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たんぽぽ舎です。【TMM:No2561】
2015年8月11日(火)地震と原発事故情報-1つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
┏┓
┗■1.再稼働は犯罪である。事故が起こればもちろんのこと、
| 仮に事故が起きなかったとしても、準備も態勢も整わない再稼働は、
| それそのものが犯罪行為
| 検察審査会による強制起訴と原発再稼働の関係とは
| 川内原発をケースに考える
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
7月31日に福島第一原発事故に関連した検察審査会による「起訴」議決は、東電の元取締役3名についてだから、具体的に再稼働を行おうとする原発とは直接関係なく、差し止める効力はないと国や他電力は考えているのかも知れない。
しかし世の中そんなに甘くはない。
確かに法的に川内原発などの原発が再稼働することを直接止めるには、それぞれに対する差止訴訟が一番近道であることは間違いないが、この起訴議決は経営者のみならず再稼働を容認した、あらゆる関係者に対して影響があり、大きな歯止めになる。
1.業務上過失致死傷罪
福島第一原発事故が現在も11万人を超える人々に避難を強いている現実など、大規模な被害を与え続けている点は大きい。業務上過失致死傷罪に認定された人数は限られるが、背景にある大勢の被災者の存在は大きかった。
将来起きた場合の事故の影響範囲がどれくらいのものになるかにより結果は違ってくる可能性があるが、大気中への放射性物質拡散事故となれば、多くの人々が避難を強いられ、生産活動が出来ない地域が出現するだろう。一方、検審の議決には「人格権」という言葉そのものは出てこないが、双葉病院の入院患者や作業を行った自衛隊員等についての死亡ないし負傷の事実をもって業務上過失致死傷罪を認定している。川内原発など再稼働をした原発で発生する事故が、結果として死傷事故になれば当然、同様の認定がされる可能性が高くなる。
今後起きる事故が、福島第一原発事故の規模に至らない場合でも、多数の住民避難を含む災害になれば、一定の前提条件の下に適用される可能性が生ずることになる。
事前に繰り返し警告されてきたにもかかわらず、原発を再稼働して事故を引き起こし、大量の放射性物質を環境中に放出し、そのため多くの住民が被曝し、従業員を含め死傷者が出たら経営者だけではなく再稼働を容認した関係者にも、その職責に応じた責任が問われるであろう。
具体的には規制委員を含む規制庁、経産省などの公務員、自治体の長や議員、そして事業者の意思決定責任者である。
2.予見可能性の適用・国の機関
業務上過失致死傷罪が成立するには業務上の注意義務に違反した事実が認められなければならない。
「本件地震、本件事故に関し、被疑者らには業務上の過失がある」とするためには、そのような地震、事故を予見できたと認定する必要がある。
検察は「出来ない」と判断していたが、検察審査会は出来ると判断した。
1997年の7省庁手引きから2002年の地震研究推進本部(推本)の長期評価まで、国の機関による津波評価があったにもかかわらず、実効性のある対策は取られなかった。それどころか長期評価の表現を巡り東電などが圧力を掛けていた。
これに対して検審の議決は次のように述べている。「推本の長期評価は権威ある国の機関によって公表されたものであり、科学的根拠に基づくものであることは否定できない。」「大規模地震の発生について推本の長期評価は一定程度の可能性を示していることは極めて重く、決して無視することができないと考える。」
東電自身が「予見」したと認定されるよりも遙か以前から、国の専門機関は太平洋沖の日本海溝沿いに巨大津波を生じさせる地震を想定した。議決では「これらに共通して言えるのは、原発事故が深刻な重大事故、過酷事故に発展する危険性があることに鑑み、その設計においては、当初の想定を大きく上回る災害が発生する可能性があることまで考えて、「万が一にも」、「まれではあるが」津波、災害が発生する場合までを考慮して、備えておかなければならないということである。」と指摘している。
川内原発についても、火山学会などの専門機関や専門家は「火山ガイドラインは不十分」「噴火を未然に察知して使用済燃料を移送するのは困難」との見解を明らかにしてきている。これらは「万が一にも」あってはならない火山災害に伴う原発災害を防止することは困難と、火山の専門家や専門機関が指摘し、警告しているのだから、それを押して原発の再稼働を強行すれば、専門機関の警告を無視して引き起こされた原発災害だから、予見可能性が適用され、厳しい責任追及がなされることになる。
3.事故を予見し対策する理由
原発が過酷事故を起こせばどうなるかは、チェルノブイリ原発事故で世界中に示された。これほどの大災害を繰り返しても良いとして原発を推進する国も人もいない。自然災害によりチェルノブイリ原発事故を繰り返さないように、あらゆる対策は立てられるのである。およそ地上にあるありとあらゆる産業施設、設備の中で、最も高い強度で津波や地震などの自然災害に備えねばならないのが原子力(核)施設だということだ。
川内原発においても、例えば火砕流に巻き込まれればおよそ格納容器を含めて放射能を封じ込めることは不可能となることは自明だ。福島第一原発の場合は使用済燃料は救えたが、今度は全部巻き込まれるだろう。そうなると2炉心分の燃料では済まない放射能が拡散される。そのような災害を防ぐためには予見し対策する義務がある。
4.予見可能性の適用・津波
これまでにおよそ発生したことがない、未曾有の事故であるならば、原子力損害賠償法第三条ただし書きにある「異常な天災や地変」にあたり、免責であると主張できる可能性がある。しかし東電はそうしなかったし、国もそれが認められるとはいわなかった。理由は、認められる余地がないからだ。
株主総会では法的知識の無い株主の一部からそういった主張がされるが、東電は「被災者救済を優先した」などと驚くべき説明を繰り返してきている。勝俣会長時代は「可能性はある」と言ったことさえある。しかし実際にはあり得ない。
異常な天災や地変であるためには、歴史上計測されたことがない規模のものが、確率的に極めて小さい自然現象で発生する場合である。例えば隕石落下の直撃などと、過去の国会答弁で例示されたことはあった。
今回の津波は、国の機関や地震学者が指摘した地点において、想定された規模で発生したものであり、過去の歴史に基づき、同程度の津波被害は原発の周辺区域である南相馬市でも確認されていた。日本の沿岸域では津波の被害が予見可能性どころか実際に経験されていたものである。仮に異常な天災地変であったとしても、それが予見されていたのならば、必要な対策を取るのが当然である。その対策には運転を止めることだけで無く、対処不能として原発を廃止することも含まれるのは当然のことである。
5.予見可能性の適用・噴火
火山噴火は九州地方で有史以前に繰り返されたことは歴史的事実であり、いずれは再来するだろうと考えられている。九州全域をも越える噴火災害が起きたとしても、火山史から知ることが出来る規模を超えない限り「異常な天災地変」などとは言えない。
近年でもピナツボ火山の噴火やセントヘレンズ火山の噴火は有史以後に起きた大噴火だ。大正噴火規模の桜島噴火でさえも「未曾有の」というには小さい。
しかし原発にとっては、そのクラスの噴火でさえ影響を受ける。ましてや破局カルデラ噴火が姶良(あいら)カルデラで発生したら原発は崩壊するだろう。それでも「異常な天災地変」ではないのである。
6.予見可能性の適用・溢水勉強会
日本では臨界事故(志賀原発及びJCOで)が起きていた時に、フランスでは世界初の海水浸水事故による原子炉緊急事態が起きていた。
以下、規制庁の資料から、何が起きていたかを詳述する。
--------------------------
ルブレイエ原子力発電所は、ボルドーの北、ジロンド河口に位置している、4基の95.1万kw加圧水型軽水炉がある。1、2、4号機が運転中、3号機が定期検査中という状況で、1999年12月27日から28日夜にかけて記録的な嵐に見舞われた。日本と同様に海岸線に立地している原発なので高潮の被害を受けることになった。
海水や河川水の浸水被害を想定した防護対策が不十分であったことで、発電所のボーラーシステムおよび安全関連系統の多くの区画が浸水した。
強力な低気圧により海面が上昇すると共に、最大風速56mに達する強風により吹き寄せられた海水がジロンド河口に押し寄せた。これが堤防内に氾濫し、ルブレイエ原子力発電所の敷地の一部が浸水した。
1号機と2号機が洪水の影響を最も受け、3号機と4号機は室内に僅かの水が浸水した。送電網にも支障が生じた。
全号機の225kV補助電源設備が24時間機能喪失し、2号機と4号機の400kV送電網が数時間喪失した。400kV送電網が復旧するまで、非常用ディーゼル発電機による電力は正常に供給された。
原子力発電所の北側に位置するダクトの覆い板に水が浸水し、管理建屋と共通補助建屋の地下階層に浸水した。1号機と2号機の区画では、扉や開口部を通じて海水が広がり、電気室の地下階部分、海水ポンプ室の接続トレンチ、周辺建屋と燃料建屋の地下階に達した。この浸水により次の系統が電源喪失した。
1号機のエッセンシャル・サービス水系(ESW)のA系列、1、2号機それぞれの低圧注入系と格納容器スプレイ系の両系列。
この浸水の結果、1、2号機は、一次系の冷却に蒸気発生器を使用し、余熱除去系(RHR)で停止状態にもっていった。一方、4号機は高温停止状態から再起動した。
--------------------------
これに対するJNESの記述は「日本の源発は津波対策を取っているから安全性が損なわれることはない」といった信じがたいものだった。しかしこうは言いながらも「インド洋沖津波の経験情報を用い、検討を実施することは有意義である」として、2004年に発生したスマトラ島沖地震に伴う津波災害に関して気になる様子を見せている。さらに「外部事象(津波)による溢水及び内部溢水の両方に対する施設側の溢水対策(水密構造等)の実態を整理しておく必要がある。」として、原子力事業者の内部でも注意喚起が測られていることが推測される。
これを受けるようにして、2006年1月には保安院・JNES・電事連等による「内部溢水、外部溢水勉強会」が開かれている。
更に東電でも2006年から社内で溢水勉強会が何度も開催されていることが分かっている。その第3回目で敷地を超える津波について議論されており、全電源喪失も想定されていた。東電は、次の章に述べる浸水被害の恐ろしさを認識していないと言うことはあり得ない。むしろ全電力でも最も強く感じていたはずである。だからこそ、10m盤から4m盤にかけて地下トレンチを敷設して海水管の損傷に備える防護対策を取ったのである。海水管からの漏えいよりも、もっと厳しくなる外部溢水について対策をしなかったのは、防潮堤を含む費用が1000億円規模になることが分かったからであり、長期に運転を止めている柏崎刈羽原発の再稼働準備に巨額の費用を投じている時に、さらに巨額の費用負担が出来ないと考えて先送りをしたのだ。地震と津波対策については、川内原発にも同様の問題が発生している。
地震の規模を想定する際に、これまでよりも原発に近い位置にある断層について、国の地震調査研究推進本部(推本)がより大きな地震になり得る断層を公表している。さらに津波についても「想定の倍半分の誤差」という観点から見れば小さすぎる。これらを勘案すれば東電と同様に免震棟の建設以前に再起動しようとする九州電力の「先送り」方針で大惨事になる危険性がある。
7.予見可能性の適用・水没していた非常用ディーゼル
溢水勉強会は、単なる事例研究会などではなかった。具体的に浸水事故を起こしていた東電にとっては、海水侵入の危険性は十分すぎるほど理解できていたはずだからだ。東電では海水浸水被害は、それなりに「深刻」に捉えられていた事件が起きていたのである。
1991年10月31日、1号機格納容器冷却系統に送られている海水配管が、地下で漏水を起こした。たまたま近くにタービン建屋があったため、漏えいした海水はタービン建屋に浸水、設置されていた非常用ディーゼル発電機の下部を水没させる事故になった。
このため、発電機1台が長期間にわたって使用不能となる。非常用ディーゼル発電機は2台あるが、2台とも緊急時に起動できなければならない。点検中に短時間解列することは認められるものの修理のため長時間解体することは認めていないため、その間は運転できない。
この事件の後に海水管はトレンチに収納され、点検管理と修理が出来るようになった。それまで埋めっぱなしというのも驚くべき事だが、それが点検可能になるのが運転から20年もたった後のことだというのも驚きである。
このような事故を起こしたので、発電機水没のリスクを思い知ったはずだ。吉田所長も「原発にとって最大の事故」とまで言っている。しかしこの時は外部電源が健全であり、過酷事故と結びつけられることはなかった。
米原子力規制委員会NRCの分析でも、炉心溶融に至る事故は、電源喪失が最も大きい原因としている。地震が起きれば外部電源は期待できないことは東電も当然のこととしていた。従って地震時に頼れる電源は非常用ディーゼル発電機だけなのは共通理解だった。その発電機が水没すれば一巻の終わりであることを認識しつつ水没させた東電の行為は、過酷事故を予見しながら6号機の1台を除いて溢水に強い作りにしなかったこと、さらに6号機の一台を溢水に強い空冷設備として設置したのに、1~4号機に連絡線を敷設しなかったため電力を送れず、生き残ったディーゼル発電機は5、6号機の冷却にしか使えなかったことを含めて、予見しながら対策しなかった東電の責任である。
川内原発の場合も似たことが起きている。外部電源を強化し、非常用ディーゼル発電機が使えない場合でも外部電源で供給できるほどの対策をしているかと言えば、そんなことはしない。非常用ディーゼル発電機が使えない場合に備えているのは、もっと信頼性が低い電源車であり、外部接続線である。
耐震Sクラスで設備されている安全保護系回路が破壊されるような事態で、耐震クラスさえない外部の電源車や接続設備が耐えられると考えているのならば、あまりに楽観的である。実際の地震にさえ遭遇したことのない設備を、緊急時に当てにせよとする発想自体が、安全設備に対する理解の欠如を物語っている。これでは事故を準備しているに等しい。
8.予見可能性・蒸気発生器
川内原発は加圧水型軽水炉であり、福島と異なる大型設備「蒸気発生器」を持っている。この装置は巨大なので地震の影響を大きく受ける。それだけではない。
蒸気発生器内部の細管は、直径21ミリ、厚さ1.3ミリのインコネル(ニッケル・クロム・鉄の合金)製の管であるが1台の蒸気発生器に約3400本もある。
川内は3ループ式なので3台ある。合計11000本を超える。1本でも破断すれば炉心から冷却材が失われる事故になる。1992年に発生した美浜原発2号機の細管破断事故では原子炉頂部に空げきが生じたが、運転中には誰もそれを認識していなかった。原子炉への注水は高圧注入系で行われていたが、これを止めてしまってメルトダウンを引き起こしたのが1979年のスリーマイル島原発事故である。
1号機は既に新しい蒸気発生器への交換が終わっている。ところが2号機は新品の蒸気発生器を倉庫にしまったまま、30年ものの老朽化したものをそのまま使う予定になっている。交換用のものがあるにもかかわらず交換工事をしないで運転するとは、より安全性を高める努力放棄して再稼働ありきの事業者の姿勢を表している。安全よりも経済優先、命より金という態度がここでも露骨に表れている。交換したからといって劇的に安全性が向上するわけではない。蒸気発生器が新しくなるだけで、原発の事故確率を大幅に下げる効果は無い。しかし美浜原発2号機のような蒸気発生器の細管損傷は地震の際に最も懸念されることでもあり、さらに2号機の蒸気発生器の細管は厳しい状態にあることが予見される。
その対策をしないで蒸気発生器の細管破損をきっかけとした重大事故が起きれば直ちに、その責任を問われることになるのである。
9.事故時に避難も出来ない
原発の再稼働を「認可」するのは誰なのか。原子炉等規制法では、認可手続きは経産大臣の所管事項であるが、事故後の手続きは極めて曖昧になっている。
実際には、再稼働というのは川内原発1号機にとっては「第21回定期点検の終了」に過ぎない。定期点検の最後には、総合負荷試験があり、その合格証をもって営業運転入りが可能と言うだけである。
ただし、今回は原子炉等規制法に基づく原子炉設置変更許可申請が加わっているので、許可の手続きと、その工事を行うための工事計画認可申請手続きがあった。さらに保安規定の変更申請もあるので、その審査結果も出された。また、30年を超える原発に義務づけられている「高経年化技術評価等に係る原子炉施設保安規定変更認可申請」(いわゆる老朽源発の技術評価)が、むりやり8月5日に認可された。
行政手続き上は、これらが進めば再稼働できると考えているのかも知れないが、重大事故が起きた時に必要な災害対策、住民避難などはほとんどまともに策定されていないし、誰が再稼働を承認したのかもはっきりしない。すくなくても30km圏内の住民、自治体の了解があったわけではない。
防災計画も作れないまま、既成事実として原発の運転が強行されるのであれば、3.11とは一体何だったのか、深刻な問題と言わなければならない。
以上、あらゆる観点から、再稼働は犯罪である。事故が起こればもちろんのこと、仮に事故が起きなかったとしても、準備も態勢も整わない再稼働は、それそのものが犯罪行為である。
2015年8月11日(火)地震と原発事故情報-1つの情報をお知らせします
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┗■1.再稼働は犯罪である。事故が起こればもちろんのこと、
| 仮に事故が起きなかったとしても、準備も態勢も整わない再稼働は、
| それそのものが犯罪行為
| 検察審査会による強制起訴と原発再稼働の関係とは
| 川内原発をケースに考える
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
7月31日に福島第一原発事故に関連した検察審査会による「起訴」議決は、東電の元取締役3名についてだから、具体的に再稼働を行おうとする原発とは直接関係なく、差し止める効力はないと国や他電力は考えているのかも知れない。
しかし世の中そんなに甘くはない。
確かに法的に川内原発などの原発が再稼働することを直接止めるには、それぞれに対する差止訴訟が一番近道であることは間違いないが、この起訴議決は経営者のみならず再稼働を容認した、あらゆる関係者に対して影響があり、大きな歯止めになる。
1.業務上過失致死傷罪
福島第一原発事故が現在も11万人を超える人々に避難を強いている現実など、大規模な被害を与え続けている点は大きい。業務上過失致死傷罪に認定された人数は限られるが、背景にある大勢の被災者の存在は大きかった。
将来起きた場合の事故の影響範囲がどれくらいのものになるかにより結果は違ってくる可能性があるが、大気中への放射性物質拡散事故となれば、多くの人々が避難を強いられ、生産活動が出来ない地域が出現するだろう。一方、検審の議決には「人格権」という言葉そのものは出てこないが、双葉病院の入院患者や作業を行った自衛隊員等についての死亡ないし負傷の事実をもって業務上過失致死傷罪を認定している。川内原発など再稼働をした原発で発生する事故が、結果として死傷事故になれば当然、同様の認定がされる可能性が高くなる。
今後起きる事故が、福島第一原発事故の規模に至らない場合でも、多数の住民避難を含む災害になれば、一定の前提条件の下に適用される可能性が生ずることになる。
事前に繰り返し警告されてきたにもかかわらず、原発を再稼働して事故を引き起こし、大量の放射性物質を環境中に放出し、そのため多くの住民が被曝し、従業員を含め死傷者が出たら経営者だけではなく再稼働を容認した関係者にも、その職責に応じた責任が問われるであろう。
具体的には規制委員を含む規制庁、経産省などの公務員、自治体の長や議員、そして事業者の意思決定責任者である。
2.予見可能性の適用・国の機関
業務上過失致死傷罪が成立するには業務上の注意義務に違反した事実が認められなければならない。
「本件地震、本件事故に関し、被疑者らには業務上の過失がある」とするためには、そのような地震、事故を予見できたと認定する必要がある。
検察は「出来ない」と判断していたが、検察審査会は出来ると判断した。
1997年の7省庁手引きから2002年の地震研究推進本部(推本)の長期評価まで、国の機関による津波評価があったにもかかわらず、実効性のある対策は取られなかった。それどころか長期評価の表現を巡り東電などが圧力を掛けていた。
これに対して検審の議決は次のように述べている。「推本の長期評価は権威ある国の機関によって公表されたものであり、科学的根拠に基づくものであることは否定できない。」「大規模地震の発生について推本の長期評価は一定程度の可能性を示していることは極めて重く、決して無視することができないと考える。」
東電自身が「予見」したと認定されるよりも遙か以前から、国の専門機関は太平洋沖の日本海溝沿いに巨大津波を生じさせる地震を想定した。議決では「これらに共通して言えるのは、原発事故が深刻な重大事故、過酷事故に発展する危険性があることに鑑み、その設計においては、当初の想定を大きく上回る災害が発生する可能性があることまで考えて、「万が一にも」、「まれではあるが」津波、災害が発生する場合までを考慮して、備えておかなければならないということである。」と指摘している。
川内原発についても、火山学会などの専門機関や専門家は「火山ガイドラインは不十分」「噴火を未然に察知して使用済燃料を移送するのは困難」との見解を明らかにしてきている。これらは「万が一にも」あってはならない火山災害に伴う原発災害を防止することは困難と、火山の専門家や専門機関が指摘し、警告しているのだから、それを押して原発の再稼働を強行すれば、専門機関の警告を無視して引き起こされた原発災害だから、予見可能性が適用され、厳しい責任追及がなされることになる。
3.事故を予見し対策する理由
原発が過酷事故を起こせばどうなるかは、チェルノブイリ原発事故で世界中に示された。これほどの大災害を繰り返しても良いとして原発を推進する国も人もいない。自然災害によりチェルノブイリ原発事故を繰り返さないように、あらゆる対策は立てられるのである。およそ地上にあるありとあらゆる産業施設、設備の中で、最も高い強度で津波や地震などの自然災害に備えねばならないのが原子力(核)施設だということだ。
川内原発においても、例えば火砕流に巻き込まれればおよそ格納容器を含めて放射能を封じ込めることは不可能となることは自明だ。福島第一原発の場合は使用済燃料は救えたが、今度は全部巻き込まれるだろう。そうなると2炉心分の燃料では済まない放射能が拡散される。そのような災害を防ぐためには予見し対策する義務がある。
4.予見可能性の適用・津波
これまでにおよそ発生したことがない、未曾有の事故であるならば、原子力損害賠償法第三条ただし書きにある「異常な天災や地変」にあたり、免責であると主張できる可能性がある。しかし東電はそうしなかったし、国もそれが認められるとはいわなかった。理由は、認められる余地がないからだ。
株主総会では法的知識の無い株主の一部からそういった主張がされるが、東電は「被災者救済を優先した」などと驚くべき説明を繰り返してきている。勝俣会長時代は「可能性はある」と言ったことさえある。しかし実際にはあり得ない。
異常な天災や地変であるためには、歴史上計測されたことがない規模のものが、確率的に極めて小さい自然現象で発生する場合である。例えば隕石落下の直撃などと、過去の国会答弁で例示されたことはあった。
今回の津波は、国の機関や地震学者が指摘した地点において、想定された規模で発生したものであり、過去の歴史に基づき、同程度の津波被害は原発の周辺区域である南相馬市でも確認されていた。日本の沿岸域では津波の被害が予見可能性どころか実際に経験されていたものである。仮に異常な天災地変であったとしても、それが予見されていたのならば、必要な対策を取るのが当然である。その対策には運転を止めることだけで無く、対処不能として原発を廃止することも含まれるのは当然のことである。
5.予見可能性の適用・噴火
火山噴火は九州地方で有史以前に繰り返されたことは歴史的事実であり、いずれは再来するだろうと考えられている。九州全域をも越える噴火災害が起きたとしても、火山史から知ることが出来る規模を超えない限り「異常な天災地変」などとは言えない。
近年でもピナツボ火山の噴火やセントヘレンズ火山の噴火は有史以後に起きた大噴火だ。大正噴火規模の桜島噴火でさえも「未曾有の」というには小さい。
しかし原発にとっては、そのクラスの噴火でさえ影響を受ける。ましてや破局カルデラ噴火が姶良(あいら)カルデラで発生したら原発は崩壊するだろう。それでも「異常な天災地変」ではないのである。
6.予見可能性の適用・溢水勉強会
日本では臨界事故(志賀原発及びJCOで)が起きていた時に、フランスでは世界初の海水浸水事故による原子炉緊急事態が起きていた。
以下、規制庁の資料から、何が起きていたかを詳述する。
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ルブレイエ原子力発電所は、ボルドーの北、ジロンド河口に位置している、4基の95.1万kw加圧水型軽水炉がある。1、2、4号機が運転中、3号機が定期検査中という状況で、1999年12月27日から28日夜にかけて記録的な嵐に見舞われた。日本と同様に海岸線に立地している原発なので高潮の被害を受けることになった。
海水や河川水の浸水被害を想定した防護対策が不十分であったことで、発電所のボーラーシステムおよび安全関連系統の多くの区画が浸水した。
強力な低気圧により海面が上昇すると共に、最大風速56mに達する強風により吹き寄せられた海水がジロンド河口に押し寄せた。これが堤防内に氾濫し、ルブレイエ原子力発電所の敷地の一部が浸水した。
1号機と2号機が洪水の影響を最も受け、3号機と4号機は室内に僅かの水が浸水した。送電網にも支障が生じた。
全号機の225kV補助電源設備が24時間機能喪失し、2号機と4号機の400kV送電網が数時間喪失した。400kV送電網が復旧するまで、非常用ディーゼル発電機による電力は正常に供給された。
原子力発電所の北側に位置するダクトの覆い板に水が浸水し、管理建屋と共通補助建屋の地下階層に浸水した。1号機と2号機の区画では、扉や開口部を通じて海水が広がり、電気室の地下階部分、海水ポンプ室の接続トレンチ、周辺建屋と燃料建屋の地下階に達した。この浸水により次の系統が電源喪失した。
1号機のエッセンシャル・サービス水系(ESW)のA系列、1、2号機それぞれの低圧注入系と格納容器スプレイ系の両系列。
この浸水の結果、1、2号機は、一次系の冷却に蒸気発生器を使用し、余熱除去系(RHR)で停止状態にもっていった。一方、4号機は高温停止状態から再起動した。
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これに対するJNESの記述は「日本の源発は津波対策を取っているから安全性が損なわれることはない」といった信じがたいものだった。しかしこうは言いながらも「インド洋沖津波の経験情報を用い、検討を実施することは有意義である」として、2004年に発生したスマトラ島沖地震に伴う津波災害に関して気になる様子を見せている。さらに「外部事象(津波)による溢水及び内部溢水の両方に対する施設側の溢水対策(水密構造等)の実態を整理しておく必要がある。」として、原子力事業者の内部でも注意喚起が測られていることが推測される。
これを受けるようにして、2006年1月には保安院・JNES・電事連等による「内部溢水、外部溢水勉強会」が開かれている。
更に東電でも2006年から社内で溢水勉強会が何度も開催されていることが分かっている。その第3回目で敷地を超える津波について議論されており、全電源喪失も想定されていた。東電は、次の章に述べる浸水被害の恐ろしさを認識していないと言うことはあり得ない。むしろ全電力でも最も強く感じていたはずである。だからこそ、10m盤から4m盤にかけて地下トレンチを敷設して海水管の損傷に備える防護対策を取ったのである。海水管からの漏えいよりも、もっと厳しくなる外部溢水について対策をしなかったのは、防潮堤を含む費用が1000億円規模になることが分かったからであり、長期に運転を止めている柏崎刈羽原発の再稼働準備に巨額の費用を投じている時に、さらに巨額の費用負担が出来ないと考えて先送りをしたのだ。地震と津波対策については、川内原発にも同様の問題が発生している。
地震の規模を想定する際に、これまでよりも原発に近い位置にある断層について、国の地震調査研究推進本部(推本)がより大きな地震になり得る断層を公表している。さらに津波についても「想定の倍半分の誤差」という観点から見れば小さすぎる。これらを勘案すれば東電と同様に免震棟の建設以前に再起動しようとする九州電力の「先送り」方針で大惨事になる危険性がある。
7.予見可能性の適用・水没していた非常用ディーゼル
溢水勉強会は、単なる事例研究会などではなかった。具体的に浸水事故を起こしていた東電にとっては、海水侵入の危険性は十分すぎるほど理解できていたはずだからだ。東電では海水浸水被害は、それなりに「深刻」に捉えられていた事件が起きていたのである。
1991年10月31日、1号機格納容器冷却系統に送られている海水配管が、地下で漏水を起こした。たまたま近くにタービン建屋があったため、漏えいした海水はタービン建屋に浸水、設置されていた非常用ディーゼル発電機の下部を水没させる事故になった。
このため、発電機1台が長期間にわたって使用不能となる。非常用ディーゼル発電機は2台あるが、2台とも緊急時に起動できなければならない。点検中に短時間解列することは認められるものの修理のため長時間解体することは認めていないため、その間は運転できない。
この事件の後に海水管はトレンチに収納され、点検管理と修理が出来るようになった。それまで埋めっぱなしというのも驚くべき事だが、それが点検可能になるのが運転から20年もたった後のことだというのも驚きである。
このような事故を起こしたので、発電機水没のリスクを思い知ったはずだ。吉田所長も「原発にとって最大の事故」とまで言っている。しかしこの時は外部電源が健全であり、過酷事故と結びつけられることはなかった。
米原子力規制委員会NRCの分析でも、炉心溶融に至る事故は、電源喪失が最も大きい原因としている。地震が起きれば外部電源は期待できないことは東電も当然のこととしていた。従って地震時に頼れる電源は非常用ディーゼル発電機だけなのは共通理解だった。その発電機が水没すれば一巻の終わりであることを認識しつつ水没させた東電の行為は、過酷事故を予見しながら6号機の1台を除いて溢水に強い作りにしなかったこと、さらに6号機の一台を溢水に強い空冷設備として設置したのに、1~4号機に連絡線を敷設しなかったため電力を送れず、生き残ったディーゼル発電機は5、6号機の冷却にしか使えなかったことを含めて、予見しながら対策しなかった東電の責任である。
川内原発の場合も似たことが起きている。外部電源を強化し、非常用ディーゼル発電機が使えない場合でも外部電源で供給できるほどの対策をしているかと言えば、そんなことはしない。非常用ディーゼル発電機が使えない場合に備えているのは、もっと信頼性が低い電源車であり、外部接続線である。
耐震Sクラスで設備されている安全保護系回路が破壊されるような事態で、耐震クラスさえない外部の電源車や接続設備が耐えられると考えているのならば、あまりに楽観的である。実際の地震にさえ遭遇したことのない設備を、緊急時に当てにせよとする発想自体が、安全設備に対する理解の欠如を物語っている。これでは事故を準備しているに等しい。
8.予見可能性・蒸気発生器
川内原発は加圧水型軽水炉であり、福島と異なる大型設備「蒸気発生器」を持っている。この装置は巨大なので地震の影響を大きく受ける。それだけではない。
蒸気発生器内部の細管は、直径21ミリ、厚さ1.3ミリのインコネル(ニッケル・クロム・鉄の合金)製の管であるが1台の蒸気発生器に約3400本もある。
川内は3ループ式なので3台ある。合計11000本を超える。1本でも破断すれば炉心から冷却材が失われる事故になる。1992年に発生した美浜原発2号機の細管破断事故では原子炉頂部に空げきが生じたが、運転中には誰もそれを認識していなかった。原子炉への注水は高圧注入系で行われていたが、これを止めてしまってメルトダウンを引き起こしたのが1979年のスリーマイル島原発事故である。
1号機は既に新しい蒸気発生器への交換が終わっている。ところが2号機は新品の蒸気発生器を倉庫にしまったまま、30年ものの老朽化したものをそのまま使う予定になっている。交換用のものがあるにもかかわらず交換工事をしないで運転するとは、より安全性を高める努力放棄して再稼働ありきの事業者の姿勢を表している。安全よりも経済優先、命より金という態度がここでも露骨に表れている。交換したからといって劇的に安全性が向上するわけではない。蒸気発生器が新しくなるだけで、原発の事故確率を大幅に下げる効果は無い。しかし美浜原発2号機のような蒸気発生器の細管損傷は地震の際に最も懸念されることでもあり、さらに2号機の蒸気発生器の細管は厳しい状態にあることが予見される。
その対策をしないで蒸気発生器の細管破損をきっかけとした重大事故が起きれば直ちに、その責任を問われることになるのである。
9.事故時に避難も出来ない
原発の再稼働を「認可」するのは誰なのか。原子炉等規制法では、認可手続きは経産大臣の所管事項であるが、事故後の手続きは極めて曖昧になっている。
実際には、再稼働というのは川内原発1号機にとっては「第21回定期点検の終了」に過ぎない。定期点検の最後には、総合負荷試験があり、その合格証をもって営業運転入りが可能と言うだけである。
ただし、今回は原子炉等規制法に基づく原子炉設置変更許可申請が加わっているので、許可の手続きと、その工事を行うための工事計画認可申請手続きがあった。さらに保安規定の変更申請もあるので、その審査結果も出された。また、30年を超える原発に義務づけられている「高経年化技術評価等に係る原子炉施設保安規定変更認可申請」(いわゆる老朽源発の技術評価)が、むりやり8月5日に認可された。
行政手続き上は、これらが進めば再稼働できると考えているのかも知れないが、重大事故が起きた時に必要な災害対策、住民避難などはほとんどまともに策定されていないし、誰が再稼働を承認したのかもはっきりしない。すくなくても30km圏内の住民、自治体の了解があったわけではない。
防災計画も作れないまま、既成事実として原発の運転が強行されるのであれば、3.11とは一体何だったのか、深刻な問題と言わなければならない。
以上、あらゆる観点から、再稼働は犯罪である。事故が起こればもちろんのこと、仮に事故が起きなかったとしても、準備も態勢も整わない再稼働は、それそのものが犯罪行為である。
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たんぽぽ舎です。【TMM:No2560】
2015年8月10日(月)地震と原発事故情報-3つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.槌田 敦(物理学研究者)さんが「第五検察審査会」に出した手紙
★2.「安保法案=戦争法案反対」「核―原発反対」
「辺野古基地反対」で「安倍政権打倒」を前面に
広島ツアー報告 坂東喜久恵 (たんぽぽ舎)
★3.新聞より1つ
◆川内正門前、2千人デモ (8月10日東京新聞朝刊2面より抜粋)
━━━━━━━
※たんぽぽ舎夏休みのお知らせ
たんぽぽ舎は、8月13日(木)から8月17日(月)まで夏休みとさせていただきます。よろしくお願い致します。
━━━━━━━
※8/11(火)九電東京支社抗議行動にご参加を!
当初、8/10(月)に予定されていた同行動は、九電川内原発の起動が11日(火)になるとのことで変更されました。
川内原発現地では、8/10(月)実施、11日(火)も抗議行動を行う予定です。
九州電力川内原発再稼働反対・九電東京支社への抗議行動-鹿児島川内原発現地での行動に連帯して-
日時:8月11日(火)18:00から19:30
場所:有楽町電気ビル前(JR有楽町日比谷口下車)
主催:再稼働阻止全国ネットワーク
━━━━━━━
※たんぽぽ舎ホームページ復旧のお知らせ
たんぽぽ舎のホームページが復旧致しました。多くの方に、ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。
ご不便をおかけ致しました。カレンダーには、新規の情報も載っております。ぜひご覧下さい。
━━━━━━━
┏┓
┗■1.槌田 敦(物理学研究者)さんが「第五検察審査会」に出した手紙
└────
第五検察審査会御中 2015年8月5日
物理学研究者 槌田 敦
7月31日、「第五検察審査会が東電元3幹部を強制起訴」というニュースがありました。
私は、日本物理学会で、これまで原発過酷事敏の研究を続けてきましたが、お役に立てればと思い、手紙を差し上げる次第です。
福島第一原発は、地震と津浪で打撃を受け、炉心崩壊を引き起こし、住民に大災害を与えました。
地震・津浪→炉心崩壊→大災害ですから、地震・津浪があったからといって、それだけで大災害になるのではありません。
そこで、その途中の炉心崩壊を防ぐためにどのような対策をしたのか等、東電の対応が問われることになります。
私は、物理学会のみなさんと共に、この部分に焦点を当てて研究して参りました。その結果を、パンフ「増補版-福島原発事故3年 科学技術は大失敗だった」にまとめましたが、この中で、東電幹部の怠慢または判断ミスを多数見いだしました。
たとえば、
◎【炉心崩壊と放射能の放出を防ぐための各原子炉共通の対策】
1.地震による鉄塔倒壊と津浪により、福島第一原発は全交流電源喪失となった
東北電力との電力融通は、実行されなかった
福島第二原発との電源共有は、役員会での議論だけだった
2.交流電源を喪失して、第一原発全体で温度の測定が復旧まで8日間も
不能となった
温度の計測不能は、原子炉運転の資格なし
3.直流電源の喪失で、圧力と水位が、長時間の測定不能となった
圧力と水位の計測不能も、温度とともに原子炉運転の資格なし
4.しかも、水位では実際よりも高く表示されて、原子炉満水と誤解していた
また、圧力では格納容器より原子炉が低く表示され、判断不能の事態となった
この計器誤表示の原因は容器の空焚きであるが、測定計器を改良せず放置し
ていた
5.事故時・平常時共用のECCSについて
事故なのに、自動起動したECCSを平常時のマニュアルで手動停止
(1号機)した
また逆に、事故なのに、平常時の条件でECCSが自動停止
(2、3号機)した
6.3月12日より原子炉に海水を注入。だが、淡水は集中廃棄物処理施設に
大量に存在
海水の蒸発で塩析出。燃料冷却は妨害されて高温化。
放射能は大量に気化し流出へ
7.格納容器に液体窒素を注入して固化すれば、放射能は氷に閉じ込められる
また、冷却水の供給は不要となって液体放射能の流出を防止できた
◎【1号機での東電の対応】
1.ECCS非常用復水器(IC)が自動起動したが、東電は運転員に
手動停止させた
以後、自動起動、手動停止を繰りかえして、原子炉に注水せず、
空焚きに導いた
ECCS非常用復水器を手動停止しなければ、1号機は過酷事故に
ならなかった
2.非常用復水器は逆U字管構造で水素が溜まる構造だが、点検時に
申告しなかった
また水素逃し弁の設置などの対策をせず、放置していた
3.3月11日夕刻には、この逆U字管に水素が溜まり、非常用復水器は
機能停止した
その結果、原子炉の冷却は不能となり、1号機破滅となった
4.同日22時には、ふたつの水位計は別々の値を示し、空焚きによる誤表示を
示した
しかし、どちらの値も正だったので、国に冠水状態と報告し、対応を誤った
◎【2号機での東電の対応】
1.2号機には、残留熱除去系付属の蒸気凝縮系に非常用復水器機能が
ついていた。
しかし、浜岡原発でこの蒸気凝縮系の逆U字管上部に水素が溜まり爆発
したので、 福島第一の2~6号機で蒸気凝縮系を削除してしまった
これを削除せず、水素逃し弁をつけていれば、2号機の事故はなかった
2.平常時使用の水位高信号により、ECCS隔離時冷却系は自動停止した
東電は運転員に手動起動を続けさせて、原子炉を冷却した。これは正しい
しかし、その水源を復水貯蔵タンクから圧力抑制室に切り替えさせて失敗した
隔離時冷却系の連続使用で、圧力抑制室の水は沸騰状態となり、
使用不能だった
水源を復水貯蔵タンクに戻し、これに淡水を追加して、隔離時冷却系を
使用すべき
3.隔離時冷却系は3日間運転できた。その間に代替交流電源を用意せず、
低圧注水系、炉心スプレー系、格納容器冷却系などECCSの使用を
しなかった
4.東電は消防車利用を計画し、その吐出圧以下に減圧するため、逃し弁を
開放した
その結果、減圧により原子炉は沸騰から空焚きに移行した。
逃し弁開放は重大過失
5.風向きが内陸向きなのに、格納容器をベント(開放)しようとした
6.ベントできなかったが、格納容器または配管の破断により格納容器の
圧力は急低下
格納容器の放射能の大半が流出。2号機建屋の壁に開いた穴からの湯気が
流れでる
7.この放射能の大量流出は、南東の風に乗って、福島県民を襲うことになる
しかし、その事実を住民に知らせなかった。これは東電の重大な過失
8.逃し弁開放により、原子炉と格納容器の圧力差はなくなり、崩壊した
炉心燃料ペレットは原子炉底を溶かし、格納容器底にまとまって落下
その結果、燃料ペレットはコンクリート底を溶かし、これを突き抜けて、
2号機から環境への放射能の大量放出となった
◎【3号機での東電の対応】
1.2号機と同様に、3号機でも平常時使用の条件で隔離時冷却系は
自動停止した
3号機の運転員も最初は手動起動したが、再度の自動停止には手動起動
しなかった
その結果、事故発生直後の段階で40分間も注水不能となり、炉心崩壊となった
2.3号機では、温度計測だけでなく、水位、圧力の計測も大幅に遅れた
3.3月12日7時(地震後15時間)に最初の測定。水位はA…0.4と
B…0(メートル)と二重表示
原子炉空焚きを示すが、東電は、両者が正の値なので冠水と判断し、対策せず
4.11時36分隔離時冷却系停止。原因は、原子炉圧力低、
または圧力抑制量(SC)沸騰
5.12時(地震後20時間)、圧力抑制室(SC)7気圧、
ドライウ工ル(DW)3気圧と測定、両者は同じ格納容器の一部で
同じ圧力、DWの低圧表示はDWの空焚きを示す
しかし、原子炉圧力は14日まで測定不能。この破局的DW空焚きを
東電認識せず
5.12時35分、原子炉水位低信号(マイナス1.2メートル)により高圧注水系が
自動起動。しかし、原子炉とSCが同じ圧力では作動不能。
また、SCは沸騰状態で吸い上げ不能
6.東電は、ECCSの隔離時冷却系と高圧注水系が有効だったとして、
測定できていない原子炉の圧力と水位を計算し、これに「実機計測値」と
命名した
最近の東電の報告ではこれを「実測値」として扱い、事故解析に用いている
すでに原子炉は底抜け段階。この「実機計測値」の採用は事実解明を妨害する
7.lAEAによる政府報告書(2011年6月、表4-5-3)では、
上記「実機計測値」により12日12時には原子炉75気圧、20時には急降下して
8気圧、と空想上の報告をしている
8.13日12時36圧力抑制量のベント弁大開。福島県民被爆
20時(地震から2日と7時間)に原子炉圧力の計測始まる。
原子炉はすでに大気圧
9.14日11時1分、3号機建屋でオレンジ色の閃光の後、500メートルの
垂直黒煙爆発。水素爆発(白煙・横に広がる)とは異なり、
チェルノブイリ型核爆発とみられる
10.3号機では、地震・津浪でも非常用電源は使用可能で、
すべてのECCSも使用可能
最初からECCS使用なら過酷事故にならなかった。東電幹部による重大過失
◎参考資料
(1)自著パンフ「増補版-福島原発事故3年 科学技術は
大失敗だった(改定版)」
(2)保安院がIAEAに提出した報告書(2011.4.4)
(水位と圧力の実測データ、温度なし)
(3)自著「エネルギーと環境(原発安楽死のすすめ)」(学陽書房)
(別便で郵送します)
チェルノブイリ事故、スリーマイル島事故、
美浜原発事故についての研究結果
┏┓
┗■2.「安保法案=戦争法案反対」「核―原発反対」
| 「辺野古基地反対」で「安倍政権打倒」を前面に
| 広島ツアー報告
└──── 坂東喜久恵 (たんぽぽ舎)
◯ 8月4日広島へ 今年は被爆70周年の節目の年です。
毎年暑い広島は覚悟していますが、今年は東京のほうが暑いかも!
参加者は川内原発の再稼働が迫っていることも重なり東京からは6名。現地で広島の方々4名、(6日のデモにはK夫妻も加わり中電前抗議集会は総勢12名に)。
◯ 8月4日の17時15分から原水禁の開会式に10名参加。その内2人は、市内デモ後に合流してきた…暑い!
今年の被爆者の話は、86歳(1929年生まれ)の切明千枝子さん。自身の被爆の記憶、自分はかろうじて助かったこと、家族を失い、友を失い、周りの地獄絵のような状況…、気丈に話されることにより悲惨さが伝わりました。
福島現地からの報告、高校生のアピール等々。
大会事務局長・藤本泰成さんの基調提案は非常に力強く、基調本文に(時間的に)載らなかったことを中心に提起。川内原発再稼働に対する怒り、東電福島原発事故を忘れたかのような、忘れさせようとする政府の意図を厳しく糾弾。(基調は10ページに及ぶしっかりしたものです。)
「核と人類は共存できない」と言った初代原水禁議長の森瀧市郎さんの言葉をあげて、締めくくりました。
「人類は生きていかねばなりません.だから核はなくしていかねばなりません」
◯ 8月5日は原水禁の分科会と4日から開催されている「ヒロシマ平和へのつどい」の各講演会へ参加。
私は、午前は、脱原子力2-「再稼働問題と日本のエネルギー政策」へ参加。台湾と韓国のゲストからの原発反対運動の報告。浅石紘爾さん(弁護士)“核燃料サイクルの現状と破綻”、西尾獏さん(原子力資料情報室)が再稼働問題についての報告。
浅石さんは、六カ所再処理工場はあれもこれも問題だらけで八方ふさがりの状態だ。と報告。最後に、「再処理」をなぜやめないのかは『潜在的核保有願望』があるからだ。核に対する自民党政権の危険性について指摘。
午後は毎年参加している「ヒロシマ平和へのつどい」へ。
今年は「安保法案=戦争法案反対」「辺野古基地反対」「核―原発反対」で「安倍政権打倒」を前面に打ち出した充実した内容。昼から夜までびっしり。
主催は「検証:被爆・敗戦70年-日米戦争責任と安倍談話を問う-」実行委員会。
・「戦争責任と天皇制」-天皇(制)の戦争責任と招爆責任-
・「沖縄・辺野古新基地建設阻止!安保・自衛隊・米軍再編」
・「戦争法制と明文改憲-戦争法案を廃案に-」
メイン集会は「安倍政権を葬るなかで新しい世界を視野に捕える 戦後日本国をめぐる原理次元での対決」
この後のアピールでは、天野さんが「再稼働阻止全国ネットワーク」の立場で「川内原発再稼働阻止の闘いと行動」について提起しました。
◯ 8月6日は朝の平和公園での集会、8時15分の原爆投下を悼むダイインの後、中国電力前までのデモと中電前集会。
昨年は朝から雨だったのですが、今年は天気が良すぎる位でデモ・集会の参加者も多く、盛り上がりました。
山本礼治さんが「経産省前テントひろば」についてアピール、坂東が「川内原発の再稼働反対の抗議行動と飛行機代カンパ」について報告と要請をしました。
┏┓
┗■3.新聞より1つ
└────
◆川内正門前、2千人デモ
川内原発1号機の再稼働が迫る中、反対する市民らが9日、同原発の正門前に向けデモ行進した。参加者らは強い日差しの中、「再稼働反対」「原発を今すぐ廃炉」などと声を合わせ歩いた。
デモに先立ち、全国各地から集まった約2千人(主催者発表)が同原発のある薩摩川内市の海岸で大規模集会を開催。「避難計画を作っただけで、訓練もされていない」「十分な説明もないまま、再稼働がまかり通っていいのか」などの声が上がった。(中略)
神奈川県から参加した無職奥野節子さん(70)は「原発が再稼働すれば、また核廃棄物が増えていく。処分問題もまだ解決していない」と述べた。
(8月10日東京新聞朝刊2面より抜粋)
2015年8月10日(月)地震と原発事故情報-3つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.槌田 敦(物理学研究者)さんが「第五検察審査会」に出した手紙
★2.「安保法案=戦争法案反対」「核―原発反対」
「辺野古基地反対」で「安倍政権打倒」を前面に
広島ツアー報告 坂東喜久恵 (たんぽぽ舎)
★3.新聞より1つ
◆川内正門前、2千人デモ (8月10日東京新聞朝刊2面より抜粋)
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※たんぽぽ舎夏休みのお知らせ
たんぽぽ舎は、8月13日(木)から8月17日(月)まで夏休みとさせていただきます。よろしくお願い致します。
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※8/11(火)九電東京支社抗議行動にご参加を!
当初、8/10(月)に予定されていた同行動は、九電川内原発の起動が11日(火)になるとのことで変更されました。
川内原発現地では、8/10(月)実施、11日(火)も抗議行動を行う予定です。
九州電力川内原発再稼働反対・九電東京支社への抗議行動-鹿児島川内原発現地での行動に連帯して-
日時:8月11日(火)18:00から19:30
場所:有楽町電気ビル前(JR有楽町日比谷口下車)
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第五検察審査会御中 2015年8月5日
物理学研究者 槌田 敦
7月31日、「第五検察審査会が東電元3幹部を強制起訴」というニュースがありました。
私は、日本物理学会で、これまで原発過酷事敏の研究を続けてきましたが、お役に立てればと思い、手紙を差し上げる次第です。
福島第一原発は、地震と津浪で打撃を受け、炉心崩壊を引き起こし、住民に大災害を与えました。
地震・津浪→炉心崩壊→大災害ですから、地震・津浪があったからといって、それだけで大災害になるのではありません。
そこで、その途中の炉心崩壊を防ぐためにどのような対策をしたのか等、東電の対応が問われることになります。
私は、物理学会のみなさんと共に、この部分に焦点を当てて研究して参りました。その結果を、パンフ「増補版-福島原発事故3年 科学技術は大失敗だった」にまとめましたが、この中で、東電幹部の怠慢または判断ミスを多数見いだしました。
たとえば、
◎【炉心崩壊と放射能の放出を防ぐための各原子炉共通の対策】
1.地震による鉄塔倒壊と津浪により、福島第一原発は全交流電源喪失となった
東北電力との電力融通は、実行されなかった
福島第二原発との電源共有は、役員会での議論だけだった
2.交流電源を喪失して、第一原発全体で温度の測定が復旧まで8日間も
不能となった
温度の計測不能は、原子炉運転の資格なし
3.直流電源の喪失で、圧力と水位が、長時間の測定不能となった
圧力と水位の計測不能も、温度とともに原子炉運転の資格なし
4.しかも、水位では実際よりも高く表示されて、原子炉満水と誤解していた
また、圧力では格納容器より原子炉が低く表示され、判断不能の事態となった
この計器誤表示の原因は容器の空焚きであるが、測定計器を改良せず放置し
ていた
5.事故時・平常時共用のECCSについて
事故なのに、自動起動したECCSを平常時のマニュアルで手動停止
(1号機)した
また逆に、事故なのに、平常時の条件でECCSが自動停止
(2、3号機)した
6.3月12日より原子炉に海水を注入。だが、淡水は集中廃棄物処理施設に
大量に存在
海水の蒸発で塩析出。燃料冷却は妨害されて高温化。
放射能は大量に気化し流出へ
7.格納容器に液体窒素を注入して固化すれば、放射能は氷に閉じ込められる
また、冷却水の供給は不要となって液体放射能の流出を防止できた
◎【1号機での東電の対応】
1.ECCS非常用復水器(IC)が自動起動したが、東電は運転員に
手動停止させた
以後、自動起動、手動停止を繰りかえして、原子炉に注水せず、
空焚きに導いた
ECCS非常用復水器を手動停止しなければ、1号機は過酷事故に
ならなかった
2.非常用復水器は逆U字管構造で水素が溜まる構造だが、点検時に
申告しなかった
また水素逃し弁の設置などの対策をせず、放置していた
3.3月11日夕刻には、この逆U字管に水素が溜まり、非常用復水器は
機能停止した
その結果、原子炉の冷却は不能となり、1号機破滅となった
4.同日22時には、ふたつの水位計は別々の値を示し、空焚きによる誤表示を
示した
しかし、どちらの値も正だったので、国に冠水状態と報告し、対応を誤った
◎【2号機での東電の対応】
1.2号機には、残留熱除去系付属の蒸気凝縮系に非常用復水器機能が
ついていた。
しかし、浜岡原発でこの蒸気凝縮系の逆U字管上部に水素が溜まり爆発
したので、 福島第一の2~6号機で蒸気凝縮系を削除してしまった
これを削除せず、水素逃し弁をつけていれば、2号機の事故はなかった
2.平常時使用の水位高信号により、ECCS隔離時冷却系は自動停止した
東電は運転員に手動起動を続けさせて、原子炉を冷却した。これは正しい
しかし、その水源を復水貯蔵タンクから圧力抑制室に切り替えさせて失敗した
隔離時冷却系の連続使用で、圧力抑制室の水は沸騰状態となり、
使用不能だった
水源を復水貯蔵タンクに戻し、これに淡水を追加して、隔離時冷却系を
使用すべき
3.隔離時冷却系は3日間運転できた。その間に代替交流電源を用意せず、
低圧注水系、炉心スプレー系、格納容器冷却系などECCSの使用を
しなかった
4.東電は消防車利用を計画し、その吐出圧以下に減圧するため、逃し弁を
開放した
その結果、減圧により原子炉は沸騰から空焚きに移行した。
逃し弁開放は重大過失
5.風向きが内陸向きなのに、格納容器をベント(開放)しようとした
6.ベントできなかったが、格納容器または配管の破断により格納容器の
圧力は急低下
格納容器の放射能の大半が流出。2号機建屋の壁に開いた穴からの湯気が
流れでる
7.この放射能の大量流出は、南東の風に乗って、福島県民を襲うことになる
しかし、その事実を住民に知らせなかった。これは東電の重大な過失
8.逃し弁開放により、原子炉と格納容器の圧力差はなくなり、崩壊した
炉心燃料ペレットは原子炉底を溶かし、格納容器底にまとまって落下
その結果、燃料ペレットはコンクリート底を溶かし、これを突き抜けて、
2号機から環境への放射能の大量放出となった
◎【3号機での東電の対応】
1.2号機と同様に、3号機でも平常時使用の条件で隔離時冷却系は
自動停止した
3号機の運転員も最初は手動起動したが、再度の自動停止には手動起動
しなかった
その結果、事故発生直後の段階で40分間も注水不能となり、炉心崩壊となった
2.3号機では、温度計測だけでなく、水位、圧力の計測も大幅に遅れた
3.3月12日7時(地震後15時間)に最初の測定。水位はA…0.4と
B…0(メートル)と二重表示
原子炉空焚きを示すが、東電は、両者が正の値なので冠水と判断し、対策せず
4.11時36分隔離時冷却系停止。原因は、原子炉圧力低、
または圧力抑制量(SC)沸騰
5.12時(地震後20時間)、圧力抑制室(SC)7気圧、
ドライウ工ル(DW)3気圧と測定、両者は同じ格納容器の一部で
同じ圧力、DWの低圧表示はDWの空焚きを示す
しかし、原子炉圧力は14日まで測定不能。この破局的DW空焚きを
東電認識せず
5.12時35分、原子炉水位低信号(マイナス1.2メートル)により高圧注水系が
自動起動。しかし、原子炉とSCが同じ圧力では作動不能。
また、SCは沸騰状態で吸い上げ不能
6.東電は、ECCSの隔離時冷却系と高圧注水系が有効だったとして、
測定できていない原子炉の圧力と水位を計算し、これに「実機計測値」と
命名した
最近の東電の報告ではこれを「実測値」として扱い、事故解析に用いている
すでに原子炉は底抜け段階。この「実機計測値」の採用は事実解明を妨害する
7.lAEAによる政府報告書(2011年6月、表4-5-3)では、
上記「実機計測値」により12日12時には原子炉75気圧、20時には急降下して
8気圧、と空想上の報告をしている
8.13日12時36圧力抑制量のベント弁大開。福島県民被爆
20時(地震から2日と7時間)に原子炉圧力の計測始まる。
原子炉はすでに大気圧
9.14日11時1分、3号機建屋でオレンジ色の閃光の後、500メートルの
垂直黒煙爆発。水素爆発(白煙・横に広がる)とは異なり、
チェルノブイリ型核爆発とみられる
10.3号機では、地震・津浪でも非常用電源は使用可能で、
すべてのECCSも使用可能
最初からECCS使用なら過酷事故にならなかった。東電幹部による重大過失
◎参考資料
(1)自著パンフ「増補版-福島原発事故3年 科学技術は
大失敗だった(改定版)」
(2)保安院がIAEAに提出した報告書(2011.4.4)
(水位と圧力の実測データ、温度なし)
(3)自著「エネルギーと環境(原発安楽死のすすめ)」(学陽書房)
(別便で郵送します)
チェルノブイリ事故、スリーマイル島事故、
美浜原発事故についての研究結果
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┗■2.「安保法案=戦争法案反対」「核―原発反対」
| 「辺野古基地反対」で「安倍政権打倒」を前面に
| 広島ツアー報告
└──── 坂東喜久恵 (たんぽぽ舎)
◯ 8月4日広島へ 今年は被爆70周年の節目の年です。
毎年暑い広島は覚悟していますが、今年は東京のほうが暑いかも!
参加者は川内原発の再稼働が迫っていることも重なり東京からは6名。現地で広島の方々4名、(6日のデモにはK夫妻も加わり中電前抗議集会は総勢12名に)。
◯ 8月4日の17時15分から原水禁の開会式に10名参加。その内2人は、市内デモ後に合流してきた…暑い!
今年の被爆者の話は、86歳(1929年生まれ)の切明千枝子さん。自身の被爆の記憶、自分はかろうじて助かったこと、家族を失い、友を失い、周りの地獄絵のような状況…、気丈に話されることにより悲惨さが伝わりました。
福島現地からの報告、高校生のアピール等々。
大会事務局長・藤本泰成さんの基調提案は非常に力強く、基調本文に(時間的に)載らなかったことを中心に提起。川内原発再稼働に対する怒り、東電福島原発事故を忘れたかのような、忘れさせようとする政府の意図を厳しく糾弾。(基調は10ページに及ぶしっかりしたものです。)
「核と人類は共存できない」と言った初代原水禁議長の森瀧市郎さんの言葉をあげて、締めくくりました。
「人類は生きていかねばなりません.だから核はなくしていかねばなりません」
◯ 8月5日は原水禁の分科会と4日から開催されている「ヒロシマ平和へのつどい」の各講演会へ参加。
私は、午前は、脱原子力2-「再稼働問題と日本のエネルギー政策」へ参加。台湾と韓国のゲストからの原発反対運動の報告。浅石紘爾さん(弁護士)“核燃料サイクルの現状と破綻”、西尾獏さん(原子力資料情報室)が再稼働問題についての報告。
浅石さんは、六カ所再処理工場はあれもこれも問題だらけで八方ふさがりの状態だ。と報告。最後に、「再処理」をなぜやめないのかは『潜在的核保有願望』があるからだ。核に対する自民党政権の危険性について指摘。
午後は毎年参加している「ヒロシマ平和へのつどい」へ。
今年は「安保法案=戦争法案反対」「辺野古基地反対」「核―原発反対」で「安倍政権打倒」を前面に打ち出した充実した内容。昼から夜までびっしり。
主催は「検証:被爆・敗戦70年-日米戦争責任と安倍談話を問う-」実行委員会。
・「戦争責任と天皇制」-天皇(制)の戦争責任と招爆責任-
・「沖縄・辺野古新基地建設阻止!安保・自衛隊・米軍再編」
・「戦争法制と明文改憲-戦争法案を廃案に-」
メイン集会は「安倍政権を葬るなかで新しい世界を視野に捕える 戦後日本国をめぐる原理次元での対決」
この後のアピールでは、天野さんが「再稼働阻止全国ネットワーク」の立場で「川内原発再稼働阻止の闘いと行動」について提起しました。
◯ 8月6日は朝の平和公園での集会、8時15分の原爆投下を悼むダイインの後、中国電力前までのデモと中電前集会。
昨年は朝から雨だったのですが、今年は天気が良すぎる位でデモ・集会の参加者も多く、盛り上がりました。
山本礼治さんが「経産省前テントひろば」についてアピール、坂東が「川内原発の再稼働反対の抗議行動と飛行機代カンパ」について報告と要請をしました。
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┗■3.新聞より1つ
└────
◆川内正門前、2千人デモ
川内原発1号機の再稼働が迫る中、反対する市民らが9日、同原発の正門前に向けデモ行進した。参加者らは強い日差しの中、「再稼働反対」「原発を今すぐ廃炉」などと声を合わせ歩いた。
デモに先立ち、全国各地から集まった約2千人(主催者発表)が同原発のある薩摩川内市の海岸で大規模集会を開催。「避難計画を作っただけで、訓練もされていない」「十分な説明もないまま、再稼働がまかり通っていいのか」などの声が上がった。(中略)
神奈川県から参加した無職奥野節子さん(70)は「原発が再稼働すれば、また核廃棄物が増えていく。処分問題もまだ解決していない」と述べた。
(8月10日東京新聞朝刊2面より抜粋)
たんぽぽ舎です。【TMM:No2559】
2015年8月8日(土)その2地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.日本は唯一のヒバク国といえなくなった
政府答弁-核兵器の運搬もできる、を聞いて
総がかり行動で、日弁連の人の発言
再稼働は日本を滅ぼす 連載31
柳田 真(たんぽぽ舎、再稼働阻止全国ネットワーク)
★2.「新規制基準」は既存原発を動かす為に世界最低水準!
15項目にわたって福島原発事故前の世界水準に追いついていない「新規制基準」
原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その58
木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
★3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
◆8/16第18回にいざ脱原発ウォーキング
3・11から5回目の夏、福島事故は終わっていない
★4.新聞より3つ
◆非核三原則 長崎では言及 首相、核運搬は「空論」衆院予算委
(8月7日東京新聞より抜粋)
◆強引な再稼働に危機感【金曜日の声 官邸前】 (8月8日東京新聞より)
◆原発再稼働 安全とは言わぬまま (8月8日東京新聞社説)
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※8/11(火)九電東京支社抗議行動にご参加を!
当初、8/10(月)に予定されていた同行動は、九電川内原発の起動が
11日(火)になるとのことで変更されました。
川内原発現地では、8/10(月)、11日(火)と抗議行動を行う予定です。
九州電力川内原発再稼働反対・九電東京支社への抗議行動
-鹿児島川内原発現地での行動に連帯して-
日時:8月11日(火)18:00から19:30
場所:有楽町電気ビル前(JR有楽町日比谷口下車)
主催:再稼働阻止全国ネットワーク
━━━━━━━
┏┓
┗■1.日本は唯一のヒバク国といえなくなった
| 政府答弁-核兵器の運搬もできる、を聞いて
| 総がかり行動で、日弁連の人の発言
| 再稼働は日本を滅ぼす 連載31
└──── 柳田 真(たんぽぽ舎、再稼働阻止全国ネットワーク)
◯8月6日(木)広島原爆投下の日、たんぽぽ舎は10人程で、「戦争させない・9条壊すな総がかり行動実行委員会」主催の行動に参加した。前日・8月5日の「九州電力東京支社抗議=川内原発再稼働やめろ!」プラス「東京電力本店合同抗議=福島第一原発事故の責任をとれ」、次の日・8月7日の金曜、反原連首相官邸前抗議定例行動(第160回)プラス若い人々・シールズ参加者への働きかけと、続けて3連チャンの行動。
8日土曜日からは、九州電力川内原発再稼働反対に、109人で出かけるのだが、このところ、忙しくて自分の身のまわりの準備をする時間が作れない。若い時と違い身体にもこたえるが、スタッフのパワーの中でやりぬく。
◯8月6日の総がかり行動は、3000人が参加した。「当初の700人から、毎週木曜行動で人数も内容も前進してきた」と高田健さん(主催者)が話していた。
日本は唯一のヒバク国といえなくなった。なぜなら安保法制(戦争法案)の審議で、自民党の中谷元(げん)防衛相が答弁「核兵器の輸送もできる」と発言しているから-と。この発言を痛烈に批判して日弁連の人が述べたことばだ。
◯安保法制の議論で、安倍政権と自民党の本音が次々に出てきている。低劣な内容ばかり。「戦争に行きたくない」というシールズ参加者の発言を自民党の若手議員が「エゴだ」「利己的」だと批判したが、戦争はイヤだというのは人間の本当の叫び・声だ。なぜ、これがエゴなのか?理解に苦しむ。
◯私たちは「安保法制と原発再稼働は密接-たんぽぽ舎会員・渡辺寿子さん」執筆の力作文と「川内原発へ行く基金」のビラをセットにして配った。1300枚配布できた。受け取りは良い。これらの行動で、少しは“安保と原発の密接な関係”をアピールできたと思う。集会の解散時に「川内原発へ行く基金・交通費カンパ」の袋を持って、ささやかに訴えたところ(マイクなし)、7万円を超えるカンパが寄せられた。集会では、原発のことに触れられなかったが、みんな、ちゃんと考えているんだなと、あたたかいカンパ結果から感じた。
少し、疲れたが、8月6日の行動の成果を感じつつ、帰路についた。
千葉に帰れた時間は11時50分。
┏┓
┗■2.「新規制基準」は既存原発を動かす為に世界最低水準!
| 15項目にわたって福島原発事故前の世界水準に
| 追いついていない「新規制基準」
| 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その58
└──── 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
安倍首相の「世界最高水準」は出鱈目で、「新規制基準」は世界最低水準である。ストレステストも立地指針もコアキャッチャーも受動的安全性も課さず、おまけに地震対策も火山対策も緩過ぎで、かつ複数基立地・稼働を容認しているのだから。
このことを別の視点で示す強烈な論文を発見した。佐藤暁さんが岩波「科学7月号 アキレスを追いかけるカメ」で書いている驚くべき事実だ。
米国などではとっくの昔(福島事故前)に解決済みの次の15個の問題を、規制委が作った「新規制基準」は未着手・未解決のまま放置されているのだ。
(米国では福島事故以前に対応済みだったが、日本では現在も未対応の事項)
1 プラント個別の内部事象、外部事象に対するリスク評価
2 PRAの信頼性向上のためのピア・レビュー体制の確立とベンチマークの実施
3 確率論的評価にもとづく、自然現象に対する設計基準の設定手法を確立
4 「設計基準地下水モデル」の設定、監視。信頼できる排水手段の確保
5 敷地内地下の地質構造の把握。土壌、地下水汚染を監視するサンプリングの強化
6 自衛消防隊の強化
7 中央制御室の大規模火災と電気設備の多重故障・誤作動・誤不作動への対応
8 SBOに対する専用の公設バックアップ電源
9 デジタル・コンピュータの脆弱性、不可知な形態の故障に対する対策
10 緊急時の指揮所と制御室との間の正確、迅速な情報伝達。運転員への過重な負担の軽減
11 プラント従事者に対するアルコール・薬物検査の実施
12 複数個所からの同時侵入、高度な武器と戦術、自爆によるテロ攻撃への対応、模擬戦闘訓練
13 プラントの安全設備、保安設備、防災設備に対するサイバーテロへの対策
14 原子力施設が一時的にテロリストに制圧された場合の所内、所外の対応指針の制定と訓練
15 航空機テロなどによる敷地内での大規模火災・爆発に対する対応指針の制定と訓練
これらの問題点に対して、「新規制基準」は未着手・未解決なのだ。こんなひどい世界最低水準の「新規制基準」に基づき、さらに「違法」とまで指摘されるゆるゆるの審査で合格しても、安全だなんて絶対に言えない。
現に私たちは、設置変更許可に対しても、工事計画変更認可に対しても、保安規定変更認可に対しても、行政不服審査法第6条に基づき異議申立をし認可処分の執行停止を訴えている。
原発は、「安全」も「安い」も「電力足りない」も大嘘だったことが明らかになり、特に、既に690日も原発稼働なしで悠々と生活できているのだから、鹿児島川内原発は勿論、総ての原発を今稼働させる理由は何もない。
(出典:岩波書店 雑誌「科学7月号」の「アキレスを追いかけるカメ~世界水準と日本の原子力の位置」)
┏┓
┗■3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
└────
◆8/16第18回にいざ脱原発ウォーキング
3・11から5回目の夏、福島事故は終わっていない
日時:8月16日(日)18時集会開始 ウォーキング出発 18:30
場所:三軒屋公園(東北コミセンとなり) 雨天決行
三軒屋公園→志木駅南口ロータリー→新座志木中央総合病院→
島忠→ベルセゾン→イオン→志木駅南口ロータリー→三軒屋公園
主催:脱原発にいざ市民の会
連絡先:大矢道子 048-482-8656
┏┓
┗■4.新聞より3つ
└────
◆非核三原則 長崎では言及 首相、核運搬は「空論」衆院予算委
衆院予算委員会は7日午前、安倍晋三首相らが出席して集中審議を行った。首相は、広島市での六日の平和記念式典で歴代首相が近年言及してきた「非核三原則」に触れなかったことについて「(三原則は)当然の前提として、核兵器のない世界の実現に向けて国際社会の取り組みを主導していく決意を表明した」と釈明した。九日の長崎市での式典では、非核三原則に言及する考えも示した。(中略)
「非核三原則は当然のことであり、その考え方に全く揺るぎはない」とも強調。
安全保障関連法案について、核兵器の運搬も法文上は排除していないとした中谷元・防衛相の発言について首相は「机上の空論に対して答えたにすぎない。核弾頭の運搬はまったくあり得ない」と指摘。山井氏は核兵器の除外を法案に明記するよう求めたが、首相は「(現行の)周辺事態法も法理上は同じだ」「首相として『あり得ない』と言っているんだから間違いない」として応じなかった。
一方、自民党の武藤貴也衆院議員が安保法案に反対する学生らのデモを「『戦争に行きたくない』という極端な利己的考え」と批判したことについて、首相は「戦争は違法なもの。違法なものに参加しなければならないという前提そのものが間違っている」と問題視した。
(8月7日東京新聞より抜粋)
◆強引な再稼働に危機感【金曜日の声 官邸前】
東京都世田谷区、無職星八重子さん(65)
来週にも川内(せんだい)原発が再稼働すると聞き、福島県出身者として怒りでいっぱい。余力があるなら、いまだ収束していない福島原発の事故対応に注ぐべきだ。また事故が起きれば、今度こそ日本は終わる。
千葉県柏市、会社員金井忍さん(39)
安全保障関連法案の強行採決といい、川内原発の強引な再稼働といい、安倍政権のやり方には危機感を覚える。この場に来て反対の声を上げることしかできないが、国民の声の高まりにつながればと思う。
(8月8日東京新聞より)
◆原発再稼働 安全とは言わぬまま
四国電力伊方原発が原子力規制委員会の規制基準に適合し、九州電力川内原発の再稼働は迫る。多くの不安をのこしたままで、適合すなわち再稼働という短絡を、定着させてもいいのだろうか。
川内原発(鹿児島県)、関西電力高浜原発(福井県)に続いて伊方(愛媛県)は「適合」3件目。ここでもやはり、避難計画の実効性や、地震に対する備えの甘さが不安視されている。
にもかかわらず、政府や電力事業者は、それで再稼働の“お墨付き”を得たという。
規制委の「適合」判断は、再稼働の必要条件ではあるだろう。だが、十分条件とは言いがたい。
多くの原発は半島に立地する。特に伊方原発は、日本一細長いという佐田岬半島の付け根にあり、その西の海側には約5千人が暮らしている。
愛媛県が策定した事故時の広域避難計画では、原発前の国道を通って松山市などに向かう陸路と、フェリーに乗って大分などに逃れる海路が想定されている。
だが、南海トラフ地震と原発事故の複合災害が発生すれば、道路は寸断、港が荒れて船も使えず、孤立化する恐れは強い。
共同通信が6月中旬に実施した調査では、伊方原発から半径30キロ圏内12万3千人の避難先になる6県19市町のうち、受け入れ態勢が「整っている」「どちらかというと整っている」と答えた自治体は1県7市町にとどまった。
大分県と愛媛県は、愛媛県側住民を船に乗せ、大分県側に運ぶ避難訓練を、秋に実施するという。
順序が逆だ。こんな大事な訓練をする前に、再稼働の“許可”が出されて、いいのだろうか。
福島第一原発事故をめぐる検察審査会の起訴議決にも「原発に関する責任者は『万が一』の災害にも備えなければならない義務を負う」とあるではないか。
そもそも数千人が船で海上に逃れなければならないような大事故は、万が一にもあってはならないことではないか。
「適合」判定第一号の川内原発は、11日にも再稼働第一号になるという。だが、規制委も政府も自治体も、誰も「安全」を保証していない。
(8月8日東京新聞社説)
2015年8月8日(土)その2地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.日本は唯一のヒバク国といえなくなった
政府答弁-核兵器の運搬もできる、を聞いて
総がかり行動で、日弁連の人の発言
再稼働は日本を滅ぼす 連載31
柳田 真(たんぽぽ舎、再稼働阻止全国ネットワーク)
★2.「新規制基準」は既存原発を動かす為に世界最低水準!
15項目にわたって福島原発事故前の世界水準に追いついていない「新規制基準」
原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その58
木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
★3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
◆8/16第18回にいざ脱原発ウォーキング
3・11から5回目の夏、福島事故は終わっていない
★4.新聞より3つ
◆非核三原則 長崎では言及 首相、核運搬は「空論」衆院予算委
(8月7日東京新聞より抜粋)
◆強引な再稼働に危機感【金曜日の声 官邸前】 (8月8日東京新聞より)
◆原発再稼働 安全とは言わぬまま (8月8日東京新聞社説)
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※8/11(火)九電東京支社抗議行動にご参加を!
当初、8/10(月)に予定されていた同行動は、九電川内原発の起動が
11日(火)になるとのことで変更されました。
川内原発現地では、8/10(月)、11日(火)と抗議行動を行う予定です。
九州電力川内原発再稼働反対・九電東京支社への抗議行動
-鹿児島川内原発現地での行動に連帯して-
日時:8月11日(火)18:00から19:30
場所:有楽町電気ビル前(JR有楽町日比谷口下車)
主催:再稼働阻止全国ネットワーク
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┗■1.日本は唯一のヒバク国といえなくなった
| 政府答弁-核兵器の運搬もできる、を聞いて
| 総がかり行動で、日弁連の人の発言
| 再稼働は日本を滅ぼす 連載31
└──── 柳田 真(たんぽぽ舎、再稼働阻止全国ネットワーク)
◯8月6日(木)広島原爆投下の日、たんぽぽ舎は10人程で、「戦争させない・9条壊すな総がかり行動実行委員会」主催の行動に参加した。前日・8月5日の「九州電力東京支社抗議=川内原発再稼働やめろ!」プラス「東京電力本店合同抗議=福島第一原発事故の責任をとれ」、次の日・8月7日の金曜、反原連首相官邸前抗議定例行動(第160回)プラス若い人々・シールズ参加者への働きかけと、続けて3連チャンの行動。
8日土曜日からは、九州電力川内原発再稼働反対に、109人で出かけるのだが、このところ、忙しくて自分の身のまわりの準備をする時間が作れない。若い時と違い身体にもこたえるが、スタッフのパワーの中でやりぬく。
◯8月6日の総がかり行動は、3000人が参加した。「当初の700人から、毎週木曜行動で人数も内容も前進してきた」と高田健さん(主催者)が話していた。
日本は唯一のヒバク国といえなくなった。なぜなら安保法制(戦争法案)の審議で、自民党の中谷元(げん)防衛相が答弁「核兵器の輸送もできる」と発言しているから-と。この発言を痛烈に批判して日弁連の人が述べたことばだ。
◯安保法制の議論で、安倍政権と自民党の本音が次々に出てきている。低劣な内容ばかり。「戦争に行きたくない」というシールズ参加者の発言を自民党の若手議員が「エゴだ」「利己的」だと批判したが、戦争はイヤだというのは人間の本当の叫び・声だ。なぜ、これがエゴなのか?理解に苦しむ。
◯私たちは「安保法制と原発再稼働は密接-たんぽぽ舎会員・渡辺寿子さん」執筆の力作文と「川内原発へ行く基金」のビラをセットにして配った。1300枚配布できた。受け取りは良い。これらの行動で、少しは“安保と原発の密接な関係”をアピールできたと思う。集会の解散時に「川内原発へ行く基金・交通費カンパ」の袋を持って、ささやかに訴えたところ(マイクなし)、7万円を超えるカンパが寄せられた。集会では、原発のことに触れられなかったが、みんな、ちゃんと考えているんだなと、あたたかいカンパ結果から感じた。
少し、疲れたが、8月6日の行動の成果を感じつつ、帰路についた。
千葉に帰れた時間は11時50分。
┏┓
┗■2.「新規制基準」は既存原発を動かす為に世界最低水準!
| 15項目にわたって福島原発事故前の世界水準に
| 追いついていない「新規制基準」
| 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その58
└──── 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
安倍首相の「世界最高水準」は出鱈目で、「新規制基準」は世界最低水準である。ストレステストも立地指針もコアキャッチャーも受動的安全性も課さず、おまけに地震対策も火山対策も緩過ぎで、かつ複数基立地・稼働を容認しているのだから。
このことを別の視点で示す強烈な論文を発見した。佐藤暁さんが岩波「科学7月号 アキレスを追いかけるカメ」で書いている驚くべき事実だ。
米国などではとっくの昔(福島事故前)に解決済みの次の15個の問題を、規制委が作った「新規制基準」は未着手・未解決のまま放置されているのだ。
(米国では福島事故以前に対応済みだったが、日本では現在も未対応の事項)
1 プラント個別の内部事象、外部事象に対するリスク評価
2 PRAの信頼性向上のためのピア・レビュー体制の確立とベンチマークの実施
3 確率論的評価にもとづく、自然現象に対する設計基準の設定手法を確立
4 「設計基準地下水モデル」の設定、監視。信頼できる排水手段の確保
5 敷地内地下の地質構造の把握。土壌、地下水汚染を監視するサンプリングの強化
6 自衛消防隊の強化
7 中央制御室の大規模火災と電気設備の多重故障・誤作動・誤不作動への対応
8 SBOに対する専用の公設バックアップ電源
9 デジタル・コンピュータの脆弱性、不可知な形態の故障に対する対策
10 緊急時の指揮所と制御室との間の正確、迅速な情報伝達。運転員への過重な負担の軽減
11 プラント従事者に対するアルコール・薬物検査の実施
12 複数個所からの同時侵入、高度な武器と戦術、自爆によるテロ攻撃への対応、模擬戦闘訓練
13 プラントの安全設備、保安設備、防災設備に対するサイバーテロへの対策
14 原子力施設が一時的にテロリストに制圧された場合の所内、所外の対応指針の制定と訓練
15 航空機テロなどによる敷地内での大規模火災・爆発に対する対応指針の制定と訓練
これらの問題点に対して、「新規制基準」は未着手・未解決なのだ。こんなひどい世界最低水準の「新規制基準」に基づき、さらに「違法」とまで指摘されるゆるゆるの審査で合格しても、安全だなんて絶対に言えない。
現に私たちは、設置変更許可に対しても、工事計画変更認可に対しても、保安規定変更認可に対しても、行政不服審査法第6条に基づき異議申立をし認可処分の執行停止を訴えている。
原発は、「安全」も「安い」も「電力足りない」も大嘘だったことが明らかになり、特に、既に690日も原発稼働なしで悠々と生活できているのだから、鹿児島川内原発は勿論、総ての原発を今稼働させる理由は何もない。
(出典:岩波書店 雑誌「科学7月号」の「アキレスを追いかけるカメ~世界水準と日本の原子力の位置」)
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┗■3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
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◆8/16第18回にいざ脱原発ウォーキング
3・11から5回目の夏、福島事故は終わっていない
日時:8月16日(日)18時集会開始 ウォーキング出発 18:30
場所:三軒屋公園(東北コミセンとなり) 雨天決行
三軒屋公園→志木駅南口ロータリー→新座志木中央総合病院→
島忠→ベルセゾン→イオン→志木駅南口ロータリー→三軒屋公園
主催:脱原発にいざ市民の会
連絡先:大矢道子 048-482-8656
┏┓
┗■4.新聞より3つ
└────
◆非核三原則 長崎では言及 首相、核運搬は「空論」衆院予算委
衆院予算委員会は7日午前、安倍晋三首相らが出席して集中審議を行った。首相は、広島市での六日の平和記念式典で歴代首相が近年言及してきた「非核三原則」に触れなかったことについて「(三原則は)当然の前提として、核兵器のない世界の実現に向けて国際社会の取り組みを主導していく決意を表明した」と釈明した。九日の長崎市での式典では、非核三原則に言及する考えも示した。(中略)
「非核三原則は当然のことであり、その考え方に全く揺るぎはない」とも強調。
安全保障関連法案について、核兵器の運搬も法文上は排除していないとした中谷元・防衛相の発言について首相は「机上の空論に対して答えたにすぎない。核弾頭の運搬はまったくあり得ない」と指摘。山井氏は核兵器の除外を法案に明記するよう求めたが、首相は「(現行の)周辺事態法も法理上は同じだ」「首相として『あり得ない』と言っているんだから間違いない」として応じなかった。
一方、自民党の武藤貴也衆院議員が安保法案に反対する学生らのデモを「『戦争に行きたくない』という極端な利己的考え」と批判したことについて、首相は「戦争は違法なもの。違法なものに参加しなければならないという前提そのものが間違っている」と問題視した。
(8月7日東京新聞より抜粋)
◆強引な再稼働に危機感【金曜日の声 官邸前】
東京都世田谷区、無職星八重子さん(65)
来週にも川内(せんだい)原発が再稼働すると聞き、福島県出身者として怒りでいっぱい。余力があるなら、いまだ収束していない福島原発の事故対応に注ぐべきだ。また事故が起きれば、今度こそ日本は終わる。
千葉県柏市、会社員金井忍さん(39)
安全保障関連法案の強行採決といい、川内原発の強引な再稼働といい、安倍政権のやり方には危機感を覚える。この場に来て反対の声を上げることしかできないが、国民の声の高まりにつながればと思う。
(8月8日東京新聞より)
◆原発再稼働 安全とは言わぬまま
四国電力伊方原発が原子力規制委員会の規制基準に適合し、九州電力川内原発の再稼働は迫る。多くの不安をのこしたままで、適合すなわち再稼働という短絡を、定着させてもいいのだろうか。
川内原発(鹿児島県)、関西電力高浜原発(福井県)に続いて伊方(愛媛県)は「適合」3件目。ここでもやはり、避難計画の実効性や、地震に対する備えの甘さが不安視されている。
にもかかわらず、政府や電力事業者は、それで再稼働の“お墨付き”を得たという。
規制委の「適合」判断は、再稼働の必要条件ではあるだろう。だが、十分条件とは言いがたい。
多くの原発は半島に立地する。特に伊方原発は、日本一細長いという佐田岬半島の付け根にあり、その西の海側には約5千人が暮らしている。
愛媛県が策定した事故時の広域避難計画では、原発前の国道を通って松山市などに向かう陸路と、フェリーに乗って大分などに逃れる海路が想定されている。
だが、南海トラフ地震と原発事故の複合災害が発生すれば、道路は寸断、港が荒れて船も使えず、孤立化する恐れは強い。
共同通信が6月中旬に実施した調査では、伊方原発から半径30キロ圏内12万3千人の避難先になる6県19市町のうち、受け入れ態勢が「整っている」「どちらかというと整っている」と答えた自治体は1県7市町にとどまった。
大分県と愛媛県は、愛媛県側住民を船に乗せ、大分県側に運ぶ避難訓練を、秋に実施するという。
順序が逆だ。こんな大事な訓練をする前に、再稼働の“許可”が出されて、いいのだろうか。
福島第一原発事故をめぐる検察審査会の起訴議決にも「原発に関する責任者は『万が一』の災害にも備えなければならない義務を負う」とあるではないか。
そもそも数千人が船で海上に逃れなければならないような大事故は、万が一にもあってはならないことではないか。
「適合」判定第一号の川内原発は、11日にも再稼働第一号になるという。だが、規制委も政府も自治体も、誰も「安全」を保証していない。
(8月8日東京新聞社説)
たんぽぽ舎です。【TMM:No2558】
2015年8月8日(土)地震と原発事故情報-1つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
※8月7日(金)に配布した「週刊金曜ビラ」164号の学習会日程欄で
2つ訂正致します。
1.ちょぼゼミ第6回「過小評価されているベータ核種の危険性」
正:8月20日(木) 誤:8月20日(月)
2.9/9(水)安倍政権こそ『存立危機事態』辻元清美さん講演学習会
正:辻元清美さん 誤:辻本清美さん
訂正しておわび致します。
━━━━━━━
┏┓
┗■1.原子力マフィア完全復活
| いかさまの新規制基準 廃炉は半世紀で完了しない
└──── 小出裕章さんインタビュー(7月11日/兵庫県尼崎市)
川内原発再稼働を皮切りに、次々と老朽原発再稼働に踏み込む安倍政権。6月には、原発比率20~22%という「2030年電源構成案」を発表し、原発全面推進に回帰する方針を示した。
政権は、原発事故を遠い過去の記憶にしたいようだが、実際はどうか?「福島原発現地は放射能の沼のような状態」と語る小出さんに、緊急課題である汚染水対策から廃炉作業の見通しまで、聞いた。小出さんは、廃炉作業について「炉心の回収は無理なので石棺方式になる」としたうえで、地下に熔け落ちた炉心の閉じこめ作業、1~3号機の使用済み核燃料回収作業など、待ち受ける困難を具体的に指摘する。
今回のインタビューは、京大原子炉実験所を退職して以来、初めてのインタビューとなった。2回に分けて掲載する。川内原発現地では、Xデーに向けてゲート前大行動が予定されており、全国からの結集が呼びかけられている。
◎新規原発見込んだ「2030年電源構成案」
編集部…政府が発表した「2030年度の電源構成案」では、原発を46基稼働し、40年の設備年限を撤廃し、核燃料サイクルも推進…など、原発全面推進に回帰する内容です。評価をお願いします。
小出…自由民主党が政権に返り咲いて作った計画ですが、あまりにも愚かで、コメントする気も起きないような計画です。福島第一原発にしても、自民党が政権を担っていたときに、「事故は起きない」として運転許可を与えたわけですが、事実としてその原発が事故を起こしました。事故発生当日に緊急事態宣言が発せられたわけですが、それすら未だに解除できないまま事故は続いてます。歴代の自民党総裁=首相は、全ての原発の許可を与えてきたのですから、まず、彼らの政治責任を問い、刑事処罰しなければならないと、私は思います。ところが、彼らは何らの反省もないまま、「原子力を進める」と宣言しました。
政府のいうように、原発の電力構成比=22~24%を満たそうとしたら、今は1基も動いていない原発を全部運転しなければなりませんし、彼らが考えていることは、もっとひどい内容です。それはリプレイスという名の新規建設です。
稼働から40年を過ぎた古い原発は廃炉にしなければならないのですが、その代わりに巨大な原発を建設しようとしているのです。
例えば敦賀原発1号機は、35.7万kWで、廃炉が決定していますが、代わりに「新型で安全性の高まった原子炉」という口実で、3号機と4号機が建設準備中です。両機を合わせると、300万kWを超える規模の原発です。つまり1機廃炉にする代わりに、その敷地に出力が10倍の原発を建設するという計画なのです。
◎凍土壁は失敗する―それでも儲ける原子力マフィア
編…汚染水をはじめとする、事故現場の課題は何ですか?
小出…これまでに大気中に放出された放射性物質は、セシウム137に換算すると、広島原爆168発分だと日本政府が言っています。しかし熔け落ちた炉心には、数万発分の放射性物質が含まれています。その炉心が何処にどのような状態であるのかもわかっていないので、とにかく水をかけて冷却しているのですが、これが膨大な放射能汚染水となって貯まり続けています。この汚染水を環境中に出さないことは絶対的に必要なことです。
そのためにすべきことはたくさんあります。まず、故障続きのALPS(多核種除去設備)を稼働させることです。
次に汚染水の発生自体を抑えることです。汚染水の発生源は2つあります。1つは、炉心冷却のための注水であり、もう一つは建屋に流れ込んでいる地下水です。まず、炉心冷却のための注水は止めるべきです。熔けた炉心の崩壊熱は、事故から4年経って数百分の1に減っているはずです。水以外の金属などによる冷却などを試してみる価値があると私は思います。
地下水対策として東電は、凍土壁を作るとしています。長さ30mの配管を1mごとに打ちこんでマイナス30度Cの冷媒を流して周りの土を凍らせて、1500mにわたる凍土壁を作るというものです。小規模な凍土壁は地下トンネルなどで使われてきた実績ある技術ですが、今回のような大規模な凍土壁は、多分失敗します。理由は、地下水がどんどん流れてきており、流れの緩やかな場所は凍るかもしれませんが、急流の場所では凍らず、結局そこから地下水が流れ込むことになるので、別な方法を試すことになると思います。
に凍土壁ができたとしても、冷媒を途切れることなく流し続けることが可能とは思えません。停電になれば冷媒の温度を下げることも、ポンプで送り込むこともできなくなります。パイプがどこかで破れたり詰まったりすれば、その時点で破綻します。結局、別の遮水壁を作ることになるでしょう。
ただし、原子力マフィアにとっては、最良の方法です。凍土壁の工事は、鹿島建設が320億円で請け負っていますが、全て国費です。鹿島建設はこれで大儲けしますし、失敗すれば別のゼネコンが、別の方法を提案してまた儲けることができるからです。
私は2011年5月から汚染水問題を指摘し、コンクリート製の地下ダムによる遮水を提案し続けていますが、地下水の流入を止められたとしても、汚染水はいずれ海に放出することになるでしょう。ALPSが稼働しても、ストロンチウム90を法令以下の水準まで除去することはほぼ不可能ですし、トリチウムは全く除去できないからです。
◎炉心回収は不可能
編…東電が廃炉工程表の見直しを行いましたが…。
小出…最後の問題は、熔け落ちた炉心の回収です。東電と政府の計画では、熔けて固まった炉心を上から掴み出すとしていますが、私は無理だと思います。彼らの工程表によると、熔けた炉心は、圧力容器の底を突き抜けて、格納容器の床上に饅頭のように堆積して貯まっており、これを上から掴み出すという計画です。
このためには、まず炉心からの猛烈な放射線を遮るために壊れてしまった格納容器を修理して、水が貯まるようにしなければなりません。これがたいへん困難な作業です。格納容器のどこが壊れているのかを知ること自体が難しいし、修理するとなるとたいへんな被曝労働になります。さらに格納容器は、水を満たすことを想定していない構造なので、それ自体が別のリスクを抱えることになります。
仮にこれがクリアーできたとしても、熔けた炉心はあちこちに飛び散っていて、上から覗いて見える範囲にある炉心は、わずかだろうと思います。仮に半分取り出せたとしても、半分が残ってしまうなら、ほとんど意味がないのです。いつかの時点でこの方法は全面的に見直すことになると思いますが、そのために膨大な被曝労働を投入するのなら、はじめから諦めるべきだと考えています。
政府もようやくそのことに気がつき始めていて、上から取り出すという方法以外の方法について検討を始め、今回の「廃炉行程の見直し」につながっています。横から穴を開けるとか地下からの回収という方法も検討するとしています。
上から掴み出すという従来の計画に比べれば、まだ実現の可能性がありますが、これらの方法にしてもたいへんな被曝労働は避けられませんので、炉心の回収は諦めてその場で保管する「石棺方式」を採用すべきだと思います。チェルノブイリ事故で採用された方式です。
ただし、福島事故はチェルノブイリ事故より多くの困難を抱えています。説明します。チェルノブイリ事故でも熔けた炉心が地下に熔け落ちたのですが、そこに広大な空間があって、事故直後にトンネルを掘って液体窒素を流し込んだりして、地下室で冷えて固まるような作業ができました。熔けた炉心を地下室で食い止めることができたので、地上に石棺を作れば、炉心を閉じこめることができました。
ところが福島原発の場合、地下室がぼろぼろに壊れてしまって、地下水がどんどん流れ込む状態となっています。したがって、地上の石棺に加えて地下にも防護壁を作らねばなりません。
つまり地上の石棺に加えて地下の遮水壁で放射能を閉じこめるという、より困難な課題があるのですが、これ以外の方法はないと思います。
◎使用済核燃料の取出しという難題
ただしこの方法を採るにしても、そこにたどり着く前に困難な課題があります。使用済み核燃料の回収です。使用済み核燃料は、水が満たされたプールで冷却し続けなければ、熔けて核反応を起こしますから、石棺を作る前に、全ての使用済み燃料を回収しなければならないのです。
4号機は、昨年11月に取り出しを完了しましたが、4号機は、水素爆発は起こしたものの炉心が熔けたわけではないので、原子炉建屋の放射能汚染は少なかったのです。だから作業員が建屋に近づき、新たなクレーンや燃料交換機を設置して作業することができました。
ところが1~3号機は、水素爆発でめちゃくちゃに破壊されたうえ、炉心溶融による猛烈な放射能汚染で建屋に入ることすらままならず、核燃料プールに近づくこともできない状態です。
水素爆発によってたくさんのがれきが燃料プールの中に崩れ落ちているので、まず、1.遠隔操作によってがれきを取り出す作業を進めています。この作業を終えて、2.なにがしかの除染をして労働者が入れるようにして、3.クレーンや交換機を設置し、4.燃料棒の回収作業を行うという、膨大な作業が控えています。この何年かかるかわからない作業を終えた上で、石棺を作る作業に移行するのです。
政府と東電は、6月、原発廃炉工程の見直しを行いましたが、これも絵に描いた餅に過ぎませんので、再改訂されて収束時期はさらに遅れるでしょう。
廃炉方法も炉心の回収は諦めて石棺方式になるでしょうが、その石棺がいつ完成するのか?と問われれば、多分私は死んでいるでしょう。
チェルノブイリの石棺は、事故から29年経って既にボロボロに崩れ始めたので、さらに巨大な第2石棺で第1石棺を覆わねばならなくなっています。福島でもそうなるでしょう。
私は、第1石棺を見ることなく死ぬことになるでしょうが、今生きている人たちが、第2石棺を見ることもないでしょう。そういう時間の長さなのです。
事故原発の廃炉とは、30年や40年で収束できるような作業ではありません。
(次号に続く)
(人民新聞2015年7月25日 1556号より、人民新聞編集部の了承済み)
2015年8月8日(土)地震と原発事故情報-1つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
※8月7日(金)に配布した「週刊金曜ビラ」164号の学習会日程欄で
2つ訂正致します。
1.ちょぼゼミ第6回「過小評価されているベータ核種の危険性」
正:8月20日(木) 誤:8月20日(月)
2.9/9(水)安倍政権こそ『存立危機事態』辻元清美さん講演学習会
正:辻元清美さん 誤:辻本清美さん
訂正しておわび致します。
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┗■1.原子力マフィア完全復活
| いかさまの新規制基準 廃炉は半世紀で完了しない
└──── 小出裕章さんインタビュー(7月11日/兵庫県尼崎市)
川内原発再稼働を皮切りに、次々と老朽原発再稼働に踏み込む安倍政権。6月には、原発比率20~22%という「2030年電源構成案」を発表し、原発全面推進に回帰する方針を示した。
政権は、原発事故を遠い過去の記憶にしたいようだが、実際はどうか?「福島原発現地は放射能の沼のような状態」と語る小出さんに、緊急課題である汚染水対策から廃炉作業の見通しまで、聞いた。小出さんは、廃炉作業について「炉心の回収は無理なので石棺方式になる」としたうえで、地下に熔け落ちた炉心の閉じこめ作業、1~3号機の使用済み核燃料回収作業など、待ち受ける困難を具体的に指摘する。
今回のインタビューは、京大原子炉実験所を退職して以来、初めてのインタビューとなった。2回に分けて掲載する。川内原発現地では、Xデーに向けてゲート前大行動が予定されており、全国からの結集が呼びかけられている。
◎新規原発見込んだ「2030年電源構成案」
編集部…政府が発表した「2030年度の電源構成案」では、原発を46基稼働し、40年の設備年限を撤廃し、核燃料サイクルも推進…など、原発全面推進に回帰する内容です。評価をお願いします。
小出…自由民主党が政権に返り咲いて作った計画ですが、あまりにも愚かで、コメントする気も起きないような計画です。福島第一原発にしても、自民党が政権を担っていたときに、「事故は起きない」として運転許可を与えたわけですが、事実としてその原発が事故を起こしました。事故発生当日に緊急事態宣言が発せられたわけですが、それすら未だに解除できないまま事故は続いてます。歴代の自民党総裁=首相は、全ての原発の許可を与えてきたのですから、まず、彼らの政治責任を問い、刑事処罰しなければならないと、私は思います。ところが、彼らは何らの反省もないまま、「原子力を進める」と宣言しました。
政府のいうように、原発の電力構成比=22~24%を満たそうとしたら、今は1基も動いていない原発を全部運転しなければなりませんし、彼らが考えていることは、もっとひどい内容です。それはリプレイスという名の新規建設です。
稼働から40年を過ぎた古い原発は廃炉にしなければならないのですが、その代わりに巨大な原発を建設しようとしているのです。
例えば敦賀原発1号機は、35.7万kWで、廃炉が決定していますが、代わりに「新型で安全性の高まった原子炉」という口実で、3号機と4号機が建設準備中です。両機を合わせると、300万kWを超える規模の原発です。つまり1機廃炉にする代わりに、その敷地に出力が10倍の原発を建設するという計画なのです。
◎凍土壁は失敗する―それでも儲ける原子力マフィア
編…汚染水をはじめとする、事故現場の課題は何ですか?
小出…これまでに大気中に放出された放射性物質は、セシウム137に換算すると、広島原爆168発分だと日本政府が言っています。しかし熔け落ちた炉心には、数万発分の放射性物質が含まれています。その炉心が何処にどのような状態であるのかもわかっていないので、とにかく水をかけて冷却しているのですが、これが膨大な放射能汚染水となって貯まり続けています。この汚染水を環境中に出さないことは絶対的に必要なことです。
そのためにすべきことはたくさんあります。まず、故障続きのALPS(多核種除去設備)を稼働させることです。
次に汚染水の発生自体を抑えることです。汚染水の発生源は2つあります。1つは、炉心冷却のための注水であり、もう一つは建屋に流れ込んでいる地下水です。まず、炉心冷却のための注水は止めるべきです。熔けた炉心の崩壊熱は、事故から4年経って数百分の1に減っているはずです。水以外の金属などによる冷却などを試してみる価値があると私は思います。
地下水対策として東電は、凍土壁を作るとしています。長さ30mの配管を1mごとに打ちこんでマイナス30度Cの冷媒を流して周りの土を凍らせて、1500mにわたる凍土壁を作るというものです。小規模な凍土壁は地下トンネルなどで使われてきた実績ある技術ですが、今回のような大規模な凍土壁は、多分失敗します。理由は、地下水がどんどん流れてきており、流れの緩やかな場所は凍るかもしれませんが、急流の場所では凍らず、結局そこから地下水が流れ込むことになるので、別な方法を試すことになると思います。
に凍土壁ができたとしても、冷媒を途切れることなく流し続けることが可能とは思えません。停電になれば冷媒の温度を下げることも、ポンプで送り込むこともできなくなります。パイプがどこかで破れたり詰まったりすれば、その時点で破綻します。結局、別の遮水壁を作ることになるでしょう。
ただし、原子力マフィアにとっては、最良の方法です。凍土壁の工事は、鹿島建設が320億円で請け負っていますが、全て国費です。鹿島建設はこれで大儲けしますし、失敗すれば別のゼネコンが、別の方法を提案してまた儲けることができるからです。
私は2011年5月から汚染水問題を指摘し、コンクリート製の地下ダムによる遮水を提案し続けていますが、地下水の流入を止められたとしても、汚染水はいずれ海に放出することになるでしょう。ALPSが稼働しても、ストロンチウム90を法令以下の水準まで除去することはほぼ不可能ですし、トリチウムは全く除去できないからです。
◎炉心回収は不可能
編…東電が廃炉工程表の見直しを行いましたが…。
小出…最後の問題は、熔け落ちた炉心の回収です。東電と政府の計画では、熔けて固まった炉心を上から掴み出すとしていますが、私は無理だと思います。彼らの工程表によると、熔けた炉心は、圧力容器の底を突き抜けて、格納容器の床上に饅頭のように堆積して貯まっており、これを上から掴み出すという計画です。
このためには、まず炉心からの猛烈な放射線を遮るために壊れてしまった格納容器を修理して、水が貯まるようにしなければなりません。これがたいへん困難な作業です。格納容器のどこが壊れているのかを知ること自体が難しいし、修理するとなるとたいへんな被曝労働になります。さらに格納容器は、水を満たすことを想定していない構造なので、それ自体が別のリスクを抱えることになります。
仮にこれがクリアーできたとしても、熔けた炉心はあちこちに飛び散っていて、上から覗いて見える範囲にある炉心は、わずかだろうと思います。仮に半分取り出せたとしても、半分が残ってしまうなら、ほとんど意味がないのです。いつかの時点でこの方法は全面的に見直すことになると思いますが、そのために膨大な被曝労働を投入するのなら、はじめから諦めるべきだと考えています。
政府もようやくそのことに気がつき始めていて、上から取り出すという方法以外の方法について検討を始め、今回の「廃炉行程の見直し」につながっています。横から穴を開けるとか地下からの回収という方法も検討するとしています。
上から掴み出すという従来の計画に比べれば、まだ実現の可能性がありますが、これらの方法にしてもたいへんな被曝労働は避けられませんので、炉心の回収は諦めてその場で保管する「石棺方式」を採用すべきだと思います。チェルノブイリ事故で採用された方式です。
ただし、福島事故はチェルノブイリ事故より多くの困難を抱えています。説明します。チェルノブイリ事故でも熔けた炉心が地下に熔け落ちたのですが、そこに広大な空間があって、事故直後にトンネルを掘って液体窒素を流し込んだりして、地下室で冷えて固まるような作業ができました。熔けた炉心を地下室で食い止めることができたので、地上に石棺を作れば、炉心を閉じこめることができました。
ところが福島原発の場合、地下室がぼろぼろに壊れてしまって、地下水がどんどん流れ込む状態となっています。したがって、地上の石棺に加えて地下にも防護壁を作らねばなりません。
つまり地上の石棺に加えて地下の遮水壁で放射能を閉じこめるという、より困難な課題があるのですが、これ以外の方法はないと思います。
◎使用済核燃料の取出しという難題
ただしこの方法を採るにしても、そこにたどり着く前に困難な課題があります。使用済み核燃料の回収です。使用済み核燃料は、水が満たされたプールで冷却し続けなければ、熔けて核反応を起こしますから、石棺を作る前に、全ての使用済み燃料を回収しなければならないのです。
4号機は、昨年11月に取り出しを完了しましたが、4号機は、水素爆発は起こしたものの炉心が熔けたわけではないので、原子炉建屋の放射能汚染は少なかったのです。だから作業員が建屋に近づき、新たなクレーンや燃料交換機を設置して作業することができました。
ところが1~3号機は、水素爆発でめちゃくちゃに破壊されたうえ、炉心溶融による猛烈な放射能汚染で建屋に入ることすらままならず、核燃料プールに近づくこともできない状態です。
水素爆発によってたくさんのがれきが燃料プールの中に崩れ落ちているので、まず、1.遠隔操作によってがれきを取り出す作業を進めています。この作業を終えて、2.なにがしかの除染をして労働者が入れるようにして、3.クレーンや交換機を設置し、4.燃料棒の回収作業を行うという、膨大な作業が控えています。この何年かかるかわからない作業を終えた上で、石棺を作る作業に移行するのです。
政府と東電は、6月、原発廃炉工程の見直しを行いましたが、これも絵に描いた餅に過ぎませんので、再改訂されて収束時期はさらに遅れるでしょう。
廃炉方法も炉心の回収は諦めて石棺方式になるでしょうが、その石棺がいつ完成するのか?と問われれば、多分私は死んでいるでしょう。
チェルノブイリの石棺は、事故から29年経って既にボロボロに崩れ始めたので、さらに巨大な第2石棺で第1石棺を覆わねばならなくなっています。福島でもそうなるでしょう。
私は、第1石棺を見ることなく死ぬことになるでしょうが、今生きている人たちが、第2石棺を見ることもないでしょう。そういう時間の長さなのです。
事故原発の廃炉とは、30年や40年で収束できるような作業ではありません。
(次号に続く)
(人民新聞2015年7月25日 1556号より、人民新聞編集部の了承済み)
たんぽぽ舎です。【TMM:No2557】
2015年8月7日(金)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.説明責任を果たさずに再稼働を推進する原子力規制委員会
再稼働反対世論調査結果を問われて「国民」を馬鹿にし
メディアに圧力をかける田中委員長
原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その57
木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
★2.安倍政権こそ「存立危機事態」あきらめたら、あかん
お話:辻元清美 (民主党衆議院議員)さん
9/9学習・講演会のご案内
★3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
◆原発の再稼働反対! 経産省前テントを守ろう!
原発避難者を支援しよう! 放射性廃棄物処分場設置を止めろ!
9・6集会in 千葉 場所:千葉市中央公園
★4.新聞より4つ
◆川内1号、11日に再稼働 制御棒引き抜き原子炉起動
(8月6日共同通信より)
◆柏崎刈羽原発 優先的に審査 福島と同じ沸騰水型
(8月7日東京新聞2面より抜粋)
◆鹿児島県がヨウ素剤の学校配備検討 原発5キロ圏内対象
(8月7日南日本新聞より)
◆原発と東芝の闇 竹田茂夫
(7月30日東京新聞「本音のコラム」より)
━━━━━━━
※明日です!8/8学習会にご参加を!
『戦争とメディア』全3回 パート1「大日本帝国の映像利用と抵抗」
戦意高揚に利用された映画と新型爆弾
-映画があおる・軍隊に入ればこの世は天国-
日 時:8月8日(土)18時から20時(開場17時30分)
お 話:加藤久晴さん(メディア総合研究所研究員)
会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)
主 催:たんぽぽ舎(スペースたんぽぽ講座会議)
参加費:800円
☆パート2「またぞろ復活の国策番組と視聴者の反抗」
-映画があおる自衛隊に入ればこの世は天国-
日時:9月5日(土)18時から20時
━━━━━━━
※8/11(火)九電東京支社抗議行動にご参加を!
当初、8/10(月)に予定されていた同行動は、九電川内原発の起動が
11日(火)になるとのことで変更されました。
川内原発現地では、8/10(月)、11日(火)と抗議行動を行う予定です。
九州電力川内原発再稼働反対・九電東京支社への抗議行動
-鹿児島川内原発現地での行動に連帯して-
日時:8月11日(火)18:00から19:30
場所:有楽町電気ビル前(JR有楽町日比谷口下車)
主催:再稼働阻止全国ネットワーク
━━━━━━━
※たんぽぽ舎ホームページトラブルについて
先日来、たんぽぽ舎のホームページが不具合です。
多くの方に、ご心配をおかけして申し訳ありません。
たんぽぽ舎のHPデータとサーバーの一部分のバージョンが
合致していない状態になっているようです。
担当スタッフが復旧に努めております。もうしばらくお待ち下さい。
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┗■1.説明責任を果たさずに再稼働を推進する原子力規制委員会
| 再稼働反対世論調査結果を問われて「国民」を馬鹿にし
| メディアに圧力をかける田中委員長
| 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その57
└──── 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
8月5日(水)の田中委員長記者会見は、川内原発1号機の再稼働を目前にして、記者が厳しい質問をし、いらついた田中委員長は「国民」を馬鹿にしメディアに圧力をかける発言をした。
NHK記者の質問にあるように、原子力規制委員会は(大甘・不合理な新規制基準で非常にいい加減な「耐震偽装」付審査をするという理解不可能な規制行政をしながら)多くの専門家や「国民」の疑問に対して説明を怠っていることが一番の問題であるのに。
詳しくは、次の「原子力規制委員会委員長定例会見」の8月5日の欄をご覧いただきたい。http://www.nsr.go.jp/nra/kaiken/index.html
〇世論調査結果が示す原子力規制委員会への不信
(TBS)8月1日、2日のJNN世論調査では、川内原発の稼働について、35%が賛成、57%が反対。この4年間に合計19回の世論調査をやっていてその全てにおいて反対という声が賛成の声を上回っている。その責任は?
(田中)世論調査というのはいろいろなやり方があるから、一概にその数値がどういう意味を持っているのかということは分かりません。逆にいうと、自分に関りのない問題は何でもそうですけれども、ちょっと嫌なことは反対するというのは普通の感覚だし、マスコミもそういう論調が多いわけだから、当然そうだと思います。
〇産経新聞記者も明確に今現在の川内原発再稼働に疑問を抱いて質問
(産経)
・国民の信頼というのは、果たしてこの組織に対して回復したと言えるのかどうか?
・新安全基準を作成すると言っていたものが、途中から新規制基準に変わったというような例がありますけれども、委員長御自身は、この数年間で安全という捉え方、ものの考え方は変わったのでしょうか?
・あれだけの凄惨な事故を起こした日本が原発へ回帰すると言う日に、委員長御自身の思いとしては、その日にどういう感慨が湧くのか。事故前に陥っていた安全神話が、現状今、日本は脱却できたと言えるのかどうか。
〇NHKが追及する説明責任
(NHK)原発のリスクがどれほど下がったのかというのがなかなか理解できない、実感できないということも一つ要因としてあると思うのですけれども。…。規制委員会がもっと丁寧に説明して、国民の疑問に答えるような形で説明することが欠けているからではないか。
(田中委員長)メディアの中でもそういうことを分かっているのか、分かっていないのかよく分かりませんけれども、そういうことをいろいろおっしゃっているから、国民というのは大体そういう世論に流されるところがありますので、本当の意味でどこまで理解していただけるか分かりません。
(赤旗)「国民はメディアに流されやすいから、なかなか私たちの取組を分かってもらえないのだ」と聞こえたが、それはちょっと国民をばかにしていませんか。
(田中委員長)いや、そういう意味ではないです。メディアの人はもっときちんと社会のリーダーたるべきだと私は思っていますので、その期待に添うようにきちんとした考えで報道もしていただきたいと。
この日午前の原子力規制委員会定例会議で、川内1号機の高経年化保安規定変更が認可された折に、多くの傍聴者が立ちあがって抗議したにも関わらず、その姿を各社のテレビカメラが映さなかったそうだ。このことは、前述のような田中委員長他からのメディアへの圧力がからんでいるのではないか。
┏┓
┗■2.安倍政権こそ「存立危機事態」あきらめたら、あかん
| お話:辻元清美 (民主党衆議院議員)さん
| 9/9学習・講演会のご案内
└──── たんぽぽ舎
安倍政治を許さない!
秘密保護法、原発再稼働、戦争法案…圧倒的議席数で民意など関係なく
次々と押し通す自民党の攻勢に対して私たちは何ができるのか
今こそ、危機感を持った人の力を結集しないとヤバイ!
日 時:9月9日(水)19:00開場 19:30より21:30
お 話:辻元清美 (民主党衆議院議員)さん
会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)
※予約優先となります
参加費:800円
┏┓
┗■3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
└────
◆原発の再稼働反対! 経産省前テントを守ろう!
原発避難者を支援しよう! 放射性廃棄物処分場設置を止めろ!
9・6集会in 千葉
期 日:9月6日(日) 雨天決行
場 所:千葉市中央公園
時 間:15時よりライブ30分位
経産省前テントでおなじみのジョニーHさん出演
15時30分より トーク
16時30分より デモ行進 1時間位
主 催:「原発さよなら千葉」 http://www.藤野.jp/~genpatsu-sayonara/
共催団体:千葉県原発訴訟の原告と家族を支援する会
東日本大震災被災者支援千葉西部ネットワーク
連絡先:090-2553-2587
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┗■4.新聞より4つ
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◆川内1号、11日に再稼働 制御棒引き抜き原子炉起動
九州電力が川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)を11日に再稼働させる方向で最終調整していることが6日、分かった。10日に原子炉内の核分裂を抑える制御棒に関する検査を実施し、問題がなければ11日に制御棒を引き抜いて原子炉を起動する。
川内1号機が再稼働すれば、新規制基準に適合した原発で全国初となる。ただ、最終段階に入っている検査の進み具合によっては再稼働の日程がさらに遅れる可能性も残っている。
九電は4日から原子炉内部の温度や圧力を、実際の運転時に近い状態に上げる作業を始めた。各機器の作動状況を1週間程度かけて点検する。
(8月6日共同通信より)
◆柏崎刈羽原発 優先的に審査 福島と同じ沸騰水型
原子力規制委員会は6日、原発の新規制基準に基づく審査で、東京電力福島第一原発と同じ沸騰水型で先行している4原発のうち、東電柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)を優先的に審査することを決めた。優先審査の対象は原子炉建屋など施設に限定し、耐震設計の目安となる基準地震動の議論とは切り離す。
原子力規制委員会事務局の担当者は「資料の提出が早く、対応がしっかりしている」と選定理由を説明しているが、この日の会合で更田豊志委員は「審査合格の順番とは関係ない」との考えを示した。 (中略)
更田氏は「平行審査は時間がかかるので、柏崎刈羽6、7号機に集中したい」と述べた。
(8月7日東京新聞2面より抜粋)
◆鹿児島県がヨウ素剤の学校配備検討 原発5キロ圏内対象
九州電力川内原発(薩摩川内市)で放射性物質が拡散するような重大事故が起きた際、甲状腺の被ばくを抑制するため服用する安定ヨウ素剤を、鹿児島県が原発から5キロ圏内の小中学校と保育園に配備する検討に入ったことが6日分かった。
(8月7日南日本新聞より)
◆原発と東芝の闇 竹田茂夫
先頃、東芝の会計操作に関する報告書が出た。トップの当期利益主義のプレッシャーにより組織を挙げて粉飾会計まがいの不正が行われたという趣旨だが、批判が多い。報告書は上意下達の企業風土や内部統制の緩みに意図的に限定しているからだ。なぜ見かけだけの利益計上にはしったのか。経営者の資質や企業統治を超える重大な問題があるはずだ。
2006年、経済産業省の原発推進に呼応して、東芝は米原発メーカーのウェスチングハウス(WH)を破格の値段で買収した。巨額買収で活躍したのが、原発一筋の経歴で後に東芝のトップとなり、不正会計の元凶として報告書でも指弾された人物だ。3・11以降も強気の発言を繰り返し、安倍政権にも民間委員として協力してきた。
東芝の昨年末の資産合計約7兆円のうち、約1兆5500億円が「のれん」や繰り延べ税金資産などの将来の収益予想に依存する頼りない性質のものだ。「のれん」とは買収額がWHの純資産を上回る部分を指すが、今後、原発商売が下向けば減損処理を迫られる。だがそのための自己資本は1兆4000億円ほどしかない。無理な買収のつけが不正会計に表れたのではないか。
東芝は優れた事業を他に多く持ちながら、原発輸出など国策の先兵として動いてきた。袋小路の原発との心中以外に道はないのか。 (法政大教授)
(7月30日東京新聞「本音のコラム」より)
☆7/22発信の【TMM:No2542】★1.東芝粉飾決算の背景は原発
ウエスチングハウス巨額買収…山崎久隆さんの文も再度、ご参照下さい。
2015年8月7日(金)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.説明責任を果たさずに再稼働を推進する原子力規制委員会
再稼働反対世論調査結果を問われて「国民」を馬鹿にし
メディアに圧力をかける田中委員長
原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その57
木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
★2.安倍政権こそ「存立危機事態」あきらめたら、あかん
お話:辻元清美 (民主党衆議院議員)さん
9/9学習・講演会のご案内
★3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
◆原発の再稼働反対! 経産省前テントを守ろう!
原発避難者を支援しよう! 放射性廃棄物処分場設置を止めろ!
9・6集会in 千葉 場所:千葉市中央公園
★4.新聞より4つ
◆川内1号、11日に再稼働 制御棒引き抜き原子炉起動
(8月6日共同通信より)
◆柏崎刈羽原発 優先的に審査 福島と同じ沸騰水型
(8月7日東京新聞2面より抜粋)
◆鹿児島県がヨウ素剤の学校配備検討 原発5キロ圏内対象
(8月7日南日本新聞より)
◆原発と東芝の闇 竹田茂夫
(7月30日東京新聞「本音のコラム」より)
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※明日です!8/8学習会にご参加を!
『戦争とメディア』全3回 パート1「大日本帝国の映像利用と抵抗」
戦意高揚に利用された映画と新型爆弾
-映画があおる・軍隊に入ればこの世は天国-
日 時:8月8日(土)18時から20時(開場17時30分)
お 話:加藤久晴さん(メディア総合研究所研究員)
会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)
主 催:たんぽぽ舎(スペースたんぽぽ講座会議)
参加費:800円
☆パート2「またぞろ復活の国策番組と視聴者の反抗」
-映画があおる自衛隊に入ればこの世は天国-
日時:9月5日(土)18時から20時
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※8/11(火)九電東京支社抗議行動にご参加を!
当初、8/10(月)に予定されていた同行動は、九電川内原発の起動が
11日(火)になるとのことで変更されました。
川内原発現地では、8/10(月)、11日(火)と抗議行動を行う予定です。
九州電力川内原発再稼働反対・九電東京支社への抗議行動
-鹿児島川内原発現地での行動に連帯して-
日時:8月11日(火)18:00から19:30
場所:有楽町電気ビル前(JR有楽町日比谷口下車)
主催:再稼働阻止全国ネットワーク
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※たんぽぽ舎ホームページトラブルについて
先日来、たんぽぽ舎のホームページが不具合です。
多くの方に、ご心配をおかけして申し訳ありません。
たんぽぽ舎のHPデータとサーバーの一部分のバージョンが
合致していない状態になっているようです。
担当スタッフが復旧に努めております。もうしばらくお待ち下さい。
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┗■1.説明責任を果たさずに再稼働を推進する原子力規制委員会
| 再稼働反対世論調査結果を問われて「国民」を馬鹿にし
| メディアに圧力をかける田中委員長
| 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その57
└──── 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
8月5日(水)の田中委員長記者会見は、川内原発1号機の再稼働を目前にして、記者が厳しい質問をし、いらついた田中委員長は「国民」を馬鹿にしメディアに圧力をかける発言をした。
NHK記者の質問にあるように、原子力規制委員会は(大甘・不合理な新規制基準で非常にいい加減な「耐震偽装」付審査をするという理解不可能な規制行政をしながら)多くの専門家や「国民」の疑問に対して説明を怠っていることが一番の問題であるのに。
詳しくは、次の「原子力規制委員会委員長定例会見」の8月5日の欄をご覧いただきたい。http://www.nsr.go.jp/nra/kaiken/index.html
〇世論調査結果が示す原子力規制委員会への不信
(TBS)8月1日、2日のJNN世論調査では、川内原発の稼働について、35%が賛成、57%が反対。この4年間に合計19回の世論調査をやっていてその全てにおいて反対という声が賛成の声を上回っている。その責任は?
(田中)世論調査というのはいろいろなやり方があるから、一概にその数値がどういう意味を持っているのかということは分かりません。逆にいうと、自分に関りのない問題は何でもそうですけれども、ちょっと嫌なことは反対するというのは普通の感覚だし、マスコミもそういう論調が多いわけだから、当然そうだと思います。
〇産経新聞記者も明確に今現在の川内原発再稼働に疑問を抱いて質問
(産経)
・国民の信頼というのは、果たしてこの組織に対して回復したと言えるのかどうか?
・新安全基準を作成すると言っていたものが、途中から新規制基準に変わったというような例がありますけれども、委員長御自身は、この数年間で安全という捉え方、ものの考え方は変わったのでしょうか?
・あれだけの凄惨な事故を起こした日本が原発へ回帰すると言う日に、委員長御自身の思いとしては、その日にどういう感慨が湧くのか。事故前に陥っていた安全神話が、現状今、日本は脱却できたと言えるのかどうか。
〇NHKが追及する説明責任
(NHK)原発のリスクがどれほど下がったのかというのがなかなか理解できない、実感できないということも一つ要因としてあると思うのですけれども。…。規制委員会がもっと丁寧に説明して、国民の疑問に答えるような形で説明することが欠けているからではないか。
(田中委員長)メディアの中でもそういうことを分かっているのか、分かっていないのかよく分かりませんけれども、そういうことをいろいろおっしゃっているから、国民というのは大体そういう世論に流されるところがありますので、本当の意味でどこまで理解していただけるか分かりません。
(赤旗)「国民はメディアに流されやすいから、なかなか私たちの取組を分かってもらえないのだ」と聞こえたが、それはちょっと国民をばかにしていませんか。
(田中委員長)いや、そういう意味ではないです。メディアの人はもっときちんと社会のリーダーたるべきだと私は思っていますので、その期待に添うようにきちんとした考えで報道もしていただきたいと。
この日午前の原子力規制委員会定例会議で、川内1号機の高経年化保安規定変更が認可された折に、多くの傍聴者が立ちあがって抗議したにも関わらず、その姿を各社のテレビカメラが映さなかったそうだ。このことは、前述のような田中委員長他からのメディアへの圧力がからんでいるのではないか。
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┗■2.安倍政権こそ「存立危機事態」あきらめたら、あかん
| お話:辻元清美 (民主党衆議院議員)さん
| 9/9学習・講演会のご案内
└──── たんぽぽ舎
安倍政治を許さない!
秘密保護法、原発再稼働、戦争法案…圧倒的議席数で民意など関係なく
次々と押し通す自民党の攻勢に対して私たちは何ができるのか
今こそ、危機感を持った人の力を結集しないとヤバイ!
日 時:9月9日(水)19:00開場 19:30より21:30
お 話:辻元清美 (民主党衆議院議員)さん
会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)
※予約優先となります
参加費:800円
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┗■3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
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◆原発の再稼働反対! 経産省前テントを守ろう!
原発避難者を支援しよう! 放射性廃棄物処分場設置を止めろ!
9・6集会in 千葉
期 日:9月6日(日) 雨天決行
場 所:千葉市中央公園
時 間:15時よりライブ30分位
経産省前テントでおなじみのジョニーHさん出演
15時30分より トーク
16時30分より デモ行進 1時間位
主 催:「原発さよなら千葉」 http://www.藤野.jp/~genpatsu-sayonara/
共催団体:千葉県原発訴訟の原告と家族を支援する会
東日本大震災被災者支援千葉西部ネットワーク
連絡先:090-2553-2587
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┗■4.新聞より4つ
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◆川内1号、11日に再稼働 制御棒引き抜き原子炉起動
九州電力が川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)を11日に再稼働させる方向で最終調整していることが6日、分かった。10日に原子炉内の核分裂を抑える制御棒に関する検査を実施し、問題がなければ11日に制御棒を引き抜いて原子炉を起動する。
川内1号機が再稼働すれば、新規制基準に適合した原発で全国初となる。ただ、最終段階に入っている検査の進み具合によっては再稼働の日程がさらに遅れる可能性も残っている。
九電は4日から原子炉内部の温度や圧力を、実際の運転時に近い状態に上げる作業を始めた。各機器の作動状況を1週間程度かけて点検する。
(8月6日共同通信より)
◆柏崎刈羽原発 優先的に審査 福島と同じ沸騰水型
原子力規制委員会は6日、原発の新規制基準に基づく審査で、東京電力福島第一原発と同じ沸騰水型で先行している4原発のうち、東電柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)を優先的に審査することを決めた。優先審査の対象は原子炉建屋など施設に限定し、耐震設計の目安となる基準地震動の議論とは切り離す。
原子力規制委員会事務局の担当者は「資料の提出が早く、対応がしっかりしている」と選定理由を説明しているが、この日の会合で更田豊志委員は「審査合格の順番とは関係ない」との考えを示した。 (中略)
更田氏は「平行審査は時間がかかるので、柏崎刈羽6、7号機に集中したい」と述べた。
(8月7日東京新聞2面より抜粋)
◆鹿児島県がヨウ素剤の学校配備検討 原発5キロ圏内対象
九州電力川内原発(薩摩川内市)で放射性物質が拡散するような重大事故が起きた際、甲状腺の被ばくを抑制するため服用する安定ヨウ素剤を、鹿児島県が原発から5キロ圏内の小中学校と保育園に配備する検討に入ったことが6日分かった。
(8月7日南日本新聞より)
◆原発と東芝の闇 竹田茂夫
先頃、東芝の会計操作に関する報告書が出た。トップの当期利益主義のプレッシャーにより組織を挙げて粉飾会計まがいの不正が行われたという趣旨だが、批判が多い。報告書は上意下達の企業風土や内部統制の緩みに意図的に限定しているからだ。なぜ見かけだけの利益計上にはしったのか。経営者の資質や企業統治を超える重大な問題があるはずだ。
2006年、経済産業省の原発推進に呼応して、東芝は米原発メーカーのウェスチングハウス(WH)を破格の値段で買収した。巨額買収で活躍したのが、原発一筋の経歴で後に東芝のトップとなり、不正会計の元凶として報告書でも指弾された人物だ。3・11以降も強気の発言を繰り返し、安倍政権にも民間委員として協力してきた。
東芝の昨年末の資産合計約7兆円のうち、約1兆5500億円が「のれん」や繰り延べ税金資産などの将来の収益予想に依存する頼りない性質のものだ。「のれん」とは買収額がWHの純資産を上回る部分を指すが、今後、原発商売が下向けば減損処理を迫られる。だがそのための自己資本は1兆4000億円ほどしかない。無理な買収のつけが不正会計に表れたのではないか。
東芝は優れた事業を他に多く持ちながら、原発輸出など国策の先兵として動いてきた。袋小路の原発との心中以外に道はないのか。 (法政大教授)
(7月30日東京新聞「本音のコラム」より)
☆7/22発信の【TMM:No2542】★1.東芝粉飾決算の背景は原発
ウエスチングハウス巨額買収…山崎久隆さんの文も再度、ご参照下さい。