NUCLEAIRE
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┗■3.避難者3%・・津波過大予報は役所の“保身"
| いちばん影響を受けるはずの海岸近くに住む人々が繰り返される
| 過大な予報に「慣れてしまう」のは、科学的で正確な津波予報が
| 出来ていないせい
| 「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」コラムその60
└──── 島村英紀(地震学者)
○ 先週の7月12日の早朝4時すぎ、東北地方一帯に津波注意報が出た地震が起きた。
震源は福島県沖、マグニチュード(M)は6.8だった。これは東日本大震災(東北地方太平洋沖地震=2011年)の余震で、昨年10月26日のM7.1以来の大きめの余震だった。このクラスの大きさの余震は、東日本大震災以後9個目である。
東北地方太平洋沖地震はM9。いままで世界で起きた大地震の例だと、余震は数十年以上も続くことが多い。また最大の余震はMが本震よりも1ほど小さいものが起きた例が多い。
その意味では、東日本大震災の余震はこれからも続くし、中には大きなものも起きる可能性はまだ残っている。
今回の震源は福島県いわき市の沖140キロ。陸からは遠かったので、陸地での最大震度は4だった。もし震源がもっと陸に近ければ震度はずっと大きくて被害も大きかった可能性が強い。
○ 地震の4分後の4時26分に気象庁は福島、岩手、宮城の3県に津波注意報を出した。「福島では4時40分、宮城と岩手では4時50分頃から予想される津波の高さ1メートルの津波の第1波が到着する」というものだった。1メートルとは「養殖いかだが流失し小型船舶が転覆する」津波だ。
これを受けて岩手、宮城両県では合わせて9市町村が避難指示か避難勧告を出した。勧告の対象は少なくとも計約1万1千世帯、2万6千人に上った。なぜか福島県内では指示、勧告はいずれも出なかった。
気象庁の発表を受けてラジオやテレビでは津波注意報を流し「第一波がたとえ小さくても後から大きい津波が来ることがある」と繰り返し注意をうながした。
しかし、実際に避難したのは全体の3%ほど、わずか858人だったことが報道されている。
そして実際の津波も岩手県大船渡市と宮城県石巻市鮎川で20センチ、あとのところはそれよりもずっと小さかった。
じつは東日本大震災の大きな余震としてはひとつ前の昨年10月26日のM7.1のときも、岩手、宮城、福島の3県のほか、茨城県や千葉県の九十九里や外房にも「最大1メートル」という津波注意報が出た。だが実際に来たのは岩手と宮城でせいぜい30センチ、茨城と千葉では検知できないほどだった。
○ 前にもこの連載で書いたことがあるが、津波注意報や津波警報が信用できないことが繰り返されてきている。
お役人にとっては大きめな予報を出し、避難を指示すれば、もし大きな津波が襲ってきたときの「保身」には役立つだろう。
しかし、いちばん影響を受けるはずの海岸近くに住む人々が、繰り返される過大な予報に「慣れてしまう」のは、科学的で正確な津波予報が出来ていないせいなのである。 (7月18日『夕刊フジ』より)
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┗■4.新聞より5つ
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◆関電、歴代首相に年2千万円 計7人 72年から18年献金
内藤元副社長が証言 痛烈な自己批判だ
(7月28日朝日新聞見出し)
◆ヨウ素剤初の住民配布 規制委指針 川内原発5キロ圏、2400人
九州電力川内(せんだい)原発が立地する鹿児島県と薩摩川内市は二十七日、原発事故時に甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤を、原発から半径五キロ圏の住民に一斉配布した。原子力規制委員会の指針に基づくヨウ素剤の配布は全国で初めて。東京電力福島第一原発事故でヨウ素剤の配布に時間がかかったことを教訓に、事前に配布して万一の場合に備える。(後略)(7月28日東京新聞朝刊より抜粋)
◆安定ヨウ素剤とは 甲状腺被ばく防ぐ 指示受けてから服用
(前略)
Q 副作用は。
A 飲んだ時に発信や嘔吐、胃痛、息切れなどの症状が報告されています。
体調に異変が起きた時はすぐに医師や薬剤師に相談してください。
(後略)(7月28日東京新聞朝刊より抜粋)
◆原発再稼働を「強行」と批判 菅元首相
菅直人元首相が二十七日、松山市内で講演し、原発再稼働の動きについて、原子力規制委員会の新規制基準が住民の命や避難を対象にしていないと指摘した上で「安倍政権は、規制委の審査を満たせばよいとして強行しようとしている」と批判した。
菅元首相は、九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)が新規制基準を満たしたことに対し「規制委の審査は、付近の住民の命が本当に大丈夫か、安全に退避できるかなどの重要なことが抜けている」と述べた。
(後略) (7月28日東京新聞朝刊より抜粋)
◆原発避難 悩む米仏韓 福島教訓に計画見直し論
原発大国 避難に不安 米国 区域外の半島「逃げ場ない」
仏国 老人施設、少ない移動手段 韓国 周知行き届かず