委員の発言に対してはエールを送り、保安院の傀儡と化した他
の委員に対しては不規則発言を繰り返し、その欺瞞性を暴く闘いを繰り返して
きました。
そもそもこの聴聞会はストレステストの評価の透明性を「担保」する目的で
「広く」一般民間人にに対しても門戸が開かれているのだが、参加者の殆どは
電力会社、プラント会社等の原発村関係者ばかりのいわゆる「さくら」ばか
り。不規則発言をしようにもネクタイ族に挟まれて、中々そのチャンスが見い
だせない。しかし、何人かの仲間が確実に場外から「推進派委員」とりわけ
「議長役」を仰せつかった岡本委員に対して鋭い指摘の矢を浴びせていく。
聴聞会後の短い時間に後藤・井野委員と話す時間を持てたが、ああした援護
射撃でも官僚だけが集まったシャンシャン会議では有効なそうだ。
それにしてもこのストレステストの評価方法は酷い。保安院は管理側である
にもかかわらず完全に電力会社の下僕と化した代弁を繰り返し、実質提出され
たストレステストの評価を行うJNESも原発メーカーOBばかり。この体制
でまともな安全審査などできやしない。そもそもストレステストの範疇や、方
法論、評価基準でさえ曖昧なまま、ひたすら「ストレステストの報告は概ね妥
当」の着地点だけがハッキリしている。後藤・井野委員も当然このことに対し
て鋭い質問を発しているが、官僚特有ののらりくらいり戦術で正面切って回答
しようとしない。
このままでは折角「公開性」と「透明性」を担保するという名目で開かれた
公聴会そのもので、彼ら保安院の出来レースを許しかねません。そのためにも
公聴会内部で奮闘する後藤・井野委員とどう連帯し、公聴会を「暴露の演壇」
と化すか、後藤・井野委員のお仲間である「プラント技術者の会」の井川さ
ん、小川さん両氏をお招きして、ストレステストの「技術的側面」よりもその
「実体構造」に焦点を当て、公聴会内外における運動の道を探るべく勉強会を
行いたいと思います。
スペースたんぽぽの今年最後の学習会となりますが、皆さんのご参加をお待
ちしております。
日 時:12月26日(月)開場18:00 開演19:00
場 所:スペースたんぽぽ(たんぽぽ舎入居のビルの4階)
http://maps.google.com/maps?rlz=1I7GGLL_ja&oe=UTF-8&um=1&ie=UTF-8&q=%E3%81%9F%E3%82%93%E3%81%BD%E3%81%BD%E8%88%8E&fb=1&hq=%E3%81%9F%E3%82%93%E3%81%BD%E3%81%BD%E8%88%8E&cid=0,0,10132845393293958024&ei=8MDsTselBYzPmAWCo434CQ&sa=X&oi=local_result&ct=image&ved=0CAgQ_BI
資料代:500円
★2.原発再稼働などとんでもない
「Ss」の1.1倍で壊れる原発
山崎 久隆 たんぽぽ舎 劣化ウラン研究会
○耐震設計とは
原発の耐震性能を決める手法をまず簡単に説明する。
原発の耐震性を決めるための基礎になる「揺れの大きさ」を「基準地震動・
Ss」という。耐震設計審査指針が改定された2006年から適用されており、原
発の耐震性能を評価する基準の揺れの大きさを加速度で表現したものだ。それ
までの耐震設計審査指針では「設計用最強地震」に対してS1、それより大き
い「設計用限界地震」についてはS2という基準が使われていた。Ssの考え
方はS2に近いが同じでは無い。
現在の一般建築物においても「レベル1(希に発生する地震動)」「レベル
2(極めて希に発生する地震動)」という基準を使っている。おおむねレベル
1は200ガルで、損傷を受けないこと。レベル2は400ガルで、倒壊しな
いことなどとなっている。以前は原発が一般建築物の「3倍程度強固に作って
いる」と宣伝していた根拠は、このレベル1の3倍程度でも破損せず、レベル
2の3倍程度でも倒壊しないという趣旨だったと考えても良いだろう。(3倍
というのは単純に600ガルと言うことではない)
地震とは、地下数百キロからゼロキロの間にあるであろう震源断層が活動す
ることにより生ずる。揺れは地盤を通って原発の基礎に到達し、さらに原発内
部に侵入して構造物や機器類を揺らす。その際重要なのは、構造物が耐えられ
るかどうかだ。そのためには耐震力のある設計が必要だ。
理学的にいえば、地震が起きることも、その大きさも、一定の確率の下でし
か評価できない。最大限、ある断層が「100%動く」とは言えても、いつ、
どれだけの大きさの地震として、と問われれば「わからない」としか言えな
い。そのため「30年以内に99%」などと表現している。
しかし構造物を作るのに確率は役に立たない。揺れの大きさを特定しないと
設計が出来ない。そのため工学的に「割り切りが必要」と裁判所の法定で堂々
と言ったのが斑目春樹原子力安全委員会委員長だった。ただし、この発言には
重大な前提が欠けていた。それは「割り切りが必要な場所」などに、そもそも
立地してはならないことだ。「原子力施設の立地指針の判断目安」(64年原
子力委員会決定)に、はっきりそう書いてあるのだから反論の余地は無い。
基本的考え方の冒頭に「大きな事故の誘因となるような事象が過去において
なかったことはもちろんであるが、将来においてもあるとは考えられないこ
と。また、災害を拡大するような事象も少ないこと」とあるのだから。
日本で最も巨大かつ頻繁な海溝型地震を起こすとされる場所に、原発を建て
ることを許可した理由を釈明すべき立場の安全委員長が、「割り切り」と言っ
たのは浜岡原発に対してだ。驚くべき開き直りと無責任さは、この国の原子力
行政のデタラメぶりを象徴するものだ。
○原発の地震動評価手法
原発などの構造物は、一定の条件の下に定める工学的基盤、いわゆる「解放
基盤面」において、どれだけの揺れを想定するかにより耐震設計が決まってく
る。これは原発ごとに決められる。
「解放基盤面」を決めるのは、地下の地盤の堅さであり、地震の横波と呼ば
れるS波(剪断波とも言う)が地中を伝わる速度が毎秒700メートル以上の
地盤を「解放基盤面」としている。この値は全国の原発で共通で、従って解放
基盤面が地下196メートル以上の場所にある福島第一や、地下8.6メート
ルのところにある女川原発などの違いが出る。一般的に地下浅いところにある
ということは固い地盤がすぐ下にあると言うことであり、100メートル以上
も離れている場合は軟弱な地盤であると言えるだろう。
解放基盤面では、地震の際には上に地盤が乗ったまま揺れることになるの
で、地震の波が地表面に反射して跳ね返り、基盤面の揺れが干渉により変化す
る。上部地盤の影響を受けてしまうと揺れの大きさや周期などを元に建屋内部
の影響を計算し評価することが困難なため、上部地盤を取り除いた「仮想的な
地盤」をコンピュータ上で作る。地盤を「はぎ取って」地震波形を作ることに
なるので、それを「はぎ取り波」という。
この波は単純に「地震加速度600ガル」などという数値ではない。これで
は設計は出来ない。ここで言う600ガルというのは、周期0.1秒における
地震加速度でしかない。実際に設計する際には、基準地震動の波形を作らなけ
ればならない。特に0.3秒や1秒付近の周期でどれだけの大きさの速度、加
速度になるかは重要だ。この周期は配管などの構造物や建屋の固有周期が多く
存在しているので、共振により損傷することも考慮しなければならない。それ
ら「卓越周期」「周期ごとの加速度、速度」「変位量」などが分からなければ
設計は出来ない。これらを代表して「周期0.1秒の加速度」をSsの数値と
して発表しているに過ぎない。
なお、中越沖地震を踏まえて現在の柏崎刈羽原発のSsはぎ取り波は実に
2280ガルにもなっている。これらを踏まえて以下をお読みください。
○福島第一のSsと実測値
福島第一はSs600ガルに対して実測値は675ガル、さらに震源域に近
かった女川ではSs580に対して636ガル、いずれも実測値がSsを上回
った。しかし柏崎刈羽原発が2007年に中越沖地震で記録した1699ガル
(Ssは以前は600ガル)という大きな差は無かった。
そういう意味では、地震動の大きさは基準地震動を超えたが、そのために機
器類が破壊されることは本来は無いはずだった。東電も中間報告で「地震の大
きさはほぼ想定通り」と書いたくらいだ。
実際、柏崎刈羽では、2700カ所以上の機器類の破損があった。津波は無
かったが地震動だけでも原子炉を破壊する危険性はあった。3号機の起動変圧
器は炎上し、外部電源も失われた。非常用ディーゼル発電機も起動したものが
多かったが、全体的に電力不足に陥り、タービン駆動給水ポンプを動かすため
に補助ボイラーが起動したが、1から5号機と6,7号機でそれぞれ一台しか
使用できなかった。そのため運転していた3、4号機で一台を取り合う結果と
なり、起動変圧器が炎上していた3号機を優先したため4号機の冷温停止には
丸2日掛かっている。これなど、後一歩深刻な事態に陥っていたら、メルトダ
ウンにはならなかったとしても燃料が露出し損傷する事態に至っていたかもし
れない。
しかしこれが教訓にはならなかった。見過ごされた問題は、地震だけで十分
深刻な事態になっていたことだ。
いまストレステストが各地の原発で行われているが、そのうち一次テストの
結果が公表された大飯原発3、4号機と伊方原発3号機では、最も厳しい配管
類についてもSsによる揺れに対して約1.8倍程度の「余裕」があることに
なっている。
福島第一原発でも現在の大飯原発などで実施されているテストで使われてい
る計算手法を使えば。同程度の「余裕」があるという結果になると思われる。
従って1.8倍程度の「余裕」は、もはや余裕ではないと考えるべきなのでは
ないだろうか。だからこそ福島第一のストレステストこそ一番に行うべきだっ
たのだ。
福島第一原発で観測した揺れはSsの1.1倍ほどだった。それが多くの機
器類を破損させ、おそらく冷却系配管の一部を破壊した。それが正確に評価で
きるテストでなければ意味は無い。
具体的にどこがどのように破壊されたかは依然として不明だが、1号機では
隔離時復水器(IC・非常用復水器と誤って表記されることが多い)につなが
る配管、あるいはICそのもの、2、3号機はおそらくECCS系の配管や再
循環系配管、これまでのバックチェックでも一番弱いとみられている原子炉隔
離時冷却系配管が損傷しているかもしれない。
この原子炉隔離時冷却系・RCICというのは、電源喪失を起こした際に最
後まで冷却水を炉内に送るためのタービン駆動ポンプがつながっている系統
で、本来ならば電源喪失後も最後まで破壊されないように、最も強固に作るべ
きものだと思うのだが、実際には安全保護系の中では最も脆弱である。つまり
Ssに匹敵する地震に襲われると最初に破壊されるのが最後まで駆動を期待さ
れているポンプだという、実に信じられないほど強度不足の装置なのだ。
こんな指摘をすれば、以前の東電は「そのような事態になればECCSが働
く」「必要なポンプ駆動用電力は非常用ディーゼル発電機で供給する」と答え
ていた。
今回の事故の謎(たくさんあるがそのうちのひとつ)は、RCICがどうし
て止まったか(または止めたか)が分からないことだ。地震による損傷が原因
の一つである可能性は高いと思われる。
★3.<テント日誌 12/22(木)>
経産省防災課による「査察」 コトもなく
―― 経産省前テントひろば 103日目 ――
12月22日(木)曇り。日射しがないと寒い。
午後、経産省防災課が「査察」として、テントにやってくる。10日程前で
あったか、経産省防災課が警告書なるものを持ってきた。要するに火気厳禁と
いうことで、電気であれ、ガスであれ、暖房器具やコンロの使用は一切ダメ、
照明もダメというものであった。凍死者が出ようが、そんなことはお構いな
し、というような警告書であった。
もとより、防火については、右翼による放火等に対する備えということもあ
り、早くから万全の注意と体制を取っている。今日やってきたのは、その警告
書に基づく「査察」ということであった。テントの中は綺麗に整理され、彼ら
はなんら問題となるものを見つけることはできなかった。そして「何か見つけ
た時はビデオを撮るから」と捨てゼリフを残して引き上げていった。
女性テントは、椎名さんが戻ってきてからは相変わらず賑わっている。訪問
者が絶えないようだ。昨日もお知らせした、28日の【女たちの御用納め行
動!!】の案内です。
わたしたちの人生を、生活を、環境を、めちゃくちゃに破壊した福島原発事
故から9カ月が過ぎ、2011年も終わろうとしています。しかしこの間、避
難も、防御も、除染も、補償も、東電および政府への責任追及も十分には行わ
れず、その上、原発の再稼働や輸出といった信じ難い暴挙が行われようとして
います。
「こんな気持ちじゃ、とても年を越せない!」
「東電にも、仕事納めなんかさせないわ!」
という声が、「福島の女たち」の中からわき上がってきました。そこで師走の
慌ただしい時期ではありますが、「女たちの御用納め」を企画しました。
東電に今年最後のご挨拶に参りましょう!
■日 程 12月28日(水)、昼12時に東京電力本社
(東京都千代田区内幸町1丁目1ー3)前
に集合し、霞ヶ関経産省前でもアクションを行う予定です。あなたも、あふれ
る思いの丈を叫びに行きませんか。
■往復無料バスツアー(福島→郡山→須賀川→西郷バスストップを経由して東
電へ)も企画しました。(対象者は福島)
呼応して、できるだけ多くの方が東電本社前に集まって、今年1年の怒りの
声を東電に!年末年始、テントでは多くの企画が検討されています。反原発紅
白歌合戦、ゆく年くる年リレートーク、元旦霞ヶ関マラソン等々です。1月4
日は新年餅つき大会が予定されています。
(am10時~準備 pm3時~餅つき)
( Y・T )