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たんぽぽ舎です。【TMM:No2535】
2015年7月14日(火)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
                           転送歓迎
━━━━━━━
★1.7/8「菅直人首相(当時)はなぜバッシングにあったのか」
   その裏に隠された不都合な真実=菅直人氏の講演の要点
           渡辺マリ(「スペースたんぽぽ」講座運営委員)
★2.突然の猛暑にも「供給力」の逼迫(ひっぱく)なし
   電力各社の電力供給実態
           上岡直見〔環境経済研究所(技術士事務所)〕
★3.福島県東白川郡鮫川村焼却炉運転終了、
   今後の動きと放射能ゴミ処理の現状
         和田央子(放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会)
★4.新聞より
  ◆「忘災」の原発列島 国が避難指定解除→支援打ち切り
   「20ミリシーベルトは安全」の非情
          (7月8日毎日新聞夕刊「特集ワイド」より抜粋)
━━━━━━━
※7/15学習会にご参加を!
   2011年3月15日の朝
   東日本壊滅?最大の危機のその日、福島第一原発で何が起きたのか?
   朝日新聞の報道・「命令違反で撤退」-は誤報だったのか?第2弾
 お 話:海渡雄一弁護士
 日 時:7月15日(水)19時より21時(18時30分開場)
 会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)
 参加費:800円
━━━━━━━
※7/17抗議行動にご参加を!
 高浜原発再稼働を許さない関西電力東京支社抗議行動
                  (毎月第3金曜定例行動)
 場所:富国生命ビル前
 日時:7月17日(金)17:30より18:15
 主催:再稼働阻止全国ネットワークほか3団体
━━━━━━━

┏┓
┗■1.7/8「菅直人首相(当時)はなぜバッシングにあったのか」
 |  その裏に隠された不都合な真実=菅直人氏の講演の要点
 └──── 渡辺マリ(「スペースたんぽぽ」講座運営委員)

 7月8日(水)、小雨が降り続く中、立ち見のお客様が出るほど来ていただき、有難うございました。
この日に来られなかった方のために、講演内容の一部をお知らせします。

(1)川内原発1号機の再稼働は違法だ→質問主意書を政府に提出
 運転開始30年を超える原発には、老朽化対策に関する審査が必要であり(1号機は32年)その審査が原子力規制委員会で続けられています。
 菅直人氏は「老朽化対策の審査が終わっていない状態で原発が再稼働することは法の趣旨に違反する」として政府に対して質問主意書を提出しました。
「認可されるまでは、再稼働は認められない。核燃料の装填ももう一度取り出すべき」

(2)浜岡原発停止→経産省の陰謀を見破った
 経産省は「浜岡だけを止めて、全国にある残りの原発は動かす」というシナリオを菅首相のもとに持ってきた。
 しかし、菅首相はこの経産省が用意した発表文を無視して、浜岡原発停止を中部電力に要請。浜岡原発を皮切りに「脱原発」を進めるというニュアンスの強いものに変えた。(内閣には、電力会社に原発を止めるよう命令する権限はないため、この場合、停止「要請」という形をとっているそうです)

(3)誰が安倍晋三さんにリークしたか?→1号機
・2011年5月20日、安倍晋三氏のブログ:「やっと始まった海水注入を止めたのは、何と菅総理その人だったのです」。
・2011年5月21日読売新聞一面トップ:「首相意向で海水注入中断 震災翌日、55分間」(後、誤報と判明)
 この日付にご注意!まず安倍晋三さんのブログ、それに飛びついた読売新聞(産経新聞も然り)。
何と見事なコラボレーション!
にしても、安倍晋三さんにリークしたのは誰なのでしょうね?

(4)では誰が海水注入中断の支持をしたか?→2011年3月12日
 ・菅首相、海水注入までまだ時間がかかると聞き、その間に「海水を入れて使えなくなるのではないか」など課題を検討するようにと言った。
 ・武黒フェロー(技術名誉職):この言葉を聞いて、首相の了解が得られないのに、海水注入はできないと個人判断。吉田所長がやっと始めることのできた海水注入を途中で「停止しろ」と命令。
 →菅首相は一言も「やめろ」とか「中止せよ」とか言っていない。
しかし吉田所長は、この指示が官邸からの電話であったため、菅首相によるものと受け止めました。

(5)7月13日、記者会見で「脱原発」を打ち出す。
  その後の菅さんの活躍はご承知の通り。

・講演会終了後、3通ほど、たんぽぽ舎に「疑いが晴れました」というメッセージが届けられました。有難うございました!
・海水注入中断に関して:「ウラ」もとらず大誤報をやらかしてくれた読売新聞・産経新聞が今度は2014年の朝日新聞「吉田調書」の「所長命令に違反・撤退」が誤報だと朝日新聞叩きを開始。
これに対して「誤報ではない」ことを、海渡雄一弁護士が検証してくださいます。

 ★2011年3月15日の朝
  東日本壊滅?最大の危機のその日、福島第一原発で何が起きたのか?
  朝日新聞の報道・「命令違反で撤退」-は誤報だったのか?第2弾

 お 話:海渡雄一弁護士
 日 時:7月15日(水)19時より21時(18時30分開場)
 会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)
 参加費:800円


┏┓
┗■2.突然の猛暑にも「供給力」の逼迫(ひっぱく)なし
 |  電力各社の電力供給実態
 └──── 上岡直見〔環境経済研究所(技術士事務所)〕

  突然の猛暑にもかかわらず、またいくつかの火力のトラブル停止を織り込んでも、各社とも供給力は逼迫(ひっぱく)していない。
 規模の小さい(保有ユニット数が少ない)電力会社は、ユニットの緊急停止に備えて供給予備率に余裕を持つ必要があるが、それでも逼迫したところはない。
 「原発を再稼働しないと停電が頻発して日本経済が崩壊する」などとデマを流した御用学者は国民に謝れ!

2015年7月14日 各社の「でんき予報」より
北海道 http://denkiyoho.hepco.co.jp/forecast.html
                 (北海道は予備率が大きいが通常は冬がネックとなる)
東北 http://setsuden.tohoku-epco.co.jp/graph.html
東京 http://www.tepco.co.jp/forecast/index-j.html
中部 http://denki-yoho.chuden.jp/
関西 http://www.kepco.co.jp/corporate/energy/supply/denkiyoho/index.html
中国 http://www.energia.co.jp/jukyuu/index.html
四国 http://www.yonden.co.jp/denkiyoho/index.html
九州 http://www.kyuden.co.jp/power_usages/pc.html


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┗■3.福島県東白川郡鮫川村焼却炉運転終了、
 |  今後の動きと放射能ゴミ処理の現状
 └──── 和田央子(放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会)

  7月13日(月)、鮫川村の指定廃棄物焼却実験炉第一号の運転が終了しました。14日から27日まで清掃(除染)作業を行い、そこで発生したゴミを最後に焼却する予定です。
   今後、焼却灰を富岡町の最終処分場に搬出し、建設地を原状復帰させて事業終了となる見込みです。放射能ゴミの焼却の是非とともに検証が必要です。
 2012年「公道から見えないように建設すること」として秘密裏に計画された放射能ゴミ焼却実験炉は、本稼働9日目の爆発事故、地権者の同意書偽造と未契約での土地侵奪、同意書署名のうち4名が故人など、社会を震撼させる事実を次々に露呈しました。
 地権者の一人は今、仮処分と刑事告訴を闘っています。事業主の環境省に従いお膳立てに奔走してきた鮫川村長は、来る8月の村長選に立候補を表明しており、私達は猛反対しています。
 福島県では19市町村で24基の仮設焼却炉が建設・計画され除染廃棄物等を燃やしており、すでに16基が稼働、うち5基が運転終了し、今後解体に伴い大量の放射能ゴミが発生します。
 避難者の帰還と焼却も重なっています。最新情報はブログでお伝えしています。
 10日に発売された週刊金曜日でも大きく取り上げられましたのでぜひご覧ください。
 まずはこれまで鮫川村の運動をご支援下さった皆様、また報道関係者様、本当にありがとうございました。仮処分結果は8月中、村長刑事告訴は受理されたばかりです。
 鮫川村長選とあわせて引き続きご注目いただきますようよろしくお願い申し上げます。
    ブログ「ごみから社会が見えてくる」 http://gomif.blog.fc2.com


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┗■4.新聞より
 └──── 

 ◆「忘災」の原発列島 国が避難指定解除→支援打ち切り
  「20ミリシーベルトは安全」の非情

  東京電力福島第一原発事故で古里を汚された住民が、国の避難政策の見直しで再び翻弄されている。国は2011年11月までに局所的に放射線量が年間20ミリシーベルトを超す場所を特定避難勧奨地点に指定。昨年12月に基準を下回ったとして福島県南相馬市の指定を解除し、支援を打ち切ったが、住民808人は「安全だ」と繰り返す国を相手取り、解除取り消しなどを求める集団訴訟を東京地裁に起こした。住民の思いに触れようと、現地を歩いた。

 ◇福島県南相馬市、住民808人が取り消し求め集団訴訟
    (前略)
  「毎時2.0マイクロシーベルト」とはどのようなレベルなのか。国が特定避難勧奨地点に指定した年間20ミリシーベルトを時間に換算した毎時3.8マイクロシーベルトより低いが、単純計算では年間11ミリシーベルトにも相当する。法令で定められた一般人の被ばく限度年間1ミリシーベルトの10倍以上だ。
 年間20ミリシーベルトという値は、原発など放射線管理区域で働く作業員と同じ制限基準になる。そこでは防護服に身を固め、飲食や喫煙、滞在時間までも制限される。同地点に指定されると、避難の強制はないが、東電から1人当たり月額10万円の慰謝料のほか、避難者には行政からも固定資産税の減免などさまざまな支援を受けられた。ただ、指定は地域ではなく地点。そのため指定された民家の隣が非指定というケースも珍しくない。 (中略)
 放射線量は、地面からの高さや向きでも変わる。場所を移動し、農道で小沢さんが測定器を差し出した。高さ1メートルで毎時3.84マイクロシーベルトだったが、高さ10センチに下げると、4倍強の同16マイクロシーベルトに上がった。
 「農作業や草むしりでは、土ぼこりを吸うこともある。特に土で遊ぶ小さな子どもには危険です。それなのに田畑などを含めた生活環境全体を測定していないのはおかしい」。測定器を山の方角に向けただけで数値が1.5倍に上昇した場所もあった。「指定前、私も国の測定に付いて回りました。その様子を見ると、玄関と庭先しか測定せず、測定する時も数値の低い値の方角を探しているようでした」。言葉に怒りがこもる。 (中略)
  国は「20ミリシーベルト以下だから安全」と繰り返すが、本来の意味は違うと説明するのは原子力規制委員会の「帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム」で委員を務める森口祐一・東京大学教授(環境システム学)。「20ミリシーベルトという基準は、政府が『住んではいけない』と強権的に決めた場所ですが、もし数値が下がったら『帰りたい』という住民に対応するという考えを基に設けました。20ミリシーベルト以下なら即帰還ではなく、国は、帰りたい人、帰りたくない人の意思を尊重しないといけない。だから解除イコール支援打ち切りではないはず」と話す。
 除染した土を集めた保管場所、復興工事のため粉じんをあげて走る大型ダンプの列、カーテンが閉められ人けのない民家…。南相馬で目にした現状だ。原発事故はいまだに収束していない。
    (7月8日毎日新聞夕刊「特集ワイド」より抜粋)
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たんぽぽ舎です。【TMM:No2534】
2015年7月13日(月)地震と原発事故情報-6つの情報をお知らせします
                           転送歓迎
━━━━━━━
★1.日本の原発、現在の基数は43基
              柳田 真 (たんぽぽ舎)
★2.7/15学習会のお知らせ
   「吉田所長の調書」は歴史に残る第一級の資料
   海渡雄一弁護士のお話
          渡辺マリ(「スペースたんぽぽ」講座運営委員)
★3.「民間(原子力)規制委員会・東京」(仮称)の準備が始まりました
   7月23日(木)の槌田ゼミは休止(延期)します
               槌田ゼミ担当(坂東喜久恵)
★4.安保法制に賛成・反対?、シール投票を行いました
   JR船橋駅と津田沼駅で1時間半ずつ2日間
   合計167票、そのうち反対が9割でした
            冨塚元夫(たんぽぽ舎ボランティア、
                 市民ネットワークふなばし会員)
★5.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
  ◆7.17検察審査会激励行動&院内集会
   7月17日(金)12:30から13:15検審激励行動 東京地裁前
         14:00から15:30院内集会:参議院議員会館講堂
★6.新聞より
  ◆減らぬプルトニウム 核兵器5900発分も保有 再処理工場稼働なら
   さらに毎年8トン増
   核燃料 負のサイクル 世界は「廃棄」主流なのに 再利用こだわる日本
   削減の国際公約に逆行
        (7月12日東京新聞「こちら特報部」より抜粋)
━━━━━━━
※7/17抗議行動にご参加を!
 高浜原発再稼働を許さない関西電力東京支社抗議行動
                  (毎月第3金曜定例行動)
 場所:富国生命ビル前
 日時:7月17日(金)17:30より18:15
 主催:再稼働阻止全国ネットワークほか3団体
━━━━━━━

┏┓
┗■1.日本の原発、現在の基数は43基
 └──── 柳田 真 (たんぽぽ舎)

 最近、あちこちで聴く演説で、日本の原発の現在の基数について、時折混乱した・違った数字の発言がみられるので、私の理解を記しておきます。

イ.2011年3・11東電福島第一原発事故の前は、54基。
ロ.3・11東電福島第一原発事故で、東電福島第一原発6基が全滅・廃棄へ
ハ.その後、電力会社が稼働40年を超えるため(本音は採算性が取れないため、初期のものゆえ出力も小さい)廃炉申請した5基(関西電力美浜原発1号〔34万kw〕、関西電力美浜原発2号〔50万kw〕、ほか)。
ニ.従って、54基マイナス6基マイナス5基=43基
  これが、現在の日本の原発の基数。
ホ.福島県議会が全会一致で廃炉を要求した「東電福島第二原発」の4基はこの数字に含まれていない(マイナスに含めれば39基になるのに)。
 東京電力は、福島県民や国民の反原発の声を恐れて沈黙しているが、本音は「東電福島第二原発4基」の再稼働だ。虎視たんたんと狙っている。
 その証拠はいくつもあるが、例えば、東京電力柏崎刈羽原発の見学に行った時、PR館の展示の1つに、「福島第二原発4基の修理・保全がかなりの費用と人員をかけて着実に進行している」という表示を見た。


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┗■2.7/15学習会のお知らせ
 |  「吉田所長の調書」は歴史に残る第一級の資料
 |   海渡雄一弁護士のお話
 └──── 渡辺マリ(「スペースたんぽぽ」講座運営委員)

 2011年3月15日の朝
 東日本壊滅?最大の危機のその日、福島第一原発で何が起きたのか?
 朝日新聞の報道・「命令違反で撤退」-は誤報だったのか?第2弾

 お 話:海渡雄一弁護士
 日 時:7月15日(水)19時より21時(18時30分開場)
 会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)
 参加費:800円

  次々とコントロール不能になっていく原子炉、収拾のつかない混乱に次ぐ混乱、ここで指揮をとっていた最高責任者、その吉田所長の調書。
 これは歴史に残る第一級の資料だ。
  しかし読売新聞を始めとするメディアは、2014年5月20日付朝日新聞の「見出し」に飛びつき、「誤報」だと朝日新聞たたきに走った。そして何と朝日新聞前社長は「記事取り消し」「お詫び」をやってのけたのだ。
  再度言う。朝日新聞記者のスクープ、それは葬り去られようとしていた「吉田調書」を闇の中から引きずり出してきた第一級の資料なのだ。
 原発の存続自体を問い直す、財産なのだ。
  しかし、朝日新聞たたきは「吉田調書」そのものの価値を貶めるという「成果」をあげた。
 では反証しよう。「所長命令に違反 原発撤退」は本当に誤報だったのか?
 海渡雄一弁護士がお話ししてくれます。
 ご参加お待ちしています。


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┗■3.「民間(原子力)規制委員会・東京」(仮称)の準備が始まりました
 |  7月23日(木)の槌田ゼミは休止(延期)します
 └──── 槌田ゼミ担当(坂東喜久恵)

 槌田敦先生は少し体調を崩し、自宅から電車で移動するような外出は控えています。
 しかし、自宅での検証・執筆作業は通常以上に精力的に進めています。
九州電力川内原発の審査書を検証した「川内原発の審査書を批判する」を書き上げ、メールマガジン=地震と原発事故情報(7/10【TMM:No2531】、7/11【TMM:No2533】)で皆さまにお知らせしました。
 さる6月28日(日)に「民間(原子力)規制委員会・東京準備会」の最初の会議(打ち合わせ)を開催しました。槌田敦先生が欠席の中で、主に事務的な進め方について検討しました。
 「会」の目標、組織形態、事務局造り等々課題がいっぱいですが、動き出しました。

※7月23日(木)の槌田ゼミは延期します。
 再開日時はあらためてお知らせします。


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┗■4.安保法制に賛成・反対?、シール投票を行いました
 |  JR船橋駅と津田沼駅で1時間半ずつ2日間
 |  合計167票、そのうち反対が9割でした
 └──── 冨塚元夫(たんぽぽ舎ボランティア、
            市民ネットワークふなばし会員)

  自民党・公明党が、今週中にも安保法制(安全保障関連法案)を衆議院で強行採決しようという構えを示しているこの週末、「船橋・憲法を生かす会」と船橋市議会会派「市民社会ネットワーク」の議員4人と支持者はJR船橋駅と津田沼駅を利用している市民にシール投票を呼び掛けてチラシを配布しました。
 7月12日(日)は13時から津田沼駅頭でチラシまきとシール投票を約1時間半行いました。暑いので私は日陰にいてチラシまきをしましたが、スピーチする人とシール投票のホワイトボードを持つ人たちは、暑い日ざしのあたるところにいました。7月11日(土)は船橋駅頭で17時から1時間半やりました。
 2日間合計で、安保法制に賛成の数は17票、反対数は150票でした。反対が約9割でした。
 スピーチしたのは演説の得意な議員さんでした。演説を聞いて大声で反論する市民もいたようです。「尖閣はどうすんだ」、とか「自分の国を守らないのか?」というのが多かったそうです。それに対してある議員さんは「それは個別的自衛権の問題で従来から行われ、合憲と言われて来たことです。今回の安保法制は集団的自衛権の行使で、他国防衛の海外派兵をできるようにするものです。」と反論したそうです。「集団的自衛権と個別的自衛権とを間違えている人が多いのには驚きました。」と言っていましたが、全く私も同感です。
 このような誤解を利用してこの法案を成立させるなどあってはならないことです。集団的自衛権を行使しないと自衛ができないという説明はまだまともになされていません。強行採決を阻止しましょう。


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┗■5.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
 └──── 

 ◆7.17検察審査会激励行動&院内集会

 東電元幹部の罪を問う2012年告訴の検察審査会議決が、いよいよ近々発表されるかも知れません!
 院内集会では原発事故被害者のスピーチ、弁護団報告などを行います。
 7月17日(金) 無料
 12:30から13:15 検審激励行動 東京地裁前
 14:00から15:30 院内集会 参議院議員会館 講堂
  *福島からバスが出ます!
   行き 7:10福島駅西口発 8:10郡山教組会館発
   帰り 16:00参議院議員会館前発
   片道・往復とも1500円です。
   乗車場所、当日連絡のつく電話番号、片道か往復かをお知らせください。

 主催・問合せ:福島原発告訴団
        福島県田村市船引町芦沢字小倉140-1
        電話 080-5739-7279  メール  1fkokuso@gmail.com
        ブログ  http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/


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┗■6.新聞より
 └──── 

 ◆減らぬプルトニウム 核兵器5900発分も保有 再処理工場稼働なら
  さらに毎年8トン増
  核燃料 負のサイクル 世界は「廃棄」主流なのに 再利用こだわる日本
  削減の国際公約に逆行

  原発の使用済み核燃料などから生まれるプルトニウム(Pu)を削減する流れが世界的に強まる中で、日本が逆行する政策を続けている。原発を再稼働させるのと併せ、最大で年間8トンのPuを分離可能な核燃料サイクルも維持する方針を示している。ただPu削減は、安倍晋三首相が各国首脳の前で宣言した公約でもある。矛盾した政策で国際社会の理解を得られるのか。 (後略)
   (7月12日東京新聞「こちら特報部」より抜粋)
たんぽぽ舎です。【TMM:No2533】
2015年7月11日(土)地震と原発事故情報-3つの情報をお知らせします
                             転送歓迎
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★1.九州電力川内原発の審査書を批判する (その2)
   格納容器破損の防止対策 批判    槌田 敦(物理学者)
★2.<ごはん一粒に7人の神様>
   「教育は、最高の愛の事業である」
   7/11【報告】第1543日目★原発とめよう!九電本店前ひろば★より
            青柳行信 (原発とめよう!九電本店前ひろば・テント)
★3.新聞より2つ
  ◆再稼働無用 電力足りる
            (7月11日東京新聞「金曜日の声 官邸前」より)
  ◆自衛隊から米衛隊へ     鎌田 慧 (ルポライター)
             (7月7日東京新聞「本音のコラム」より)
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※7/15学習会にご参加を!
 2011年3月15日の朝
 東日本壊滅?最大の危機のその日、福島第一原発で何が起きたのか?
 朝日新聞の報道・「命令違反で撤退」-は誤報だったのか?第2弾

 お 話:海渡雄一弁護士
 日 時:7月15日(水)19時より21時
 会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)
 参加費:800円
━━━━━━━
※7/17抗議行動にご参加を!
 高浜原発再稼働を許さない関西電力東京支社抗議行動
                  (毎月第3金曜定例行動)
 場所:富国生命ビル前
 日時:7月17日(金)17:30より18:15
 主催:再稼働阻止全国ネットワークほか3団体
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┗■1.九州電力川内原発の審査書を批判する (その2)
 |  格納容器破損の防止対策 批判
 └──── 槌田 敦(物理学者)

  炉心損傷に失敗した場合の格納容器破損の防止対策(4-1.2.2)  批判

   原子炉の商業利用は、原子炉の冷却水喪失事故があっても、緊急炉心冷却系(ECCS)で炉心を守り、核燃料から放出された放射能は格納容器に閉じ込める、と約束して始まった。前節で述べたように、ECCSでは守れないことが示された。約束違反である。では、放出された放射能は格納容器に閉じ込めることができるのか。これを論ずるのが本節である。

【1.静的圧力による格納容器への負荷】(p171~179)

   「格納容器の破損を防止するため、格納容器雰囲気を冷却/減圧し、また、原子炉下部キャビティに給水する。燃料取り替え用水タンク、復水タンクの水を代替スプレーする。そして熱の逃し場に熱を移送する。また、格納容器内を自然対流冷却するため移動用ポンプ車を使用する。格納容器内の水素を除くため、静的触媒や電気式で燃焼させる。その結果、格納容器の圧力は3.3気圧、133度Cとなる」と。
  しかし、蒸気圧が3.3気圧ならば格納容器の破裂の心配がある。その理由は蒸気圧だけでなく、もともと1気圧の空気があって、これが133度Cに加熱され、その他のガスも加えて合計5気圧程度となる。この圧力には加圧水型格納容器は耐えられない。つまり、代替スプレーは有効ではなく、これでは審査したことにならない。

【2.静的温度による格納容器への負荷】(p179~185)

   「格納容器の自然対流冷却により圧力は3.4気圧、温度は138度Cまでとなる」と。対策は格納容器過圧の場合と同一である。
  ところで、TMI事故(注1)の例をみれば、格納容器内での水素燃焼は均一ではなく、水素は軽いので格納容器上部で爆発し、格納容器天井を熱損傷させた。TMIでは、航空機墜落にも耐える格納容器であったが、日本の加圧水原発ではその用意はない。

【3.圧力容器破損で熔融物落下】(p185~190)

   「圧力容器破損の前に、加圧器逃し弁により減圧することが重要で、代替格納容器スプレーおよび格納容器再循環ユニットで自然対流を得る。破損時の熔融物飛散では、原子炉下部キャビティの蓄水により原子炉支持構造物に影響はないことを確認した」と。
  しかし、キャビティに溜まった水の中に熔融物が落下すると、激しい水蒸気爆発となり、原子炉支持構造は打撃を受ける。この水蒸気爆発について記述がない。

【4.格納容器での水蒸気爆発】(p190~195)

   「代替格納容器スプレーにより、格納容器雰囲気を冷却、減圧する。水蒸気爆発は、申請者の実機において想定される熔融物を用いた実験により、一部実験でのみ発生し実機では考えにくいことを示した」と。何を言おうとしているのか理解できない。申請者がどのような実験をしたのか一切不明のまま、その主張を信じろという。

【5.格納容器での水素爆発】(p195~201)

   「加圧水型では格納容器は大きいので水素濃度は高くならない。そして燃焼処理している」と。
  この説明は、TMI事故で、格納容器内に3回の水素爆発があったことを完全に無視している。その内1回は、格納容器上部で発生し、爆発の圧力は2気圧だった。そして天井の周辺とクレーンは熱損傷した。すでに述べたが、TMIは頑丈な構造だったので格納容器の破壊はなかったが、その他の原発の格納容器では崩壊の可能性がある。
  この重大な事実に一切言及しない九電と規制委には故意がある。

【6.格納容器での底抜け】(p201~205)

   「熔融炉心を冷却し、熔融炉心によるコンクリート侵食を抑制するために原子炉下部キャビティに注水する。これにより、コンクリートの侵食は3ミリ程度に止まる」と。
  熔融炉心が塊となって格納容器の底に積もった場合、水を注いでも熔融炉心の下に水が潜り込めない。また炉心とコンクリートとが接して発生した炭酸ガスが水を押し上げるからなおさらである。そのうえ、海水を使用すれば、熔融燃料は塩で包まれることになり、熔融燃料の冷却は阻害されることになる。
 この格納容器底抜け問題は、福島1-2号機で発生しており、破損核燃料はコンクリートを突き抜けて土台に穴が開き、注ぎこんだ水は環境に流れだしている。1号機と3号機では核燃料がばらまかれたので、コンクリートに穴をあけることにはならなかったが、2号機では核燃料がまとまって落ちたことで格納容器底抜けの事態になった。
  九電も規制委も、福島原発事故について、理解が足りない。このような組織に運転させたり、規制させたりすることは危険このうえない。

【(規制すべき最重要事項)  格納容器ベント(ventilation)】

   申請者九電と審査者規制委が故意に話題としなかった問題にベントがある。
  格納容器の冷却に失敗した場合に、格納容器の一部が水素爆発で破損し、また格納容器の冷却にも失敗し、そのうえ水素と炭酸ガスが溜まるという極端な場合はなおさらベントすることの要求となる。
  ベントとは、発電所を救う代わりに周辺住民を襲うことであり、風向きなど気象条件による制限と住民への通知について、定めが必要となるが、請求も、審査もしていない。 (了)

※(注1):(事故情報編集部注:TMI-スリーマイル島原発。
      スリーマイル島原発事故は、1979年3月28日、アメリカ合衆国東北部ペンシルベニア州のスリーマイル島原発で発生した重大な原子力事故。スリーマイル島 (Three Mile Island) の頭文字をとってTMI事故とも略称される。原子炉冷却材喪失事故 (Loss Of Coolant Accident, LOCA) に分類され、想定された事故の規模を上回る過酷事故 (Severe Accident) である。国際原子力事象評価尺度 (INES) においてレベル5の事例である。)

※九州電力川内原発の審査書を批判する(その1)「炉心損傷防止対策 批判」は、
 7月10日発信の【TMM:No2531】に掲載しました。


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┗■2.<ごはん一粒に7人の神様>
 |  「教育は、最高の愛の事業である」
 |  7/11【報告】第1543日目★原発とめよう!九電本店前ひろば★より
 └──── 青柳行信 (原発とめよう!九電本店前ひろば・テント)

★西岡由香さんから:<ごはん一粒に7人の神様>
 青柳さま こんにちは。
 長崎も昨日からいきなり猛暑日になりました。早くも夏バテしそうです。
先日、五島の小学校で講演してきました。近くの島で回っているはずの、洋上風力発電は雨で見えなかったけれど、講演のあと、小学校の子どもたちが歌をプレゼントしてくれました。
その歌は「折り鶴」。
 ♪生きていてよかった それを伝えたくて 広島の町から私は歩いてきた♪
「折り鶴」の歌を教えてくれる先生たちに習っているんだ。子どもたちは。
 音楽室の天井を吹き飛ばすほどの大合唱にウルウルきました。
そのあとは、1.2年生といっしょに給食のじかん。
 麦ごはん、かぼちゃの味噌汁、ひじき入り卵焼き、きゅうりと大根のおかかあえ、チーズボール2つに五島牛の牛乳。
子どもたちが食べながら自己紹介してくれました。
「僕はカメラ名人です」、「私は柔道名人です」、「僕は、バッタ取り名人です」
「僕は、悪い人をみつける名人です」
 悪い人ってどんな人?と尋ねたら「人をいじめたりたたいたりする人」。
子どもたちは、その澄んだ瞳で「誰が悪い人か」をちゃんと見てる。
一人の子が、ごはんつぶを床に落としたのを見て、彼が言いました。
「ごはん一粒には7人の神様がおるとぞー」。
 校門横の掲示板には、手書きのポスター。「へいわってどんなこと?」
 あさまでくっすりねむれること。ばくだんなんかおとさない。
 おなかがすいたら、だれでもごはんがたべられること。
 こんな素晴らしい子どもたちがいる。それこそが希望だと思いました。
 純心大学の故・片岡弥吉先生の言葉を思い出しました。
 「教育は、最高の愛の事業である」。


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┗■3.新聞より2つ
 └──── 

 ◆再稼働無用 電力足りる  (7月11日東京新聞「金曜日の声 官邸前」より)

 神奈川県小田原市の主婦大石舞さん(30)
  集団的自衛権や川内原発の再稼働の動きに危機感を持って初参加した。実家が鹿児島。福島と同じような事故が起きたら…と思う。福島の事故の解決のめども立たないのに再稼働なんて理解できない。

 千葉市稲毛区の会社員田中大地さん(24)
  福島で避難している人を見て、このままではいけないと思った。津波や地震など災害が起きれば、福島のような事故が起きる。再稼働しなくても電力は足りる。原発はいらない。別の道を探すべきだ。


 ◆自衛隊から米衛隊へ  鎌田 慧 (ルポライター)

  多数をたのんで横車をおす自民党は、やがてまた「おごれる平家久しからず」の轍を踏む。この憲法無視の傲慢内閣にひとびとは不安と恐怖を感じはじめた。平和を掲げてきた公明党は、これだけ参戦の危険が深まってもなんのその、ひたすら自民に追随してどこまでも、の不思議である。
  野党のはずの維新の党はここで存在アピールのチャンスとばかり、最高顧問・橋下徹大阪市長が安倍首相と会談、そのあと、代案「武力攻撃危機事態」をもちだした。これは政府の「存立危機事態」をすこしきびしくしただけだ。「自衛権」を使える要件を、日本の周辺で米軍が攻撃され、日本も攻撃される危険性が高い場合のみ、とした。
  これはいままでの個別的自衛権を拡大したようにみえて、日本への攻撃がなくとも、日本周辺の米軍が攻撃されれば武力行使する、というのだから、昨年7月1日の、集団的自衛権行使を認めたクーデター的、違憲の「閣議決定」への批判はない。
  安倍首相は米国で約束してきたように、とにかく今国会での、違憲な法案の成立を狙っている。
  維新の代案提出は、違憲批判に曝され孤立しはじめた自公内閣への秋波のようであり、助け船でもある。こんな代案がなければ、野党そろって強行採決に反対して退場、60年安保闘争の時のように、歴史的な暴挙として、記録されるのだ。
       (7月7日東京新聞「本音のコラム」より)
たんぽぽ舎です。【TMM:No2532】
2015年7月10日(金)その2 地震と原発事故情報-3つの情報をお知らせします
                           転送歓迎
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★1.アドロフ・ヒットラーと瓜二つのアベドロフ
   アベドロフを一刻も早く倒さなければ、自分の子どもや孫たち若者を
   戦争に送りだすことになる
        「放射能から命と国土を守り、平和憲法を守り活かす
                     情報発信NO.44(6月26日号)(発行責任者 清水 寛)より
★2.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
  ◆7/26「原子力防災を問う全国の集いinかごしま 川内原発の避難計画と
   老朽化問題」~本当にこれで再稼働?~
   主催:川内原発30キロ圏住民ネットワーク/
      反原発・かごしまネット、ほか多数
★3.新聞より4つ
  ◆原発自殺訴訟 東電控訴せず 遺族に謝罪へ
               (7月10日東京新聞社会面より)
  ◆川内原発 なぜ説明できないの?  (7月10日東京新聞社説より)
  ◆東海原発の低レベル廃棄物 施設内埋設、国に申請へ
   高レベル処分未定 廃炉への道筋は不透明
         (7月5日茨城新聞14面「オピニオン・インサイド記者の目」より抜粋)
  ◆原発運転40年原則危うし かつての60年 念頭か
   96年のエネ庁報告書で想定 圧力容器劣化の危険 指摘されるが…
   「むしろ廃炉前倒しすべき」 自民に見直し論 党内の一部には反対
   経産省電源構成案も布石     (7月10日東京新聞「こちら特報部」より抜粋)
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※7/15学習会にご参加を!
 2011年3月15日の朝
 東日本壊滅?最大の危機のその日、福島第一原発で何が起きたのか?
 朝日新聞の報道・「命令違反で撤退」-は誤報だったのか?第2弾

 お 話:海渡雄一弁護士
 日 時:7月15日(水)19時より21時
 会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)
 参加費:800円
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┗■1.アドロフ・ヒットラーと瓜二つのアベドロフ
 |  アベドロフを一刻も早く倒さなければ、自分の子どもや孫たち若者を
 |  戦争に送りだすことになる
 └──── 「放射能から命と国土を守り、平和憲法を守り活かす
                  情報発信NO.44(6月26日号)(発行責任者 清水 寛)より

 昨年7月1日に「集団的自衛権行使容認」を閣議決定してから11ヶ月がたった。

・この閣議決定を具体化する安全保障法制の審議が今国会で始まり、この法案が通れば、海外に自衛隊の派遣が可能になる。そして自衛隊が武器を使用し戦争に参加すれば、敵だけでなく民間人も殺し、また殺されることが出てくる。即ち戦争(人殺し)法案である。
・ここで、日本国憲法9条を何度でも読み返したい。
 日本国憲法 第9条
 「 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段として、永久にこれを放棄する。」
・安倍晋三は日本国憲法を違反していることは明確な事実である。確か「嘘も100回言えば事実となる!」とアドロフ・ヒトラーの右腕だったヨーゼフ・ゲッベルスが唱え、嘘を事実のように宣伝し扇動した。その結果、ドイツ国民は騙されて侵略・殺戮戦争へ駆り出されてあげく、最後は凄惨な惨敗を喫することになった。
・安倍晋三とヒトラーは良く似ている。そっくりである。顔も考え方も全く同一人物であるような気がする。即ち安倍晋三はヒトラーの生まれ変わりだ。よって、僕は今後安倍晋三をアベドロフと呼ぶ。アドロフ・ヒトラーと瓜二つ、いやウリ2人であるからだ。
・このアベドロフを一刻も早く倒さなければ、自分の子どもや孫たち若者を戦争に送りだすことになる。
・これを阻止するために一昨日の5月31日に埼玉県北浦和公園で催された「9条こわすな・戦争させない!!集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回を求める5・31オール埼玉行動」に参加した。この集会に埼玉県民が1万人以上の人たちが結集し、「安倍を倒せ!!9条壊すな!!」「閣議決定を撤回せよ!!」「若者を戦場に送るな!!」を力強く唱和した。(6月2日記 Y.N.)


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 ◆7/26「原子力防災を問う全国の集いinかごしま 川内原発の避難計画と
  老朽化問題」~本当にこれで再稼働?~

日時:7月26日(日)13:30から17:30
会場:かごしま県民交流センター(東棟3階大研修室1)
・原発事故とヨウ素剤~チェルノブイリと福島の経験から
・どうなっているの? 川内原発の避難計画
・32年目の老朽原発~安全性は大丈夫?
<発言>
崎山 比早子 さん(元 国会事故調査委員会委員・医学博士)
青山 浩一 さん(医師、かごしまの未来を語る会)
鹿児島各地、関西・佐賀・首都圏からの報告 ほか

主催:川内原発30キロ圏住民ネットワーク/反原発・かごしまネット/
避難計画を考える緊急署名の会/かごしまの未来を語る会/ママトコかごしま/
天文館アトムズ/川内原発建設反対連絡協議会/さよなら原発@ひおきの会/
原発いらない鹿児島の女たち/原発避難計画を考える水俣の会、ほか
参加費:500円
※地図 http://www.kagoshima-pac.jp/wp-content/uploads/2015/01/map.gif
※詳細 http://www.foejapan.org/energy/evt/150726.html


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┗■3.新聞より4つ
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 ◆原発自殺訴訟 東電控訴せず 遺族に謝罪へ

  東京電力福島第一原発事故で避難した福島県浪江町の無職五十崎喜一さん=当時(67)=の自殺をめぐり、東電に約2700万円の賠償を命じた福島地裁判決を受け、東電は9日、控訴しない方針を明らかにした。東電は13日に遺族の自宅を訪れ、謝罪する。
 東電福島原子力補償相談室の近藤通隆室長は、控訴しない理由を「判決内容が妥当なものであり、いたずらに訴訟を長引かせる必要はないと判断した」と説明。遺族側も既に控訴しない方針を決めており、原発事故と自殺の因果関係を認め、東電に賠償を命じた2例目の判決が確定する。
  この日、遺族らは謝罪と控訴しないよう申し入れるため、東電本店を訪問した。
      (7月10日東京新聞社会面より)


 ◆川内原発 なぜ説明できないの?

  避難計画のあいまいさ、予知不能の火山…。多くの不安や疑問を置き去りにしたままで、九州電力川内原発(鹿児島県)は再稼働へ突き進む。安全に自信があるなら、なぜ、説明に応じないのか。
 聞く耳を持たぬとは、このことか。時代劇でも見るようだ。
 今年3月、鹿児島県内の100近い市民団体で組織した実行委員会が、約10万人の署名を携え、福岡市内の九州電力本店に、対話を求めて訪れた。
 住民側が要望したのは、次の3点だった。
(1)3・11後に国の指針で避難計画の策定を義務付けられた川内原発30キロ圏内の9自治体で、住民説明会を開催すること
(2)再稼働について、9自治体の正式な議決を求めること
(3)住民の要望があれば、30キロ圏外でも、説明会を開催すること。不安に答えるに、無理な要求とは思えない。
 「頭から再稼働反対を訴えるつもりはない。対話を求めて落としどころを探りたい」という住民側の姿勢にもうなずける。
 しかしこれらは広報担当の段階で、ことごとく拒否された。
 屋久島や種子島など県内6市町の議会が求める住民説明会の開催にも、九電は応じていない。
 電力側がよって立つのは、3・11後の新規制基準に適合したという原子力規制委員会の判断だ。
 「あくまでも規制委の基準に沿って、再稼働を進めていく」と、人ごとのように繰り返すだけの政府が、後ろ盾になっている。
 ところが当の規制委は「安全を保証するものではない」とこちらも繰り返す。万一の責任は誰が取ってくれるのか。
 福祉の現場や専門家などからも、避難計画の不備や周りに多い火山対策の甘さを指摘する声が引きも切らない。ヨウ素剤配布や避難計画が必要になるものは、そもそも動かすべきではない。
 遠くない口永良部島の突然の噴火で、住民の不安は増した。
  広範囲の住民がより詳細な説明を求めるのは当然で、九電にはその責任があるはずだ。
  火山対策について、巨大噴火の兆候がもしあれば、原子炉を停止して核燃料を運び出せるという。
  川内原発1号機では核燃料の装填作業が完了した。24時間体制で3日がかりの作業になった。
 噴火の予測はかなうのか。核燃料を運び出す余裕はあるか…。素朴な疑問に十分な答えが出せない限り、再稼働は許されない。
    (7月10日東京新聞社説より)

 ◆東海原発の低レベル廃棄物 施設内埋設、国に申請へ
  高レベル処分未定 廃炉への道筋は不透明

  日本原子力発電(原電)は、廃炉作業中の東海原発(東海村白方)の解体で生じる低レベル放射性廃棄物のうち、放射能レベルが最も低い廃棄物(L3)を敷地内に埋設処分する計画を本年度中に国に申請する。実現すれば廃炉作業は一歩前進するものの、L3よりレベルの高い廃棄物(L1、L2)の処分先は決まっておらず、依然として廃炉完了への道筋は不透明だ。老朽原発が選別の時代を迎える中、処分場の確保が電力会社共通の課題となっている。 (後略)
    (7月5日茨城新聞14面「オピニオン・インサイド記者の目」より抜粋)


 ◆原発運転40年原則危うし かつての60年 念頭か
  96年のエネ庁報告書で想定 圧力容器劣化の危険 指摘されるが…
  「むしろ廃炉前倒しすべき」 自民に見直し論 党内の一部には反対
  経産省電源構成案も布石

  原発の運転を原則40年とするルールを見直すよう自民党の有志が提言案をまとめた。運転期間の科学的な根拠が不明確だからという。だが、科学に言及するなら、まずは原発の安全性を議論すべきだろう。これまで、原発の運転は政治に重きを置いて決められてきた。過去を振り返りつつ、原発運転40年ルールについて考えた。  (中略)
 
《デスクメモ》
  電力会社は原発に関して、「老朽化」ではなく「高経年化」を使う。時間とともに、最新技術の設備や機器に取り換えていくから、理論上、原発の寿命は限りなく長いという考え方だった。だが、圧力容器など主要部分は交換できない。原発以外では使わない妙な用語はやめて、「老朽化」を使うべきだろう。(文)
        (7月10日東京新聞「こちら特報部」より抜粋)
たんぽぽ舎です。【TMM:No2531】
2015年7月10日(金)地震と原発事故情報-1つの情報をお知らせします
                             転送歓迎

「民間(原子力)規制委・東京」(仮称)の準備が始まりました。
「川内原発の審査書を批判する」を2回に分けて掲載致します。
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★1.九州電力川内原発の審査書を批判する (その1)
   炉心損傷防止対策 批判    槌田 敦(物理学者)
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※訂正1つあります。昨日発信の【TMM:No2530】の見出しの1つです。
 本文は正しい日付です。
★3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
  ◆「鹿砦社弾圧10周年復活の集い」へのお誘い(7月7日)
    正:7月12日
    誤:7月7日
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┗■1.九州電力川内原発の審査書を批判する (その1)
 |  炉心損傷防止対策 批判
 └──── 槌田 敦(物理学者)  2015年7月9日

   九州電力は、2013年7月、川内原発1,2号機の設置許可変更を申請し、原子力規制委員会は、2014年7月、その審査書を発表した。
 この審査書の内容は、1章 はじめに、2章 技術的能力、3章 対象施設、4章 重大事故防止である。(注1)
  規制委によるこの審査書は、原子力学会関係者にだけに分かる独自の表現になっている。そのため、それ以外の一般科学者にはとても読めたものではない。それは読ませたくないという規制委の思惑があったからであろう。
  まず、規制委田中委員長の出身母体である原子力学会は、福島原発事故の後、確率論的リスク評価(PRA)の採用を強く主張した。これにより、確率の小さいものは事故の対策から除外てきるとする。しかし、確率とは多数の事例があってはじめて有効となる。発生したことのない事象については確率の大きさを議論できないので、原子力学会のいう原子炉事故のPRA論はそもそも学問にもなっていない。
  そのうえ、TMI(注2)や福島など実際の事故は、すべて設計ミスや人為ミスで発生した。設計ミスも人為ミスであるが、これらの人為ミスの分類とその発生確率の比較は不可能だから、原子力学会のPRA論的考察はそもそも無意味である。
  しかし、この審査書は、この確率論的リスク評価(PRA)により、重大事故の対策として炉心損傷防止対策8項目(4-1.2.1)および格納容器損傷防止対策6項目(4-1.2.2)を論じているので、これら14項目の防止対策を紹介して、その内容を批判する。

  炉心損傷防止対策(4-1.2.1)  批判

【1.(注3)二次冷却系の除熱失敗・フィードアンドブリード】
                  (審査書 p127~132)
   炉心損傷の防止を論ずるのに、二次冷却系の欠陥から話が始まる。読者からすれば、最初から奇異の感を持たされることになるが、これにこだわっては先に進めない。おそらく二次系の事故が原因となって炉心損傷となる場合が多いのかも知れないと考え、読み進めていただきたい。
  規制委は、「炉心損傷を防止するためには、早期に一次冷却系を強制的に減圧するとともに炉心注水を行い、炉心を冷却する必要がある」とし、「加圧器逃し弁の開操作による一次冷却系の減圧と高圧注入ポンプによる炉心注水を行う一次冷却系のフィードアンドブリードを実施する」とする。これでフィードアンドブリードということばが理解できる訳ではないから、これは定義ではない。定義をせずに使うことばは「隠語」であって、関係者にしか分からない。
  英語で書けば "feed and breed" であろうが、「食わせて、セックスさせる」では、さらに何のことだか分からなくなる。"feed and bleed" 「食わせて、血を抜く」のかも知れない。まぎらわしい英語のカタカナ書きは迷惑である。この隠語「フィードアンドブリード」が、この審査書4-1.2.1.1(p128~132)のわずか5pに実に25回も書かれている。
  隠語ではよそ者に理解できる訳がない。無駄な努力と思いながら、この5pにわたる記述を何度も読み返してみた。
 そこで、執筆者の言いたいことにようやく気づいた。それは、原子力規制委の作成した資料「実用発電用原子炉に係わる新規制基準について(概要)」(2013年7月)のp16に「1.弁を解放(開放?)して減圧し、2.可搬式注水施設による炉心への注水」という指示とこれを説明する消防自動車のポンチ絵である。
  この新規制基準による指示とポンチ絵は、原子力推進派であっても原子炉事故を知る者からみればあまりにも不適切な指示である。まず、逃し弁を開放すれば原子炉の水は蒸発して空焚きとなり、次に、高性能であっても消防車の能力では十分な水を炉心に注入できないことは、誰にでもすぐに分かることである。
  しかしながら、規制委は、すでに発表してしまった新規制基準の指示とポンチ絵をまともに反省して修正などしない。日本の役所は、けっして過去の失敗を認めない。
  その結果としての隠語、つまりこの「フィードアンドブリード」が原子力関係者の間で登場することになったと思える。それにしても、原子炉事故とは無関係な生物的用語では、事情の分からない者からすれば、ますます何のことだか分からなくなって、この川内原発の審査書を読むのを放棄してしまうことになる。これが、この項目を担当した規制委の執筆者の狙いだったのかもしれない。実は私も、この審査書を読むのを途中で放棄したひとりで、これではいけないと、1年遅れでやっとのこと、この川内原発審査書の内容が理解できないことに苦しみながら、読むことにしたという次第であった。
  ところで、新規制基準の修正はすでになされたようだ。この審査書でも、「1.原子炉の減圧と2.高性能消防車による注水」は維持しているが、減圧とは開放ではなく、余熱除去系の有効圧力の範囲まで(p148)で、また消防車の注水先は炉心ではなく余熱除去系ポンプに変更している(p141)。その修正の「目くらまし」が隠語「フィードアンドブリード」だったということになる。
  しかし、このフィードアンドブリード操作ではやはり炉心の空焚き・崩壊を防げない。
 これはTMI事故で確かめることができる。TMI事故では、圧力逃し弁の開固着(開放)で始まった。158気圧で定常運転していた原子炉は、減圧により事故発生から6分で95気圧となって原子炉の水は沸騰を始め、18分で炉心の上部は露出することになった(中性子線モニタ増加)。
  原子炉停止から1時間で、一次系の圧力は71気圧となり、沸騰・露出から空焚きへと進行した。1時間40分では、高圧注入系が起動して、冷却により減圧されたが、70気圧と変わらなかった。
  2時間8分、逃し弁の元弁を手動で閉じて、原子炉の圧力は151気圧に戻したが、炉心の空焚き領域はさらに広がり、これが収束するまで5時間もかかった。
  原子炉停止から7時間30分、加圧器逃し弁を開いて減圧し、余熱除去系(25気圧で使用可)を使おうとしたが、32気圧以下にはできなかった。8時間から13時間半まで、圧力は40~50気圧のままだったが、逃し弁の開閉により配管中の水素排出に成功して、原子炉停止16時間後には、一次冷却水ポンプが使用可能となり、TMI事故はひとまず収束したのである。
  このTMIの経験を考慮すれば、川内原発は「フィードアンドブリード」操作により、確実に炉心は空焚きから崩壊へと進むことになる。すでに述べたが余熱除去系の有効圧力は20気圧程度だから、これによる冷却は空想である。
  このように川内原発に対する規制委の審査はトンデモナイ審査であった。原子炉の設計変更という人身災害に関係する規制委の審査で、このようなデタラメがなされたことは許しがたい。
  そのうえ、この【1.二次系・・・フィードアンドブリード】の4-1.2.1.1の記述は作業者の人数などの数字を除き、すべて高浜原発の申請書に対する審査書と同文であった。九電と関電が、5ページにわたってまったく同じ文章を、自主的に書ける訳がない。誰かが原案を書いたことになる。
 この文章を書くことのできる者は、九電や関電の支配者である規制委の関係者であって、フィードアンドブリードの原文の5ページを作成して両電力に手渡し、両者は意味も分からずこれを写本して、それをあたかも自主的に作成したかのように装い、自己の設置許可申請書に書き写し、これを提出して規制委に審査合格を求めたのであろう。
  これでは、規制委と九電、関電による茶番劇であって、原子力行政として許されることではない。したがって、九電と関電に対する両審査書は効力を有せず、これに基づく運転再開の許可は取り消されなければならない。

【2.全交流動力電源喪失、一次冷却水ポンプ水漏れ】
                   (審査書p132~140)
  第2項は、隠語フィードアンドブリードから離れて、ようやく九電の設置変更許可申請書に対する規制委の審査書となる。
  まず、取りあげた想定事故は、交流電源で動くすべてのポンプの停止である。これと共に、一次冷却水循環ポンプからの水漏れが発生する(RCPシールLOCA)。このRCPシールLOCAとは、一次冷却水ポンプの回転子を浮かせ、また水漏れを防ぐ装置が停電により機能を喪失し、シールの透き間から一次冷却水が格納容器に漏れることをいう。
  その結果、一次冷却材温度は380度Cになるという。水の臨界温度は370度Cだから、この温度では水はすべて蒸気になっており、炉心燃料は空焚きである。しかし、規制委は「炉心損傷防止対策の評価項目を満足している」と断じている。
  この水漏れの量は大きく、ポンプ3台で327立方m/hにもなる。代替交流電源を確保して炉心を冷却しても、その能力は 30立方m/h程度しかない。また、蓄圧タンク(容量30 立方m/h)を追加しても足りない。そこで、二次系の主蒸気逃し弁を開いて減圧・冷却し、これにより一次系の圧力を下げて、新規制基準のとおり移動用ポンプ車により海水を通水するとする。
  これらの複雑な操作をする対策時間が検討されている。しかし、移動用ポンプ車の到達の遅れは考慮されていないし、海水を使った結果、炉心は塩で包まれ冷却が阻害されることについての検討もない。ずさんな審査である。

【3.原子炉補機冷却機能喪失と一次冷却水ポンプ水漏れ】(審査書 p140~142)
  対策は、前項と同一である。同じことをなぜ繰り返し書くのか。その後、移動式ポンプ車を使って充てん/高圧ポンプまたは余熱除去系に海水を送り、再循環条件に到達できれば高圧再循環に移るとする。道路事情により消防車が到着できるかどうかという綱渡りを無視し、規制委は「申請者が計画している炉心損傷防止対策は有効」とした。

【4.ECCSの水源である格納容器サンプ(sump)水の沸騰】
                      (審査書 p142~147)
  加圧水型原発では、高圧注入系も余熱除去系もその水源は格納容器サンプの水である。
ところが、原子炉の熱は格納容器に溜まる。放置すればサンプ水は沸点まで温度が上がり、ポンプで吸引できなくなるので格納容器の除熱が必要となるが、その方法はない。
  しかも、申請者の解析では、原子炉の温度は340度C、圧力は162気圧であって、これではとても余熱除去系ポンプを使用できない。格納容器の温度は134度C、その圧力は3.5気圧だからサンプ水は沸騰に近くポンプで汲み上げることもできない。しかし、規制委は、申請者の回答は妥当とした。

【5.原子炉停止機能喪失】 (審査書 p148~154)

  運転中原子炉の停止に失敗した場合、蒸気発生器の二次側水位の低下を自動察知し、これによりタービンを止める。一次側の温度が上がるので、原子炉反応度は低下し、出力は抑制される。次いでほう酸注入で原子炉を止める。逃し弁の開操作により一次冷却水の温度と圧力が下がれば、余熱除去系で冷却するとした。この操作で、一次系圧力は190気圧になるが、最高使用圧力206気圧を超えることはないとした。
  しかし、原子炉の圧力が160気圧になれば、安全弁が開いて一次冷却水が失われることになるが、何の記述もない。しかもこの圧力は余熱除去系の使える圧力(20気圧)をはるかに超えている。

【6.中破断による冷却水喪失で、ECCS高圧注水機能の喪失】
                       (審査書 p154~158)
  申請者の対策は、蒸気発生器二次側へ注水し、主蒸気逃し弁を開いて、二次側を減圧することで冷却し、炉心に注水するとし、この対策で、炉心は 380~731度Cになると計算して、評価目標1200度C以下であると安心している。
  しかし、この温度は水の臨界温度(340度C)を超えているから、炉心は完全に空焚きになっているのに、検討さえしていない。。
  ところで、この6の課題そのものに矛盾がある。そもそもECCS高圧注入系は、中小破断により冷却水が失われることに対するポンプである。それが小破断で機能しなくなるのでは、このECCSの設計そのものが問われることになる。
  設計が正しいとするならば、ECCSを無効にする別の条件が存在することになる。事故対策には、この別の条件をまず排除しなければならない。しかし、規制委はこれを排除せず、「ECCS注水機能喪失に対して、申請者の計画は有効であると判断した」とある。
  そのうえ、蒸気発生器の二次側を冷却したところで、蒸気発生器の逆U字細管に水素が溜まる。一次冷却水ポンプは水素を含む水では振動することになり、使用できない。しかし、TMI事故ではBW社の直管型蒸気発生器なので、十分とは言えないながらも自然循環により炉心は冷却できたが、日本の原発ではWH社の蒸気発生器で逆U字管なので、ここに水素が溜まって水の自然循環が期待できず、原子炉の冷却は不能となる。

【7.ECCS再循環機能喪失】(審査書 p158~163)

  ECCS高圧注入系と余熱除去系の水源は、格納容器サンプであるが、沸騰状態の水はポンプで汲み上げることはできない。この問題はすでに4.および6.で議論済みで、ECCSの再循環は不能である。格納容器スプレーで冷却水を追加するというが、九電も規制委もしっかりした考えがないことを示している。
  ここで、注意することは、以上2.~7.の6項目には、「フィードアンドブリード」による対策は書かれていないことである。では、どういう時にこのフィードアンドブリードを使うのか。それが次の項目8である。

【8.蒸気発生器破損】(審査書 p163~170)

  この蒸気発生器破損は、1991年2月、関西電力美浜原発2号機で発生した。当然、この事故を参照して事故対応が論じられると思ったが、美浜事故を参考にするどころか、美浜事故を一切無視している。この審査書では、世界で初めて蒸気発生器破断事故が発生したとして、その対策を考えるといった記述になっている。
  審査書によれば、「炉心損傷を防止するためには、炉心注水を継続するとともに、一次冷却系の冷却をおこなうことで原子炉格納容器内外への漏洩を抑制する必要がある」と。具体的には、「蒸気発生器二次側への注水と主蒸気逃し弁の開操作による二次系強制冷却および加圧器逃し弁の開操作を実施する」とする。
  実際の美浜事故では、蒸気発生器細管破断で放射能を含む一次冷却水が格納容器を擦り抜けて二次系のタービン・復水器に流れこんだ。これを防止するため、ECCS高圧注入系を切ろうとした。しかし、その手続きが定検ミスで進めることができず、3回にわたって主蒸気逃し弁が開いて放射能を含む蒸気が環境に放出された。ここで、ECCSを切ることになれば炉心は冷却できず、第二のTMI事故になっていたであろう。この重要な考察が審査書ではなされていない。審査書はさらに続けて「充てん/高圧注入ポンプによる炉心注水を行う一次冷却系の
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃フィードアンドブリードにより一次冷却系の冷却減圧を実施する┃(p164)。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
とある。ここで亡霊となった筈の原子力関係者の中だけで通用する隠語がふたたび姿を表した。この意味不明の隠語は説明に困った時に使う取って置きの道具であって、審査結果は、「二次系強制冷却、一次系冷却の
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃フィードアンドブリード等、事象進展の特徴を捉らえた対策┃(p168)
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
であると判断した」とある。
  炉心損傷防止対策(4-1.2.1)を訳の分からないこの隠語で締めくくるあたり、規制委にとって、炉心損傷防止が不可能であると認めたことに外ならない。
  原子炉安全委員会は、原子炉規制委員会に名称を変えたが、それと同時に、「安全」はどこかに吹き飛んでしまった。田中委員長は、「審査で安全が確保されたとは言わないが、安全でないとも言わない」と戯れ言を言っている。規制委は原子炉の安全のための役所ではないことを公言したものということになる。


【(規制すべき最重要事項)  これまでの炉心損傷の原因はすべて人為ミスだった】
                      ●印は事故の決定的原因
TMI事故
 1.電流が流れていたので、弁は閉まっていると表示されていた(設計ミス)
 2.●加圧器水位高により、ECCSを2機ともに手動停止した(人為ミス)

東電福島第一原発1号機事故
 1.第二原発との電力融通など電源確保努力していなかった  (本社の怠慢)
 2.非常用復水器の配管に水素が溜まる欠陥を承知していたが申告せず、
     また水素逃し弁を付けるなどの改修もせず、放置していた(本社の怠慢)
 3.非常用復水器が自動起動したが、マニアル(原子炉急冷禁止)に従い、
     ●非常用復水器を手動停止した。以後自動起動と手動停止をくりかえす。
     非常用復水器を停止しなければ事故はなかった    (人為ミス)
 4.非常用復水器配管に水素が溜まり、非常用復水器は機能しなくなった時、
     電源不要の高圧注水系を運転しなかった(またはできないようになっていた)
                                      (人為ミス)
 5.風向き考えずベントして、発電所北側の人々を被曝させた (人為ミス)

東電福島第一原発2号機事故
 1.浜岡原発の蒸気凝縮系(非常用復水器と同じ)で水素爆発があり、2号機では
     これを改修せず撤去した。●蒸気凝縮系があれば事故はなかった
                            (本社の怠慢)
 2.隔離時冷却系は自動停止した    (設計ミス)
     しかし、手動起動を繰り返して3日間も原子炉を維持した。
     だが、水源確保の努力せず、炉心への注水に失敗した   (人為ミス)
 3.消防車による注水をするため、●逃し弁を開放して原子炉は空焚きにした
                                                     (人為ミス)
 4.格納容器上部の配管内で水素爆発した。放出された大量の放射能が県民を
   襲った
     配管内に水素と空気が溜まることを調査していなかった (本社の怠慢)

東電福島第一原発3号機事故
 1.浜岡原発の蒸気凝縮系(非常用復水器と同じ)での水素爆発について、
     3号機でも改修せず撤去。
     ●蒸気凝縮系があれば事故はなかった (本社の怠慢)
 2.隔離時冷却系の自動停止に対し、●再手動起動をしなかった  (人為ミス)
 3.3号機は、非常用電源が津浪後も生きていたのに活用しなかった
                          (人為ミス)
 4.消防車により海水注入、塩が炉心の冷却を妨害して崩壊燃料は高温になった。
     これが原因で、1週間も後になって、大量の放射能放出となった (人為ミス)

結論   これらの人為ミスに対し、それを是正する機能はまったく用意されて
    いない。よって、九電の設置許可変更の申請は許可してはならない。

 (その2・「格納容器破損の防止対策(4-1.2.2) 批判」へ続く)


(注1):(事故情報編集部注:各章の数字は、元原稿ではローマ数字でした。
    文字化けするので変更しました)
(注2):(事故情報編集部注:TMI-スリーマイル島原発。
 スリーマイル島原発事故は、1979年3月28日、アメリカ合衆国東北部ペンシルベニア州のスリーマイル島原発で発生した重大な原子力事故。スリーマイル島 (Three Mile Island) の頭文字をとってTMI事故とも略称される。原子炉冷却材喪失事故 (Loss Of Coolant Accident, LOCA) に分類され、想定された事故の規模を上回る過酷事故 (Severe Accident) である。国際原子力事象評価尺度 (INES) においてレベル5の事例である。)
(注3):(事故情報編集部注:この数字も、元原稿では「丸数字」でした。
    文字化けするので変更しました)
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