NUCLEAIRE
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┗■3.気象庁は日本のどこかで震度5弱以上の地震が起きると昼夜を問わず記者会見
| 北海道南部にある白老(しらおい)町で震度5弱を記録した地震
| 「火山性地震か構造性地震(注)なのか見極めるのは難しい」
| 「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」コラムその62
└──── 島村英紀(地震学者)
○ 気象庁は日本のどこかで震度5弱以上の地震が起きると、昼夜を問わず記者会見を開いて起きた地震について説明することになっている。このため東京千代田区にある気象庁では課長か課長補佐以上がネクタイやスーツを用意して交代で泊まり込んでいる。
7月8日には北海道南部にある白老(しらおい)町で震度5弱を記録した地震があって記者会見が開かれた。
気象庁は火山との関係はないという。東日本大震災の3日後に富士山の直下で大きな地震が起きて地元で震度6強を記録したときも震源は富士山直下とは言わず「静岡県東部」と発表した。
今回のマグニチュード(M)は5.8、震源の深さは気象庁の発表で「ごく浅い」。つまり深さが決められないくらい浅かったということだ。
○ 不思議なのは震源の位置だった。白老町は太平洋岸にあり、震源から20キロも南に離れている。震源は支笏(しこつ)湖のすぐ南、つまり樽前(たるまえ)山(1041メートル)の直下にあったのだ。白老の震度が最大震度として記録されたのは震度の観測点が近くにはなかったからだ。
樽前山は活火山で、噴火するのでは、と近年、緊張が高まっている。山頂は立入禁止になっている。頂上に熔岩ドームがシルクハットのような形でそびえていて、噴火でこのドームが崩れると大規模な火砕流が起きて山麓の苫小牧市などを襲う可能性が高い。
もし樽前山が噴火をしたら函館から札幌へ行くJRのほか近くの新千歳空港も使えなくなる。つまり本州と札幌を結ぶ北海道の大動脈が切られてしまうことになる。過去の大噴火のときには火山灰は日高山脈を越えて道東にまで降った。
○ じつは地震学的には、起きた地震が「火山性地震」なのか、普通の地震(学問的には「構造性地震」という)かを見分けることは難しい。
この8日の地震も、起きた場所といい、起きた深さといい活火山と関係があるのではないかという嫌疑は強いが、それを見分ける根拠はない。このへんで浅い構造性地震が起きることは珍しいだけに、火山との関連が疑われるのだ。
もちろん樽前山を監視するために、さまざまの火山現象をとらえるための監視も行われている。それらに変化があれば「火山情報」が出されることになっている。いまのところは「情報」は出ていない。
○ 震源の近くに観光地「苔の洞門」がある。岩が両側に切り立った昼なお暗い通路にびっしり苔が生えている奇観だ。これは1739年に樽前山が大噴火して大量の火砕流が積もってできた溶結凝灰岩(ようけつぎょうかいがん)が、その後の土石流で侵食されて作られた深い枯れ沢である。
8日の地震で洞門の観覧台近くで1メートルを超える岩が崩れ落ちたほか、洞門内部でも4-5カ所で崩落が確認された。
幸い地震が起きたのが午後6時すぎで現場の営業は終わっていた。観光客はおらず、けが人はなかった。もし数時間早かったら悲劇が起きていたかもしれない。
(8月1日『夕刊フジ』より)
※注:事故情報編集部より
構造性地震(普通の地震)
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┗■4.新聞より2つ
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◆川内再稼働、冬以降か 九電 工事計画補正申請遅れ
九州電力は5日、再稼働を目指して原子力規制委員会の審査を受けている川内原発1、2号機(鹿児島県)について、合格に必要な工事計画の補正申請が、予定より大幅に遅れて9月末になると明らかにした。工事計画の審査は作業量が膨大で、地元同意や運転前の検査などにかかる時間を考えると、再稼働は今冬以降にずれこむ可能性が出てきた。
九電は当初、5月末に補正申請するとしていた。中村明上席執行役員は「10月にずれ込む可能性もある」と述べた。規制委は、5日の審査会合で九電に対し補正申請の準備状況について質問。九電は想定する地震や津波を見直したことなどで、確認する事項が大幅に増え時間がかかっていると説明した。
川内1、2号機をめぐっては、規制委が7月に新規制基準に適合しているとする初の審査書案をまとめ、事実上審査に合格している。しかし最終的な審査合格には建物や機器の詳細設計をまとめた工事計画のほか、運転管理体制をまとめた保安規定の認可が必要となる。九電は保安規定の補正申請も工事計画と同時期を目指すとしている。 (8月6日茨城新聞より)
◆審査申請の内容学ぶ 東海第2 反対議連が学習会 水戸
東海第2原発(東海村白方)の再稼働に反対する茨城県自治体議員連盟(相沢一正代表)は5日、水戸市千波町の県民文化センターで東海第2の安全性に関わる学習会を開いた。元原子力プラント設計技術者の後藤政志さんが、日本原子力発電(原電)が国に提出した安全審査の申請内容と問題点について解説した。
学習会には議員や市民ら約50人が参加した。後藤さんは、耐震設計の目安となる地震の揺れ(基準地震動)について「活断層やプレートなどのメカニズムから仮定して推測した値。それ以上の地震や津波が来ないとは言っていない」と不確実性を指摘。
津波対策として原電が原子炉建屋に設置した水密扉については「人間が閉めに行くのは安全工学的に間違っている。自動的に閉められるようにするべきだ」 と強調した。
たんぽぽ舎です。【TMM:No2245】
2014年8月7日(木)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.東電は「福島」に責任を取れ! 柏崎刈羽原発再稼働するな!
102の賛同団体と共に180人の参加
8/6-第11回東電解体!東電本店合同抗議の報告-
次回(第12回東電本店合同抗議)は9月3日(水)18:30~20:00
渡辺秀之(たんぽぽ舎ボランティア)
★2.「経産省前テントひろば」が九州電力へ出した「3つの質問と
1つの要望」の文章 「経産省前テントひろば」
★3.気象庁は日本のどこかで震度5弱以上の地震が起きると昼夜を問わず記者会見
北海道南部にある白老(しらおい)町で震度5弱を記録した地震
「火山性地震か構造性地震(注)なのか見極めるのは難しい」
「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」コラムその62
島村英紀(地震学者)
★4.新聞より2つ
◆川内再稼働、冬以降か 九電 工事計画補正申請遅れ
(8月6日茨城新聞より)
◆審査申請の内容学ぶ 東海第2 反対議連が学習会 水戸
(8月6日茨城新聞より)
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┗■1.東電は「福島」に責任を取れ! 柏崎刈羽原発再稼働するな!
| 102の賛同団体と共に180人の参加
| 8/6-第11回東電解体!東電本店合同抗議の報告-
| 次回(第12回東電本店合同抗議)は9月3日(水)18:30~20:00
└──── 渡辺秀之(たんぽぽ舎ボランティア)
○ 連日猛暑が続く中、8月6日(水)、午後5時から6時まで、再稼働阻止全国ネット主催の「川内原発再稼働やめろ!」九州電力東京支社抗議行動(JR有楽町駅:有楽町電気ビル前)が行われた。
初めての行動だが94名が参加し、あつい発言がつづいた。
○引き続き、午後6時30分から、東京電力本店前で「東電は「福島」に責任を取れ!放射能汚染水止めろ!柏崎刈羽原発再稼働するな!」のコールが鳴り響いた。呼びかけは、「経産省前テントひろば」と「たんぽぽ舎」であり、102の賛同団体と共に、第11回東電本店合同抗議行動が行われた。参加者は約180人。
○ 色鮮やかなのぼり旗15本が林立(初めての参加のノボリ旗=「被ばく労働を考えるネットワーク」)する中、オープニングコールの後、「脱原発川崎市民」の喜多村さんが、抗議主旨説明を行った。
次に、「再稼働阻止全国ネット」の木村さんから、川内原発再稼働に関連する種々の情勢報告がなされた。
そして、被ばく労働を考えるネットワーク、ふくしま集団疎開裁判の会など、計6名の抗議アピールがあった。
続いて、日本音楽協議会(日音協)によるミニコンサート(3曲)が行われ、全参加者の歌声が夜空に響いた。
更に、東京電力への申し入れが、2団体(反原発自治体議員・市民連盟、たんぽぽ舎)から行われた。
情勢報告その2として、たんぽぽ舎・山崎久隆さんが発言。東電福島原発事故の収束作業における凍土壁やトレンチ内汚染水の凍結作業のお粗末さ(一例、氷を投げ入れているがあれは溶けて水となり、結局、放射能汚染水を増やしている)、勝俣恒久元会長を含む東電元幹部3名に係る検察審査会の「起訴相当」議決等が報告された。
その後、福島原発告訴団から「8月8日の東京行動(下記注)」、たんぽぽ舎から「8/31・たんぽぽ舎25周年のつどい」等、関連イベント告知があった。
最後に、ドンパン節(柏崎刈羽バージョン)を全員で歌って、抗議行動を締めくくり、午後8時に終了。
なお、カンパが43,760円寄せられました。ご支援、ありがとうございます。
(注)福島原発告訴団の武藤類子団長より、連帯のメッセージが届きました。
◆8月8日(金) 都内2カ所で抗議行動 参加歓迎!
12:00-13:45 東京地検前&東京電力本店前「汚染水」打ち水抗議行動
12:00 東京地検前集合
(注;東京地裁前ではなく東京地検前に変更になりました)
13:00 東京電力本店前行動(打ち水します)
・この日は、福島から、告訴団の皆さんがバスで上京されます。
・あなたもバケツ・ペットボトル・ひしゃく等、持ち寄って下さい。
「汚染水」のラベルを貼って、打ち水しましょう。
☆8月6日当日の東電本店合同抗議の賛同団体102番目として「福島バッヂプロジェクト」から、賛同のうれしい知らせがありました。
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┗■2.「経産省前テントひろば」が九州電力へ出した「3つの質問と
| 1つの要望」の文章
└────
九州電力株式会社株式会社代表取締役社長 殿
九州電力株式会社株式会社川内原発所長 殿
質問及び要望書
経産省前テントひろば
東京都千代田区霞が関1-3-1
070-6473-1947
7月16日、原子力規制委員会は、九州電力川内原発1、2号機が、言うところの「新規制基準」に適合しているとの「審査書案」を提示し、以後1か月のパブリックコメントに付されることになりました。
以下、質問と要望を申し上げます。
質問1
規制委員会が、今進めている各原発の審査に対して、去る3月川内原発1、2号機の審査を、他の原発に先駆けて優先的に審査を進めることに至ったのは、基準津波において3・7mから5・2mに、基準地震動において540Gから620Gにそれぞれ引き上げた事によるとされています。
なぜ九州電力が、引き上げを行ったのでしょうか。平成25年の7月における審査請求時においては、それぞれの数字は3・7m、540Gでした。それを半年も経たないうちに数字を引き上げたその理由を明確にしてください、ということです。
質問2
上記のような基準津波並びに基準地震動を引き上げたことに際して、原子炉圧力容器、格納容器、各種配管、配線等を始めとする重要施設について、どの様な補強、対策が施されたのか、具体的に教えて下さい。特に原子炉圧力容器、格納容器、各種配管等については、格別のことは行っていないとすれば、その理由を教えてください。
質問3
8月3日、口永良部島の新岳で噴火がありました。34年ぶりとのことです。川内原発は、火山の爆発について「重要な影響はない」とし、モニタリングをすれば(比較的早期に)大爆発を予知できるとの立場のようですが、この口永良部島新岳の爆発を予知できたのですか。対象外とは言えないはずです。この爆発について、予知できたか、予知しなかったかを質問いたします。
以上、ご回答は8月末日までに、表記住所当て文書でお願い申しあげます。
要望
当面する状況の中では、少なくとも公式には、原子力委員会、国または政府、地方自治体(鹿児島県及び薩摩川内市の首長)のいずれもが、原発の安全性という問題について、責任を負ってはいないことになっており、それでは貴九州電力そのものが安全性について担保する覚悟があるのかと言えば、そうではありますまい。したがってかような状態での川内原発1、2号機の再稼働は到底許さるべきことではありません。
貴九州電力としても原発の安全性を担保できないのですから、かような川内原発1、2号機の再稼働を絶対に止めて下さい。仮に貴社が「安全である」とヤケクソで言ったとしても、「ヤラセ」の前科のある貴社を信用することなど到底できることではありません。
以上質問すると共に、強く要望するものであります。 以上
2014年8月6日 経産省前テントひろば
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┗■3.毎週の金曜日官邸行動に思う、8月1日(金)第112回
| 7月31日東電経営陣3名の「起訴相当」を検察審査会が決定しました
| まだ先があるというもののそれが市民感覚ではないでしょうか
| そんなニュースの中、首相官邸前行動も34℃を超す猛暑を
| ものともせず盛り上りが大きかったと感じました
└──── 千葉和夫(たんぽぽ舎ボランティア)
○毎回、地下鉄の出口でたんぽぽ舎のビラ配りをしていると「デモの会場はどこですか?」と聞かれる。今回も数組の夫婦、女性グループに聞かれた。110回を超す金曜デモに参加する初めての人が後を絶たない。それだけ原発に対しての国民の関心が高く下火になっていないと言えるのではないでしょうか。「福島の事故をなかったこと」にしたいムラの人々にはこの「官邸前行動=事故を忘れさせない」ことこそ最も嫌な存在ではないでしょうか。いまや日本全国に広がった数百の金曜抗議行動デモこそ誰も止めることができない大きな力です。
○首相官邸前:一分間スピーチ
・川内原発の新規制基準「合格」の第一号が出ている。事故原因の調査/解析に基づかない新規制基準の合格なんてまるで意味がない。もし事故が起きれば偏西風に乗った放射能が日本全国を汚染する。すなわち日本が滅亡するかもしれない。再稼働を認めることは到底できない。
・安倍さん福島の現状を見てください。故郷に帰ることもできず苦しんでいる人が13万人もいる。国策で始めた原発での壊滅的な事故、安倍さん国民に謝ったことがありますか?まず、国民に謝ってから福島の人々を救うのが道理です。私はお金はいりません。故郷を返してください。村でみんなが助け合って暮らしていた生活を返してください。
・安倍首相、中南米を財界幹部を引き連れてトップセールス(原発輸出、兵器輸出)をしている場合でない。いまあなたに必要なことは、「原発や武器」を売り歩くことではなく国民に寄り添い、国民が何を求めているのかを知り、国民のための政治をすることだ。
・イチエフ汚染水はブロックされているどころかますます収拾が困難になってきている。このような状態で「安全審査(安倍さん適合審査です)に合格したものは再稼働をする。」と言っているが満足な避難計画もない状態で再稼働はできない。
・7月31日、検察審査会は東電元会長など3名を「起訴相当」とした。大飯原発3、4号機運転指し止めを命じる裁判に続き民意に沿った内容だ。
○川内原発の新規制基準「適合」について異議あり
・火山噴火:九電は「前兆は監視強化で分かる」、審査は「当面は破局的な大噴火は無い"だろう"で適合とした。これはイチエフの反省がまるでない「当面は15メートルを超える津波は無い"だろう"とまるで同じだ。即刻、規制委員会は"適合"を取り消すべきだ。また九電は「前兆は監視強化で分かる」としているが、火山学者のほとんどが「難しい」としている。1)仮に火山噴火の予測が一年前出来たとして、原子炉内の核燃料、使用済み核燃料プールの内の使用済み燃料はどこにどのような運搬手段で持っていくのか(玄海原発の核燃料プールは満パイにちかい)、それにはどれぐらいの時間がかかるのか、2)規制委は「核燃料の避難計画」を作る必要があります。それなしで"だろう"ですませることは国民が納得しない。
たんぽぽ舎です。【TMM:No2244】
2014年8月6日(水)地震と原発事故情報-3つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.7月の電力使用量(ピーク)は昨年を下回る 電力危機は全く起きなかった
夏の節電は既に定着=15%強の節電
「停電の危機」は台風や地震などの自然災害から起きる-原発は全部止まる
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★2.規制委も規制庁も「原子力ムラ」(原子力マフィア)だらけ
原子力規制委員会への信頼はすで完全に崩壊している
原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会! その14
木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
★3.毎週の金曜日官邸行動に思う、8月1日(金)第112回
7月31日東電経営陣3名の「起訴相当」を検察審査会が決定しました
まだ先があるというもののそれが市民感覚ではないでしょうか
そんなニュースの中、首相官邸前行動も34℃を超す猛暑を
ものともせず盛り上りが大きかったと感じました
千葉和夫(たんぽぽ舎ボランティア)
━━━━━━━
※8月8日(金)2カ所で抗議行動 参加歓迎!
12:00-13:45 東京地検前&東電本店前「汚染水」打ち水抗議行動
12:00 東京地検前集合
(注;東京地裁前ではなく東京地検前に変更になりました)
13:00 東京電力本社前行動(打ち水します)
☆この日は福島から告訴団の皆さんがバスで上京されます。
☆あなたもバケツ・ペットボトル・ひしゃく等持ち寄って下さい。
「汚染水」のラベルを貼って、打ち水しましょう。
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※川内(せんだい)原発再稼働やめろ! 永遠に原発ゼロに!
8/8(金)第113回首相官邸前抗議にご参加を!
日時:8月8日(金)18:00~20:00
主催:首都圏反原発連合(たんぽぽ舎も参加・構成団体)
当日の詳細は http://coalitionagainstnukes.jp/ を参照
○たんぽぽ舎はいつものように13:00集合、ビラ折りやプラカードづくりの作業、たんぽぽ舎16:20出発、17:00頃、関西電力東京支店(富国生命ビル9F)前で短時間の抗議コール。17:15「経産省前テントひろば」集合。
1~5班にわかれて17:30官邸前へ、国会前へ出発。20:20経産省前テントヨコでまとめの集会と東電抗議の際の楽器練習(短時間)。参加歓迎!
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┗■1.7月の電力使用量(ピーク)は昨年を下回る
| 電力危機は全く起きなかった
| 夏の節電は既に定着=15%強の節電
| 「停電の危機」は台風や地震などの自然災害から起きる-原発は全部止まる
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
○7月は電力に余裕
7月の電力使用量をずっと見つめてきたが、25日(金)を除いて、全国の各電力会社の最大使用量は、ほとんど90%を下回り電力危機は全く起きなかった。「電力危機」とは全国の電力使用量合計が電力会社の準備した供給力(設備容量)の97%を超えて、さらに増加する場合である。92%くらいでは「余裕がある」といっていい。
気温と曜日の組み合わせが、たまたま運が良かったからと考える人もいるかも知れない。たしかに7月で最も暑かったのは7月26日(土)から27日(日)、ちょうど台風10号からの湿った暖かい風が流れ込み、北海道を除く日本全国で猛暑日になり富山で38度、香川、岐阜でも37度を超えた。全国927箇所のアメダス気温測定点の231箇所が35度以上になった。
7月最大の猛暑日が土曜日に重なったことは電力使用の観点からは幸いであったことは確かだが、前日の25日もそれなりに暑かったが、震災以降の最大使用量との間には、かなり余裕があった。
○東電の最大は4795万kw
東電管内の最大電力使用量は7月25日(金)午後2時から3時に記録した4795万kwで、昨年最大の5093万kwには遠く及ばない。
実は前日の24日(木)には東京都多摩地方を中心に大雨になったことも一つの理由なので、必ずしも気温よりも電力使用が減ったという話ではないが、それでも35度を超える気温で5000万kwを超えないとは、かなり消費抑制が広まっているといえよう。
○関電と九電の「危機」とは
関西電力や九州電力は今年夏の最大使用を記録する時には設備余裕つまり予備率が3%以下しかないから危機だという。しかし実際には中部、中国、北陸からの融通と、最大120万kwを東電など東日本からも融通できる。
それを全て加味すれば西日本全域で95%を超えることはない。
そもそも「逼迫するかもしれない」という経産省や電力各社の主張は、極めて過大な使用量を前提としている。例えば東電5320万、関電2873万、九州1671万、全国合計で1億6666万kwだ。今頃日本中でこれほどの電力を使うには、気温が何度まで上昇すれば達するだろうか。
○過大な電力使用予測
震災以来の使用実績は、1億5000万kw台、震災前の2009年度で1億5913万kw、震災前の猛暑であった2010年では1億7775万kwだ。電気料金が上がり消費税までも上がり、企業や市民の省エネの取り組みが続く。(東電管内で震災前から少なくても15%強、日本全体も同程度になる。ただし夏ピーク時のみ。冬ピークは横ばい)
1億6666万kwに達するとの推定自体が高すぎる。
分子となる基準が過大なので、設備(分母)との比率が97%を超えるとの推定自体が成り立たない。
過去最大の使用量になったのは2001年の1億8269万kwだが、これに85%を掛けると1億5528万kwになる。ほぼ、震災後の3年間の最大使用量に匹敵する。この水準を維持すれば、何の問題も無い。わずか15%の節電だが、さらに近年は照明や冷房など家電製品の省エネ化も進んでいる。家電製品の使用を劇的に減らさなくても使用電力は減っているはずだ。
企業では必要経費に直結する電気料金の値上げも影響して、使用量は減っている。
今、大規模停電を引き起こしかねないのは、台風や地震など自然災害である。近年、台風や豪雨による広域停電が頻発している。土砂崩れで送電鉄塔が倒壊したり竜巻などの風害が発生するなどのほうが、遙かに停電は多く起きている。
発電所の停止が直接広域停電になった例などほとんど無い。
○原発は安定供給を阻害
原発が動いていたら、そのほうが広域停電になるであろう。
若狭湾の直下でマグニチュード6程度の地震が起きても、地上の揺れが震度5弱程度揺れれば原発は全部止まる。地震加速度大のスクラムがかかる。スクラム設定値は原発により違うが、おおむね120~200ガル程度だ。これが震度5弱に相当する。(震度と加速度は直接換算は出来ないので目安だが)
地震で止まった原発は、何の損傷もなくても点検と検査で1週間は再稼働できない。つまり地震で11基の原発が全部止まれば関電は大規模な停電を引き起こす潜在的な危機を抱えていたのである。このような設備を再稼働しても、電力供給の安定化にはつながらない。
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┗■2.規制委も規制庁も「原子力ムラ」(原子力マフィア)だらけ
| 原子力規制委員会への信頼はすで完全に崩壊している
| 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会! その14
└──── 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
○ 原子力規制委員については、田中俊一委員長はじめ5人のうち3人が「原子力ムラ」住人で、「ムラ」からではないはずの島崎委員と大島委員が任期2年で去り、日本原燃や三菱FBRシステムズから2014年6月まで多額の報酬を受け取っていた「ムラ」人田中知が9月に就任することは頻繁に報道された。
○ ここでは、原子力規制庁について見てみよう。規制庁トップの池田克彦長官は元警視総監である。規制委発足直後(2012年10月)には、麻布警察署から来たと名乗る公安警察を待機させ、取材に来ているメディアや傍聴者を確認しては逐一メモをし、時折、廊下に出て無線で内容を報告していた。
一方、規制庁職員には、経産省(資源エネルギー庁、原子力安全・保安院ほか)からの横滑りが多い。発足時の456人の出身省庁は、経産省315、文科省85、警察庁17、環境省11である。
一方、原子炉メーカー等出身者も多く、東芝14人、日立グループ13人、IHI7人、三菱電機4人である。
例えば、黒木慶英放射線防護対策部長(元警視庁警備部長、前保安院審議官)とPWR担当市村知也安全規制管理官(前保安院安全規制管理官)が、保安院のストレステスト意見聴取会で井野委員や後藤委員の主張を無視して、大飯原発再稼働を強引に進めたことを思い起こさせられる。
また、3.11時に保安院の筆頭課長(企画調整課長)でイチエフの事故にも責任がある片山啓審議官(前経産省、前原子力安全・保安院企画調整課長)が、昨年事業者との不祥事で更迭された名雪審議官(文科省にリターン)に替わって審議官に昇格し、規制庁初代森本英香次長(環境省にリターン)に替わって規制庁ブリーフィングを担当していることも、経産省(旧保安院)がのさばってきていることの証左であろう。
○ 原発ゼロの会が7月18日に【談話】「原子力規制委員会の独立性・中立性確保を強く求める」を発表したのも当然だ。
<厳格なルールの下で原子力規制委員会及び原子力規制庁の人事に当たるべきと訴え、我々は、一連の人事により、「原子力ムラとの決別」という原子力規制委員会新設の本旨が曲げられ、かつ、原子力規制に対する国民の信頼が崩壊することを大いに懸念する。
よって、政府は、原子力規制委員会委員長及び委員任命の基準及び原子力規制庁のノーリターン・ルールの指針を改めて策定し、それらの厳格な適用の下で次期規制委員及び規制庁幹部の人事をやり直すべきである。>と抗議した。
原子力規制委員会への信頼は既に完全に崩壊している。
┏┓
┗■2.東スポWebの記事が秀逸「再稼働にもかかわる原発事故起訴問題」
│ 「起訴相当」の持つ、重い重い意味
│ 電力経営者は今頃、震撼している-特に九電経営陣
└────(山崎久隆 たんぽぽ舎)
東スポWEBの記事が、この検察審査会議決の本質を突いている。これだけの
説明がされた記事は今のところ東スポWEBの記事だけなので、主要部分を
引用する。http://www.tokyo-sports.co.jp/blogwriter-watanabe/21771/
---------------------------------
◇再稼働にもかかわる原発事故起訴問題(2014年08月01日)
(引用ここから--中略)仮に3人の起訴が決まった場合、その判決はともあれ、
原発事故の予見性について経営者や当事者は、「想定外」あるいは「1万年か
ら10万年に1度の試算」といった、安全側に立った厳しい認識の有無が問わ
れることになろう。内部、もしくは外部識者らの警告に聞く耳を持たずに再稼
働に突っ走り、その揚げ句に事故が起きた場合、経営幹部に刑事責任が生じる
こともありうる。
福島原発告訴団の武藤類子団長は3月の被害者集会で「これだけたくさんの
被害者がいるのに誰も責任を取らない。加害者がいないのはおかしい」とその
不当性を訴えた。企業の業務における事故の場合、争点になるのが「予見可能
性」。これが“カベ”のようになって経営幹部らが免責されることもあった。
3月の集会では、参加者から「難しいのは、明治時代にできた刑法によってこ
の国が運営されていること。『予見可能性』が法律の世界で大手を振っている。
津波の予見性はあった。ここを突破する」との意見も表明された。
今回の検審判断を受けて再捜査する東京地検、その結果が不起訴となった場
合の検審の再審査の判断は、原子力規制委員会に“OK”をもらった九州電力
川内原発をはじめとした再稼働審査待ちの発電所、電力会社にも影響を及ぼす
ものとなりそうだ。-----(引用ここまで)
<山崎コメント>
今後発生する事故の規模が、フクイチに匹敵する大災害である必要はない。
それよりも十分小さい事故でも、十分大災害になり得るが、その時に事故原因
が地震や火山や、いや、何でもよい。これまで市民や学者が、さんざんに警告
し、批判し、パブコメに意見を送り、交渉し、叫び続けた事柄全てのうち、一
つでも実際に起きれば、その瞬間警告を無視して再稼働した者たちへの刑事責
任が問われるということだ。
再稼働を準備している川内原発は、刻々と迫る自然災害や様々な故障、ミス、
手抜きによりなにがしかの事故を起こし、その後に発生する運転ミスや作業
ミスが事態を悪化させ、放射能放出事故になるであろう。
これが「予見可能性」というものだ。
火山の噴火については、カルデラ破局噴火のような噴火でなくても、今も年
間1000回以上噴火し、日常的に噴煙を噴き上げる桜島が、ちょうど100年前の
大正噴火規模で中規模噴火を引き起こし、その噴煙がまともに川内原発を襲え
ば、自動的に全電源喪失、ステーションブラックアウト(外部電源遮断、非常
用ディーゼル発電機稼働停止)を引き起こす。加えて道路は降り積もる火山灰
で通行不能、支援の車両どころか避難民の足をも止める。
救援したくてもヘリも飛ばないから、フクイチのような空中から海水投下
(冷却能力は無かったが)さえ出来ない。火山灰で視界はゼロ、何が起きてい
るかを見て知ることも、ほとんど不可能になる。
こんなことは火山学者でなくても桜島など火山灰の降る中に居たことのある
人ならば容易に分かることだ。三宅島、大島、雲仙普賢岳、有珠山、新燃岳、
いったいどれだけの火山が近年、噴火してきたことだろうか。たまたま原発を
襲わなかっただけの偶然に過ぎない。今、川内原発は、またも偶然に助けられ
ることを祈って再稼働するとでもいうのだろうか。
これら予見可能な事態を無視して再稼働し放射能放出事故が起きれば、経営
陣のみならず現在の政府、経産大臣を始めとして認可手続きにかかわる全ての
役人にも、同じことが言える。もちろん、自治体の長も例外ではない。
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┗■3.短信2つ あつい夏。 8月5日の東京新聞
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(1)あつい。猛暑だ。東京も36度。40度に近づく県もある。それでも
電気は大丈夫。原発ゼロで足りる。この3年半も大丈夫だった。
2011年3月11日の東電福島事故のまえは、「原発の電気は30~40%」で、
原発がなければ大変!産業も通常の生活もやっていけない! と電力会社や
政府がいつも言っていた。あのウソはどこへ行ったのだろう?
長い期間のウソの責任をだれかとっただろうか?
(2)8月5日の東京新聞「こち特」に、たんぽぽ舎の講座「モンゴル国で進
むウラン鉱山開発と潜む核廃棄物処分場建設」[*]で講師をされた今岡良子
さん(大阪大准教授)の話が載った。日本は使用済み核燃料の処分を海外に
押し付け、「モンゴル処分施設」構想をたくらんでいる。
新聞の見出しは次のとおり。
「核燃サイクル」アジア分担? 海外押し付け 倫理的に許されぬ
『再稼働に躍起だが 原発ごみの問題がある』
[*] 今岡良子さんの講座内容については↓こちら
http://oklos-che.blogspot.jp/2014/08/blog-post_3.html
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┗■4.新聞から
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◆「再稼働なければ 国の未来はない」 石破幹事長
(8月5日 東京新聞より)
自民党の石破茂幹事長は四日、神戸市で講演し、原発政策について「世界で
一番厳しい基準をクリアした原発は、その地域の方々が納得することを条件に
再稼働していかないと、この国の未来はない」と述べた。理由として火力発電
用の燃料輸入増による貿易赤字拡大を挙げたほか、「これ以上電気料金が上が
ると、経営が立ち行かない中小零細企業がたくさんあるはずだ」とも指摘した。
◆米教授撮影、1947年 広島・長崎で 児童1千人にX線 =無用の被ばく
(8月2日 東京新聞より)
広島、長崎で1947年9月、米スタンフォード大のウィリアム・グルーリ
ック教授(解剖学)が小学生ら約千人を対象に関節のエックス線撮影をしてい
たことが一日、米科学アカデミー・研究評議会(NAS・NRC)や米エネルギー省
核実験公文書館が所蔵する文書で判明した。
エックス線撮影は、治療の目的ではなく、原爆の放射線が子どもの成長に及
ぼす影響を調べる研究の予備調査として実施。実際の被ばく線量は不明だが、
被曝児、比較対照群の被曝していない子を巻き込んだ「無用の被ばく」だった。
(中略)
冷酷で非人道的
日本原水爆日学者団体協議会(被団協)の田中熙巳事務局長の話---治療
を目的としないABCCの調査に被曝者は一貫して怒ってきた。今回判明した調査
でも被験者に結果を説明しておらず、その態度は冷酷で非人道的としか言いよ
うがない(後略)