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たんぽぽ舎です。【TMM:No1158】
                          転送歓迎
       ◆ 地震と原発事故情報 その143 ◆
               5つの情報をお知らせします(8月13日)
 
★1.マルマガ読者からの質問と回答
  「原発がなくても電気不足にならない」データを是非教えて下さい
                       ――福井県 S.A子さんより
   猛暑日の実績に基づく電力需給計算    山崎久隆
★2.ストレステスト“省略”に怒る北海道民
   泊原発3号機再開はおかしい 福島事故が終わってないのに
★3.安全以上に信頼が重要 田坂広志 菅内閣官房参与に聞く
★4.「ミツバチの羽音と地球の回転」チャリティー上映会 in 柏市
★5.たんぽぽ舎夏休みのお知らせ
 
 
 
★1.マルマガ読者からの質問と回答
  「原発がなくても電気不足にならない」データを是非教えて下さい
                       ――福井県 S.A子さんより
     猛暑日の実績に基づく電力需給計算     
                       山崎久隆
 
(8月9日メール受信)
 初めてメールさせて頂きます。私は福井県に住むものです。私の職場では|会社で毎
月11日に原発ゼロを目指す市民デモ行動をしています。(もちろん私も|根っからの反
原発の人間です。)
 そのデモで私が強く訴えたいのは広瀬隆さんが言われている、「明日全原発が止まっ
ても電力不足にはならない」ということです。ですが最近、産業界の自家発電は5000万
kwもなく、経済産業省(?)は160万kwしかすぐに使用できる電力はないと言ってみた
り、(その後信憑性を疑われていますが。)また先日の豪雨で東北電力の水力発電が止
まってしまったりと、最近少し”原発ナシでも大丈夫”と個人的に言いにくくなってし
まいました。
 そこでぜひお願いなのですが、11日にまた市民デモを行います、そのときに”原発ナ
シでも大丈夫”といえる根拠や資料など何かありましたらぜひ教えていただきたいので
す!!
 世間の心配は原発がなくなったら電力不足になるというものです。私はその概念を少
しでも覆したいのです。急なお願いで申し訳ないのですが、どうかご協力をお願い致し
ます。
 
------------------------------------------------------------------------------
 
(8月10日回答メール返信)
 たんぽぽ舎の山崎と言います。メールでたんぽぽ舎にお問い合わせいただいた電力供
給力についてです。
 
 今日も東京は35度を超え、おそらく今年最大の気温になることでしょう。そのため冷
房需要が増大し、90%を超えるかもしれませんが、それでも東京電力管内は「まだ余
裕がある」のです。いっぽう、東北電力はご存じの通り水害の影響で余裕はなくなりま
したが、東京電力からの送電量を増やしてしのげます。200万kwほど東北電力に送る送
電能力があります。
 
 東京電力管内で現在稼働中の原発は柏崎刈羽原発の3機で、合計出力は381.2万kw、今
日のピーク時の供給可能電力は5460万kwですから、5460万kw-381万kw=5079万kw。
 今日のピーク予測は午後二時の時点で5020万kwと予想していますので、まだ間に合う
計算になります。もちろんこれでは危険と言えなくはありませんが、計算上参入してい
ない揚水発電がまだ100万kw以上ありますし、需給調整契約に基づく供給停止が100万kw
ほどあるはずですから、余力はあります。(ちなみに東京電力の使用電力実績は午後2
時の実績は4903万kwと、予想最大を実に107万kwも下回っています。)
 
 関西はどうかと言いますと、供給力3010万kwに対し予測2750万kwワットで差し引き
260万kw、稼働中の原発は美浜2、高浜2、3、大飯2で合計337.1万kw、差し引き77.1
万kw不足。(午後2時の実績2748万kw)
 
 中部電力は供給力2822万kwに対して予想最大2500万kwなので差し引き302万kwの余裕
があり、原発は全部止まっているので影響なし。その分足りない関西に送ることが出来
ます。(午後2時の実績2520万kw)
 
 九州電力は供給力1735万kwに対して予想最大1560万kw、原発の設備は玄海1、4、川
内2が稼働中で合計出力が262.9万kwありますので、175万kwの余力との差が87.9万kw不
足、これを四国、北陸電力から融通すれば良いのです。(午後4時の実績1525万kw)
 
 中国電力の予想最大は1070万kw、供給力は1220万kwで差し引き150万kw、原発は島根
2が稼働中で82万kwを差し引くと68万kwの余力です。(実績データの掲載なし)
 
 北陸電力は供給力604万kwに対して最大予想540万kw、原発は全部止まっていますので
差し引き64万kwの余力。(実績データの掲載なし)
 
 四国電力は供給力620万kwに対して予想最大は550万kw、差し引き70万kw、原発は伊方
1、2が稼働中で113.2万kw、差し引き43.2万kw不足。(実績データの掲載なし)
 
 まとめてみます。
      供給力  最大電力予想  稼働原発分  差し引き
 東北   1347   1290      0    57
 東京   5460   5020  381.2    58.8
 中部   2822   2520      0   302
 関西   3010   2750  337.1   ▲77.1
 北陸    604    540      0    64
 中国   1220   1070   82      68
 四国    620    550  113.2   ▲43.2
 
 合計  15083  13740  913.5   429.5
 
 今日のような暑い日でも日本全国を合計すれば最大電力でも、まだ430万kwロワット
ほどの余力があります。もちろん供給予備が3%しかないことになるので、実務的には
足りてないという意見もあり得ます。安全を見越した供給予備力は8%、少なくても
5%は必要という意見もあります。
 
 しかし本当に足りなくなると言うのならば、需給調整契約に基づく供給停止をすれば
いいのです。
 
 ここまでの計算では自家発の新たな買い取り(いわゆる埋蔵電力)については計算に
入れていません。自家発の余力は160万しかないと言っても、160万kwも追加できると言
うことです。電力消費量の1%にも相当し、原発1機分以上です。また一部の自家発は、
燃料代が掛かる割には電力の買い取りがkwあたり7円程度では割が合わないので稼
働していないというところもあります。例えば燃料代を電力会社持ちにすれば稼働する
自家発もあると言うことです。背に腹は代えられないならばそういう手段もあります。
電力会社の火力発電所や揚水発電所の一部は、供給力に計算されていないものがありま
す。建設中の火力の早期運転開始もあります。切迫すればまるで打ち出の小槌よろし
く、設備が「出てくる」不思議な国です。
 
 今日のような年に何回もないような猛暑日でも計算上プラスなのですから、設備が足
りないと言うことはありません。原発を止めても大丈夫です。
 
 
★2.ストレステスト“省略”に怒る北海道
   泊原発3号機再開はおかしい 福島事故が終わってないのに
 
北海道電力泊原発の3号機をめぐる動きが急だ。高橋はるみ・北海道知事は、調整運転
中の動機の営業運転再開を来週にも容認する見通し。しかし、敵点検中の原発を対象と
したストレステスト(耐性評価)は受けないままで、道民から「安全に対する不安が解
消されていない」と批判が出ている。
 
「きちんと審議しろ!」「二重チェックは嘘だったのか!」
 
十一日に開かれた内閣府の原子力安全委員会は、怒号に包まれ騒然となった。泊原発3
号機の最終検査結果について、経済産業省原子力安全・保安院が「技術上の問題はない」
と報告。斑目春樹委員長は「定期検査は規制行政庁である保安院が責任をもって行うも
のである」と述べ、委員会としての判断を示さなかったのが原因だった。
 
泊原発が営業運転を始めれば、震災後は初めてのケース。これを機に、政府は全国の定
期検査を終えた原発について、運転再開に一気にかじを切る可能性もある。
 
今月一日には、道内の三十八人が、営業運転再開を認めないよう国に認めないよう国に
求める訴えを札幌地裁に起こした。原告団共同代表の泉かおりさんは「福島の原発事故
の検証や安全指針の見直しが終わらない中、営業運転を再開することは許されることで
はない。全国の原発の安全問題に影響する」と話す。
                        (東京新聞8月13日から抜粋)
 
 
★3.安全以上に信頼が重要 田坂広志 菅内閣官房参与に聞く
 
【原発の問題点】
 
 東京電力福島第一原発事故後に内閣官房参与に就任し、事故対応やエネルギー政策で
菅直人首相に助言を続ける田坂広志多摩大教授に聞いた。
 
 ―事故が日本の原子力政策に与えた影響は。
 
「これまであいまいにしてきた問題がすべて白日の下にさらされ始めた。原発の規制官
庁と推進官庁が同じ組織にあることは誰もがおかしいと思っていた。『安全神話』だけ
でなく、原子力(の発電コスト)は安いという『安価神話』も疑われ始めている。放射
性廃棄物の最終処分問題にも注目が集まるだろう」
 
 ―内閣官房参与としての問題意識は。
 
「私はもともと原子力の技術者。日本の技術こそが世界で最も安全な原子力を育ててい
けると信じていた。しかし世界の原子力事故の大半は組織や制度が原因だ。日本の組織
や制度に、私も懸念を抱いていたが事故を止められなかった。その責任感からこの仕事
を引き受けた」
 
「菅首相の延命策との批判もあるが政局に興味はない。誰が首相であろうとも、国民の
立場に立って原子力行政の信頼回復と原子力政策の転換を進言するのが私の仕事」
 
 ―玄海原発の再稼働問題をどう見るか。
 
「安全と安心以上に重要なのは『信頼』。『安全だ』と言っている主体が信頼されなけ
れば全く意味がない。従来のままの原子力安全・保安院が、従来のルールで確認して安
全宣言を出し、地元首長も了承したから再稼働、という3月11日以前の手法では国民の
信頼と納得は得られない」
 
 ―再稼働を前にした新たな安全評価の実地表明は、唐突に映った。
 
「官邸は思い付きで動いているわけではないが、いつも説明が足りないため誤解が生じ
る。それが残念だ。手順論で混乱が生じたことは遺憾だが、結果として国民の信頼を得
られる方向になったのではないか」            
                     (8月8日付 デイリー東北より抜粋)
 
 
★4.「ミツバチの羽音と地球の回転」チャリティー上映会 in 柏市
 
・日時 2011年8月14日(日曜日)
・会場 アミュゼ柏プラザ(1階) / 柏市柏6-2-22
・プログラム
 開場9:40        ①10:00~12:15
         ②12:45~15:00 15:00~鎌仲監督トークショーA
                  ③16:15~18:30 18:30~鎌仲監督トークショーB
 
・参加費 前売り(事前申し込み)1000円、当日1200円、学生500円引き
          トークショーのみ500円(学生300円)
 
・問い合せ、事前申し込み
 e-mail rikakkuma@jcom.home.ne.jp         電話 090-4747-4192 越まで
 
収益金はすべて東北の被災地と山口県祝島に寄付します。
・主催 リカックマクラブ http://members3.jcom.ne.jp/rikakkuma/
 
 
★5.たんぽぽ舎夏休みのお知らせ
 
たんぽぽ舎(5F)は8月12日(金)~18日(木)の一週間夏休みです。
 
業務はお休みです。ご了承下さい。
なお、地震と原発事故情報は、夏休み中に2~3回発行できるよう努力します。
 
又、スペースたんぽぽ(4F)は16日(火)と18日(木)も学習会開催のため開いて
います。
16日(火)初めて又は2~3回程デモに参加した人をサポートする学習会
          放射能と原発の基礎知識、デモ参加の感想、心得・今後等を話し合う。
18日(木)ストレステストはいんちきだ!8/18学習会
の行事ですので参加歓迎。                       (柳田真)
PR
たんぽぽ舎です。【TMM:No1157】
                          転送歓迎
       ◆ 地震と原発事故情報 その142 ◆
               7つの情報をお知らせします(8月11日)
 
 ★1.「スペースたんぽぽ」8月学習会のお誘い-参加歓迎
 ★2.核燃料サイクルの中止を求めるメッセージ・緊急のお願い
      …ピースサイクルから
 ★3.花伝社の新刊書 2冊の紹介
  ★4.「情報公開怠り、住民ら被曝か」米紙、日本政府批判
  ★5.福島第二原発も一部電源喪失-危なかった原発
          「数千人、人海戦術で回避」危機一髪
  ★6.「原発やらせ」は38年前 初の公聴会から
           おこなわれていた-シンポで告発
           福島・楢葉町の傍聴希望者・住民の倍以上、指定陳述人の6割賛成派
 ★7.原発やめようニュース・2号が発行
           反原発自治体議員・市民連盟の機関紙
 
 
★1.「スペースたんぽぽ」8月学習会のお誘い-参加歓迎
 
 ◇1 初めて又は2~3回程デモに参加した人をサポートする学習会
         放射能と原発の基礎知識、デモ参加の感想、心得・今後等を話し合う。
 
・日  時:8月16日(火)18:30開場、19:00開会、21:00まで
・お  話:園  良太(東電前アクション)
             原田裕史(たんぽぽ舎)
             柳田  真(たんぽぽ舎)
・参加費:500円
 
 3月11日の東日本大震災に伴う福島第一原発事故を契機に反原発の集会やデモ
に参加した人のかなりが、初めて又は2~3回程の集会・デモの経験者だと思い
ます。そんな人たちを対象に原発や放射能についての基礎知識、自分でデモを行
いたいけどどうすればいいの、そんな反原発運動のサポートをデモ参加者の感想
を交えながら学び合いましょう。
 
 ◇2 ストレステストはいんちきだ!8/18学習会
・日 時:8月18日(木)18:30開場、19:00開会、21:00まで
・講 師:山崎久隆(たんぽぽ舎)
     真下俊樹(欧州の核に詳しい)
・資料代:500円(1部のちらしに記入された1,000円は間違いでした)
 
 玄海原発の再稼働を目前にして突如菅首相自らが打ち出した全原発のストレス
テスト。福島原発の事故を「教訓」に急遽欧州各国が行ったストレステストなる
もの「参考」にしながら行うとしたストレステストなるものが如何にインチキな
ものか、―そもそも各電力会社が行ったストレステストの精査を行う保安院自ら
が、原発推進の為に「やらせ」を各電力会社に指導したことからして、テスト内
容の如何に係らず全く信用できない事は既に明らかだが―欧州各国の原発事情に
詳しい真下氏を交え、原発再稼働に向けた単なる儀式に過ぎないことを徹底的に
暴き出します。
  9/11の経産省包囲人間のくさり行動の一環、前段の学習会です。
 
 
★2.核燃料サイクルの中止を求めるメッセージ・緊急のお願い
   …ピースサイクルから
 
●2011六ヶ所ピースサイクル3つの申し入れ先とメッセージ案
3月11日に起きた東日本大震災によって、2万人を超えるとみられる死者と行方
不明者を出し、今尚数十万人の避難者が想像を絶する困難な中で避難生活を余
儀なくされています。今、日本は、大地震による大津波、福島第一原発におけ
る原発震災によって未曾有の危機に遭遇しています。
政治の大混乱と展望の見えない中でも、全国各地はもとより世界中から被災者
支援の行動と脱原発の行動が広がりだしています。『毎日新聞』(8/2社説)
では、「危険な原発から廃炉に、核燃料サイクル幕引きを」と提起しています。
8月20~22日にかけて取り組まれる2011六ヶ所ピースサイクルでは、3つの申し
入れ先で核燃料サイクルの中止を求める行動をします。この申し入れと質疑の
際に、多くの市民からの寄せられたピースメセージを各組織に提出します。創
意工夫されたメッセージをお願いします。
締め切りは、8月17日。宛先は、1ヶ所ずつにしてください。
メールかFAXでお願いします。
 
ピースメッセージ提出先
 
◆六ヶ所村村長   古川健治様
◆日本原燃(株)社長 川井吉彦様
◆青森県知事    三村申吾様
 
甚大な原発震災を反省し、核燃料サイクルの中止を!
 
(六ヶ所村村長宛要請項目)
1. 核燃料サイクルと共栄共存はできないことがはっきりした現在、核燃料サ
イクルに頼る村政を改めてください。
2. 操業延期をくり返す危険極まりない再処理工場の再試験をさせないでくだ
さい。
3.国の安全基準は崩壊し、放射能汚染の被害が広範囲に及ぼすことを証明し
ましました。六ヶ所村は事故の責任を政府や県に転嫁できない立場であること
を肝に銘じ、活断層への危惧、住民の安全と生活を守る新たな防災計画を独自
で作成してください。
 
(原燃本社宛要請項目)
1. 核燃料サイクルは破綻しました。速やかに核燃料サイクルの要・再処理工
  場を閉鎖し、事業から撤退してください。            
2. 福島第1原発の大事故は人災であり、原子力安全委員会および原子力保安院
   の企業優先姿勢が事故を招いたことは明らかです。大陸棚外縁断層、出土西
   方断層の調査をすでに危険だと指摘している学者・専門家と共同の調査を行
   い、国民にその結果を情報公開してください。
 
(青森県知事宛要請項目)
1.大間原発の建設を即時に中止してください。
2.むつ市の使用済み燃料中間貯蔵所を閉鎖してください。
3.六ヶ所再処理工場をこのまま閉鎖してください。
4.東通原発を直ちに停止し、廃炉にしてください。
5.政府の安全基準は崩壊し、人類と核は共存できないことが証明されました。
 貴県は原子力関係の交付金などに依存しない予算編成を作ってください。
6.県民の安全を担保するために、新たな防災計画を作成してください。
7.貴県は核燃料サイクルをやめることを政府に提言し、安全な食料の供給拠
 点、自然の美しい観光拠点に立脚してください。 
    
▼メッセージの最後に、あなたの住所(都道府県・市町村)と氏名を記載ください。
●2011六ヶ所ピースサイクル宛の連絡先
  千葉県松戸市松戸1879-24ほくとビル5F T&F 047-360-6064
 メールアドレス shinji-1000party@msj.biglobe.ne.jp
  担当者…吉野信次
 
 
★3.花伝社の新刊書 2冊の紹介
 
 イ.『原発マフィア』 船瀬俊介 著
 
  日本を滅ぼすのは誰だ? 
  原発即廃止論!-日本列島になぜ54基の“戦略核地雷”が設置されたのか?
  この国を支配する原発マフィアの全貌-悪魔の所業を暴く
  日本は自然エネルギー大国!だいじょうぶ!
  こんなにあるポスト原発の選択肢
 
  目次
  第一章 地震列島に原発の狂気! A級戦犯、中曽根康弘・正力松太郎
  第二章 ウソで固めた原発“安全”神話
  第三章 情報は「出さない」「答えない」
  第四章 原発マフィアの巣窟“原子力ムラ”の腐臭
  第五章 日本抹殺? 原発マフィア、真の狙いは……
  第六章 日本は世界に冠たる「自然エネルギー大国」だ
                   2011年7月刊 2100円(税込み)
 
 ロ.『水俣の教訓を福島へ-水俣病と原爆症の経験をふまえて』
                 原爆症認定訴訟熊本弁護団 編著
 
   誰が、どこまで「ヒバクシャ」なのか?
   内部被曝も含めて、責任ある調査を!
   長年の経験で蓄積したミナマタの教訓を
   いまこそ、フクシマに生かせ!
 
  ◎ 過少評価できない放射線の内部被曝  琉球大学名誉教授 矢ヶ崎克馬
  ◎ フクシマとミナマタをつなぐもの
                熊本日日新聞論説委員・編集委員 山口和也
  ◎ プロジェクト04で明かになったこと 平和クリニック院長 牟田喜雄
  ◎ メチル水銀の長期低濃度汚染について 協立クリニック院長 高岡 滋
  ◎ ミナマタの教訓を福島にどう生かすか 元熊本学園大学教授 原田正純
  ◎ ノーモア・ヒバクシャ
               熊本県原爆被害者団体協議会事務局長 中山高光
  ◎ 原発事故にミナマタの教訓を生かす 水俣病不知火患者会会長 大石利生
   ◎ フクシマにミナマタの教訓をどう生かすか
                ノーモア・ミナマタ国賠訴訟弁護団団長  園田昭人
                                        2011年8月刊 1050円(税込み)
     上記2冊の書籍は、たんぽぽ舎でも取り扱っています
 
 
★4.「情報公開怠り、住民ら被曝か」
         米紙、日本政府批判
 
 東京電力福島第一原発の事故をめぐり、米ニューヨーク・タイムズ紙は9日付
紙面で、日本政府が緊急時迅速放射能影響予測(SPEEDI)のデータを事故直
後に公表することを怠ったために、福島県浪江町など原発周辺自治体の住民らが
被曝している可能性が高いと伝えた。
 長文の記事は、菅政権との対立で4月に内閣官房参与を辞任した小佐古敏荘・
東大大学院教授が、事故直後にSPEEDIのデータ公表を政府に進言したが、
避難コストがかさむことを恐れた政府が公表を避けたと指摘。「原発事故の規模
や健康被害のリスクを過小評価しようとする政府に対し、社会の怒りが増大して
いる」と論評した。
 そのほか、原子炉のメルトダウンを裏付けるデータ公表の遅れや、校庭での放
射性物質の基準値をめぐるぶれなども問題視した。(8/10朝日新聞より抜粋)
 
 
★5.福島第二原発も一部電源喪失-危なかった原発
       「数千人、人海戦術で回避」危機一髪
 
 東日本大震災発生後の津波で、福島第二原発の原子炉を冷やす機能の一部が三
日間失われていたことが10日、東京電力が公表した資料などで分かった。核燃料
の過熱で原子炉格納容器が損傷する恐れもあり、増田尚宏所長は国の事故調査・
検証委員会の調査に「人海戦術でかろうじて対応できた。人手が足りなければ無
理だった。危機一髪だった」と説明。福島第二も危機的な状況に陥っていたこと
が浮かんだ。
 震災直後3日間の原発危機
 国の事故調関係者によると、増田所長はヒアリングで、トラックで運んだ仮設
ケーブルが重すぎて降ろせず、新たに重機を手配するなどの混乱があったと説明。
少しずれて土曜日や夜中に起きていたら、とても収束できなかった」と話してい
る。(8/11東京新聞より抜粋)
 
 
★6.「原発やらせ」は38年前 初の公聴会から
         おこなわれていた-シンポで告発
         福島・楢葉町の傍聴希望者・住民の倍以上、指定陳述人の6割賛成派
 
 証拠隠滅の暴露にまで発展した九州電力の“やらせ”メール問題。そうした“
やらせ”は38年前、全国で初めて国が主催した原発公聴会で、すでに始まってい
たという。福島現地で反原発を訴えてきた市民の一人が9日、全国の原発の運転
差し止めを求める「脱原発弁護団全国連絡会」主催のシンポジウムで告発した。
 この日、早川住職は「やらせの原点」を告発した。国が1973年9月、全国で初
めて楢葉町で開いた福島第二原発の建設をめぐる公聴会だ。
 町民の署名運動で実現し、陳述・傍聴の希望は公募制。応募者から原子力委員
 会が指定した陳述人42人のうち、27人が賛成派だった。
「傍聴希望者は16158人で、当時の町人口の倍以上。東京電力が原発労働者に手
を回して応募させたと聞いた」と早川住職は話す。
 
 河川などの淡水の漁業者は「川の大半が汚染され、漁協の売上げが激減した。
東電は抗議するまで説明に来ず、7月になってようやく担当者が来たと思ったら
工程表の説明だけ。一刻も早く補償を」と訴えた。(8/11東京新聞より抜粋)
 
 
★7.原発やめようニュース・2号が発行
        反原発自治体議員・市民連盟の機関紙
 
  主な内容
        1面:世界一危険な浜岡原発を廃炉へ
         (7月16・17日行動の報告)
    2面:当面の行動計画 3つの方針
          (意見書。測定機購入。PPSの活用)
    3面:水道橋インフォメーション
       (10の短文・鋭い批評)
  4面:9月11日と9月19日の全国反原発行動、
         DVD6本の紹介
 
☆入手希望の方は、反原発自治体議員・市民連盟へ(会員募集中)
 
連絡・問い合わせ先
 住  所:東京都千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル5Fたんぽぽ舎内
  TELとFAX:03-5211-7199
 
※市民のご参加お待ちしています。できることがたくさんあります。
 運動を広げてゆきましょう。
たんぽぽ舎です。【TMM:No1155】
                          転送歓迎
                          重複ご容赦願います
 
       ◆ 地震と原発事故情報 その140 ◆
           6つの情報をお知らせします(8月9日)
          
 ★1 8/6 原発やめろ!デモ  流れが変わった??
 ★2 8月6日デモに参加して       柳田真
 ★3 必見!朝日ニュースター「8.6ニュースにだまされるな!」
 ★4 「平山君、君の趣意書読んだよ。僕も『もんじゅ』廃炉には賛成だよ」
       と菅首相
 ★5 もんじゅ廃炉も検討 首相、燃料サイクル見直しに言及
 ★6.原発 きしむ共闘 原水禁・連合・核禁会議 長崎大会開幕
         異なる立場 議論なく
 
★1 8/6 原発やめろ!デモ  流れが変わった??
   板前さんが、ウエイターさんが、工事のおじさんがビラを受け取った!
                    たんぽぽ舎会員 阿部則子
 
 8月6日、「素人の乱」主催による4回目のデモが、銀座で行われた。
私は銀座で行われるデモには過去何度も参加しているが、今回のデモはいつもと
違っていた。日比谷公園でビラを撒いていると、明らかに仕事中であろう工事の
人が近寄ってきて、「ビラをくれ」という。いつもだったら取ってもらえないの
が当たり前なので、渡していなかったのだ。恐縮して渡す。5時、いつものよう
に大音響を出しながら、デモが出発する。夕闇の迫る時刻ということもあって、
飲食店では開店して客待ちというところだろうか。あるいは大音響に驚いて出て
きたのだろうか。沿道には飲食店関係の人が多い。
 沿道に出て、ビラを撒く。するとどんどん受け取ってくれるではないか!驚い
たのはいつもビラなど受け取ってくれない板前さんのような人たちが積極的に受
け取ってくれたことだ。ウエイターさんと思われる制服を着た人には「ありがと
う。」とお礼まで言われた。今まで無視と無関心が当たり前だったので、感動を
通り越して、呆然としているうちにデモが終了した。
 今までの原発のあり方に多くの人が不安を抱いているのだろう。流れが変わっ
たのかもしれない。もしそうだとしたら、こうした流れを逃してはいけない。そ
う強く思った。
 
★2 8月6日デモに参加して       柳田真
                           
 8月6日(土)のデモは、数千人が参加しました。たんぽぽ舎も反原発自治体議
員・市民連盟と共同で、日比谷会場で3000枚弱のビラを配り、40人余でデモ隊列
を作り、行進しました。福島県からたんぽぽ舎会員のKさんも参加。
 デモ終了後にKさんを囲んで20人ほどで楽しく総括交流会をおこないました。
原発やめようの運動が確実に広がったと実感できた1日でした。
 ただ、3人の逮捕者が出たのは警察の不当な攻撃もあり、残念でした。(8日
夕方2人釈放)
 次の行動は、9月11日(日)午後1時から5時。あの悪名高い経産省-原子力安
全・保安院を初めて"人間の鎖1万人"(目標)で包囲して、"原発の再稼働を止め
よう"の決意を推進側に示す日。ぜひみんなで誘い合って参加しよう。
 
★3 必見!朝日ニュースター「8.6ニュースにだまされるな!」
 
 8月6日放送、朝日ニュースターの「ニュースにだまされるな!放射能汚染 
なぜ拡大したか」は必見です。たんぽぽ舎アドバイザーの菅井益郎さん、国会参
考人として熱弁をふるった児玉龍彦教授が出演しています。ゲストメンバーは実
際福島県に行って活躍している人たちなので、それぞれの発言がとても熱く圧倒
されます。
 
 再放送は 8月10日(水)午後9時から~10時55分、
      8月11日(木)午後2時から~3時55分、
            深夜1時から~2時55分です。
 
★4 「平山君、君の趣意書読んだよ。僕も『もんじゅ』廃炉には賛成だよ」
     と菅首相。
    綻びを見せ始めた「原子力村」・・・8/4「もんじゅ」を廃炉に!
    緊急院内集会に参加して。
                     メルマガ読者  千葉S
 
 8月4日、当日は同時間帯に隣の衆議院会館で小出先生の講演会があるにも拘
わらず150名以上の人々が緊急集会に集結、「浜岡原発」とならんで反原発運動
のもう一つの天王山とも言える「もんじゅ」への関心への高さが窺い知れる。
 文科省・財務省・原子力開発機構へのヒヤリングに先立ち、主催者による
「『「もんじゅ』を巡る状況」説明、呼びかけ議員からの状況説明と連帯の挨拶
があった。中でも最大のトピックは民主党平山参議院議員による暴露ネタ、民主
党政権になり「もんじゅ」予算の減額(廃止)を期待した平山議員は減額どころ
か逆に増額に抗議して、翌年には「もんじゅ廃炉」を求める趣意書を菅首相に送
り付けた。その後暫く何の音沙汰も無かったが、7月14日に突然菅首相から電
話があり菅首相自らが「平山君、君の趣意書読んだよ。僕も『もんじゅ』廃炉に
は賛成だよ」と。そして翌15日には早々に高木文科省大臣から「もんじゅ」の
開発中止も含めて検討するとも受け取れる発言が飛び出した(これは当日夕方に
は「中止検討」を意図したものではないと釈明、しかし高木議員の話を聞く限り
菅首相から「もんじゅ」廃炉について何か云われた事は確かだろう。)
 文科省・財務省・原子力開発機構へのヒヤリングにおいてもこうした菅政権の
原子力行政を巡るゴタゴタ・内部対立を反映してか、とりわけ開発当事者の開発
機構と管理監督を行う文科省及び財務省とのちぐはぐが目に付いた。
 最初に財務省へのヒヤリング。財務省担当者は主催者側からの「事業仕分けで
は『もんじゅは成果を上げていない』」との認識の変化はないか、そうであるな
らば進行しつつある「脱原発」の流れ、及び東日本大震災の復興支援への財政支
援と云った観点から「もんじゅ」に対する来年度予算の予算凍結を行うべきでは
ないかという質問に対して、監督官庁からの予算の概算要求が挙がって来ていな
いので回答できる立場にないとしながらも、我が理を得たりとばかり「まさに我
々が言いたい点もそこにあります」と開発機構との距離感を示した。
 監督官庁である文科省担当者の発言は政権の「脱原発」方針に振り回される形
で、これまでとは一転して曖昧なものに始終した。主催者からこれまでの「もん
じゅ」の税金の無駄遣いの歴史を指摘され、更に今回の「つかみ具」の落下事故
における調査・回収・部品の再発注費用が計14億にものぼりながら-「もんじ
ゅ」の炉の内部損傷の状態も判らぬまま-これ以上の費用の投入は無駄ではない
のかとの指摘に対しても、「政権の今後の指針を良く検討しながら考えていきた
い」との答弁に始終した。
 これら官僚側との答弁とは対照的に、開発機構の担当者(「もんじゅ」副所長)
は写真による図説入りで「つかみ具」の落下事故による損傷を説明、分析に万全
を尽くしている事を力説、破損した炉内中継装置も既に発注済であり試験再開へ
の意欲を示した。空気冷却装置の説明においては「ナトリウム循環」は自然の物
理法則に従った単純なものであり福島の様な事故はあり得ないとしながらも、万
が一の場合は予備電源のみならず手動によりダンパの開閉が可能であること、更
に三つの冷却系の他にテスト用の冷却系も万が一の場合は冷却機能は劣るものの
投入可能であり、対応は万全であることを強調した。しかし福島みずほ議員の次
の質問により副所長をして「この団体はそう云う団体なんですか」と云わしめる、
正に「団交」の場へと転化した。福島議員は副所長による「(臨界前)のテスト
で電源喪失を想定したテストを行い、電源喪失時においても問題無く冷却機能が
動作した」という自身に満ちた答弁に対して、「それは全ループ喪失時のテスト
なのか、それとも1ループ喪失時のテストなのか」と。当初副所省は口を濁し曖
昧な答弁は行っていたが、再度福島議員から「質問は簡単です。全ループ喪失時
のテストを行ったのか、YES か NO で答えて下さい」と詰め寄られると、ついに
副所長は「全ループ喪失のテストは行っていない。1ループ喪失のテストを行い、
それを解析して全ループ喪失時でも問題無いと判断した」と答弁、すかさず福島
議員は「全ループ時喪失時のテストは行っていない、それで結構です」と副所長
の答弁に駄目出しを押した。
 「脱原発」を掲げる菅政権の元、原子力行政の行く末が極めて不透明の中、あ
くまでも実験の継続を目論む開発機構と官庁側の答弁に温度差を感じさせる公開
ヒヤリングであったが、「核燃料サイクル」の中軸をなす「もんじゅ」は単に原
発の「燃料サイクル」という位置づけに留まらず日本の独自核武装におけるシス
テムの中軸をなすだけに、「推進派」は遮二無二に実験再開を強行することを目
論むであろうが、これを「絶対許さない」と決意も新たに会場を後にした。
(後記)翌日、海江田経産相大臣は松永和夫事務次官以下、経産省の原発関連首
脳3人を更迭した。しかしこれは菅首相自らによる更迭人事を阻止するための組
織温存を目的とした「更迭劇」であるということが専らの観測である。
 
★5 もんじゅ廃炉も検討 首相、燃料サイクル見直しに言及
 
 菅直人首相は8日の衆院予算委員会で、運転停止中の高速増殖炉原型炉もんじ
ゅ(福井県敦賀市)について、廃炉も含めて検討する考えを示した。「原発に依
存しないでもやっていける社会を目指す。依存の中には使用済み核燃料の再処理、
もんじゅも含まれる」と指摘、青森県六ケ所村にある再処理工場を含めて核燃料
サイクル政策の抜本的な見直しに言及した。
 そのうえで「この方向性を十分に議論しながら計画的、段階的に目指していく
ことが必要だ」と述べた。社民党の服部良一氏がもんじゅの廃炉を求めたことへ
の答弁。
 政府は7月29日にまとめた中長期のエネルギー戦略の論点整理で、脱原発依存
に向けて「原子力政策の総合的な検証をする」と明記した。首相は予算委で「あ
らかじめ予断を持たずに徹底的に検証する」と強調した。
 使用済み核燃料や高レベル放射性廃棄物の扱いに関しては「長期に安定的に管
理し、後世に悪影響を残さないで済むかが深刻な問題だ」と語った。使用済み燃
料の処理方法では「外国で貯蔵、処分することは現時点で考えていない」と述べ
た。
               (8月8日日経新聞電子版より抜粋)
 
★6.原発 きしむ共闘 原水禁・連合・核禁会議 長崎大会開幕
       異なる立場 議論なく
 
 原水禁世界大会の開会式を前に、脱原発のデモ行進を行う原水禁関係者=7日
午後2時15分、長崎市 原水爆禁止日本国民会議(原水禁)系の原水爆禁止世
界大会長崎大会が7日、長崎市で開幕した。初日は2005年以来、原水禁と連
合、核兵器禁止平和建設国民会議(核禁会議)が共催しているが、福島第1原発
事故後、3団体の原発への立場の違いが際立っている。7日も原発問題での実質
的な議論はなく、今後の共催に大きな課題を残した。
 「原発はどうしたんだ」。原子力の平和利用を推進している核禁会議の大山耕
輔副議長の開会あいさつが、原発問題に触れずに終わると、会場からは大きなや
じが飛んだ。電力総連も加盟し、原発へのスタンスを凍結している連合の古賀伸
明会長は、続くあいさつで「原発の信頼は失墜し、エネルギー政策のあり方が根
本から問われている」と述べるにとどめた。
 3団体は共催実現以来、核兵器廃絶と被爆者援護充実に絞って議論してきた。
事故を受け、原水禁が原発問題を議題に盛り込むよう働き掛けたが、調整は失敗
した。
 原水禁の川野浩一議長は7日のあいさつで「(平和団体が)原発問題を避けて
通ることは許されない。今大会で議論できなかったのは残念だが、早急に各団体
が方向性を明確にし、3団体としての結論を出したい」と苦悩をにじませた。
 結局、原水禁はこの日、単独で脱原発の集会とデモ行進を実施。長崎核禁会議
も別の集会を開き「原子力の平和利用を推進する団体として(事故の)徹底的原
因究明と、さらなる安全対策が講じられるよう求める」とするアピールを採択し
た。
 来年以降の共催について古賀会長は「これからの議論だが、3団体でやってき
た取り組みを壊したくない」としている。
 原水爆禁止日本協議会(原水協)系の長崎大会も7日、長崎市で始まった。
                   (8/8西日本新聞より抜粋)
たんぽぽ舎です。【TMM:No1154】
                          転送歓迎
       ◆ 地震と原発事故情報 その139 ◆
                5つの情報をお知らせします(8月6日)
 
 ★1.「スペースたんぽぽ」もう原発やめよう・8月の学習会のお知らせ
     放射能が食物・水・大地・海を汚染した!
     参加歓迎・豊富な資料と討論
 ★2.小出裕章さんの4つの小冊子の紹介
 ★3.2つのご案内
       ◎8/24マスコミ市民フォーラム夏季公開シンポジューム
         ◎さようなら原発南部アククション9.16鎌田慧講演会
 ★4.セラフィールドのMOX燃料工場が閉鎖
 ★5.保安院もやらせ
 
 
★1.「スペースたんぽぽ」もう原発やめよう・8月の学習会のお知らせ
     放射能が食物・水・大地・海を汚染した!
       参加歓迎・豊富な資料と討論
 
 ◇1 初めてデモに参加した人をフォローする学習会
      放射能と原発の基礎知識、デモ参加の感想、
      心得・今後等を話し合う。
 ・日 時:8月16日(火)18:30開場、19:00開会、21:00まで
 ・お 話:放射能や原発に詳しい人
 ・参加費:500円
 
 ◇2 ストレステストの総合批判
    原発の再稼働に反対
 ・日 時:8月18日(木)18:30開場、19:00開会、21:00まで
 ・講 師:山崎久隆(たんぽぽ舎) 真下俊樹(欧州の核に詳しい)
 ・資料代:500円
 
 ◇3 第2回お母さんお父さん向け保育付き放射能講座
    食品を検査して
 ・日 時:8月22日(月)13:30開場、14:00開会、16:30まで
 ・講 師:鈴木千津子(たんぽぽ舎) 小倉志郎(原発技術者)
      中村徹(たんぽぽ舎・保育士) 大竹なのは(保育士)
 ・資料代:800円
 
 ◇4 耳なしウサギの警告と放射能を防ぐ知恵について
 ・日 時:8月26日(金)18:30開場、19:00開会、21:00まで
 ・講 師:小若順一(食品と暮らしの安全誌(月刊)発行人)
 ・資料代:1000円
 
 
★2 小出裕章さんの4つの小冊子の紹介(たんぽぽ舎発行)
 
  どれも今回の事故を鑑みると「そうですよね」という内容ばかりです。
 
 △1「大事故の前に原子力から撤退を」-日本の原子力推進策は破綻した-
                32頁 400円(パンフNo53 2003年初版)
   小出裕章さんのたんぽぽ舎初めてのパンフです。
   京大原子炉実験所に勤めた頃の事から、原子力推進政策の破綻を、
   廃棄物・地震・六ヶ所問題やチェルノブイリ事故、そして核の問題
   まで含め、明解に解いています。
 
 △2「人類の歴史と核」 -貧困に苦しむ人々とエネルギー浪費をする人々-
                   36頁 400円(パンフNo66 2007年初版)
   ・人類に誕生とエネルギー消費
   ・JCO事故の恐ろしさと放射線被曝
   ・原子炉の考案とマンハッタン計画
   ・死の灰を作り出す原子力発電
   ・貧困に苦しむ人々とエネルギー浪費をする人々
 
 △3「地球温暖化問題の本質」-「原子力発電所」を正しく呼ぶと「海暖め装置」-
                         28頁 400円(パンフNo67 2007年初版)
   ・「炭酸ガス増加」と「温暖化」どちらが先か
   ・「原発推進」の言い分
   ・ごみ(放射性廃物)の問題
   ・原発は地震に耐えられるか
   ・「原子力発電」でなく「海 暖め装置」
   ・ねずみ算式に増えるエネルギー消費
 
 △4「危険な原発に、迫る地震の脅威」-プルサーマルはさらに危険を増やす-
                        28頁 400円(パンフNo80 2010年初版)
   ・原発は危険
   ・あらゆる被曝は危険を伴う
   ・すべては核開発のツケ
   ・プルサーマルはさらに危険を増やす
   ・地震の脅威
   ・なすべきは原発廃絶
 
 
★3.2つのご案内です
 
 ◎8/24マスコミ市民フォーラム夏季公開シンポジューム
 
  3・11 原発報道はこれでいいのか!?
  小出 五郎 さん(元NHK解説委員)
  柴田 鉄治 さん(元朝日新聞論説委員)
 
 8月24日(水)午後6:30から午後8:30まで
 渋谷区神宮前区民会館4F(原宿駅下車7分)
 元NHK解説委員の小出五郎さんと、元朝日新聞論説委員の柴田鉄治さんに
 よる講演、対談です。
 資料代500円。
 主催:NPO法人マスコミ市民フォーラム。
 お問い合わせ TEL 03-3497-8333 FAX 03-5414-5382
 E-mail:masukomi-shimin@nifty.com
 
 ※注、メールマガジン読者の伊藤大介氏からの掲載依頼原稿です。
 
 ◎『さようなら原発南部アククション9.16鎌田慧講演会』
 
    9/19集会と1000万人署名を成功させるための東京南部・大田のとりくみです。
  400人の参加をめざします。
 
  ところ:大田区産業プラザ PIOコンベンションホール  京急蒲田駅徒歩3分
  と き:9月16日(金)18:30から20:30まで
  内 容:講演-鎌田 慧
      報告-母親たちから
              福島原発事故の避難者から
  参加費:500円(高校生以下は無料)
  主 催:原発なくそう大田実行委員会
  連絡先:酒井夕起子(i女性会議)080-3012-8410
     開田泰憲(新社会党)090-5396-5147
     山内正紀(社民党)090-7808-8096
       FAX 03-3454-0259
           WEBサイト http://www.cscreate.net/nonukes/
 
※注、メールマガジン読者の石河康国氏からの掲載依頼原稿です。
 
 
★4.セラフィールドのMOX燃料工場が閉鎖
 
 ◎英のMOX工場が閉鎖へ 福島原発事故の影響で
 
【ロンドン共同】英中西部セラフィールドの原子力施設にあるプルサーマル
発電用のプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料製造工場が近く閉鎖
されることが3日、分かった。工場を所有する英政府の外郭団体、原子力廃止
措置機関(NDA)が明らかにした。 
 NDAは、福島第一原発事故の影響で、顧客である日本の電力会社が行う
プルサーマル計画の先行きが不透明になったことを理由に挙げている。
 NDAによると、同工場側と日本の電力会社各社との間で、使用済み燃料の
再利用とMOX燃料製造に関する大枠の合意があったが、特別な事情がある
場合、合意の見直しが可能との条項があるという。(8/4ロイター=共同より抜粋)
 
 ◎北電のプルサーマル計画に影響か 英国のMOX燃料工場が閉鎖
 
 英国セラフィールドにあるウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料工場
が閉鎖されるとの発表を受け、泊原発(後志管内泊村)3号機でプルサーマル発電を
計画する北海道電力は3日夜、「詳細な内容の把握を急ぎたい」(広報部)とコメ
ントした。北電は1995年、英国原子力廃止措置機関(NDA)のMOX燃料工場に、
泊原発から出た使用済み核燃料35体(約21トン)を運び込み、再処理という工程を
経てプルトニウムを抽出し現地に保管している。このプルトニウムに、ウランを
混ぜてMOX燃料に加工する予定だったが、今回の閉鎖でプルトニウムの行き先が
宙に浮いた。核兵器の原料になるプルトニウムを余分に持たないと日本は国際
公約しているため、北電は「英国に新しくMOX燃料加工工場ができるという話も
ある。状況を注視している」と話す。一方、北電は英国とは別に、フランスにも
使用済み燃料を運び込み、同国内の会社で再処理を終えている。同国の別の会社に
MOX燃料への加工を委託しており、近く製造が始まる。
 (8/4北海道新聞より抜粋)
 
 
★5.保安院もやらせ
 
 これでは泥棒を捕まえてみればお巡りさんだった、ということではないか。
中国電力と四国電力が、プルサーマル計画に関し、国が過去に主催したシンポジ
ウムをめぐり、経済産業省原子力安全・保安院から、参加者の動員や「やらせ質
問」を依頼されていたことを発表した。質問が反対派に偏るのを避けるため、肯
定的な質問をしてもらうのが目的だったという。
 原発の構造や設備などを審査し、安全を確保する役目の保安院が、プルサーマル
計画推進のために、世論を誘導しようとしたのであれば極めて罪深い。国民の信頼
を取り戻すには、事実関係を徹底的に調査し、保安院のあり方を早急に見直すしか
ない。
 発端は九州電力が、関連会社に玄海原発の再稼働を支持するメールを投稿する
よう依頼した「やらせメール」問題だった。事態を重く見た経産省が、電力各社に
調査を指示したところ、今回の「やらせ依頼が」判明した。民意を軽視するのが、
「原子力ムラ」の体質なのだろうか。国民の不信感は深まるばかりだ。
 もともと、原発推進にアクセルを踏む資源エネルギー庁と、安全確保のために
ブレーキを踏む役目の保安院が、経産省内で併存していることに無理があった。
実際、政策の意思決定に関わる幹部職員は、数年のサイクルで本省、エネ庁保安院間
を異動する。これでは、保安院が厳格な独立性を保つのは難しいはずだ。
 東京電力福島第一原発の事故で、電力会社、政府双方に対する国民の視線は厳し
さを増すばかりだ。点検を終えた原発も再稼働出来ない事態が続いている。
今回の問題で、再稼働へのハードルはさらに高まったといえるだろう。
                   (7/30毎日新聞より抜粋)
たんぽぽ舎です。【TMM:No1153】
                          転送歓迎
       ◆ 地震と原発事故情報 その138 ◆
                4つの情報をお知らせします(8月5日)
 
 ★1.8/22第2回「お母さんお父さんのための保育付き講座」のご案内
 ★2.政治無策「満身の怒り」-「原発」で衆院委出席の児玉教授
          「汚染、広島原爆29.6個分」-震災4ヵ月測定不徹底を問題視
 ★3.保安院、やらせ依頼 07年、中部電の原発シンポ
         住民動員と肯定発言
   ★4.原子力損害賠償法に上限おかしい!法案可決に抗議する
                                                                       山崎久隆
 
 
★1.8/22第2回「お母さんお父さんのための保育付き講座」のご案内
 
放射能で汚染された、空気、海、大地、水、そして食品…。
小さなお子さんのいるご家庭では、不安がたくさんあると思います。
政府やマスコミの言う「安心・安全」を、そのまま信用してもいいのでしょうか?
放射能の危険性や対応について、もっと身近に相談できる人がいたらいいのに…。
という声にお答えして、たんぽぽ舎では、
「お母さんお父さんのための保育付き講座」を開催します。
保育スペースも用意いたしますので、小さなお子さんをお連れのお母さん、お父さん、
ぜひお子さんと一緒にご参加下さい。
もちろん、おじいちゃん、おばあちゃん、 おじさん、おばさん、お兄さん、
お姉さん、 まだ出産経験のない方も、子どもの問題に関心のある方は、
どなたでもお気軽にお越し下さい、
 
・日 時:8月22日(月)13:30開場、14:00開会、16:30まで
・講 師:小倉志郎(元原発技術者)、鈴木千津子(たんぽぽ舎)
・資料代:800円
・会 場:スペースたんぽぽ
 
〇講演「わたしたちは原発と共存できない」講師:小倉志郎
 福島原発事故以後、原発に関心を持つ人は増えていますが、原発がどういう
ものかイメージできない人も多いようです。
 火力発電所と原子力発電所はどこがどう違うのか?福島原発の事故はどういう
ものだったのか?放射能汚染と内部被ばくはどういうものなのか?
 そして、これからどうしたらよいのか?元原発技術者の小倉さんの視点から、
原発の実態と危険性を学びましょう。(紙芝居もありますよ)
 
〇講演「最新!放射能と食品汚染」講師:鈴木千津子
 たんぽぽ舎で食品の放射能の測定を続けている鈴木さんのお話です。
 今回は質疑応答の時間を長めにとり、皆さんの質問にお答えしながら、
 食品汚染の最新の情報をお伝えします。
 
◎第3回は、
 日 時:9月5日(月)13:30開場、14:00開会、16:30まで
 講 師:安田節子(食政策センタービジョン21代表)
     中村徹、大竹なのは
 資料代:800円 会場:スペースたんぽぽ
 ※長く原発や食料・農業の問題に市民の視点で取り組んできた
  安田節子さんのわかりやすいお話で学びましょう。
 
 
★2.政治無策「満身の怒り」-「原発」で衆院委出席の児玉教授
     「汚染、広島原爆29.6個分」-震災4ヵ月測定不徹底を問題視
 
○先月27日の衆院厚生労働委員会に参考人として出席した東京大アイソトープ
総合センター長、児玉龍彦教授の発言が注目されている。福島原発事故で「七
万人が自宅を離れてさまよっている時に国会は一体何をやっているのか」と喝
破。子どもの健康を真剣に守ろうとしない政治家に怒りをぶちまけた。反響を
呼んだ発言をあらためて紹介する。(秦淳哉)
○当時を「枝野(幸男)官房長官が差し当たり健康にあまり問題がないと言った
が、私はこの時に大変なことになると思った」と児玉氏は振り返り、当初から
危機感があったと明かした。
 危機感の根拠は現行法が特定の場所に少量の高い放射線があることを前提と
しているためだ。
 「(こうしたケースでは、放射線の)総量はあまり問題ではなく、個々の濃度が
問題になる。(中略、しかし)われわれが放射線障害をみるときは総量をみる。
政府と東京電力は今回の福島原発事故の総量がどれぐらいか、はっきりした報告
は全くしていない」
 福島の事故による広範囲に及ぶ汚染をセンターは独自に「広島原爆の29.6個分、
ウラン換算では20個分が漏出した」と計算。「原爆による放射線の残存量が一年
で千分の一程度に低下するのに対し、原発の放射性汚染物は十分の一程度にしか
ならない」と、汚染の深刻さを解説した。
○最優先の課題として児玉氏は「汚染地で徹底的な測定をできるようにしなけれ
ばいけない」と主張。食品検査に使う最新測定器を使用しない点を挙げて、
「なぜ政府は全面的にお金を使わないのか。(現在に至るまで)そのようなことが
全く行われていないことに私は満身の怒りを表明します」と語気を強めた。 
○「高速鉄道事故の直後に車両を埋めた中国の情報隠しを笑えない。児玉氏の
指摘は正しい。経産省や電力会社などが一体となって原発建設を推し進めた
問題点に人々は気付き始めている」
(『東京新聞こちら特報部』8月3日より抜粋)
 
 
★3.保安院、やらせ依頼 07年、中部電の原発シンポ
     住民動員と肯定発言
 
○経済産業省原子力安全・保安院が、07年8月の中部電力浜岡原子力発電所の
プルサーマル発電に関するシンポジウムの際、中部電に対し、参加者の動員と
会場での発言を依頼していたことがわかった。会場での質問が反対派のみとな
らないようにするため、地元住民に原発に肯定的な発言をしてもらうものだっ
たという。
 本来は原発を監視する立場の保安院が、やらせを事実上指示していたことに
なる。中部電は依頼にもとづいて社員や下請け業者、町内会長ら地元住民に呼
びかけて参加させていた。住民向けに肯定的な発言文案も作成したが、問題が
あると社内で判断し、発言させることは見送った。29日に中部電が記者会見し
て明らかにした。
○また、同じ8月上旬には、保安院の依頼で、中部電本店原子力部グループ長
が協力を求めた町内会長ら地元住民向けに「化石資源は何年もつのか」「自然
エネルギーは原発に比べてコストが高いのでは」など原発を肯定する発言文案を
作成したという。(7/29朝日新聞夕刊より抜粋)
 
 
★4.原子力損害賠償法に上限おかしい!法案可決に抗議する
                                  《たんぽぽ舎 山崎久隆》
◎東電は免責になるか?
 「原子力損害賠償支援機構法案」という名の東電救済法案が国会に上程された。
このような恐ろしい法案は早々に廃案にすべきだ。
 このような法案を作った背景には、原子力損害賠償法免責条項の適用を主張しな
い代わりに賠償責任を負うとした東電のしたたかな戦略があると思われる。
 東電の勝俣会長は、株主総会において今回の原発震災は、原子力損害賠償法の
第三条ただし書きにある「その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によっ
て生じたものであるとき」は免責に当たるとする条文を盾に、「東電も免責になる
と考えられる」などと答弁した。これを適用されれば、被災者を救済できないから、
敢えてこの条文適用を主張せず、被災者に補償をすると言い出した。しかしこれは
全くの間違いである。そもそも東電は免責になどならない。
 異常に巨大な天災地変とは、少なくても福島第一原発を襲った津波や地震動その
ものが「異常な」ものでなければならない。地震そのものがどんなに大きかろうと、
あるいは人類史上最大の津波が発生した地震であろうと、それに直接遭遇し被災し
ない限りは「異常な天変地変」に遭遇したなどと言えない。しかるに、東電は単に
東北地方太平洋沖地震のエネルギーがマグニチュード9であるから、免責に当たる
などと言い出した。全くのデタラメである。
 原倍法の立法段階で、免責についてどのように考えられていたか、参考となる
文献がある。ジュリスト190号の加藤一郎「原子力災害補償立法上の問題点」で
ある。少し長いが引用する。
 (2)免責事由
 「一般理論からすれば、不可抗力が一般的な免責事由になる。不可抗力としては、
戦闘行為(たとえば爆撃)地震、風水害などが考えられるが、その内容は必ずしも
明確でない。地震の例をとれば、
 第一に、一般に起りうる程度の地震で原子炉が破壊されたとすれば、それは不可
抗力ではなく、はじめからの設計や管理に瑕疵があったことになり、現行法の下で
も責任が生じうるであろう。その場合に、どの程度の地震が一般に起りうるものと
考えてよいかという基準の問題が起るが、原子炉では、ひとたび事故が起れば大災
害の生ずるおそれがあるから、少なくともわが国でわれわれの経験した最大の地震
にも堪えうるようになっていなければいけないし、さらに、それに相当の余裕を見
て科学的に予想しうる最大の地震にも堪えうるようにしておくべきであろう。この
ように同じく不可抗力といっても、原子炉のように危険性が大きくなれば、その範
囲を狭めて考えていくのが合理的だと思われる。
 第二に、それでも、われわれの予想をこえるような大地震が起きれば、それはい
ちおう不可抗力といわざるをえない。それも、そもそもそういう危険のある施設を
作ったために被害が起ったのだから、設置者が責任を負うべきだという絶対的な無
過失責任も立法論として考えられるが、因果関係の点からいえば、その場合には、
施設の設置と損害の発生との間の因果関係が不可抗力によって中断されているとも
見られるから、少なくとも一般理論からすれば責任を認めることは困難であろう。」
 では、東日本太平洋沖地震は「我々の経験した最も大きな地震を超えたか」が問
題である。先に述べたように、地震のエネルギー自体は問題ではない。海溝地震で
ある以上、震源は海の下。最も強大なエネルギーは海底に生じた。その結果巨大な
津波は発生したいが、最も高い波が襲ったのは宮城県であり、福島ではない。福島
第一原発を襲った津波の波高は東電自身が13m程度と見なしており、最大級の宮古
における波高の半分程度だ。また、地震動は600ガルであり、これは福島第一原発が
見直された耐震設計審査指針に基づき自ら設定した基準地震動とほぼ同じである。
 津波も地震も、およそ常識的な範囲であり、とても「我々の経験した最も大きな」
ものなどではない。第一、これよりももっと大きな揺れにより被災した柏崎刈羽原
発(中越沖地震)では炉心溶融は起きていない。さらにもっと高い津波に襲われた
女川原発でも炉心は破壊されていない。何処をとっても「免責」になどなるわけが
ない。
 
◎東電を破綻処理せよ
 福島第一原発が炉心溶融を起こした最大の理由は、地震と津波への備えがそもそも
なっていなかったからだ。地震に遭遇した段階で、既に外部電源を全て失った。
送電線が全て遮断され、以後10日間も復旧しなかった。さらに非常用ディーゼル発電
機はタービン建屋の地下にあり、津波の浸水で壊滅した。この津波、13mもあったか
ら電源が破壊されたというわけではない。敷地標高はわずか10m、つまりこれを超え
る津波が侵入したら持たなかったのだから、10mだろうと13mだろうと何ら違いは
無い。また、確率的安全性評価においては、既に明確に示されていたことだが、敷地
内にある海水ポンプが冠水したら、もはや原子炉を冷やすことは出来なくなる。これ
は津波波高わずか6mで達してしまう。
 福島第一原発はそもそも6m程度の津波で破壊される原発だった。
 設置許可申請書には、想定する津波高を「3.1m」としている。もともと3m程
度の津波しか対策していなかった。それを2002年に過酷事故対策の一環として行われ
た土木学会の再調査において、津波波高を「5.7m」と修正したが、それに対して
設備の対策はなぜか海水ポンプをわずか「20センチ」かさ上げしただけであった。
これでは何もしないに等しい。つまり、もともと3mにしか耐えられない設備を作って
おきながら、それをある日突然「5.7m」に耐えられると机上の空論を書き上げた
ということになる。
 そのうえ地震動についてももともと300ガル程度の揺れしか想定せずに作った原発
を「600ガルの基準地震動にも耐えられる」という評価結果をでっちあげていたが、
その化けの皮がはがれ、実際に600ガルに襲われて、もろくも崩壊していった。
 東電のデータ偽造、ねつ造事件は2002年に大きな問題になり、全原発停止に至った
のだが、同時にこのような「偽装」をしていたことは保安院から指摘されなかったた
め、放置された結果が最悪の原発震災であった。
 これは重過失以外の何物でも無い。東電を破綻処理し、解体後に新しい体制に作り
替えなければ、また繰り返されるだけだ。
 
◎発送電分離は東電から
 東電を解体し、必要な資産売却を行えば、10兆円程度の補償は可能になる。特に
送電施設などは大きな試算価値があり、少なくても関東一円に電力を供給する事業
つまり送電事業は何ら打撃を受けているわけではない。
 発送電分離をした後に、原発は破綻処理会社に移行し、火力などの発電設備を持つ
発電会社を別に作り、送電会社との間で通常の売買契約を結べば良い。損害賠償は破綻
企業が東電の資産を売却した資金をもとに引き継ぐ。発送電会社や発電会社は資産を
取得する際に生ずる負債を債券化して売り出せば良い。もともと損失など出ない会社
だったのだから、そのうえ原発を切り離しているのだから、債権が売れないはずはな
い。発送電会社が適切な価格で自然エネルギーからの買い取りを行うよう、この社債は
政府が条件を付けて引き受ければ良い。
 原倍法に上限を設けるなどと言う愚かなことを自民党や民主党は考え出したらしいが、
それをさせてはならない。いまですら賠償を値切ることを平気で始めている東電が、
そのまま温存されたうえに原倍法に上限が出来るようなことになれば、以後、原子力
災害は際限なく繰り返されるだけだ。
 
(注)以上の文章は、「原発いっしょになくそうよせあつめ新聞」の巻頭言なので、
「発行後、数日後に掲載」のルールのため、執筆後数日経過しての掲載です。
 -編集担当。
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