NUCLEAIRE
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┗■4.大間原発の安全審査と川内原発再稼働は一つのライン
│ 危険な場所に危険なフルMOX原発を建てるのはクレイジーである
└────(野村保子 大間原発訴訟の会)
2014年11月13日午後、函館市役所前に大間原発の安全審査申請を抗議する市
民が60人ほど集まった。吹雪まじりの強風に「大間原発大間違い」の声も消さ
れそうになる。この日電源開発の北村社長は青森県と大間町を訪ね、年内安全
審査提出、2020年完工、21年運転開始を告げた。函館市には常務が訪れ報告し
た。函館市・工藤寿樹市長は「電源開発は国土や人の命を考えず、まず建設あ
りきだ。危険な場所に危険なフルMOX原発を建てるのはクレイジーである。
遺憾を通り越し、あらためて裁判で闘う闘志を燃やす」と会見した。
函館市では大間原発について2つの裁判が起きている。2014年4月、函館市
が全国で初めて地方自治体として原発建設中止を求めて東京地裁に提訴した。
もう一つは2010年7月市民団体が大間原発建設中止を求めて函館地裁に提訴し
た市民裁判である。
なぜ行政区の違う函館で裁判が起きているのかの答えは地形にある。下北半
島の突端にある大間町は青森市とは汽車とバスを乗り継いで7から8時間かか
る。原発から50キロ圏内の人口は青森県では9万人、函館市とその近郊では37
万人になる。福島原発事故後、避難計画策定義務の地域(UPZ)を30キロと
した範囲に函館市が入る。避難計画は立てろ、しかし原発計画に意見を言うな、
これはおかしいというのが函館の主張だ。
2013年9月大飯原発が定期点検で止まり、日本の原発は全て止まっている。
冬の北海道、夏の本州の電力需要ピークを乗り切った事実が日本の電気は足り
ていると教える。ではなぜ原発再稼働に大間原発新規建設なのか?
大間原発はプルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を100%装荷する世界
で初めての原発で、プルトニウムを年間6から5トン装荷する。原発が稼働し
て産まれる使用済み核燃料にはプルトニウムが生成される。言い換えると原発
はプルトニウムを作るための技術であり、再処理工場はそれを取り出すプルト
ニウム生産工場なのである。22回も完成延期を繰り返す再処理工場、そこから
出てくるプルトニウムを燃やして再度プルトニウムを取り出す高速増殖炉「も
んじゅ」は15年も止まったままである。不完全なままの核燃料サイクルはエネ
ルギーの保証ではなく、関わる企業に潤沢な資金を保証している。
11月7日再稼働反対の市民の声が響く中、鹿児島県知事は川内原発再稼働に
OKを出した。火山学者が危険というのを振り切っての決断である。
今、日本を覆う再稼働の嵐は原発に反対する市民の声を無視して広がる。経
済的恩恵を主軸に動く政治、経済界、地元自治体の意思と、普通に暮らす市民
の命への向き合い方がこれほどまでにすれ違う国になってしまった。
溜まり続ける使用済み燃料問題の解決法もなく、44トンも溜め込んだプルト
ニウムの行き場もない。大間原発がなければ原発のゴミ問題は解決できず、原
発を動かすことはできない。大間原発は、日本を原発から出てくるプルトニウ
ム処理のため世界に向けてアリバイ作りのために建設が強行される。大間原発
を止めて全国の原発再稼働を止めることが急務である。
※大間原発一口メモ
出力138万キロワットで日本最大の発電量。2008年に建設許可、2011年福島
第一原発事故を受けて建設休止の後、2012年工事再開した。
工事進捗率は37.6%。大間原発の特徴は初めてづくしである。MOX燃料を
炉心の100%に装荷する世界で初めての原発。電源開発はその難しい原発
建設を実験炉もなしで、経済性を求める商業炉を建設する。
建設主体はこれまで一度も原発を建てたことがない電源開発。大間原発の
敷地には未買収地がある。
大間原発はABWR(改良型沸騰水型軽水炉)で、原子炉建屋と格納容器
を一体化した設計である。30ミリから40ミリの鋼鉄性の格納容器を廃止、
6ミリの鋼を内張りしたコンクリートの格納容器兼原子炉建屋が放射能の最
後の砦となる。
火山フロントに位置すること、津軽海峡など近辺に活断層の存在、六ヶ所
再処理工場、東通り原発、使用済み燃料むつ中間貯蔵施設と核施設の集中
する地域に建つ。
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┗■5.新聞より3つ
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◆太陽光・風量 買い取り抑制 再生エネより原発 鮮明
(東京新聞 12月19日より)
経済産業省は18日、太陽光や風力などを利用する再生可能エネルギーの固
定価格買い取り制度の方向を転換し、電力会社が買い取り料を制御しやすくす
る新しいルールを決めた。再生エネの普及や拡大に対する制約が強まる一方で、
同省は古くなった原発を建て替えて残す道を模索している。安倍政権は衆院選
後、急速に原発推進にかじを切っている。
---老朽 建て替えも模索--- 新たなルールは19日から実施するパブリック
コメント(意見公募)を経て、来年1月中旬をめどに施行する方針。特に、太
陽光発電への制約が強まる。電力会社が出力を遠隔でコントロールできるよう
になり、買い取り量も無制限に抑えられるようになる。(中略)
しかし、経産省と電力各社が示した再生エネの受け入れ可能量は、現実とか
け離れている。原発の再稼働のめどは立っていないのに、国は震災前の原発の
稼働状況を前提に、受け入れ可能量を試算している。(中略)
太陽光発電所を設置・運営する東京都内の事業者は「国が原発や再生エネを
増やしらいのか減らしたいのかわからず、身動きをとりづらい」と不信感を漏
らしている。(後略)
◆再稼働差し止め「道険しい」 原発訴訟、原告団に焦り
高浜3・4号機、新基準適合 (朝日新聞 12月18日 見出しのみ)
◆高浜3、4号機 審査書案了承 原発集中、リスク不問
(東京新聞 12月18日)
原子力規制委員会は十七日、関西電力高浜原発3、4号機(福井県)が、原
発の新しい規制基準に適合しているとの審査書案を了承したことに関し、原発
が集中立地する同県で、仮に同時多発的に原発事故が起きても、広域的な影響
の前に事故は収束でき、集中立地のリスクを検討する必要はないとの見解を示
した。記者会見で、田中俊一委員長らが述べた。(中略)
---きょうから意見公募---
規制委は18日から来年1月16日まで、関西電力高浜原発の審査書案への
意見を募集する(パブリックコメント)。応募は、インターネット経由、郵送、
ファクスの3通り。いずれの場合も規制委のホームページ(
http://www.nsr.go.jp/)右側にある「パブリックコメント一覧」のボタンを
押し、意見公募のページ内の「高浜原発」の項目にアクセスすることが必要。
(中略)
郵送やファクスの場合は、「郵送・ファクスの様式」のボタンを押し、
ファイルを印刷し、その紙に書き込む。
宛先は〒106-8450 東京都港区六本木1-9-9 六本木ファーストビル 原子
力規制庁安全規制管理官(PWR担当)宛て。