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たんぽぽ舎です。【TMM:No1917】
2013年8月2日(金)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.新規制基準は再稼働促進基準だ! <上>
自ら策定した基準も守らず、大飯原発の運転継続を容認 (渡辺寿子)
★2.選挙が終わったら、「海に漏れたかも」
「東電発表」のさらなるデタラメぶり <下> (山崎久隆)
★3.7月22日(月)安田節子さんの講演
「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を斬る!」<下>
~異常な貿易協定、秘密協議、米国の標的は日本、ISD条項~
(斎藤なぎさ)
★4.新聞・雑誌から1つ
◆汚染水漏れ口 2年放置 東電福島第一 事故直後、対策発表
(8月1日朝日新聞より抜粋)
━━━━━━━
※8/5学習会にご参加を!
地震・津波講座第1回「日本は地震活発期に入ったか」
講 師:島村英紀さん(地震学者)
日 時:8月5日(月)19:00より
会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)
参加費:800円 「地震がよくわかる会」協賛
━━━━━━━
┏┓
┗■1.新規制基準は再稼働促進基準だ! <上>
│ 自ら策定した基準も守らず、大飯原発の運転継続を容認
└──── 渡辺寿子(原発いらない!ちば)
(上・中・下の3回にわけて掲載します)
▼ 再稼働のための新基準
7月8日原子力規制委員会(以下規制委)は原発の新規制基準を施行しました。
規制委は福島事故の教訓を踏まえ、新基準を策定したとしています。炉心溶融や
放射性物質の大量放出といった過酷事故対策や地震・津波に対する対策も強化し
たとしています。フィルター付ベント設備や地震や放射能に耐えられる作業拠点
(免震重要棟)、通常の制御室とは別の単独で冷却が続けられる第二制御室など
の設置を求めています。外部電源の多重・多様化、非常用直流電源の3系統目も
求めています。これらにより世界一安全な原発の基準が出来たといっています。
私達は根本的にどんな対策を施しても、「安全な原発」はないと思っているの
で稼働のための基準作りには反対です。しかし規制委には安全のためとして自ら
作った基準は守らせる義務があるはずです。けれども規制委は最初から様々な抜
け道を作り、自ら作った基準をなし崩しにしています。第二制御室や非常用直流
電源の3系統目は再稼働申請時の完成は求めず、5年猶予とし、フィルター付ベ
ントも加圧水型原発には5年の猶予を認めています。これでは一体何のための新
基準なのでしょう。
そもそも規制委は福島事故の教訓を踏まえて新基準を策定したと言っています
が、福島事故の真相はいまだ解明されていません。福島第一1号機の非常用復水
器に繋がる配管が地震で壊れた可能性が強いとの指摘が多くあるのに、東電の妨
害もあり、真相は明らかになっていません。規制委は地震や津波対策を強化した
としていますが、地震で配管が壊れたかどうかもわからないのに、新基準など策
定できるわけがありません。福島事故は収束していないので、事故の検証は難し
く、従って今の時点で新基準策定など不可能です。
▼ 諸悪の根源大問題・大飯原発継続
規制委は新基準の施行直前の7月3日、稼働中の大飯3,4号機の運転継続を
容認しました。大飯原発はフィルター付ベントなし(これはすべての加圧水型は
5年猶予とされたので仕方ないとしても)、新基準で義務付けられている最大級
の津波を想定した防潮堤はありません。周辺の活断層が連動した場合の影響評価
については「耐震性に影響はない」とする関電の報告を了承し、これも義務付け
られている地盤の三次元調査は中長期的にやればよいとしてしまいました。
また新基準で設置が義務付けられている地震や放射能に耐えられる事故時の作
業拠点(免震重要棟)も大飯原発にはありません。
関電は当初3,4号機の会議室で代用するとしていましたが、規制委もさすが
にこれは非常識として却下しました。
しかしその代替として停止中の1,2号機の中央制御室の会議室を提案すると、
規制委はあっさりこれを受け入れてしまいました。
この会議室は本当に地震や放射能に耐えられるのでしょうか。10メートル四方
の部屋に38人の作業員が詰めることになるといいます。
こんなものが事故時の作業拠点になるとはとても思えません。
(次号につづく。次回は<中>を掲載します)
┏┓
┗■2.選挙が終わったら、「海に漏れたかも」
│ 「東電発表」のさらなるデタラメぶり <下>
│ 重要なデータを隠す、情報操作、放射能漏れを隠ぺい
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
▼汚染値と地下水位は規則的に変動データを示す
東電公表のデータによると、地下水が上昇するタイミングは雨が多く降ったと
きが顕著である。半年間の地下水位データは、見事に雨量データと相関している。
海中の放射能汚染値の上下動も、この水位の変動と相関している。
特に三号機シルトスクリーン内は見事に地下水位と連動している。すなわち水
位が上がれば汚染値も上がる。
これを見ていて「汚染水の漏えいは認められない」という判断はどこから来る
のだろう。
さらにボーリング調査結果を見ると、完全に漏れ出していることが分かる。
地表から15mほどのボーリングコアを測定したデータが公表されているが、そ
れによれば地表から1mまではほとんど汚染がなく、地中4mほどがピークで、
上下3m合わせて6m余りに多くの汚染が集中している。
ちょうど海面に近い位置が最も汚染値が高く、その前後に汚染が集まるのは、
地下水位が海面潮位とともに変動して汚染水もそれに合わせて海に流れ込んだこ
とを示している。
地表から1mは汚染がないことから、地上からの持ち込みは無いことも分かる。
これも地上汚染が地下に入ったとの説明を否定する。
また、地下6m、地上からは10m付近にも汚染が認められる。ここはおそら
く性質の違う土壌の境界付近なのだろう。
しかしこのデータは何故か「ミリシーベルト/時」で現されている。最大値が
3.5ミリシーベルト/時ほどだ。土壌の汚染値ならばベクレル/kg(または
グラム)か、カウント/分であろう。他との比較ができないシーベルト/時で現
しているのも恣意的に思われる。
▼対策は間に合うのか
現在、タービン建屋と海の間に地盤硬化剤を注入して地下水漏えいをブロック
する工事が進められている。しかし効果があるかは疑問だ。
海岸付近の地下構造は地盤ではなく、砕石と土の混合物で、地盤硬化剤をいく
ら入れても石の間の隙間を埋められるとは思えない。さらに深さも18m程度で
あり、その下をくぐり抜ける恐れも否定できない。
地盤硬化剤用のボーリングをするということは、そのボーリングに沿って汚染
水も下降し、地盤の下をくぐり抜けて汚染が海底にまで達する危険性がある。
このような方法は一時しのぎにはなっても恒久的な対策になどならない。
遮水壁工事は、鉄板による矢板を打ち込む作業は行われているが、板一枚でと
められるとは思えない。そもそもタービン建屋と護岸の間は地下にトレンチや配
管が多数敷設されていて、これら構造物を含めて海へのバイパスが多数存在する。
これを一つ一つ埋めていかないと漏えいは止まらない。
これは大きな被曝を伴う作業になる。もっと早い段階から作業環境の改善を実
施していなければならなかった東電は、柏崎刈羽の改造工事に使う大金があるな
ら、福島原発(の収束)へまわせ。
柏崎刈羽原発に防潮堤を建設する資金がありながら、福島第一原発は未だに仮
設防潮堤であり、次の津波で破壊されるのは必至のありさま。柏崎刈羽原発では
ベント装置を作る基礎工事に地中30mも掘り下げた土木工事をする資金がある
のに福島第一では汚染水の位置すらつかめないありさま。止水壁の工事などとう
に終わっていなければならないのにまだ着手したばかり。
ついに対策と漏えいは追いかけ状態が逆転し、漏えいする中での阻止作業にな
ってしまった。これでは作業環境もいっそう悪くなるばかりである。
東電は柏崎刈羽原発の改造工事に使う資金を引き揚げて福島に集中するべきだ。
一体何時になったらまともな対策を取るのだろうか。おそらく解体しない限り、
対策は進まないのであろう。<了>
┏┓
┗■3.安田節子さんの講演の報告
│ 「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を斬る!」 <下>
│ ~異常な貿易協定、秘密協議、米国の標的は日本、ISD条項~
└──── 斎藤なぎさ(たんぽぽ舎ボランティア)
6.知的所有権(著作権、特許権)の拡大・・・新薬の特許期間の延長で、ジェ
ネリック薬など安い薬が出回らなくなり弱者にしわ寄せがくる。また、特許をと
った種子と知らずに農家が利用(自家採種や繁殖)した場合、損害賠償請求にさ
らされる。特許品を使っての売り上げからライセンス料の支払いを求められる。
まさに特許料とライセンス料の二重取りである。それ以上に怖いのは、著作権の
強化・拡大によるインターネット監視でプライバシーが危機にさらされることで
ある。著作権侵害の申し立てがなくても、政府がインターネットを監視して摘発
できるので、政府にとって都合の悪い人物を狙い撃ちできるようになる。
7.食の安全・・・全品目の関税撤廃(TPPの原則)は国家主権の放棄である。
例えば
不安な輸入食品が増大する。米国産の輸入米や輸入トウモロコシには、日本には
ない猛毒のカビ毒アフラトキシンがあり、微量でも肝臓がんが発症する。米国基
準への一律化要求は食の安全を脅かす。(食品添加物を増やせば複合毒性のリス
クが高まる。ポストハーベストの使用は農薬摂取量が増大する。残留農薬基準は
アメリカンチェリーで20倍、コメで80倍。遺伝子組み換え食品の表示の撤廃は安
全な食品を選ぶ自由を奪う。)
8.ワクチン・・・ターゲットは世界第二位の医薬品市場の日本で、米国は新ワ
クチンの導入を迅速化せよと要求。しかしインフルエンザ予防にワクチンは効果
なし。子宮頸がんワクチンで多くの重篤な副反応の報告がある。このような詐欺
的医療が広がる。
9.金融・・・米国金融業界は国内運用(国債や地方債)規制を撤廃させ、簡保
と郵貯、農協共済をリスクの高い海外投資に呼び込もうとしている。また米国の
保険業界は消費者に有利な共済制度の廃止を要求。
そのほか、低賃金で働く労働者が移入して、失業率が増え、賃金水準は下がり、
社会の貧困化が加速する。
-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
米国政府が、自由貿易協定を通して求めてきた「関税と規制の撤廃」を徹底し
て実現させたのがTPPであり、それは国家の主権や民主主義、国内法より上に
置かれている。TPPを知れば知るほど暗澹たる気持ちにさせられた。どれだけ
の日本人がTPPの恐ろしさに気づいているのだろうか。まずは、早急にTPP
に関する情報を拡散しなければとの思いから講演会参加記という形をとりつつま
とめてみた。 <了>
* * * * 安田さん主宰の「ビジョン21」発行の小冊子 * * * *
『ないしょのないしょのTPP本当の話』(1冊100円)たんぽぽ舎で取扱い中!
┏┓
┗■4.新聞・雑誌から
└────
◆汚染水漏れ口 2年放置 東電福島第一 事故直後、対策発表
福島第一原発の放射能汚染水流出について、東京電力が事故直後の2011年4月、
流出元の建屋と地下坑道の間の「遮断」を防止策として公表しながら、2年以上、
建屋の漏れ口をふさがずに放置していたことが分かった。今夏、汚染水が海へ漏
れていることが判明し、ようやく遮断工事の試験の準備に入った。対応の遅れが
汚染拡大を招いた可能性が高い。(後略)
<汚染水流出問題>
原子炉冷却のため注入された水が汚染されて建屋へ漏れ出し、事故直後には海
へ流出した。地下坑道にもたまっている。今年5月以降、海側の井戸の地下水か
ら高濃度の放射能を検出。東電は7月19日に汚染水が海へ流出していると判断
したのに22日まで公表せず、批判されている。(8月1日朝日新聞より抜粋)
2013年8月2日(金)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.新規制基準は再稼働促進基準だ! <上>
自ら策定した基準も守らず、大飯原発の運転継続を容認 (渡辺寿子)
★2.選挙が終わったら、「海に漏れたかも」
「東電発表」のさらなるデタラメぶり <下> (山崎久隆)
★3.7月22日(月)安田節子さんの講演
「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を斬る!」<下>
~異常な貿易協定、秘密協議、米国の標的は日本、ISD条項~
(斎藤なぎさ)
★4.新聞・雑誌から1つ
◆汚染水漏れ口 2年放置 東電福島第一 事故直後、対策発表
(8月1日朝日新聞より抜粋)
━━━━━━━
※8/5学習会にご参加を!
地震・津波講座第1回「日本は地震活発期に入ったか」
講 師:島村英紀さん(地震学者)
日 時:8月5日(月)19:00より
会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)
参加費:800円 「地震がよくわかる会」協賛
━━━━━━━
┏┓
┗■1.新規制基準は再稼働促進基準だ! <上>
│ 自ら策定した基準も守らず、大飯原発の運転継続を容認
└──── 渡辺寿子(原発いらない!ちば)
(上・中・下の3回にわけて掲載します)
▼ 再稼働のための新基準
7月8日原子力規制委員会(以下規制委)は原発の新規制基準を施行しました。
規制委は福島事故の教訓を踏まえ、新基準を策定したとしています。炉心溶融や
放射性物質の大量放出といった過酷事故対策や地震・津波に対する対策も強化し
たとしています。フィルター付ベント設備や地震や放射能に耐えられる作業拠点
(免震重要棟)、通常の制御室とは別の単独で冷却が続けられる第二制御室など
の設置を求めています。外部電源の多重・多様化、非常用直流電源の3系統目も
求めています。これらにより世界一安全な原発の基準が出来たといっています。
私達は根本的にどんな対策を施しても、「安全な原発」はないと思っているの
で稼働のための基準作りには反対です。しかし規制委には安全のためとして自ら
作った基準は守らせる義務があるはずです。けれども規制委は最初から様々な抜
け道を作り、自ら作った基準をなし崩しにしています。第二制御室や非常用直流
電源の3系統目は再稼働申請時の完成は求めず、5年猶予とし、フィルター付ベ
ントも加圧水型原発には5年の猶予を認めています。これでは一体何のための新
基準なのでしょう。
そもそも規制委は福島事故の教訓を踏まえて新基準を策定したと言っています
が、福島事故の真相はいまだ解明されていません。福島第一1号機の非常用復水
器に繋がる配管が地震で壊れた可能性が強いとの指摘が多くあるのに、東電の妨
害もあり、真相は明らかになっていません。規制委は地震や津波対策を強化した
としていますが、地震で配管が壊れたかどうかもわからないのに、新基準など策
定できるわけがありません。福島事故は収束していないので、事故の検証は難し
く、従って今の時点で新基準策定など不可能です。
▼ 諸悪の根源大問題・大飯原発継続
規制委は新基準の施行直前の7月3日、稼働中の大飯3,4号機の運転継続を
容認しました。大飯原発はフィルター付ベントなし(これはすべての加圧水型は
5年猶予とされたので仕方ないとしても)、新基準で義務付けられている最大級
の津波を想定した防潮堤はありません。周辺の活断層が連動した場合の影響評価
については「耐震性に影響はない」とする関電の報告を了承し、これも義務付け
られている地盤の三次元調査は中長期的にやればよいとしてしまいました。
また新基準で設置が義務付けられている地震や放射能に耐えられる事故時の作
業拠点(免震重要棟)も大飯原発にはありません。
関電は当初3,4号機の会議室で代用するとしていましたが、規制委もさすが
にこれは非常識として却下しました。
しかしその代替として停止中の1,2号機の中央制御室の会議室を提案すると、
規制委はあっさりこれを受け入れてしまいました。
この会議室は本当に地震や放射能に耐えられるのでしょうか。10メートル四方
の部屋に38人の作業員が詰めることになるといいます。
こんなものが事故時の作業拠点になるとはとても思えません。
(次号につづく。次回は<中>を掲載します)
┏┓
┗■2.選挙が終わったら、「海に漏れたかも」
│ 「東電発表」のさらなるデタラメぶり <下>
│ 重要なデータを隠す、情報操作、放射能漏れを隠ぺい
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
▼汚染値と地下水位は規則的に変動データを示す
東電公表のデータによると、地下水が上昇するタイミングは雨が多く降ったと
きが顕著である。半年間の地下水位データは、見事に雨量データと相関している。
海中の放射能汚染値の上下動も、この水位の変動と相関している。
特に三号機シルトスクリーン内は見事に地下水位と連動している。すなわち水
位が上がれば汚染値も上がる。
これを見ていて「汚染水の漏えいは認められない」という判断はどこから来る
のだろう。
さらにボーリング調査結果を見ると、完全に漏れ出していることが分かる。
地表から15mほどのボーリングコアを測定したデータが公表されているが、そ
れによれば地表から1mまではほとんど汚染がなく、地中4mほどがピークで、
上下3m合わせて6m余りに多くの汚染が集中している。
ちょうど海面に近い位置が最も汚染値が高く、その前後に汚染が集まるのは、
地下水位が海面潮位とともに変動して汚染水もそれに合わせて海に流れ込んだこ
とを示している。
地表から1mは汚染がないことから、地上からの持ち込みは無いことも分かる。
これも地上汚染が地下に入ったとの説明を否定する。
また、地下6m、地上からは10m付近にも汚染が認められる。ここはおそら
く性質の違う土壌の境界付近なのだろう。
しかしこのデータは何故か「ミリシーベルト/時」で現されている。最大値が
3.5ミリシーベルト/時ほどだ。土壌の汚染値ならばベクレル/kg(または
グラム)か、カウント/分であろう。他との比較ができないシーベルト/時で現
しているのも恣意的に思われる。
▼対策は間に合うのか
現在、タービン建屋と海の間に地盤硬化剤を注入して地下水漏えいをブロック
する工事が進められている。しかし効果があるかは疑問だ。
海岸付近の地下構造は地盤ではなく、砕石と土の混合物で、地盤硬化剤をいく
ら入れても石の間の隙間を埋められるとは思えない。さらに深さも18m程度で
あり、その下をくぐり抜ける恐れも否定できない。
地盤硬化剤用のボーリングをするということは、そのボーリングに沿って汚染
水も下降し、地盤の下をくぐり抜けて汚染が海底にまで達する危険性がある。
このような方法は一時しのぎにはなっても恒久的な対策になどならない。
遮水壁工事は、鉄板による矢板を打ち込む作業は行われているが、板一枚でと
められるとは思えない。そもそもタービン建屋と護岸の間は地下にトレンチや配
管が多数敷設されていて、これら構造物を含めて海へのバイパスが多数存在する。
これを一つ一つ埋めていかないと漏えいは止まらない。
これは大きな被曝を伴う作業になる。もっと早い段階から作業環境の改善を実
施していなければならなかった東電は、柏崎刈羽の改造工事に使う大金があるな
ら、福島原発(の収束)へまわせ。
柏崎刈羽原発に防潮堤を建設する資金がありながら、福島第一原発は未だに仮
設防潮堤であり、次の津波で破壊されるのは必至のありさま。柏崎刈羽原発では
ベント装置を作る基礎工事に地中30mも掘り下げた土木工事をする資金がある
のに福島第一では汚染水の位置すらつかめないありさま。止水壁の工事などとう
に終わっていなければならないのにまだ着手したばかり。
ついに対策と漏えいは追いかけ状態が逆転し、漏えいする中での阻止作業にな
ってしまった。これでは作業環境もいっそう悪くなるばかりである。
東電は柏崎刈羽原発の改造工事に使う資金を引き揚げて福島に集中するべきだ。
一体何時になったらまともな対策を取るのだろうか。おそらく解体しない限り、
対策は進まないのであろう。<了>
┏┓
┗■3.安田節子さんの講演の報告
│ 「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を斬る!」 <下>
│ ~異常な貿易協定、秘密協議、米国の標的は日本、ISD条項~
└──── 斎藤なぎさ(たんぽぽ舎ボランティア)
6.知的所有権(著作権、特許権)の拡大・・・新薬の特許期間の延長で、ジェ
ネリック薬など安い薬が出回らなくなり弱者にしわ寄せがくる。また、特許をと
った種子と知らずに農家が利用(自家採種や繁殖)した場合、損害賠償請求にさ
らされる。特許品を使っての売り上げからライセンス料の支払いを求められる。
まさに特許料とライセンス料の二重取りである。それ以上に怖いのは、著作権の
強化・拡大によるインターネット監視でプライバシーが危機にさらされることで
ある。著作権侵害の申し立てがなくても、政府がインターネットを監視して摘発
できるので、政府にとって都合の悪い人物を狙い撃ちできるようになる。
7.食の安全・・・全品目の関税撤廃(TPPの原則)は国家主権の放棄である。
例えば
不安な輸入食品が増大する。米国産の輸入米や輸入トウモロコシには、日本には
ない猛毒のカビ毒アフラトキシンがあり、微量でも肝臓がんが発症する。米国基
準への一律化要求は食の安全を脅かす。(食品添加物を増やせば複合毒性のリス
クが高まる。ポストハーベストの使用は農薬摂取量が増大する。残留農薬基準は
アメリカンチェリーで20倍、コメで80倍。遺伝子組み換え食品の表示の撤廃は安
全な食品を選ぶ自由を奪う。)
8.ワクチン・・・ターゲットは世界第二位の医薬品市場の日本で、米国は新ワ
クチンの導入を迅速化せよと要求。しかしインフルエンザ予防にワクチンは効果
なし。子宮頸がんワクチンで多くの重篤な副反応の報告がある。このような詐欺
的医療が広がる。
9.金融・・・米国金融業界は国内運用(国債や地方債)規制を撤廃させ、簡保
と郵貯、農協共済をリスクの高い海外投資に呼び込もうとしている。また米国の
保険業界は消費者に有利な共済制度の廃止を要求。
そのほか、低賃金で働く労働者が移入して、失業率が増え、賃金水準は下がり、
社会の貧困化が加速する。
-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
米国政府が、自由貿易協定を通して求めてきた「関税と規制の撤廃」を徹底し
て実現させたのがTPPであり、それは国家の主権や民主主義、国内法より上に
置かれている。TPPを知れば知るほど暗澹たる気持ちにさせられた。どれだけ
の日本人がTPPの恐ろしさに気づいているのだろうか。まずは、早急にTPP
に関する情報を拡散しなければとの思いから講演会参加記という形をとりつつま
とめてみた。 <了>
* * * * 安田さん主宰の「ビジョン21」発行の小冊子 * * * *
『ないしょのないしょのTPP本当の話』(1冊100円)たんぽぽ舎で取扱い中!
┏┓
┗■4.新聞・雑誌から
└────
◆汚染水漏れ口 2年放置 東電福島第一 事故直後、対策発表
福島第一原発の放射能汚染水流出について、東京電力が事故直後の2011年4月、
流出元の建屋と地下坑道の間の「遮断」を防止策として公表しながら、2年以上、
建屋の漏れ口をふさがずに放置していたことが分かった。今夏、汚染水が海へ漏
れていることが判明し、ようやく遮断工事の試験の準備に入った。対応の遅れが
汚染拡大を招いた可能性が高い。(後略)
<汚染水流出問題>
原子炉冷却のため注入された水が汚染されて建屋へ漏れ出し、事故直後には海
へ流出した。地下坑道にもたまっている。今年5月以降、海側の井戸の地下水か
ら高濃度の放射能を検出。東電は7月19日に汚染水が海へ流出していると判断
したのに22日まで公表せず、批判されている。(8月1日朝日新聞より抜粋)
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