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たんぽぽ舎です。【TMM:No2449】
2015年4月2日(木)地震と原発事故情報-1つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
┏┓
┗■1.「耐震偽装」再び 原発の耐震偽装は、なぜ問われないのか
| 鹿児島県川内原発の「耐震偽装」
| その他の原発の「耐震偽装」
| 原発建設の「手口」の1つ・「断層隠し」
| 耐震偽装を追求しよう
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
◯ 免震装置に使うゴム板を制作している東洋ゴムは、自社が制作した「免震機構」に使用されるゴム板の弾性値や強度などの基本データを長年にわたり「偽造」していたことを明らかにした。
日本各地で建設中又は建設が終わっていた建物の、少なくても55棟で、必要な性能を持たない免震機構が設置されている疑いが持ち上がり、大変な騒ぎになっている。
55棟のなかには市役所や消防署など防災基幹施設も多くある。いずれも耐震性能を評価し直して、装置の交換などの対策を取るとしているが、重大な不正が長年続いていたことに、不信と非難の声が高まっている。
2014年2月には、すでに性能評価基準に適合していないとの「疑い」が社内で認識されていたのにメーカー側が自ら「疑い」の可能性が極めて高くなったと国交省に「報告」したのが今年の3月12日で、この段階で既に1年以上経過していた。国交省および東洋ゴム工業の公式発表は翌13日だった。
今後、2005年に発覚した一級建築士による「耐震強度構造計算書偽装事件」のような事件に発展する可能性もある。
さて、もちろん免震装置の偽装は重大問題であるが、川内原発の再稼働をめぐる耐震設計に関する「違法性の高い審査」も、これに勝るとも劣らぬ重大問題なのだが、一部の報道を除いて取り上げられることはない。
この国の「バランスの悪さ」は、背後の力関係が常に影響を与えている。
◯鹿児島県川内原発の「耐震偽装」
国会事故調査委員会の委員だった石橋克彦神戸大学名誉教授は、川内原発の耐震評価において「内陸直下地震」「プレート境界地震」「海洋プレート内地震」の3つを評価対象として「基準地震」を策定すべきところ、「内陸直下地震」で全てが包絡するとして、他の2つを評価から除いてしまった九州電力の「申請書」を、ろくに審議もしないで鵜呑みにしてしまった規制委員会の審査結果を強く批判している。
プレート境界地震の影響については、川内原発の場合は南海トラフ、琉球海溝付近の地震を指すことになる。
南海トラフの地震は、マグニチュード8クラスが過去に繰り返し発生している。
最近で大きなものは1707年の宝永地震で、マグニチュード8.6以上と推定されるが、この地震よりも2000年ほど前に、これを遙かに上回る地震が起きていた可能性が指摘されている。
高知大学の岡村真教授は、海岸に近い池の中の堆積物調査の結果、1707年の津波を遙かに上回る巨大な津波が2000年ほど前に起こった痕跡を発見した。
耐震設計では、原発の耐震安全性を13~14万年の期間で最大の影響を与えた地震を考える。この基準に照らせば、貞観地震以来1100年ぶりの大きな地震であった東北地方太平洋沖地震のマグニチュード9は、日本のプレート間地震では標準的な水準だ。むしろ、それを超える可能性を何処まで見るのかが問題となるはずが、1707年の比較的小さい宝永地震規模を考えていたのでは、過小評価としか言いようがない。
言い換えるならば、本来必要な性能を「甘い想定」で考えることで、構造強度が低くても合格するように「偽装」したことになるわけだ。
実際、川内原発の基準地震動Ssは、620ガルでしかない。マグニチュード6.8の内陸直下地震だった中越沖地震では、柏崎刈羽原発の解放基盤表面の地震動記録は1699ガルに達した。そのため基準地震動はその後、2300ガルにまで引き上げられた。もともと450ガルしかなかった原発で、である。
◯その他の原発の「耐震偽装」
その他の原発についても、耐震設計自体に明確な偽装が見つかったわけではないが、実態を見れば到底、安全などと言えない現実がある。
原発の耐震設計は一般の建築物と異なり、具体的な建設地点での地震災害を想定することから始まる。つまり耐震計算の基礎となる「想定地震」(基準地震)が間違っていれば、その後の計算に重大な影響を与える。
「想定が間違っていた」を「想定を過小に取る」と言い換えると、そこには明らかに意図がある。つまり原発での耐震計算の偽装の原点があるとしたら、この「想定地震」の過小評価から始まると言い換えることができる。
これまでに、具体的な過小評価の疑惑は数々指摘されてきた。例えば柏崎刈羽原発、もんじゅ、福島第一・第二原発、伊方、川内、六ヶ所再処理工場そして浜岡。およそ原子力施設と名が付けば何らかの疑惑があるといっても過言ではない有様だった。先に述べたように、柏崎刈羽原発は、450ガルが2300ガルになっている。浜岡も600ガルが1000ガル以上になっている。
原発震災で破壊された福島第一原発は、設置段階で370ガル(当時の安全余裕検討用地震)、3.11直前の耐震バックチェックでは水平600ガル、今は900ガルとされている。
全ての原子力施設で、基準地震動は大幅に引き上げられてきた。いわば全て「偽装」されていたに等しい。
その手口について具体例を挙げれば、「もんじゅ」は周辺の甲楽城(かぶらき)断層を耐震設計上もっとも大きな影響を与えるものとして計算しているが、柳ヶ瀬断層帯に属する複数の断層が同時に動くようなケースは想定していない。
その結果、柳ヶ瀬断層帯を含むいくつかの断層が同時に動くような地震が発生すれば「もんじゅ」は想定地震を超える揺れに襲われる。ところが3.11後の規制委員会による審査に際して、関西電力は同じ若狭湾にある大飯原発などで断層の連動を考慮せざるを得なくなった。断層ごとに連動するかしないかが、全く恣意的になってしまい、これで全体の耐震設計の考え方は、ますます整合性がなくなっている。
◯原発建設の「手口」の1つ・「断層隠し」
「断層隠し」と呼ばれる「手法」もある。
顕著に表れたのが六ヶ所再処理工場で、建屋の真下にある断層を「消して」しまった。一見すれば顕著にずれ動いたように見える「リニアメント」を、これは活断層ではないというのである。もし活断層であれば、建屋そのものの立っている岩盤が破壊されることを想定せざるを得ないためだ。そのような場所にはいかなる構造物も「健全に」建ち続けることは不可能である。そのために活断層を無くしたというわけだが、実際に地震に遭遇すれば、活断層であろうと無かろうとそのような「リニアメント」のある岩盤が強固なはずはなく、ここで地盤崩壊を起こす危険性は非常に大きいと考えるのが筋というものである。
六カ所再処理工場の地盤延長上に建っているに等しい、東北電力東通原発でも「断層隠し」は起きていた。この敷地には複数の断層が走っている。これらの断層が「活断層かどうか」が現在、問題になっている。新規制基準では、断層上に重要構造物が「在ってはならない」。
規制委員会の専門家会合では「将来動く可能性がないとはいえない」などと曖昧な評価書を出したが、言い換えるならば可能性は否定できないことになる。
安全側に立つことが絶対に求められる原発の場合、この評価書では原発の建設は出来ないはずだ。
では、これまで東通原発の立地点については、どういう評価がされてきたのか。
言うまでもなく断層が「今」見つかったわけではない。建設前から存在した断層について、活断層ではないことにして地図上から「消し去った」からこそ、原発の立地が可能だった。
◯耐震偽装を追求しよう
17箇所の原発立地点では、大なり小なり同じことが横行してきた。その1つ、敦賀原発の下にあった断層は、活断層とされたことで、敦賀原発は廃炉が確定的になった。「耐震偽装」は構造的に組織的に、原発立地点で繰り返されてきた。
それに対する警告は、まだ十分高まっているとは言えない。川内原発、高浜原発、大飯原発での耐震評価の見直しを求める声を、もっと高めていかなければならない。
2015年4月2日(木)地震と原発事故情報-1つの情報をお知らせします
転送歓迎
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┗■1.「耐震偽装」再び 原発の耐震偽装は、なぜ問われないのか
| 鹿児島県川内原発の「耐震偽装」
| その他の原発の「耐震偽装」
| 原発建設の「手口」の1つ・「断層隠し」
| 耐震偽装を追求しよう
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
◯ 免震装置に使うゴム板を制作している東洋ゴムは、自社が制作した「免震機構」に使用されるゴム板の弾性値や強度などの基本データを長年にわたり「偽造」していたことを明らかにした。
日本各地で建設中又は建設が終わっていた建物の、少なくても55棟で、必要な性能を持たない免震機構が設置されている疑いが持ち上がり、大変な騒ぎになっている。
55棟のなかには市役所や消防署など防災基幹施設も多くある。いずれも耐震性能を評価し直して、装置の交換などの対策を取るとしているが、重大な不正が長年続いていたことに、不信と非難の声が高まっている。
2014年2月には、すでに性能評価基準に適合していないとの「疑い」が社内で認識されていたのにメーカー側が自ら「疑い」の可能性が極めて高くなったと国交省に「報告」したのが今年の3月12日で、この段階で既に1年以上経過していた。国交省および東洋ゴム工業の公式発表は翌13日だった。
今後、2005年に発覚した一級建築士による「耐震強度構造計算書偽装事件」のような事件に発展する可能性もある。
さて、もちろん免震装置の偽装は重大問題であるが、川内原発の再稼働をめぐる耐震設計に関する「違法性の高い審査」も、これに勝るとも劣らぬ重大問題なのだが、一部の報道を除いて取り上げられることはない。
この国の「バランスの悪さ」は、背後の力関係が常に影響を与えている。
◯鹿児島県川内原発の「耐震偽装」
国会事故調査委員会の委員だった石橋克彦神戸大学名誉教授は、川内原発の耐震評価において「内陸直下地震」「プレート境界地震」「海洋プレート内地震」の3つを評価対象として「基準地震」を策定すべきところ、「内陸直下地震」で全てが包絡するとして、他の2つを評価から除いてしまった九州電力の「申請書」を、ろくに審議もしないで鵜呑みにしてしまった規制委員会の審査結果を強く批判している。
プレート境界地震の影響については、川内原発の場合は南海トラフ、琉球海溝付近の地震を指すことになる。
南海トラフの地震は、マグニチュード8クラスが過去に繰り返し発生している。
最近で大きなものは1707年の宝永地震で、マグニチュード8.6以上と推定されるが、この地震よりも2000年ほど前に、これを遙かに上回る地震が起きていた可能性が指摘されている。
高知大学の岡村真教授は、海岸に近い池の中の堆積物調査の結果、1707年の津波を遙かに上回る巨大な津波が2000年ほど前に起こった痕跡を発見した。
耐震設計では、原発の耐震安全性を13~14万年の期間で最大の影響を与えた地震を考える。この基準に照らせば、貞観地震以来1100年ぶりの大きな地震であった東北地方太平洋沖地震のマグニチュード9は、日本のプレート間地震では標準的な水準だ。むしろ、それを超える可能性を何処まで見るのかが問題となるはずが、1707年の比較的小さい宝永地震規模を考えていたのでは、過小評価としか言いようがない。
言い換えるならば、本来必要な性能を「甘い想定」で考えることで、構造強度が低くても合格するように「偽装」したことになるわけだ。
実際、川内原発の基準地震動Ssは、620ガルでしかない。マグニチュード6.8の内陸直下地震だった中越沖地震では、柏崎刈羽原発の解放基盤表面の地震動記録は1699ガルに達した。そのため基準地震動はその後、2300ガルにまで引き上げられた。もともと450ガルしかなかった原発で、である。
◯その他の原発の「耐震偽装」
その他の原発についても、耐震設計自体に明確な偽装が見つかったわけではないが、実態を見れば到底、安全などと言えない現実がある。
原発の耐震設計は一般の建築物と異なり、具体的な建設地点での地震災害を想定することから始まる。つまり耐震計算の基礎となる「想定地震」(基準地震)が間違っていれば、その後の計算に重大な影響を与える。
「想定が間違っていた」を「想定を過小に取る」と言い換えると、そこには明らかに意図がある。つまり原発での耐震計算の偽装の原点があるとしたら、この「想定地震」の過小評価から始まると言い換えることができる。
これまでに、具体的な過小評価の疑惑は数々指摘されてきた。例えば柏崎刈羽原発、もんじゅ、福島第一・第二原発、伊方、川内、六ヶ所再処理工場そして浜岡。およそ原子力施設と名が付けば何らかの疑惑があるといっても過言ではない有様だった。先に述べたように、柏崎刈羽原発は、450ガルが2300ガルになっている。浜岡も600ガルが1000ガル以上になっている。
原発震災で破壊された福島第一原発は、設置段階で370ガル(当時の安全余裕検討用地震)、3.11直前の耐震バックチェックでは水平600ガル、今は900ガルとされている。
全ての原子力施設で、基準地震動は大幅に引き上げられてきた。いわば全て「偽装」されていたに等しい。
その手口について具体例を挙げれば、「もんじゅ」は周辺の甲楽城(かぶらき)断層を耐震設計上もっとも大きな影響を与えるものとして計算しているが、柳ヶ瀬断層帯に属する複数の断層が同時に動くようなケースは想定していない。
その結果、柳ヶ瀬断層帯を含むいくつかの断層が同時に動くような地震が発生すれば「もんじゅ」は想定地震を超える揺れに襲われる。ところが3.11後の規制委員会による審査に際して、関西電力は同じ若狭湾にある大飯原発などで断層の連動を考慮せざるを得なくなった。断層ごとに連動するかしないかが、全く恣意的になってしまい、これで全体の耐震設計の考え方は、ますます整合性がなくなっている。
◯原発建設の「手口」の1つ・「断層隠し」
「断層隠し」と呼ばれる「手法」もある。
顕著に表れたのが六ヶ所再処理工場で、建屋の真下にある断層を「消して」しまった。一見すれば顕著にずれ動いたように見える「リニアメント」を、これは活断層ではないというのである。もし活断層であれば、建屋そのものの立っている岩盤が破壊されることを想定せざるを得ないためだ。そのような場所にはいかなる構造物も「健全に」建ち続けることは不可能である。そのために活断層を無くしたというわけだが、実際に地震に遭遇すれば、活断層であろうと無かろうとそのような「リニアメント」のある岩盤が強固なはずはなく、ここで地盤崩壊を起こす危険性は非常に大きいと考えるのが筋というものである。
六カ所再処理工場の地盤延長上に建っているに等しい、東北電力東通原発でも「断層隠し」は起きていた。この敷地には複数の断層が走っている。これらの断層が「活断層かどうか」が現在、問題になっている。新規制基準では、断層上に重要構造物が「在ってはならない」。
規制委員会の専門家会合では「将来動く可能性がないとはいえない」などと曖昧な評価書を出したが、言い換えるならば可能性は否定できないことになる。
安全側に立つことが絶対に求められる原発の場合、この評価書では原発の建設は出来ないはずだ。
では、これまで東通原発の立地点については、どういう評価がされてきたのか。
言うまでもなく断層が「今」見つかったわけではない。建設前から存在した断層について、活断層ではないことにして地図上から「消し去った」からこそ、原発の立地が可能だった。
◯耐震偽装を追求しよう
17箇所の原発立地点では、大なり小なり同じことが横行してきた。その1つ、敦賀原発の下にあった断層は、活断層とされたことで、敦賀原発は廃炉が確定的になった。「耐震偽装」は構造的に組織的に、原発立地点で繰り返されてきた。
それに対する警告は、まだ十分高まっているとは言えない。川内原発、高浜原発、大飯原発での耐震評価の見直しを求める声を、もっと高めていかなければならない。
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たんぽぽ舎です。【TMM:No2448】
2015年4月1日(水)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.「断層」を巡る2つの新聞論調 産経新聞の主張と毎日新聞の社説
住民の命が大事(第一)か、会社の経営が大事(第一)か
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★2.九州電力川内(せんだい)原発反対で国会行動120人
規制委員会の使用前検査に反対・工事計画認可反対
柳田真(たんぽぽ舎、再稼働阻止全国ネットワーク)
★3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
◆ 映画『日本と原発』の無料公開案内 (4月8日(水))
◆ 子ども脱被ばく裁判はじまる!【6/23】 (4月11日(土)高槻)
◆ ウクライナ取材報告第2弾・上映会&トーク (4月17日(金))
「チェルノブイリ28年目の子どもたち 2~保養と健診の現場から」
★4.新聞より2つ
◆ 田中委員長発言を批判 関西広域連合「極めて怖い」
(3月28日茨城新聞より抜粋)
◆ 川内1号機、使用前検査開始 規制委 再稼働へ最終手続き
(3月31日茨城新聞より抜粋)
━━━━━━━
※訂正です。昨日(3月31日)お知らせのご案内に一部誤りがありました。
5/3(日)「5・3憲法集会」~戦争・原発・貧困・差別を許さない」
正: 会場:横浜・臨港パーク(横浜みなとみらい地区)
誤:会場:横浜・臨海パーク(横浜みなとみらい地区)
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┗■1.「断層」を巡る2つの新聞論調 産経新聞の主張と毎日新聞の社説
| 住民の命が大事(第一)か、会社の経営が大事(第一)か
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
○「活断層か否か」
敦賀原発の直下を通る断層の評価について、新聞論調は分かれている。そのうち、典型的な産経新聞と毎日新聞を比較してみる。
産経新聞「主張」 『原発の断層評価 首相が調整すべき事態だ』と毎日新聞社説『原発活断層評価 疑わしきは「クロ」貫け』である。
まず、それぞれの要旨を紹介する。
====================================
○産経新聞 (3月27日)
原子力規制委員会が敦賀原発の下にある断層を「活断層」とした有識者会議の報告書を受理したのは公正ではない。首相は調整を図るべき事態である。
敦賀原発の破砕帯に関しては、活断層ではないとする日本原電などの主張がある。しかし、論拠を示そうとしたにもかかわらず、規制委に説明を妨げられたばかりか、一連の経過を不公正として、今回の評価書に対し63箇所の誤りがあるとする質問状を提出しているが、無視された。活断層説を疑う意見が専門家にも存在するのに、評価書案に反映されなかった。
敦賀原発を巡る審査を見ても規制委には改善の余地が大きい。規制委設置法の付則では、設置から3年となる今年9月までに組織の見直し措置を加えると定めている点を想起すべきだ。
規制委が独立性の高い三条委員会だとしても国の行政機関の1つに過ぎない。行政権は内閣に所属している。最高責任者である首相が、健全な規制委の方向性を示すときだ。規制委をコントロールせよ。
○毎日新聞 (3月29日)
新規制基準において、原子炉など重要施設は活断層上に作ることは出来ない。
有識者調査団による現地調査で、破砕帯を活断層と認定したのは2013年5月。日本原電は追加調査を実施して再評価を求めていた。
しかし、研究者の一部に活断層に懐疑的な意見があったとしても、有識者調査団が2度にわたって「活断層であると認定」した判断は大変重い。日本原電は報告書に関する事前協議などを求めていたが「明白に信義則、適正手続きに反し、無効」だとする。原発の安全性を確保するには規制委としても「疑わしきはクロ」と判断してこれを貫くのは当然である。
====================================
○産経新聞の暴論に毎日新聞が反論したような時系列になっている。まともな新聞社ならば、そういう反論を書くのは当たり前だろう。新聞同士の論争は、もっと盛んに行われるべきで、日本はその例が少ない。特に政府寄りの新聞が朝日などを「反日」などと罵倒しているのに対し、まともな反論が少なすぎる。 ○「敦賀2号機の廃炉は会社の存亡に直結する。」(毎日新聞の中見出し) 日本原電が規制委員会の活断層判定に抵抗を続ける理由は、ここに尽きる。 敦賀原発1号機は運転から既に45年を過ぎており廃炉とせざるを得ず、東海第二原発は津波災害を経て再稼働を目指すが、地元の反対は強いうえ、こちらも運転から36年を経ており、再稼働申請中に40年を超えることは十分考えられる。再稼働には再度20年などの延長申請と共に老朽化対策で1000億円などと、巨額の資金を投じなければならない。ただでさえ経営破たん状態の原電にできる相談ではない。現状で一番再稼働に近かったのが敦賀原発2号機(運転開始28年目)だから、これほどまでに猛反発している。
それに対して産経新聞が「応援団」を買って出て、意味の分からない「首相の調整」つまりは官邸の横やりを要求した。このヒントはおそらく3.11直後に菅直人首相(当時)が浜岡原発に対して「法的根拠なしで」首相の「要請」に基づき運転が止められたことがあったと思われる。いわば「意趣返し」だ。
言うまでもないが、それは「本末転倒」だ。当時は浜岡原発の危険性を回避するため運転を止めさせる法的手段がなかったため、可能な対応として中部電力への「要請」という方法を取った。何とか安全側へと考えた末の対応だった。
○現状よりも「危険な側」にするために公権力(ただし首相に規制委の結論を変えることなどできない)を悪用しようというのとはまるで違う。もしそんなことをしたら、安倍晋三首相自ら「世界最高水準の安全基準」と言い続けたことが根底から覆る。自らその基準を変更できてしまうのであれば「世界最高水準」とは「安倍首相の胸先三寸」と同義語になるからだ。
もともと断層の評価とは、建物や金属材料の強度を測るのとは全く異なる次元の科学である。後者は工学的安全評価だが、前者は「立地基準」に属する。基準はあくまで基準だ。計算や実験で求められる強度や耐性の評価とは違う。目安に過ぎない。
ある断層について、それが地震その他の理由により生じた断層か、地震を起こす断層かを明確に断定できるケースはそう多くはない。言い換えるならば、地震を起こす断層ではないと断定できるケースは少ない。多くは灰色。その場合、灰色を「黒と見なすか白と見なすか」の違いなのだ。
○黒と見なす方が安全側であることは論を待たない。では、「白と見なして良い」とする根拠とは何だろうか。
日本原電の主張が合理性を持つには「安全よりも大事な何か」がなくてはならない。それは毎日新聞が詳しく書いたとおり会社の存続に他ならないであろう。
市民の安全のためだとしても、作ってから28年しか経っていない原発を廃炉にすることは忍びない。それが日本原電の主張である。しかし住民の安全は会社の存立よりも重いという判断は当たり前ではないか。産経新聞の社説は、それに反論する側の立場が透けて見える。
○「人の命よりも国体が大事」が、70年前に「住民の命よりも会社が大事」になって高度経済成長期の日本社会に根付いていった。それが水俣病を生み出し公害を日本中に広めた。反省したのもつかの間、その後の経済成長期には全く同じようなロジックで、成長戦略が作られた。それがいま、原発の放射能により福島や東北、関東の人々を苦しめ続ける結果を生んだ。
毎日新聞は、苦しめられる人々の側の視点。産経新聞は苦しめる側の視点である。3.11以後の日本では、前者の視点から見る人がようやく過半数を超えているが、日々、後者の視点からの総反撃にあっている。再稼働など最たるものだ。
辺野古も集団的自衛権もTPPも、根は全部繋がっている。
┏┓
┗■2.九州電力川内(せんだい)原発反対で国会行動120人
| 規制委員会の使用前検査に反対・工事計画認可反対
└──── 柳田真(たんぽぽ舎、再稼働阻止全国ネットワーク)
1.3月30日(月)昼休み、九州電力川内原発1号機(鹿児島県)の、「規制委員会による再稼働の使用前検査」の開始に反対する緊急国会前行動(衆議院第2議員会館前)がおこなわれました。主催は「さようなら原発1000万人アクション実行委員会」。120人が参加(主催者発表)。たんぽぽ舎も再稼働阻止全国ネットワークの一員として数名で参加、阻止ネット全体で10名弱。ノボリ旗4本、横断幕(命と大地を放射能から守ろう-川内原発再稼働反対)とビラ(4.1九電東京行動への案内)をもって参加しました。
2.集会は12:00-13:30の90分強。17名(団体)が発言しました。それぞれ特徴ある発言でした。
主催者あいさつ(再稼働反対・国会議員へも訴えよう)、社民党福島議員、たんぽぽ舎(柳田-昨年の川内応援数回と4.1九電東京への呼びかけ)、全労協(福島作業員の闘い応援)、ふぇみん、パルシステム(原発事故被害者と向き合う)、旧国労闘争団の国会マラソン者、原発を考える品川の女たち、社民党吉田党首、経産省前テントひろば(テントの撤去を許さない闘い)、原発・核燃とめよう会、JR総連、田中一郎さん、再稼働阻止全国ネットワーク山田和明さん(川内再稼働阻止めざしてバイクで全国行脚-檄布よせ)、福島事故緊急会議、憲法市民連絡会(5月3日憲法集会横浜に集まろう)の発言がありました。発言のあいまに、コール(再稼働反対)を数回繰り返しました。
最後に主催者から、川内原発試運転の日は再び国会に集まり抗議しよう、再稼働阻止の活動を盛り上げようで閉会しました。
なお、ビラは4月1日九州電力東京支社(東京有楽町駅へ+関電抗議のビラ:阻止ネット主催)を100枚強配布しました。また、鹿児島の民間規制委員会のビラ(九電交渉で固い岩盤に穴を開けた)も配布しました。
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┗■3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
└────
◆ 映画『日本と原発』の無料公開案内
日時 4月8日(水)18時~20時30分(上映時間2時間15分)
場所 東京霞ヶ関 弁護士会館 クレオ
主催 二弁 http://niben.jp/news/ippan/2015/150309111243.html
参加費無料、先着順
※事前にメールで申込みが必要です。事前申込みが無くても席が空いていれば入れると思いますが、満席の場合は、入れないと思います。是非、メールで、事前申込みしてください。
【申込方法】参加者は、件名を4/8映画上映会参加とし、本文に氏名を記載したメールを下記アドレス宛にお送りください。
【宛先】E-mail:kankyo-event@niben.or.jp
◆ 子ども脱被ばく裁判はじまる!(6/23)
◇井戸謙一さんの言葉
長期低線量被曝、内部被曝の危険性を正面から問う裁判は、日本全国を見渡しても、この裁判しかありません。負けるわけにはいかない重大な裁判です。
記念講演 井戸謙一弁護団長
1.こどもに無用な被ばくをさせた国・県・自治体の責任を問う
2.義務教育は、いますぐ安全な場所で受けさせるべき
☆西日本に避難している原告が参加します。
日 時:4月11日(土)13:30より16:30
会 場:クロスパル JR高槻駅南口となり
資料代:500円
主 催:子ども脱被ばく裁判弁護団・共同代表 片岡輝美(会津市)、
水戸喜世子(高槻市) 080-3841-5388
◆ウクライナ取材報告第2弾・上映会&トーク
「チェルノブイリ28年目の子どもたち 2~保養と健診の現場から」
ウクライナ取材報告第2弾の映像報告「チェルノブイリ28年目の子どもたち 2~保養と健診の現場から」が完成間近となりました。
第2弾では子どもたちを守る取り組みを中心に、保養や健診に焦点をあてて取材しています。完成上映会を4月17日(金)に日比谷コンベンションホールにて開催。ぜひお越しください。
<プログラム>
◎上 映
『チェルノブイリ28年目の子どもたち 2~保養と健診の現場から』
『チェルノブイリ5年目の避難者たち~除染から移住に進んだ町・ポレスケ』
◎報 告:白石草(OurPlanet-TV)
◎コメント:大谷尚子(養護実践研究センター・茨城大学名誉教授)
日 時 2015年4月17日(金)19:00から21:00(開場 18:30)
会 場 日比谷コンベンションホール(日比谷図書館内)
主 催 OurPlanet-TV
詳細URL http://ourplanet-tv.org/?q=node/1896
┏┓
┗■4.新聞より2つ
└────
◆ 田中委員長発言を批判 関西広域連合「極めて怖い」
原子力規制委員会の田中俊一委員長が2月、原発の新規制基準適合が、絶対的な安全を意味するものではない旨の発言をしたことに対し、大阪市で27日開かれた関西広域連合の委員会で、知事らから厳しい批判が相次いだ。(中略)
関西広域連合側は田中委員長発言を取り上げ、三日月大造滋賀県知事は「住民を守る立場として、極めて怖い」と苦言。山田啓二京都府知事は「再稼働の安全性に対する規制庁の責任の範囲が明確でない中、委員長があのように発言するのは遺憾だ」と批判した。高浜原発の半径30キロ圏内には京都府や滋賀県の一部が含まれる。(後略)
(3月28日茨城新聞より抜粋)
◆川内1号機、使用前検査開始 規制委 再稼働へ最終手続き
原子力規制委員会は30日、九州電力川内原発1号機(鹿児島県)の再稼働に向けた最終手続きとなる使用前検査を現地で始めた。九電の計画では、6月末までに原子炉起動に必要な検査を終え、7月上旬に発電を開始する。九電は発電開始を再稼働と定義している。(中略)
九電は1号機の再稼働を優先しているが、1号機は2号機の非常用ディーゼル発電機を予備としているため、再稼働には2号機の一部設備についても使用前検査を受ける必要がある。
九電は2号機の使用前検査開始に必要な工事計画の認可をまだ受けておらず、4月中旬に工事計画の補正書を規制委に提出する予定。(後略)
(3月31日茨城新聞より抜粋)
2015年4月1日(水)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.「断層」を巡る2つの新聞論調 産経新聞の主張と毎日新聞の社説
住民の命が大事(第一)か、会社の経営が大事(第一)か
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★2.九州電力川内(せんだい)原発反対で国会行動120人
規制委員会の使用前検査に反対・工事計画認可反対
柳田真(たんぽぽ舎、再稼働阻止全国ネットワーク)
★3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
◆ 映画『日本と原発』の無料公開案内 (4月8日(水))
◆ 子ども脱被ばく裁判はじまる!【6/23】 (4月11日(土)高槻)
◆ ウクライナ取材報告第2弾・上映会&トーク (4月17日(金))
「チェルノブイリ28年目の子どもたち 2~保養と健診の現場から」
★4.新聞より2つ
◆ 田中委員長発言を批判 関西広域連合「極めて怖い」
(3月28日茨城新聞より抜粋)
◆ 川内1号機、使用前検査開始 規制委 再稼働へ最終手続き
(3月31日茨城新聞より抜粋)
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※訂正です。昨日(3月31日)お知らせのご案内に一部誤りがありました。
5/3(日)「5・3憲法集会」~戦争・原発・貧困・差別を許さない」
正: 会場:横浜・臨港パーク(横浜みなとみらい地区)
誤:会場:横浜・臨海パーク(横浜みなとみらい地区)
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┗■1.「断層」を巡る2つの新聞論調 産経新聞の主張と毎日新聞の社説
| 住民の命が大事(第一)か、会社の経営が大事(第一)か
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
○「活断層か否か」
敦賀原発の直下を通る断層の評価について、新聞論調は分かれている。そのうち、典型的な産経新聞と毎日新聞を比較してみる。
産経新聞「主張」 『原発の断層評価 首相が調整すべき事態だ』と毎日新聞社説『原発活断層評価 疑わしきは「クロ」貫け』である。
まず、それぞれの要旨を紹介する。
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○産経新聞 (3月27日)
原子力規制委員会が敦賀原発の下にある断層を「活断層」とした有識者会議の報告書を受理したのは公正ではない。首相は調整を図るべき事態である。
敦賀原発の破砕帯に関しては、活断層ではないとする日本原電などの主張がある。しかし、論拠を示そうとしたにもかかわらず、規制委に説明を妨げられたばかりか、一連の経過を不公正として、今回の評価書に対し63箇所の誤りがあるとする質問状を提出しているが、無視された。活断層説を疑う意見が専門家にも存在するのに、評価書案に反映されなかった。
敦賀原発を巡る審査を見ても規制委には改善の余地が大きい。規制委設置法の付則では、設置から3年となる今年9月までに組織の見直し措置を加えると定めている点を想起すべきだ。
規制委が独立性の高い三条委員会だとしても国の行政機関の1つに過ぎない。行政権は内閣に所属している。最高責任者である首相が、健全な規制委の方向性を示すときだ。規制委をコントロールせよ。
○毎日新聞 (3月29日)
新規制基準において、原子炉など重要施設は活断層上に作ることは出来ない。
有識者調査団による現地調査で、破砕帯を活断層と認定したのは2013年5月。日本原電は追加調査を実施して再評価を求めていた。
しかし、研究者の一部に活断層に懐疑的な意見があったとしても、有識者調査団が2度にわたって「活断層であると認定」した判断は大変重い。日本原電は報告書に関する事前協議などを求めていたが「明白に信義則、適正手続きに反し、無効」だとする。原発の安全性を確保するには規制委としても「疑わしきはクロ」と判断してこれを貫くのは当然である。
====================================
○産経新聞の暴論に毎日新聞が反論したような時系列になっている。まともな新聞社ならば、そういう反論を書くのは当たり前だろう。新聞同士の論争は、もっと盛んに行われるべきで、日本はその例が少ない。特に政府寄りの新聞が朝日などを「反日」などと罵倒しているのに対し、まともな反論が少なすぎる。 ○「敦賀2号機の廃炉は会社の存亡に直結する。」(毎日新聞の中見出し) 日本原電が規制委員会の活断層判定に抵抗を続ける理由は、ここに尽きる。 敦賀原発1号機は運転から既に45年を過ぎており廃炉とせざるを得ず、東海第二原発は津波災害を経て再稼働を目指すが、地元の反対は強いうえ、こちらも運転から36年を経ており、再稼働申請中に40年を超えることは十分考えられる。再稼働には再度20年などの延長申請と共に老朽化対策で1000億円などと、巨額の資金を投じなければならない。ただでさえ経営破たん状態の原電にできる相談ではない。現状で一番再稼働に近かったのが敦賀原発2号機(運転開始28年目)だから、これほどまでに猛反発している。
それに対して産経新聞が「応援団」を買って出て、意味の分からない「首相の調整」つまりは官邸の横やりを要求した。このヒントはおそらく3.11直後に菅直人首相(当時)が浜岡原発に対して「法的根拠なしで」首相の「要請」に基づき運転が止められたことがあったと思われる。いわば「意趣返し」だ。
言うまでもないが、それは「本末転倒」だ。当時は浜岡原発の危険性を回避するため運転を止めさせる法的手段がなかったため、可能な対応として中部電力への「要請」という方法を取った。何とか安全側へと考えた末の対応だった。
○現状よりも「危険な側」にするために公権力(ただし首相に規制委の結論を変えることなどできない)を悪用しようというのとはまるで違う。もしそんなことをしたら、安倍晋三首相自ら「世界最高水準の安全基準」と言い続けたことが根底から覆る。自らその基準を変更できてしまうのであれば「世界最高水準」とは「安倍首相の胸先三寸」と同義語になるからだ。
もともと断層の評価とは、建物や金属材料の強度を測るのとは全く異なる次元の科学である。後者は工学的安全評価だが、前者は「立地基準」に属する。基準はあくまで基準だ。計算や実験で求められる強度や耐性の評価とは違う。目安に過ぎない。
ある断層について、それが地震その他の理由により生じた断層か、地震を起こす断層かを明確に断定できるケースはそう多くはない。言い換えるならば、地震を起こす断層ではないと断定できるケースは少ない。多くは灰色。その場合、灰色を「黒と見なすか白と見なすか」の違いなのだ。
○黒と見なす方が安全側であることは論を待たない。では、「白と見なして良い」とする根拠とは何だろうか。
日本原電の主張が合理性を持つには「安全よりも大事な何か」がなくてはならない。それは毎日新聞が詳しく書いたとおり会社の存続に他ならないであろう。
市民の安全のためだとしても、作ってから28年しか経っていない原発を廃炉にすることは忍びない。それが日本原電の主張である。しかし住民の安全は会社の存立よりも重いという判断は当たり前ではないか。産経新聞の社説は、それに反論する側の立場が透けて見える。
○「人の命よりも国体が大事」が、70年前に「住民の命よりも会社が大事」になって高度経済成長期の日本社会に根付いていった。それが水俣病を生み出し公害を日本中に広めた。反省したのもつかの間、その後の経済成長期には全く同じようなロジックで、成長戦略が作られた。それがいま、原発の放射能により福島や東北、関東の人々を苦しめ続ける結果を生んだ。
毎日新聞は、苦しめられる人々の側の視点。産経新聞は苦しめる側の視点である。3.11以後の日本では、前者の視点から見る人がようやく過半数を超えているが、日々、後者の視点からの総反撃にあっている。再稼働など最たるものだ。
辺野古も集団的自衛権もTPPも、根は全部繋がっている。
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┗■2.九州電力川内(せんだい)原発反対で国会行動120人
| 規制委員会の使用前検査に反対・工事計画認可反対
└──── 柳田真(たんぽぽ舎、再稼働阻止全国ネットワーク)
1.3月30日(月)昼休み、九州電力川内原発1号機(鹿児島県)の、「規制委員会による再稼働の使用前検査」の開始に反対する緊急国会前行動(衆議院第2議員会館前)がおこなわれました。主催は「さようなら原発1000万人アクション実行委員会」。120人が参加(主催者発表)。たんぽぽ舎も再稼働阻止全国ネットワークの一員として数名で参加、阻止ネット全体で10名弱。ノボリ旗4本、横断幕(命と大地を放射能から守ろう-川内原発再稼働反対)とビラ(4.1九電東京行動への案内)をもって参加しました。
2.集会は12:00-13:30の90分強。17名(団体)が発言しました。それぞれ特徴ある発言でした。
主催者あいさつ(再稼働反対・国会議員へも訴えよう)、社民党福島議員、たんぽぽ舎(柳田-昨年の川内応援数回と4.1九電東京への呼びかけ)、全労協(福島作業員の闘い応援)、ふぇみん、パルシステム(原発事故被害者と向き合う)、旧国労闘争団の国会マラソン者、原発を考える品川の女たち、社民党吉田党首、経産省前テントひろば(テントの撤去を許さない闘い)、原発・核燃とめよう会、JR総連、田中一郎さん、再稼働阻止全国ネットワーク山田和明さん(川内再稼働阻止めざしてバイクで全国行脚-檄布よせ)、福島事故緊急会議、憲法市民連絡会(5月3日憲法集会横浜に集まろう)の発言がありました。発言のあいまに、コール(再稼働反対)を数回繰り返しました。
最後に主催者から、川内原発試運転の日は再び国会に集まり抗議しよう、再稼働阻止の活動を盛り上げようで閉会しました。
なお、ビラは4月1日九州電力東京支社(東京有楽町駅へ+関電抗議のビラ:阻止ネット主催)を100枚強配布しました。また、鹿児島の民間規制委員会のビラ(九電交渉で固い岩盤に穴を開けた)も配布しました。
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┗■3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
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◆ 映画『日本と原発』の無料公開案内
日時 4月8日(水)18時~20時30分(上映時間2時間15分)
場所 東京霞ヶ関 弁護士会館 クレオ
主催 二弁 http://niben.jp/news/ippan/2015/150309111243.html
参加費無料、先着順
※事前にメールで申込みが必要です。事前申込みが無くても席が空いていれば入れると思いますが、満席の場合は、入れないと思います。是非、メールで、事前申込みしてください。
【申込方法】参加者は、件名を4/8映画上映会参加とし、本文に氏名を記載したメールを下記アドレス宛にお送りください。
【宛先】E-mail:kankyo-event@niben.or.jp
◆ 子ども脱被ばく裁判はじまる!(6/23)
◇井戸謙一さんの言葉
長期低線量被曝、内部被曝の危険性を正面から問う裁判は、日本全国を見渡しても、この裁判しかありません。負けるわけにはいかない重大な裁判です。
記念講演 井戸謙一弁護団長
1.こどもに無用な被ばくをさせた国・県・自治体の責任を問う
2.義務教育は、いますぐ安全な場所で受けさせるべき
☆西日本に避難している原告が参加します。
日 時:4月11日(土)13:30より16:30
会 場:クロスパル JR高槻駅南口となり
資料代:500円
主 催:子ども脱被ばく裁判弁護団・共同代表 片岡輝美(会津市)、
水戸喜世子(高槻市) 080-3841-5388
◆ウクライナ取材報告第2弾・上映会&トーク
「チェルノブイリ28年目の子どもたち 2~保養と健診の現場から」
ウクライナ取材報告第2弾の映像報告「チェルノブイリ28年目の子どもたち 2~保養と健診の現場から」が完成間近となりました。
第2弾では子どもたちを守る取り組みを中心に、保養や健診に焦点をあてて取材しています。完成上映会を4月17日(金)に日比谷コンベンションホールにて開催。ぜひお越しください。
<プログラム>
◎上 映
『チェルノブイリ28年目の子どもたち 2~保養と健診の現場から』
『チェルノブイリ5年目の避難者たち~除染から移住に進んだ町・ポレスケ』
◎報 告:白石草(OurPlanet-TV)
◎コメント:大谷尚子(養護実践研究センター・茨城大学名誉教授)
日 時 2015年4月17日(金)19:00から21:00(開場 18:30)
会 場 日比谷コンベンションホール(日比谷図書館内)
主 催 OurPlanet-TV
詳細URL http://ourplanet-tv.org/?q=node/1896
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┗■4.新聞より2つ
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◆ 田中委員長発言を批判 関西広域連合「極めて怖い」
原子力規制委員会の田中俊一委員長が2月、原発の新規制基準適合が、絶対的な安全を意味するものではない旨の発言をしたことに対し、大阪市で27日開かれた関西広域連合の委員会で、知事らから厳しい批判が相次いだ。(中略)
関西広域連合側は田中委員長発言を取り上げ、三日月大造滋賀県知事は「住民を守る立場として、極めて怖い」と苦言。山田啓二京都府知事は「再稼働の安全性に対する規制庁の責任の範囲が明確でない中、委員長があのように発言するのは遺憾だ」と批判した。高浜原発の半径30キロ圏内には京都府や滋賀県の一部が含まれる。(後略)
(3月28日茨城新聞より抜粋)
◆川内1号機、使用前検査開始 規制委 再稼働へ最終手続き
原子力規制委員会は30日、九州電力川内原発1号機(鹿児島県)の再稼働に向けた最終手続きとなる使用前検査を現地で始めた。九電の計画では、6月末までに原子炉起動に必要な検査を終え、7月上旬に発電を開始する。九電は発電開始を再稼働と定義している。(中略)
九電は1号機の再稼働を優先しているが、1号機は2号機の非常用ディーゼル発電機を予備としているため、再稼働には2号機の一部設備についても使用前検査を受ける必要がある。
九電は2号機の使用前検査開始に必要な工事計画の認可をまだ受けておらず、4月中旬に工事計画の補正書を規制委に提出する予定。(後略)
(3月31日茨城新聞より抜粋)
たんぽぽ舎です。【TMM:No2447】
2015年3月31日(火)地震と原発事故情報-5つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.4月(5月の1部)の行動・学習会のご案内 参加歓迎
★2.原子力規制委員会は原子力マフィアの為に「独走」する3条委員会
工事計画の非公開認可、使用前検査開始、有識者意見の軽視、
汚染水の海洋垂れ流し推進、メディアに知らせないで地元説明
原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その43
木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
★3.乳頭温泉死亡事故 迫る危険に気づかなかった?
マグマには恩恵(鉱物資源や温泉)とマイナス(有毒ガスや噴火災害)の両方あり
「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」コラムその95
島村英紀(地震学者)
★4.放射能ゴミを燃やして良いのか?
巨額の費用をかけて建設される仮設焼却炉
「4.12国の放射能ゴミの処理を問う緊急シンポジウム」のご案内
冨塚元夫(「スペースたんぽぽ」講座運営委員)
★5.新聞より2つ
◆汚染水の公表遅れ 「公開姿勢に問題」 東電、有識者の検証公表
(3月31日朝日新聞見出しより)
◆いま一度、再稼働に経済的根拠なし 政府試算は現実離れ
高コスト 世界の常識 安全対策費など上乗せすると…
電力自由化に逆行する動き 電力足りている 核のごみ限界 福島事故原因は?
立命館・大島堅一教授に聞く (3月31日東京新聞「こちら特報部」より抜粋)
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┗■1.4月(5月の1部)の行動・学習会のご案内 参加歓迎
└──── 学習会の会場は「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)
4/1(水)17:30~18:30 九州電力川内原発再稼働反対 九電東京支社への抗議行動
場所:有楽町電気ビル前(JR有楽町日比谷口下車)
主催:再稼働阻止全国ネットワーク
4/1(水)19:00~20:00 第19回東電本店合同抗議 東京電力本店前(第20回は5/13)
呼びかけ団体:たんぽぽ舎、テントひろば
賛同団体:東電株主代表訴訟他119団体
4/3(金)18:30~20:00 川内・高浜原発再稼働やめろ!
永遠に原発0に!再稼働反対!首相官邸前抗議
主催:首都圏反原発連合(4月はこの時間で、10、17、24日も)
4/9(木)19:00~21:00「ちょぼちょぼ市民のためのちょぼゼミ その4」
「福島県の子ども甲状腺検査と放射線被曝:
チェルノブイリの悲劇を繰り返さないために」
講師:田中一郎さん 参加費800円
4/11(土)14:00~17:00「東電福島第一原発の放射能汚染水の惨状と今後」
講師:山崎久隆(たんぽぽ舎副代表) 参加費800円
4/15(水)19:00~21:00 沖縄と原発講座
「今、沖縄・辺野古で何がおこっているのか」
講師:水沢澄江さん(03年から反戦スタンディング、
04年から辺野古座り込み参加)
現地DVD上映(9月~12月分予定・藤本監督) 参加費800円
4/16(木)「浜岡裁判」傍聴・応援 12:30東京高裁門前で集会
13:30裁判(大法廷) 15:00位から報告集会(参議院会館101号室)
たんぽぽ舎ものぼり旗を持って参加します。
※高裁は地裁と同じ建物です。
4/17(金)17:30~18:00 関西電力東京支社抗議行動
場所:富国生命ビル9F 集合はビル前
主催:再稼働阻止全国ネットワーク
4/22(水)19:00~21:00「今の情勢にどう立ち向かうか」(その1)
「上野千鶴子の選憲論-自民党改憲草案批判を通して憲法を学びなおす」
講師:上野千鶴子さん(NPO法人ウィーメンズアクションネットワーク理事長)
参加費800円
4/23(木)19:00~21:00 槌田ゼミ「福島原発事故基本講座第13回」
「民間規制委 かごしま(川内)・高浜~東京へ」
講師:槌田 敦さん 参加費800円
4/27(月)19:00~21:30「原発再稼働の誤り 原子力規制委の誤り」
1.「九州電力川内原発の耐震偽装と白抜き偽装」
講師:山崎久隆(たんぽぽ舎副代表)
2.「原子力規制委の工事認可はおかしなことだらけ」
-原子力規制法はいつの間にか抜け穴だらけのセレモニー
建築基準法も驚く法律違反と規制委の違法性-
講師:山田純一(再稼働阻止全国ネットワーク)
参加費:800円
5月
5/3(日)12:30プレステージ 13:30~15:30
「5・3憲法集会」~戦争・原発・貧困・差別を許さない」
会場:横浜・臨海パーク(横浜みなとみらい地区)
主催:平和といのちと人権を!5・3憲法集会実行委員会
5/20(水)19:00~21:00「川内原発と海洋汚染リスク」
講師:湯浅一郎(海洋物理学専攻、環瀬戸内海会議顧問)
※岩波書店「世界」4月号に論文掲載
参加費:800円
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┗■2.原子力規制委員会は原子力マフィアの為に「独走」する3条委員会
| 工事計画の非公開認可、使用前検査開始、有識者意見の軽視、
| 汚染水の海洋垂れ流し推進、メディアに知らせないで地元説明
| 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その43
└──── 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
前回に書いたように、原子力規制委員会は3月18日(水)に川内原子力発電所第1号機の工事計画認可を決定した。「黒枠白抜き」マスキング(※)だらけの資料公開で基準地震動620ガルを本当に達成できたかどうか第3者には全く判断できない状態で。今後は規制庁の専決処理ゆえ委員会には報告のみと今後一層非公開と宣した。
原子力規制委員会は、独立3条委員会であることを悪用して、更に原子力マフィアの為の「独走」を速めた。
〇川内1号機の使用前検査開始
3月30日に川内1号機の使用前検査を開始する。2号機と共用部分の工事認可もまだで、検査内容は不透明のままで、何としても年後内に開始の実績を作りたかったようだ。
〇有識者会合を軽視して規制委・規制庁が独自判断
大飯、敦賀、東通破砕帯の調査について、規制委は「最終的には規制委員会で判断」すると田中委員長が言った。有識者は「国の方に知見がないから有識者に依頼をして調査をしてきたはずなのに、規制委員会が結論をひっくり返すような立て付けにするというのは非常に残念である。使命感があったからこそ重い負担にも耐えられたのに、一体何のためにこれまでやってきたのだ、もう規制委員会に協力するのはごめんだ」という声が何人かからあがっている。
〇東電福島第一原発放射能汚染水の海洋垂れ流しを放任・推進
2013年には安倍嘘発言コントロール・ブロックを支援容認しておいて、早く(2014年春)から海洋への垂れ流しを推奨する田中委員長。
最近は、放射能汚染水問題について漁業者に説明する意志があるか?トリチウム水を海に流す合意形成の仕方がどうか?と問われると、「それは私の立場でやるべき仕事ではないので、廃止措置を薦める責任は東京電力にあるわけだから、東京電力がそういう覚悟を持ってやる以外は方法がない」と逃げる。
IAEAの指導を受けて海洋モニタリングしているが、外洋に影響が出ていないと隠す方法を教わったのであろう。
総量規制について問われても田中委員長は「総量規制は、多分、現段階では無理だし、そういうことをする必要もない」と否定した。
〇高浜審査の地元への説明はメディアにも秘密
27日の規制庁ブリーフィングでテレ朝が尋ねて次のことが明らかになった。
・26日に京都府に説明をした
・27日に関西広域連合に説明している
・30日に小浜市環境安全対策協議会に説明に行く
・高浜町のビデオ配信に対する質問・回答は高浜町・規制委HPにこそっとアップ
これらのことを記者会見で事前に発表せず、尋ねられて初めて答えた。
原子力規制委員会の隠して「独走」する姿勢を如実に現している。
(※)マスキング(masking):覆い隠すこと。包み込むこと。
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┗■3.乳頭温泉死亡事故 迫る危険に気づかなかった?
| マグマには恩恵(鉱物資源や温泉)とマイナス(有毒ガスや噴火災害)の両方あり
| 「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」コラムその95
└──── 島村英紀(地震学者)
◯ 先日、十和田八幡平国立公園内にある乳頭(にゅうとう)温泉で3人がなくなった。これは火山ガスによる事故だ。
太平洋プレートが東から本州の下に潜り込んでいるために、プレートが深さ90から130キロメートルに達したところでマグマが出来る。
そのマグマが上がってくるところが「火山前線」で、本州の東部を南北に串刺しにしている。乳頭温泉も、5キロメートルほど南にある活火山、秋田駒ヶ岳も、このマグマが作っているものだ。本州中部ではこの火山前線は那須岳、浅間山、富士山、箱根、伊豆大島といった火山を通っている。
マグマが地下から運んでくる有毒な火山ガスでいちばん一般的なものは硫化水素だ。今回もこの硫化水素が原因だった。硫化水素は青酸カリと同じように細胞が酸素を取り込めなくしてしまう。
硫化水素は無色だが卵が腐ったような臭いがある。温泉でよく「硫黄の臭い」がするのは、じつはこの硫化水素の臭いだ。硫黄には臭いはない。
問題は硫化水素の濃度が高くなると人間の嗅覚をまひさせてしまうことだ。このため危険に気づかない場合も多い。今回もそうだった可能性が高い。
そのうえ硫化水素は空気よりも1.2倍ほど重いガスだ。このため窪地に溜まる。3人も仕事を終えて帰るときに深い雪を掘った窪地に置いてあった荷物を取ろうとして犠牲になってしまった。
乳頭温泉は「カラ吹源泉」と言われるもので、硫化水素を含む熱い水蒸気が噴き出し、水蒸気に水を加えて温泉水として供給している。もともと硫化水素が大量に出ているところなのである。
◯ 火山とその周辺で有毒な火山ガスの犠牲になった事故は多い。
青森県八甲田山では1997年に窪地から噴出して滞留していた火山ガスで訓練中の自衛隊員3名が窒息死した。2004年には長野県安曇(あずみ)村(現松本市)の温泉でマンホールに溜まっていた硫化水素を吸った4人が病院に搬送された。
2005年にも秋田県湯沢市の泥湯温泉で、雪の窪地に溜まった硫化水素を吸って家族4人が死亡する事故もあった。また2010年には青森県酸ヶ湯(すかゆ)温泉の近くの沢で、山菜採りに訪れていた女子中学生1名が現場に滞留していた火山ガスで中毒死した。
有毒な火山ガスは硫化水素だけではない。亜硫酸ガス、二酸化炭素、メタン、ヒ素や水銀の蒸気といったものが火山とその近くでは大量に出てきている。
◯ 米国ハワイにある火山観測所に勤務する研究者には厳しい雇用契約が待っている。それは、2年を越えて研究を続けようと思ったら「健康を損ねても雇用者である米国政府は責任を負わない」という契約にサインしなければならないことだ。これは火山から出てきている水銀の蒸気のせいだ。
◯ マグマが地球深くから持ってくる「恩恵」はある。金銀銅などの鉱物資源や地熱や温泉といったものだ。他方、有毒な火山ガスや噴火災害もあることは忘れてはいけない。 (3月27日『夕刊フジ』より)
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┗■4.放射能ゴミを燃やして良いのか?
| 巨額の費用をかけて建設される仮設焼却炉
| 「4.12国の放射能ゴミの処理を問う緊急シンポジウム」のご案内
└──── 冨塚元夫(「スペースたんぽぽ」講座運営委員)
放射能ゴミを燃やして良いのか?
この根本的な問題が議論されることのないまま、巨額の費用をかけて建設される仮設焼却炉。
さらに1兆円以上かけて建設される中間貯蔵施設、10万ベクレル/kg以下の焼却灰を処分する富岡町の最終処分場。
国は猛スピードでこれらを整備し、放射能ゴミを片付け、原発事故を封印し、再稼働につなげたいと考えています。
原発事故がまた起きたとしても、除染して、そのゴミを汚染地帯に埋めてしまえばよい?再稼働を目論む人たちはそのように安易に考えているのではないでしょうか。
放射能ゴミの処理のあり方は、今後の原子力政策を左右する重要な問題であり、目の前からなくなればよい、あるいは地元だけの問題などではないはずです。
またどこかに埋めたとしても何十年間も安全に保管・管理し続けられる保証もなく、結局は子孫にその代償を払わせることになります。
原発事故の責任すら問われないまま国の暴走を許してよいのでしょうか。
《4.12国の放射能ゴミの処理を問う緊急シンポジウム》
STOP焼却・埋め立て-国は地元住民の声を聞け!
日時:4月12日(日)13時~16時30分
場所:文化の館ときわ(福島県船引町常葉町常葉町裏1 旧田村市役所隣)
アクセス;連絡会HPのチラシをご覧ください
主催;放射性廃棄物を考えるシンポジウム実行委員会
問い合わせ:080-6010-3750((担当 和田) stopshokyakuf@yahoo.co.jp
放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会 http://gomif.blog.fc2.com/
参加費;500円
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┗■5.新聞より2つ
└────
◆汚染水の公表遅れ 「公開姿勢に問題」 東電、有識者の検証公表
(3月31日朝日新聞見出しより)
◆いま一度、再稼働に経済的根拠なし 政府試算は現実離れ
高コスト 世界の常識 安全対策費など上乗せすると…
電力自由化に逆行する動き 電力足りている 核のごみ限界 福島事故原因は?
立命館・大島堅一教授に聞く
原子力規制委員会は30日、九州電力川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働に向け、使用前検査を始めた。九電はすでに7月からの発電開始、8月には営業運転に入ることを発表している。政府はこの間、「再稼働抜きには日本経済は立ち行かない」と宣伝してきた。しかし、立命館大の大島堅一教授(環境経済学)は「まったくの虚構」と反論する。危機のあおりは、かつての「安全神話」に通じる。(後略)
(3月31日東京新聞「こちら特報部」より抜粋)
2015年3月31日(火)地震と原発事故情報-5つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.4月(5月の1部)の行動・学習会のご案内 参加歓迎
★2.原子力規制委員会は原子力マフィアの為に「独走」する3条委員会
工事計画の非公開認可、使用前検査開始、有識者意見の軽視、
汚染水の海洋垂れ流し推進、メディアに知らせないで地元説明
原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その43
木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
★3.乳頭温泉死亡事故 迫る危険に気づかなかった?
マグマには恩恵(鉱物資源や温泉)とマイナス(有毒ガスや噴火災害)の両方あり
「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」コラムその95
島村英紀(地震学者)
★4.放射能ゴミを燃やして良いのか?
巨額の費用をかけて建設される仮設焼却炉
「4.12国の放射能ゴミの処理を問う緊急シンポジウム」のご案内
冨塚元夫(「スペースたんぽぽ」講座運営委員)
★5.新聞より2つ
◆汚染水の公表遅れ 「公開姿勢に問題」 東電、有識者の検証公表
(3月31日朝日新聞見出しより)
◆いま一度、再稼働に経済的根拠なし 政府試算は現実離れ
高コスト 世界の常識 安全対策費など上乗せすると…
電力自由化に逆行する動き 電力足りている 核のごみ限界 福島事故原因は?
立命館・大島堅一教授に聞く (3月31日東京新聞「こちら特報部」より抜粋)
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┗■1.4月(5月の1部)の行動・学習会のご案内 参加歓迎
└──── 学習会の会場は「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)
4/1(水)17:30~18:30 九州電力川内原発再稼働反対 九電東京支社への抗議行動
場所:有楽町電気ビル前(JR有楽町日比谷口下車)
主催:再稼働阻止全国ネットワーク
4/1(水)19:00~20:00 第19回東電本店合同抗議 東京電力本店前(第20回は5/13)
呼びかけ団体:たんぽぽ舎、テントひろば
賛同団体:東電株主代表訴訟他119団体
4/3(金)18:30~20:00 川内・高浜原発再稼働やめろ!
永遠に原発0に!再稼働反対!首相官邸前抗議
主催:首都圏反原発連合(4月はこの時間で、10、17、24日も)
4/9(木)19:00~21:00「ちょぼちょぼ市民のためのちょぼゼミ その4」
「福島県の子ども甲状腺検査と放射線被曝:
チェルノブイリの悲劇を繰り返さないために」
講師:田中一郎さん 参加費800円
4/11(土)14:00~17:00「東電福島第一原発の放射能汚染水の惨状と今後」
講師:山崎久隆(たんぽぽ舎副代表) 参加費800円
4/15(水)19:00~21:00 沖縄と原発講座
「今、沖縄・辺野古で何がおこっているのか」
講師:水沢澄江さん(03年から反戦スタンディング、
04年から辺野古座り込み参加)
現地DVD上映(9月~12月分予定・藤本監督) 参加費800円
4/16(木)「浜岡裁判」傍聴・応援 12:30東京高裁門前で集会
13:30裁判(大法廷) 15:00位から報告集会(参議院会館101号室)
たんぽぽ舎ものぼり旗を持って参加します。
※高裁は地裁と同じ建物です。
4/17(金)17:30~18:00 関西電力東京支社抗議行動
場所:富国生命ビル9F 集合はビル前
主催:再稼働阻止全国ネットワーク
4/22(水)19:00~21:00「今の情勢にどう立ち向かうか」(その1)
「上野千鶴子の選憲論-自民党改憲草案批判を通して憲法を学びなおす」
講師:上野千鶴子さん(NPO法人ウィーメンズアクションネットワーク理事長)
参加費800円
4/23(木)19:00~21:00 槌田ゼミ「福島原発事故基本講座第13回」
「民間規制委 かごしま(川内)・高浜~東京へ」
講師:槌田 敦さん 参加費800円
4/27(月)19:00~21:30「原発再稼働の誤り 原子力規制委の誤り」
1.「九州電力川内原発の耐震偽装と白抜き偽装」
講師:山崎久隆(たんぽぽ舎副代表)
2.「原子力規制委の工事認可はおかしなことだらけ」
-原子力規制法はいつの間にか抜け穴だらけのセレモニー
建築基準法も驚く法律違反と規制委の違法性-
講師:山田純一(再稼働阻止全国ネットワーク)
参加費:800円
5月
5/3(日)12:30プレステージ 13:30~15:30
「5・3憲法集会」~戦争・原発・貧困・差別を許さない」
会場:横浜・臨海パーク(横浜みなとみらい地区)
主催:平和といのちと人権を!5・3憲法集会実行委員会
5/20(水)19:00~21:00「川内原発と海洋汚染リスク」
講師:湯浅一郎(海洋物理学専攻、環瀬戸内海会議顧問)
※岩波書店「世界」4月号に論文掲載
参加費:800円
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┗■2.原子力規制委員会は原子力マフィアの為に「独走」する3条委員会
| 工事計画の非公開認可、使用前検査開始、有識者意見の軽視、
| 汚染水の海洋垂れ流し推進、メディアに知らせないで地元説明
| 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その43
└──── 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
前回に書いたように、原子力規制委員会は3月18日(水)に川内原子力発電所第1号機の工事計画認可を決定した。「黒枠白抜き」マスキング(※)だらけの資料公開で基準地震動620ガルを本当に達成できたかどうか第3者には全く判断できない状態で。今後は規制庁の専決処理ゆえ委員会には報告のみと今後一層非公開と宣した。
原子力規制委員会は、独立3条委員会であることを悪用して、更に原子力マフィアの為の「独走」を速めた。
〇川内1号機の使用前検査開始
3月30日に川内1号機の使用前検査を開始する。2号機と共用部分の工事認可もまだで、検査内容は不透明のままで、何としても年後内に開始の実績を作りたかったようだ。
〇有識者会合を軽視して規制委・規制庁が独自判断
大飯、敦賀、東通破砕帯の調査について、規制委は「最終的には規制委員会で判断」すると田中委員長が言った。有識者は「国の方に知見がないから有識者に依頼をして調査をしてきたはずなのに、規制委員会が結論をひっくり返すような立て付けにするというのは非常に残念である。使命感があったからこそ重い負担にも耐えられたのに、一体何のためにこれまでやってきたのだ、もう規制委員会に協力するのはごめんだ」という声が何人かからあがっている。
〇東電福島第一原発放射能汚染水の海洋垂れ流しを放任・推進
2013年には安倍嘘発言コントロール・ブロックを支援容認しておいて、早く(2014年春)から海洋への垂れ流しを推奨する田中委員長。
最近は、放射能汚染水問題について漁業者に説明する意志があるか?トリチウム水を海に流す合意形成の仕方がどうか?と問われると、「それは私の立場でやるべき仕事ではないので、廃止措置を薦める責任は東京電力にあるわけだから、東京電力がそういう覚悟を持ってやる以外は方法がない」と逃げる。
IAEAの指導を受けて海洋モニタリングしているが、外洋に影響が出ていないと隠す方法を教わったのであろう。
総量規制について問われても田中委員長は「総量規制は、多分、現段階では無理だし、そういうことをする必要もない」と否定した。
〇高浜審査の地元への説明はメディアにも秘密
27日の規制庁ブリーフィングでテレ朝が尋ねて次のことが明らかになった。
・26日に京都府に説明をした
・27日に関西広域連合に説明している
・30日に小浜市環境安全対策協議会に説明に行く
・高浜町のビデオ配信に対する質問・回答は高浜町・規制委HPにこそっとアップ
これらのことを記者会見で事前に発表せず、尋ねられて初めて答えた。
原子力規制委員会の隠して「独走」する姿勢を如実に現している。
(※)マスキング(masking):覆い隠すこと。包み込むこと。
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┗■3.乳頭温泉死亡事故 迫る危険に気づかなかった?
| マグマには恩恵(鉱物資源や温泉)とマイナス(有毒ガスや噴火災害)の両方あり
| 「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」コラムその95
└──── 島村英紀(地震学者)
◯ 先日、十和田八幡平国立公園内にある乳頭(にゅうとう)温泉で3人がなくなった。これは火山ガスによる事故だ。
太平洋プレートが東から本州の下に潜り込んでいるために、プレートが深さ90から130キロメートルに達したところでマグマが出来る。
そのマグマが上がってくるところが「火山前線」で、本州の東部を南北に串刺しにしている。乳頭温泉も、5キロメートルほど南にある活火山、秋田駒ヶ岳も、このマグマが作っているものだ。本州中部ではこの火山前線は那須岳、浅間山、富士山、箱根、伊豆大島といった火山を通っている。
マグマが地下から運んでくる有毒な火山ガスでいちばん一般的なものは硫化水素だ。今回もこの硫化水素が原因だった。硫化水素は青酸カリと同じように細胞が酸素を取り込めなくしてしまう。
硫化水素は無色だが卵が腐ったような臭いがある。温泉でよく「硫黄の臭い」がするのは、じつはこの硫化水素の臭いだ。硫黄には臭いはない。
問題は硫化水素の濃度が高くなると人間の嗅覚をまひさせてしまうことだ。このため危険に気づかない場合も多い。今回もそうだった可能性が高い。
そのうえ硫化水素は空気よりも1.2倍ほど重いガスだ。このため窪地に溜まる。3人も仕事を終えて帰るときに深い雪を掘った窪地に置いてあった荷物を取ろうとして犠牲になってしまった。
乳頭温泉は「カラ吹源泉」と言われるもので、硫化水素を含む熱い水蒸気が噴き出し、水蒸気に水を加えて温泉水として供給している。もともと硫化水素が大量に出ているところなのである。
◯ 火山とその周辺で有毒な火山ガスの犠牲になった事故は多い。
青森県八甲田山では1997年に窪地から噴出して滞留していた火山ガスで訓練中の自衛隊員3名が窒息死した。2004年には長野県安曇(あずみ)村(現松本市)の温泉でマンホールに溜まっていた硫化水素を吸った4人が病院に搬送された。
2005年にも秋田県湯沢市の泥湯温泉で、雪の窪地に溜まった硫化水素を吸って家族4人が死亡する事故もあった。また2010年には青森県酸ヶ湯(すかゆ)温泉の近くの沢で、山菜採りに訪れていた女子中学生1名が現場に滞留していた火山ガスで中毒死した。
有毒な火山ガスは硫化水素だけではない。亜硫酸ガス、二酸化炭素、メタン、ヒ素や水銀の蒸気といったものが火山とその近くでは大量に出てきている。
◯ 米国ハワイにある火山観測所に勤務する研究者には厳しい雇用契約が待っている。それは、2年を越えて研究を続けようと思ったら「健康を損ねても雇用者である米国政府は責任を負わない」という契約にサインしなければならないことだ。これは火山から出てきている水銀の蒸気のせいだ。
◯ マグマが地球深くから持ってくる「恩恵」はある。金銀銅などの鉱物資源や地熱や温泉といったものだ。他方、有毒な火山ガスや噴火災害もあることは忘れてはいけない。 (3月27日『夕刊フジ』より)
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┗■4.放射能ゴミを燃やして良いのか?
| 巨額の費用をかけて建設される仮設焼却炉
| 「4.12国の放射能ゴミの処理を問う緊急シンポジウム」のご案内
└──── 冨塚元夫(「スペースたんぽぽ」講座運営委員)
放射能ゴミを燃やして良いのか?
この根本的な問題が議論されることのないまま、巨額の費用をかけて建設される仮設焼却炉。
さらに1兆円以上かけて建設される中間貯蔵施設、10万ベクレル/kg以下の焼却灰を処分する富岡町の最終処分場。
国は猛スピードでこれらを整備し、放射能ゴミを片付け、原発事故を封印し、再稼働につなげたいと考えています。
原発事故がまた起きたとしても、除染して、そのゴミを汚染地帯に埋めてしまえばよい?再稼働を目論む人たちはそのように安易に考えているのではないでしょうか。
放射能ゴミの処理のあり方は、今後の原子力政策を左右する重要な問題であり、目の前からなくなればよい、あるいは地元だけの問題などではないはずです。
またどこかに埋めたとしても何十年間も安全に保管・管理し続けられる保証もなく、結局は子孫にその代償を払わせることになります。
原発事故の責任すら問われないまま国の暴走を許してよいのでしょうか。
《4.12国の放射能ゴミの処理を問う緊急シンポジウム》
STOP焼却・埋め立て-国は地元住民の声を聞け!
日時:4月12日(日)13時~16時30分
場所:文化の館ときわ(福島県船引町常葉町常葉町裏1 旧田村市役所隣)
アクセス;連絡会HPのチラシをご覧ください
主催;放射性廃棄物を考えるシンポジウム実行委員会
問い合わせ:080-6010-3750((担当 和田) stopshokyakuf@yahoo.co.jp
放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会 http://gomif.blog.fc2.com/
参加費;500円
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┗■5.新聞より2つ
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◆汚染水の公表遅れ 「公開姿勢に問題」 東電、有識者の検証公表
(3月31日朝日新聞見出しより)
◆いま一度、再稼働に経済的根拠なし 政府試算は現実離れ
高コスト 世界の常識 安全対策費など上乗せすると…
電力自由化に逆行する動き 電力足りている 核のごみ限界 福島事故原因は?
立命館・大島堅一教授に聞く
原子力規制委員会は30日、九州電力川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働に向け、使用前検査を始めた。九電はすでに7月からの発電開始、8月には営業運転に入ることを発表している。政府はこの間、「再稼働抜きには日本経済は立ち行かない」と宣伝してきた。しかし、立命館大の大島堅一教授(環境経済学)は「まったくの虚構」と反論する。危機のあおりは、かつての「安全神話」に通じる。(後略)
(3月31日東京新聞「こちら特報部」より抜粋)
たんぽぽ舎です。【TMM:No2446】
2015年3月30日(月)地震と原発事故情報-5つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.要警戒・小規模老朽原発の廃炉決定は原発再稼働・新増設の露払い
この時点での廃炉決定が脱原発の一歩前進などと惑わされてはいけない
相沢一正(茨城県東海村村議)
★2.県紙「福島民報」社説が政府の原発政策を批判
川内原発にも高浜原発にも現在、免震棟は存在しない
福島第一原発規模の災害になれば、発電所員は命がない
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★3.江戸時代は桶の水で震度を判断 それゆえ悲喜劇も
「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」コラムその94
島村英紀(地震学者)
★4.新聞より2つ
◆「原発のある状態では人間の未来はない」
「一千万署名市民の会」講演会 大江健三郎さん訴え
(3月29日東京新聞より)
◆東電 除染費用払わず 市町村実施分 2%のみ 国直轄分は応じる
(3月30日東京新聞より抜粋)
★5.テント日誌3月28日(土)
経産省前テントひろば1296日商業用原発停止560日
絶対安全なら再稼働してもよいと思うけど、と答えた男性
(I・K)
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※4/1(水)九州電力川内原発再稼働反対 九電東京支社抗議行動
4月1日(水)17:30より18:30 JR有楽町駅日比谷口電気ビル前
主催:「再稼働阻止全国ネットワーク」
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※4/1(水)第19回東京電力本店合同抗議行動
4月1日(水)19:00より20:00 東京電力本店前
呼びかけ:「経産省前テントひろば」、たんぽぽ舎 賛同119団体
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┗■1.要警戒・小規模老朽原発の廃炉決定は原発再稼働・新増設の露払い
| この時点での廃炉決定が脱原発の一歩前進などと惑わされてはいけない
└──── 相沢一正(茨城県東海村村議)
◯ 九州電力川内原発1号の再稼働は7月、との日程が示される一方、3月17日と18日にあい次いで5基の原発の廃炉が決まった。関西電力美浜1号、2号、日本原電敦賀1号、九州電力玄海1号、中国電力島根1号である。いずれも運転開始以来40年前後を経た老朽原発であり、30から50万kw台の小規模原発である。原発再稼働への勢いが増す中での、この廃炉決定をどう見たらよいだろうか。
◯ 昨年4月閣議決定したエネルギー基本計画は、原発を「重要なベースロード電源」と位置づけたが、それは原発を電源として活用するという路線に他ならない。この基本計画を破るのが脱原発を目指す運動の課題ではあるが、そのような枠組みの中での廃炉であることをまず見ておかなければならない。
◯ 関電は廃炉決定と踵を接して、運転開始以来40年、39年、38年という同じ老朽原発である高浜1号、2号、美浜3号の20年延長を決めて、再稼働に向けての審査申請を原子力規制委員会に行った。この3基の合計出力は247.8万kwであり、廃炉の5基の合計出力221.6万kwより大きいのである。
また、原発の新増設や建て替えはないと3.11後の政府は宣言しているが、その時点で着工済みだった中国電力島根3号、Jパワー大間原発、東京電力東通1号は例外だとされており、このうち大間はすでに原子力規制委員会に審査申請をしている。仮にこれらが日本の原発に加わるとなると合計385.6万kwの出力となり、すでに廃炉が決まっている福島第一原発の1号から5号までの合計出力359.6kwを上回るのである。
◯ さらに、経産省の長期エネルギー需給見通し小委員会がこの夏までに、2030年時点での電源別構成を示すというが、原発依存度の割合如何によっては新増設ないし建て替えの現実化という事態も想定される。3.11以前に原子炉設置許可の申請が出されていた計画としては、中国電力上関原発の新設、日本原電の敦賀3号、4号の増設、九州電力川内3号の増設がある。それらが現実化するかどうかは脱原発運動の展開と深くかかわるとはいえ、水面下でのこうした動きに警戒が必要である。
◯ なお、廃炉決定が企業会計上不良資産にならないように、原子炉、格納容器、使用済み燃料プールからタービン、発電機に至るまでの設備を資産とみなし、減価償却費を分割して電気料金に上乗せできるようにするという廃炉会計を設けることにより、国は電力会社の経理を支援している。電力会社はそれに乗りながら、廃炉を進め新たな原発新増設を画策しているといえよう。
この時点での廃炉決定が脱原発の一歩前進などと、惑わされてはいけないのである。
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┗■2.県紙「福島民報」社説が政府の原発政策を批判
| 川内原発にも高浜原発にも現在、免震棟は存在しない
| 福島第一原発規模の災害になれば、発電所員は命がない
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
◯ 福島民報は3月28日の社説「【原子力政策】この道でいいのか」で、政府の原発推進政策を批判した。「国などの姿勢はまるで原発事故などなかったようだ。
新たな「安全神話」による「思考停止」が続く。」と。国と共に再稼働に前のめりになっている自治体への批判も込めている。
原子力ムラが「ムラの利益を守るために」原発推進へと猛進するのは、反省などには縁の無い連中だから、まだ分からなくはないが、それに待ったを掛けて押しとどめるべき「立地自治体」までもが、同じトーンで推進している。現状に見向きもしない態度に苛立つのは当たり前だ。これは一体何たることだろう。福島県紙が批判するのは当然である。
◯ 例えば、川内原発にも高浜原発にも現在、免震棟は存在しない。これについて「県原子力対策監を務める角山茂章会津大教育研究特別顧問は、日本原子力学会の会議で大熊町のオフサイトセンターが原発事故で機能しなかった事例を挙げ「免震重要棟がなかったら東日本は崩壊していたのではないか」と緊急時の脆弱さを批判した。」と、批判する。
今度、福島第一原発規模の災害になれば、発電所員は命がない。つまり原子炉を冷やす作業をする人が残らない。誰も助けにも行けない。一体どうやって住民を守るというのか。今度は西日本が壊滅する危機を迎える。
そもそも、何処にも存在しない「世界最高水準の安全基準」などとウソ、デタラメを根拠に推進しようとしている安倍政権に対し、危機感を持たない方がどうかしているだろう。
さすがに田中俊一委員長も「事故の教訓を忘れ原発を強硬に推進する勢力があると示唆し「そういう論に決してくじけてはいけない。事故の教訓に学ばないなら原子力はやめた方がいい」と言わざるを得ないほどの前のめりぶりなのだ。
現実に事故の教訓など、今の、この国には存在しない。ドイツにはあるけれど。
教訓があるというのならば、少なくても泉田裕彦新潟県知事が言うように、事故原因の究明が終わるまで再稼働などという段階には進めないはずだ。
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┗■3.江戸時代は桶の水で震度を判断 それゆえ悲喜劇も
| 「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」コラムその94
└──── 島村英紀(地震学者)
◯ 気象庁が震度計を導入したのは1996年からだ。いまは全国4200地点に震度計がある。このうち気象庁のものは670、あとは地方自治体などで観測して気象庁へデータを送ってくるものだ。
気象庁が震度を観測して発表するようになったのは1884(明治17)年のことだ。
地震が起きたときに、それぞれの地域でただちに対応しなければならない自治体関係者や防災担当者にとっては、分かりやすい明解な基準が必要なのである。震度はこれにぴったりのものだった。
◯ じつは震度を知る必要性は明治以前からあった。
江戸時代には、首都圏の地震は、いまよりずっと多かった。とくに江戸時代の前期、将軍徳川家光から家綱に至る寛永、慶安、正保期は大地震がたびたび江戸を襲った。
このころ武家では、地震など大きな災害のときには目上への「御機嫌伺い」を迅速、適切に行わなければならなかった。
御機嫌伺いとは火事羽織を来て、刀を持参、夜は提灯(ちょうちん)を持って幕府の門に馳せ参じることだ。また将軍や若君のほか女中衆にも見舞い状や使者を送ることも含まれる。なかなか気をつかう行事なのである。
幕藩体制の厳しい身分制度のもとでは、地震などの災害が起きたときの組織や個人の身の処し方は、もし失敗したら身が危うくなるほどの試練であった。
そのころには老中から申し渡しがあって、非常の際に登城すべき要人や、御門での対応の手順まできちんと決まっていたほどだ。
◯ 地震はほかの災害と違って、いきなり来る。このため気象庁の震度計がなかった当時、いちばんの問題は、どのくらいの震度ならば馳せ参じるか、という基準だった。大きな震度があったときに行かなければ、もちろんとがめられる。しかし小さな地震で馳せ参じれば、それはぞれで滑稽で迷惑なことになるからだ。
こうした中で「天水桶(おけ)の水こぼるれば御機嫌伺い」とされていた。つまり、桶に水をためておいて、それがこぼれるほどの地震ならば馳せ参じるというわけだ。桶が簡易震度計になっていたのである。
しかし、これは地震の揺れの周波数や桶の大きさで違ってしまうものだったし、あるいは地盤の善し悪しで違うかもしれないし、桶の水量による違いかもしれない。
◯ つまり所詮、これは簡易震度計。それゆえの悲喜劇もあった。
たとえば1696(元禄10)年の地震では、下谷(現東京都台東区)の対馬藩邸は天水がこぼれるほどの揺れではなかったので御機嫌伺いしなかった。だが本所(同墨田区)の津軽藩邸や青山(同港区)の肥前鹿島藩邸は天水がこぼれたので使者を派遣した。
江戸に集められた大名や幕臣たちは幕府の一挙一動にピリピリしていた。地震の揺れの客観的な基準が必要だったという点では現代の防災担当者と変わらなかったのである。 (3月20日『夕刊フジ』より)
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┗■4.新聞より2つ
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◆「原発のある状態では人間の未来はない」
「一千万署名市民の会」講演会 大江健三郎さん訴え
脱原発を訴える知識人らでつくる「『さようなら原発』一千万署名市民の会」は28日、東京都新宿区の新宿文化センターで講演会を開き、呼び掛け人の作家大江健三郎さんが集まった約1300人の聴衆に、脱原発や再稼働反対を訴えた。
大江さんは、ルポライター鎌田慧さんの著書などを紹介し「私たちの首相は原発について非常に楽天的。私たちが今何をしなくてはならないか。(さまざまな人が)原発のある状態では人間の未来はない、特に日本の未来はない、と根本のところで同じ声を発してきた」と述べた。
福島県いわき市議で、東京電力幹部らを業務上過失致死傷容疑で告訴・告発した福島原発告訴団副団長の佐藤和良さんは、福島第一原発事故で今も12万人が避難している現状を報告。「復興を考えると、原発事故が誰の責任で起きたのか明らかにするべきだ。あきれ果てても諦めないことが大切」と訴えた。
京都大原子炉実験所の今中哲二助教は、事故直後に大変な汚染が起きているのに情報が出てこなかったために、福島県飯舘村に調査に入ったと説明。「日本も放射能汚染に向き合う時代になった。こんなにたくさんの原発を造ったことがそもそもの間違いだった」と語った。(3月29日東京新聞より)
◆東電 除染費用払わず 市町村実施分 2%のみ 国直轄分は応じる
福島第一原発事故後、市町村が実施した除染費用として国が2月末までに東京電力に請求した761億円のうち、東電側が約2%しか応じず、残る746億円の支払いを事実上拒否していることが、環境省への取材で分かった。一方、国直轄除染分は基本的に応じており、対応が大きく分かれていることが浮き彫りとなった。
(後略) (3月30日東京新聞より抜粋)
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┗■5.テント日誌3月28日(土)
| 経産省前テントひろば1296日商業用原発停止560日
| 絶対安全なら再稼働してもよいと思うけど、と答えた男性
└──── (I・K)
◯昨日、今日と暖かかったので桜が一気に開花した。外務省前に一番に咲いた桜はもう散り始めた。
日比谷公園ではフードフェスティバルのようなものが開かれていてたくさんの人が訪れていたようだ。スタッフの方がたこ焼きを買ってきてくれ熱々を皆で頂いた。
テントに掲示してある東京新聞のコピーを眺めている男性に声をかけた。
原発反対ですよね。と言ってあわてて原発どう思いますかと訂正する。
反対の立場を押し付けるような言い方をするのはいけないと反省して…
男性は「絶対安全なら再稼働してもようと思うけれど、」と迷い気味な答え。
私は高レベル廃棄物の処理も出来ない事、福島は終わってない事、汚染水の問題などを話し、食品に一寸虫が入っていたと大騒ぎをするけれど、原発事故はそれどころでないでしょうと言うと、彼は前者のような事でクレームが来る業種で働いているとのこと。大変ですね。
チラシを受け取って下さったのでよく考えてくれることでしょう。
◯歩いてきて疲れたのか信号待ちでテントの椅子に座って休んでいたお年寄りに声をかけたら原発はやっぱり反対と言う。チラシをお渡しした。
官邸の方から降りてきたグループは“再稼働反対!”と言って通った。
3時過ぎ腰の痛みをおしてM子さんが来てくれたのでOさんの差し入れ「丸ごとりんごパイ」を切り分けて頂く。M子さんは無関心に通り過ぎる若者たちにいらいらするようだが、何人かが気がついてテントを見てくれたり、頑張ってと声をかけてくれるだけでよしとしよう。わざわざカンパを届けてくれる人もいることだし。
◯第2テントのHさんが来てM子さんと新宿のスタンディングに行くと言うので私も帰路に着く。
2015年3月30日(月)地震と原発事故情報-5つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.要警戒・小規模老朽原発の廃炉決定は原発再稼働・新増設の露払い
この時点での廃炉決定が脱原発の一歩前進などと惑わされてはいけない
相沢一正(茨城県東海村村議)
★2.県紙「福島民報」社説が政府の原発政策を批判
川内原発にも高浜原発にも現在、免震棟は存在しない
福島第一原発規模の災害になれば、発電所員は命がない
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★3.江戸時代は桶の水で震度を判断 それゆえ悲喜劇も
「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」コラムその94
島村英紀(地震学者)
★4.新聞より2つ
◆「原発のある状態では人間の未来はない」
「一千万署名市民の会」講演会 大江健三郎さん訴え
(3月29日東京新聞より)
◆東電 除染費用払わず 市町村実施分 2%のみ 国直轄分は応じる
(3月30日東京新聞より抜粋)
★5.テント日誌3月28日(土)
経産省前テントひろば1296日商業用原発停止560日
絶対安全なら再稼働してもよいと思うけど、と答えた男性
(I・K)
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※4/1(水)九州電力川内原発再稼働反対 九電東京支社抗議行動
4月1日(水)17:30より18:30 JR有楽町駅日比谷口電気ビル前
主催:「再稼働阻止全国ネットワーク」
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※4/1(水)第19回東京電力本店合同抗議行動
4月1日(水)19:00より20:00 東京電力本店前
呼びかけ:「経産省前テントひろば」、たんぽぽ舎 賛同119団体
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┗■1.要警戒・小規模老朽原発の廃炉決定は原発再稼働・新増設の露払い
| この時点での廃炉決定が脱原発の一歩前進などと惑わされてはいけない
└──── 相沢一正(茨城県東海村村議)
◯ 九州電力川内原発1号の再稼働は7月、との日程が示される一方、3月17日と18日にあい次いで5基の原発の廃炉が決まった。関西電力美浜1号、2号、日本原電敦賀1号、九州電力玄海1号、中国電力島根1号である。いずれも運転開始以来40年前後を経た老朽原発であり、30から50万kw台の小規模原発である。原発再稼働への勢いが増す中での、この廃炉決定をどう見たらよいだろうか。
◯ 昨年4月閣議決定したエネルギー基本計画は、原発を「重要なベースロード電源」と位置づけたが、それは原発を電源として活用するという路線に他ならない。この基本計画を破るのが脱原発を目指す運動の課題ではあるが、そのような枠組みの中での廃炉であることをまず見ておかなければならない。
◯ 関電は廃炉決定と踵を接して、運転開始以来40年、39年、38年という同じ老朽原発である高浜1号、2号、美浜3号の20年延長を決めて、再稼働に向けての審査申請を原子力規制委員会に行った。この3基の合計出力は247.8万kwであり、廃炉の5基の合計出力221.6万kwより大きいのである。
また、原発の新増設や建て替えはないと3.11後の政府は宣言しているが、その時点で着工済みだった中国電力島根3号、Jパワー大間原発、東京電力東通1号は例外だとされており、このうち大間はすでに原子力規制委員会に審査申請をしている。仮にこれらが日本の原発に加わるとなると合計385.6万kwの出力となり、すでに廃炉が決まっている福島第一原発の1号から5号までの合計出力359.6kwを上回るのである。
◯ さらに、経産省の長期エネルギー需給見通し小委員会がこの夏までに、2030年時点での電源別構成を示すというが、原発依存度の割合如何によっては新増設ないし建て替えの現実化という事態も想定される。3.11以前に原子炉設置許可の申請が出されていた計画としては、中国電力上関原発の新設、日本原電の敦賀3号、4号の増設、九州電力川内3号の増設がある。それらが現実化するかどうかは脱原発運動の展開と深くかかわるとはいえ、水面下でのこうした動きに警戒が必要である。
◯ なお、廃炉決定が企業会計上不良資産にならないように、原子炉、格納容器、使用済み燃料プールからタービン、発電機に至るまでの設備を資産とみなし、減価償却費を分割して電気料金に上乗せできるようにするという廃炉会計を設けることにより、国は電力会社の経理を支援している。電力会社はそれに乗りながら、廃炉を進め新たな原発新増設を画策しているといえよう。
この時点での廃炉決定が脱原発の一歩前進などと、惑わされてはいけないのである。
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┗■2.県紙「福島民報」社説が政府の原発政策を批判
| 川内原発にも高浜原発にも現在、免震棟は存在しない
| 福島第一原発規模の災害になれば、発電所員は命がない
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
◯ 福島民報は3月28日の社説「【原子力政策】この道でいいのか」で、政府の原発推進政策を批判した。「国などの姿勢はまるで原発事故などなかったようだ。
新たな「安全神話」による「思考停止」が続く。」と。国と共に再稼働に前のめりになっている自治体への批判も込めている。
原子力ムラが「ムラの利益を守るために」原発推進へと猛進するのは、反省などには縁の無い連中だから、まだ分からなくはないが、それに待ったを掛けて押しとどめるべき「立地自治体」までもが、同じトーンで推進している。現状に見向きもしない態度に苛立つのは当たり前だ。これは一体何たることだろう。福島県紙が批判するのは当然である。
◯ 例えば、川内原発にも高浜原発にも現在、免震棟は存在しない。これについて「県原子力対策監を務める角山茂章会津大教育研究特別顧問は、日本原子力学会の会議で大熊町のオフサイトセンターが原発事故で機能しなかった事例を挙げ「免震重要棟がなかったら東日本は崩壊していたのではないか」と緊急時の脆弱さを批判した。」と、批判する。
今度、福島第一原発規模の災害になれば、発電所員は命がない。つまり原子炉を冷やす作業をする人が残らない。誰も助けにも行けない。一体どうやって住民を守るというのか。今度は西日本が壊滅する危機を迎える。
そもそも、何処にも存在しない「世界最高水準の安全基準」などとウソ、デタラメを根拠に推進しようとしている安倍政権に対し、危機感を持たない方がどうかしているだろう。
さすがに田中俊一委員長も「事故の教訓を忘れ原発を強硬に推進する勢力があると示唆し「そういう論に決してくじけてはいけない。事故の教訓に学ばないなら原子力はやめた方がいい」と言わざるを得ないほどの前のめりぶりなのだ。
現実に事故の教訓など、今の、この国には存在しない。ドイツにはあるけれど。
教訓があるというのならば、少なくても泉田裕彦新潟県知事が言うように、事故原因の究明が終わるまで再稼働などという段階には進めないはずだ。
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┗■3.江戸時代は桶の水で震度を判断 それゆえ悲喜劇も
| 「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」コラムその94
└──── 島村英紀(地震学者)
◯ 気象庁が震度計を導入したのは1996年からだ。いまは全国4200地点に震度計がある。このうち気象庁のものは670、あとは地方自治体などで観測して気象庁へデータを送ってくるものだ。
気象庁が震度を観測して発表するようになったのは1884(明治17)年のことだ。
地震が起きたときに、それぞれの地域でただちに対応しなければならない自治体関係者や防災担当者にとっては、分かりやすい明解な基準が必要なのである。震度はこれにぴったりのものだった。
◯ じつは震度を知る必要性は明治以前からあった。
江戸時代には、首都圏の地震は、いまよりずっと多かった。とくに江戸時代の前期、将軍徳川家光から家綱に至る寛永、慶安、正保期は大地震がたびたび江戸を襲った。
このころ武家では、地震など大きな災害のときには目上への「御機嫌伺い」を迅速、適切に行わなければならなかった。
御機嫌伺いとは火事羽織を来て、刀を持参、夜は提灯(ちょうちん)を持って幕府の門に馳せ参じることだ。また将軍や若君のほか女中衆にも見舞い状や使者を送ることも含まれる。なかなか気をつかう行事なのである。
幕藩体制の厳しい身分制度のもとでは、地震などの災害が起きたときの組織や個人の身の処し方は、もし失敗したら身が危うくなるほどの試練であった。
そのころには老中から申し渡しがあって、非常の際に登城すべき要人や、御門での対応の手順まできちんと決まっていたほどだ。
◯ 地震はほかの災害と違って、いきなり来る。このため気象庁の震度計がなかった当時、いちばんの問題は、どのくらいの震度ならば馳せ参じるか、という基準だった。大きな震度があったときに行かなければ、もちろんとがめられる。しかし小さな地震で馳せ参じれば、それはぞれで滑稽で迷惑なことになるからだ。
こうした中で「天水桶(おけ)の水こぼるれば御機嫌伺い」とされていた。つまり、桶に水をためておいて、それがこぼれるほどの地震ならば馳せ参じるというわけだ。桶が簡易震度計になっていたのである。
しかし、これは地震の揺れの周波数や桶の大きさで違ってしまうものだったし、あるいは地盤の善し悪しで違うかもしれないし、桶の水量による違いかもしれない。
◯ つまり所詮、これは簡易震度計。それゆえの悲喜劇もあった。
たとえば1696(元禄10)年の地震では、下谷(現東京都台東区)の対馬藩邸は天水がこぼれるほどの揺れではなかったので御機嫌伺いしなかった。だが本所(同墨田区)の津軽藩邸や青山(同港区)の肥前鹿島藩邸は天水がこぼれたので使者を派遣した。
江戸に集められた大名や幕臣たちは幕府の一挙一動にピリピリしていた。地震の揺れの客観的な基準が必要だったという点では現代の防災担当者と変わらなかったのである。 (3月20日『夕刊フジ』より)
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┗■4.新聞より2つ
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◆「原発のある状態では人間の未来はない」
「一千万署名市民の会」講演会 大江健三郎さん訴え
脱原発を訴える知識人らでつくる「『さようなら原発』一千万署名市民の会」は28日、東京都新宿区の新宿文化センターで講演会を開き、呼び掛け人の作家大江健三郎さんが集まった約1300人の聴衆に、脱原発や再稼働反対を訴えた。
大江さんは、ルポライター鎌田慧さんの著書などを紹介し「私たちの首相は原発について非常に楽天的。私たちが今何をしなくてはならないか。(さまざまな人が)原発のある状態では人間の未来はない、特に日本の未来はない、と根本のところで同じ声を発してきた」と述べた。
福島県いわき市議で、東京電力幹部らを業務上過失致死傷容疑で告訴・告発した福島原発告訴団副団長の佐藤和良さんは、福島第一原発事故で今も12万人が避難している現状を報告。「復興を考えると、原発事故が誰の責任で起きたのか明らかにするべきだ。あきれ果てても諦めないことが大切」と訴えた。
京都大原子炉実験所の今中哲二助教は、事故直後に大変な汚染が起きているのに情報が出てこなかったために、福島県飯舘村に調査に入ったと説明。「日本も放射能汚染に向き合う時代になった。こんなにたくさんの原発を造ったことがそもそもの間違いだった」と語った。(3月29日東京新聞より)
◆東電 除染費用払わず 市町村実施分 2%のみ 国直轄分は応じる
福島第一原発事故後、市町村が実施した除染費用として国が2月末までに東京電力に請求した761億円のうち、東電側が約2%しか応じず、残る746億円の支払いを事実上拒否していることが、環境省への取材で分かった。一方、国直轄除染分は基本的に応じており、対応が大きく分かれていることが浮き彫りとなった。
(後略) (3月30日東京新聞より抜粋)
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┗■5.テント日誌3月28日(土)
| 経産省前テントひろば1296日商業用原発停止560日
| 絶対安全なら再稼働してもよいと思うけど、と答えた男性
└──── (I・K)
◯昨日、今日と暖かかったので桜が一気に開花した。外務省前に一番に咲いた桜はもう散り始めた。
日比谷公園ではフードフェスティバルのようなものが開かれていてたくさんの人が訪れていたようだ。スタッフの方がたこ焼きを買ってきてくれ熱々を皆で頂いた。
テントに掲示してある東京新聞のコピーを眺めている男性に声をかけた。
原発反対ですよね。と言ってあわてて原発どう思いますかと訂正する。
反対の立場を押し付けるような言い方をするのはいけないと反省して…
男性は「絶対安全なら再稼働してもようと思うけれど、」と迷い気味な答え。
私は高レベル廃棄物の処理も出来ない事、福島は終わってない事、汚染水の問題などを話し、食品に一寸虫が入っていたと大騒ぎをするけれど、原発事故はそれどころでないでしょうと言うと、彼は前者のような事でクレームが来る業種で働いているとのこと。大変ですね。
チラシを受け取って下さったのでよく考えてくれることでしょう。
◯歩いてきて疲れたのか信号待ちでテントの椅子に座って休んでいたお年寄りに声をかけたら原発はやっぱり反対と言う。チラシをお渡しした。
官邸の方から降りてきたグループは“再稼働反対!”と言って通った。
3時過ぎ腰の痛みをおしてM子さんが来てくれたのでOさんの差し入れ「丸ごとりんごパイ」を切り分けて頂く。M子さんは無関心に通り過ぎる若者たちにいらいらするようだが、何人かが気がついてテントを見てくれたり、頑張ってと声をかけてくれるだけでよしとしよう。わざわざカンパを届けてくれる人もいることだし。
◯第2テントのHさんが来てM子さんと新宿のスタンディングに行くと言うので私も帰路に着く。
たんぽぽ舎です。【TMM:No2445】
2015年3月28日(土)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.海を殺すな!!東電は原発人災の責任をとれ!!(4月-6月ポスター)
新しい横断幕2枚:4月1日(水)東電前合同抗議でお披露目します
東電本店合同抗議
★2.福島第一原発事故から被害者と加害者が学んだ教訓 (下)
福島の事故は50年たっても収束しない
教訓は:2度と原子力発電所などは、動かしてはいけないと
講師:小出裕章氏(バイバイ原発3.7きょうと集会での講演より)
★3.テント日誌3月27日(金)経産省前テントひろば1295日商業用原発停止559日
インドのカップルがチラシを持ってきた
新版「テントを撤去するな」のハガキできました (I・K)
★4.新聞より4つ
◆核のごみ どうするのか【金曜日の声 官邸前】
(3月28日東京新聞より)
◆「700億円が無駄」判明【福島第一原発の現状】
(3月28日東京新聞より抜粋)
◆ 最重要配管も点検漏れ もんじゅの原子炉「心臓部」 規制委検査で判明
(3月25日東京新聞より抜粋)
◆ ガス発電建設 環境監視や法令順守 那珂市と日本新電力 協定
(3月27日茨城新聞より抜粋)
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┗■1.海を殺すな!!東電は原発人災の責任をとれ!!(4月-6月ポスター)
| 新しい横断幕2枚完成:4月1日(水)東電本店前でお披露目します
| 前段は九電東京支社抗議行動⇒続いて東京電力本店合同抗議
└──── 東電本店合同抗議
毎月第1水曜日に、東電本店に抗議行動をしています。福島事故の責任をとれ、柏崎刈羽原発の再稼働をするな、を中心に抗議しています。
賛同団体(現在、119団体)も募集中です。
☆新ポスターは配布者募集中です。たんぽぽ舎で受け付けています。
4月1日(水)第19回、5月13日(水)第20回、6月3日(水)第21回
☆新しい横断幕2枚もできました
○柏崎刈羽原発の再稼働反対 原発なくても電気は足りてる (青色地)
○東電は原発事故の責任を認めよ! 被害者賠償 汚染水流すな 作業員守れ
(黄色地)
★4月1日の抗議行動にご参加下さい
◆4/1(水)九州電力川内原発再稼働反対 九電東京支社抗議行動
4月1日(水)17:30より18:30 JR有楽町駅日比谷口電気ビル前
主催:「再稼働阻止全国ネットワーク」
◆4/1(水)第19回東京電力本店合同抗議行動
4月1日(水)19:00より20:00 東京電力本店前
呼びかけ:「経産省前テントひろば」、たんぽぽ舎 賛同119団体
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┗■2.福島第一原発事故から被害者と加害者が学んだ教訓 (下)
| 福島の事故は50年たっても収束しない
| 教訓は:2度と原子力発電所などは、動かしてはいけないと
└──── 講師:小出裕章氏(バイバイ原発3.7きょうと集会での講演より)
○何とかしなければいけないと言って、労働者たちが闘っている。被曝をしながらです。でも、被曝というのは、日本の法律の中では、限度が決められているのです。
1年間に、皆さんは、1ミリシーベルトの被曝しかしてはいけないと決められているわけですが、被曝労働者も、1年間に20ミリシーベルト以上の被曝をしてはいけないと定められているのです。もしその被曝の限度を超えてしまえばどうなるか、と言えば、東京電力の社員であれば何にも困りません。被曝現場から離れて別の部署で働けばいいからです。しかし今、福島第一原子力発電所の現場で働いている労働者たちは、被曝の限度に達してしまえば、即解雇なのです。もう働けなくなる。生活が奪われてしまうということを抱えながら、働いているという、そういう人たちです。
そういう労働者を雇う雇用主の方も、労働者がなくなっては困るので、被曝の限度をごまかせ、余り被曝をしないように申告しろというわけですし、労働者の方すらが、自分の被曝の限度に達すると自分が首を切られてしまう、生活ができなくなるということで、自分の方から自分の被曝量をごまかしていくというそういう悲惨な事になっている。
○そしてこういう事態が、何年も、何十年も、続いていくしかない、そんな事故が今進行しています。わたしも含めて、今日、この会場にいらっしゃってる方々、失礼ながら、どっちにしても死ぬんです。私にしても、10年生きられるか、20年生きられるかと思っていますけれど、福島の事故は50年たっても収束しないです。この会場の人間がみんな死んでしまっても、たぶん事故は収束しないと、そういう事故、人類が初めて遭遇した巨大な事故が今進行して、本当に社会的に弱い人たちが、次々と被ばくをしていくということになってしまっています。
周辺も大変です。鈴木さんのように逃げてきた方もいる、あるいは猛烈に汚染をしてしまったところ、面積にして言うと約1000平方キロメートル、琵琶湖が1・5個も入ってしまうというようなところが、到底人が住めないということで、10万人を超える人たちが、故郷を追われて流浪化しているのです。避難という言葉で言われています。でも一体それ、どういうことなんでしょうか?
○補償金もらっているからいいだろうと、たぶん政府の方は言うだろう。しかし、人間が生きる、生活するということは、物を食べるということだけではないのです。ちゃんと仕事があって、誇りをもってその仕事をこなしながら、地域の人たちとつながって、子供たちは学校に行って、仲間とつながって、みんなそうやって生きてきたはずなのですけれども、その生活が根こそぎ破壊されてしまう。ということが、1000平方キロメートルというような地域で起きて、10万人を超えるような人たちが、いまだに家に帰れない。たった一人の人がそうなったって、大変なことだと、私は思いますけれども、10万人を超えるような人たちが、そうなってしまった。
日本はかっての戦争で、負けました。でも、国家が戦争で負けても、国破れて山河あり、といって、大地があればみんな生きられた。です。どんなにつらくても、きちっと生きることができた。今は、その大地自身が壊れてしまうということになりました。戦争が起きたって、こんなひどいことは起きない。というようなことが起きている。しかし、日本の政府は、それを忘れさせてしまおうという策謀に出ているわけですし、原子力マフィアの一端を担いできたマスコミも、次々と福島原発事故のことを報道しなくなる。わすれさせてしまおうという動きが着々と進行してきているのです。でも、今日、この会場に、雨の中をこれだけたくさんの方が来て下さったことを、私は大変うれしく思います。どんなに、国の方で忘れさせてしまおうということをやっても、福島の事を忘れないと思って下さる方がやはりこの国にはちゃんと居て、それぞれの方がこうやって集まってきてくれる事を、大変ありがたく思います。ありがとうございました。
○福島の事故から、私たちは何を教訓とすべきなのでしょうか?私の教訓は単純です。原子力発電所で事故が起きてしまえば、今聞いていただいたようにとてつもない被害が出てしまって、回復すらができない、そういうものだ。そしてそういう被害というものは、社会的に困った人たちに、集中的に加えられていくということを教訓にしなければいけないし、2度と原子力発電所などは、動かしてはいけないと、私は学ばなければいけないと、思いました。おそらく、この会場の皆さんもそう思って下さっていると思います。
○しかし、原子力マフィアはどういう教訓を得たのかというと、どんなにひどい事故を起こしても、どんなに住民に苦難を加えても、自分たちは決して処罰されないという教訓を学んだ。誰一人として処罰されない。無傷のまま生き延びてしまうということになりました。今、再稼働反対ということで、ここに私達は集まっていますけれど、電力会社は、九州電力、関西電力を筆頭に、原子力発電所を再稼働しようとしています。なぜかと言えば、川内原子力発電所、高浜原子力発電所、次に大飯原子力発電所が仮に再稼働して、大きな事故を起こしたとしても、彼らは、誰一人として処罰されない。ということを、今度の事故から教訓として彼らは学んでいるんです。
東京電力の誰一人として罰せられない、東京電力は今もう黒字になっている。そうなら、自分たち、何にも怖いものない。ということで、彼らは再稼働させようとしているのです。なんとしても、それを、私はやめさせたいと思います。残念ながら、私達はまだまだ弱いです。本当に再稼働を阻止できるかどうか、私にはわかりません。再稼働どころか、原子力発電所を世界中から、私は、廃絶しなければいけないと思っていますけれども、それまでにたどりつくために、一体どれだけの時間がかかるのだろうかと、思うと、大変なことだろうなと、思います。
○問題は、原子力発電所の再稼働、ただそれだけではなくて、この社会、この世界が一体どんなものなのか、それを根本的に変えなければいけないということだと思いますし、社会的に弱い人たちに、とにかくみんなしわ寄せをしていくという、そういう世界を変えるというたたかいと、たぶん、つながっているんだと思います。
これからもまだまだ長い時間がかかると思いますが、先ほど松田さんが報告して下さったように、大飯原発、高浜原発の、再稼働を差し止めるという裁判もいま進んでいて、もうすぐ、たぶん私も思うけれども、差し止めの判決がでるだろうと思います。
歴史は流れています。大河のように流れています。簡単には流れを変えられないということはあるけれども、でも確実に流れていると、私は思います。
あきらめずに、これからもいきたいと思いますし、皆さんのご活躍を願いたいと思います。ありがとうございました。
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┗■3.テント日誌3月27日(金)
| 経産省前テントひろば1295日 商業用原発停止559日
| インドのカップルがチラシを持ってきた
| 新版「テントを撤去するな」のハガキできました
└──── (I・K)
○今日はいつもより少し遅くテントに着いたらたくさんの人が座っていて嬉しかった。やっと暖かくなったからでしょうか。
4時半過ぎカンパをしに寄ってくれる人が来はじめたのでテーブルを出して受付を始めた。インドのカップルが『日本はインドに原発を売るな!』『日印原子力協定締結を阻止しよう!』と言うチラシを持ってやってきた。
私たちも同じ思いなのでテントのチラシにそれを挟み込んだ。
原発をなくすことが美しい地球を残すために必要なのに原発の輸出などとんでもない事です。安倍総理、経産省に良く考えてもらいたいと思う。
○三上さんを訪ねてきた女性、花見弁当を作ってきたそうだが、生憎彼が帰った後だったので泊まりの人へと喜んで頂いた。
○6時過ぎ、たんぽぽ舎の柳田さんがテント前で辺野古と連帯してテントを守ろう!再稼働を阻止するためテントを応援しようと励ましのスピーチをし、安倍首相、経産大臣、東京高裁24民事部あてに『テント強制撤去しないで下さい』と送るハガキを作ったことなどを話して官邸前に向かって行った。
官邸前行動の前に寄ってカンパをして下さる人が大勢いて感謝です。
テントの存在する意義を再確認した。
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┗■4.新聞より4つ
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◆ 核のごみ どうするのか【金曜日の声 官邸前】
(3月28日東京新聞より)
大阪府八尾市の無職阪中保さん(65)
親族の結婚式で東京に来た。原発再稼働の動きに反対の声を示したくて、初めて立ち寄った。先月、福島から大阪に避難している人から事故後の汚染状況などを聞く機会があり、あらためて原発は駄目だと思った。
千葉県松戸市の無職今井まき子さん(65)
2年以上前から友人たちと月1回、参加している。核のごみ処分の見通しは立っておらず、原発はゼロにするべきだ。無力感を感じることもあるが、原発事故を風化させたくない思いで声を上げ続けている。
◆「700億円が無駄」判明【福島第一原発の現状】
東京電力福島第一原発では21-27日、東電が海に漏れていた放射性セシウムの試算を公表し、昨年4月からの11カ月間で7420億ベクレルだった。事故前に東電が定めていた年間の管理目標値(2200億ベクレル)の3倍超に当たる。
このうち、2月に継続的な汚染水漏れが発覚したK排水溝からの漏出量は2000億ベクレルだった。東電はK排水溝の途中にポンプを設置し、専用港につながる別の排水溝に流せるようにした。四月から稼働させ、排水溝そのものの付け替えは2015年度中に工事を行う予定。
また、東電が約321億円で購入した仏アレバ社製の除染装置など5つの汚染水対策が十分に機能せず、計約700億円が無駄になっていたことが会計検査院の指摘で判明した。 (3月28日東京新聞より抜粋)
◆ 最重要配管も点検漏れ もんじゅの原子炉「心臓部」 規制委検査で判明
高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県)を運営する日本原子力研究開発機構(原子力機構)が、もんじゅの原子炉を冷却する配管類や、熱交換器などに冷却水を送る設備という極めて重要な設備でも、点検を適切に行っていなかったことが25日分かった。今月2日から実施した原子力規制委員会の保安検査で判明した。
規制委や原子力機構によると、新たに判明した大きな問題点は二つある。
一つは、原子炉を冷やす一次冷却系。(中略)
もう一点はポンプ類や熱交換器などに冷却水を送る補機冷却系の点検。
(後略) (3月25日東京新聞より抜粋)
◆ ガス発電建設 環境監視や法令順守 那珂市と日本新電力 協定
那珂市は26日、同市横堀に出力約10万キロワットのガス発電所「那珂パワービレッジ第1発電所」を建設する日本新電力(本社東京)との間で、住民の健康保護などを目的にした環境保全協定を締結した。同社に対して法令順守や環境監視・測定を義務付け、市が必要に応じて立ち入り調査できるなどと定めたのが特徴。(後略)
(3月27日茨城新聞より抜粋)
2015年3月28日(土)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.海を殺すな!!東電は原発人災の責任をとれ!!(4月-6月ポスター)
新しい横断幕2枚:4月1日(水)東電前合同抗議でお披露目します
東電本店合同抗議
★2.福島第一原発事故から被害者と加害者が学んだ教訓 (下)
福島の事故は50年たっても収束しない
教訓は:2度と原子力発電所などは、動かしてはいけないと
講師:小出裕章氏(バイバイ原発3.7きょうと集会での講演より)
★3.テント日誌3月27日(金)経産省前テントひろば1295日商業用原発停止559日
インドのカップルがチラシを持ってきた
新版「テントを撤去するな」のハガキできました (I・K)
★4.新聞より4つ
◆核のごみ どうするのか【金曜日の声 官邸前】
(3月28日東京新聞より)
◆「700億円が無駄」判明【福島第一原発の現状】
(3月28日東京新聞より抜粋)
◆ 最重要配管も点検漏れ もんじゅの原子炉「心臓部」 規制委検査で判明
(3月25日東京新聞より抜粋)
◆ ガス発電建設 環境監視や法令順守 那珂市と日本新電力 協定
(3月27日茨城新聞より抜粋)
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┗■1.海を殺すな!!東電は原発人災の責任をとれ!!(4月-6月ポスター)
| 新しい横断幕2枚完成:4月1日(水)東電本店前でお披露目します
| 前段は九電東京支社抗議行動⇒続いて東京電力本店合同抗議
└──── 東電本店合同抗議
毎月第1水曜日に、東電本店に抗議行動をしています。福島事故の責任をとれ、柏崎刈羽原発の再稼働をするな、を中心に抗議しています。
賛同団体(現在、119団体)も募集中です。
☆新ポスターは配布者募集中です。たんぽぽ舎で受け付けています。
4月1日(水)第19回、5月13日(水)第20回、6月3日(水)第21回
☆新しい横断幕2枚もできました
○柏崎刈羽原発の再稼働反対 原発なくても電気は足りてる (青色地)
○東電は原発事故の責任を認めよ! 被害者賠償 汚染水流すな 作業員守れ
(黄色地)
★4月1日の抗議行動にご参加下さい
◆4/1(水)九州電力川内原発再稼働反対 九電東京支社抗議行動
4月1日(水)17:30より18:30 JR有楽町駅日比谷口電気ビル前
主催:「再稼働阻止全国ネットワーク」
◆4/1(水)第19回東京電力本店合同抗議行動
4月1日(水)19:00より20:00 東京電力本店前
呼びかけ:「経産省前テントひろば」、たんぽぽ舎 賛同119団体
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┗■2.福島第一原発事故から被害者と加害者が学んだ教訓 (下)
| 福島の事故は50年たっても収束しない
| 教訓は:2度と原子力発電所などは、動かしてはいけないと
└──── 講師:小出裕章氏(バイバイ原発3.7きょうと集会での講演より)
○何とかしなければいけないと言って、労働者たちが闘っている。被曝をしながらです。でも、被曝というのは、日本の法律の中では、限度が決められているのです。
1年間に、皆さんは、1ミリシーベルトの被曝しかしてはいけないと決められているわけですが、被曝労働者も、1年間に20ミリシーベルト以上の被曝をしてはいけないと定められているのです。もしその被曝の限度を超えてしまえばどうなるか、と言えば、東京電力の社員であれば何にも困りません。被曝現場から離れて別の部署で働けばいいからです。しかし今、福島第一原子力発電所の現場で働いている労働者たちは、被曝の限度に達してしまえば、即解雇なのです。もう働けなくなる。生活が奪われてしまうということを抱えながら、働いているという、そういう人たちです。
そういう労働者を雇う雇用主の方も、労働者がなくなっては困るので、被曝の限度をごまかせ、余り被曝をしないように申告しろというわけですし、労働者の方すらが、自分の被曝の限度に達すると自分が首を切られてしまう、生活ができなくなるということで、自分の方から自分の被曝量をごまかしていくというそういう悲惨な事になっている。
○そしてこういう事態が、何年も、何十年も、続いていくしかない、そんな事故が今進行しています。わたしも含めて、今日、この会場にいらっしゃってる方々、失礼ながら、どっちにしても死ぬんです。私にしても、10年生きられるか、20年生きられるかと思っていますけれど、福島の事故は50年たっても収束しないです。この会場の人間がみんな死んでしまっても、たぶん事故は収束しないと、そういう事故、人類が初めて遭遇した巨大な事故が今進行して、本当に社会的に弱い人たちが、次々と被ばくをしていくということになってしまっています。
周辺も大変です。鈴木さんのように逃げてきた方もいる、あるいは猛烈に汚染をしてしまったところ、面積にして言うと約1000平方キロメートル、琵琶湖が1・5個も入ってしまうというようなところが、到底人が住めないということで、10万人を超える人たちが、故郷を追われて流浪化しているのです。避難という言葉で言われています。でも一体それ、どういうことなんでしょうか?
○補償金もらっているからいいだろうと、たぶん政府の方は言うだろう。しかし、人間が生きる、生活するということは、物を食べるということだけではないのです。ちゃんと仕事があって、誇りをもってその仕事をこなしながら、地域の人たちとつながって、子供たちは学校に行って、仲間とつながって、みんなそうやって生きてきたはずなのですけれども、その生活が根こそぎ破壊されてしまう。ということが、1000平方キロメートルというような地域で起きて、10万人を超えるような人たちが、いまだに家に帰れない。たった一人の人がそうなったって、大変なことだと、私は思いますけれども、10万人を超えるような人たちが、そうなってしまった。
日本はかっての戦争で、負けました。でも、国家が戦争で負けても、国破れて山河あり、といって、大地があればみんな生きられた。です。どんなにつらくても、きちっと生きることができた。今は、その大地自身が壊れてしまうということになりました。戦争が起きたって、こんなひどいことは起きない。というようなことが起きている。しかし、日本の政府は、それを忘れさせてしまおうという策謀に出ているわけですし、原子力マフィアの一端を担いできたマスコミも、次々と福島原発事故のことを報道しなくなる。わすれさせてしまおうという動きが着々と進行してきているのです。でも、今日、この会場に、雨の中をこれだけたくさんの方が来て下さったことを、私は大変うれしく思います。どんなに、国の方で忘れさせてしまおうということをやっても、福島の事を忘れないと思って下さる方がやはりこの国にはちゃんと居て、それぞれの方がこうやって集まってきてくれる事を、大変ありがたく思います。ありがとうございました。
○福島の事故から、私たちは何を教訓とすべきなのでしょうか?私の教訓は単純です。原子力発電所で事故が起きてしまえば、今聞いていただいたようにとてつもない被害が出てしまって、回復すらができない、そういうものだ。そしてそういう被害というものは、社会的に困った人たちに、集中的に加えられていくということを教訓にしなければいけないし、2度と原子力発電所などは、動かしてはいけないと、私は学ばなければいけないと、思いました。おそらく、この会場の皆さんもそう思って下さっていると思います。
○しかし、原子力マフィアはどういう教訓を得たのかというと、どんなにひどい事故を起こしても、どんなに住民に苦難を加えても、自分たちは決して処罰されないという教訓を学んだ。誰一人として処罰されない。無傷のまま生き延びてしまうということになりました。今、再稼働反対ということで、ここに私達は集まっていますけれど、電力会社は、九州電力、関西電力を筆頭に、原子力発電所を再稼働しようとしています。なぜかと言えば、川内原子力発電所、高浜原子力発電所、次に大飯原子力発電所が仮に再稼働して、大きな事故を起こしたとしても、彼らは、誰一人として処罰されない。ということを、今度の事故から教訓として彼らは学んでいるんです。
東京電力の誰一人として罰せられない、東京電力は今もう黒字になっている。そうなら、自分たち、何にも怖いものない。ということで、彼らは再稼働させようとしているのです。なんとしても、それを、私はやめさせたいと思います。残念ながら、私達はまだまだ弱いです。本当に再稼働を阻止できるかどうか、私にはわかりません。再稼働どころか、原子力発電所を世界中から、私は、廃絶しなければいけないと思っていますけれども、それまでにたどりつくために、一体どれだけの時間がかかるのだろうかと、思うと、大変なことだろうなと、思います。
○問題は、原子力発電所の再稼働、ただそれだけではなくて、この社会、この世界が一体どんなものなのか、それを根本的に変えなければいけないということだと思いますし、社会的に弱い人たちに、とにかくみんなしわ寄せをしていくという、そういう世界を変えるというたたかいと、たぶん、つながっているんだと思います。
これからもまだまだ長い時間がかかると思いますが、先ほど松田さんが報告して下さったように、大飯原発、高浜原発の、再稼働を差し止めるという裁判もいま進んでいて、もうすぐ、たぶん私も思うけれども、差し止めの判決がでるだろうと思います。
歴史は流れています。大河のように流れています。簡単には流れを変えられないということはあるけれども、でも確実に流れていると、私は思います。
あきらめずに、これからもいきたいと思いますし、皆さんのご活躍を願いたいと思います。ありがとうございました。
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┗■3.テント日誌3月27日(金)
| 経産省前テントひろば1295日 商業用原発停止559日
| インドのカップルがチラシを持ってきた
| 新版「テントを撤去するな」のハガキできました
└──── (I・K)
○今日はいつもより少し遅くテントに着いたらたくさんの人が座っていて嬉しかった。やっと暖かくなったからでしょうか。
4時半過ぎカンパをしに寄ってくれる人が来はじめたのでテーブルを出して受付を始めた。インドのカップルが『日本はインドに原発を売るな!』『日印原子力協定締結を阻止しよう!』と言うチラシを持ってやってきた。
私たちも同じ思いなのでテントのチラシにそれを挟み込んだ。
原発をなくすことが美しい地球を残すために必要なのに原発の輸出などとんでもない事です。安倍総理、経産省に良く考えてもらいたいと思う。
○三上さんを訪ねてきた女性、花見弁当を作ってきたそうだが、生憎彼が帰った後だったので泊まりの人へと喜んで頂いた。
○6時過ぎ、たんぽぽ舎の柳田さんがテント前で辺野古と連帯してテントを守ろう!再稼働を阻止するためテントを応援しようと励ましのスピーチをし、安倍首相、経産大臣、東京高裁24民事部あてに『テント強制撤去しないで下さい』と送るハガキを作ったことなどを話して官邸前に向かって行った。
官邸前行動の前に寄ってカンパをして下さる人が大勢いて感謝です。
テントの存在する意義を再確認した。
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┗■4.新聞より4つ
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◆ 核のごみ どうするのか【金曜日の声 官邸前】
(3月28日東京新聞より)
大阪府八尾市の無職阪中保さん(65)
親族の結婚式で東京に来た。原発再稼働の動きに反対の声を示したくて、初めて立ち寄った。先月、福島から大阪に避難している人から事故後の汚染状況などを聞く機会があり、あらためて原発は駄目だと思った。
千葉県松戸市の無職今井まき子さん(65)
2年以上前から友人たちと月1回、参加している。核のごみ処分の見通しは立っておらず、原発はゼロにするべきだ。無力感を感じることもあるが、原発事故を風化させたくない思いで声を上げ続けている。
◆「700億円が無駄」判明【福島第一原発の現状】
東京電力福島第一原発では21-27日、東電が海に漏れていた放射性セシウムの試算を公表し、昨年4月からの11カ月間で7420億ベクレルだった。事故前に東電が定めていた年間の管理目標値(2200億ベクレル)の3倍超に当たる。
このうち、2月に継続的な汚染水漏れが発覚したK排水溝からの漏出量は2000億ベクレルだった。東電はK排水溝の途中にポンプを設置し、専用港につながる別の排水溝に流せるようにした。四月から稼働させ、排水溝そのものの付け替えは2015年度中に工事を行う予定。
また、東電が約321億円で購入した仏アレバ社製の除染装置など5つの汚染水対策が十分に機能せず、計約700億円が無駄になっていたことが会計検査院の指摘で判明した。 (3月28日東京新聞より抜粋)
◆ 最重要配管も点検漏れ もんじゅの原子炉「心臓部」 規制委検査で判明
高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県)を運営する日本原子力研究開発機構(原子力機構)が、もんじゅの原子炉を冷却する配管類や、熱交換器などに冷却水を送る設備という極めて重要な設備でも、点検を適切に行っていなかったことが25日分かった。今月2日から実施した原子力規制委員会の保安検査で判明した。
規制委や原子力機構によると、新たに判明した大きな問題点は二つある。
一つは、原子炉を冷やす一次冷却系。(中略)
もう一点はポンプ類や熱交換器などに冷却水を送る補機冷却系の点検。
(後略) (3月25日東京新聞より抜粋)
◆ ガス発電建設 環境監視や法令順守 那珂市と日本新電力 協定
那珂市は26日、同市横堀に出力約10万キロワットのガス発電所「那珂パワービレッジ第1発電所」を建設する日本新電力(本社東京)との間で、住民の健康保護などを目的にした環境保全協定を締結した。同社に対して法令順守や環境監視・測定を義務付け、市が必要に応じて立ち入り調査できるなどと定めたのが特徴。(後略)
(3月27日茨城新聞より抜粋)