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たんぽぽ舎です。【TMM:No2208

2014年6月25日()地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします

                           転送歓迎

━━━━━━━

★1.東京電力福島第一原発の憂慮すべき現実 (上)

   規制委員人事案に見る福島への悪影響

   凍土壁の問題点      山崎久隆(たんぽぽ舎)

★2.スクープ!東電がヒタ隠す広野火力発電所の高線量放射能汚染

   年間170ミリシーベルトにもなる汚染物の存在

   原発事故の放射性物質が広野火力発電所まで飛来したことが原因

                        (週刊朝日2014627日号より抜粋)

★3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)

  ◆3年経った。まだ賠償逃れを続けるのか?

   6.26東電株主総会アクション

   場所:東京国際フォーラムホールA付近

  ◆6/29「国策による原発と国策での戦争の共通項を考える」

       講師:山本宗補さん(フォトジャーナリスト)

   場所:柳沢公民館 視聴覚室

★4.新聞より

  ◆川内原発再稼働は秋以降 電力需給西日本で厳しく

   高浜など「第2陣」審査に影響 九電が申請書再提出

                  (6月25日日本経済新聞より抜粋)

━━━━━━━

6/26【学習会】にご参加を! 参加歓迎!

 槌田ゼミ新シリーズ 福島原発事故基本講座第3回

 「原子炉安全確保のためのDBA思想の破たん」

             DBA:Design Basis Accident=設計基準事故

 

お 話:槌田敦さん(元理化学研究所員、元名城大学教授)

日 時:6月26()19:00より

会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)

参加費:800

━━━━━━━

 

┏┓

┗■1.東京電力福島第一原発の憂慮すべき現実 (上)

 |  規制委員人事案に見る福島への悪影響

 |  凍土壁の問題点

 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)

 

汚染水(トリチウム)とサブドレン再稼働

 

 2013年8月21日、ある報告書がひっそりと原子力学会から出された。

その内容は『福島第一原発の滞留水循環冷却で発生する汚染水で、課題となっているトリチウム処理に関する対応策』というものだ。原子力学会が出すからとても画期的と思いきや、『海洋希釈放出が「現実的」』などと陳腐なものだった。それが理由か、あまりニュースにもならなかったが、これをまとめたのは『日本原子力学会・福島発電所事故調査委員会』その委員長が田中知(さとる)東京大学教授だった。

 現在、汚染推対策については規制庁も東電の打ち出す方式に問題が無いとはしていない。特に凍土方式遮水壁(いわゆる凍土壁)については、着工を「黙認」はしているが「認可」しているわけではないという中途半端な状態だ。

 東電に対して20数項目にわたる質問を出し、一定の回答はあったものの、信頼性が確保できるかなど課題はまだ多いと見ているようだ。

 その中心にいるのが更田委員だが、田中知教授が入ることでトリチウム汚染水が大量放出される危機が迫っている。

 もともと規制委員会も「基準以内の水は放出してもかまわない」というスタンスではある。しかし「放出水が本当に基準内であるのか、もし基準を超える放出が起きそうな事態になったらどうやって止めるのか」などの安全対策に重大な欠陥がある福島現地の状態では、簡単に放出を認められない事情があった。

 福島で起きている危機を代表するかのようなタンクからの汚染水漏れ、大雨が降ったら簡単に決壊する堰、今も3年前の原発汚染水が溜まっているトレンチが何時破損するか分からない4m盤の惨状、こういったこと一つ一つをとっても、基準内であることを「担保不能」な現場の実態を知るにつけ「基準以内の水」であると確認する術があるのかどうか不安になるのは当然である。

 しかし新しい規制委員は、おそらくそんなこと知ったことではないのだろう。

自ら主張してきた「基準に達しない水」は、東電に対して「排出せよ」と言い出すに違いない。

 この場合、トリチウムの排水中法定基準は「1リットルあたり6万ベクレル」である。

 しかし東電は、これを十分達成するための「安全率」的な下駄を履かせ、「1リットルあたり1500ベクレル」と四十分の一の自主基準を設けた。これに基づき地下水バイパスは5月21日から反対の声を押し切って実施されているが、田中委員は、これにどのような意見を出していくかが大きな問題だ。

 そして東電の汚染水対策のうち、もう一つ重要な設備の再開がある。

 それは「サブドレン再稼働」である。

 1~4号機周辺には約60本の井戸が掘られており、3.11以前にはフル稼働で日量850トンの地下水を汲み上げて放出していた。しかし地震と津波で壊滅的打撃を受け、今に至るも稼働不能状態である。この井戸が動かないため、原発周辺の地下水は、以前は地上から12m以上の深さ(おおむね原子炉建屋の最底部)に止まっていたのに、今では地表に溢れんばかりになっている。

 この地下水を食い止めるために凍土方式遮水壁が建設されているのだが、サブドレンが働くことで、さらに地下水を下げることが出来、建屋内部の汚染水を抜く作業に着手できるという計画だ。

 問題は、汲み上げた水をどうするのかだが、原発から数百メートル離れた上流部分で汲み上げているパイパス地下水と異なり、原発の間際で汲み上げれば当然原子炉建屋やタービン建屋内の汚染水も吸い出すことになる。この中には高濃度の放射能を含むと考えられるが、セシウムなどは現在建設中の別の処理建屋で取り除く計画だ。ALPS2号のような設備なのだろうと思われる。

 しかしトリチウムは除けない。そのため、現在のところ東電はサブドレン水をどうするかを「未定」としている。だがタンクの増設計画を見る限り「サブドレン水用の貯水タンク」が建設されるようには見て取れない。

 結局またしても、汚染水の海洋放出になってしまうのではないかと強く危惧するが、それを後押ししそうなのが、新たに委員に就任した田中知氏である。

 福島第一の今後にとっても、とんでもない人事になっているのではないだろうか。(下につづく)

 

 

┏┓

┗■2.スクープ!東電がヒタ隠す広野火力発電所の高線量放射能汚染

 |  年間170ミリシーベルトにもなる汚染物の存在

 |  原発事故の放射性物質が広野火力発電所まで飛来したことが原因

 └──── 

 

 東京電力福島第一原発から21キロ先にある広野火力発電所の一部が高線量放射能で汚染されていた実態が本誌の取材で明らかになった。東電はこれまで事実をヒタ隠しにしてきたが、本誌は内部文書を入手。そこには、年間170ミリシーベルトにもなる汚染物の存在が記されていた。ジャーナリストの今西憲之氏と本誌記者・小泉耕平がリポートする。

○ 東京電力幹部は苦悩の表情でこう告白した。

「原発から20キロメートル圏外に高線量の廃棄物がある事実を、国民に知らせない。国から税金を投入されているうちの会社は、政府が打ち出す住民の帰還に影響することを危惧しているようです。これでいいのか……」

 そしてこの幹部は、裏付け資料として複数の東電内部文書を筆者に示した。

 その一つは、<高線量廃棄物等の保管方法について>と題されたもので、今年4月に作成されていた。その中には今まで公表されていない驚くべき新事実が記されていた。

<現在、広野火力発電所には構外へ搬出できない高線量廃棄物等があることから、構内での保管方法について、添付資料のとおり実施するよう、関係箇所への周知徹底宜しくお願いします>

 原発ではなく火力発電所構内に、高線量の廃棄物が保管されている―。一体、どういうことなのか。

 資料にある東電の広野火力発電所は、福島県広野町の北端に位置する。総出力は440万キロワットにのぼる。福島第一原発からは、南に約21キロの地点にあり、事故後、原発から半径20キロ圏内に設定された「警戒区域」(現在は避難指示区域)のわずかに外側だ。すぐ西には、原発の事故収束作業の拠点であるJヴィレッジがある。

○ なぜ、高線量廃棄物が存在するのか。資料には、顛末がこう書かれていた。

<福島第一原子力発電所より放出された放射線の影響で「広野火力発電所第6号機増設工事のうち発電所本館建物及び機械台基礎他新設工事他2件」にて使用していた資材(ネット・シート類)及び廃材等の線量が0.5μSv(マイクロシーベルト)/h以上となりました>

 原発事故の放射性物質が、広野火力発電所まで飛来したことが原因だった。

 資料を読み進めると、発見された高線量廃棄物の処理に難渋した様子がうかがえる。

<リース業者や産廃業者より、0.5μSv/h以上となった資材及び廃材(以下汚染物という)については、その受入れを拒否されました>

<受入れ拒否となった汚染物については、平成25年1月頃、広野火力発電所の建築グループ殿のご指示により構内の南門駐車場エリア等に大型土のう袋に入れて、仮置きすることとなりました>

 処分できない高線量廃棄物は、東電の指示で、工事を請け負ったゼネコンが構内で保管することになった。資料には保管場所や容積、放射線量など詳細が記されていた。

<台上モータープール南側約16立方m、ネット等 0.819.3μSv/h

<南門駐車場南側裏約84立方m、ネット・廃プラスチック等0.70.9μSv/h

<南門駐車場南側手前 約10立方m ネット等 0.50.7μSv/h

 合計すると約110立方メートルと、かなりの分量である。

 国による除染作業が空間線量で毎時0.23マイクロシーベルト以下を目標に実施されていることを考えると、全体的に高い。

○ 注目すべきは、毎時19.3マイクロシーベルトという値だ。年間に直すと約170ミリシーベルトにもなる。国際放射線防護委員会(ICRP)の見解によると、被ばく量が100ミリシーベルトを超えるとがんになるリスクが増えるとされ、原発作業員でも年間被ばく量の上限は20ミリシーベルトに制限されている。いかに高い数値かがわかるだろう。

 この火力発電所がある広野町全域は、福島第一原発から2030キロ圏内にあるため、大量の放射性物質の放出などに備え、屋内退避や避難の準備をしておくよう求められた「緊急時避難準備区域」に指定されていた(2011年9月に解除)。

 だが、今回、内部資料で発覚した数値からは、一部で深刻な汚染があったことがうかがえる。

「原発事故からかなり時間が経った後に計測して、この数値です。事故直後なら、より高かったはず」(前出の東電幹部)

○ 京大原子炉実験所の小出裕章助教がこう語る。

「事故直後は北風が吹いていたので、南側の浜通り一帯がかなり汚染されたと思われます。広野火力発電所は原発からの距離も近く、これくらいの数値が出ても不思議ではありません」

 (後略)(週刊朝日2014627日号より抜粋)

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