NUCLEAIRE
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たんぽぽ舎です。【TMM:No2354】
2014年12月6日(土)地震と原発事故情報-5つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.高コストの原発導入は、核兵器技術を獲得するため
原発再稼働は、実に愚かな選択 (連載その1)
汚染水流出で今後も海の汚染は続く
小出裕章(京都大学原子炉実験所助教)
★2.長野県北部地震 信用ならない「震度6弱」
震度はそれぞれの場所の揺れ方だ。気象庁が測っていない場所での震度は分からない
「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」コラムその79
島村英紀(地震学者)
★3.収束にメドもたたない原発は廃炉に転換する様に貴台は政府に要請すべき
伊藤祐一郎鹿児島県知事へハガキ送付 野村昌平(79歳、東京都)
★4.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
◆映画『遺言 原発さえなければ』岡山上映会&監督トーク
12月14日(日) 野田雅也監督トークあり 場所:岡山シティミュージアム
◆12/15福島原発事故の加害者がなぜ罪に問われないのか?!
東電の刑事責任を考える集い
講演:古川元晴弁護士(元検事) 場所:東京都中央区新富区民館
★5.新聞より
◆政府情報信用できぬ (12月6日東京新聞「金曜日の声」より)
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※12/11原子力規制庁と交渉 参加歓迎!
鹿児島から訴える「川内原発再稼働の不当性」
工事計画と保安規定の審査はどうなっているか?
日時:12月11日(木)13時15分より事前集会
14時から16時:抗議交渉 16時から17時:総括集会
場所:参議院議員会館講堂 資料代:500円
主催:再稼働阻止全国ネットワーク
共催:反原発・かごしまネット、鹿児島反原発連合
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┗■1.高コストの原発導入は、核兵器技術を獲得するため
| 原発再稼働は、実に愚かな選択 (連載その1)
| 汚染水流出で今後も海の汚染は続く
└──── 小出裕章(京都大学原子炉実験所助教)
○ 鹿児島県の伊藤知事が、川内原発再稼働に同意した。福島原発事故に関して誰1人として刑事責任を問われることなく、政治責任も不問にされたため、「何が起きても自分が政治責任を問われることはない」と確信した上での政治決定だ。これを指摘する内田樹氏は、「事態は『3・11』以前より悪くなってしまった」と嘆いている。
原発再稼働・事故原発の現状・IAEAの実体などについて、小出裕章さんに聞いた。いつもの明快な解説とともに、原子力ムラへの深い怒りが表明された。
衆院が解散した。半永久的な環境汚染や健康被害のリスクを受け入れてまで経済成長を追い求めるのか?国土の一部を失ったことを忘れて、無人島の争奪に血道を上げるのか?問われているのは、有権者の側だ。(文責・人民新聞編集部)
編集部…川内原発再稼働が焦点化しています。小出さんは11月に鹿児島に行かれたそうですが、講演内容を含めて、見解をお聞かせください。
小出…11月9日に、「日本平和学会」で、「原子力と核」というタイトルで「原子力は、実際には核兵器と同じものであり、平和と密接に関係しているんだ」という講演をしました。8日は、市民グループの集会で川内原発の話をしました。
皆さんは十分ご承知だと思いますが、福島第一原発の事故が起きてしまっても、自民党政権は原子力発電をやり続けようとしています。そのために安倍首相は、「安全性の確認された原発は動かす」と言っているわけですが、元来「安全性」なんて確認できる道理がないのです。
原子力規制委員会にしても、「安全基準」を作ったのではなく、「規制基準」というものを作ったのです。言葉はとても大切なものですが、彼ら自身が「安全基準」とは言えず、わざわざ「規制基準」としたのです。
その上で規制基準に適合したと発表しましたが、「安全とは申し上げない」と、田中俊一委員長自身が言っているのです。
原子力発電所は機械ですから、その機械がもっている特性上、最悪の事故が起こりうる、と考えなければなりませんし、新しい規制基準も、最悪の事故を想定しているのです。過酷事故を想定した上で、住民の避難計画が必要という立場に立っているわけですが、あろうことか、「避難計画」に関して「俺たちは知らない、各自治体で勝手にやれ」という、丸投げをしている訳です。もう国家としての体裁をなしてないし、こんな状態で原発を再稼働させるのは、私はもちろん反対です。
編…前小渕経産大臣が「老朽原発の廃炉を検討すべきだ」と発言し、一定評価する人たちもいます。再稼働との関連も含めてコメントをお願いします。
小出…私は政治が大嫌いですし、政治家の思惑がどこにあるのか?などわかりません。でも、40年を超えた老朽原発は廃炉にした方が、電力会社にとっても得策だと思います。なぜなら、再稼働のためには追加の安全工事等で金がかかりますし、金をかけても既に40年動かしているので、いずれにしてもある時期に廃炉の決断をしなければいけません。
その意味では、40年を経た老朽原発の廃炉は、経営サイドからみても合理的な判断だろう、と私は思います。
ですから小渕さんの発言は、そういう思惑を踏まえた発言かと思いました。ただし小渕さんは辞任に追い込まれたので、ひょっとすると、そんなことを言う経産大臣は許さないという裏の思惑もあったのかもしれません。
ただ、老朽原発の廃炉方針は、同時に、「40年に達していない原発は再稼働すべき」というメッセージが強いと思いますし、それは実に愚かな選択だと思います。
○汚染水流出で今後も海の汚染は続く
編…汚染水が漏れ続けて海が汚れていますが、汚染の度合いは、何がどこまで分かっているのでしょうか。
小出…ウランが燃えて核分裂生成物という放射性物質ができるのですが、単に核分裂生成物と言っても、およそ200種類もの放射性物質の集合体です。それは、セシウム137、ストロンチウム90、ヨウ素131やゼノン133などですが、ほとんどの物質は短い寿命です。
事故から3年半経って、ほとんどは消えてなくなっています。事故直後には、ゼノン133やヨウ素131といった、人間の健康に深刻な影響を与える放射性物質が大気中に噴出したのですが、それは今からでは取り返しのつかないことなので、今重要なのは、セシウム、ストロンチウム、トリチウムのほぼ3つ。加えてプルトニウムくらいだと思います。
なかでも問題にすべきなのは、陸地の汚染ではセシウムだけです。なぜならセシウムは揮発性で大気中に噴出し陸地を汚染したからです。
また、セシウムとストロンチウムは水溶性です。福島第一原発では解けた炉心に向かって水をかけていますが、ほぼ同じ量のセシウムとストロンチウムが汚染水の中に溶けています。この汚染水が原子炉建屋などに溜まっているのです。
東京電力は、汚染水を汲み上げてセシウムを捕捉する装置に送っています。セシウムについてはかなり捕捉していると思いますが、セシウム以外の放射性物質は取れません。このため東京電力は、ALPSという装置でストロンチウムを捕まえようとしましたが、ALPSがまともに動かず、汚染水が海に流れています。海の汚染については、ストロンチウムが主な汚染源です。
ストロンチウムは、セシウムに比べて数倍危険ですが、ベータ線しか出さないために、測定が困難です。このため海の汚染に関しては、データが無いのです。これが一番の問題で、今後も海の汚染が続くでしょう。
ではどうすべきか?ですが、それは、セシウムによる海の汚染を調べることです。それと同等、あるいは何倍のストロンチウムの汚染があると推測することで、当面は対処するしかないでしょう。 (連載その2に続く)
※(人民新聞オンライン 1531号 2014/11より許可を得て掲載)
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┗■2.長野県北部地震 信用ならない「震度6弱」
| 震度はそれぞれの場所の揺れ方だ。気象庁が測っていない場所での震度は分からない
| 「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」コラムその79
└──── 島村英紀(地震学者)
地震学者にとって強い違和感があるメディアの言い方がある。「長野県北部で起きた震度6弱の地震」という言い方だ。
気象庁が発表する震度は「震度計」を設置していないところではもっと大きな震度のことがある。今回も倒壊した家が多かったところの震度は6弱よりもずっと強かった可能性が大きい。
マグニチュード(M)が地震そのものの大きさを示す数字なのとちがって震度はそれぞれの場所の揺れ方だ。気象庁が測っていない場所での震度は分からないのである。
先週22日夜に長野県北部で起きた強い地震では震源が浅かったために震源の近くでは局地的に強い揺れに襲われた。このため31軒の家が全壊した。Mは6.7、震源の深さは5キロとごく浅かった。
震度計で震度が測られて発表されるようになったのは1996年以来のことだ。それまでは気象庁の職員が体感で震度を決めていた。
じつは震度を決めることはそう単純なことではない。
地震で地面が揺れる、その「振幅」ならいいのだろうか。
そうではない。地面が10センチの振幅で揺れても、その揺れの周期が30秒もあるゆっくりした揺れならば、たいていの人間は揺れているとは感じない。だが振幅がたった1ミリでも、周期が0.3秒しかなければ、これは強い揺れだ、と誰でも感じるのだ。つまり地面が揺れる振幅では、人間が大きな地震だと感じるほど、素直に数字が大きくなる震度の目盛りには使えないのである。
では「加速度」ではどうだろう。モノがゆすぶられる力に比例している加速度は、振幅よりも少しはマシだ。
しかし加速度が150ガルでも、振動がしばらく続けば家が倒れる、つまり震度では6になる。だが300ガルの地震が来ても、ごく短時間で終わってしまえば、まず被害は出ない。このときは加速度は大きくても、震度は4どまりなのである。
つまり震度とは、地震の揺れの加速度や、周期や、揺れが続く時間などいろいろの要素の組合せで決められるものなのだ。このために、震度計を作って、それまでの職員が体感で決めていた震度を機械観測に置き換えることはそう簡単ではなかった。気象庁は地震学者を呼んで委員会を作って何度も検討を重ねたのだった。
気象庁の職員が決めていた時代には、もっと芸が細かいことまでやっていた。
震度は地盤の善し悪しで違ってくる。北海道室蘭市は気象台が地盤が良いところにある。しかし町の大部分は埋め立て地のような軟弱で悪い地盤が多い。このため気象庁の震度よりも町の震度の方がいつも大きかった。
このため気象台が気を遣って、感じた震度よりもサバを読んだ震度を「室蘭の震度」として発表していたのだ。 (11月28日『夕刊フジ』より)