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┗■3.東電福島第一原発1号機の非常用電源喪失の謎

 |  その本当の原因は地震か?津波か?

 |  伊東良徳さんのお話(元国会事故調協力調査委員)

 └──── 柳田真(たんぽぽ舎)

 

1.5月28()「スペースたんぽぽ」で、弁護士(元国会事故調協力調査委員)伊東良徳さんの講演会があった。東電福島第一原発1号機の非常用電源喪失の謎-その本当の原因は地震か?津波か?-であった。

 A4判13頁の資料(写真版)に基づいて、とても説得力のある話であった。

2.伊東講師の結論は、(3年間いい続けてきたことだが…と前置きして)「津波ではありえない」であった。この結論は、しかし3年間無視され続けたが、5月21日福井地裁の画期的な大飯原発判決で、引用されたりもして、再び注目を浴びたりもした。

3.講師のレジメから引用する。

  ◎2 なぜ津波到達時刻の評価が重要か?

   ・福島第一原発1号機の全交流電源喪失(Station Blackout=SBO)

    時刻は15:37

      ・津波の1号機敷地遡上時刻がそれより後ならば、1号機のSBOの

    原因は津波ではあり得ない

   ・1号機のSBOの原因が津波でなければ、耐震設計や老朽化、単一

    故障指針等の再検討が必要となり、現在の規制基準の正当性が失わ

    れることになり、再稼働の安全性を検討する大前提が変わってくる

4.◎43 東京電力からの批判について

   ・東京電力は写真5と6の津波が写真7と8の南防波堤南側に写って

    いないことを論拠に伊東の主張を批判している

   ・写真5と6の津波の「その後の行方」について確たる説明ができな

    いことが伊東の主張の、おそらく唯一の、弱点であることは認める

   ・しかし、伊東が写真5と6の津波の「行方」が十分説明できないだ

    けなのに対して、東京電力は写真5と6の津波の「存在」も

    「行方」も説明できない

   ・伊東は、この問題解明のために国会事故調として写真撮影者のヒア

    リングを度々求めたが、東京電力は頑なに拒否し続け、そのために

    この問題を解明できなかった

   ・少なくとも東京電力に、この問題を批判する資格はない

5.◎74 結論

   ・1号機敷地への津波遡上は、写真1630秒後かそれ以上後と考えら

    れるので、1538分以降となる

      →1号機のSBO時刻は1537分よりも後である!

6.ここから柳田の意見・感想

 東電福島第一原発1号機の非常用電源の喪失が「津波でない」となれば、おおぐくりで考えれば「原因は地震」となるしかない。「地震が原因」となると、日本中の原発(50)はすべて、地震対策をやらねばならない。そうしなければ再稼働できない。ただでさえも津波対策で防潮堤など何百億円もの対策費が必要になった(浜岡原発では2000億円も必要)が、これに地震対策費用数百億円が必要になる。電力会社はイヤだ。ぜひ津波だけの原因にしよう。ガンガン頑張って、「地震が原因としない」ようにしよう-と原子力ムラの総力を挙げて努力した。これが故に、2011年3・11以降3年も経過したのにいまだ、事故原因が不明なのだ。

 これが結果として、電力会社を助ける=得する。地震対策費○○○億円が浮くから。かくして原子力ムラ(原子力利権共有帝国)は栄える。彼らは原因不明のままの方が良いのだ。

 

 

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┗■4.テント日誌5月25日(日) 続き

 |  経産省前テントひろば987日目 商業用原発停止252

 |  大飯原発訴訟判決をここ峠の茶屋からも広めたい

 |  豊かな国土に国民が根を下ろして生活していることが国富であり

 |  これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失だ

 └──── 

 

○ 昼に反原発自治体議員・市民連盟の総会を聴講した。鹿児島、枚方、東海村、静岡、松山などの市議、村議が、各地の反原発運動の状況を説明し、特に避難の問題が全く解決していないことを確認できた。また、大飯原発再稼働差止福井地裁判決により原発立地地域の反対運動が勢いを増してきたことが、各議員の言葉の端々ににじみ出ていた。愚かにも別用で遅刻して、上岡直見さんの記念講演を聞き逃したことがとても残念。

○ 夜のテントは静か。昼当番のKさんと話しこんだ。半世紀足らず前の仕事に共通部分が沢山あった。囲碁、将棋の高段位を持つKさん、囲碁・将棋に興じて座り込みに話題提供してほしい。

 夜中に仕事を終えて到着したSさん、何だか今とてもハッピーらしく、何を言っても上機嫌に話し続けて私の睡眠時間を奪う。

 「原発停止で多額の貿易赤字が出るとしても、豊かな国土に国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失だ」と述べ、「原告のうち、大飯原発から250km圏内の住民は、直接的に人格権が侵害される具体的な危険があると認められる」と結論づけた大飯原発訴訟判決は、普段私たちがテントひろばに座り込んで話していることを、憲法に基づいて格調高く分かり易く述べた名文だ。

 経産省や資源エネルギー庁や安倍政権に猛省を促したい。霞ヶ関のへそ、峠の茶屋からもこの判決を広めたい。(K.M)
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