NUCLEAIRE
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
┏┓
┗■3.美浜原発事故、福島原発事故を忘れて川内原発の再稼働はない-
| 新シリーズ福島原発事故基礎講座-講師 槌田 敦さん
| スリーマイル島原発事故と加圧水型原発の危険
└── 中川敦詞(たんぽぽ舎講座担当)
○7月17日(木)、スペースたんぽぽにおいて、参加者17名、今回から話題を拡大して加圧水型原発の事故とDBAとの関連を見ていきました。
加圧水型原発は再稼働の焦点となっている川内原発の関連もあります。
まず、スリーマイル島原発事故についてはECCSが作動していたにもかかわらず水位計の誤表示で原子炉は空焚きになったが、運転員と現場に急行した米国規制委員会の努力で事故は16時間後に収束した。
このことから教訓として
1.ECCSを切ってはならないことでしたが、この教訓は福島原発事故で無視されました。福島1号機の事故は、初期に非常用復水器の運転を止めたことで起きました。
2.PWR(加圧水型)も炉心空焚きの危険があり、BWR同様の水位計が必要です。
DBA思想では、事故時の原子炉はECCSで注水し、燃料から漏れ出した放射能は格納容器で確保できました。
しかし、日本の福島でもまたECCSを使用せず事故になってしまいます。
水素爆発した格納容器はぎりぎり放射能を閉じ込めましたが、スリーマイル島原発は飛行機事故が起きても守られる特有の強度があったためぎりぎりDBA思想は維持されました。
しかし、その他の原発では、格納容器の破裂で多量の放射能漏れになったことでしょう。
○まとめとして、加圧水型の水位計が誤表示される恐れがあるにもかかわらず川内原発再稼働は許せないことです。
規制委員会に対する方法として現地住民にこのことを理解していただいて規制委員会に申し入れをすることが必要だと思われます。
毎回熱心な質問が飛び交い活発な質疑の時間でした。中でも専門的な知識を持った方のご参加もありました。
基礎的な質問、ここが聞きたいということがございましたら限られた時間ではありますが、講師に直接質問していただけますので是非ご来場ください。
○講師の話をもっと聞きたい、知りたいという方のために下記のパンフと映像をご紹介いたします。
講座の内容をより理解するためにぜひいかがですか?
槌田先生の最新の研究がまとめられています。
☆「増補版-福島原発事故3年 科学技術は大失敗だった」パンフNo93
元理化学研究所研究員、元名城大学経済学部教授 槌田敦著
発行:たんぽぽ舎 頒価:400円
○過去の講座はこちらをご覧ください。
YouTubeにて「槌田敦 たんぽぽ舎」と検索してください。
※次回予告
「美浜原発事故と加圧水型原発の危険性
-美浜原発事故、福島原発事故を忘れて川内原発の再稼働はない-
講 師:槌田 敦さん
日 時:8月28日(木)18:30開場 19:00開会
会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)
参加費:800円
┏┓
┗■4.新聞より6つ
└────
◆ 東電、六ヶ所村に「寄付」東北電と5年連続計10億円
原発事故前と変わらぬ体質
(8月17日朝日新聞見出し)
◆ 「むつ」の教訓 原子炉は語る 原子力船 放射線漏れから40年
報じた3人の記者 「隠蔽体質今も」
(8月14日朝日新聞見出し)
◆ 除染作業員の診断書偽造 下請け「こちらで用意」
法定検診受けさせず
東京電力福島第一原発事故に伴う国直轄の福島県田村市の除染作業で、下請け会社が作業員の健康診断書を偽造し、健康診断を受けさせずに作業をさせていたことが分かった。被ばくの危険がある労働は、詳細な血液検査などの健康診断が義務付けられている。法令に違反するだけでなく、作業員の健康への影響が懸念される。 (後略)
(8月19日東京新聞より抜粋)
◆ 水中での止水材検討 経産相 福島第一汚染水対策
茂木敏充経済産業相は15日の閣議後会見で、凍結だけで止水する現在の手法を見直し、水中で固まる液状の止水材の投入を検討していることを明らかにした。
東電は4月末から凍結作業を続けているが、茂木氏は「なかなか凍らない」と課題を指摘。19日に開かれる原子力規制委員会の会合で代替工法などを議論する。 (後略)
(8月16日茨城新聞より抜粋)
◆ 福島第一周辺 鳥、昆虫の遺伝子異常
日米の研究者、可能性指摘
【ワシントン共同】東京電力福島第1原発事故に伴って放出された放射性物質が、周辺の鳥類や昆虫に遺伝子異常を引き起こしている可能性があるとする論文を、日本や米国の研究者が14日、米専門誌ジャーナル・オブ・へレディティーに発表した。
米サウスカロライナ大のティモシー・ムソー教授は、1986年のチェルノブイリ原発事故後に周辺でツバメの羽毛に白い斑点ができる異常が見つかったと指摘。福島でも白斑のあるツバメが見つかったとの報告があることから「遺伝子レベルの分析や生態系への影響など広範で長期的な調査が必要だ」と訴えた。
(中略)
琉球大の大瀧丈治准教授は、福島周辺で採取したチョウの一種ヤマトシジミの遺伝子や形態に以上が見つかったことを報告。一方で2011年9月をピークに異常率が減少していることから、ヤマトシジミが放射線の高い環境に適応している可能性があると指摘した。
(8月16日茨城新聞より抜粋)
◆ 安価な粗悪品出回る 破れ始めた除染袋
福島の原発事故から間もなく3年半。除染で出た汚染廃棄物を保管する「フレコンパック」(除染袋)などが破れ始めている背景には、安価な粗悪品が使われ、品質保証ラベルの類似品まで出回る実態がある。除染袋を搬入する国の中間貯蔵施設建設のめどは立っておらず、今後、劣化や破損が増える恐れがある。
(後略)
たんぽぽ舎です。【TMM:No2253】
2014年8月19日(火) 地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.長崎から安倍政権への批判続々
「早急に廃炉を含め検討すべき」
長崎原爆の日に被爆者として寄せる福島への思い 山崎久隆(たんぽぽ舎)
★2.パブコメはいつもアリバイ造り? 検討チームの検討カット! 意見を隠す規制庁
川内再稼働パブコメ意見の扱いを監視しよう!
原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会! その16
木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
★3.美浜原発事故、福島原発事故を忘れて川内原発の再稼働はない-
新シリーズ福島原発事故基礎講座-講師 槌田 敦さん
スリーマイル島原発事故と加圧水型原発の危険
中川敦詞(たんぽぽ舎講座担当)
★4.新聞より6つ
◆ 東電、六ヶ所村に「寄付」東北電と5年連続計10億円
原発事故前と変わらぬ体質 (8月17日朝日新聞見出し)
◆ 「むつ」の教訓 原子炉は語る 原子力船 放射線漏れから40年
報じた3人の記者 「隠蔽体質今も」 (8月14日朝日新聞見出し)
◆ 除染作業員の診断書偽造 下請け「こちらで用意」
法定検診受けさせず (8月19日東京新聞より抜粋)
◆ 水中での止水材検討 経産相 福島第一汚染水対策
(8月16日茨城新聞より抜粋)
◆ 福島第一周辺 鳥、昆虫の遺伝子異常
日米の研究者、可能性指摘 (8月16日茨城新聞より抜粋)
◆ 安価な粗悪品出回る 破れ始めた除染袋 (8月19日茨城新聞より抜粋)
━━━━━━━
┏┓
┗■1. 長崎から安倍政権への批判続々
| 「早急に廃炉を含め検討すべき」
| 長崎原爆の日に被爆者として寄せる福島への思い
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014080902000250.html
○8月9日長崎原爆の日。「原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」で読み上げられた「平和への誓い」には、被爆者代表の城台美弥子さんの思いが込められていた。
この朗読文には、当初盛り込まれていなかった、集団的自衛権行使容認を認める閣議決定に対して痛烈に批判する言葉がアドリブで付け加えられたことが話題になったが、もう一つの点を、ここでは強調したい。
○「福島には、原発事故の放射能汚染でいまだ故郷に戻れず、仮設住宅暮らしや、よそへ避難を余儀なくされている方々がおられます。小児甲状腺がんの宣告を受けておびえ苦しんでいる親子もいます。このような状況の中で、原発再稼働等を行っていいのでしょうか。使用済み核燃料の処分法もまだ未知数です。早急に廃炉を含め検討すべきです。」
同じ放射能の惨禍に苦しめられる福島の人々への共感は、政府首脳には全く存在しない種類の、重くも、優しい気持ちが込められている。
原爆と原発がもたらす「もの」の共通性は、あまりにも残酷な歴史の繰り返し。
○原爆被爆者も長い間、後遺障害などないとされた。今も原爆の影響と認められない被爆者が多数おり、裁判にもなっている。
一方、福島の被曝もまた、後遺障害を否定され、甲状腺がんも「因果関係はない」ことにされつつある。
時間と共に拡大する影響は、いずれは原爆被爆者と同様に被害認定されるの
かも知れない。しかしその時には多くの人々は、取り返しの付かない被害を受
けた後だとしたら、誰が責任を取れるというのだろうか。
核の被害を繰り返さないとしてきた約束はどこにいってしまったのか。これは原爆被害者の共通の疑問だ。
そこから出る言葉は「再稼働をおこなっていいのか?」「早急に廃炉を含め検討すべき」と、現政権のなし崩し再稼働方針への強い批判へと繋がっている。
※数日前に寄せられていた原稿ですが、お盆休みもあり、掲載が遅れましたことをお詫びします。
┏┓
┗■2.パブコメはいつもアリバイ造り? 検討チームの検討カット!意見を隠す規制庁
| 川内再稼働パブコメ意見の扱いを監視しよう!
| 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会! その16
└──── 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
川内原発再稼働審査書案に対するパブコメが15日に締め切られ、何件集まったか、今後いつ審査書を確定するのかが注目される。意見とそれに対する考え方を集約した「パブコメ結果表」を規制庁が恣意的にまとめ、規制委定例会議で5人の委員が言い訳がましい意見を述べるだけで、ほぼ原案どおりに決定されていた、との印象が強い。が、実際にはパブコメ意見に対して検討チームで最低1回は検討して、若干の修正が加えられている。(九電から8600ページの再補正申請書が出てから一度も検討チームを開かずに規制委定例会議で審査書案を決定したことを思えばまだましか。)
例えば、昨年の新規制基準の骨子案と本案へのパブコメの扱いは次のとおりだ。
○「新安全基準骨子案」 4379件
募集:2013年2月7日~28日
新安全基準検討チーム:3月19日、25日、28日
規制委定例会議で決定:4月3日
○「新規制基準案」 1800通
募集:2013年4月11日~5月10日
新規制基準検討チーム:5月24日、6月3日、6日
規制委定例会議で決定:6月19日
とすると、今回は2万件以上の意見が寄せられたとうわさされている(規制庁広報は集約中なのでオーダーも含めてまだ答えない)が、パブコメ結果を受けての更田委員・島崎委員(任期は9月18日まで)の検討チームを監視し、いつ規制委定例会議で決定するかに注目しないといけない。特に、「パブコメ結果表」がどのように恣意的にまとめられ、各意見がないがしろにされるか、本来なら貴重な意見を出した専門家・市民を集めて公聴会を開くべきなのだが…。
なお、過去のパブコメも含めて「パブコメ結果表」はなかなか見つけられない。規制委サイトの「パブリックコメント一覧」には「募集中の政策」欄と「募集が終了した意見公募」欄があるが、そこには上記「パブコメ結果表」は無い。沢山の意見を公表したくないのだろう。規制庁広報に確認したところ、規制委定例会議などの議事資料欄から見つけるしかないという。広報に改善を要請したが、私のこの当たり前の要望に対しても、ご意見としてうけたまわっておきます、の役所回答。
=====
☆(追記)19日の規制庁(片山審議官)ブリーフィングから:パブコメ件数は概数で1万7千件、パブコメを事務方がまとめた後いきなり規制委定例会議に図る、その時期は未定、と発表。
全く検討チームに図らないで、審査書案の修正をしないで、このまま規制委で決定・確認するつもりらしい。8月27日の抗議行動が重要だ。
┏┓
┗■4.全国のみなさま、朗報です・・
| YouTubeの動画「リニア中央新幹線がやってくる ヤァ!ヤァ!ヤァ!」
└──── 広瀬 隆
全国のみなさま 広瀬隆です。
先日お伝えしましたYouTubeの動画
「リニア中央新幹線がやってくる ヤァ!ヤァ!ヤァ!」は、一週間で10万人突破の視聴者という大記録です。みなさまの拡散・宣伝力の賜物です。
https://www.youtube.com/watch?v=u-cLZ2m6324&feature=youtu.be
この勢いで、リニアの着工を何としても事前に食い止めましょう。それがアニメ作者の方に対する、最大の恩返しになります。
みなさまも、一層の宣伝をお願いいたします。
辺野古と同様の手口で、10月の強行着工が迫っています。
この傑作・秀作アニメは、福島原発事故の前年から「源八おじさんとタマ」シリーズとしてスタートした作品ですので、インターネットでは「源八おじさん」で検索すると、山のような作品群が出てきます。
憲法と集団的自衛権については「憲八おじさん」シリーズです。
┏┓
┗■5.原発避難情報
└──── 環境経済研究所(技術士事務所) 上岡直見
皆様 最近の情報等をお知らせします。
【記事】川内再稼働に関して『東洋経済オンライン』の連続特集です。
http://toyokeizai.net/articles/-/44624
http://toyokeizai.net/articles/-/44770
http://toyokeizai.net/articles/-/44822
http://toyokeizai.net/articles/-/44828
【行事】大阪 「原発事故 その時、あなたの町は…」
2014年8月24日(日) 13:30~ ドーンセンター 天満橋
○避難計画の検証 上岡直見
○福井の原発事故被害の試算 朴勝俊氏
※詳細 http://homepage3.nifty.com/skroba/robaeven.htm
【行事】鹿児島 「原発と避難問題を考える集い in かごしま」
2014年8月24日(日) 13:00~17:00 宝山ホール(鹿児島県文化センター)
福島原発事故と避難の実態/責任はどこに? 原子力防災と地元合意
各地からの報告:鹿児島から、水俣から、佐賀から/福井・関西から
テーマ別討議:避難経路・避難先/要支援者の避難/スクリーニング・除染
※詳細 http://www.kiseikanshishimin.net/2014/08/02/140824/
┏┓
┗■6.石丸小四郎さんの学習会DVDができました
| タイトルは「福島の現状と今後の課題」
| 内容は「事故から3年目、被害の深刻さ10の特徴」
└──── 冨塚元夫(たんぽぽ舎ボランティア)
2014年7月29日スペースたんぽぽにおいて第8回「東電解体」講座として石丸小四郎さんの講演会(学習会)が行われました。
タイトルは「福島の現状と今後の課題」ですが、内容は「事故から3年目、被害の深刻さ10の特徴」です。
石丸さんは「率直な私の気持ちを述べます」と言って始められました。40年にわたる原発との格闘という経験に基づいた実感のこもったお話でした。
しかしこのDVDをご覧になれば、その気持ちは豊富なデータと理論に基づいたものであることがわかります。学習会に参加された方もこのDVDをご覧になれば、理解が何倍にも深まると思います。
たんぽぽ舎でお求めください。
たんぽぽ舎です。【TMM:No2252】
2014年8月18日(月)その2 地震と原発事故情報-
6つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.「サクラと環境・原発の調査集」第11集が完成
サクラ調査の最大の意義は専門家にお任せせずに自らデータを
収集するという主体的な姿勢にある
山田昌郎(サクラ調査データ集計担当 2014年8月記)
★2.終戦記念日の今日ここからフクシマに何ができるかを改めて思います
8月15日(金)第114回首相官邸前抗議
福島県民は佐藤雄平知事が原発事故の片棒を担いできたことを認識している
西やよい(たんぽぽ舎)
★3.インドにも何処にも原発売るな
インドから来日したクマール・スンダラム氏
8月8日(金)第113回首相官邸前抗議
茱萸坂キッド(たんぽぽ舎ボランティア)
★4.全国のみなさま、朗報です・・
YouTubeの動画「リニア中央新幹線がやってくる ヤァ!ヤァ!ヤァ!」
広瀬 隆
★5.原発避難情報 環境経済研究所(技術士事務所) 上岡直見
★6.石丸小四郎さんの学習会DVDができました
タイトルは「福島の現状と今後の課題」
内容は「事故から3年目、被害の深刻さ10の特徴」
冨塚元夫(たんぽぽ舎ボランティア)
━━━━━━━
┏┓
┗■1.「サクラと環境・原発の調査集」第11集が完成
| サクラ調査の最大の意義は専門家にお任せせずに自らデータを
| 収集するという主体的な姿勢にある
└──── 山田昌郎(サクラ調査データ集計担当 2014年8月記)
はじめに
たんぽぽ舎サクラ調査は2004年に始まり、今回で11回目となりました。調査結果は、1~9回目までは印刷物(パンフレット)として、10回目からはホームページ上で公開しています。今年も南は宮崎から北は北海道まで,多くの参加者による調査結果が寄せられましたので、昨年と同様にホームページ上で公開いたします。
今年は日本全国原発稼働ゼロで夏を越しつつあり、各種世論調査では再稼働反対の意見が多数を占め、5月には福井地裁で大飯原発運転差し止め判決が出るなど、うれしい方向性が見られる反面、民意と憲法を無視する政権が原発再稼働と軍国化への動きを加速させています。憲法99条で公務員は憲法を尊重し擁護する義務を負うと規定されているのに、よりによって公務員のトップが憲法を事実上破壊して、辞職もせずにいるというのは異常な状況ではないでしょうか。
こうした状況に至ったのは、主権者である国民による政権の監視が甘かった、いわゆるお任せ民主主義であったことも一因としてあるでしょう。サクラ調査の最大の意義は、専門家にお任せせずに自らデータを収集するという主体的な姿勢にあると思います。
この報告集に目を通されて、来年新たにサクラ調査を始めてみようかとお思いになる方がいらっしゃれば、データ集計担当者として望外の幸いに存じます。
┏┓
┗■2.終戦記念日の今日ここからフクシマに何ができるかを改めて思います
| 8/15第114回首相官邸前抗議
| 福島県民は佐藤雄平知事が原発事故の片棒を担いできたことを認識している
└──── 西やよい(たんぽぽ舎)
○ 夏休み後半、終戦記念日の今日、色々な思いが、それぞれ有るのだろうな、特に集団的自衛権の行使容認が閣議決定され、辺野古への基地移設が、強引に成されようとされる中でのこの日、沖縄と福島、基地と原発、弱者に強いられる犠牲の上に成り立つ構造、国民の意識を問題に向けさせない力の数々、そんな中で、続いているこの金曜行動の存在は、益々重要になってくる。
○ この日、スピーチで、福島の友達から来たメールを読み上げた方がいらした。そのメール全文を転記します。
「10月に福島県知事選があり、小泉・細川連合がそこに何かを仕掛けると情報がありますがどうなりますか。最近は原発と経済を分けて考えられる人間が少しずつ増え、一般民衆にもその考えが浸透しつつ有るように感じます。私達の目が黒いうちに変わって欲しいと願います。
佐藤雄平は県知事選に出馬するのかどうかの意思を公にしていません。
福島県民は佐藤雄平知事が原発事故の片棒を担いできたことを認識しているでしょうから出馬しても当選しないと信じたいのですが、経済復興を訴えるライオンズ、ロータリー、同友会の人間たちは佐藤雄平を押す可能性があります。
選挙は結局、組織票なのでそうなると市民の意思など関係無くなりますからね。
難しい問題です。また誰が知事になっても変わらないという悲観的な思いを抱いている人も多いです。
私個人としては太郎さんのようなカリスマ性を持った、確固不抜の精神を持った、誠実な方に立候補して貰いたいと願っています。」
○ 私達、今、改めて何ができるかを考えていく時ですね。
┏┓
┗■3.インドにも何処にも原発売るな
| インドから来日したクマール・スンダラム氏
| 8月8日(金)第113回首相官邸前抗議
└── 茱萸坂キッド(たんぽぽ舎ボランティア)
○インドの反核団体の全国組織、核軍縮平和連合(CNDP)のクマール・スンダラム氏は官邸前で「日印原子力協定に絶対反対だ。何故なら一番弱い立場の人達、女性や子供の命に関わる問題だからだ。インドにもどこにも原発売るな」と訴えました。また国会正門前では「インド政府は原発を暴力的に民衆に押し付けようとしている。それに対し、経済的・社会的に一番弱い人たち、農民、漁民、女性や子どもたちが原発反対運動に立ち上がっている。連帯して日印原子力協定に反対しましょう」と語りました。
※首都圏反原発連合のHPからクマール・スンダラム氏作成の日本語版リーフレット、宣言文をダウンロードできます。是非、是非ご覧になってください。
○リーフレットの中でクマール・スンダラム氏は「インド政府は反原発運動の参加者を国家安全保障上の脅威と位置付けている」と書いている。
翻って日本では、次の様な訴えも安倍政権から見れば「国家安全保障上の脅威」となるのだろうか?
原子力村こそが私達の安全の脅威なのだ。
ねずみの住家にするために家を建てたのではない。
飢え死にさせるために家畜の世話をしてきたのではない。
暗い未来を残すために子供たちを産み育ててきたのではない。
雑草を茂らせるために田畑を守ってきたのではない。
汚染水を流すために海を守ってきたのではない。
セシュームを蓄えるために山を守ってきたのではない。
誰かの世話になりたくて先祖代々の墓を守ってきたのではない。
防護服を着て送迎バスで墓参りなんて考えたこともない。
家族ばらばらで暮らすなんて望んだこともない。
全て元に戻せ。奪ったものを返せ。絶対に返せ。
たんぽぽ舎です。【TMM:No2251】
2014年8月18日(月)地震と原発事故情報-1つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
┏┓
┗■1.川内原発のパブコメ募集は終わったが…
| 再稼働は出来ない(はず)
| 手続的にも間違っている パブコメは無効
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
◎中身のないパブコメ案
8月15日に募集が終わった「川内原発設置変更許可申請書に対する審査案」への意見募集だったが、これに関連して再稼働の時期に関していくつか報道がされている。
例えば8月5日付けの「川内原発の再稼働 12月以降の見通し」(NHK)などだ。
7月16日に規制委員会による事実上の審査合格といった報道がなされていたが、実態は全く違っている。それがこの報道でも明かされている。
原発の運転許可を出すのは経産大臣である。内閣総理大臣ではない。(もんじゅのような研究炉は内閣総理大臣)だから安倍首相が何かを「保障する」など行政手続き的にあり得ない。責任を負うというならば事故が起きたら損害は全部自ら及び責任者の財産で賠償することを契約すべきだろう。
パブコメに掛けられていた文書の表題も「川内原発設置変更許可申請書に対する審査案」となっていることに注意してもらいたい。新規制基準とか合格といったものは何処にもない。あるのは従来の行政手続きの「設置変更許可申請書」という言葉だ。これは原発の様々な設備変更や、プルサーマル用にMOX燃料を装荷するといった時にされる申請と同じ手続きだ。
そしてこの文書、今まで以上に中身がない。科学的、技術的意見のみ、などとパブコメ募集要項に記載されていたが、いったいこの文書の何処が科学的で専門的なのか。工学部の学生の試験答案ならば失格だろう。何しろ根拠がほとんど書かれていない。
工学的な妥当性とか安全性を保障する施設、設備、管理が書かれていなければならないのに「方針を妥当なものとした」などと規制委の結論が書いてある。一方、方針の提示では変更許可申請にならない。「何をどう変え、その強度解析などの妥当性はこうこうだから変更を申請する」といった内容でなければならない。
そこで出てくるのは設置工事認可申請、通称「設工認」または「工認」だ。これは具体的な工事内容を記述するので、例えば耐震強度をどのように評価しているかなどはこれを見なければ分からない。この設工認が規制委員会により承認されて初めて、具体的な工事に着手でき、それが完成した後に使用前検査を受審し、合格して初めて運転可能な状態になる。一般的に原発の手続きは、このように行われる。
◎再稼働は出来ない
これでようやく冒頭の記事の内容が理解できるようになる。
『原子力発電所の再稼働に必要な審査に事実上合格したとされた鹿児島県の川内原発について、九州電力は、原子力規制委員会に提出する資料の作成が大幅に遅れていることを明らかにしました。これに伴い、九州電力が目指す川内原発の再稼働は12月以降になる見通しです。』
そう、九電はまだ工事認可申請書を作成できていない。これでは再稼働手続きは進まない。
『九州電力の中村明上席執行役員は会合のあと報道各社の取材に応じ、「資料の提出は来月末(9月末)を目指すが10月にずれ込む可能性もある。まずは認可をいただくため書類を提出することに集中したい」と述べました。』
ではなぜ、予め分かっていたようなものの再稼働申請手続きができないのか。
その謎は突如引き上げた基準地震動Ssにある。
『遅れの理由については、地震による揺れの想定を引き上げたのに伴って、設備の耐震性の評価に予想以上に時間がかかっていることなどを挙げました。
詳細設計の資料を提出したあとも規制委員会による資料の確認や完成した設備の検査に少なくとも2か月前後かかるとみられ、地元の合意が得られた場合でも九州電力が目指す川内原発の再稼働は12月以降になり、来年になる可能性があります。』
基準地震動Ssは、今回の新規制基準適合性審査に提出した設置許可申請でも540ガルだった。これは2006年の耐震設計審査指針変更に伴い、原子力安全・保安院が各電力会社に指示した「耐震バックチェック」に基づいて2010年1月に提出した「耐震設計審査指針の改訂に伴う九州電力株式会社川内原子力発電所1号機耐震安全性に係る評価について(基準地震動の策定及び主要な施設の耐震安全性評価)」(耐震バックチェック)中間報告の時から変わっていなかった。
ところが今回、規制委員会によりSsの値が小さすぎるとの指摘を受け、「えいや」と引き上げて見せたのがSs620ガルである。
発生する地震や過去の地震動解析などから、新しい値になること自体、あり得ることだろうが、川内原発の場合、根拠が良く分からない。620どころか、もっと大きいはずとの指摘も当然ある。
◎九電の見込み違い
いうまでもなく、Ssを「えいや」と引き上げたからといって突如耐震強度が上がるわけがない。
次は何が始まったかというと、そうやって引き上げたSsの元になる模擬地震波形を使って施設設備をコンピュータ上で揺らし、必要な強度や操作性が確保できるかを調べ、足りない部分は補強し、補強でもダメな場合は作り替えるなどしなければならない。(そもそもコンピュータ・シミュレーションなどあてにならないとの意見もある)
普通、原発の新設でも耐震計算を行うには年単位の時間がかかる。
耐震バックチェックも、2006年に新耐震設計審査指針が決まっても、耐震バックチェックが始まるのは2008年、そして川内原発(1号機)が従来270ガルの設計用限界地震動(S2)を新耐震設計審査指針に合わせて作り替えて中間報告を出したのは2010年になってからである。4年もかかるにはそれだけの理由があるわけで、今回のように、審査書を出した後に、いきなり540ガルから620ガルに引き上げたら、その後に続くはずの耐震計算も設工認も全部作り替えになり間に合うわけがないのである。
◎耐震性に重大な欠陥
あまり楽観的になってはいけないが、年内に文書を作ったとしても、それは作文であって、実際に必要な工事類は簡単には進まない。
おそらく基準を割り込むところがいくつも出てくるだろう。特に2号機に比べて、もともと建設時の耐震基準地震動S2の値が小さい1号機は、さらに厳しくなると思われる。
耐震バックチェック「中間報告」はSsを520ガルとしていた。それに対して原発の構造強度は建設時270ガルで作られていた。もっとも、この値で耐震強度計算をして物を作っていたら地震よりも圧力や荷重などの応力が大きくなり、強度不足になる部位が多数出るから、実際のところ原発の各部材の強度を決定しているのは圧力や振動などの方が多くなる。ところが今回はSsをいきなり2.3倍の620ガルに引き上げたので、随所で耐震性にかかる安全裕度を食いつぶし始めたと思われる。
例えば1.96倍あったラジアルサポートは1.71倍に、1.24倍あった蒸気発生器支持構造物は1.09倍に、という具合だろうと想像する。(数値は設工認などが出ていない段階なので筆者の推計)
例えば蒸気発生器支持構造物はこのままでは使えないと思われるので、補強が必要になる。その工認がされていないのだから、これでは動かせないわけだ。
◎制御棒はもっと深刻?
制御棒はもっと深刻かも知れない。
耐震バックチェックでは、挿入時間が1.86秒と、評価基準値(安全評価の解析条件である制御棒クラスタ落下開始から全ストロークの85%挿入までの時間)である2.2秒の85%程度だった。これを機械的に比例計算すると620ガルでは2.14秒になる。2.2を下回ったといって喜んで良い値ではない。
しかも耐震強度の場合は基準を超えたとたんに機器類や建屋が一基に破壊されると決まったわけではないが、制御棒の挿入遅れは、確実に炉心の安全性を危険にさらす。地震の最中(2.2秒ではまさに本震が襲ってくる直前くらいだ)に挿入に失敗した状態でフル運転中の原子炉が揺さぶられるなど、想像したくもない。
そうなると現実味を帯びるのがATWS、異常な過渡変化時に安全保護系が制御棒挿入信号を発しても挿入できない、という大変な事故になることだ。以前、大飯原発の再稼働がらみで耐震性の問題が指摘され、同じ批判がされていたが、川内原発も同様の欠陥がある。
◎対策不能のATWS
これをどう解決するのか。強度部材ではないので、ますます難しくなる。
加圧水型軽水炉については、どこもSsが1000ガルを超えない「最大の理由」は、この制御棒駆動系にあるのだろう。重力加速度980ガルと同じ揺れが挿入方向と反対に働けば、加圧水型軽水炉のように挿入そのものを自由落下で行う構造の原発では、どうしても「入らない時間」が生じてしまう。
その対策としては、動力を取り付けての強制挿入を行うしかないのだが、加圧水型軽水炉の構造を見れば、如何にそれが困難であるのかが分かる。
それに、そのような装置を付けたら今度は、その安定動作の保証、誤動作防止の仕組み、人の操作が必要な場合の操作手順、インターロック機構、安全保護系への組み込み方等々、検討すべき問題が山積みになる。到底1年や2年で改造、設置、運転開始など出来るわけがない。
◎次の原発事故は起こる
結局、大地震の襲う日本において、耐震設計を行って安全に動かす、など幻想に過ぎないのである。重力加速度を超えるような地震が起きることを想像さえしなかった時代に原発は作られ始めた。そして4000ガルもの地震動が観測される今になっても、震度5強程度の地震で耐震計算をしている原発が再稼働をしようとしている。
その間違いに気づけないのだったら、次の原発事故は確実に起こる。
◎パブコメは無効
以上のようにパブコメは、重要情報、必要手続き、安全解析を全部すっ飛ばして、根拠のない作文を見せられただけだった。単に手続きを進めるためだけのパブコメに意味はない。こんなものは無効である。
これから必要なのは、設工認や新たな耐震設計を批判し、国会や地元議会などを含めて広く批判を集め、再稼働へのゴーサインを政府や自治体に出させない取り組みが重要になる。手続きは「やれば良い」というものではない。内容も伴わない作文は、「突き返す」しかないのである。