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┗■3.4月26日~27日・浜岡応援ツアーに参加して

 |  建築中の「防潮堤」は海岸砂丘に建つ模造の楼閣にしか見えない

 └──── 吉田照勝(たんぽぽ舎会員)

 

○ 浜岡は遠州灘の外れに近い御前崎灯台のすぐ近くにある。浜岡の砂丘は地球の丸さを感じ自然の偉大さ、自然の尊さすべて、生命の営みにとってここは人間だけのものではないと感じさせるところである。

 浜岡原発PR館展望台からの視界、原発群はとてつもなく大きな構造物であり大自然と無機質なコンクリートの違和感が際立って見えるのである。現在、防潮堤の高さを増す工事中である。写真撮影は最近禁止となっていた。警備員が2名で、私たち「たんぽぽ舎」の一行を監視しているようだ。「写真禁止です」と声が響く。なぜ、安全上?

 いや、私が展望台から視て感じたことは、大海原の大自然から連なるあの壁は、あまりにも薄っぺらで、あたかも木の板のようで、にわか作りの防潮堤のようにしか見えない、継ぎ足ししている板状のものも高さも、福島のあの津波に抗し得ないのではないか。

 中部電力は、写真に撮影されると大自然と、お粗末な対比をいつまでも視覚にとどめられるのを嫌がり゛あわてて゛禁止にしたのではないのだろうか。

 帰りに、「たんぽぽ舎」の旗とともに集合記念写真を撮ろうとしたら、警備員がどこからともなく走り駆け寄り、旗は禁止・禁止と声が飛んできた。何でも昨年の12月からとか。 海岸近くの側から建築中の防潮堤を見学し、大海原の波の音は小細工の建物を見据えているように聴こえる、海岸砂丘に建つ模造の楼閣にしか見えない。見学帰りには、機動隊の小型バンとパトカーにお見送りされ浜岡を後にした。

 浜ネット代表の鈴木さんの説明でより詳しく理解でき、現地に行かなければ分からないこと、「なるほど」という納得できたことが多々ありました。

○ 見学前日に行なわれた、記念講演会「菅直人元首相vs河合浜岡原発訴訟弁護団長」は400名の参加者で熱気あふれた会場でした。河合氏の的確な問題提起・質問に菅氏は具体的に説明、説得ある対応をしていました。睡魔に襲われることも無く二人のやり取りに聞き入りました。

○ 帰途寄り道をした相良(さがら)油田の里公園、こんなところに油田があるとは驚きです。この公園は、「経済産業省の近代化産業遺産に認定」されているのです。もしかしたら原発マネーも入っているのではと勘ぐってしまいます。油田採掘の説明をしてくれたおばさんの静岡なまり、とてもよかったほんのりしました。

○ 1泊2日(4月26日~27)の見学ツアー、時々国会前で顔を見たことがある方と多方面にわたった話ができ多くの情報を知り、得ることがたくさんあった2日間でした。

 

 

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┗■4.新聞より3つ

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 ◆<日本火山学会>原発対応委員会を創設 巨大噴火リスク議論

 

 巨大噴火が原発に及ぼすリスクが問題になっていることを踏まえ、日本火山学会が「原子力問題対応委員会」を創設する。同学会が原発の安全対策に関係する組織を設けるのは初めてで、29日に横浜市内で初会合を開く。科学的立場から議論し、巨大噴火に関する一定の見解を出せるかどうかを検討していく。

 巨大噴火は極めて低い頻度でしか起きないが、万一稼働中に発生した場合、原発が高温の火砕流に覆われ、放射性物質が大量放出されても手の打ちようがない状態が長期間続く。そこで、同学会は巨大噴火に至るまでにどのような展開が考えられるかなどを議論する必要があると判断。宇都浩三会長のほか、石原和弘・京都大名誉教授や中田節也・東京大教授ら7人をメンバーに、随時会合を開いたりメールで意見交換したりすることにした。

 原発の巨大噴火リスクについては、再稼働第1号が有力視されている九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)で特に問題になっている。川内原発周辺には巨大噴火の痕跡がいくつも残り、火山学者の間では最も巨大噴火リスクが高いとされている。・・(後略)(4月29日毎日新聞より抜粋)

 

 

 ◆戦時体制 鎌田慧 =本音のコラム=

 

 「メーデー」が5月1日ではなく、4月下旬なのは日本独自の風習なのか。参加した安倍首相は「デフレからの脱却のためには、与党も野党もない。労働者も経営者もない」と演説したそうだ。

 まるで戦争中の「産業報国会」だ。「挙国一致」「総動員体制」「国民一丸火の玉」と言い出しかねない時代錯誤だ。残業代無料などの「勤労奉仕」を考えているのも戦時体制のようだ。

 空襲ならぬ原発事故を収束できず、被害者の生活もたちゆかないのに、まだ原発を継続しようという。犠牲者を見捨ててのもうけ第一主義者。この突進最初の「特攻隊長」に選ばれた、鹿児島県の県知事は大喜びだ。

 県は来るべき事故に備えて、川内原発の5キロ圏内の住民4800人に被ばく対策用の安定ヨウ素剤を事前配布すると発表した。30キロ圏内なら22万人になる。事故が起きたとき「一刻も早く飲め」というのが、福島事故の教訓である。

 安定ヨウ素剤は、核分裂生成物で原発事故の際に野山や街に漏れだしてくる、放射性ヨウ素131によって甲状腺がんにならないために、先に飲んでおく予防剤だ。ところが副作用が心配され、それも3歳未満の幼児には、シロップとの調合が必要で服用が難しい。

 避難訓練も必要とされている。が、放射能には逃げ道はない。防空頭巾でも防げない。戦争前夜だ。 (4月29日東京新聞より)

 

 

 ◆立地の問題 斎藤美奈子 =本音のコラム=

 

 広瀬隆さんの講演録を読んでいて、シンプルかつ重大な事実に今さらながら気がついた。

 日本列島の上空には偏西風が吹いている。九州や四国に上陸した台風の進路予想図を思い出していただきたい。必ず北東方向(地図上の右上方向)に進みますよね。

 原発事故で放出された放射性物質が拡散する経路もこれと同じ。現在、再稼働に向けて最優先で安全審査が進められている川内原発(鹿児島県)は、九州の南西部(地図上の左下)に位置しており、ここで事故が起きたら日本列島をなめるような形で放射性物質が全国に拡散するのは必至。

 四国の西端(地図上の左端)に位置する伊方原発(愛媛県)で事故が起きた場合も、瀬戸内を死の海に変え、やはり被害は全国に及ぶだろう。九州の北西部に立つ玄海原発(佐賀県)や山陰地方の真ん中あたりにある島根原発(島根県)の事故は日本海を直撃する。

 どこに立地していようと、原発が危険なことに変わりはないけれど「よりにもよって、なんでこんな場所に建ててんだ!」な思いを強くする。

 福島第一原発から漏れた放射性物質の8割は太平洋に流れたという。それでも避難者は13万人超。13日の伊方町長選でも27日の衆院鹿児島2区補選でも原発の再稼働は焦点にならなかった。西日本の原発立地地域の責任はことのほか重いのに。(4月30日東京新聞より)
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