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┗■3.「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」その30

 |  いまだに過小評価を続ける原発関連耐震評価、地震国に住む地震学者として心配である

 |  強震を過小評価する危ない「常識」

 |  阪神淡路大震災以後にすでに分かっていた「予想以上の揺れと加速度の発生」

 └──── 島村英紀(地震学者)

 

○大地震の揺れが、以前知られていたよりもずっと大きいことが分かってきた。

 前回の高感度地震計とちがって今回は感度を下げた地震計の話をしよう。なぜ、そのようなものが必要なのだろう。わざわざ切れない包丁を用意するようなものだと思うだろうか。

 だが、これは大事な観測なのだ。高感度の地震計では、近くで大地震が起きたときには記録が振りきれて、地面の揺れを正確に記録することは出来なくなってしまう。

 このために低感度の地震計「強震計(きょうしんけい)」が必要なのだ。

それは地震の振動が、地面が1000分の1ミリも動かないような微小なものから、数十センチも動く大地震まで、とても大きな幅があるからである。

大地震のときに地面がどのくらい揺れたかは、建物や建造物を造るときに大事な情報になる。

 

○阪神淡路大震災(1995)以後、日本中で強震計が増やされた。いまでは全国に1000点もある。世界一の密度だ。

  この強震計が展開されたために、いままで知られていなかったことが分かってきた。

  そのひとつは、大地震のときの揺れが、それまで考えられてきたよりもはるかに大きいことがあることだった。

  地震が建物や建造物が揺するときには、地震の「加速度」に比例した力がかかる。具体的には、加速度の値に、そのものの重さを掛けただけの力がかかる。

 

○加速度の大きさはガルという単位で測る。980ガルというのが、地球の引力で、地球上すべてのものにかかっている重力である。

  ヤクルトのバレンティンが高々と打ち上げたボールが地面に帰ってくるのも重力のせいだ。

 もし地震の揺れが980ガルを超えたら、地面にある岩が飛び上がることを意味する。

  建物にも、ダムや高速道路などの構造物にも大変な力がかかることになる。

実は阪神淡路大震災の前には、地震学者のあいだでも、まさか岩が飛び上がるほどの揺れはあるまいというのが一般的な常識だった。

  しかし、その後に起きた大地震で日本中に展開された強震計の記録は、この常識を覆した。

 たとえば新潟県中越地震(2004)では2516ガルを記録したし、岩手・宮城内陸地震(2008)では岩手県一関市厳美町祭畤(げんびちょうまつるべ)4022ガルという大きな加速度を記録した。

 

○こうなると心配になってくるのが、いままでの「常識」で作られた建造物だ、たとえば原発はある限度以上の揺れはないとして設計されている。

 ある電力会社の原発のホームページには「将来起こりうる最強の地震動」として300 - 450ガル、「およそ現実的ではない地震動」として450 - 600ガルという値が載せてあった。

 福島の原発事故以来、このホームページは削除されてしまったが、この値で設計されていたことは確かなことだ。

地震国に住む地震学者としては心配なことである。(12月5日夕刊フジより)

 

 

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┗■4.新聞より3つ

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 ◆福島から自民へ献金8倍

  建設業、目立つ高額除染で業績が回復 電力役員からは4.3

                      (1130日朝日新聞の見出しより)

 

 

 ◆汚染水、薄めて海洋放出も検討を…IAEA助言

 

 東京電力福島第一原子力発電所の廃炉対策などを検証する国際原子力機関(IAEA)の調査団が4日、同原発の汚染水について、除去が難しい放射性物質トリチウムなどを国の基準値以下に薄めたうえで海洋放出することも、選択肢として検討するよう政府と東電に助言した。(12月4日読売新聞より抜粋)

 

 

 ◆党名変更のススメ  鎌田 慧

 

 日曜日。氷雨の下でのデモだった。松山市での伊方原発再稼働反対集会に参加した。「ボクもフクシマの避難民」という元宇宙飛行士の秋山豊寛さんのシイタケ栽培は、原発事故で全滅した。彼と並んで歩いて「再稼働反対!」の声を上げた。

 デモの叫びもテロルと言い切った石破茂自民党幹事長の発言は、権力者の過剰な恐怖心を見せつけたが、その日の集会でも特定秘密保護法案を批判する声が多かった。

 原発と防衛とを秘密と厳罰で結ぶ法案があらわれた。兵器工場で働くひとはいまでも「適正評価」を受け、「防衛機密」で口を封じられている。原発とその関連産業で働く人も、身辺を調査されている。それがさらに周辺に拡大される。

 日を追って、秘密保護法案にたいする市民の怒りが強まっている。私たちは戦前の社会を支配した特高警察や憲兵隊の監視の目を伝えてこなかった。いま、その暗黒時代に戻ろうとしている。

 この前世紀的な悪法を「問答無用」とばかり、また強行採決しようとしているのが、「自由民主、公明」を党名にしている傲慢与党である。

 自由民主、公明を騙(かた)って恥ずかしくないのか。「抑圧、独裁、暗愚」とその名を変えたらいい。やがて5年もすれば、この「民主主義抑圧法」または「言論弾圧法」に賛成した議員たちは、歴史に裁かれる。それは必定だ。

                (12月3日東京新聞・本音のコラムより)
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