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ニュークレール情報板
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たんぽぽ舎です。【TMM:No1322】
                               転送歓迎
 
         ◆ 地震と原発事故情報 その307 ◆
        4つの情報をお知らせします(1月23日)
 
  1月14日、四国電力伊方2号機が定期検査で停止。
  四国の全原発が停止状態。残るは東電2基、関電1基、北海道電1基、
  中国電力1基の計5基、全原発停止へあと一歩
 
★1.除染にどこまで意味があるのか ─拡散を止める方が重要
               たんぽぽ舎・劣化ウラン研究会 山崎 久隆
★2.今年になって、青森・小笠原厚子さんの「あさこはうす」を
   めぐる状況が緊迫しています。        (松戸市 吉野信次)
★3.<テント日誌 1/20(金)、1/21(土)>
★4.新聞より──
  「核燃サイクルは実現困難」カーター元大統領 本誌と会見
   ─ 米の撤退決断「正しかった」─
               (2012年1月23日 東京新聞 一面より抜粋)
 
 
 
★1.除染にどこまで意味があるのか ─拡散を止める方が重要
               たんぽぽ舎・劣化ウラン研究会 山崎 久隆
 
 行政は、ある一つの方針を決めたら怒濤のごとくそれに邁進するのは得意だ
が、視点を変えて別の方法も在るのではないかと発想したり、まして別の方法
を求める住民の声に耳を傾けるというのは苦手なうえに、ひどいときは排除の
論理が働き「方針に逆らう邪魔者」あつかいをする。
 もともとこのような素地がある行政が、今回のような「パニック状態」に陥
ると、その「本性」を発揮する。それが今起きている各地の混乱の元凶だ。
 除染の目的は、被曝を低減することにあるのだが、今のやり方では「拡散」
させかねない場面も多く見られる。
 一般に、除染に効果がある場合というのは、平均的には汚染が低く、その中
にホットスポットのように高濃度汚染があるようなケースだ。
 このホットスポットを取り除けば、汚染源が無くなるので被曝線量が下がる
ということになる。
 しかし全体が一様に高濃度汚染されているところを除染して使おうとするの
は事実上不可能な場合が多い。周りじゅうが高濃度汚染されているところで、
一部の地域を除染により下げたとしても、しばらくすると周囲の高濃度汚染地
域から流れ込んでくるので、元に戻ってしまう。
 低い線量を維持するためには、繰り返し汚染を取り除き続ける必要がある。
はたしてどれほどの労力と費用が掛かるのかをはじめに考えた方が良いだろう。
 
◇拡散を止める方が重要
 
 とにかく汚染を除去したい、という思いは分からなくはないが、今取り組む
べきは「拡散防止」のほうだ。
 自然により拡散していくのはほとんど止めようがない。野山に降り注いだ放
射性物質は雨や雪や風と共に拡散し、最終的には海に行く。
 これ自体がいわば「自然による除染」であり、それにまず対処することが重
要だろう。特に河川を通じて海に流れる汚染土壌が、河川敷や下水処理場など
に蓄積するので、これを放置するのは危険であり、系統的に対処する必要があ
る。
 1月15日に放送されたNHKスペシャル「シリーズ 原発危機「知られざ
る放射能汚染~海からの緊急報告」を見れば、河川を通じて海が汚染されるこ
とがはっきりわかる。東京湾は今後河川からのセシウムが蓄積し続け、2.2
年後に汚染のピークを迎えるという。湾岸エリアの住民やお台場や千葉、神奈
川の東京湾側は継続した監視体制を敷き、子どもの海浜地区への立ち入りは制
限せざるを得ない状況だ。これを除染することは、事実上不可能だ。
 もう一つの拡散源は人間だ。特に瓦礫と共に日本中に拡散しようとしている。
 北海道を除くと、日本列島の中心部である愛知、岐阜、富山から西側は汚染
は相対的に低い。これら地域の汚染が低ければ、そこで生産する食料も汚染さ
れることはほとんどない。いわば「聖域化」できる。
 それなのにわざわざ震災瓦礫を運んで焼却したり埋め立てたりしようという
のだから、何という愚かなことをと思う。
 せっかくひどい汚染を免れた地域はそのまま汚染されていない食料品の供給
源として、せめて汚染地帯である東日本に住む子どもたちへの食料供給をして
ほしい。
 時間と共に汚染は広がる。特に海には山から流れてくるセシウムが蓄積する。
おそらく神奈川、東京、千葉、茨城、福島、宮城の沿岸部はかなりの汚染が長
期間続くだろう。岩手、青森はどうなるかわからない。日本海側でも新潟、山
形、秋田はある程度の汚染が流れ込む可能性があるので、やはり沿岸の魚介類
に汚染が蓄積されると警戒をせざるを得ない。
 そうなれば、西日本の魚介類しか子どもたちに安心して食べさせられる海産
物は無くなってしまうだろう。
 農産物は地域により大きく差があるとしても、やはり東日本はある程度の汚
染は覚悟せざるを得ない。一方西日本はかなり汚染を回避できる。
 いま、東日本にとどまっている汚染を、人為的に西日本に持ち込むのはまさ
しく愚劣きわまりない行為と言わざるを得ない。瓦礫の処理処分は、発生源な
いしは東日本のエリアでどうするかを考えるべきで、汚染のない地域に持って
行くべきではないのだ。
 
 
 
★2.今年になって、青森・小笠原厚子さんの「あさこはうす」を
   めぐる状況が緊迫しています。        (松戸市 吉野信次)
 
 お元気でお過ごしのことと思います。この情報を全国にお知らせください。
 
 今年になって、小笠原さんの「あさこはうす」をめぐる状況が緊迫していま
す。
小笠原さんがSOSを発信しています。東北電力が、「あさこはうす」への道
路を封鎖するために、交通量を量り始めました。電源開発の敷地内にあるため
に、公道から「あさこはうす」に行くためには、かなり長い両サイド厳重な金
網の砂利道があります。この道を封鎖する考えのようです。
 原発震災のために苦しむ市民が多数いる中で、新規の原発建設など絶対に認
められません。そこで、「あさこはうす」へ葉書を出して下さい。小笠原さん
への激励の手紙で結構です。一時的な手紙だけでなく、各地域の脱原発の行動
などを知らせる案内でも結構です。継続した取り組みをお願いします。郵便車
の通行も、大事なカウントになるからです。住所は下記です。知人・友人にも
この情報をお知らせください。よろしくお願いします。
〒039-4601
 青森県下北郡大間町字小奥戸396 あさこはうす 小笠原厚子様宛
 
 
★3.<テント日誌 1/20(金)>
   技術的知見意見聴取会の傍聴報告
    ―― 経産省前テントひろば 132日目 ――
 
 1月20日(金) 昨夜来からの雨は夜明け前から雪に変わる。雪が積もる
と雪下ろしも必要か・・・。その後、一日中霙混じりの冷たい雨。
 1月17日のテント日誌で報じた、火気をめぐる経産省のいちゃもんとやり
とりについて、福島・二本松で活動されているTさんから、以下のような感想
が寄せられた。
 「毎日の寒い中、テントの中でのがんばり続ける皆さまに敬意を表します。
以下は老婆心ながら・・・
経産省のいちゃもんについては
 『原発は数百万人から数千万人もの人達を危険にさらしている。
 今のふくしまでは被害者が苦しんでいる。
 その加害者である経産省は未だにその反省もない。
 テント内の火気についていちゃもんをつけるなら、この桁違いに
 危険な原発を一刻も早く停めろ!!
 経産省には原発の安全性を管理する能力は無いが、我々には
 この火気をしっかり管理できる能力はある。
 この危険な原発をたなに上げてのこの要求は受け入れられないと・・・
 このテントは日本国民1億2千万人の総意だと・・・・』
と応対してみてはいかがでしょうか??
 
技術的知見意見聴取会の傍聴報告
 1月20日(金)午前に開催された「技術的知見に関する意見聴取会」を傍聴し
ました。18日のストレステスト意見聴取会のことがあり、この技術的知見の会
はストレステスト会の言わば下位に位置する重要な会なので、既に担当者に名
前を知られている私は入れてもらえないか、傍聴室は別になっているかと心配
したけれど、無事に入場し会議の傍らで傍聴することができました。経産省、
保安院が意見聴取会などの傍聴対策は特に変更しなかったようです。残念なが
ら、市民側の傍聴者はいつもより少なく、傍聴席は背広100人以上で埋められて
いました。
 ストレステスト意見聴取会で利益相反行為が疑われている岡本孝司(東大)
と山口彰(阪大)もこちらの会の委員ですが、岡本孝司委員は欠席でした、18
日の攻撃が応えたのかも知れません。
 また、委員の発言には、今までの議論よりもより積極的に安全側を求める発
言、報道の影響を感じさせる発言が多く見られました。特に、構造体の健全性
を何らかの形で担保できるように各機能に要求仕様を明確にして評価するべき
という山口委員の発言には驚きました。ある委員は、審査する人のことなど国
が組織を作っているソフト面も評価改善するべきとか、他の意見聴取会の議論
を次回に教えて欲しいとかの発言もありました。
 それでも、渡邊委員リーダー(ストレステスト会でも委員)が、核爆発報道
など間違った報道をきっちり否定して国民の理解を得るべきと主張し、保安院
は1月中に中間指針を出すべく「今後の対策の方向性(案)」を提示して何と
か早く中間指針をまとめようとしており、予断は許されません。
次回は2月1日です。                     (K.M)
 
<テント日誌 1/21(土)>
   霙混じりの氷雨の中、デモの喚声が霞ヶ関に轟く
    ―― 経産省前テントひろば 133日目 ――
 
1月21日(土) 霙/雨
 霙がひどい。ゴミは処理できず、奥の片隅にまとめる。これが済まないと、
あれこれ難癖付けらる…なにせ経済産業省前からテント裏は明視できる。だ
が、今朝は無理だ。昨夜、神保町ヴェジタリアンから、テントへワインなどカ
ンパしていただいた。神保町で働いていたころ、先輩と通ったレストランだっ
た。ご主人は、「なにせ子供の体が心配だから、やってくださいよ!」と小生
を激励してくれる。「土曜など、2階が空いていれば、音楽してもいいよ」と
までいってくれている。が、まだ実現していない。
 さすがに今日はテント前の座り込みは無理である。テントひろばはひっそり
している。
 昼過ぎ、トラメガを取りに、園さんが訪れる。一時に新橋SL広場で街宣。
2時から、デモ行進。小生も、首相官邸ド真ん前デモ、賛成なので、出かけ
る。それで今日のテント日誌は個人的にこのデモの報告を。
 駅前は隠れるように、警察・公安が控えている。霞が関と沖縄を結ぶデモ
は、治安上、特別な格をもつのだろうか?なにせ、デモの行き先、辻辻に10人
ほどの制服警官が待ち伏せしている。デモから抜け出て帰ろうとする人がいて
も、すぐ7~8人で取り囲んで歩道に入れさせない。
 いったん、ねじまげられたデモコースの最終地点集会後、有志で、そぞろ、
首相官邸に向かい、代表団、首相あての抗議・要請文を、受付守衛に渡す。溜
池から折り返す際、反対側の歩道をこちらと平行に行進する警察部隊。さっき
までのデモ行進に、デモ隊の倍以上の警察・公安がとりまいてる。この過剰警
備こそ、沖縄の、東京の主権者への恐怖感の攻撃的な反転だった。
 ワシントン訪問チームは、いま、空の上を飛んでいる。氷雨の中、傘もささ
ぬ勇士たち。通過点の経産省前テントでは、テントの中の人が、熱烈声援して
くれた。デモ隊規制の丸の内警察が、テントを覗き、なんだかんだと苦情を漏
らしていったそうだ。給金もらって恫喝するのなら、暴力団と変らない。テン
トの存在意義を、経産省も暗黙に認めているものでなければ、130日を超え
て建っていられるわけがない。警察の口のきき方が、暴力団に酷似していると
の嘆きも聞いた。
 人倫のないところに、平和はないだろう。倫理観の鋭い人々が、抗議してい
る。警察は、法による権威の人倫的発動を心がけるのでない限り、電脳羊の番
犬とみなされてもしかたがない。捜査すべきは、東電本社と原子力安全・保安
院であり、警護すべきは、私心をすてて、公共の福利実現のため、人道的であ
ろうと抗議に立ちあがっている市民であることを、警察・公安は、真摯に反省
してほしい。                         (Q記)
 
 
★4.新聞より──
  「核燃サイクルは実現困難」カーター元大統領 本誌と会見
   ─ 米の撤退決断「正しかった」─
               (2012年1月23日 東京新聞 一面より抜粋)
 
【ニューヨーク=長田弘巳】カーター元大統領(87)、長田弘巳(撮影)が米
ジョージア州アトランタ郊外の自宅で本誌と会見した。1977~81年の大
統領在任時、核燃料サイクル事業の撤退を決断したカーター氏は同事業に関し
「開発費用が巨額で、仕組みも複雑だ」と述べ、経済性や技術面で実現は難し
いとの認識を示した。福島第一原発事故後の日本の原発政策には「政治的な影
響力から独立した監視委員会を設置することだ」と話し、国民の側に立った安
全規制の強化を求めた。
 カーター政権は77年に新原子力政策を発表し、使用済み核燃料の再処理
や、再処理で生じるプルトニウムを燃料とする高速増殖炉の開発計画無期延期
などを決めた。米国内で根強い反対論があったが「(設計や構造が)複雑すぎ
て好ましくなかった。限られた国家予算の中で考えれば終了させる必要があっ
た」と強調。「私は(計画を)握りつぶした」と述べ、政策決定で強いリー
ダーシップを発揮させたことを明らかにした。(中略)
 技術的なトラブルが続く高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の現
状などを知り「私は正しかった」と述べた。
 一方、福島原発事故の日本政府の情報提供などが不十分との指摘がある点に
「報道でしかしらないが、私もそういう印象を持った」と指摘。(中略)
※核燃料サイクル:(中略)主要先進国では米国のほか、英、仏、独も1990年
代後半までに高速増殖炉開発から撤退した。
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