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たんぽぽ舎です。【TMM:No1509】
2012年7月7日(土) 地震と原発事故情報-5つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.雨の中、7月6日(金)官邸前抗議行動に15万人(主催者発表)
警察の規制がキビシク、長い列はテントひろば前まで……
次回、13日(金)大飯原発3号機を停止せよ-官邸前抗議行動へ
柳田 真(たんぽぽ舎)
★2.原子力ムラの犯罪を振り返る ≪中≫
原子力の現場で違法行為かずかず
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★3.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
☆7/14広域がれきの根拠なし-青山貞一さん講演会-
それでも都は燃やし続けるの?
★4.新聞・雑誌より
☆官邸前デモ空撮 カンパに860万円 広がる再稼働反対の輪
★5.<テント日誌7/3(火)―経産省前テントひろば 297日目>
卑劣な保安院~意見聴取会顛末~
━━━━━━━
┏┓
┗■1.雨の中、7月6日(金)官邸前抗議行動に15万人(主催者発表)
| 警察の規制がキビシク、長い列はテントひろば前まで…
| 次回、13日(金)大飯原発3号機を停止せよ-官邸前抗議行動へ
└──── 柳田 真(たんぽぽ舎)
7月6日(金)、大飯原発再稼働を停止せよ!首相官邸前抗議行動が取り組まれ
ました。たんぽぽ舎も広く呼びかけて全力で参加しました。行動終了後に、20人
弱がテントひろば近くの店で、今日の感想や総括を話し合いました。その要旨。
Aさん.雨にも関わらず多数の人が参加した。直感で先週と参加人数は同じ位で
はないか。
Bさん.警察官の規制はひどかった。あの規制-誘導とは闘うべき。
Cさん.列の後の方では、音がなく、お通夜的になっていた。私が小型のマイク
で再稼働反対と呼びかけると元気に唱和がかえってきた。
Dさん.野田政権を変えたい(やめさせたい)、また官邸前へ行こうと思う。(自
作のプラカードを持参)
Eさん.しっぽの方でシュプレヒコールができるようにマイクなどをもっと用意
すべきだ。
Fさん.今日初めて参加した。たんぽぽ舎のビラまきも手伝った。私にできるこ
とは何だろうかと考えている。
Gさん.みにくい警察の規制があり、怒っている。地下鉄から出るときも苦労し
た。官邸前抗議行動なのに官邸から遠く離れた道に押し込められてしまい「先週
の高揚感」とはすこし違った。
Hさん.前の方で何か混乱があったようだが主催者が自主規制したのは良かった。
Iさん.たんぽぽ舎は5班に分かれて活動したので(一部は交通整理要員)、今日
の全体像がよくみえない。わかる人は説明して欲しい。
Jさん.全体図の説明、YTさんが書いた「国会周辺地図と建物の図」を基に、
今日の全体像を説明。官邸前は、車道まで全部、人の波で埋め尽くされた(前回
と同じ)。たんぽぽ舎が担当した最後列の整理=財務省横の坂道(その先は経産省
前テントひろば)は、19時30分頃、車道開放してもなお人数は増えて、長く伸び
て「もうちょっとで」テントひろばへ到着する長い列となった。なお、19時30分
位から、帰る人がかなりの数に上った。
要約…
1.雨にも関わらず、参加人数は減っていない。
2.再稼働への怒りと運動は広がっている。あきらめていない(民意)
3.シュプレヒコールは、「再稼働やめろ」が多く、「野田やめろ」コールは前
回より少ないと感じた。
4.警察官の規制はひどかった。官邸前抗議が、官邸からはるか離れた地での抗
議になってしまった人が増えた。(途中帰った人が増えた要因かも)
-------------------------------------------------------------
なお、たんぽぽ舎は、20時以降、5ヵ所で原発やめよ学習会・講座のビラ5000
枚をほぼ配布し、合わせて再稼働やめよ抗議ハガキの普及(約50組=300枚、累計
15000枚)に取り組めた。一定の成果。
┏┓
┗■2.原子力ムラの犯罪を振り返る≪中≫
| 原子力の現場で違法行為かずかず
└──── (山崎久隆)
原発の黎明期には多くの事故が発生し、そのたびに長期停止を余儀なくされて
きた。最初に動いた敦賀原発(日本原電)は80年に放射性廃液を垂れ流す事故
を起こし、美浜1号(関電)は燃料が破損して炉内に散乱する事故を起こし、福
島第一(東電)は1~3号共に応力腐食割れなどの腐食と劣化により長期間にわ
たる交換・補修・改造工事を余儀なくされていた。
今の原発の技術水準は、その当時から見てさえも悪化している。運転継続を最
優先し、安全性確保は外部団体や機関(原子力技術基盤整備機構や電力中央研究
所)やメーカーに丸投げ、その結果電力会社には安全性確保の技術が蓄積せず、
外部機関は実機の運転実績がないために机上の空論が積み重なるという結果にな
った。
その結果、現場ではいわゆる「偽装」が横行する。定期検査において合格基準
に達しなくても保安検査官を騙し定期検査合格証を取得すれば原発を運転できる
ので、そのためのテクニックが「知見」となって積み上がる。福島第一原発3号
機では、格納容器の漏えい率検査(一定時間に基準値以下の漏えい率を達成する
ことにより、格納容器の密封度を確認する検査)をごまかすために、圧搾空気を
別系統から押し込んで、検査官を騙した。91年から92年にかけてのことだ。
検査官はゲージを見ているだけなので、複雑な原発内部でそんな偽装工作をさ
れては、見抜くことなど出来なかった。漏えい率が基準を満たさなければ、当然
原子炉の運転は出来ない。違法な原発がこうして動いていた。
1999年9月30日、原子力開発史上最悪の「JCO臨界被曝事故」が起き
る。ほとんど素人同然の核燃料加工会社に対して当時の動力炉・核燃料開発事業
団が臨界事故を起こす危険性を知りながら溶液状の高濃縮ウランを取り扱わせて
引き起こした。
従業員2名が大量の中性子線を浴びて死亡、住民667名を含む被ばく者を出
した。
だが、これでも国は反省などしなかった。度重なる不祥事を全く見抜けなかっ
た原子力推進体制を見直すどころか、2001年に「原子力安全・保安院」を経
産省に作り、推進機関に規制機関と、まさに焼け太りで組織拡大を行った。
美浜原発3号機で2004年に起きた二次系配管の破断に伴う蒸気突出事故は、
さらに悲惨な結果を招いた。11名が死傷し、原発事故としては最大の犠牲を出
したのは、運転以来全く肉厚の検査をしていなかった二次系の給水配管の破断だ
った。
二次系なので原則として放射能は含まない。そうなると点検は徹底的にサボる。
やらないのだから安全性の確保どころでは無い。
このような装置類はいくらでもある。電力会社は、原発の運転はできるがメン
テナンスや対処能力は全くないことを露呈した。東電でも2002年から続々と
不祥事が発覚し、2003年には全原発17基が止まることになる。
安全確保のために設置された保安院が、実際には原発推進の隠れ蓑であること
は、誰の目にも明らかだった。そのトップは原子力に素人だったことも分かって
いる。官僚組織の一通過ポストに過ぎなかった。多くの人にとっては「騙された」
という気分かもしれないが、それはとうに分かっていたことだった。
(次号以降、≪下≫につづく)
┏┓
┗■3.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
└────
☆広域がれきの根拠なし-青山貞一さん講演会-
それでも都は燃やし続けるの?
7月14日(土)18:20開場 18:30~20:30 (100名定員)
岸町ふれあい館3階第5集会室(1階奥にエレベーターあります)
・JR京浜東北線・地下鉄南北線「王子駅」下車北口徒歩5分
・東京都北区岸町1-6-17 TEL 03-3909-0711
※青山貞一さんプロフィール
1946年愛知県生まれ。70年電気通信大学電気通信学部卒業。アジア経済研究所
を経て86環境総合研究所を設立、代表取締役に就任。現在は、顧問。東京都市大
学名誉教授。著書に『ダイオキシン汚染』、共著に『審議会革命』など。
主 催:ストップ!放射能汚染がれき首都圏ネットワーク
参加費:¥800(資料代含む)¥500(学生・失業者・障がい者)
連絡先:080-3013-3618 090-3248-7397
ブログ:http://shutokennw.jyugem.jp
┏┓
┗■4.新聞・雑誌より
| ☆官邸前デモ空撮 カンパに860万 広がる再稼働反対の輪
└────
関西電力大飯原発3,4号機(福井県おおい町)の再稼働撤回を求め、6月29
日夜に首相官邸前(東京都千代田区)であったデモをめぐり、市民有志が撮影用
ヘリを借り切った費用のカンパを呼び掛けたところ、今月5日までで約860万円
が寄せられた。主催者は「再稼働撤回の弾みにしたい」としている。
呼び掛けたのは「正しい報道ヘリの会」。毎週金曜日に行われる巨大デモの全
体像を市民に伝えようと、作家の広瀬隆さんやフリージャーナリストらが設立し
た。(中略)
空撮の実費は約105万円だったため、残りの500万円は福島県民が6月11日に
東京電力役員らを福島地検に刑事告訴した「福島原発告訴団」にカンパした。さ
らに今月16日に東京・代々木公園で開かれる「さようなら原発10万人集会」でも
ヘリ撮影を行い、その費用に充てる予定。
広瀬さんは「集まったお金は想像もできなかった金額。カンパしてくれた人に
感謝したい」と話した。(7/6東京新聞より抜粋)
┏┓
┗■5.<テント日誌7/3(火)―経産省前テントひろば 297日目>
│ 卑劣な保安院~意見聴取会顛末~
└────
7月3日(火) 曇り時々雨
朝、散歩からテントへ戻ってくると、群馬からO君が来ていてテントの前で話
していた。彼は時々群馬からテントにやってくる。17日には福井へのバスツア
ーにも参加していた。先日29日の官邸前行動にも来ていたという。最前線の方
にいたらしく、終了時の様子をめぐっていろいろ意見を言った。意外に波紋を広
げていることを知る。ともかく今週金曜日、さらに大規模となるように頑張ろう
と言って別れた。
午後、保安院の意見聴取会があり、傍聴を申し込んでいたので別館前へ。どう
やら今日は傍聴者締め出しで別室傍聴となるらしい。1月18日以来、この形が
乱発されているように思える。事前のアピール行動に続いて傍聴に入るが、始ま
ってすぐ驚かされた。
実は今日の最重要事項である大飯原発直下の破砕帯の問題が今日の検討事項か
ら外れているのだ。資料もない。どうも関電が資料提出をネグレクトしているよ
うだが、関電としては野田政権と保安院の足元を見すえての対応なのだろう。
破砕帯が活断層なら、現行法でもその上に原発はあってはならないというほど
の問題でありながら、すでに再稼働に踏み切っていてのこののんびりさは本当に
原子力ムラの酷さに驚く。委員の中からも強い語気での批判が上がっていたが、
もうモニターでの傍聴をする気にもなれず引き上げる。
後ほど送られてきたメールでさらに驚かされる。保安院はいつも傍聴申し込み
者リストを警察に見せていて、その警察の助言で傍聴者締め出しにするかどうか
を判断しているというのである。そこまでヤルのか!!
夜はテント内で運営会議。おおい現地行動バスツアーの報告と、7/6官邸前
行動、7/7七夕アクション、7/1610万人集会への取り組みを確認。
★7/6(金)「大飯原発3号機を停止せよ!」 官邸前行動18時~20時
★7/7(土)七夕アクション 17時 テントひろば
2012年7月7日(土) 地震と原発事故情報-5つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.雨の中、7月6日(金)官邸前抗議行動に15万人(主催者発表)
警察の規制がキビシク、長い列はテントひろば前まで……
次回、13日(金)大飯原発3号機を停止せよ-官邸前抗議行動へ
柳田 真(たんぽぽ舎)
★2.原子力ムラの犯罪を振り返る ≪中≫
原子力の現場で違法行為かずかず
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★3.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
☆7/14広域がれきの根拠なし-青山貞一さん講演会-
それでも都は燃やし続けるの?
★4.新聞・雑誌より
☆官邸前デモ空撮 カンパに860万円 広がる再稼働反対の輪
★5.<テント日誌7/3(火)―経産省前テントひろば 297日目>
卑劣な保安院~意見聴取会顛末~
━━━━━━━
┏┓
┗■1.雨の中、7月6日(金)官邸前抗議行動に15万人(主催者発表)
| 警察の規制がキビシク、長い列はテントひろば前まで…
| 次回、13日(金)大飯原発3号機を停止せよ-官邸前抗議行動へ
└──── 柳田 真(たんぽぽ舎)
7月6日(金)、大飯原発再稼働を停止せよ!首相官邸前抗議行動が取り組まれ
ました。たんぽぽ舎も広く呼びかけて全力で参加しました。行動終了後に、20人
弱がテントひろば近くの店で、今日の感想や総括を話し合いました。その要旨。
Aさん.雨にも関わらず多数の人が参加した。直感で先週と参加人数は同じ位で
はないか。
Bさん.警察官の規制はひどかった。あの規制-誘導とは闘うべき。
Cさん.列の後の方では、音がなく、お通夜的になっていた。私が小型のマイク
で再稼働反対と呼びかけると元気に唱和がかえってきた。
Dさん.野田政権を変えたい(やめさせたい)、また官邸前へ行こうと思う。(自
作のプラカードを持参)
Eさん.しっぽの方でシュプレヒコールができるようにマイクなどをもっと用意
すべきだ。
Fさん.今日初めて参加した。たんぽぽ舎のビラまきも手伝った。私にできるこ
とは何だろうかと考えている。
Gさん.みにくい警察の規制があり、怒っている。地下鉄から出るときも苦労し
た。官邸前抗議行動なのに官邸から遠く離れた道に押し込められてしまい「先週
の高揚感」とはすこし違った。
Hさん.前の方で何か混乱があったようだが主催者が自主規制したのは良かった。
Iさん.たんぽぽ舎は5班に分かれて活動したので(一部は交通整理要員)、今日
の全体像がよくみえない。わかる人は説明して欲しい。
Jさん.全体図の説明、YTさんが書いた「国会周辺地図と建物の図」を基に、
今日の全体像を説明。官邸前は、車道まで全部、人の波で埋め尽くされた(前回
と同じ)。たんぽぽ舎が担当した最後列の整理=財務省横の坂道(その先は経産省
前テントひろば)は、19時30分頃、車道開放してもなお人数は増えて、長く伸び
て「もうちょっとで」テントひろばへ到着する長い列となった。なお、19時30分
位から、帰る人がかなりの数に上った。
要約…
1.雨にも関わらず、参加人数は減っていない。
2.再稼働への怒りと運動は広がっている。あきらめていない(民意)
3.シュプレヒコールは、「再稼働やめろ」が多く、「野田やめろ」コールは前
回より少ないと感じた。
4.警察官の規制はひどかった。官邸前抗議が、官邸からはるか離れた地での抗
議になってしまった人が増えた。(途中帰った人が増えた要因かも)
-------------------------------------------------------------
なお、たんぽぽ舎は、20時以降、5ヵ所で原発やめよ学習会・講座のビラ5000
枚をほぼ配布し、合わせて再稼働やめよ抗議ハガキの普及(約50組=300枚、累計
15000枚)に取り組めた。一定の成果。
┏┓
┗■2.原子力ムラの犯罪を振り返る≪中≫
| 原子力の現場で違法行為かずかず
└──── (山崎久隆)
原発の黎明期には多くの事故が発生し、そのたびに長期停止を余儀なくされて
きた。最初に動いた敦賀原発(日本原電)は80年に放射性廃液を垂れ流す事故
を起こし、美浜1号(関電)は燃料が破損して炉内に散乱する事故を起こし、福
島第一(東電)は1~3号共に応力腐食割れなどの腐食と劣化により長期間にわ
たる交換・補修・改造工事を余儀なくされていた。
今の原発の技術水準は、その当時から見てさえも悪化している。運転継続を最
優先し、安全性確保は外部団体や機関(原子力技術基盤整備機構や電力中央研究
所)やメーカーに丸投げ、その結果電力会社には安全性確保の技術が蓄積せず、
外部機関は実機の運転実績がないために机上の空論が積み重なるという結果にな
った。
その結果、現場ではいわゆる「偽装」が横行する。定期検査において合格基準
に達しなくても保安検査官を騙し定期検査合格証を取得すれば原発を運転できる
ので、そのためのテクニックが「知見」となって積み上がる。福島第一原発3号
機では、格納容器の漏えい率検査(一定時間に基準値以下の漏えい率を達成する
ことにより、格納容器の密封度を確認する検査)をごまかすために、圧搾空気を
別系統から押し込んで、検査官を騙した。91年から92年にかけてのことだ。
検査官はゲージを見ているだけなので、複雑な原発内部でそんな偽装工作をさ
れては、見抜くことなど出来なかった。漏えい率が基準を満たさなければ、当然
原子炉の運転は出来ない。違法な原発がこうして動いていた。
1999年9月30日、原子力開発史上最悪の「JCO臨界被曝事故」が起き
る。ほとんど素人同然の核燃料加工会社に対して当時の動力炉・核燃料開発事業
団が臨界事故を起こす危険性を知りながら溶液状の高濃縮ウランを取り扱わせて
引き起こした。
従業員2名が大量の中性子線を浴びて死亡、住民667名を含む被ばく者を出
した。
だが、これでも国は反省などしなかった。度重なる不祥事を全く見抜けなかっ
た原子力推進体制を見直すどころか、2001年に「原子力安全・保安院」を経
産省に作り、推進機関に規制機関と、まさに焼け太りで組織拡大を行った。
美浜原発3号機で2004年に起きた二次系配管の破断に伴う蒸気突出事故は、
さらに悲惨な結果を招いた。11名が死傷し、原発事故としては最大の犠牲を出
したのは、運転以来全く肉厚の検査をしていなかった二次系の給水配管の破断だ
った。
二次系なので原則として放射能は含まない。そうなると点検は徹底的にサボる。
やらないのだから安全性の確保どころでは無い。
このような装置類はいくらでもある。電力会社は、原発の運転はできるがメン
テナンスや対処能力は全くないことを露呈した。東電でも2002年から続々と
不祥事が発覚し、2003年には全原発17基が止まることになる。
安全確保のために設置された保安院が、実際には原発推進の隠れ蓑であること
は、誰の目にも明らかだった。そのトップは原子力に素人だったことも分かって
いる。官僚組織の一通過ポストに過ぎなかった。多くの人にとっては「騙された」
という気分かもしれないが、それはとうに分かっていたことだった。
(次号以降、≪下≫につづく)
┏┓
┗■3.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
└────
☆広域がれきの根拠なし-青山貞一さん講演会-
それでも都は燃やし続けるの?
7月14日(土)18:20開場 18:30~20:30 (100名定員)
岸町ふれあい館3階第5集会室(1階奥にエレベーターあります)
・JR京浜東北線・地下鉄南北線「王子駅」下車北口徒歩5分
・東京都北区岸町1-6-17 TEL 03-3909-0711
※青山貞一さんプロフィール
1946年愛知県生まれ。70年電気通信大学電気通信学部卒業。アジア経済研究所
を経て86環境総合研究所を設立、代表取締役に就任。現在は、顧問。東京都市大
学名誉教授。著書に『ダイオキシン汚染』、共著に『審議会革命』など。
主 催:ストップ!放射能汚染がれき首都圏ネットワーク
参加費:¥800(資料代含む)¥500(学生・失業者・障がい者)
連絡先:080-3013-3618 090-3248-7397
ブログ:http://shutokennw.jyugem.jp
┏┓
┗■4.新聞・雑誌より
| ☆官邸前デモ空撮 カンパに860万 広がる再稼働反対の輪
└────
関西電力大飯原発3,4号機(福井県おおい町)の再稼働撤回を求め、6月29
日夜に首相官邸前(東京都千代田区)であったデモをめぐり、市民有志が撮影用
ヘリを借り切った費用のカンパを呼び掛けたところ、今月5日までで約860万円
が寄せられた。主催者は「再稼働撤回の弾みにしたい」としている。
呼び掛けたのは「正しい報道ヘリの会」。毎週金曜日に行われる巨大デモの全
体像を市民に伝えようと、作家の広瀬隆さんやフリージャーナリストらが設立し
た。(中略)
空撮の実費は約105万円だったため、残りの500万円は福島県民が6月11日に
東京電力役員らを福島地検に刑事告訴した「福島原発告訴団」にカンパした。さ
らに今月16日に東京・代々木公園で開かれる「さようなら原発10万人集会」でも
ヘリ撮影を行い、その費用に充てる予定。
広瀬さんは「集まったお金は想像もできなかった金額。カンパしてくれた人に
感謝したい」と話した。(7/6東京新聞より抜粋)
┏┓
┗■5.<テント日誌7/3(火)―経産省前テントひろば 297日目>
│ 卑劣な保安院~意見聴取会顛末~
└────
7月3日(火) 曇り時々雨
朝、散歩からテントへ戻ってくると、群馬からO君が来ていてテントの前で話
していた。彼は時々群馬からテントにやってくる。17日には福井へのバスツア
ーにも参加していた。先日29日の官邸前行動にも来ていたという。最前線の方
にいたらしく、終了時の様子をめぐっていろいろ意見を言った。意外に波紋を広
げていることを知る。ともかく今週金曜日、さらに大規模となるように頑張ろう
と言って別れた。
午後、保安院の意見聴取会があり、傍聴を申し込んでいたので別館前へ。どう
やら今日は傍聴者締め出しで別室傍聴となるらしい。1月18日以来、この形が
乱発されているように思える。事前のアピール行動に続いて傍聴に入るが、始ま
ってすぐ驚かされた。
実は今日の最重要事項である大飯原発直下の破砕帯の問題が今日の検討事項か
ら外れているのだ。資料もない。どうも関電が資料提出をネグレクトしているよ
うだが、関電としては野田政権と保安院の足元を見すえての対応なのだろう。
破砕帯が活断層なら、現行法でもその上に原発はあってはならないというほど
の問題でありながら、すでに再稼働に踏み切っていてのこののんびりさは本当に
原子力ムラの酷さに驚く。委員の中からも強い語気での批判が上がっていたが、
もうモニターでの傍聴をする気にもなれず引き上げる。
後ほど送られてきたメールでさらに驚かされる。保安院はいつも傍聴申し込み
者リストを警察に見せていて、その警察の助言で傍聴者締め出しにするかどうか
を判断しているというのである。そこまでヤルのか!!
夜はテント内で運営会議。おおい現地行動バスツアーの報告と、7/6官邸前
行動、7/7七夕アクション、7/1610万人集会への取り組みを確認。
★7/6(金)「大飯原発3号機を停止せよ!」 官邸前行動18時~20時
★7/7(土)七夕アクション 17時 テントひろば
PR
たんぽぽ舎です。【TMM:No1508】
2012年7月6日(金) 地震と原発事故情報-5つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.7月9日 第3回 たんぽぽ舎福島勉強会(槌田ゼミ)のお知らせ
「隠ぺいされた福島原発事故 - 2号機についてくわしく」
★2.原子力ムラの犯罪を振り返る≪上≫
規制の指針もない-組織もない-人材もない・・・これでどうして
原子力を使い続けられるのか?(山崎久隆)
★3.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
◇原発再稼働を許さないぞ!大宮からも 枝野はエダNO!!
7月8日(日) 14:00集合、JR大宮駅東口(南)交番近く
◇鎌仲監督の『内部被ばくを生き抜く』の上映会
7月13日☆宮古上映会、7月14日☆岩泉上映会
★4.国会事故調報告書、地震で損傷の可能性
-「人災」と断定 -規制側の保安院、東電と立場逆転
(7月6日 東京新聞より)
★5.<テント日誌7/2(月)――経産省前テントひろば 296日目>
歴史的な大飯原発前でのバリケード・座り込み闘争を共有化しよう!
7/6(金)官邸前行動を空前の規模で、29日を上回るオキュパイを!
( Y・T )
━━━━━━━
◆7/7(土)七夕の経産省前テントひろば夕涼みアクション
「原発再稼働への怒り 天の川 キャンドルナイト」
17時~18時 経産省前テントひろば 夕涼みアクション・アピールと歌
カンショ踊り・団扇プラカードコンテスト
18時~19時 カンショ踊り流しで首相官邸前へ
・短冊アピール…笹竹を受け取ってもらおう!
・ノダグダ…野田首相にこれだけは言っておきたい。
19時半~21時 第2テントでドキュメント映画上映会
お問い合わせは経産省前テントひろばまで(tentohiroba@gmail.com)
━━━━━━━
┏┓
┗■1.第3回 たんぽぽ舎福島勉強会(槌田ゼミ)のお知らせ
│ 「隠ぺいされた福島原発事故 - 2号機についてくわしく」
└────
日時 7月9日(月)開場18:30、開会19:00~21:00
講師 槌田敦さん
会場 スペースたんぽぽ(千代田区三崎町2-6-2 ダイナミックビル4階)
参加費 800円
人々の味方のふりをしたマスコミ報道に惑わされ、支配者階級の願望を既成
事実として容認してしまう日本社会の現状に、槌田敦さんは「とんでもない
世の中になっている」と強い警告を発しています。私たちは、世論誘導のた
めのウソ情報を見破り、本質を突いた反原発運動を構築する力量をつけなけ
ればなりません。
たんぽぽ舎では、真実を見抜く力が抜群の槌田敦さんを中心に毎月1~2回、
継続的に勉強会を開催します。
今回(7月9日)は、福島第一・2号機で何が起こったのか、何が隠されてい
るのか、詳しく検証します。環境に放出された放射能のほとんどは2号機か
らのものです。住民を被曝させ、全国に放射能をまき散らした2号機問題を
学習し、運動に生かしましょう。ふるってご参加ください。
┏┓
┗■2.原子力ムラの犯罪を振り返る≪上≫
│ 規制の指針もない-組織もない-人材もない・・・これでどうして
│ 原子力を使い続けられるのか?
└────(山崎久隆)
懲りない面々 -- 総合エネルギー調査会のおかしなおかしな数字
総合エネルギー調査会は「エネルギーミックスの選択肢の原案」を何度かに
分けて公表した。2030年の発電設備割合として原発を0%、15%、
20~25%、35%が提示されている。(35%は「選択肢」から外され
「参考」とされた)いまさら「35%」とは一体何事かと思うのだが、もはや
自民党さえも不可能としている「新規増設」が含まれた数字だ。
20~25%というのも、新規立地こそしないものの、既に着工している原
発などは稼働させ、現存する原発を機械的に40年間稼働させる前提で計算さ
れたものであり、現実的にはあり得ない想定だ。
15%になるとようやく「脱原発依存」めいた割合になるが、その下がはす
ぐ0%になるので、全体で、あたかも0%が極端な例の印象を持たせる効果が
ある。なお15%とは、全50基の原発のうち、運転年数が30年に達しない
原発を動かし続け徐々に減らすことを想定している。
原発を使い続ける前提であるとしても、本来ならばこの15%が最大で、0、
5、10、15とした割合が妥当な並びだろう。実際には国民世論の動向や現
在の安全性確保能力を考えても、0%以外の選択肢はあり得ない。2030年とは
今から20年近くも先の未来だ。そんな時代でさえ原発が基幹電源であることな
ど不可能だ。
現実を直視しよう
「原発が必要」と国がいくら主張しても、原発が危険であれば使えない。当
たり前なのだが、国も地元も本当には分かっていない。あげくに原発の安全性
は誰が責任を持って決定するのかさえ決まっていない。安全性は誰が検証でき
るのか。政治家ではないことは確かだ。信じる人はいない。まして責任を取る
ことができると思う人もいない。野田首相であろうと誰であろうと、首相を辞
任したり議員を辞職したりしても追いつくわけがない。
では、原子力安全委員会だろうか。
この組織は、今年3月末で消滅したはずであり、その後を引き継ぐのは原子
力規制委員会とされているが、それがまだ発足さえしていない現在では「死に
体」だ。原子力安全・保安院も同様に規制庁に吸収されることになっており、
本当は存在しない。その保安院などがストレステストにお墨付きを与えても、
実際には何の保証にもならないことはみんな気づいている。
では、原子力規制庁ならば原発の安全性を保証できるというのか。
斑目春樹安全委委員長は「安全性を確認する指針に瑕疵があった」と国会事
故調査委員会の場で認めている。原子力発電所が安全であるかを調査審議する
ためにある指針が間違っているのだから、新しくできる規制庁は、まず指針類
の無効宣告をし、何をよりどころに審査するかを構築し直さねばならない。
現状では、組織もない、規制の指針もない、そして人材もない状態だ。これ
で原子力を使い続けるあてなど見いだせるはずがない。これまで「原発の開発
以前の能力」しか有しない現状だったことを正直に認めることからしか始まら
ない。
(次号以降、≪中≫につづく)
┏┓
┗■3.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
└────
◇原発再稼働を許さないぞ!大宮からも 枝野はエダNO!!
とき :7月8日(日) 14:00集合 (14:30出発)
ところ:JR大宮駅東口(南) 交番近く
「ただちに影響はないが、念のために避難していただく」、スピーディに
よる放射能拡散予測を隠し、国民を無用に被曝させたばかりか、地球規模の
放射能汚染をさせた、この責任は万死に値します。
私たちは未来を守るために、エダNOを突きつけましょう!
・原発と関係のない特定の団体や、デモの主旨と異なるテーマに関するのぼり
や旗プラカード・チラシ・宗教団体の機関紙配布等はご遠慮下さい。
・7月22日に、船橋の野田はNOだ!と、同日デモを予定しています。
主催: 「原発さよならエダNOデモ実行委員会」
詳細:http://datugenpatusaitama.blog.fc2.com/
◇福島・二本松の佐々木さん一家が登場する鎌仲監督の『内部被ばくを生き
抜く』の上映会を開催します。宮古で活動しているママさんグループ
(子育てを楽しむ会)に便乗して、岩泉の上映会もする事にしました。
☆宮古上映会 7月13日(金) 10時から13時 場所:山口公民館 和室
参加料:300円(お茶・お菓子付) 上映終了後、茶話会あります。
主催:子育てを楽しむ会 問い合わせ:古館090-7067-8489
☆岩泉上映会 7月14日(土)1回目14時から15時半 2回目18時から19時半
場所:岩泉・うれいら商店街内「あっけら館」
資料代・場所代として300円、上映終了後、懇親会あります。
主催:岩泉上映実行委員会
問い合わせ:穴田0194-22-4858(モーとんふぁみりー)
┏┓
┗■4.国会事故調報告書、地震で損傷の可能性
│ -「人災」と断定 -規制側の保安院、東電と立場逆転
└────(7月6日 東京新聞より)
東京電力福島第一原発事故の原因や背景を調べている国会の事故調査委員会
は5日、調査報告書を発表した。最悪レベルの事故が起きた直接の原因につ
いて、地震で重要な機器が壊れた可能性を指摘。原因は「想定外」の大津波
だとする東電や政府と異なる見解を示した。
官邸過剰介入で混乱
--黒川清委員長は同日、横路孝弘衆議院長、平田健二参議院長に報告書を提
出。全文はインターネット上にも公表された。
報告書は最初の揺れで原子炉が緊急停止後に最大の揺れがあったことなどを
根拠に、「安全上重要な機器の地震による損害がないとは確定的には言えない
」と指摘。特に1号機では、原子炉内の高圧蒸気を格納容器内に逃す装置が動
かなかった可能性があるとして、配管に開いた小さな穴から時間をかけ冷却水
が漏れた可能性を否定できないと結論付けた。(後略)
人災断定、当然だ。福島県民「東電誠意ない」
--今も約16万人が避難したままの福島県。自宅を追われた県民や自治体の
首長は5日、「明らかに人災」と指摘した国会事故調査委員会の結論に「当
然」と口をそろえ、東電の対応を「誠意がない」と批判した。(中略)
避難所の自治会長を務める堀川光男さん(56)は報告書について「被災者の感
情を踏まえている印象を持った」と話す一方、政府や東電に「地元に帰れない
悩みを抱えていることを本当に理解しているのか。もっと寄り添った対応をし
てほしい」と求めた。(中略)
双葉町の家のローンを抱えたまま。「東電も人災であることを認め、被害者
に対し、個々の事情に合わせて早く賠償してほしい」と訴えた。
┏┓
┗■5.<テント日誌7/2(月)――経産省前テントひろば 296日目>
│ 歴史的な大飯原発前でのバリケード・座り込み闘争を共有化しよう!
│ 7/6(金)官邸前行動を空前の規模で、29日を上回るオキュパイを!
└────( Y・T )
7月2日(月) 曇り 後 晴れ
大飯行きの疲れも取れないまま、午前中に溜まっていた日誌を書いて発信し
た後、昼過ぎにテントに出かける。テントはいつもの面々が集いながらゆった
りとした時間が漂っていた。
話題は大飯原発前での闘い、大飯原発を封鎖した若い人達のバリケード闘争
で持ちきりだった。私たちの想像をも超えた若者達のエネルギーと創意は、先
日の15万人の官邸前行動の興奮をも後景に追いやっていく程の衝撃であった。
それはきっと反原発闘争の新しいページを開く、画歴史的な闘いであったに違
いない。
それにしても、先日の巨大な官邸前行動の中で感じていた若いスタッフたち
の秩序感覚と、大飯現地でのバリケードとそこでの直接行動にある若者達との
落差に、困惑を感じていたことも事実であった。官邸前を埋め尽くしていた
人々にとって、とりわけ若いスタッフたちにとって、大飯現地でのあの闘いは
どのように映り、どのような響きを生んでいたのだろうか。
その落差を埋め、答えを見出していくには、ともかく再稼働後のはじめての
行動となる今週の金曜日にさらなる数の力を創り出すこと、その数の力でもっ
て官邸前から国会周辺、さらに霞ヶ関へと埋め尽くし、あの国会通りを解放区
=広場のようにした人々の意志表現を、「大飯原発再稼働反対・3号機即時停
止!野田ヤメロ!」のより自覚的で強固なオキュパイにしていくことの中でし
かありえない。巨大性の中で、私たちが「イベントの客」としてではなく協同
の主体として、共感を生んでいく創意ある行動・磁場を創り出していくことが
求められているのだろうか・・・。
ともかく、7/6(金)は空前の規模の官邸前行動を実現しよう。そして終
了後には経産省、保安院に対する行動や、テント前での大交流会をおこなおう。
(大飯原発の破砕帯の即刻調査を求める対保安院行動は重要だ。)
午後6時頃、バスツアーで居残って大飯原発前の行動に最後まで参加してい
たEさんが戻ってきた。当時の様子を再度詳しく聞く。とくに昨日の日誌にも
ある、漁師のFさんの話に感銘を覚え、勇気づけられる。おおいに確実に新
たな主体と闘いが芽生え始めていることを実感する。
尚、昨日書かれていなかったことで重要な点を一つ付け加えておきたい。そ
れは再起動のスイッチオンに立ち会う牧野経産副大臣が、関電社長ともども船
で海からの入構、いわば裏口入構を余儀なくされたことである。午後4時頃、
最初に入った情報は、牧野はオフサイトセンターに入り、そこからスイッチオ
ンするということであった。30分ほど後には、野田官邸はあくまで正規ルー
トの入構=正面突破を方針としたという情報が伝えられる。そして最後には、
結局のところ船で海から入構ということが伝えられたのであった。
大飯原発前でのバリケードと座り込みは官邸の方針を阻み、変更を余儀なく
させた。さらに強力な闘いは、再稼働という方針を阻み、変更を余儀なくさせ
るだろう。それに向けて前進しよう。( Y・T )
2012年7月6日(金) 地震と原発事故情報-5つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.7月9日 第3回 たんぽぽ舎福島勉強会(槌田ゼミ)のお知らせ
「隠ぺいされた福島原発事故 - 2号機についてくわしく」
★2.原子力ムラの犯罪を振り返る≪上≫
規制の指針もない-組織もない-人材もない・・・これでどうして
原子力を使い続けられるのか?(山崎久隆)
★3.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
◇原発再稼働を許さないぞ!大宮からも 枝野はエダNO!!
7月8日(日) 14:00集合、JR大宮駅東口(南)交番近く
◇鎌仲監督の『内部被ばくを生き抜く』の上映会
7月13日☆宮古上映会、7月14日☆岩泉上映会
★4.国会事故調報告書、地震で損傷の可能性
-「人災」と断定 -規制側の保安院、東電と立場逆転
(7月6日 東京新聞より)
★5.<テント日誌7/2(月)――経産省前テントひろば 296日目>
歴史的な大飯原発前でのバリケード・座り込み闘争を共有化しよう!
7/6(金)官邸前行動を空前の規模で、29日を上回るオキュパイを!
( Y・T )
━━━━━━━
◆7/7(土)七夕の経産省前テントひろば夕涼みアクション
「原発再稼働への怒り 天の川 キャンドルナイト」
17時~18時 経産省前テントひろば 夕涼みアクション・アピールと歌
カンショ踊り・団扇プラカードコンテスト
18時~19時 カンショ踊り流しで首相官邸前へ
・短冊アピール…笹竹を受け取ってもらおう!
・ノダグダ…野田首相にこれだけは言っておきたい。
19時半~21時 第2テントでドキュメント映画上映会
お問い合わせは経産省前テントひろばまで(tentohiroba@gmail.com)
━━━━━━━
┏┓
┗■1.第3回 たんぽぽ舎福島勉強会(槌田ゼミ)のお知らせ
│ 「隠ぺいされた福島原発事故 - 2号機についてくわしく」
└────
日時 7月9日(月)開場18:30、開会19:00~21:00
講師 槌田敦さん
会場 スペースたんぽぽ(千代田区三崎町2-6-2 ダイナミックビル4階)
参加費 800円
人々の味方のふりをしたマスコミ報道に惑わされ、支配者階級の願望を既成
事実として容認してしまう日本社会の現状に、槌田敦さんは「とんでもない
世の中になっている」と強い警告を発しています。私たちは、世論誘導のた
めのウソ情報を見破り、本質を突いた反原発運動を構築する力量をつけなけ
ればなりません。
たんぽぽ舎では、真実を見抜く力が抜群の槌田敦さんを中心に毎月1~2回、
継続的に勉強会を開催します。
今回(7月9日)は、福島第一・2号機で何が起こったのか、何が隠されてい
るのか、詳しく検証します。環境に放出された放射能のほとんどは2号機か
らのものです。住民を被曝させ、全国に放射能をまき散らした2号機問題を
学習し、運動に生かしましょう。ふるってご参加ください。
┏┓
┗■2.原子力ムラの犯罪を振り返る≪上≫
│ 規制の指針もない-組織もない-人材もない・・・これでどうして
│ 原子力を使い続けられるのか?
└────(山崎久隆)
懲りない面々 -- 総合エネルギー調査会のおかしなおかしな数字
総合エネルギー調査会は「エネルギーミックスの選択肢の原案」を何度かに
分けて公表した。2030年の発電設備割合として原発を0%、15%、
20~25%、35%が提示されている。(35%は「選択肢」から外され
「参考」とされた)いまさら「35%」とは一体何事かと思うのだが、もはや
自民党さえも不可能としている「新規増設」が含まれた数字だ。
20~25%というのも、新規立地こそしないものの、既に着工している原
発などは稼働させ、現存する原発を機械的に40年間稼働させる前提で計算さ
れたものであり、現実的にはあり得ない想定だ。
15%になるとようやく「脱原発依存」めいた割合になるが、その下がはす
ぐ0%になるので、全体で、あたかも0%が極端な例の印象を持たせる効果が
ある。なお15%とは、全50基の原発のうち、運転年数が30年に達しない
原発を動かし続け徐々に減らすことを想定している。
原発を使い続ける前提であるとしても、本来ならばこの15%が最大で、0、
5、10、15とした割合が妥当な並びだろう。実際には国民世論の動向や現
在の安全性確保能力を考えても、0%以外の選択肢はあり得ない。2030年とは
今から20年近くも先の未来だ。そんな時代でさえ原発が基幹電源であることな
ど不可能だ。
現実を直視しよう
「原発が必要」と国がいくら主張しても、原発が危険であれば使えない。当
たり前なのだが、国も地元も本当には分かっていない。あげくに原発の安全性
は誰が責任を持って決定するのかさえ決まっていない。安全性は誰が検証でき
るのか。政治家ではないことは確かだ。信じる人はいない。まして責任を取る
ことができると思う人もいない。野田首相であろうと誰であろうと、首相を辞
任したり議員を辞職したりしても追いつくわけがない。
では、原子力安全委員会だろうか。
この組織は、今年3月末で消滅したはずであり、その後を引き継ぐのは原子
力規制委員会とされているが、それがまだ発足さえしていない現在では「死に
体」だ。原子力安全・保安院も同様に規制庁に吸収されることになっており、
本当は存在しない。その保安院などがストレステストにお墨付きを与えても、
実際には何の保証にもならないことはみんな気づいている。
では、原子力規制庁ならば原発の安全性を保証できるというのか。
斑目春樹安全委委員長は「安全性を確認する指針に瑕疵があった」と国会事
故調査委員会の場で認めている。原子力発電所が安全であるかを調査審議する
ためにある指針が間違っているのだから、新しくできる規制庁は、まず指針類
の無効宣告をし、何をよりどころに審査するかを構築し直さねばならない。
現状では、組織もない、規制の指針もない、そして人材もない状態だ。これ
で原子力を使い続けるあてなど見いだせるはずがない。これまで「原発の開発
以前の能力」しか有しない現状だったことを正直に認めることからしか始まら
ない。
(次号以降、≪中≫につづく)
┏┓
┗■3.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
└────
◇原発再稼働を許さないぞ!大宮からも 枝野はエダNO!!
とき :7月8日(日) 14:00集合 (14:30出発)
ところ:JR大宮駅東口(南) 交番近く
「ただちに影響はないが、念のために避難していただく」、スピーディに
よる放射能拡散予測を隠し、国民を無用に被曝させたばかりか、地球規模の
放射能汚染をさせた、この責任は万死に値します。
私たちは未来を守るために、エダNOを突きつけましょう!
・原発と関係のない特定の団体や、デモの主旨と異なるテーマに関するのぼり
や旗プラカード・チラシ・宗教団体の機関紙配布等はご遠慮下さい。
・7月22日に、船橋の野田はNOだ!と、同日デモを予定しています。
主催: 「原発さよならエダNOデモ実行委員会」
詳細:http://datugenpatusaitama.blog.fc2.com/
◇福島・二本松の佐々木さん一家が登場する鎌仲監督の『内部被ばくを生き
抜く』の上映会を開催します。宮古で活動しているママさんグループ
(子育てを楽しむ会)に便乗して、岩泉の上映会もする事にしました。
☆宮古上映会 7月13日(金) 10時から13時 場所:山口公民館 和室
参加料:300円(お茶・お菓子付) 上映終了後、茶話会あります。
主催:子育てを楽しむ会 問い合わせ:古館090-7067-8489
☆岩泉上映会 7月14日(土)1回目14時から15時半 2回目18時から19時半
場所:岩泉・うれいら商店街内「あっけら館」
資料代・場所代として300円、上映終了後、懇親会あります。
主催:岩泉上映実行委員会
問い合わせ:穴田0194-22-4858(モーとんふぁみりー)
┏┓
┗■4.国会事故調報告書、地震で損傷の可能性
│ -「人災」と断定 -規制側の保安院、東電と立場逆転
└────(7月6日 東京新聞より)
東京電力福島第一原発事故の原因や背景を調べている国会の事故調査委員会
は5日、調査報告書を発表した。最悪レベルの事故が起きた直接の原因につ
いて、地震で重要な機器が壊れた可能性を指摘。原因は「想定外」の大津波
だとする東電や政府と異なる見解を示した。
官邸過剰介入で混乱
--黒川清委員長は同日、横路孝弘衆議院長、平田健二参議院長に報告書を提
出。全文はインターネット上にも公表された。
報告書は最初の揺れで原子炉が緊急停止後に最大の揺れがあったことなどを
根拠に、「安全上重要な機器の地震による損害がないとは確定的には言えない
」と指摘。特に1号機では、原子炉内の高圧蒸気を格納容器内に逃す装置が動
かなかった可能性があるとして、配管に開いた小さな穴から時間をかけ冷却水
が漏れた可能性を否定できないと結論付けた。(後略)
人災断定、当然だ。福島県民「東電誠意ない」
--今も約16万人が避難したままの福島県。自宅を追われた県民や自治体の
首長は5日、「明らかに人災」と指摘した国会事故調査委員会の結論に「当
然」と口をそろえ、東電の対応を「誠意がない」と批判した。(中略)
避難所の自治会長を務める堀川光男さん(56)は報告書について「被災者の感
情を踏まえている印象を持った」と話す一方、政府や東電に「地元に帰れない
悩みを抱えていることを本当に理解しているのか。もっと寄り添った対応をし
てほしい」と求めた。(中略)
双葉町の家のローンを抱えたまま。「東電も人災であることを認め、被害者
に対し、個々の事情に合わせて早く賠償してほしい」と訴えた。
┏┓
┗■5.<テント日誌7/2(月)――経産省前テントひろば 296日目>
│ 歴史的な大飯原発前でのバリケード・座り込み闘争を共有化しよう!
│ 7/6(金)官邸前行動を空前の規模で、29日を上回るオキュパイを!
└────( Y・T )
7月2日(月) 曇り 後 晴れ
大飯行きの疲れも取れないまま、午前中に溜まっていた日誌を書いて発信し
た後、昼過ぎにテントに出かける。テントはいつもの面々が集いながらゆった
りとした時間が漂っていた。
話題は大飯原発前での闘い、大飯原発を封鎖した若い人達のバリケード闘争
で持ちきりだった。私たちの想像をも超えた若者達のエネルギーと創意は、先
日の15万人の官邸前行動の興奮をも後景に追いやっていく程の衝撃であった。
それはきっと反原発闘争の新しいページを開く、画歴史的な闘いであったに違
いない。
それにしても、先日の巨大な官邸前行動の中で感じていた若いスタッフたち
の秩序感覚と、大飯現地でのバリケードとそこでの直接行動にある若者達との
落差に、困惑を感じていたことも事実であった。官邸前を埋め尽くしていた
人々にとって、とりわけ若いスタッフたちにとって、大飯現地でのあの闘いは
どのように映り、どのような響きを生んでいたのだろうか。
その落差を埋め、答えを見出していくには、ともかく再稼働後のはじめての
行動となる今週の金曜日にさらなる数の力を創り出すこと、その数の力でもっ
て官邸前から国会周辺、さらに霞ヶ関へと埋め尽くし、あの国会通りを解放区
=広場のようにした人々の意志表現を、「大飯原発再稼働反対・3号機即時停
止!野田ヤメロ!」のより自覚的で強固なオキュパイにしていくことの中でし
かありえない。巨大性の中で、私たちが「イベントの客」としてではなく協同
の主体として、共感を生んでいく創意ある行動・磁場を創り出していくことが
求められているのだろうか・・・。
ともかく、7/6(金)は空前の規模の官邸前行動を実現しよう。そして終
了後には経産省、保安院に対する行動や、テント前での大交流会をおこなおう。
(大飯原発の破砕帯の即刻調査を求める対保安院行動は重要だ。)
午後6時頃、バスツアーで居残って大飯原発前の行動に最後まで参加してい
たEさんが戻ってきた。当時の様子を再度詳しく聞く。とくに昨日の日誌にも
ある、漁師のFさんの話に感銘を覚え、勇気づけられる。おおいに確実に新
たな主体と闘いが芽生え始めていることを実感する。
尚、昨日書かれていなかったことで重要な点を一つ付け加えておきたい。そ
れは再起動のスイッチオンに立ち会う牧野経産副大臣が、関電社長ともども船
で海からの入構、いわば裏口入構を余儀なくされたことである。午後4時頃、
最初に入った情報は、牧野はオフサイトセンターに入り、そこからスイッチオ
ンするということであった。30分ほど後には、野田官邸はあくまで正規ルー
トの入構=正面突破を方針としたという情報が伝えられる。そして最後には、
結局のところ船で海から入構ということが伝えられたのであった。
大飯原発前でのバリケードと座り込みは官邸の方針を阻み、変更を余儀なく
させた。さらに強力な闘いは、再稼働という方針を阻み、変更を余儀なくさせ
るだろう。それに向けて前進しよう。( Y・T )
たんぽぽ舎です。【TMM:No1507】
2012年7月5日(木) 地震と原発事故情報-5つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.「素人の乱」デモの復活を祝す、
原発反対の強靭さと生命力を示した(柳田真)
★2.「再稼働反対!再稼働反対!」鳴りやまないシュプレヒコール
言葉も交わさず醸される共感、“自然発生だから広がる” 西新宿から
4キロ2時間 - 「素人の乱」デモに参加した(7月4日夕刊 毎日新聞)
★3.福島4号機の冷却停止問題、予備ポンプも動かず
多重化された二系統は、1つの装置につながっていた! (7月5日 東京新聞)
★4.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
◇7月7日(土)19:00~21:00 公開学習会「牛久に放射能が降った日」
講師:山崎久隆さん、茨城県・牛久
★5.<7/1の大飯原発前のバリケードの現場から>
- 大飯原発再稼働強行、原発道路完全封鎖33時間のたたかい - (T.E)
━━━━━━━
あす7月6日(金)首相官邸前へみんな集まろう
「再稼働やめよの民意」を何万人の力で首相へ示そう!
午後6時~8時 首相官邸前(霞が関駅、国会議事堂前駅)
たんぽぽ舎スタッフは、たんぽぽ舎へ午後2時集合、3時出発、4時官邸まえ
着で、道案内・整理誘導をおこないます。ご協力ください。
━━━━━━━
7月6日(金)19:00開会、松本道弘の白熱教室~原発の是非をめぐる
『ロジックと詭弁の間』、場所:スペースたんぽぽ、参加費800円
━━━━━━━
┏┓
┗■1.「素人の乱」デモの復活を祝す、
│ 原発反対の強靭さと生命力を示した
└────(柳田真)
「素人の乱」のデモが盛大に7月1日(日)に復活した。心からお祝いしたい。
昨年3.11原発事故後の4月に、杉並で登場した素人の乱のデモは、1万人
を超え、新鮮な驚きと希望を私たちにもたらした。これだけの新しい人々が立
ち上がれば、原発廃止の展望が出ると。原発事故後の大きな希望の灯であった。
スペースたんぽぽの(2011年)6月の開設記念で、素人の乱・松本哉(はじめ)さ
んを呼んで対談したのも記憶に新しい。
ところが、昨年9月の素人の乱・新宿デモに対する警察の大弾圧(12人の不当
逮捕、それまでも素人の乱のデモへの警察の対応は特別にひどかった--5月6月
8月のデモにおいて)で残念ながら、素人の乱のデモの続行が難しくなってい
った。それが、今回、不死鳥のようによみがえった。このことは原発に反対す
る根強い市民のエネルギーがあること、反原発の強じんさを示したと言えよう。
心からお祝いしたい。
┏┓
┗■2.「再稼働反対!再稼働反対!」鳴りやまないシュプレヒコール
│ 言葉も交わさず醸される共感、“自然発生だから広がる”
│ 西新宿から4キロ2時間 - 「素人の乱」デモに参加した
└────(7月4日夕刊 毎日新聞)
関西電力が大飯原発3号機の原子炉を再起動した1日、東京・新宿で
催された「原発やめろ」デモに参加した。日曜日の夕方、あいにくの
雨だったが、西新宿から歌舞伎町まで約4キロを2時間かけて歩くと、
予想外の「発見」があった。
「再稼働反対、再稼働反対!」気に入った曲のフレーズのように、原稿を書
いている今も、耳の奧でシュプレヒコールが鳴りやまない。ドイツ語辞典で調
べると、シュプレヒコールとは、演劇用語で大人数が朗読、朗唱することを指
す。思想家の柄谷行人さん(70)はデモを「動く集会」と解釈したが、「歩く合
唱」と言った方が似合いそうだ。
主催は松本哉さん(37)。自身が営む東京・高円寺の雑貨店の名を使い、「素
人の乱」と名乗り、東日本大震災のあと5回呼びかけてきた。柄谷さんや社会
学者の大沢真幸さん、法政大教授の田中優子さんら9人が賛同人に名を連ねる。
私も趣旨に共鳴したので、取材だが実家で参加することにした。
午後4時、集会場の新宿中央公園に行くと、雨のせいか人は2000人ほどだ。
(主催者発表は8000人)。松本さんがマイクを握る。「世の中全体は”原発な
くせ”なのに、6月8日の会見で野田(佳彦首相)は”原発は国民生活に重要な
電源”と元に戻した。人のこと何も聞いていないんじゃないか?あんな態度さ
れたら怒るでしょ?今回は反原発だけでなく、変なこと言うヤツを引きずり下
ろすため、”ふけんじゃねえ”と民衆の怖さを見せつけてやりましょう!」
松本さんの魅力はリーダー然とせず、一見いいかげんっぽいところだ(中略)
デモ2日前の記者会見でこんなことがあった。6月22日以降、首相官邸前で
盛り上がったデモを「60年安保以来」と評した柄谷さん。「国会だけが議会
じゃない。デモは民衆が議会をやってるんですよ」と言葉に怒気が交じり始め、
つい「我々はー」と、あの世代の口調になってしまったのだが、すぐ我に返っ
て「あの....”素人の乱”といいます」と声を落とし、笑いを誘った。「柄谷
さん、ここは一発ガツーンと」と促されるなど、会見を仕切る若者たちのマス
コット的存在になっているのが微笑ましい。
先頭集団の「暴れたくて仕方ないブロック」の20列目に加わり、大太鼓、
ブラスバンド、おはやしに合わせひたすら「再稼働反対!」と唱える役に徹し
た。始まって20分程見物人の少ないと都庁の辺りでは声もしぼみ、豆電球の目
が光る野田首相人形だけがさみしく宙に舞う。
それでも、私の隣にいた30代の銀縁眼鏡の銀行員風の男性は一人静かに唱え
ている。「デモはデモでしかない」と分かっていても、口に出さずにはいられ
ないというふうだ。気の毒になった私も普通の声で「再稼働反対」とハモった
ら、励まされたのか彼は少し声量を上げ、私もさらに上げる。雨脚が強まる中、
ちょっと切ない気分で歩いていると、やがて黙っていた周囲の男女が一人二人
と加わり、ギャラリーの多い新宿駅西口では大合唱となった。言葉も交わさな
い者同士が醸し出す共感-。結構グッとくるものがあることに我ながら驚いた
(中略)
「日本人は変わった」と言うのは、路上から飛び入りした在日40年の米国出
身の映画作家、ジャン・ユンカーマンさん(59才)だ。「原子力ムラの存在が
ばれたのが大きい。企業や政治は汚く、政府がうそをつくと分かり、信頼をな
くしたんです。そうなると市民は、自分でやるしかないという気になるんで
しょう」
┏┓
┗■3.福島4号機の冷却停止問題、予備ポンプも動かず
│ 多重化された二系統は、1つの装置につながっていた!
└────(7月5日 東京新聞より)
東京電力福島第一原発4号機の使用済み核燃料プールを循環冷却させるポン
プが一時的に止まった問題で、予備のポンプが起動できなかったことが分かっ
た。東電は、ポンプや温度計などを二系統設置し「多重化した」と主張してい
たが、共用している電気系統に不具合が起きたため、共倒れになり、役に立た
なかった。(中略)
今回注水が止まったのは、停電時に電気を一定時間供給する無停電装置が故
障したのが原因。(中略)
水温も流量もデータが得られなくなった結果、ポンプには注水を止める指示
信号が送られ、ポンプは停止。予備のポンプも注水停止の指示信号を受け続け
たため、起動しようにもできなかった。(中略)東電は「電源をどうするかは
未定で、無停電装置の故障原因を把握してから対策を考えたい」としている。
┏┓
┗■4.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
└────
◇公開学習会「牛久に放射能が降った日」
日時 7月7日(土) 18:30開場 19:00~21:00
講師:山崎久隆氏(東京・たんぽぽ舎副代表、劣化ウラン研究会代表)
東海第二原発廃炉の必然性、除染や食べ物からの内部被ばく等について学習
します。牛久の環境学習同好会
場所:茨城県牛久市中央生涯学習センター2階視聴覚室
予約不要・入場無料
問合せ TEL 029-874-5089(中村)
┏┓
┗■5.<7/1の大飯原発前のバリケードの現場から>
│ - 大飯原発再稼働強行、原発道路完全封鎖33時間のたたかい -
└────( T.E )
朝7時小雨模様の中、参加者48名バスに乗り込んで原発前抗議行動に参加す
るべく集合地の漁村公園に向かった。公園は原発ゲートより500メートルほど
先にある。驚いたことに、本道から別れて原発に向かう道路を横切り、3列に
亘ってびっしりと車が置かれたバリケードで完全に封鎖されていた。
東京から駆けつけたバスとわかって詰め掛けた若者たちが歓声をあげる。原
発へ通ずるトンネル前には関電や保安院のジャンパーを着た職員、警備員、警
官が入り混じった阻止線を張っていた。バリケードの前と後ろに駆けつけてい
る人の数は400名くらいか。
7・1行動実行委員会のSさんらと共に、大飯原発所長宛て再稼働中止申し入
れ書を手渡した。これも昨日と同様、「受け取ることは出来ない」「約束を守
れ」のスッタモンダの挙句、小浜警察署長の仲介で受け取るという始末だ。
午後1時バスツアーのメンバーは二つに別れることになった。予定通り東京
へ帰るメンバーと現場に残るメンバーとに。居残り組みは9名、降りしきる雨
の中帰京のバスを見送る。
午後4時頃漸く雨が上がった。5時頃警察の指揮官車が前に出てきて退去通告
を繰り返し、道路に座り込んだ人々のごぼう抜きを開始。ごぼう抜きも座り込
みも初めてという人が大半なので緊張と、決意で顔も強張っている。ごぼう抜
きは1人に対し数人の警官が当たる。皆すごかった。若い女性の涙ながらの抵
抗に諦めて反対の列へ移動する場面も。
正直のところ、今回の警察の動きは鈍い。政治的には、原発再稼動を強権行
使のイメージから切り離したい、警察が火中の栗を拾うのはゴメンだ。そんな
ところか。その証拠といえるかどうかわからないが、デモ隊に対峙する警官隊
がお互いに手首を握り合うという珍しい光景を目撃した。
ごぼう抜きが始まる前、横腹に海昌丸と書いたトラックがデモ隊の前に停ま
った。たんぽぽ舎の柳田さんの報告によれば、若狭湾で漁師をしているHさん
が原発前の抗議行動のニュースを見て駆けつけてきた、抗議する人たちの姿に
涙が出た、今までは、原発を容認してきたが事故が起きれば若狭湾の漁業は壊
滅する、自分たちも反対運動に立ち上がるつもりだ、漁師仲間で海上デモなど
の話しも出ている、相談に乗って欲しいなど等とのことであった。
Hさんは、座り込みの最前列に入りごぼう抜きされた仲間となった。
長い対峙が続いた。トンネル側の警官隊はヘルメット姿の機動隊と入れ替わ
り、何時強制撤去が始まるかわからない。バリケードの中ではおおぜいの若者
たちがドラムのリズムに合わせて踊り、宣伝カーからは再稼働反対に加え、平
和に人間らしく生きようというメッセージがコールに乗って響きわたる。
8時頃、トンネル側の機動隊が動いた。バリケードそばの受付事務所内に取
り残されていた関電職員救出のためだった。再稼動が強行された9時以降も機
動隊に強制撤去の動きは無い。警察側にその意思はいまのところ無さそうだ。
24時頃、道路の下側を固めていた警察部隊が一斉に撤収。排除されて道路
の向かい側脇で激励していた人々がゲート内の本隊と合流。歓声が上がる。
バスツアーの居残り組みは深夜の1時ごろ、漁師のHさんのトラックに乗せて
貰い、現場に心を残しつつ監視テント村に向かった。
後で聞けば午前2時、バリケードを構築した若者たちは、いっせいにバリ
ケードを自主的に去、車で来た者は帰宅、それ以外はテントにひき上げたとい
う。
朝5時現場を見に行ったSさんによると飛ぶ鳥あとを濁さずごみ一つ残さずき
れいサッパリだったとのこと。こうしたたたかい方も、いまの若い世代の特徴
を現したものであるのかもしれない。( T.E )
2012年7月5日(木) 地震と原発事故情報-5つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.「素人の乱」デモの復活を祝す、
原発反対の強靭さと生命力を示した(柳田真)
★2.「再稼働反対!再稼働反対!」鳴りやまないシュプレヒコール
言葉も交わさず醸される共感、“自然発生だから広がる” 西新宿から
4キロ2時間 - 「素人の乱」デモに参加した(7月4日夕刊 毎日新聞)
★3.福島4号機の冷却停止問題、予備ポンプも動かず
多重化された二系統は、1つの装置につながっていた! (7月5日 東京新聞)
★4.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
◇7月7日(土)19:00~21:00 公開学習会「牛久に放射能が降った日」
講師:山崎久隆さん、茨城県・牛久
★5.<7/1の大飯原発前のバリケードの現場から>
- 大飯原発再稼働強行、原発道路完全封鎖33時間のたたかい - (T.E)
━━━━━━━
あす7月6日(金)首相官邸前へみんな集まろう
「再稼働やめよの民意」を何万人の力で首相へ示そう!
午後6時~8時 首相官邸前(霞が関駅、国会議事堂前駅)
たんぽぽ舎スタッフは、たんぽぽ舎へ午後2時集合、3時出発、4時官邸まえ
着で、道案内・整理誘導をおこないます。ご協力ください。
━━━━━━━
7月6日(金)19:00開会、松本道弘の白熱教室~原発の是非をめぐる
『ロジックと詭弁の間』、場所:スペースたんぽぽ、参加費800円
━━━━━━━
┏┓
┗■1.「素人の乱」デモの復活を祝す、
│ 原発反対の強靭さと生命力を示した
└────(柳田真)
「素人の乱」のデモが盛大に7月1日(日)に復活した。心からお祝いしたい。
昨年3.11原発事故後の4月に、杉並で登場した素人の乱のデモは、1万人
を超え、新鮮な驚きと希望を私たちにもたらした。これだけの新しい人々が立
ち上がれば、原発廃止の展望が出ると。原発事故後の大きな希望の灯であった。
スペースたんぽぽの(2011年)6月の開設記念で、素人の乱・松本哉(はじめ)さ
んを呼んで対談したのも記憶に新しい。
ところが、昨年9月の素人の乱・新宿デモに対する警察の大弾圧(12人の不当
逮捕、それまでも素人の乱のデモへの警察の対応は特別にひどかった--5月6月
8月のデモにおいて)で残念ながら、素人の乱のデモの続行が難しくなってい
った。それが、今回、不死鳥のようによみがえった。このことは原発に反対す
る根強い市民のエネルギーがあること、反原発の強じんさを示したと言えよう。
心からお祝いしたい。
┏┓
┗■2.「再稼働反対!再稼働反対!」鳴りやまないシュプレヒコール
│ 言葉も交わさず醸される共感、“自然発生だから広がる”
│ 西新宿から4キロ2時間 - 「素人の乱」デモに参加した
└────(7月4日夕刊 毎日新聞)
関西電力が大飯原発3号機の原子炉を再起動した1日、東京・新宿で
催された「原発やめろ」デモに参加した。日曜日の夕方、あいにくの
雨だったが、西新宿から歌舞伎町まで約4キロを2時間かけて歩くと、
予想外の「発見」があった。
「再稼働反対、再稼働反対!」気に入った曲のフレーズのように、原稿を書
いている今も、耳の奧でシュプレヒコールが鳴りやまない。ドイツ語辞典で調
べると、シュプレヒコールとは、演劇用語で大人数が朗読、朗唱することを指
す。思想家の柄谷行人さん(70)はデモを「動く集会」と解釈したが、「歩く合
唱」と言った方が似合いそうだ。
主催は松本哉さん(37)。自身が営む東京・高円寺の雑貨店の名を使い、「素
人の乱」と名乗り、東日本大震災のあと5回呼びかけてきた。柄谷さんや社会
学者の大沢真幸さん、法政大教授の田中優子さんら9人が賛同人に名を連ねる。
私も趣旨に共鳴したので、取材だが実家で参加することにした。
午後4時、集会場の新宿中央公園に行くと、雨のせいか人は2000人ほどだ。
(主催者発表は8000人)。松本さんがマイクを握る。「世の中全体は”原発な
くせ”なのに、6月8日の会見で野田(佳彦首相)は”原発は国民生活に重要な
電源”と元に戻した。人のこと何も聞いていないんじゃないか?あんな態度さ
れたら怒るでしょ?今回は反原発だけでなく、変なこと言うヤツを引きずり下
ろすため、”ふけんじゃねえ”と民衆の怖さを見せつけてやりましょう!」
松本さんの魅力はリーダー然とせず、一見いいかげんっぽいところだ(中略)
デモ2日前の記者会見でこんなことがあった。6月22日以降、首相官邸前で
盛り上がったデモを「60年安保以来」と評した柄谷さん。「国会だけが議会
じゃない。デモは民衆が議会をやってるんですよ」と言葉に怒気が交じり始め、
つい「我々はー」と、あの世代の口調になってしまったのだが、すぐ我に返っ
て「あの....”素人の乱”といいます」と声を落とし、笑いを誘った。「柄谷
さん、ここは一発ガツーンと」と促されるなど、会見を仕切る若者たちのマス
コット的存在になっているのが微笑ましい。
先頭集団の「暴れたくて仕方ないブロック」の20列目に加わり、大太鼓、
ブラスバンド、おはやしに合わせひたすら「再稼働反対!」と唱える役に徹し
た。始まって20分程見物人の少ないと都庁の辺りでは声もしぼみ、豆電球の目
が光る野田首相人形だけがさみしく宙に舞う。
それでも、私の隣にいた30代の銀縁眼鏡の銀行員風の男性は一人静かに唱え
ている。「デモはデモでしかない」と分かっていても、口に出さずにはいられ
ないというふうだ。気の毒になった私も普通の声で「再稼働反対」とハモった
ら、励まされたのか彼は少し声量を上げ、私もさらに上げる。雨脚が強まる中、
ちょっと切ない気分で歩いていると、やがて黙っていた周囲の男女が一人二人
と加わり、ギャラリーの多い新宿駅西口では大合唱となった。言葉も交わさな
い者同士が醸し出す共感-。結構グッとくるものがあることに我ながら驚いた
(中略)
「日本人は変わった」と言うのは、路上から飛び入りした在日40年の米国出
身の映画作家、ジャン・ユンカーマンさん(59才)だ。「原子力ムラの存在が
ばれたのが大きい。企業や政治は汚く、政府がうそをつくと分かり、信頼をな
くしたんです。そうなると市民は、自分でやるしかないという気になるんで
しょう」
┏┓
┗■3.福島4号機の冷却停止問題、予備ポンプも動かず
│ 多重化された二系統は、1つの装置につながっていた!
└────(7月5日 東京新聞より)
東京電力福島第一原発4号機の使用済み核燃料プールを循環冷却させるポン
プが一時的に止まった問題で、予備のポンプが起動できなかったことが分かっ
た。東電は、ポンプや温度計などを二系統設置し「多重化した」と主張してい
たが、共用している電気系統に不具合が起きたため、共倒れになり、役に立た
なかった。(中略)
今回注水が止まったのは、停電時に電気を一定時間供給する無停電装置が故
障したのが原因。(中略)
水温も流量もデータが得られなくなった結果、ポンプには注水を止める指示
信号が送られ、ポンプは停止。予備のポンプも注水停止の指示信号を受け続け
たため、起動しようにもできなかった。(中略)東電は「電源をどうするかは
未定で、無停電装置の故障原因を把握してから対策を考えたい」としている。
┏┓
┗■4.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
└────
◇公開学習会「牛久に放射能が降った日」
日時 7月7日(土) 18:30開場 19:00~21:00
講師:山崎久隆氏(東京・たんぽぽ舎副代表、劣化ウラン研究会代表)
東海第二原発廃炉の必然性、除染や食べ物からの内部被ばく等について学習
します。牛久の環境学習同好会
場所:茨城県牛久市中央生涯学習センター2階視聴覚室
予約不要・入場無料
問合せ TEL 029-874-5089(中村)
┏┓
┗■5.<7/1の大飯原発前のバリケードの現場から>
│ - 大飯原発再稼働強行、原発道路完全封鎖33時間のたたかい -
└────( T.E )
朝7時小雨模様の中、参加者48名バスに乗り込んで原発前抗議行動に参加す
るべく集合地の漁村公園に向かった。公園は原発ゲートより500メートルほど
先にある。驚いたことに、本道から別れて原発に向かう道路を横切り、3列に
亘ってびっしりと車が置かれたバリケードで完全に封鎖されていた。
東京から駆けつけたバスとわかって詰め掛けた若者たちが歓声をあげる。原
発へ通ずるトンネル前には関電や保安院のジャンパーを着た職員、警備員、警
官が入り混じった阻止線を張っていた。バリケードの前と後ろに駆けつけてい
る人の数は400名くらいか。
7・1行動実行委員会のSさんらと共に、大飯原発所長宛て再稼働中止申し入
れ書を手渡した。これも昨日と同様、「受け取ることは出来ない」「約束を守
れ」のスッタモンダの挙句、小浜警察署長の仲介で受け取るという始末だ。
午後1時バスツアーのメンバーは二つに別れることになった。予定通り東京
へ帰るメンバーと現場に残るメンバーとに。居残り組みは9名、降りしきる雨
の中帰京のバスを見送る。
午後4時頃漸く雨が上がった。5時頃警察の指揮官車が前に出てきて退去通告
を繰り返し、道路に座り込んだ人々のごぼう抜きを開始。ごぼう抜きも座り込
みも初めてという人が大半なので緊張と、決意で顔も強張っている。ごぼう抜
きは1人に対し数人の警官が当たる。皆すごかった。若い女性の涙ながらの抵
抗に諦めて反対の列へ移動する場面も。
正直のところ、今回の警察の動きは鈍い。政治的には、原発再稼動を強権行
使のイメージから切り離したい、警察が火中の栗を拾うのはゴメンだ。そんな
ところか。その証拠といえるかどうかわからないが、デモ隊に対峙する警官隊
がお互いに手首を握り合うという珍しい光景を目撃した。
ごぼう抜きが始まる前、横腹に海昌丸と書いたトラックがデモ隊の前に停ま
った。たんぽぽ舎の柳田さんの報告によれば、若狭湾で漁師をしているHさん
が原発前の抗議行動のニュースを見て駆けつけてきた、抗議する人たちの姿に
涙が出た、今までは、原発を容認してきたが事故が起きれば若狭湾の漁業は壊
滅する、自分たちも反対運動に立ち上がるつもりだ、漁師仲間で海上デモなど
の話しも出ている、相談に乗って欲しいなど等とのことであった。
Hさんは、座り込みの最前列に入りごぼう抜きされた仲間となった。
長い対峙が続いた。トンネル側の警官隊はヘルメット姿の機動隊と入れ替わ
り、何時強制撤去が始まるかわからない。バリケードの中ではおおぜいの若者
たちがドラムのリズムに合わせて踊り、宣伝カーからは再稼働反対に加え、平
和に人間らしく生きようというメッセージがコールに乗って響きわたる。
8時頃、トンネル側の機動隊が動いた。バリケードそばの受付事務所内に取
り残されていた関電職員救出のためだった。再稼動が強行された9時以降も機
動隊に強制撤去の動きは無い。警察側にその意思はいまのところ無さそうだ。
24時頃、道路の下側を固めていた警察部隊が一斉に撤収。排除されて道路
の向かい側脇で激励していた人々がゲート内の本隊と合流。歓声が上がる。
バスツアーの居残り組みは深夜の1時ごろ、漁師のHさんのトラックに乗せて
貰い、現場に心を残しつつ監視テント村に向かった。
後で聞けば午前2時、バリケードを構築した若者たちは、いっせいにバリ
ケードを自主的に去、車で来た者は帰宅、それ以外はテントにひき上げたとい
う。
朝5時現場を見に行ったSさんによると飛ぶ鳥あとを濁さずごみ一つ残さずき
れいサッパリだったとのこと。こうしたたたかい方も、いまの若い世代の特徴
を現したものであるのかもしれない。( T.E )
たんぽぽ舎です。【TMM:No1506】
2012年7月4日(水)その2 地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.食の安全を監視し続けて22年―
民間測定所「たんぽぽ舎」の鈴木千津子さんが語る
「数百ベクレル程度の食品汚染が、これからも長く続いていくでしょう」
★2.原発立地の自治体が、住民抜きでやってきた「原子力防災訓練」
現代思想7月号「特集:被曝と暮らし」の一節を読んで -(東京・T)
★3.新聞・雑誌から1つ
大飯破砕帯検討見送り―関電「資料見つからない」
(7月4日 東京新聞 より)
★4.<テント日誌7/1(日)
―経産省前テントひろば 295日目 再稼働強行抗議!―
首相官邸前で開いた花は、大飯へ、そして、全国へ。
━━━━━━━
┏┓
┗■1.食の安全を監視し続けて22年―
│ 民間測定所「たんぽぽ舎」の鈴木千津子さんが語る
| 「数百ベクレル程度の食品汚染が、これからも長く続いていくでしょう」
└──
福島第一原発事故後、食品の測定依頼が殺到した民間測定所「たんぽぽ舎」。
共同代表の鈴木さんに、事故直後から現在までの汚染傾向の話、そしてこれから
起こることについて予測してもらった。
福島第一原発事故の発生以降、たんぽぽ舎ではさまざまな商品の放射能量を測り
続けている。
たんぽぽ舎は、チェルノブイリ原発事故の際、食品にどんな影響があったのか
にも詳しい。
たんぽぽ舎の共同代表で、食品の放射能測定を担当している鈴木千津子さんと
ともに、今後の対策を考えた。
今の規制では汚染食品の流通を止められない。
福島第一原発事故から1年が経ち、たとえば千葉県で肥育されている豚肉のセ
シウム汚染値は、1キロ当たり2ベクレルから3ベクレルくらいまでに下がって
きています。でも、屠畜する前に畜舎の外を2時間ほど散歩させただけで、豚肉
のセシウム値が上がることがあるんですね。ある豚肉のスライスを測ったところ、
同7ベクレルまで上昇していました。
こうした情報を畜産農家にフィードバックしたところ、畜産農家が「豚は土を
舐める」というのです。今では出荷直前の散歩が控えられるようになりました。
1986年に発生したチェルノブイリ原発事故の際、凄まじい汚染が確認され
たのは、ヨーロッパ産のスパゲッティでした。原料として使われる「デュラム・
セモリナ」という種類の小麦粉が汚染されていたからなんです。この小麦粉は日
本にも輸入されていますので、日本製のスパゲッティからもセシウムが検出され、
大騒ぎになったんです。
そのうち、食べ物からは検出されなくなっていったのですが、今度は脱脂粉乳
や、鶏や牛用の餌から検出され始めたんです。人の食べ物用として使いづらくな
った原料を、家畜の餌に回したことの証拠でしょう。
今回の福島原発事故で、昨年の秋以降に収穫された国産の小麦からもセシウム
が検出されるようになりました。1キロ当たり20ベクレルから30ベクレルです。
玄米にしても、白米にすれば5ベクレルというものであっても、米糠を測ると
セシウムが1キロ当たり80ベクレルから90ベクレルほど検出されました。
高い数値のセシウム汚染が各地で相次いで確認されているシイタケでは、県ご
とに規制をかける基準値が異なっています。その値は国の規制値である1キロ当
たり100ベクレルよりは低く設定されているのですが、ある県では同50ベクレル
を上回ると「規制」がかけられるのだそうです。
すると、濃い値のシイタケと薄い値のシイタケを混ぜ合わせ、全体で「1キロ
当たり50ベクレル」以下になるように“ブレンド”する農家が出てきたんです。
こうした“対応”の仕方は、消費者の信頼を裏切るものでしかありません。
ただ、良心的な生産者であるほど、悩んでいるのも、また事実なんですね。千
葉県のある畜産農家の方は、1キロ当たり2ベクレルから3ベクレルくらいにま
で下がってきているにもかかわらず、出荷前に毎回測定しているんです。でも、
こうした測定にかかる経費を、国や県は保証してくれないのです。(中略)
(別冊宝島・「食品の放射能汚染完全対策マニュアル2」より抜粋)
┏┓
┗■2.原発立地の自治体が、住民抜きでやってきた「原子力防災訓練」
| -現代思想7月号「特集:被曝と暮らし」の一節を読んで-
└──── (東京・T)
原発立地の自治体が、住民抜きでやってきた「原子力防災訓練」
-現代思想7月号「特集:被曝と暮らし」の一節を読んで-
(//--は本誌からの引用部、[*]は投稿者コメント)
//--1998年6月20日付け『能登原発とめよう原告団ニュース』に「30キロ圏全域
で連絡・測定・避難訓練」という記事がある。能登(志賀)原発の差し止め裁判
闘争は1988年に始まったが、これはこの運動の機関誌である。志賀原発は1992年
に運転が開始された。--この記事には以下のようなレポートがある。
「同年[*つまり1998年]5月24日、北陸電力志賀原発が立地する石川県羽咋郡
市とその周辺の七尾市・鹿島郡の住民600人が家族ごとに自家用車を使い県境
を越え、富山県氷見市まで[*山道約20キロ*冬は豪雪地帯?]避難訓練を行った。--//
この時の事故想定は「格納容器損傷事故、チェルノブイリなみの放射能放出、そ
してベント、30キロ圏内の住民避難」であった。重要な点は、これが、非公式
の住民による自主的な避難訓練であるという点だ。
つい先日[*つまり2012年6月]、石川県羽咋(はくい)市で「原子力防災訓練」
が行われた。住民からの参加はわずか70名。訓練は市内小中学校でも行われたが、
あくまで、一般災害の「訓練計画」の枠を出ない。2008年福島の例では「訓練対
象・原発から10キロ圏、北風・風速0.7メートル(小さすぎ!)、避難区域「2キ
ロ圏」、屋内退避区域「5キロ圏」」である。もっとひどいのは、「広範囲の原
発事故が生じた場合、住民は避難せずに、放射能がふりそそぐなか、炊き出しな
どの活動をするよう促される」というのだ(福井県原子力防災計画の例)。なんと
馬鹿げた計画か。
//--国や電力会社は避難訓練をできるだけ、ミニマムなものに押さえたい。でき
ればやりたくないと言うのがホンネだろう。というのも、それは住民の原発事故
への想像力を喚起してしまうからである。現実的なシミュレーションに基づく避
難訓練は、ベントの設計にはじまり、ヨウ素剤の備蓄、測定や連絡体制、風速や
風向きなど、あらゆる情報を必要とする。こうした情報に基づき事故のシミュレ
ーションを行うということは、原発事故とはどういうものであるか、そして原発
とはどういうものであるかをいやがおうにも理解しなければならないということ
である。--//
「3.11」以後、原発近くの市町村で避難訓練を行ったところはいくつもあるが、
果たして、本当に「原発事故を想定した」訓練を実施したところはあるのだろう
か。先日の羽咋市の小学校の避難の様子が写真入りで記事になった、なんと子ど
もたちは「口を手で押さえて」階段を下りている。学校が主体的に、かつ現実味
をもって事にあたっていないことは明らかだ。
//--原発を前提としている国や電力会社原発は、防災の手抜きをすることによっ
て原発のコストを抑える。発電コストが安いことが原発の存在理由だからだ。と
すれば、その手抜きは原発が存在するためには必要な、死に物狂いの「不作為」
なのであり、運動の賭け金はこの「不作為」をどこまで食い止め、見えないコス
トを可視化するかということとなる。--//
羽咋市では、1998年当時と比較すれば人数はかなり減ったものの、昨年(2011)も
住民による自主的な避難訓練が実施されており、「せっかくヨウ素剤を保育所・
学校に分散配置しているのだから服用訓練を」「バス避難は災害弱者用。大多数
の自力避難組を想定せよ」などの改善を市に求めた。いま、日本中で、自治とは
何かが問われている。
※自主的避難訓練について、羽咋市の「命のネットワーク」HPを紹介したい
http://inochi-no.net/index.html
┏┓
┗■3.新聞・雑誌から1つ
|大飯破砕帯 検討見送り ―関電「資料見つからない」
└─── (7月4日 東京新聞 より)
経済産業省原子力安全・保安院は三日、関西電力大飯原発(福井県おおい町)内
を通る破砕帯(断層)が地震でずれるかどうか有識者の会議で検討しようとしたが、
関電が関係資料を出さなかったため見送った。安全性を十分確認しないまま再稼
働に向けた作業が進むことになり、批判が強まりそうだ。
未提出の資料は一九八五年の大飯3、4号機の増設申請に向け、関電側が写し
た破砕帯の写真。一部の専門家が「近くの活断層に連動し、この破砕帯が動く可
能性がある」と指摘したため、数週間前から保安院が関電に提出を求めていた。
会議に出席した有識者は「破砕帯の問題が出てからかなりの時間がたつ。非常
におかしな感じだ」などと疑問視。保安院の担当者は記者らに「関電は『探した
けど見つからなかった』と回答してきた」と説明した。
今月中に開く次回会議にも写真が出されなければ、提出済みの資料だけで調べ
る。場合によっては専門家に現地調査してもらうことも検討する。
関電は「今でも写真を探している。見つかり次第、提出したい」と弁解してい
る。
この日の会議では他の原発の破砕帯も検討。関電の美浜と高浜、日本原子力研
究開発機構(原子力機構)の高速増殖炉もんじゅの三原発について、保安院は追
加調査が必要と判断した。
今後、関電と原子力機構に調査を指示する。(7/4東京新聞より抜粋)
┏┓
┗■4.<テント日誌7/1(日)>
│ ―経産省前テントひろば 295日目 再稼働強行抗議!―
| 首相官邸前で開いた花は、大飯へ、そして、全国へ。
| 咲き続ける紫陽花の花~
└─── (Toku-san)
金曜の夜に、計測不可能なほど多くの人が首相官邸前の抗議集会に集まり、国
内外の多くのメディアが報道したにも関わらず、この日の午後9時に大飯原発の
再起動のスイッチが入れられると報道されていた。テントの主要メンバーとたん
ぽぽ舎の有志約50名が前日からバスで大飯入りして、現地の抗議集会・デモに参
加していたが、地元大飯での抗議活動は、夜通し続き、非暴力による阻止行動は、
最後まで展開されるという事である。
夕方、大飯に行かれていた宿泊担当のKさんとFさんから、「今現地を全員が
離れるといつ実力行使で強制排除されるかわからないので、10名くらいが現地へ
残る事になった」と連絡が入った。
緊迫した状況、くれぐれも無理をしないでもらいたい。
テントへ状況確認の連絡を入れ、とくに何もないという事だったので、新宿の
デモに参加してから、19時にテントへ向かった。テントについて暫くすると、60
代くらいのお母さんと30代くらいの息子さんが雨の中テントにいらっしゃった。
今日、首相官邸で何かやっているのだったら、参加しようと思って来たという事
だった。「こちらでは、状況を把握していないが、もしかすると、どなたかが抗
議をしているかもしれません」と伝えると、「せっかくなので、ちょっと行って
きます」と言って、テントを後にされた。暫くしてもテントへ戻って来られない
ので、20時半頃になって、テントにいた男性4名で首相官邸へ向かうことにした。
首相官邸前に着くと、雨の中、10名程度の人が集まって首相官邸に向かって声
を上げていた。
20時を過ぎていたため、騒音の問題があり、メガフォンを使う事が出来なかった
が、集まった人達は、声をからしながら、野田首相に国民に対して、きちんと説
明をするように求め、21時過ぎまで抗議の声を上げ続けた。今まで何もしてこな
かったような普通の人が、大飯原発の再稼働に対し、憤りを覚え、首相官邸前の
抗議・大飯原発前での抗議に触発され、最後まで出来る事をやろうと行動を起こ
している。明らかに今までと状況が変わって来ている。
テントへ戻り、ニュースを確認すると、予定通り21時に燃料棒を引き抜く作業
が開始されたという報道があった。我々の抗議対象である野田首相は、金曜日の
抗議集会について「大きな音」と評したと報道されていたが、「声」ではなく、
「音」と評し、既定路線通りに再起動を行う人間性を疑ってしまう。国民の声を
聞くのが、政治家の仕事。本当にこんな人にこの国の意思決定を任せてしまって
よいのだろうか?と真剣に思う。
翌朝、テントの泊まり番を終え帰宅する途中、新橋駅前で道端を見ると、植え
込みに紫陽花の花が咲いていた。原発再稼働への対応で今まで近視眼的になって
いて、気付かなかったのだが、注意してみると、帰路の道端には至るところで紫
陽花が花を開いていた。決して華やかとは言えないが、小さなたくさんの花をつ
ける紫陽花。首相官邸前で開花した紫陽花も、大飯、船橋、新宿など、確実に全
国各地で開花している。
2012年7月4日(水)その2 地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.食の安全を監視し続けて22年―
民間測定所「たんぽぽ舎」の鈴木千津子さんが語る
「数百ベクレル程度の食品汚染が、これからも長く続いていくでしょう」
★2.原発立地の自治体が、住民抜きでやってきた「原子力防災訓練」
現代思想7月号「特集:被曝と暮らし」の一節を読んで -(東京・T)
★3.新聞・雑誌から1つ
大飯破砕帯検討見送り―関電「資料見つからない」
(7月4日 東京新聞 より)
★4.<テント日誌7/1(日)
―経産省前テントひろば 295日目 再稼働強行抗議!―
首相官邸前で開いた花は、大飯へ、そして、全国へ。
━━━━━━━
┏┓
┗■1.食の安全を監視し続けて22年―
│ 民間測定所「たんぽぽ舎」の鈴木千津子さんが語る
| 「数百ベクレル程度の食品汚染が、これからも長く続いていくでしょう」
└──
福島第一原発事故後、食品の測定依頼が殺到した民間測定所「たんぽぽ舎」。
共同代表の鈴木さんに、事故直後から現在までの汚染傾向の話、そしてこれから
起こることについて予測してもらった。
福島第一原発事故の発生以降、たんぽぽ舎ではさまざまな商品の放射能量を測り
続けている。
たんぽぽ舎は、チェルノブイリ原発事故の際、食品にどんな影響があったのか
にも詳しい。
たんぽぽ舎の共同代表で、食品の放射能測定を担当している鈴木千津子さんと
ともに、今後の対策を考えた。
今の規制では汚染食品の流通を止められない。
福島第一原発事故から1年が経ち、たとえば千葉県で肥育されている豚肉のセ
シウム汚染値は、1キロ当たり2ベクレルから3ベクレルくらいまでに下がって
きています。でも、屠畜する前に畜舎の外を2時間ほど散歩させただけで、豚肉
のセシウム値が上がることがあるんですね。ある豚肉のスライスを測ったところ、
同7ベクレルまで上昇していました。
こうした情報を畜産農家にフィードバックしたところ、畜産農家が「豚は土を
舐める」というのです。今では出荷直前の散歩が控えられるようになりました。
1986年に発生したチェルノブイリ原発事故の際、凄まじい汚染が確認され
たのは、ヨーロッパ産のスパゲッティでした。原料として使われる「デュラム・
セモリナ」という種類の小麦粉が汚染されていたからなんです。この小麦粉は日
本にも輸入されていますので、日本製のスパゲッティからもセシウムが検出され、
大騒ぎになったんです。
そのうち、食べ物からは検出されなくなっていったのですが、今度は脱脂粉乳
や、鶏や牛用の餌から検出され始めたんです。人の食べ物用として使いづらくな
った原料を、家畜の餌に回したことの証拠でしょう。
今回の福島原発事故で、昨年の秋以降に収穫された国産の小麦からもセシウム
が検出されるようになりました。1キロ当たり20ベクレルから30ベクレルです。
玄米にしても、白米にすれば5ベクレルというものであっても、米糠を測ると
セシウムが1キロ当たり80ベクレルから90ベクレルほど検出されました。
高い数値のセシウム汚染が各地で相次いで確認されているシイタケでは、県ご
とに規制をかける基準値が異なっています。その値は国の規制値である1キロ当
たり100ベクレルよりは低く設定されているのですが、ある県では同50ベクレル
を上回ると「規制」がかけられるのだそうです。
すると、濃い値のシイタケと薄い値のシイタケを混ぜ合わせ、全体で「1キロ
当たり50ベクレル」以下になるように“ブレンド”する農家が出てきたんです。
こうした“対応”の仕方は、消費者の信頼を裏切るものでしかありません。
ただ、良心的な生産者であるほど、悩んでいるのも、また事実なんですね。千
葉県のある畜産農家の方は、1キロ当たり2ベクレルから3ベクレルくらいにま
で下がってきているにもかかわらず、出荷前に毎回測定しているんです。でも、
こうした測定にかかる経費を、国や県は保証してくれないのです。(中略)
(別冊宝島・「食品の放射能汚染完全対策マニュアル2」より抜粋)
┏┓
┗■2.原発立地の自治体が、住民抜きでやってきた「原子力防災訓練」
| -現代思想7月号「特集:被曝と暮らし」の一節を読んで-
└──── (東京・T)
原発立地の自治体が、住民抜きでやってきた「原子力防災訓練」
-現代思想7月号「特集:被曝と暮らし」の一節を読んで-
(//--は本誌からの引用部、[*]は投稿者コメント)
//--1998年6月20日付け『能登原発とめよう原告団ニュース』に「30キロ圏全域
で連絡・測定・避難訓練」という記事がある。能登(志賀)原発の差し止め裁判
闘争は1988年に始まったが、これはこの運動の機関誌である。志賀原発は1992年
に運転が開始された。--この記事には以下のようなレポートがある。
「同年[*つまり1998年]5月24日、北陸電力志賀原発が立地する石川県羽咋郡
市とその周辺の七尾市・鹿島郡の住民600人が家族ごとに自家用車を使い県境
を越え、富山県氷見市まで[*山道約20キロ*冬は豪雪地帯?]避難訓練を行った。--//
この時の事故想定は「格納容器損傷事故、チェルノブイリなみの放射能放出、そ
してベント、30キロ圏内の住民避難」であった。重要な点は、これが、非公式
の住民による自主的な避難訓練であるという点だ。
つい先日[*つまり2012年6月]、石川県羽咋(はくい)市で「原子力防災訓練」
が行われた。住民からの参加はわずか70名。訓練は市内小中学校でも行われたが、
あくまで、一般災害の「訓練計画」の枠を出ない。2008年福島の例では「訓練対
象・原発から10キロ圏、北風・風速0.7メートル(小さすぎ!)、避難区域「2キ
ロ圏」、屋内退避区域「5キロ圏」」である。もっとひどいのは、「広範囲の原
発事故が生じた場合、住民は避難せずに、放射能がふりそそぐなか、炊き出しな
どの活動をするよう促される」というのだ(福井県原子力防災計画の例)。なんと
馬鹿げた計画か。
//--国や電力会社は避難訓練をできるだけ、ミニマムなものに押さえたい。でき
ればやりたくないと言うのがホンネだろう。というのも、それは住民の原発事故
への想像力を喚起してしまうからである。現実的なシミュレーションに基づく避
難訓練は、ベントの設計にはじまり、ヨウ素剤の備蓄、測定や連絡体制、風速や
風向きなど、あらゆる情報を必要とする。こうした情報に基づき事故のシミュレ
ーションを行うということは、原発事故とはどういうものであるか、そして原発
とはどういうものであるかをいやがおうにも理解しなければならないということ
である。--//
「3.11」以後、原発近くの市町村で避難訓練を行ったところはいくつもあるが、
果たして、本当に「原発事故を想定した」訓練を実施したところはあるのだろう
か。先日の羽咋市の小学校の避難の様子が写真入りで記事になった、なんと子ど
もたちは「口を手で押さえて」階段を下りている。学校が主体的に、かつ現実味
をもって事にあたっていないことは明らかだ。
//--原発を前提としている国や電力会社原発は、防災の手抜きをすることによっ
て原発のコストを抑える。発電コストが安いことが原発の存在理由だからだ。と
すれば、その手抜きは原発が存在するためには必要な、死に物狂いの「不作為」
なのであり、運動の賭け金はこの「不作為」をどこまで食い止め、見えないコス
トを可視化するかということとなる。--//
羽咋市では、1998年当時と比較すれば人数はかなり減ったものの、昨年(2011)も
住民による自主的な避難訓練が実施されており、「せっかくヨウ素剤を保育所・
学校に分散配置しているのだから服用訓練を」「バス避難は災害弱者用。大多数
の自力避難組を想定せよ」などの改善を市に求めた。いま、日本中で、自治とは
何かが問われている。
※自主的避難訓練について、羽咋市の「命のネットワーク」HPを紹介したい
http://inochi-no.net/index.html
┏┓
┗■3.新聞・雑誌から1つ
|大飯破砕帯 検討見送り ―関電「資料見つからない」
└─── (7月4日 東京新聞 より)
経済産業省原子力安全・保安院は三日、関西電力大飯原発(福井県おおい町)内
を通る破砕帯(断層)が地震でずれるかどうか有識者の会議で検討しようとしたが、
関電が関係資料を出さなかったため見送った。安全性を十分確認しないまま再稼
働に向けた作業が進むことになり、批判が強まりそうだ。
未提出の資料は一九八五年の大飯3、4号機の増設申請に向け、関電側が写し
た破砕帯の写真。一部の専門家が「近くの活断層に連動し、この破砕帯が動く可
能性がある」と指摘したため、数週間前から保安院が関電に提出を求めていた。
会議に出席した有識者は「破砕帯の問題が出てからかなりの時間がたつ。非常
におかしな感じだ」などと疑問視。保安院の担当者は記者らに「関電は『探した
けど見つからなかった』と回答してきた」と説明した。
今月中に開く次回会議にも写真が出されなければ、提出済みの資料だけで調べ
る。場合によっては専門家に現地調査してもらうことも検討する。
関電は「今でも写真を探している。見つかり次第、提出したい」と弁解してい
る。
この日の会議では他の原発の破砕帯も検討。関電の美浜と高浜、日本原子力研
究開発機構(原子力機構)の高速増殖炉もんじゅの三原発について、保安院は追
加調査が必要と判断した。
今後、関電と原子力機構に調査を指示する。(7/4東京新聞より抜粋)
┏┓
┗■4.<テント日誌7/1(日)>
│ ―経産省前テントひろば 295日目 再稼働強行抗議!―
| 首相官邸前で開いた花は、大飯へ、そして、全国へ。
| 咲き続ける紫陽花の花~
└─── (Toku-san)
金曜の夜に、計測不可能なほど多くの人が首相官邸前の抗議集会に集まり、国
内外の多くのメディアが報道したにも関わらず、この日の午後9時に大飯原発の
再起動のスイッチが入れられると報道されていた。テントの主要メンバーとたん
ぽぽ舎の有志約50名が前日からバスで大飯入りして、現地の抗議集会・デモに参
加していたが、地元大飯での抗議活動は、夜通し続き、非暴力による阻止行動は、
最後まで展開されるという事である。
夕方、大飯に行かれていた宿泊担当のKさんとFさんから、「今現地を全員が
離れるといつ実力行使で強制排除されるかわからないので、10名くらいが現地へ
残る事になった」と連絡が入った。
緊迫した状況、くれぐれも無理をしないでもらいたい。
テントへ状況確認の連絡を入れ、とくに何もないという事だったので、新宿の
デモに参加してから、19時にテントへ向かった。テントについて暫くすると、60
代くらいのお母さんと30代くらいの息子さんが雨の中テントにいらっしゃった。
今日、首相官邸で何かやっているのだったら、参加しようと思って来たという事
だった。「こちらでは、状況を把握していないが、もしかすると、どなたかが抗
議をしているかもしれません」と伝えると、「せっかくなので、ちょっと行って
きます」と言って、テントを後にされた。暫くしてもテントへ戻って来られない
ので、20時半頃になって、テントにいた男性4名で首相官邸へ向かうことにした。
首相官邸前に着くと、雨の中、10名程度の人が集まって首相官邸に向かって声
を上げていた。
20時を過ぎていたため、騒音の問題があり、メガフォンを使う事が出来なかった
が、集まった人達は、声をからしながら、野田首相に国民に対して、きちんと説
明をするように求め、21時過ぎまで抗議の声を上げ続けた。今まで何もしてこな
かったような普通の人が、大飯原発の再稼働に対し、憤りを覚え、首相官邸前の
抗議・大飯原発前での抗議に触発され、最後まで出来る事をやろうと行動を起こ
している。明らかに今までと状況が変わって来ている。
テントへ戻り、ニュースを確認すると、予定通り21時に燃料棒を引き抜く作業
が開始されたという報道があった。我々の抗議対象である野田首相は、金曜日の
抗議集会について「大きな音」と評したと報道されていたが、「声」ではなく、
「音」と評し、既定路線通りに再起動を行う人間性を疑ってしまう。国民の声を
聞くのが、政治家の仕事。本当にこんな人にこの国の意思決定を任せてしまって
よいのだろうか?と真剣に思う。
翌朝、テントの泊まり番を終え帰宅する途中、新橋駅前で道端を見ると、植え
込みに紫陽花の花が咲いていた。原発再稼働への対応で今まで近視眼的になって
いて、気付かなかったのだが、注意してみると、帰路の道端には至るところで紫
陽花が花を開いていた。決して華やかとは言えないが、小さなたくさんの花をつ
ける紫陽花。首相官邸前で開花した紫陽花も、大飯、船橋、新宿など、確実に全
国各地で開花している。
たんぽぽ舎です。【TMM:No1505】
2012年7月4日(水) 地震と原発事故情報-5つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.大飯原発ゲート前に響き渡る「再稼働反対」の叫び
-6月30日(土)~7月1日(日)2日間の闘いの報告
★2.7.6緊急行動と白熱教室のお知らせ
☆ 7.6緊急!大飯原発3号基を停止せよ!首相官邸前抗議
☆ 7.6松本道弘の白熱教室
原発の是非をめぐる『ロジックと詭弁の間』
★3.いくらなんでも遅すぎる「手遅れな記事」
なぜこのような記事が「今」書かれるのでしょう。
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★4.新聞・雑誌から1つ
原発事故確率 現実離れ 電力会社「1000万年に1回」
民間損保の数千分の一
★5.<テント日誌6/30(土)
―経産省前テントひろば294日目 稼働原発ゼロ56日目>
超満員に溢れかえった あみーシャン大飯ふれあいホール
雨の中、おおい町を700人のデモ、オフサイトセンターで抗議
━━━━━━━
┏┓
┗■1.大飯原発ゲート前に響き渡る「再稼働反対」の叫び
| -6月30日(土)~7月1日(日)2日間の闘いの報告
└──── 木村雅英(再稼働反対!全国アクション)
経産省前テントひろばのバスツアーで福井県大飯原発ゲート前を訪れ7月1日の夜
の闘いまで参加したので、大飯原発3号炉の稼働前最後の闘いを報告する。
ゲートで申入書提出
バスツアー参加者50人程は、雨の青戸大橋を渡って漁村公園でバスを降り、県道
241号の約300メートル程の坂道を歩いてデモをする。朝8時頃の大飯原発
ゲート前には既に数台の乗用車でバリケードが築かれている。前日に「STOP大飯
原発再稼働!7.1現地アクション」が大飯町をデモしオフサイトセンターで関電
に申入書を提出している頃に、別の人たちが実行したらしい。県道から、車バリ
ケードや関電作成のゲートやいくつかの鎖をくぐり抜けて滑らないように注意し
て坂道を登ると、無表情な警備警官と関電社員が立ちはだかるトンネル入口に辿
りついた。雨の中で若者たちの太鼓をバックに1時間ほど交渉してやっと関電大
飯発電所所長宛ての申入書を手交する。
警察との攻防
牧野経産副大臣が夕方5時頃に来そうだ、再稼働のスイッチオン(制御棒抜き取
り開始)を止めなくては、とこの県道とトンネル入口までの空間に数百人が集ま
っている。雨が上がった3時頃から県道に駐車する機動隊警備バス付近の動きが
活発になる。差し入れのピッツァをほおばっていると警備指揮車から警告が発せ
られ、私たちは緊張して4列に座り込む。18時にごぼう抜き開始。「暴力反対」
の声を無視して愛知県警の若い警官たちが前列端の人に近づき、「道路通行に邪
魔だから排除する」と警告して4人の若輩警官が私たちのスクラムの腕をはがし
抱きかかえて県道側に運んでいく。これが20人×4列ほどの座り込み者たちに
繰り返される。厳しく抵抗する若い女性たちには警官も手こずり時間がかかる。
私も指を折られないように頭を落とされないように気にしながら4人の警官に県
道まで連れて行かれる。
1時間半もかけて県道に連れて来られた私たち。そこでいいことを思いついた、
今度は県道に座り込めばいいのだ、それでも副長官や関電の車は止められる。私
たちは県道に座り込んで「再稼働反対」を叫び続けた。トンネル入口側の若者た
ちにも警官の手が入っているらしいが県道側からはよく分からない。立ちあがっ
て見るとバリケード車の天井に乗った若者が左右に旗を振っている。こちらから
も大きな枝に付けたたんぽぽ舎の旗を掲げてエールを返す。よく考えると「再稼
働反対」の民に警官たちが取り囲まれているのだ。我らが警察を包囲したぞ!
県道側では人も太鼓も増え、「再稼働反対」の4ビートに乗って踊り叫び続ける。
寝不足の私たちは道路上に身体を横たえたり警備バスにもたれかかったりして体
を休めた。この状態が何と夜中の0時まで続いた。先に動き出したのは警察側で、
指揮車も警備バスもごそごそと去って行った。
トンネル入口側と合流すると、大飯テントのKさんやバスツアーのFさんが太鼓を
叩いている。私たちは原発入口の道路封鎖を貫徹できたのだ。「再稼働反対」コ
ールが深夜の大飯原発入口の谷間にこだました。まんまるのお月さんが私たちを
祝福しているようだ。
大飯再稼働
2日の新聞報道は「大飯3号機再稼働」のオンパレード。副大臣も作業者も船で
運ばれて、滞りなく原子炉の再起動がなされたという。原発稼働ゼロは約2か月
で終わってしまった。昨年春からのもろもろの再稼働反対の行動にもかかわらず。
それでも原発反対の声は盛り上がっている。私たちは「再稼動反対」の声をあ
げ続ける。
┏┓
┗■2.7.6緊急行動と白熱教室のお知らせ
└────
☆ 7.6緊急!大飯原発3号基を停止せよ!首相官邸前抗議
http://coalitionagainstnukes.jp/?p=689
7月6日(金)18:00-20:00位
場所:首相官邸前(霞ヶ関駅より徒歩7分、虎ノ門駅より徒歩10分)
※千代田線・丸ノ内線の国会議事堂前駅は大混雑が予想されます。
呼びかけ:首都圏反原発連合有志(たんぽぽ舎も参加)
◇スタッフ集合時間は未定です。
たんぽぽ舎は午後3時集合、4時までに官邸前に行く予定です。
☆ 7.6松本道弘の白熱教室
原発の是非をめぐる『ロジックと詭弁の間』
プロフィール:1940年大阪生まれ。関西学院大学卒業。ハーバードロースクール
交渉術ワークショップ終了。元名古屋外国語大学教授。元国際教養大学客員教授。
日商岩井に勤務後、アメリカ大使館の同時通訳者となり、NHKテレビ上級英語講
座の講師を勤める。日本にディベートを広めたことでも知られる。(ディベート
教育暦 約40年)…現在、紘道館館長、国際ディベート学会会長。著書は150
冊を越える。
騎士道とは一味違う、武士道の精神で語ろう
出席者参加型ワークショップ
Argument(口論)からDebate(究論)へ
__________________________________________________
日 時:7月6日(金)開場18:45 開演19:00 終了21:00
会 場:スペースたんぽぽ 東京都千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル4F
Tel 03-3238-9038 nonukes@tanpoposya.net
主 催:スペースたんぽぽ講座実行委員会
資料代:800円(学生500円)
┏┓
┗■3.いくらなんでも遅すぎる「手遅れな記事」
| なぜこのような記事が「今」書かれるのでしょう。
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
【TMM:No1491】より
◇原発事故直後、政府、命守る情報を黙殺・放置
(6月18日 朝日新聞より)
--------------------引用開始------------------------------------
文科省科学技術・学術政策局の渡辺格次長は取材に対し、汚染地図の存在を原
子力安全委員会や官邸だけでなく、文科相や政務三役にも伝えていなかったこと
を明らかにし、「当初は測定結果の精度がどの程度のものかさえわからなかった」
と釈明した。この対応は、首相や官房長官にその存在さえ伝わっていなかった
「緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)」と同じ構図だ。
--------------------引用終了------------------------------------
朝日新聞の記事は、官僚にずいぶん優しい書き方です。実態はそんな甘いもの
ではないのです。しかも、どうして今頃記事になるのか、全く理解が出来ません。
このデータはとっくにDOE米国エネルギー省のHPに載っています。
既に事故直後から、私たち原発事故の推移に危機感を持っていた人たちは、政
府に対して米軍の無人偵察機を借りるなどして、空中線量探査を行うよう要求し
ていました。SPEEDIのデータが出てこず、拡散予測も不明、気象データも
明らかにされず、しかし一方では双葉町に行ったジャーナリストの手持ち線量計
が次々に振り切れるなど、とてつもない汚染拡散があったことは最早明らかだっ
たからです。
米軍は日本からの要請があろうと無かろうと「自分たちのために」とっくにそ
んなことはしています。3月22日の時点で、グローバルホークなどの無人機が飛
んでいることは報道されていました。
3月13日19時47分に私があちこちに発信していたメールです。
|米軍に無人偵察機を借りて、空中放射線測定を高密度にやることが一つ考えら
|れます。
|無人機ならば仮に高線量地域に突っ込んでも人的被害はありません。また、放
|射線測定を自動化してデータ送信をすれば精緻な汚染地域の特定が出来ます。
|これを実行するのに必要な資材を日本が持っていないならば、米軍に借りるこ
|とを要請したらどうですか。
|
|さらにこの航空機に赤外線探知装置を付けて飛ばせば、生存者捜索をすること
|も可能です。特に温度の下がる夜間は効果があると思います。
米軍情報に基づき政府に通報されたものがどのような情報だったかは、エネル
ギー省のHPに載っているデータでわかります。その中の3月22日という日付の
あるデータでは、明らかに飯館村方向に高い汚染地帯が広がっていることが誰の
目にも明らかです。見間違うはずがありません。
そのデータでは、最も高い価を示すところは1.25ミリレム(米国はいまでもレ
ム表記ですが、これは12.5マイクロシーベルト/時を意味しています)を表して
います。数日いれば年間被曝限度を軽く超えてしまう線量に覆われた地域に人が
止まることがどういう意味があるのか、放射線防護の知識があれば簡単に想像で
きるはずでした。
どうしてこの記事が「今」出されるのでしょうか。この内容で政府に対して住
民避難を求める記事が書けたはずです。手遅れに等しい時期の記事については言
葉もありません。
DOEのデータはとっくに公表されていたし、このデータを使った警告や政府
交渉もありました。避難を求める福島の人々に向き合っていたならば、この記事
は一年前にかけたはずなのです。
┏┓
┗■4.新聞・雑誌から1つ
└────
原発事故確率 現実離れ 電力会社「1000万年に1回」
民間損保の数千分の一
百万~一千万年に1回しか起きない―。原発で重大事故が起きる可能性をめぐり、
電力会社が国などに示してきた確率は、現実的な民間損保会社のリスク判断と比
べると、数百~数千分の一と大幅に甘く見積もられてきたことが分かった。再起
動に踏み切った関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)も例外ではなく、
関電は七百七十万年に一回と強調している。(7.4東京新聞より抜粋)
┏┓
┗■5.<テント日誌6/30(土)
│ ―経産省前テントひろば294日目 稼働原発ゼロ56日目>
│ 超満員に溢れかえった あみーシャン大飯ふれあいホール
| 雨の中、おおい町を700人のデモ、オフサイトセンターで抗議
└──── (Y・T)
6月30日(土) 曇り後雨
午前6時新宿集合という超早い行程でこの日の行動は始まった。前夜の官邸前
行動の興奮を抱えたまま、テントに泊り、幟旗やバナーやトラメガ等の用意を整
えて4人で新宿に向かう。うち1人の若者は昨夜、静岡からきていたテントの面
々の友人と夜を徹して話し、もし席の空きがあれば参加したいということで、一
緒にきたのであった。
バスには総勢47名で行った。札幌・仙台・長野・三重・福岡・佐賀等、遠方
からの参加者も一緒である。途中事故で渋滞もあり、おおい町の会場に着いたの
は開会後40分の時であった。会場は溢れかえり、入れない人たちが外で待機し
ている。少し交代してもらいつつ無理を承知で会場内に。
会場には横断幕がいっぱい貼られ、子ども連れの参加者も多い。会場では小林
圭二さんの話は終わっていて、地元のMさんが話してるところだった。福井から
中嶌哲演さんや松下さんの話があり、福島から佐藤さん、森園さんが話し、東京
からはたんぽぽ舎とテントひろばがアピールした。関西各地からのアピールの他
に原発現地からは泊・志賀・伊方・玄海からのアピールがあった。
地元おおいからの発言があったことと、次の再稼働のターゲットにされている
原発現地をはじめとする全国的連携が生まれてきたことに、運動の前進が感じら
れる。
大飯原発監視テントに集まっている若者達もたくさん参加していて、400名
を超えているようだ。
会場の外に出てデモに移りだす頃に雨が降り始める。おおい町でのデモは、1
990年代初めの第2次原発建設反対運動以来だそうだ。犬を連れた地元の人も
いる。家の中からカーテンをめくって、そっとデモを観ている様子が印象的だっ
た。長く志賀原発反対運動をしている友人の話では、それが立地地域での原発反
対デモでよく見られる光景だそうだ。この友人とは43年振りの再会であった。
本降りとなった雨の中を町役場経由でオフサイトセンターまでデモは進む。途
中で合流してきた人が多いのか、700名近くに膨れあがっていた。
大飯原発から2kmのところの海に間近のオフサイトセンターには、牧野経産
副大臣が常駐しているはずである。要望書を手渡すべく申し入れるがにべなく拒
否される。立ちはだかる警官の列と低いバリケードに面前で対峙して抗議を繰り
返し、結局代表団が中に入り、要望書を読み上げ手渡した。
牧野副大臣は姿を現すことはなかった。
その後、監視テントを訪れ交流。テントは30張りもあるだろうか。まさにテ
ント村であった。そして高浜の民宿に向かう。おおい町の民宿は2週前にはどこ
もガラガラであったが、1週前にはもう全く空きがない状態であったという。再
稼働に向けて全国から2000名もの作業員が集められているからだそうだ。
その頃、夕刻前に若者達が既に原発ゲート近辺で行動に入っているとの報が届
く。宿で全員で明日の行動についての討論をする。ゲート前までのデモの後、座
り込み行動やそれに対するごぼう抜きなどをも想定しつつ、対処方法など議論。
座り込み行動の未経験者が多いことに少し驚く。ともかく連携を密にしつつ、各
自の意志で行動することを確認して眠りについた。
ともかく再稼働を絶対に許さない、その行動のために明日原発の前に立つのだ、
という明白な意志は共通のものであった。みんな、明日の行動へのある決意と覚
悟を胸に秘めているかのようだ。
明日の原発前の行動は歴史を刻むものとなるのだろうか。
2012年7月4日(水) 地震と原発事故情報-5つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.大飯原発ゲート前に響き渡る「再稼働反対」の叫び
-6月30日(土)~7月1日(日)2日間の闘いの報告
★2.7.6緊急行動と白熱教室のお知らせ
☆ 7.6緊急!大飯原発3号基を停止せよ!首相官邸前抗議
☆ 7.6松本道弘の白熱教室
原発の是非をめぐる『ロジックと詭弁の間』
★3.いくらなんでも遅すぎる「手遅れな記事」
なぜこのような記事が「今」書かれるのでしょう。
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★4.新聞・雑誌から1つ
原発事故確率 現実離れ 電力会社「1000万年に1回」
民間損保の数千分の一
★5.<テント日誌6/30(土)
―経産省前テントひろば294日目 稼働原発ゼロ56日目>
超満員に溢れかえった あみーシャン大飯ふれあいホール
雨の中、おおい町を700人のデモ、オフサイトセンターで抗議
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┗■1.大飯原発ゲート前に響き渡る「再稼働反対」の叫び
| -6月30日(土)~7月1日(日)2日間の闘いの報告
└──── 木村雅英(再稼働反対!全国アクション)
経産省前テントひろばのバスツアーで福井県大飯原発ゲート前を訪れ7月1日の夜
の闘いまで参加したので、大飯原発3号炉の稼働前最後の闘いを報告する。
ゲートで申入書提出
バスツアー参加者50人程は、雨の青戸大橋を渡って漁村公園でバスを降り、県道
241号の約300メートル程の坂道を歩いてデモをする。朝8時頃の大飯原発
ゲート前には既に数台の乗用車でバリケードが築かれている。前日に「STOP大飯
原発再稼働!7.1現地アクション」が大飯町をデモしオフサイトセンターで関電
に申入書を提出している頃に、別の人たちが実行したらしい。県道から、車バリ
ケードや関電作成のゲートやいくつかの鎖をくぐり抜けて滑らないように注意し
て坂道を登ると、無表情な警備警官と関電社員が立ちはだかるトンネル入口に辿
りついた。雨の中で若者たちの太鼓をバックに1時間ほど交渉してやっと関電大
飯発電所所長宛ての申入書を手交する。
警察との攻防
牧野経産副大臣が夕方5時頃に来そうだ、再稼働のスイッチオン(制御棒抜き取
り開始)を止めなくては、とこの県道とトンネル入口までの空間に数百人が集ま
っている。雨が上がった3時頃から県道に駐車する機動隊警備バス付近の動きが
活発になる。差し入れのピッツァをほおばっていると警備指揮車から警告が発せ
られ、私たちは緊張して4列に座り込む。18時にごぼう抜き開始。「暴力反対」
の声を無視して愛知県警の若い警官たちが前列端の人に近づき、「道路通行に邪
魔だから排除する」と警告して4人の若輩警官が私たちのスクラムの腕をはがし
抱きかかえて県道側に運んでいく。これが20人×4列ほどの座り込み者たちに
繰り返される。厳しく抵抗する若い女性たちには警官も手こずり時間がかかる。
私も指を折られないように頭を落とされないように気にしながら4人の警官に県
道まで連れて行かれる。
1時間半もかけて県道に連れて来られた私たち。そこでいいことを思いついた、
今度は県道に座り込めばいいのだ、それでも副長官や関電の車は止められる。私
たちは県道に座り込んで「再稼働反対」を叫び続けた。トンネル入口側の若者た
ちにも警官の手が入っているらしいが県道側からはよく分からない。立ちあがっ
て見るとバリケード車の天井に乗った若者が左右に旗を振っている。こちらから
も大きな枝に付けたたんぽぽ舎の旗を掲げてエールを返す。よく考えると「再稼
働反対」の民に警官たちが取り囲まれているのだ。我らが警察を包囲したぞ!
県道側では人も太鼓も増え、「再稼働反対」の4ビートに乗って踊り叫び続ける。
寝不足の私たちは道路上に身体を横たえたり警備バスにもたれかかったりして体
を休めた。この状態が何と夜中の0時まで続いた。先に動き出したのは警察側で、
指揮車も警備バスもごそごそと去って行った。
トンネル入口側と合流すると、大飯テントのKさんやバスツアーのFさんが太鼓を
叩いている。私たちは原発入口の道路封鎖を貫徹できたのだ。「再稼働反対」コ
ールが深夜の大飯原発入口の谷間にこだました。まんまるのお月さんが私たちを
祝福しているようだ。
大飯再稼働
2日の新聞報道は「大飯3号機再稼働」のオンパレード。副大臣も作業者も船で
運ばれて、滞りなく原子炉の再起動がなされたという。原発稼働ゼロは約2か月
で終わってしまった。昨年春からのもろもろの再稼働反対の行動にもかかわらず。
それでも原発反対の声は盛り上がっている。私たちは「再稼動反対」の声をあ
げ続ける。
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┗■2.7.6緊急行動と白熱教室のお知らせ
└────
☆ 7.6緊急!大飯原発3号基を停止せよ!首相官邸前抗議
http://coalitionagainstnukes.jp/?p=689
7月6日(金)18:00-20:00位
場所:首相官邸前(霞ヶ関駅より徒歩7分、虎ノ門駅より徒歩10分)
※千代田線・丸ノ内線の国会議事堂前駅は大混雑が予想されます。
呼びかけ:首都圏反原発連合有志(たんぽぽ舎も参加)
◇スタッフ集合時間は未定です。
たんぽぽ舎は午後3時集合、4時までに官邸前に行く予定です。
☆ 7.6松本道弘の白熱教室
原発の是非をめぐる『ロジックと詭弁の間』
プロフィール:1940年大阪生まれ。関西学院大学卒業。ハーバードロースクール
交渉術ワークショップ終了。元名古屋外国語大学教授。元国際教養大学客員教授。
日商岩井に勤務後、アメリカ大使館の同時通訳者となり、NHKテレビ上級英語講
座の講師を勤める。日本にディベートを広めたことでも知られる。(ディベート
教育暦 約40年)…現在、紘道館館長、国際ディベート学会会長。著書は150
冊を越える。
騎士道とは一味違う、武士道の精神で語ろう
出席者参加型ワークショップ
Argument(口論)からDebate(究論)へ
__________________________________________________
日 時:7月6日(金)開場18:45 開演19:00 終了21:00
会 場:スペースたんぽぽ 東京都千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル4F
Tel 03-3238-9038 nonukes@tanpoposya.net
主 催:スペースたんぽぽ講座実行委員会
資料代:800円(学生500円)
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┗■3.いくらなんでも遅すぎる「手遅れな記事」
| なぜこのような記事が「今」書かれるのでしょう。
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
【TMM:No1491】より
◇原発事故直後、政府、命守る情報を黙殺・放置
(6月18日 朝日新聞より)
--------------------引用開始------------------------------------
文科省科学技術・学術政策局の渡辺格次長は取材に対し、汚染地図の存在を原
子力安全委員会や官邸だけでなく、文科相や政務三役にも伝えていなかったこと
を明らかにし、「当初は測定結果の精度がどの程度のものかさえわからなかった」
と釈明した。この対応は、首相や官房長官にその存在さえ伝わっていなかった
「緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)」と同じ構図だ。
--------------------引用終了------------------------------------
朝日新聞の記事は、官僚にずいぶん優しい書き方です。実態はそんな甘いもの
ではないのです。しかも、どうして今頃記事になるのか、全く理解が出来ません。
このデータはとっくにDOE米国エネルギー省のHPに載っています。
既に事故直後から、私たち原発事故の推移に危機感を持っていた人たちは、政
府に対して米軍の無人偵察機を借りるなどして、空中線量探査を行うよう要求し
ていました。SPEEDIのデータが出てこず、拡散予測も不明、気象データも
明らかにされず、しかし一方では双葉町に行ったジャーナリストの手持ち線量計
が次々に振り切れるなど、とてつもない汚染拡散があったことは最早明らかだっ
たからです。
米軍は日本からの要請があろうと無かろうと「自分たちのために」とっくにそ
んなことはしています。3月22日の時点で、グローバルホークなどの無人機が飛
んでいることは報道されていました。
3月13日19時47分に私があちこちに発信していたメールです。
|米軍に無人偵察機を借りて、空中放射線測定を高密度にやることが一つ考えら
|れます。
|無人機ならば仮に高線量地域に突っ込んでも人的被害はありません。また、放
|射線測定を自動化してデータ送信をすれば精緻な汚染地域の特定が出来ます。
|これを実行するのに必要な資材を日本が持っていないならば、米軍に借りるこ
|とを要請したらどうですか。
|
|さらにこの航空機に赤外線探知装置を付けて飛ばせば、生存者捜索をすること
|も可能です。特に温度の下がる夜間は効果があると思います。
米軍情報に基づき政府に通報されたものがどのような情報だったかは、エネル
ギー省のHPに載っているデータでわかります。その中の3月22日という日付の
あるデータでは、明らかに飯館村方向に高い汚染地帯が広がっていることが誰の
目にも明らかです。見間違うはずがありません。
そのデータでは、最も高い価を示すところは1.25ミリレム(米国はいまでもレ
ム表記ですが、これは12.5マイクロシーベルト/時を意味しています)を表して
います。数日いれば年間被曝限度を軽く超えてしまう線量に覆われた地域に人が
止まることがどういう意味があるのか、放射線防護の知識があれば簡単に想像で
きるはずでした。
どうしてこの記事が「今」出されるのでしょうか。この内容で政府に対して住
民避難を求める記事が書けたはずです。手遅れに等しい時期の記事については言
葉もありません。
DOEのデータはとっくに公表されていたし、このデータを使った警告や政府
交渉もありました。避難を求める福島の人々に向き合っていたならば、この記事
は一年前にかけたはずなのです。
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┗■4.新聞・雑誌から1つ
└────
原発事故確率 現実離れ 電力会社「1000万年に1回」
民間損保の数千分の一
百万~一千万年に1回しか起きない―。原発で重大事故が起きる可能性をめぐり、
電力会社が国などに示してきた確率は、現実的な民間損保会社のリスク判断と比
べると、数百~数千分の一と大幅に甘く見積もられてきたことが分かった。再起
動に踏み切った関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)も例外ではなく、
関電は七百七十万年に一回と強調している。(7.4東京新聞より抜粋)
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┗■5.<テント日誌6/30(土)
│ ―経産省前テントひろば294日目 稼働原発ゼロ56日目>
│ 超満員に溢れかえった あみーシャン大飯ふれあいホール
| 雨の中、おおい町を700人のデモ、オフサイトセンターで抗議
└──── (Y・T)
6月30日(土) 曇り後雨
午前6時新宿集合という超早い行程でこの日の行動は始まった。前夜の官邸前
行動の興奮を抱えたまま、テントに泊り、幟旗やバナーやトラメガ等の用意を整
えて4人で新宿に向かう。うち1人の若者は昨夜、静岡からきていたテントの面
々の友人と夜を徹して話し、もし席の空きがあれば参加したいということで、一
緒にきたのであった。
バスには総勢47名で行った。札幌・仙台・長野・三重・福岡・佐賀等、遠方
からの参加者も一緒である。途中事故で渋滞もあり、おおい町の会場に着いたの
は開会後40分の時であった。会場は溢れかえり、入れない人たちが外で待機し
ている。少し交代してもらいつつ無理を承知で会場内に。
会場には横断幕がいっぱい貼られ、子ども連れの参加者も多い。会場では小林
圭二さんの話は終わっていて、地元のMさんが話してるところだった。福井から
中嶌哲演さんや松下さんの話があり、福島から佐藤さん、森園さんが話し、東京
からはたんぽぽ舎とテントひろばがアピールした。関西各地からのアピールの他
に原発現地からは泊・志賀・伊方・玄海からのアピールがあった。
地元おおいからの発言があったことと、次の再稼働のターゲットにされている
原発現地をはじめとする全国的連携が生まれてきたことに、運動の前進が感じら
れる。
大飯原発監視テントに集まっている若者達もたくさん参加していて、400名
を超えているようだ。
会場の外に出てデモに移りだす頃に雨が降り始める。おおい町でのデモは、1
990年代初めの第2次原発建設反対運動以来だそうだ。犬を連れた地元の人も
いる。家の中からカーテンをめくって、そっとデモを観ている様子が印象的だっ
た。長く志賀原発反対運動をしている友人の話では、それが立地地域での原発反
対デモでよく見られる光景だそうだ。この友人とは43年振りの再会であった。
本降りとなった雨の中を町役場経由でオフサイトセンターまでデモは進む。途
中で合流してきた人が多いのか、700名近くに膨れあがっていた。
大飯原発から2kmのところの海に間近のオフサイトセンターには、牧野経産
副大臣が常駐しているはずである。要望書を手渡すべく申し入れるがにべなく拒
否される。立ちはだかる警官の列と低いバリケードに面前で対峙して抗議を繰り
返し、結局代表団が中に入り、要望書を読み上げ手渡した。
牧野副大臣は姿を現すことはなかった。
その後、監視テントを訪れ交流。テントは30張りもあるだろうか。まさにテ
ント村であった。そして高浜の民宿に向かう。おおい町の民宿は2週前にはどこ
もガラガラであったが、1週前にはもう全く空きがない状態であったという。再
稼働に向けて全国から2000名もの作業員が集められているからだそうだ。
その頃、夕刻前に若者達が既に原発ゲート近辺で行動に入っているとの報が届
く。宿で全員で明日の行動についての討論をする。ゲート前までのデモの後、座
り込み行動やそれに対するごぼう抜きなどをも想定しつつ、対処方法など議論。
座り込み行動の未経験者が多いことに少し驚く。ともかく連携を密にしつつ、各
自の意志で行動することを確認して眠りについた。
ともかく再稼働を絶対に許さない、その行動のために明日原発の前に立つのだ、
という明白な意志は共通のものであった。みんな、明日の行動へのある決意と覚
悟を胸に秘めているかのようだ。
明日の原発前の行動は歴史を刻むものとなるのだろうか。