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ニュークレール情報板
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たんぽぽ舎です。【TMM:No1316】
転送歓迎
◆ 地震と原発事故情報 その301 ◆
4つの情報をお知らせします(1月19日)
1月14日、四国電力伊方2号機が定期検査で停止。
四国の全原発が停止状態。残るは東電2基、関電1基、北電1基、
中国電力1基の計5基、全原発停止へあと一歩
★1.「正常性バイアス」に汚染される官僚たち
「そんなことが起きるはずが無い」という希望的観測、別名「正常性
バイアス」のなせる業にハマった官僚・行政機関
(たんぽぽ舎・劣化ウラン研究会 山崎久隆)
★2.1万1千人が参加した横浜で開催された[脱原発世界会議]に
二日間行ってきました。 (たんぽぽ舎会員 富永誠治)
★3.<テント日誌 1/15(日)>
横浜では脱原発世界大会
―― 経産省前テントひろば 127日目 ――
★4.読者から(イベントのおさそい、初デモの感想)
★1.「正常性バイアス」に汚染される官僚たち
「そんなことが起きるはずが無い」という希望的観測、
別名「正常性バイアス」のなせる業にハマった官僚・行政機関
たんぽぽ舎・劣化ウラン研究会 山崎久隆
二本松市で発覚した「セシウム汚染コンクリート事件」、住宅一棟が、放射
能汚染された砕石を使ったコンクリートを土台としていた。汚染された砕石は
膨大な量にのぼり、200社以上が汚染砕石を使った工事を行ったとみられる
という。しかし「汚染」といっても、どのくらいの値だったかが計られていた
わけでもないので、実態はほとんど分からない。
少なくてもこのアパートに住んでいた中学生が身につけていた積算線量計
が、たった三ヶ月で1.5mSvにも達したことで発覚したという。べらぼうな
値ではあるが、同じ程度の外部被曝環境に住んでいる人は、実はたくさんい
る。この住宅が問題なのだから、あらためて福島市渡利地区や伊達市などの高
線量地域からの避難が必要なのだということを行政は再認識すべきだ。
-----
◆もともとあった強力な「正常性バイアス」
こんなことは3月の放射能拡散で容易に想像できた事態だ。稲わらや田畑が
高濃度汚染されている地域の砕石が、汚染されていないと思う方が「異常」
だ。このような「思い込み」はどうして起きるのだろうか。
これら全て、原子炉緊急事態宣言が全交流電源喪失時点(15時半)から3
時間も経ってから宣言されたこと(*)、SPEEDIのデータを住民避難に
活用しなかったこと、20ミリシーベルトを遙かに超える地域からの住民避難
をしなかったことなど、全てが行政機関により「そんなことが起きるはずが無
い」という希望的観測、別名「正常性バイアス」のなせる業だ。
正常性バイアスというのは、災害に遭遇した際に「そんなはずはない」と、
現状を正しく認識し確認することに恐怖を抱くあまり、「自分たちは大丈夫
だ」などと根拠も無く正常を装おうとする心理状態を言う。パニック障害の一
種でもある。
東北地方太平洋沖地震に遭遇した際、都内で遭遇した人の多くが「このくら
いならば大丈夫だろう」と思ったに違いない。同時に東北地方でも、同様に
思った人は多かった。地震だけならば、いずれ揺れは収まっていき、それまで
に倒壊しなかった建物ならば、まず助かる。実際に家屋が倒壊して圧死してし
まうような揺れの中では「大丈夫だろう」などと考えるゆとりは無いと言われ
ている。阪神淡路大震災で神戸市内で地震に遭遇した友人によれば、寝ていて
揺れに気づいたときには、もう路上に放り出されていた。家屋が倒壊し、二階
に寝ていた友人はあっという間に道路に投げ出されていたという。死んでいて
もおかしくなかった。
一方、津波の被災者の多くには「正常性バイアス」が働いたことが分かって
いる。多くの人は避難を開始する前に、または避難をせずに津波に襲われてい
る。「10mもの防潮堤があるのだから大丈夫だろう」「ここは高台だから大
丈夫だろう」「海岸から3キロもあるから大丈夫だろう」という具合である。
これが「正常性バイアス」である。
(*)原子力災害対策特別措置法第15条に定める原子力緊急事態に至った
場合、内閣総理大臣による原子力緊急事態宣言が直ちに発出されること
になっている。この宣言により、国により原子力災害対策本部が設置さ
れ、原子力事業者、各行政機関、関係自治体などに対する必要な指示な
どを行うとともに、原子力災害現地対策本部をオフサイトセンターに設
置し、原子力災害合同対策協議会が組織されることになっている。
16時36分に宣言そのものはなされたというが、公式に発表され公示
されるのが19時3分で、「直ちに公示」されていない
-----
◆放射能災害でも「正常性バイアス」
人間、ずーっと恐怖感にさいなまれたままだとどうにかなってしまう。特に
放射能のように目にも見えず臭いもしないものに対しては、特にそうだ。JC
O臨界事故やチェルノブイリ原発事故でさえ、半年もすれば測定しても目に見
える汚染は無くなっていた。あとは海外からの輸入品が問題だった。
しかし今回はそうはいかない。後何年も、何十年も続く放射能と向き合わね
ばならない。本当は行政機関にこそその覚悟が必要なのだが、もはや事故直後
に緊張の糸が切れてしまった機関があったようだ。経産省である。
原子炉は自分の担当部局ではない、だから「担当外」だ。考えたくも無い。
それらの連鎖が「飯館村の採石場は安全か」と聞かれて、砕石では無くセメン
トを計って「問題ないでしょう」などと信じられない失策を冒す。もはや自分
の担当から離したくてしょうが無いという心理だけが働く。これも一種の「正
常性バイアス」である。
-----
◆行政機関に蔓延する「正常性バイアス」
何事も無かったことにしたいのは「人情」である。特に「対策」を迫られる
部局の担当者にとって、紛れもない「余分な仕事」である。だからこそ「問題
は無いのだ」と思い込みたい。ますます「正常性バイアス」に毒される素地が
出来る。
この状態に陥っているのは、少なくても教育委員会(学校や特に給食)、環
境部局(清掃)、上下水道局(汚泥)、福祉部局(保育園)、公園緑地(公
園)、道路部局(道路)、農地農業部局(農地や山林)、漁業部局(漁業)そ
して防災担当(避難対策)。ありとあらゆる部門に及ぶ。これが引き起こして
いるのが全く無用な住民被曝なのだ。
-----
◆解決はどうするか・・・
これだけほとんどの行政機関に蔓延している正常性バイアスをどうするか。
ちょっと良い方法は思い浮かばない。繰り返しクレームを付けるほかは無い
のだが、そうなると住民側が「モンスター」「クレーマー」扱いされてしま
う。出来れば議会やPTAや町内会などといった、既存の組織に働きかけ、住
民の声として伝える方法が良いだろう。
もう一つ。今回のようなことが起きた場合、ちゃんと責任を取らせるべきだ
ろう。せめて間違った指導をした場合、その部局の管理職については訓告、戒
告、異動などにより責任を取らせるべきだ。行政機関には、それしか有効な方
法は見当たらない。
★2.1万1千人が参加した横浜で開催された[脱原発世界会議]に
二日間行ってきました。 (たんぽぽ舎会員 富永誠治)
最も印象に残ったのは福島から避難している母親と小学生の発言でした。
紹介します。
──福島の郡山市から家族と避難、世田谷に永住することにした
管澤沙織さんはこう発言しました──
-------------------------
「住み慣れた家を、
築き上げた仕事を、
かけがえのない友人たちを、
やっと見つけた夢を、
娘と見つけた保育園を、
孫の成長を近くで見守ってくれていた父母の深い愛情と、
彼女(娘)を取り巻くたくさんの愛情を、
・・・・犠牲にして(福島を)出てきました。
この犠牲の上に成り立っているものは何ですか?
それでも原発は必要ですか!
ここを照らすたくさんの電球の先には,たくさんの人たちの
無念 と絶望と諦念、たくさんの涙があることを忘ずに、そ
れを無駄にせずに、この二日間を有意義にすごされるこ
とを切に願います。・・・」
-------------------------
また、小学4年生の富塚悠吏君の発言は・・・。
-------------------------
「国の偉い人達に言いたいです。大切なのは、僕たちの命ですか、
それともお金ですか。僕は病気になりたくはありません。僕には
将来の夢があります。科学者などの専門家になって環境にやさしい
エネルギーの開発や何か人の役に立つ仕事をしたいです。
その夢を叶えるため、僕は健康に暮らしたい。絶対死にたくありません。
皆さん、子どもたちも原発は要らないと思います」
-------------------------
ユーチューブでアップされていますので、どうぞ。
◎福島から避難している小学4年生と母親の発言
http://www.youtube.com/watch?v=wu5Q79Rus20&feature=related
◎肥田舜太郎氏の発言
http://www.youtube.com/watch?v=4NXRK_gd4bw&feature=related
◎山本太郎氏の発言
http://www.youtube.com/watch?v=MZdEZ8j1vxM&feature=related
◎上野千鶴子氏の発言
http://www.youtube.com/watch?v=ygK0J5eL4IA&feature=related
★3.<テント日誌 1/15(日)>
横浜では脱原発世界大会
―― 経産省前テントひろば 127日目 ――
今日は横浜で行われている脱原発世界大会の2日目です。
経産省前テントひろばの展示もありまして、盛況だそうです。
昨日は脱原発世界大行進という名で横浜駅の裏手の脱原発世界会議の会場を
遠望する公園から会場そばを通って山下公園まで。参加者は4500名(主催者発
表)。みな思い思いのプラカードやデコレーション、ぬいぐるみまで。サウン
ドカーも出てにぎやかなデモでした。
土曜日には、テントからも脱原発世界大会&大行進に大勢が参加している裏
ではテントひろば横に右翼団体が小さなテントを立てるという動きがあったの
ですが、居合わせた方に話を聞くと、テントを立て、宅配ピザをとって食べ、
記念写真を撮って帰ったそうで、テントひろばに対してなにかするという事も
無く、大きな混乱はなかったようです。
土曜日の報道によりますと、経産省の原子力安全保安院は関西電力大飯原発
のストレステストの結果を妥当とする方針を決めたそうです。再稼働の前提と
なるストレステストを通過させることで政府・電力会社による原発再稼働攻勢
が始まります。
既に東北電力、中部電力、北陸電力、四国電力、九州電力、日本原子力発電
で全ての原発が停止しており、残りは北海道電力泊3号、東京電力柏崎刈羽
5号、6号、関西電力高浜3号、中国電力島根2号の計5基となっています。
たった5基、505万kWです。
今月中に柏崎刈羽5号と島根2号が止まり、3基、314万kWのみになります。
計算上は原発が無くても電気は大丈夫だとわかっていましたが、もうすぐ誰も
が実感します。
福島第一原発事故の究明どころか、収束すらおぼつかない中での原発稼働は
無責任です。現在動いている原発も速やかに止めるべきです。
中東情勢を考えると、政府等は石油不足を表看板にして再稼働の宣伝をするか
もしれませんが、石油の備蓄は200日分はありますし、イランからの輸入は限定
的です。石油の輸入が滞ることで産業に影響が出る場合には必要電力も減るた
めに大勢に影響はないハズです。
とは言え、イメージは大事です。エネルギー安全保障という点で、国産石炭
や天然ガスの安定確保を広げることで原子力推進勢力を減らすことが出来るで
しょう。再生可能エネルギー推進のエネルギーにすることもできるかもしれま
せん。
今後も原発再稼働に強く反対していきましょう。 (H.H)
★4.読者から(イベントのおさそい、初デモの感想)
◇「NO!原発 脱原発 サラバ原発長野県民集会」
1月28日(土)13:00~16:00、場所:県松本文化会館中ホール
基調提言:宮地良彦(元信州大学学長)・中馬清福(信濃毎日新聞主筆)
映像による福島原発現地報告:山本宗輔(フォトジャーナリスト)
私の主張:澤村健一(福島からの避難者)他
詩の朗・歌唱
大会宣言:「サラバ原発・変えよう暮らし方」
参加費:1000円 ※託児あり(100円・要予約)
主催:「サラバ原発・変えよう暮らし方」の会
問合せ:0261-75-2402(田中) 090-4628-8549(水谷)
◇「さよなら原発・あきる野・初デモ」に参加して
(さよなら原発~にしたま~ 辻淑子)
「さよなら原発・あきる野・初デモ」が、1月15日(日)に秋川駅周辺で
おこなわれました。東京の中では、人口の少ない地域での初めてのデモ。しか
も寒い時期なのでどのぐらい人が集まるか不安でしたが、たんぽぽ舎のメルマ
ガをはじめ、いろいろな方に情報発信していただいたお陰で、予定の50人を
大幅に上回る137人の参加がありました!
そのうち37人は子どもたちで、「原発いらない!」の元気なかわいい声が
街に響き、デモをしている私たちも胸が熱くなりました。フォルクローレの生
演奏あり、沖縄のエイサ踊りあり、さまざま工夫を凝らしたコスチュームあり
……。初めてデモに参加したというお子さん連れのお母さんからは、「とって
も楽しく、脱原発のアピールできた!」との感想をいただきました。
転送歓迎
◆ 地震と原発事故情報 その301 ◆
4つの情報をお知らせします(1月19日)
1月14日、四国電力伊方2号機が定期検査で停止。
四国の全原発が停止状態。残るは東電2基、関電1基、北電1基、
中国電力1基の計5基、全原発停止へあと一歩
★1.「正常性バイアス」に汚染される官僚たち
「そんなことが起きるはずが無い」という希望的観測、別名「正常性
バイアス」のなせる業にハマった官僚・行政機関
(たんぽぽ舎・劣化ウラン研究会 山崎久隆)
★2.1万1千人が参加した横浜で開催された[脱原発世界会議]に
二日間行ってきました。 (たんぽぽ舎会員 富永誠治)
★3.<テント日誌 1/15(日)>
横浜では脱原発世界大会
―― 経産省前テントひろば 127日目 ――
★4.読者から(イベントのおさそい、初デモの感想)
★1.「正常性バイアス」に汚染される官僚たち
「そんなことが起きるはずが無い」という希望的観測、
別名「正常性バイアス」のなせる業にハマった官僚・行政機関
たんぽぽ舎・劣化ウラン研究会 山崎久隆
二本松市で発覚した「セシウム汚染コンクリート事件」、住宅一棟が、放射
能汚染された砕石を使ったコンクリートを土台としていた。汚染された砕石は
膨大な量にのぼり、200社以上が汚染砕石を使った工事を行ったとみられる
という。しかし「汚染」といっても、どのくらいの値だったかが計られていた
わけでもないので、実態はほとんど分からない。
少なくてもこのアパートに住んでいた中学生が身につけていた積算線量計
が、たった三ヶ月で1.5mSvにも達したことで発覚したという。べらぼうな
値ではあるが、同じ程度の外部被曝環境に住んでいる人は、実はたくさんい
る。この住宅が問題なのだから、あらためて福島市渡利地区や伊達市などの高
線量地域からの避難が必要なのだということを行政は再認識すべきだ。
-----
◆もともとあった強力な「正常性バイアス」
こんなことは3月の放射能拡散で容易に想像できた事態だ。稲わらや田畑が
高濃度汚染されている地域の砕石が、汚染されていないと思う方が「異常」
だ。このような「思い込み」はどうして起きるのだろうか。
これら全て、原子炉緊急事態宣言が全交流電源喪失時点(15時半)から3
時間も経ってから宣言されたこと(*)、SPEEDIのデータを住民避難に
活用しなかったこと、20ミリシーベルトを遙かに超える地域からの住民避難
をしなかったことなど、全てが行政機関により「そんなことが起きるはずが無
い」という希望的観測、別名「正常性バイアス」のなせる業だ。
正常性バイアスというのは、災害に遭遇した際に「そんなはずはない」と、
現状を正しく認識し確認することに恐怖を抱くあまり、「自分たちは大丈夫
だ」などと根拠も無く正常を装おうとする心理状態を言う。パニック障害の一
種でもある。
東北地方太平洋沖地震に遭遇した際、都内で遭遇した人の多くが「このくら
いならば大丈夫だろう」と思ったに違いない。同時に東北地方でも、同様に
思った人は多かった。地震だけならば、いずれ揺れは収まっていき、それまで
に倒壊しなかった建物ならば、まず助かる。実際に家屋が倒壊して圧死してし
まうような揺れの中では「大丈夫だろう」などと考えるゆとりは無いと言われ
ている。阪神淡路大震災で神戸市内で地震に遭遇した友人によれば、寝ていて
揺れに気づいたときには、もう路上に放り出されていた。家屋が倒壊し、二階
に寝ていた友人はあっという間に道路に投げ出されていたという。死んでいて
もおかしくなかった。
一方、津波の被災者の多くには「正常性バイアス」が働いたことが分かって
いる。多くの人は避難を開始する前に、または避難をせずに津波に襲われてい
る。「10mもの防潮堤があるのだから大丈夫だろう」「ここは高台だから大
丈夫だろう」「海岸から3キロもあるから大丈夫だろう」という具合である。
これが「正常性バイアス」である。
(*)原子力災害対策特別措置法第15条に定める原子力緊急事態に至った
場合、内閣総理大臣による原子力緊急事態宣言が直ちに発出されること
になっている。この宣言により、国により原子力災害対策本部が設置さ
れ、原子力事業者、各行政機関、関係自治体などに対する必要な指示な
どを行うとともに、原子力災害現地対策本部をオフサイトセンターに設
置し、原子力災害合同対策協議会が組織されることになっている。
16時36分に宣言そのものはなされたというが、公式に発表され公示
されるのが19時3分で、「直ちに公示」されていない
-----
◆放射能災害でも「正常性バイアス」
人間、ずーっと恐怖感にさいなまれたままだとどうにかなってしまう。特に
放射能のように目にも見えず臭いもしないものに対しては、特にそうだ。JC
O臨界事故やチェルノブイリ原発事故でさえ、半年もすれば測定しても目に見
える汚染は無くなっていた。あとは海外からの輸入品が問題だった。
しかし今回はそうはいかない。後何年も、何十年も続く放射能と向き合わね
ばならない。本当は行政機関にこそその覚悟が必要なのだが、もはや事故直後
に緊張の糸が切れてしまった機関があったようだ。経産省である。
原子炉は自分の担当部局ではない、だから「担当外」だ。考えたくも無い。
それらの連鎖が「飯館村の採石場は安全か」と聞かれて、砕石では無くセメン
トを計って「問題ないでしょう」などと信じられない失策を冒す。もはや自分
の担当から離したくてしょうが無いという心理だけが働く。これも一種の「正
常性バイアス」である。
-----
◆行政機関に蔓延する「正常性バイアス」
何事も無かったことにしたいのは「人情」である。特に「対策」を迫られる
部局の担当者にとって、紛れもない「余分な仕事」である。だからこそ「問題
は無いのだ」と思い込みたい。ますます「正常性バイアス」に毒される素地が
出来る。
この状態に陥っているのは、少なくても教育委員会(学校や特に給食)、環
境部局(清掃)、上下水道局(汚泥)、福祉部局(保育園)、公園緑地(公
園)、道路部局(道路)、農地農業部局(農地や山林)、漁業部局(漁業)そ
して防災担当(避難対策)。ありとあらゆる部門に及ぶ。これが引き起こして
いるのが全く無用な住民被曝なのだ。
-----
◆解決はどうするか・・・
これだけほとんどの行政機関に蔓延している正常性バイアスをどうするか。
ちょっと良い方法は思い浮かばない。繰り返しクレームを付けるほかは無い
のだが、そうなると住民側が「モンスター」「クレーマー」扱いされてしま
う。出来れば議会やPTAや町内会などといった、既存の組織に働きかけ、住
民の声として伝える方法が良いだろう。
もう一つ。今回のようなことが起きた場合、ちゃんと責任を取らせるべきだ
ろう。せめて間違った指導をした場合、その部局の管理職については訓告、戒
告、異動などにより責任を取らせるべきだ。行政機関には、それしか有効な方
法は見当たらない。
★2.1万1千人が参加した横浜で開催された[脱原発世界会議]に
二日間行ってきました。 (たんぽぽ舎会員 富永誠治)
最も印象に残ったのは福島から避難している母親と小学生の発言でした。
紹介します。
──福島の郡山市から家族と避難、世田谷に永住することにした
管澤沙織さんはこう発言しました──
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「住み慣れた家を、
築き上げた仕事を、
かけがえのない友人たちを、
やっと見つけた夢を、
娘と見つけた保育園を、
孫の成長を近くで見守ってくれていた父母の深い愛情と、
彼女(娘)を取り巻くたくさんの愛情を、
・・・・犠牲にして(福島を)出てきました。
この犠牲の上に成り立っているものは何ですか?
それでも原発は必要ですか!
ここを照らすたくさんの電球の先には,たくさんの人たちの
無念 と絶望と諦念、たくさんの涙があることを忘ずに、そ
れを無駄にせずに、この二日間を有意義にすごされるこ
とを切に願います。・・・」
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また、小学4年生の富塚悠吏君の発言は・・・。
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「国の偉い人達に言いたいです。大切なのは、僕たちの命ですか、
それともお金ですか。僕は病気になりたくはありません。僕には
将来の夢があります。科学者などの専門家になって環境にやさしい
エネルギーの開発や何か人の役に立つ仕事をしたいです。
その夢を叶えるため、僕は健康に暮らしたい。絶対死にたくありません。
皆さん、子どもたちも原発は要らないと思います」
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ユーチューブでアップされていますので、どうぞ。
◎福島から避難している小学4年生と母親の発言
http://www.youtube.com/watch?v=wu5Q79Rus20&feature=related
◎肥田舜太郎氏の発言
http://www.youtube.com/watch?v=4NXRK_gd4bw&feature=related
◎山本太郎氏の発言
http://www.youtube.com/watch?v=MZdEZ8j1vxM&feature=related
◎上野千鶴子氏の発言
http://www.youtube.com/watch?v=ygK0J5eL4IA&feature=related
★3.<テント日誌 1/15(日)>
横浜では脱原発世界大会
―― 経産省前テントひろば 127日目 ――
今日は横浜で行われている脱原発世界大会の2日目です。
経産省前テントひろばの展示もありまして、盛況だそうです。
昨日は脱原発世界大行進という名で横浜駅の裏手の脱原発世界会議の会場を
遠望する公園から会場そばを通って山下公園まで。参加者は4500名(主催者発
表)。みな思い思いのプラカードやデコレーション、ぬいぐるみまで。サウン
ドカーも出てにぎやかなデモでした。
土曜日には、テントからも脱原発世界大会&大行進に大勢が参加している裏
ではテントひろば横に右翼団体が小さなテントを立てるという動きがあったの
ですが、居合わせた方に話を聞くと、テントを立て、宅配ピザをとって食べ、
記念写真を撮って帰ったそうで、テントひろばに対してなにかするという事も
無く、大きな混乱はなかったようです。
土曜日の報道によりますと、経産省の原子力安全保安院は関西電力大飯原発
のストレステストの結果を妥当とする方針を決めたそうです。再稼働の前提と
なるストレステストを通過させることで政府・電力会社による原発再稼働攻勢
が始まります。
既に東北電力、中部電力、北陸電力、四国電力、九州電力、日本原子力発電
で全ての原発が停止しており、残りは北海道電力泊3号、東京電力柏崎刈羽
5号、6号、関西電力高浜3号、中国電力島根2号の計5基となっています。
たった5基、505万kWです。
今月中に柏崎刈羽5号と島根2号が止まり、3基、314万kWのみになります。
計算上は原発が無くても電気は大丈夫だとわかっていましたが、もうすぐ誰も
が実感します。
福島第一原発事故の究明どころか、収束すらおぼつかない中での原発稼働は
無責任です。現在動いている原発も速やかに止めるべきです。
中東情勢を考えると、政府等は石油不足を表看板にして再稼働の宣伝をするか
もしれませんが、石油の備蓄は200日分はありますし、イランからの輸入は限定
的です。石油の輸入が滞ることで産業に影響が出る場合には必要電力も減るた
めに大勢に影響はないハズです。
とは言え、イメージは大事です。エネルギー安全保障という点で、国産石炭
や天然ガスの安定確保を広げることで原子力推進勢力を減らすことが出来るで
しょう。再生可能エネルギー推進のエネルギーにすることもできるかもしれま
せん。
今後も原発再稼働に強く反対していきましょう。 (H.H)
★4.読者から(イベントのおさそい、初デモの感想)
◇「NO!原発 脱原発 サラバ原発長野県民集会」
1月28日(土)13:00~16:00、場所:県松本文化会館中ホール
基調提言:宮地良彦(元信州大学学長)・中馬清福(信濃毎日新聞主筆)
映像による福島原発現地報告:山本宗輔(フォトジャーナリスト)
私の主張:澤村健一(福島からの避難者)他
詩の朗・歌唱
大会宣言:「サラバ原発・変えよう暮らし方」
参加費:1000円 ※託児あり(100円・要予約)
主催:「サラバ原発・変えよう暮らし方」の会
問合せ:0261-75-2402(田中) 090-4628-8549(水谷)
◇「さよなら原発・あきる野・初デモ」に参加して
(さよなら原発~にしたま~ 辻淑子)
「さよなら原発・あきる野・初デモ」が、1月15日(日)に秋川駅周辺で
おこなわれました。東京の中では、人口の少ない地域での初めてのデモ。しか
も寒い時期なのでどのぐらい人が集まるか不安でしたが、たんぽぽ舎のメルマ
ガをはじめ、いろいろな方に情報発信していただいたお陰で、予定の50人を
大幅に上回る137人の参加がありました!
そのうち37人は子どもたちで、「原発いらない!」の元気なかわいい声が
街に響き、デモをしている私たちも胸が熱くなりました。フォルクローレの生
演奏あり、沖縄のエイサ踊りあり、さまざま工夫を凝らしたコスチュームあり
……。初めてデモに参加したというお子さん連れのお母さんからは、「とって
も楽しく、脱原発のアピールできた!」との感想をいただきました。
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