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たんぽぽ舎です。【TMM:No1358】
2012年2月22日(水) 地震と原発事故情報
                           転送歓迎
 
(メルマガ編集部より:本日からナンバリング方法が変わります。
 2種類あった番号を「TMM」のほうに統一します。)
 
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 2月20日、関西電力高浜原子力発電所3号機が定期検査で停止
 残るは東電1基、北海道電1基の計2基、全原発停止へあと一歩
 【東京電力:柏崎刈羽6号 2012年3月26日に 定検入】
 【北海道電力:泊3号 2012年4月末までに 定検入】
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★1.原発の歴史、反原発の歴史・2回目のおさそい
   2/24(金)山崎久隆講師
   原爆から原発へ=原発利権発生の時代
★2.原発裁判でなぜいつも敗北か? 原発訴訟・原告敗訴の仕組み
   青木秀樹弁護士の講演から
              中村泰子(たんぽぽ舎会員・応援する人)
★3.新聞・雑誌から
  ◇再稼働の危険見えた ─ 多すぎる「検査対象外」
   大飯原発のずさんな安全評価
          (2月21日 東京新聞「こちら特報部」より抜粋)
★4.2/19たんぽぽ舎総会に寄せられたメッセージの紹介
  ◇福士敬子さん(都議会議員)
 
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★1.原発の歴史、反原発の歴史・2回目
   2/24(金)山崎久隆講師 おさそい
   原爆から原発へ=原発利権発生の時代
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 ◯2月24日(金)は、原発の歴史、反原発運動の歴史講座2回目=1970年から
1980年代前半です。原爆から原発への時代、原発利権発生の時期の話です。
 豊かな運動を作るため、ぜひ「原発の歴史、反原発運動の歴史」講座(全4回)に
参加しよう。
 日 時:2月24日(金)18:30開場 18:45開会 21:00終了
 会 場:スペースたんぽぽ
 参加費:800円
 ◯なお、当日、1月の第1回講座の資料のない方は配布します。(A4判7頁)
  第1回講座の資料(戦前から1970年代)の目次
  ・核開発は被ばくの歴史
  ・核開発は民主主義に反する
  ・核開発は核兵器開発に他ならない
  ・核兵器開発技術を持ちたがる国
  ・年表(1939から1970年)
 
 
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★2.原発裁判でなぜいつも敗北か? 原発訴訟・原告敗訴の仕組み
   青木秀樹弁護士の講演から
                中村泰子(たんぽぽ舎会員・応援する人)
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 原発の建設・運転差止や設置許可取消を求める訴訟で、これまで原告勝訴は
 2件のみ(もんじゅ差戻二審と志賀原発二号炉一審)、それらも上級審で覆
 された。2月1日HOWS講座「原発の安全性に関する立法・行政・司法のスタ
 ンス」で、講師の青木秀樹弁護士は、原告敗訴になる仕組みについて話した。
 以下にその要旨と原発裁判闘争についての私見を述べる。
 
◇原子力利用が大前提の法体系
 原子力基本法を頂点とする原子力法体系は、安全神話に基づいた原発推進の
 法体系になっている。原発の設置許可は原子炉等規制法に則り経済産業大臣
 が行う。許可基準は、原子炉立地審査指針や原子力安全委員会が策定した安
 全審査指針類を適用する。設置許可後の手続きは、原子炉等規制法と電気事
 業法に則り原子力安全・保安院が担う。経済産業省令で定める技術基準(省
 令62号)と学協会規格に適合することが求められる。学協会規格策定には規
 制される側の企業関係者が関与し、規制されるべき事業者が規制基準をつく
 るという構造がある。
 
◇名ばかり規制機関
 原発の安全規制機関は、原子力安全委員会と原子力安全・保安院であるが、
 実効性はない。原子力安全委員会は、原発推進の原子力委員会とともに内閣
 府に置かれ、両委員会は、原子力利用が円滑に行われるよう相互に緊密な連
 絡をとるものとされている。また、原子力安全委員会には、原発の停止、取
 消、安全遵守を実効化させる等の権限はない。
 
 原子力安全・保安院は、経産省外局の資源エネルギー庁(原発推進のエネル
 ギー基本計画を作成)に置かれ、推進機関と密着関係で組織的な独立性はな
 い。
 
 規制機関を独立させるためとして、4月に原子力規制庁が発足の予定だ。し
 かし、地球温暖化防止に原子力利用を掲げている環境省の外局であり、保安
 院からの出向者が多数を占める人員構成なので、まともな規制機関になるの
 か、はなはだ疑問である。
 規制を実効化させるためには、地球温暖化対策から原子力推進を削除するこ
 と、そして、原子力推進の基本法である原子力基本法を廃止することが必要
 である。原子力基本法の民主・自主・公開の三原則はあくまで推進の範囲内
 での原則にすぎない。
 
◇行政追随の裁判官
 司法の役割は、基本的人権を擁護し、立法、行政による人権侵害を是正する
 ことである。ところが、原発裁判で司法は、何があろうと安全審査指針類を
 満たしてさえいれば安全だという破廉恥な判決で国側を勝たせてきた。
 
 例えば、東海第二原発設置許可取消訴訟の判決では、危険性のレベルが「社
 会通念上容認できるような水準以下にとどまるものと考えられる場合には、
 その安全性が肯定される」とし、行政の判断を一方的に尊重した。
 
 浜岡原発運転差止訴訟一審判決では、その三カ月前に起こった中越沖地震で
 柏崎刈羽原発が損壊したにもかかわらず、「抽象的な可能性の域を出ない巨
 大地震を国の施策上むやみに考慮することは避けなければならない」「耐震
 設計審査指針等の基準を満たしていれば安全上重要な設備が同時に複数故障
 するということはおよそ考えられない」などとした(現在控訴審継続中)。
 
◇原発裁判闘争は有効か?
 青木弁護士の話を聞いて、この構図の中で原告勝訴の余地はないと感じた。
 裁判所の体質は、侵略戦争に司法が積極的に加担した戦前と変わっていない
 のではないか。原発にしろ、基地にしろ、人民に犠牲を強いる国策を擁護す
 るために基本的人権は切り捨てる。これは司法みずからによる憲法違反であ
 ろう。
 
 立法・行政・司法が一体となって暴走した結果が、福島第一原発の大事故で
 ある。もはや国の安全のお墨付きは無効化したと全国で原発訴訟が起きてい
 る。しかし、国にとっては痛くもかゆくもないのではないか。「ストレステ
 ストにパスすれば再稼動」というやり方と同様の手口で、経済的に見合う範
 囲での基準改定や手続変更を行って新たな安全神話を作り上げ、裁判官や世
 論を操作できる仕組みになっている。3.11後、裁判官の態度に変化がみられ
 た例もあるとのことだが、ほとぼりが冷めるまで、訴えを聞くふりをするだ
 けかもしれない。何しろ原発訴訟は何十年とかかるのだ。原告に膨大な時間
 と労力を費やさせた挙句、不合理な理由で却下というこれまでの判例を忘れ
 てはならない。裁判官のスタンスは国側である。原発裁判闘争は、運動側を
 促進する波及効果があるにしても、結局相手の土俵で踊らされることになる。
 闘いは、資本家階級の利益を保障する原発推進体制そのものの解体をめざす
 べきだと考える。
 ※「思想新聞」2月15日号に掲載された記事の一部です。
 
 
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★3.新聞・雑誌から
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◇再稼働の危険見えた ─ 多すぎる「検査対象外」
 大飯原発のずさんな安全評価
           (2月21日 東京新聞「こちら特報部」より抜粋)
 
 二十日午後に経済産業省で開かれた保安院の安全評価についての意見聴取会。
 冒頭、後藤政志委員(芝浦工大非常勤講師)が、事務方の保安院職員に詰め
 寄った。「福島の事故を繰り返さないためにどうするのか、を話しあってい
 たのではなかったのか」
 
 前回の意見聴取会は議論半ばで打ち切られ、大飯原発3、4号機の安全評価
 (一次評価)を「妥当」とする審査書がまとめられた。この進め方を批判し
 たのだ。(中略)この日、保安院は福井県に審査書の説明を開始。今後、県
 議会やおおい町などでも説明する。一方、安全委の斑目春樹委員長は十七日
 に続き、「一次評価だけでは安全評価として不十分」と発表。政府は定期点
 検で停止中の原発は一次評価が一定レヴェルに達していれば、安全性を保証
 できるとしており、安全委と政府の見解の食い違いが露呈した。(中略)
 
 地震が起きた際、炉心に制御棒がうまく挿入されるかどうかについても、関
 電はチェックから外した。井野委員は「結局1.8倍の地震での安全性さえ
 検討されていないに等しい」と厳しく評価する。(中略)さらに、津波でガ
 レキが流れてきたり、周囲が火の海になるなど、実際に起こりそうな複合的
 な災害の耐久性も安全評価から「対象外」としていることを疑問視する。
 (中略)
 
 規制庁も看板替えのみ ─ 新機関でもチェックに不安
 
 保安院は大飯原発3、4号機については議論を尽くさないまま、安全評価に
 「妥当」のお墨付きを与えた。福島原発事故の反省はどこへやら、原発推進
 のためのやらせが暴露されても、その姿勢に変化はない。
 
 深刻なのは、その保安院の大半の職員が四月に発足する原子力規制庁に横滑
 りすることだ。(中略)桜井氏(元日本原子力研究員・技術評論家)は「数年
 で元の役所に戻るとわかっていたら、職員は難しい課題に積極的に取り組む
 ようにはならない。今のやり方では、これまでのような無責任な体制が
 続く」と懸念する。
 「規制庁が看板の掛け替えだけに終わらせないようにするには、技術的に精
 通した人間を外部から連れてくるしかない」
 
 
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★4.2/19たんぽぽ舎総会に寄せられたメッセージの紹介
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 ◇福士(ふくし)敬子(よしこ)さん
  東京都議会議員 自治市民‘93 代表
  反原発自治体議員・市民連盟共同代表
 
 たんぽぽ舎第24回総会おめでとうございます。
 3.11東日本大震災の後、東京電力にいち早く申し入れをするなど、たん
 ぽぽ舎の行動力に敬意を表します。
 原発推進側は、福島原発の重大事故の責任も取らず、
 まるで事故はなかったかのように、原発の再稼働や原発の海外輸出を
 進めたりと、巻き返しが強まっています。
 
 一方原発がなければ電気が不足すると思っている一般の人々もまだ多く、
 今原発がほとんど動いていないことすら知られていません。
 テレビでは殺人や虐待などは何日も日に何回も、同じことを繰り返し報道し
 ますが、最大の殺人、虐待の元となる原発の危険性はもう忘れたかのように
 触れなくなりました。
 
 たんぽぽ舎の地道な活動の広がりはこれからも重要となります。
 
 ただ、全原発の再稼働阻止と全原発の即時停止に向けて、今年1年が正念場
 です。
 市民の声を大きくして、反原発のうねりを作りましょう。
 反原発自治体議員・市民連盟として私も頑張ります。
 
                 2012年2月19日  福士 敬子
PR
たんぽぽ舎です。【TMM:No1357】
2012年2月22日 地震と原発事故情報           転送歓迎
 
(メルマガ編集部より:今日からナンバリング方法が変わります。
 2種類あった番号を「TMM」のほうに統一します。)
 
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 2月20日、関西電力高浜原子力発電所3号機が定期検査で停止
 残るは東電1基、北海道電1基の計2基、全原発停止へあと一歩
 【東京電力:柏崎刈羽6号 2012年3月26日に 定検入】
 【北海道電力:泊3号 2012年4月末までに 定検入】
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★1.東日本大震災1年、進まない原発防災
   ─防潮堤完成は今年中に3カ所のみ 水素爆発対策も進んでいない
                   (2月22日 朝日新聞より抜粋)
★2.うれしいニュース
   放送ウーマン賞2011に、OurPlanetTV 白石 草(はじめ)さん
 
★3.イベントのおさそい
 ◇さよなら原発!東村山ウォ-ク 3月18日(日)14:00集合・開会
 ◇第2回 原発推進と反原発運動の歴史を知る・学ぶ
  2月24日(金)18:45、スペースたんぽ
 
★4.本の紹介
 ◇『検証 原発労働─現場労働者の過酷な実態』日本弁護士連合会 編
 
★5.新聞・雑誌から
 ◇米国原子力技術者ガンダーセン氏来日、「安全よりカネ」同じ轍
             (2月22日 東京新聞こちら特報部より抜粋)
 ◇クウェート原発計画中止、福島事故受け昨年7月
                 (2月22日 東京新聞夕刊より抜粋)
 ◇福島事故後に8基を停止したドイツ、脱原発でも電力輸出超過
   再生可能エネルギーによる発電量増加 ─ 日本は?
                   (2月20日 毎日新聞より抜粋)
 
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★1.東日本大震災1年、進まない原発防災
   ─防潮堤完成は今年中に3カ所のみ 水素爆発対策も進んでいない
                 (2012年2月22日 朝日新聞より抜粋)
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 東京電力福島第一原発事故を受け、国が全国の原発に求めた中長期の地震・
 津波対策のうち、防潮堤と水素爆発対策の整備が進んでいないことが朝日新
 聞の調べでわかった。防潮堤が今年度中に完成するのは3カ所にとどまった。
 水素爆発防止対策を終えた原発はなく、多くが未着手。原発の再稼働の議論
 が進む中、根本的な対策は道半ばだ。
 
 原発の中長期的安全対策(朝日新聞調べ)一覧より
 対策項目は3つ:防潮堤の設置・強化、水素爆発対策、非常用発電機の新設
 ・防潮堤対策 完了:0、実施中:9、美浜は4年後(2015年度)に完了予定、
  もんじゅ、伊方、玄海などは実施せず。
 ・水素爆発対策としてはベント装置や水素結合装置の整備。計画15箇所の
  うち10箇所が未着手。
 ・非常用発電機の新設は、未定または未着手という回答が5箇所。
 
 (メルマガ編集部:原発防災が遅々として進まず、余震や大地震の心配が
  あるのに原発再稼働なんて、どう考えても許せない。)
 
 
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★2.うれしいニュース
   放送ウーマン賞2011に、OurPlanetTV 白石 草(はじめ)さん
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 テレビ・ラジオ・制作会社・広告会社などで働く女性たちの組織「日本女性
 放送懇談会」で毎年行っている、放送界で活躍したすぐれた功績をあげた女
 性に仲間からの激励の意味をこめて『放送ウーマン賞』が今月8日、発表さ
 れた。受賞は二人、堀川惠子さん(ドキュメンタリーディレクター)と、
 白石草さん(NPO法人OurPlanetTV代表理事)。来月14日に贈賞式が開かれる。
 
 (ホームページから、白石さんの紹介文を引用)
 http://sjwrt.org/2012/02/info_housouwemen2011/
 2001年の設立時からインターネットの特性を生かし、マス・メディアと異 
 なる視点で発信する新しいメディアのあり方を模索してこられました。特に
 2011年の原発事故では、発生直後から他のフリージャーナリストたちと協力
 し、放射能汚染について被災地の様子をいち早く伝えるとともに、独自の視
 点で発信を続けています。また被曝への疑問や不安を持つ子どもたちの取材
 活動をサポートした番組「私たちの未来は大丈夫?子どもが考える原発と
 被曝」は、インターネット配信だけでなくCS朝日ニュースターでも放送され、
 メディアの在り方に新たな可能性を示しました。メディアの多様性を自らの
 行動で示し続けた10年間の活動に敬意を表し、放送ウーマン賞2011を
 贈ります。
 
 
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★3.イベントのおさそい
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◇さよなら原発!東村山ウォ-ク
 一日も早く、全ての原発を無くしてもらいたい!その思いを込めて、パレー
 ドをします。お友達と、ご家族と、又は一人でも自由にご参加ください。
 みんなの気持ちをつないで、ひろげていきましょう!
 思い思いにプラカードや楽器などお持ち下さい
 
 2012年3月18日(日)小雨決行 14:00集合・開会
 14:30出発 都営東村山栄町2丁目第2アパート前の公園
 16:00解散 本町2丁目第1仲よし広場
 
 主催:3.18東村山ウォーク実行委員会
 問い合わせ:
  原発なくそう!東村山の会  岡村 090-2566-5741
  さようなら原発!東村山   篠原 042-391-4898
 
 
◇第2回 原発推進と反原発運動の歴史を知る・学ぶ
 日時 2月24日(金) 18:45~21:00(18:30開場)
 場所 スペースたんぽぽ(千代田区三崎町2-6-2 ダイナミックビル4F)
 資料代:800円
 
 「原発推進と反原発運動の歴史を知る・学ぶ」
 1970年代から1980年第前半 原爆から原発へ ―原発利権の誕生―
 お話 :山崎久隆さん(たんぽぽ舎副代表、劣化ウラン研究会代表)
 
 
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★4.本の紹介
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◇『検証 原発労働─現場労働者の過酷な実態』日本弁護士連合会 編
  岩波ブックレットNo.827/本体500円+税
 
  いま、福島第1原子力発電所の事故現場で必死になって命の危険を感じな
 がら働いている原発関連労働者はどのような状況で働いているのか。
 
  派遣2次下請け会社に雇用されたEさんは、派遣先の会社と「機密保持」
 として「知り得た情報は厳に機密を保持。各種報道機関からの取材は一切受
 けないものとする」との契約書を交わせられ働いている。一番危険なところ
 で働かされ、「権利を主張すれば」「明日から来なくてよい」と使い捨てに
 される。賃金も電力会社から元請に支払われる日当は7万円。何重にも重な
 る中間搾取で原発労働者には10000円前後しか支払われないという。
 
  日本弁護士連合会が昨年8月、原発労働問題のシンポジウムで発言内容
 (匿名)をまとめたもの。ピンハネ、違法派遣、偽造請負、高い放射線量の
 過酷な労働実態を告白した注目の一冊だ。
 
 
※小冊子『被ばく労働自己防衛マニュアル』
 
  原発労働の危険性、もし原発に行かねばならないときの最低限の注意、仕
 事中・離職後の自分の身を守るためのアドバイス、相談先一覧など、知って
 おくべき事項をまとめた一冊。
  この冊子は、被ばく労働を進めるガイドブックでは決してありません。本
 人にすら被ばくの実態が知らされずにきた被ばく労働をこれ以上許さず、最
 低限の労働者の権利と命を守り、被ばく労働の悲劇をこれ以上生み出さない
 ために作られました。
  原発労働者は、批判や告発をしにくい環境にあります。各地での取り組み
 にこの冊子をご活用ください。
 
 労働者に広く配布することを考え、定価はありません。可能な方・団体は
 1部200円を目安にカンパをお願いします。広範に配布し労働相談活動
 での利用を考えている方は、ご相談ください。
 カンパ代・送料は同封する郵便振替用紙をご利用ください。
 
 問い合わせ:
  福島原発事故緊急会議 被曝労働問題プロジェクト
  なすび(山谷労働者福祉会館)e-mai:nasubi@jca.apc.org
 送付依頼先:contact@2011shinsai.info、TEL: 03-6424-5748
 代表連絡先:ピープルズ・プラン研究所
  東京都文京区関口1-44-3 信生堂ビル2F
 ☆たんぽぽ舎でも扱っています☆
 
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★5.新聞・雑誌から
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◇米国原子力技術者ガンダーセン氏来日、「安全よりカネ」同じ轍
             (2月22日 東京新聞こちら特報部より抜粋)
 
 東京電力福島第一原発のメルトダウン(炉心溶融)をいち早く指摘した米国
 人のアーニー・ガンダーセンさん。著書「福島第一原発 ─ 真相と展望」
 (集英社新書)の出版を機に来日した。米国でずさんな放射性物質化kン理
 を内部告発し、原発の推進側から批判はへと転じたガンダーセンさんに話を
 きいた。(中略)
 福島原発事故の本質は、電力業界の利益優先体質と業界寄りの政府が安全対
 策をおあざなりにしてきたことにあると総括。「第二原発に施した最新の安
 全対策を、第一原発にも装備するべきだったが、費用面から見送られた」と
 説明している。(中略)
 
 米スリーマイル島での事故や旧ソ連でのチェルノブイリ塩の後ですら「安全
 神話」を信じていた。転機が訪れたのは1990年。放射性物質をずさんに管理
 していた勤め先の会社を告発、逆に会社から名誉棄損で訴えられた。米原子
 力規制委員会(NRC)はガンダーセンさんの告発を無視した。(中略)
 福島事故で「大自然の力に人間は対処できない」と気づいた。
 
 日本での原発再稼働の動きについて問うと、「安全評価(ストレステスト)
 は言葉遊び」と一喝した。「福島の事故処理費用は20兆円以上。部外者の
 私が即時停止しろとは言えないが、30年稼働し原発から廃炉にした方がよ
 い」(中略)
 「足りないのは政治的な意思だけ。政治家と官僚は思考停止しており、改革
 役は担えない。市民が自ら立ち上がらなければ、何も動かない」
 
 
◇クウェート原発計画中止、福島事故受け昨年7月
                 (2月22日 東京新聞夕刊より抜粋)
 
 日本などと原発開発協力を進めていた中東の産油国クウェートの政府機関研
 究員は、2月11日、東京電力福島第一原発の事故を受けて昨年7月に原発
 計画の中止を打ち出したことを明らかにした。(中略)
 
 原子力委員会の一部機能が移された「クウェート科学研究所」のオサマ・
 サエグ研究員らは「福島原発の事故後、『なぜ(危険な)原発が必要なの
 か』という声が国民の間で高まった」と背景を説明。狭い国土の中で放射性
 廃棄物の貯蔵場所をどこに設置するのかなどの問題もあったと指摘した。
 
 
◇福島事故後に8基を停止したドイツ、脱原発でも電力輸出超過
  再生可能エネルギーによる発電量増加 ─ 日本は?
                   (2月20日 毎日新聞より抜粋)
 
 東京電力福島第1原発事故後に「脱原発」を決め、国内17基の原発のうち
 約半数にあたる8基を停止したドイツが昨年、周辺諸国との間で、電力輸入
 量よりも輸出量が多い輸出超過になっていたことが分かった。脱原発後、
 いったんは輸入超過に陥ったが、昨年10月に“黒字”に転じた。太陽光や
 風力などの再生可能エネルギーの増加と、全体のエネルギー消費量を抑える
 「効率化」が回復の要因だという。厳冬の影響もあり、電力不足の原発大国
 フランスにも輸出している。(中略)震災前は周辺国との電力収支が輸出超
 過だったが、昨年5月に輸入超過に転落した。フランスからの輸入が前年の
 3割増になるなど昨年9月まで輸入超過の状態が続いた。(中略)
 
 今年2月に入り、欧州各地で氷点下10度を下回る厳冬になると、電気暖房
 が全体の3分の1を占めるとされるフランスで原発をフル稼働しても電力が
 足りなくなった。このため、2月の17日間のうち6日間は電力需要の多い
 午後7時ごろを中心にドイツからフランスへの輸出超過になり、電力の7割
 を原発に頼るフランスが脱原発のドイツに依存する事態になった。
 
 昨年のドイツの発電量に占める原発の割合は約22%から18%弱程度に低
 下する一方、再生可能エネルギーは約20%に上昇した。さらに、褐炭、石
 炭、ガスなどが微増しており、原発の目減り分を補っている。
 
 一方、日本では再生可能エネルギーによる発電量(10年度)は全体の約10%
 にとどまり、太陽光や風力など水力以外の新しいエネルギーは約1%に過ぎ
 ない。
たんぽぽ舎です。【TMM:No1356】
                               転送歓迎
 
 
                ◆ 地震と原発事故情報 その341 ◆
               4つの情報をお知らせします(2月21日)
 
 2月20日、関西電力高浜原子力発電所3号機が定期検査で停止
 残るは東電1基、北海道電1基の計2基、全原発停止へあと一歩
  【東京電力:柏崎刈羽6号 2012年3月26日に 定検入】
  【北海道電力:泊3号 2012年4月末までに 定検入】
 
 
 
★1.沈黙の春 ─ 福島原発周辺、鳥が減少
   鳥は人間に対する早期警戒システム
                 (たんぽぽ舎ボランティア 冨塚元夫)
★2.「脱原発杉並デモ」に参加しました
  ─ 5,000人、手作り多し・たくさんのアイディア・デモ参加者割引き商店
                           (源八おじさん)
★3.<テント日誌 2/19(日)>
     週明けの攻防戦を前にした日曜夜の霞ヶ関
    ―― 経産省前テントひろば 162日目 ――
★4.イベントのおさそい
  ◇第2回グリーンズカフェ東京「脱原発への道・ドイツツアー報告会」
  2月22日(水)午後7時から、スペースたんぽぽ、参加費500円
  ◇江東上映会 映画「第4の革命」
  3月11日(日)14:30分上映開始、亀戸駅ビル・アトレ7階
 
 
___________________________________
 
★1.沈黙の春 ─ 福島原発周辺、鳥が減少
   鳥は人間に対する早期警戒システム
                 (たんぽぽ舎ボランティア 冨塚元夫)
 
 東京新聞2月4日朝刊に小さい囲み記事で「福島原発周辺、鳥が減少。日米
チームなど調査」(2月3日ロンドン発共同)という記事がありました。日米
など研究チームは1986年に事故が起きたウクライナのチェルノブイリ原発と福
島第一原発の周辺で、放射性物質放出による生物への影響を調査する、、、生
息数への影響、寿命が短くなったり、オスの生殖機能が低下、脳の小さい個体
が発見。このほかDNAの変異が上昇、昆虫の生存期間が大きく減少、云々と
あります。
 
 この記事を見て私は、1994年に肥田俊太郎医師と斎藤紀医師が翻訳した「死
に至る虚構―国家による低線量放射線の隠ぺい」という本を思い出しました。
カリフォルニア州サンフランシスコ近くのポイントレイズという場所の鳥類観
測所で1986年から87年にかけて、鳥類学者デサンテ博士が観測したことが第三
章『沈黙の春』に出ています。10年来観測してきたことと違って、繁殖期の
6月・7月に繁殖率が下がったのです。さまざまな調査・研究の結果、鳥類の
減少はチェルノブイリ原発の放射性降下物が原因という結論になりました。キ
ツツキとツバメは減少しなかったのですが、それは親鳥が雛にカブトムシなど
の死骸を与えていたためで、毛虫や幼虫を与えていたほかの鳥類は50%以上減
少しました。毛虫や幼虫は植物の新芽を食べます。新芽に放射能があったので
す。1986年から87年にかけて生存率が極度に下がった鳥は、若鳥と年寄りの鳥
だけだったといいます。鳥類学者は一般に≪鳥は人間に対する早期警報システ
ムである≫といいます。
 
 鳥以外にも早期警報システムはあるようです。2月19日に行われたたんぽぽ
舎第24回総会で講演した菅井益郎さんは群馬県伊勢崎市の自宅の庭で異常花を
つけた小菊を発見したと写真付きで報告されました。スリーマイル原発事故の
とき周辺で発見された巨大たんぽぽなどの写真も示されました。インターネッ
トには自宅や近所で発見した異常花の報告が沢山あります。私が昨年感じたの
は蚊がほとんどいなかったことです。我が家(マンション)の裏にはどぶ川が
あるので、春から冬近くまでマンションのまわりに蚊が舞い洗濯物に蚊が付き
大変でした。市役所に連絡して年に2回殺虫剤をまいてもらっていました。そ
れが去年は全く気にならないほど見かけませんでした。
 
 このような現象の研究にはしっかりデータを取った体系的研究が必要と思い
ます。日米など研究チームの研究結果を注目したいと思います。しかし私たち
素人にもできることがあります。たんぽぽ舎等で長年おこなってきた「さくら
調査」です。日本全国にあるソメイヨシノは各地で調査すれば地域別の違いが
分かります(疫学調査を念頭に置く必要があります)。何もない年や場所では、
異常花は1000に2か3ですが、原発事故のあとの原発周辺では何十倍にもなる
そうです。今年は自宅近所で観察してはいかがでしょうか。     以上
 
 
★2.「脱原発杉並デモ」に参加しました
  ─ 5,000人、手作り多し・たくさんのアイディア・デモ参加者割引き商店
                           (源八おじさん)
 
 2月19日「脱原発杉並デモ」が開催されました。私は杉並区在住で、しかも、
デモコースの中心が最寄り駅なので、最初から最後まで歩いて参加できるデモ
でした。(正確に言うと源八おじさんは架空の人物なので、杉並区民ではあり
ませんが、作者が杉並区民で、『源八おじさんとタマ』のアニメーションも杉
並区で誕生しているので、一応、源八おじさんも杉並区民という設定です)
杉並でのデモと言えば、昨年約15000人を集めたとされる高円寺のデモがあり
ましたが、今日のデモに集まったのは約5000人だったそうです。昨年の15000
人からすると少ないのですが、原発事故直後のインフレーションがある程度収
まった後としては、充分な盛り上がりがあったと思います。
 
 12:30の集合時間に集合場所の蚕糸の森公園に到着すると、家族連れ、お子
さん連れ、若者からお年寄りまで、たくさんの方々が参加していました。そし
ていよいよデモに出発。今回のデモは、活動家色、政党色はほとんど感じられ
ず、ごく普通の人たちが集まっているという印象でした。それは物足りなさも
あるのですが、それ以上に、自由さ、気軽さ、のんびりさ、ほのぼのさ、手作
り感がありました。私が歩いた悌団では、シュプレヒコールすらなく、雑談し
ながらのお散歩という感じでした。
 
 東高円寺駅を超え、大久保通りに入った時には、日曜日ということもあって、
人通りはほとんどなく、こんなとこを歩いていて、果たして意味があるのだろ
うかと思いました。これは銀座、新宿、渋谷といった繁華街でのデモとの比較
なので、住宅街でのデモは、それらと同列に考えるべきではないのでしょう。
それでも新高円寺から青梅街道を通り、南阿佐ヶ谷から中杉通りを通り阿佐ヶ
谷に向かうコースは、沿道にもたくさんの人がいました。
 
 手作り感と言えば、これまでにない様々なアイデアも秀逸だったと思います。
例えば、こども連れでも気軽にデモに参加できるように、散歩カーや保育士な
ど万全の態勢を整えたKIDS班。お菓子の用意はもちろん、おむつ交換もでき、
デモ途中でぐずったこどももベビーカーに乗せられる用意がありました。他に
も、お年寄りでもゆっくり歩けるほのぼの班を設定したり(私が歩いたのはこ
の悌団だったようです)、迫力のドラム隊、サウンドカーに加え、なんとカラ
オケカーまで出動!昨年のデモでゴミが散乱した反省を踏まえ、ゴミ片付け隊
もあったようです。デモコース途中にエネルギー補給所として、アメ玉を配る
コーナーがあったり、長時間デモには絶対に必要なトイレもわかりやすく表示
されていました。さらに区内の飲食店では、「デモに参加した」と申告したお
客さんの代金を割り引く、「デモ割り」などもあったそうで、まさに地域が一
体となったイベントだったようです。原水禁運動発祥の地である杉並にふさわ
しいデモだったと思います。
 
 一年前、反原発・脱原発デモをすると、沿道の人たちから迷惑そうな視線を
浴びたものですが、今や反原発・脱原発デモは、町おこしにもつながっていま
す。5000人もの人たちが、せっかくその地域に来たのだったら、おいしいもの
を食べて帰りたいと思う人もたくさんいることでしょう。これからも、いろい
ろな地域で、工夫をこらした「脱原発○○デモ」が開催されることを願います。
 
 
★3.<テント日誌 2/19(日)>
   週明けの攻防戦を前にした日曜夜の霞ヶ関
  ―― 経産省前テントひろば 162日目 ――
 
 日曜夜、いつになく人が少ない。どうしたのかと尋ねると隣のテントで合唱
隊の打合せをしているという。覗いてみると老若男女10人程が真剣に曲の検討
をしている。素晴らしいハーモニーを響かせてくれる日が楽しみだ。
 遅くに若い人がテントに入ってくる、話していると議員の秘書さん。議員が
法令をつくるには官僚の力が必要だが、官僚をその気にさせるのは大変で、や
はり長年の繋がりが大切だという。選挙で浮き沈みする議員と長年ひとつの省
で仕事をする官僚。力関係に難しさを教えられた。
 
 そう言えば、防衛省の天皇と呼ばれた守屋元防衛事務次官が収賄で収監され、
オスプレイ配備を黙っているように米政府に頼んだ高見澤防衛研究所所長がア
セス裁判で那覇地裁に証人喚問される。
 テント宿泊仲間では、「週刊東洋経済」編集長が痴漢容疑で逮捕されたこと
が話題になった。植草一秀氏と同様に国家権力による言論弾圧ではないかと類
推して。
 
 夜中になじみのコンビニを訪問。トイレを借り缶コーヒーを買って雑談。先
週はテントに遊びに来てTさんと話したそう。比較的暖かな夜だったのに急に
風が冷たくなった。日曜深夜でも、金融庁の前にはタクシー数台が客待ちをし
ていた。いつの間にか外が白んできた。地下鉄が動き出す頃にはビル掃除の人
たちが通って来て、7時頃には憂鬱な顔をした官僚たちも各省のビルに入って
いく。また、次の新しい週が始まる。
 
 月曜にはストレステスト意見聴取会が、火曜には原子力安全委員会の検討会
が開催される。
再稼動を止めるための院内集会や抗議行動や傍聴が呼びかけられている。
                               (K.M.)
 
◇「ひろばー全国・全世界から ~交流・討論・共感~」
 郵便は〒100-0013東京都千代田区霞が関1-3-1 経産省前テントひろば
 メールは tentohiroba@gmail.com   へお送り下さい。
 (テントひろばに寄せられたメッセージ)
  ◎イギリス在住の者です。
    遠くからいつも応援しています。
     寒い中、みなさんの活動には本当に頭が下がる思いです。
     3月末に日本に3週間里帰りするので、その際にはテント広場に
   寄らせていただきます。
     みなさん、お体に気をつけて。         ( イギリス Y・B 女性 )
 
 
★4.イベントのおさそい
 
 ◇第2回グリーンズカフェ東京「脱原発への道・ドイツツアー報告会」
  日時 2012年2月22日(水)午後7時~9時(6時半開場)
  場所 スペースたんぽぽ(千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル4F)
  参加費500円
  主催 みどりの未来(東京チーム)
  問合せ 070-6642-9014(西島)
     090-6001-9048(木村)
  レポーター
   すぐろ奈緒(杉並区議会議員、みどりの未来共同代表)
   村松まさみ(小平市議会議員、みどりの未来ユースチーム)
 
  緑の党の案内による「ドイツ視察」に参加した二人が、ドイツの脱原発の
  状況、政治、社会について報告しいます。ドイツの原発や政府機関のほか、
  再生可能エネルギーに取り組む自治体など、普通の旅行では決して見るこ
  とのできない訪問先と交流のレポートです。
 
 
 ◇江東上映会 映画「第4の革命」
  日時:3月11日(日)14:30分上映開始 (開場14:10分)
  場所:亀戸駅ビル「アトレホール」JR駅ビル・アトレ7階
  入場料1000円。(定員100名)
  申し込み:メールまたは電話で申し込み。
  Mail:Dai4koto@yahoo.co.jp   電話:080-4364-5899
  主催 さようなら原発1000万人署名・江東実行委員会
たんぽぽ舎です。【TMM:No1355】
                               転送歓迎
 
 
                ◆ 地震と原発事故情報 その340 ◆
               4つの情報をお知らせします(2月21日)
 
 2月20日、関西電力高浜原子力発電所3号機が定期検査で停止
 残るは東電1基、北海道電1基の計2基、全原発停止へあと一歩
  【東京電力:柏崎刈羽6号 2012年3月26日に 定検入】
  【北海道電力:泊3号 2012年4月末までに 定検入】
 
 
★1.運転再開の根拠は崩壊した
   ストレステスト一次評価に「意味は無い」の斑目春樹委員長発言
                            (山崎 久隆)
★2.首相の冷温停止の根拠は崩壊した
    温度計不良で、よく「冷温停止状態」と言えたものだ
    データ信頼性に疑問、東電・政府に疑問
                 (毎日新聞 2012年2月13日より抜粋)
★3.<テント日誌 2/18(土)>
    「わがふるさとは 人類史における ひばくの原郷」
     ―― 経産省前テントひろば 161日目 ――
★4.イベントのおさそい
 ◇3・11地震と原発事故後にわかったいくつかのこと
  (4年以内に東京直下地震発生70%)そのほかお話
  講師 島村英紀さん(地震学者、地質学者)
  2月27日 18:45から、資料代 1000円、
 
 
 
___________________________________
 
★1.運転再開の根拠は崩壊した
   ストレステスト一次評価に「意味は無い」の斑目春樹委員長発言
                            (山崎 久隆)
 東京新聞社会面に載っていた記事を要約します。
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 班目委員長 1次評価のレベル疑問「原発再稼働と関係ない」
                     東京新聞 2012年2月18日 朝刊
 
  原子力安全委員会の班目春樹委員長は十七日、定期検査で停止中の原発を
 再稼働する条件とされている安全評価(ストレステスト)の一次評価につい
 て「再稼働とは関係ない。二次評価まで終わらなければ、安全性の判断はで
 きない。一次評価は安全委が要求している(安全性の)レベルに達していな
 い」との見解を示した。
  安全委で一次評価結果が妥当か否かを審査中の関西電力大飯原発3、4号
 機(福井県おおい町)の再稼働問題に影響を与えそうだ。
  民主党の原発事故収束対策プロジェクトチーム事務局長の川内博史衆院議
 員との会談の中で述べた。
  班目委員長が「一次評価は再稼働に関係ない」との認識を示したことで、
 安全委に再稼働の可否を判断する権限はないものの、福井県が一段と再稼働
 への慎重姿勢を強める可能性がある。
 --------------------------------------------------------------------
 
 さて、これはどういう意味なのかと言えば、そもそも今回のストレステスト
は、原発の究極の危機回避をどうするかということだったのですが、一次テス
トでは、どこまで揺れれば、またはどんな津波までは、原子炉の燃料損傷を免
れるかを見ているだけ。そんなのは2006年の耐震設計審査指針改定後に、
全ての原発を後追いで再評価する「耐震バックチェック」の延長でしか無く、
地震については結果はほとんど同じ、津波では、福島第一に到達した津波波高
と、それまでの想定波高の差分である「9.5m」を一律全原発に加算して安
全対策を強化した、保安院の「緊急安全対策」の評価をシミュレーションして
いるだけ。
 ほとんど意味の無い一次評価では、到底安全性が確保されているなどと言え
ないとして、本来連続的に実施されるはずだった、二次評価がなければ運転再
開の前提さえ満たさないとの見解を示したわけです。これはこれでまともな主
張です。
 原子力安全委員会の委員長が、ストレステストの一次評価は「再稼働と関係
ない」と切り捨てたのです。逆立ちしても保安院は原発再稼働の「ご説明」に
など、福井県やおおい町には行けないはずです。それでも行くならば、もはや
行政の体をなしていないことになります。
 私たちがどんなに「でたらめ委員会」と批判しようとも、国の原子力規制行
政において安全委の役割は極めて重いはず。その委員長が、3月末で組織と共
に消滅するとしても、まだ職責にある内に「関係ない」とした一次評価結果を
元に、県に再稼働の説明をするなどということをしたら、その時点で行政機関
としての整合性は崩壊します。
 まず斑目委員長のところに行ってから出直せ。とだけ、県は言うべきです。
 
 
★2.首相の冷温停止の根拠は崩壊した
    温度計不良で、よく「冷温停止状態」と言えたものだ
    データ信頼性に疑問、東電・政府に疑問
                (毎日新聞 2012年2月13日より抜粋)
 
 東京電力福島第1原発2号機の原子炉圧力容器底部にある温度計の一つが保
安規定の制限値80度を超えた。東電や政府は温度計事態の不良との見方を強め
ているが、原子炉の安定冷却の大きな目標となる温度データすら信頼性を欠き、
炉内の状況を把握できないままの「冷温停止状態」の危うさを露呈した形と
なった。
 東電によると、問題の温度計の表示が上昇し始めたのは1月末。この時点で
は実際に温度が上がっているのか、温度計の不良かは判断できず「念のため」
(東電)注水量を増やしたという。だが、12日午後になり、短時間に75度~90
度の間を乱高下するようになったことなどから不良の可能性が高いと判断した。
(中略)
 しかし、そもそも野田佳彦首相が昨年12月に福島第1原発の冷温停止状態を
宣言した最大の根拠は、1~3号機の圧力容器底部の温度が100度を切ったと
判断されたことだった。当時から温度計には最大で20度もの誤差があるとされ
ていたが、今になって故障の可能性に言及する糊塗は、これまでよりどころに
していたデータの信頼性に疑問を抱かせかねない。
 工藤和彦・九州大特任教授(原子炉制御工学)は「炉内の燃料の分布を把握
できていない以上、局所的に高温になっている可能性も完全に排除すべきでは
ない。高線量のため、新たに温度計を設置することは不可能でも、もし残りの
二つにも異常が出た場合には深刻な事態になる」と指摘している。
 
 
★3.<テント日誌 2/18(土)>
    「わがふるさとは 人類史における ひばくの原郷」
     ―― 経産省前テントひろば 161日目 ――
 
2月18日(土) 晴れ。大変寒い。
 テントを建てた方々は変わらない。心の奥の襞ひだを覗く趣味はない。どう
せ誤解しかできない。第1回 経産省前テントひろば応援の集い(たんぽぽ・
スペース)で、テントが建てられたときのDVDを視る。で。登場する方々は、
本当に変わらない。ただ、半そでのTシャツが、重たそうな防寒コートになっ
ているだけの印象的差異。
 思想的活動家とのテント暮らしも160日を超えると、共に暮らす同僚という
感覚もまた培養されている。犠牲的精神で、政治と権力と組織の悪を告発する
恐ろしいばかりの求道者という出会ったころの印象は、ああ、兄貴たちよ! 
という親しみの感情を覚えるまでに軟化してしまった。同志といっては、小生
などには、恐れ多い。
 
 さらにしかし、今日の主賓、「希望の牧場~ふくしま~」有限会社エム牧場
浪江農場の場長 吉沢正己さんのお話とディスプレイは、しみじみとテント暮
らしが惰性的になろうかというころに、鋭い反省の楔をうがった。
 これは、まだ伝聞体で表現するには、すさまじすぎて、無理な内容。吉沢さ
んの持っていらしたチラシから、ごくごく一部引用します。
 「警戒区域にある私の牧場にはいまも300頭を超える牛が元気に生きてい
ます。原発事故からこれまで被ばく覚悟で家畜の世話を続けてきました。こう
した家畜たちを、経済価値もなく、被爆した家畜かも知れませんが、必死に生
きているその命を、活かす方法はないでしょうか。」こういう活動されている
彼は、現地で2番目に高い被ばく線量を浴びているそうだ。世界の大都市・東
京で、悪戦苦闘しているテントひろば「闘士」に、福島の限界状況を伝えてく
れた。いきものをいかすために、「決死、救命を、団結!」という最後のメッ
セージを掲げながら、活かすことを戦っている彼に、「質問」する元気はみな
起きなかった。
 
 しかし、馬鹿の強みで、小生、聞いた。「酪農関係で、自殺された方は?」
「5人になってしまいました」20世紀の脱構築思想家のJ・デリダだったろう
か「自殺は、殺人です」。脱原発の極限的実践者は、まず、このひとを除いて
はないだろう。さすがの、タッチーもテントに帰ってからも、蒼白のままだっ
た。この企画と主催をした当人だ。 次回は、とつきとおかすわりこみでテン
トに生きる椎名さん、その次は、武藤さんだ。会場から、被爆2世と自己紹介
した方が、テントでも熱弁をふるってくれた。もういちど、記す。わがふるさ
とは、人類史における、ひばくの原郷。
 
 この日、枝野経済産業相大臣は、「再稼動は安全と安心が求められており、
供給の確保と直接むすびつけるべきではない」と東京新聞のインタビューに答
えていた。                          (Q記)
 
 
 
★3.新聞・雑誌から
 ◇米国、原発優先度は低下 ─ 34年ぶり認可、安価な天然ガス台頭
                (毎日新聞 2012年2月11日より抜粋)
 
 米原子力規制委員会(NRC)が9日、34年ぶりに原子炉の新規建設を認可
し、長年にわたり凍結状態にあった原発の推進に向けた一歩を踏み出した。た
だ、福島第1原発の事故以降、国際的に原発見直しの動きが強まる中、米国内
にも安全への懸念が根強いほか、安価な天然ガスの開発が急速に進んでおり、
認可を機に原発推進の動きが大きく加速する見込みは低そうだ。(中略)
 今回の認可に当たり、ヤツコ委員長は異例の反対票を投じた。「福島の事故
の教訓を生かした安全強化策が実行されない限り、認可することはできない」
と理由を明かしており、安全面になお強い懸念があることがうかがえる。
 
(中略)規制委員会の特別調査チームは昨年7月、国内の原発について「福島
のようなことが起きるとは考えにくい」としながらも、原発の規制強化を促し
ている。安全対策の強化は原子炉の建設や運営コストを高め、「電力会社の推
進意欲は以前に比べ低下している」(日系商社)という。
 また、「シェールガス」と呼ばれる天然ガスを巡り、米国では近年、技術の
進歩によって開発が急速に進み、原油などに比べて安価なエネルギーが手に入
るようになった。地球温暖化対策などを目的に原発推進への意欲を示してきた
オバマ大統領は今年1月の一般教書演説で、天然ガスの開発促進を打ち出す一
方、原発に対しては触れず、政策の優先度は低下している。
 
 
★4.イベントのおさそい
 
 ◇3・11地震と原発事故後にわかったいくつかのこと
  (4年以内に東京直下地震発生70%)そのほかお話
 講師 島村英紀さん(地震学者、地質学者)
 資料代 1000円
 日時 2012年2月27日(月) 18:45~21:00(18:30開場)
 場所 千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル4F「スペースたんぽぽ」
 
 (サンデー毎日2012.2.26号掲載記事より)
  ──東日本大震災を受け、内閣府の中央防災会議専門部会が昨年9月、
 「現行の首都直下型地震の想定対処うにされていない相模トラフ沿いの規模
 の大きな地震、いわゆる関東大震災クラスの地震も想定地震として検討すべ
 き」と定見したことがきっかけだ。地震学の関係者の間では、相模トラフ沿
 いで起こる巨大地震は「200年に1回起きる」とされている。
  大正関東地震クラスの被害想定がなかったわけではない。実は、1987年12
 月6日、当時の国土庁が国として初めて首都直下型地震の被害想定を公表し
 ていたのだ。相模湾を震源とするM7.9の地震が発生するとの想定で、死
 者15万人、負傷者29万人、火災による焼失家屋260万棟という驚愕の推計
 だ。しかも地下街や高速道路、新幹線などの要素が入っておらず、「被害」
 がさらに膨らむ恐れもあった。
  これは大正関東地震以降、300人以上の死者が出た1948年の福井地震ま
 での死亡率などを基にした推計だった。内閣府の担当者は「火災想定の見積
 もりや耐震性などの住宅事情が変わったため、阪神・淡路大震災以前の想定
 はもはや参考にならない」というが、「それでも死者が1万人規模というの
 は、いかにも過小評価だ」(武蔵野学院大、島村英紀特任教授)との批判が
 ある。
たんぽぽ舎です。【TMM:No1354】
                               転送歓迎
 
 
                ◆ 地震と原発事故情報 その339 ◆
               4つの情報をお知らせします(2月20日)
 
 2月20日、関西電力高浜原子力発電所3号機が定期検査で停止
 残るは東電1基、北海道電1基の計2基、全原発停止へあと一歩
  【東京電力:柏崎刈羽6号 2012年3月26日に 定検入】
  【北海道電力:泊3号 2012年4月末までに 定検入】
 
 
★1.にぎやかに、なごやかに開かれました
   たんぽぽ舎23周年─総会と講演会と懇親・交流会
   2012年を原発廃止元年としよう!の熱気
                      (柳田真・メルマガ編集部)
★2.地球温暖化よりも冷却化が心配 テムズ川が凍結─ミニ氷河期突入か
   英国の気候研究所のデータが証明
                     (木村太郎、ジャーナリスト)
★3.<テント日誌 2/17(金)>
    テントの中は反原発の論陣で花盛り
    ―― 経産省前テントひろば 160日目 ――
★4.イベント
 ◇2月21日(火)18:45から、スペースたんぽぽ
  『議論はどのように歪められたか
    3.11後の報道と専門家の発言を読み解く』
  講師:東京大学教授 影浦峡さん
 
 ◇大飯(オーイ)勝手に再稼働させるな!安全委員会アクション
 2月21日(火)
 原子力安全委「検討会」傍聴 13時~整理券配布 14時~傍聴
 場所:中央合同庁舎4号館北門前
 
 
___________________________________
 
★1.にぎやかに、なごやかに開かれました。
    たんぽぽ舎23周年─総会と講演会と懇親・交流会
    2012年を原発廃止元年としよう!の熱気
                      (柳田真・メルマガ編集部)
 
○2月19日(日)、たんぽぽ舎23周年第24回総会がにぎやかに、なごやかに開
かれました。たんぽぽ舎会員と応援して下さる皆さん・スタッフが100名弱
集まり、午後1時から8時半の長時間、部分参加も含めて参加いただきました。
内容は1部:総会(方針・財政・人事)、2部:二人の講演会(菅井益郎氏・
山崎久隆氏)、3部:懇親・交流会でした。懇親会は8時半に一旦終了しまし
たが、話しおわらない人々が半分近く残られ、熱心な懇親・交流が続き、
スタッフが帰れたのは午後10時半すぎでした。
 
○1部の総会は、今井丈夫運営委員の司会で始まり、議長に原田裕史(たんぽ
ぽ舎応援する人)さんを選出、小山芳樹事務局次長が開会あいさつをしました。
来賓からのメッセージが紹介されました。
 1.福井県で原発反対・もんじゅ廃止を闘う石地優さん
 2.東海村村議の相沢一正さん
 3.東京都議会議員で反原発自治体議員・市民連盟共同代表の福士敬子さん
 
○議案書は24ページで、経過・方針・財政・人事の順です。
 ・経過報告は沼倉潤事務局長から。
  3.11大惨事以降の超多忙な中でのたんぽぽ舎の1年弱の多彩な活動の要点
  を報告。
 ・今年の活動方針は、柳田真共同代表から。
  福島過酷事故は収束せず、放射能汚染が各地へ広がる中で原発推進政策は
  許せない。市民の力を集め、つないで、原発廃止元年を実現しようと、8
  項目の方針を提議(スペースたんぽぽの方針も併記)。7人の方から活発
  な意見あり。
 ・財政報告と方針は、坂東喜久恵副代表から。
  年間1000万円強のたんぽぽ舎財政を報告。この1年で会員が大きく増大し、
  活動が広がったことを述べました。
  (なお、スペースたんぽぽの財政(約700万円)は、別会社のため省略)
 
○新しい人事は、鈴木千津子代表から。
 7人のアドバイザー(顧問)と3役6人を含む15人の運営委員、応援する人
25人を紹介しました。運営委員が4名増加、応援する人も数名増加し、たんぽ
ぽ舎の執行体制が一段と強化された人事でした。
 
☆なお、2部の二人の講演要旨、3部の懇親・交流会(のべ21人が発言)、
 名刺意見広告、3.11の1年目に当たっての声明などは、次号以降に、暫時
 紹介します。全体としては例年以上に盛況でにぎやか。そしてなんとしても
 原発推進をやめさせよう、今年を原発廃止元年としよう、の活気に満ちた
 集まりとなりました。                  (柳田 真)
 
 
★2.地球温暖化よりも冷却化が心配 テムズ川が凍結─ミニ氷河期突入か
   英国の気候研究所のデータが証明
                     (木村太郎、ジャーナリスト)
 ■南極海の分厚い氷
  南極観測船「しらせ」が、昭和基地まで約二十一キロ余りの南極海で厚い
 海水に阻まれ、基地への接岸を断念したというニュースに接して、「おやっ
 」と思った。(中略)
  しかし、海水が厚いのは南極海ばかりではなかった。米アラスカ州西部の
 ノームという町は昨年十一月以来、海氷に閉ざされて孤立し、燃料の補給を
 断たれたため、砕氷船に先導されたロシアのタンカーが救援に向かったこと
 がニュースになっていた。欧州にも寒波が襲い、東欧ではこれを書いている
 時点で百二十人が寒さから死亡したと伝えられている。
 
 ■温暖化は終わった?
  こうした寒さの中で、英国のデーリー・メール紙は先月二十九日、こんな
 見出しの記事を電子版に掲載した。「地球温暖化よりも冷却化が心配。テム
 ズ川が凍結することも」
  その記事によると、英国のイーストアングリア大学気候研究所は、世界三
 万地点の気温のデータを解析した結果、「地球の気温上昇傾向は一九九七年
 で終わった」ことを確認したとう。
  そのデータは、世界の平均気温が九八年に一四・五度を上回ったのをピー
 クに、その後は上下しながらも低くなっていき、昨年は一四・三度台になっ
 ていることを示している。
  その原因だが、メール紙は二十世紀の間は異常に高いエネルギーを放射し
 ていた太陽が、ここへきて「極小期」を迎えようとしており、不順な夏や厳
 冬、食糧不足などを引き起こしそうだという学者の見解を紹介している。
 
 ■太陽に変化の兆しも
  太陽の活動は周期的に変化し、現在は二十四期のピーク時に当たるが、そ
 の活動の強弱を示す黒点の数は、二十世紀のピーク時の半分にも及ばないと
 か。(中略)「マウンダー極小期」に、欧州では異常な低温となり、テムズ
 川が全面的に凍結したり、英仏海峡が流氷によって繋がりそうになったと伝
 えられている。
  日本でも、ほぼ同時期に大雨や干ばつ、霜などの異常気象から「寛永の大
 飢饉」が起きている。
  地球の「ミニ氷河期突入」説は、すでに二年前に独キール大学の研究所が
 深海の海水温の分析を根拠に発表している。イーストアングリア大気候研究
 所の調査はこれを補強する形になったわけだが、同研究所は地球温暖化研究
 の権威として知られるだけに、その発表は逆に説得力があるように思えるの
 だ。
             (2月5日 東京新聞「太郎の国際通信」より)
 
 
★3.<テント日誌 2/17(金)>
    テントの中は反原発の論陣で花盛り
    ―― 経産省前テントひろば 160日目 ――
 
 早朝、Tさんと公園への「散歩」。「宴のあと」よりは、「前夜型」のタイ
プだと思っている。自分の性癖の反対が仕事感覚だから、「朝の散歩」が向い
ている。だんだん、「宴」は日常化し、ごみも多様化し、増えてくる。「トイ
レ無きマンション」としての原発批判をトイレなきテントから鋭くしよう。
 しかし、まだ原発もごみも自動的に雲散霧消する時代ではない。自分がつ
かったものの存在過程の生と死について考えながら、ものとお付き合いできた
ら。・・・使ったのに御礼の気持ちも無い、これを文化なき文化──
throw away (使い捨て)文化という。この文化は、「誘惑されて捨てられる」
人間を多産した。そして、核燃料廃棄物は劣化ウラン弾まできた。武器社会は、
劣化ウラン弾の販売拡張を恥じない。兵隊はそのように使われて消えてゆく。
 
 一方、水俣病の原因会社、日本窒素の子会社、旭化成は富士をふりさけあお
ぎみる川の海辺にある。この県に、浜岡原発。これは中部電力のもの。浜岡原
発が公共の福利に反しているという訴訟が、ながらく停止していたのを、
3・11以後、再稼動阻止を確証させるため、白鳥さんが緊急動議のように、
本訴を仮処分を緊急にするよう高裁に申請。高裁はその準備会を原告の白鳥さ
んたちと被告中部電力と開いた。この日、その集会の帰り、単身、テントへ。
 今年、80才になられる白鳥さんに、日比谷図書館で仕込んだばかりの、富士
山大爆発の特集コラムをお見せする。「東京は浜岡原発から、180㌔しか離れ
ていないんです。20年は民主主義実現の活動を、あと20年は反原発・浜岡廃炉
のためでした。なにもできていなくて・・・」ほんとうに、能の翁のような温
顔で、静かに語られる白鳥さん。浜岡1.2号機を廃炉にしたのは、日本の歴
史のうえで、この方達が初めての民衆活動家ともいえる。
 
 「責任のもてないものを振り回すのは、やめてください!」という訴えは、
白鳥さんに教えられ、柳田さんに誘惑されて、昨年一月、経済産業省別館前定
例抗議集会でさせてもらった。このお二人が、私をテントに連れてきたのだっ
た。
 
 また、この日、反原発派の妥協なき知識人、槌田敦さんがふらりと予告無く
いらした。「福島原発多重人災 東電の責任を問うーー被害者救済は汚染者
負担の原則で」(槌田敦・山崎久隆・原田裕史 共著 日本評論社)の注文票
を自ら携えていらしたので、小生がテントにお預かりすることにした。
 雨が霙になった寒い日、偶然、取材に来ていた、3人のフランス人ジャーナ
リストに、一心に、原発と核開発の危険を舌鋒鋭く訴えておられた。お坊さん
の石橋さんとテントで温まっていただいたが、テント内のみなさんからの質問
に、一刀両断にお答えになる。その一種のかしゃくの無さに、いつもながら、
圧倒された。
 さらに、フランス人ジャーナリストに、木村さんが、賠償問題審議会の報告
書を紹介し、一年たとうというのにたった一割の賠償問題しか手をつけようと
しない、東電と政府の「棄民政策」を人権の国、フランスに訴えて、国際世論
を喚起しようと、霙の中、奮闘されていた。また、Qは、フランス国営テレヴィ
の取材につかまってしまった。このかたがたは、いったん、立ち去ったが、
ほかの仏人ジャーナリストのために、福田さんは、「ふるさと」の合唱を聞か
せていた。「ふるさと」は、福島におき替えられ、被爆・被曝の人類史上の原
郷となった日本・東京から、フランスへ世界へと伝えられるだろう。この合唱
に、フランス取材陣の日本人通訳も加わった。        ( Q記 )
 
 
★4.イベントのお知らせ
 
◇2月21日(火)18:45から、スペースたんぽぽ
 『議論はどのように歪められたか
   3.11後の報道と専門家の発言を読み解く』
 講師:東京大学教授 影浦峡さん
 著書『3.11後の放射能「安全」報道を読み解く』<社会情報リテラシー
   実践講座>(現代企画室、1,050円)
 ※影浦峡さんご本人から(2月17日島薗進さん講演会での発言から)
  私の講演会には「反原発」の立場がハッキリとしている人よりも、
  マスコミの報道を観て、「何か変だな」と感じている人達にこそ来て
  戴きたい。
 
 
◇大飯(オーイ)勝手に再稼働させるな!安全委員会アクション
 
 保安院は意見聴取会委員の意見を十分に考慮することなく、ストレステスト
 審査書を原子力安全委員会に提出。それを受けて、あす、原子力安全委員会
 が「総合的評価検討会」を開きます。原子力安全委員会まえのアクションと、
 委員会の傍聴に参加しよう!
 
 安全委員会の開催要項はこちら
 http://www.nsc.go.jp/kaisai/senmon/senmon/120221-hatsuden.htm
 
 2月21日(火曜)
 【13時】中央合同庁舎4号館北門前
    (千代田区霞が関3-1-1/霞ヶ関駅A13出口より5分)
      アクセス http://www.nsc.go.jp/map/map.htm
 【13時15分~45分】アピール&チラシ配布 @4号館北門前
 【14時~17時】検討会傍聴/13時より入場整理券配布
 
 ※プラカードや鳴り物など持参歓迎です。
 <呼びかけ>福島原発事故緊急会議、3・11再稼働反対!全国アクション、
 東電前アクション、国際環境NGO FoE Japan、福島老朽原発を考える会、
 グリーンピース・ジャパン、プルトニウムなんていらないよ!東京
[連絡先]ピープルズ・プラン研究所
 (TEL) 03-6424-5748    (FAX) 03-6424-5749
 (E-mail) contact@2011shinsai.info
【当日連絡先】090-6185-4407(杉原携帯)
 
 
 
※編集部より訂正:2月18日発行分のナンバーに誤りがありました。
 誤 TMM:No1352  事故情報その337
 正 TMM:No1353  事故情報その338
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