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┗■2.東スポWebの記事が秀逸「再稼働にもかかわる原発事故起訴問題」

 │ 「起訴相当」の持つ、重い重い意味

 │ 電力経営者は今頃、震撼している-特に九電経営陣

 └────(山崎久隆 たんぽぽ舎)

 

東スポWEBの記事が、この検察審査会議決の本質を突いている。これだけの

説明がされた記事は今のところ東スポWEBの記事だけなので、主要部分を

引用する。http://www.tokyo-sports.co.jp/blogwriter-watanabe/21771/

---------------------------------

◇再稼働にもかかわる原発事故起訴問題(20140801日)

 

(引用ここから--中略)仮に3人の起訴が決まった場合、その判決はともあれ、

原発事故の予見性について経営者や当事者は、「想定外」あるいは「1万年か

ら10万年に1度の試算」といった、安全側に立った厳しい認識の有無が問わ

れることになろう。内部、もしくは外部識者らの警告に聞く耳を持たずに再稼

働に突っ走り、その揚げ句に事故が起きた場合、経営幹部に刑事責任が生じる

こともありうる。

 福島原発告訴団の武藤類子団長は3月の被害者集会で「これだけたくさんの

被害者がいるのに誰も責任を取らない。加害者がいないのはおかしい」とその

不当性を訴えた。企業の業務における事故の場合、争点になるのが「予見可能

性」。これが“カベ”のようになって経営幹部らが免責されることもあった。

3月の集会では、参加者から「難しいのは、明治時代にできた刑法によってこ

の国が運営されていること。『予見可能性』が法律の世界で大手を振っている。

津波の予見性はあった。ここを突破する」との意見も表明された。

 今回の検審判断を受けて再捜査する東京地検、その結果が不起訴となった場

合の検審の再審査の判断は、原子力規制委員会に“OK”をもらった九州電力

川内原発をはじめとした再稼働審査待ちの発電所、電力会社にも影響を及ぼす

ものとなりそうだ。-----(引用ここまで)

 

<山崎コメント>

 今後発生する事故の規模が、フクイチに匹敵する大災害である必要はない。

それよりも十分小さい事故でも、十分大災害になり得るが、その時に事故原因

が地震や火山や、いや、何でもよい。これまで市民や学者が、さんざんに警告

し、批判し、パブコメに意見を送り、交渉し、叫び続けた事柄全てのうち、一

つでも実際に起きれば、その瞬間警告を無視して再稼働した者たちへの刑事責

任が問われるということだ。

 再稼働を準備している川内原発は、刻々と迫る自然災害や様々な故障、ミス、

手抜きによりなにがしかの事故を起こし、その後に発生する運転ミスや作業

ミスが事態を悪化させ、放射能放出事故になるであろう。

 これが「予見可能性」というものだ。

 火山の噴火については、カルデラ破局噴火のような噴火でなくても、今も年

1000回以上噴火し、日常的に噴煙を噴き上げる桜島が、ちょうど100年前の

大正噴火規模で中規模噴火を引き起こし、その噴煙がまともに川内原発を襲え

ば、自動的に全電源喪失、ステーションブラックアウト(外部電源遮断、非常

用ディーゼル発電機稼働停止)を引き起こす。加えて道路は降り積もる火山灰

で通行不能、支援の車両どころか避難民の足をも止める。

 救援したくてもヘリも飛ばないから、フクイチのような空中から海水投下

(冷却能力は無かったが)さえ出来ない。火山灰で視界はゼロ、何が起きてい

るかを見て知ることも、ほとんど不可能になる。

 こんなことは火山学者でなくても桜島など火山灰の降る中に居たことのある

人ならば容易に分かることだ。三宅島、大島、雲仙普賢岳、有珠山、新燃岳、

いったいどれだけの火山が近年、噴火してきたことだろうか。たまたま原発を

襲わなかっただけの偶然に過ぎない。今、川内原発は、またも偶然に助けられ

ることを祈って再稼働するとでもいうのだろうか。

 これら予見可能な事態を無視して再稼働し放射能放出事故が起きれば、経営

陣のみならず現在の政府、経産大臣を始めとして認可手続きにかかわる全ての

役人にも、同じことが言える。もちろん、自治体の長も例外ではない。

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┗■3.短信2つ   あつい夏。 8月5日の東京新聞

 └────

 

(1)あつい。猛暑だ。東京も36度。40度に近づく県もある。それでも

 電気は大丈夫。原発ゼロで足りる。この3年半も大丈夫だった。

 2011311日の東電福島事故のまえは、「原発の電気は3040%」で、

 原発がなければ大変!産業も通常の生活もやっていけない! と電力会社や

 政府がいつも言っていた。あのウソはどこへ行ったのだろう?

 長い期間のウソの責任をだれかとっただろうか?

 

(2)8月5日の東京新聞「こち特」に、たんぽぽ舎の講座「モンゴル国で進

 むウラン鉱山開発と潜む核廃棄物処分場建設」[*]で講師をされた今岡良子

 さん(大阪大准教授)の話が載った。日本は使用済み核燃料の処分を海外に

 押し付け、「モンゴル処分施設」構想をたくらんでいる。

 

 新聞の見出しは次のとおり。

  「核燃サイクル」アジア分担?  海外押し付け 倫理的に許されぬ

  『再稼働に躍起だが 原発ごみの問題がある』

 

 [*] 今岡良子さんの講座内容については↓こちら

   http://oklos-che.blogspot.jp/2014/08/blog-post_3.html

 

 

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┗■4.新聞から

 └────

 

◆「再稼働なければ 国の未来はない」 石破幹事長

 (8月5日 東京新聞より)

 

 自民党の石破茂幹事長は四日、神戸市で講演し、原発政策について「世界で

一番厳しい基準をクリアした原発は、その地域の方々が納得することを条件に

再稼働していかないと、この国の未来はない」と述べた。理由として火力発電

用の燃料輸入増による貿易赤字拡大を挙げたほか、「これ以上電気料金が上が

ると、経営が立ち行かない中小零細企業がたくさんあるはずだ」とも指摘した。

 

◆米教授撮影、1947年 広島・長崎で 児童1千人にX線 =無用の被ばく

 (8月2日 東京新聞より)

 

 広島、長崎で1947年9月、米スタンフォード大のウィリアム・グルーリ

ック教授(解剖学)が小学生ら約千人を対象に関節のエックス線撮影をしてい

たことが一日、米科学アカデミー・研究評議会(NASNRC)や米エネルギー省

核実験公文書館が所蔵する文書で判明した。

 エックス線撮影は、治療の目的ではなく、原爆の放射線が子どもの成長に及

ぼす影響を調べる研究の予備調査として実施。実際の被ばく線量は不明だが、

被曝児、比較対照群の被曝していない子を巻き込んだ「無用の被ばく」だった。

(中略)

 

冷酷で非人道的

 日本原水爆日学者団体協議会(被団協)の田中熙巳事務局長の話---治療

を目的としないABCCの調査に被曝者は一貫して怒ってきた。今回判明した調査

でも被験者に結果を説明しておらず、その態度は冷酷で非人道的としか言いよ

うがない(後略)

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