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たんぽぽ舎です。【TMM:No1605】
2012年10月10日(水)地震と原発事故情報(2)-3つの情報をお知らせします
 
                           転送歓迎
━━━━━━━
★1.<福島を生>き、<ふる里を生>きる柏崎刈羽の闘い
   ~柏崎刈羽現地交流バスツアーに参加して~
   <テント日誌10/6(土)―経産省前テントひろば 391日目>
★2.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
    ◇10/14-28古居みずえ・写真展「瓦礫の中の女たち」
★3.新聞・雑誌から3つ
      ◆復興予算が調査捕鯨対策などに 衆院監視委が使途検証へ
      ◆復興予算、「流用」を許すな
      ◆欧州委「稼働の全原発に欠陥」発表
       安全評価 仕切り直し 134基の原発すべてに欠陥
━━━━━━━
 
 
┏┓
┗■1.<福島を生>き、<ふる里を生>きる柏崎刈羽の闘い
 |  ~柏崎刈羽現地交流バスツアーに参加して~
 |  <テント日誌10/6(土)―経産省前テントひろば 391日目>
 └──── (Y・T)
 
 10月6日(土)曇り
  午前8時新宿西口前集合。東電の「世界最大の原子力発電所」のある柏崎刈
羽現地交流会バス ツアーへの参加である。今年3月、6号機が定期検査で停止
し、東電管内の全原発は停止し、稼働 原発ゼロの状態が続いている。だが6月
の株主総会に提出された東電再建計画には来年夏までの 再稼働が含まれている。
 
 福島原発の大事故があり、放射能災害が今なお進行中の現実として多くの人々
が苦しみ続けている中で、柏崎刈羽原発は首都圏の私たちにとっても「そこにあ
る危機」として、私たちの責任を問い続けている。なんとしてでもこの目で見、
この耳で聞いて確かめておかねば・・・という思いに駆られてツアーに参加した。
 
 ツアーの案内人は地元出身で、長年ふる里の仲間とともに柏崎刈羽原発反対運
動に加わってこられた菅井益郎さん。学者というより活動家そのものであった。
 
 刈羽村では村会議員をされている近藤さんが合流してずっと案内して下さった。
彼は東京の大学に在学中から反対運動に加わり、大学をやめてふる里に帰り、魚
を売り歩きながら運動をすすめ、村会議員になられたそうである。今もその形は
変わっていないという。事実、初めて出会ったとき、彼は村会議員というより魚
屋さんそのものであった。刈羽村村長は東電が村長の服を着ているようなものだ
と近藤さんは言う。原発マネーを湯水のように注ぎ込んで造られている施設を見、
静かな日本海に面して立ち並ぶ原 発の排気塔や防潮堤を見、鉄条網のフェンス
を厳重に張り巡らした原発の敷地沿いの道を走る。それは米軍基地の敷地沿い
を思い出させる。このあたりは柏崎刈羽砂丘と呼ばれ、砂丘の上に建つ原発は、
当初からとうふの上に建つ原発として批判されてきたそうだ。柏崎刈羽原発は1
~4号機は> 柏崎市、5~7号機は刈羽村と柏崎市にまたがって(2:1の割合
か)立てられている。
 
 この時期日本海は静かで穏やかであったが、冬の時期には荒れ、4~7mの高
波となることも珍しくはないそうだ。だが東電の想定する津波の高さは4mそこ
そこだという。
 
 夜の交流会は圧巻だった。近藤さんの他に長年の反対運動の盟友、柏崎市の市
会議員をされている矢部さん、高橋さんが加わり、さらに彼らの高校の恩師であ
り、運動の顧問とでもいうような80歳の佐藤さんが加わって、お話をされた。
 
 本当に長い闘いの歴史があった。烈しい闘いのようであった。と同時に集落ご
との住民組織が作られ、住民に根ざした闘いであったという。そして闘いはずっ
と途絶えることなく継続し、今も複数の市議会議員村会議員を維持するだけの力
をもって続けられている。
 
 そういう闘いの上に3・11後、<福島>を間近に見、見据え、内面化しなが
ら運動は新たな展開へと踏み出しているように思えた。お話を聞いていて、柏崎
刈羽の人たちはいわば<福島を生きる>ということを意識されているのだと実感
した。<福島>は<ふる里>に重なり、<福島を生きる>という意識と<ふる里
を生きる>という意識は繋がっているのだと。それは中越地震によって大事故寸
前までの事態を経験した人たちにとって切実なもののように感じられた。
 
 実際、人口9万人の柏崎市に福島から1300人程が避難してきているそうだ。
そして避難している人たちの話を聞いて胸に迫るものがあると目を潤ませながら
話される。「ふる里は原発を許さない!」それはもう他に選択の余地のない揺る
ぎなき確信、それ以外ではありえないという生き方、命そのものというように思
われた。
 
 持参した官邸前行動で書かれた寄せ書き、”柏崎刈羽原発を廃炉へ!”という
周りに沢山の思いが書き込まれた寄せ書きに大変喜んでいただいた。柏崎刈羽の
人たちと首都圏の人たちの心は繋がったのだろうか。官邸前行動を見ながら、こ
の地でも金曜行動が行われ、女性達を中心とした新たな市民運動も生まれてきて
いるとのことであった。宿で美味しい魚と美味しい地酒をいただき、翌日には中
越地震の断層と40億円をかけたというアミューズメント施設と原発PR館を見
学した。断層によって道路は弓なりにへこみ、ある場所では断層による地盤沈下
が止まらず、川もないのに橋が架けられていた。そしてこの断層はまっすぐに原
発直下へと続いているそうだ。東電は原発の手前で止まっていると言っているそ
うだが・・・。
 
 そしてPR館には福島第2原発の復旧が9割完了したというポスターも掲示さ
れていた。東電は柏崎刈羽原発を再稼働し、さらには福島第2の再稼働も目論ん
でいるのだということをさりげなくアピールしているのだ。
 
 柏崎刈羽原発の再稼働を許さず、廃止へと推し進めていくこと、そのために柏
崎刈羽や隣接地域の人たちと繋がりながら、私たちの最大限のことをなすこと、
それは首都圏にあって<福島を生きる>ことを意識しようとする私たちの責務の
ように思える。
 
※事故情報編集部より、編集の都合上<テント日誌10/5(金)>は、
 次号に掲載します。
 
 
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┗■2.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
 | ◇10/14-28古居みずえ・写真展「瓦礫の中の女たち」
 └──── 
 
  日 時:2012年10月14日(日)~10月28日(日)9:00~21:00
  場 所:港区男女平等参画センター(リーブラ) 3階廊下
 
   古居さんは1988年、たった一人で取材を始めた。
   災害や紛争国で、生き抜く女性たちを取材してきた。
   女性たちはどこにいても、どんなにつらくても
   子どもたちの命を守り、生き抜いている。
   今、古居さんは福島の女性たちを追跡取材しているという。
 
  主催・企画:劣化ウラン廃絶みなとネットワーク 宮口高枝
              2012年度 港区立男女平等参画センター活動助成事業
  連絡先:03-3455-8640(宮口)
 
 
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┗■3.新聞・雑誌から3つ
 └──── 
 
◆復興予算関連のニュース
 
・復興予算が調査捕鯨対策などに 衆院監視委が使途検証へ
                    (10/6 西日本新聞から)
 衆院決算行政監視委員会(新藤義孝委員長)は6日までに、東日本大震災の 
復興特別会計の予算が復興とかけ離れた事業に使われているとして2011、12年度
予算の検証に向けた作業を始めた。財務省が委員会に提出した資料には、反捕鯨
団体シー・シェパードによる妨害活動への対策を強化する水産庁の「鯨類捕獲調
査安定化推進対策」23億円や沖縄県の国道整備6千万円など8事業を挙げてい
る。総額は5千億円余りでこのうち一部が被災地関連以外に流れており、委員会
は「国民の常識から外れるものも多い」と問題視している。
 
・復興予算、「流用」を許すな   (10/8 福島民報・論説より抜粋)
 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の復旧・復興予算の一部が、被災 
地再建の目的とは懸け離れた事業に充てられた疑念が生じている。政府は現行予
算を組み替えて被災地を優先するとともに、来年度予算編成では復興予算を被災
地に全額を配分すべきだ。国会も監視の目をしっかり働かせてほしい。(中略)
 国の財政支援を受けて県が設けた「県民健康管理基金」を財源に充てたが、今
年度末の基金残高は約870億円しかない。県民健康管理調査や除染などにも使
われるため、医療費無料化の財源は6年で枯渇する見込みだ。(中略)
 同省のやり方は、「被災地のために」と増税を受け入れた国民への裏切り行為
といえる。怒りを通り越して、あきれ果てる。(中略)
 野田首相は同日、本県を訪問し、福島第一原発や除染現場、仮置き場などを視
察した。復興への国の取り組みは遅い。野田首相が就任会見で語った「福島の再
生なくして日本の再生なし」の言葉を今、信じている県民はもう、いまい。首相
が今でもそう思っているなら、民主党の金看板の「政治主導」で、被災地に優し
い予算を実現しなくてはならない。
 
 
◆欧州委「稼働の全原発に欠陥」発表
 安全評価 仕切り直し 134基の原発すべてに欠陥
 
 【ブリュッセル斉藤義彦】欧州連合(EU)の執行機関・欧州委員会は4日、原
発の安全評価(ストレステスト)で、稼働中の134基の原発すべてに欠陥が見つ
かり、改善費用が計最大250億ユーロ(約2兆5000億円)との最終報告を正式に
発表した。多数の欠陥を指摘した背景にはテストが「原発を閉鎖すべきか」の判
定より「改善点を指摘する」という提案型に変質した事情がある。テストは事実
上、仕切り直しとなり、数年間継続する。
 テストは東京電力福島第一原発事故を受けて昨年6月に開始。当初の焦点は原
発が「福島並みの事故に耐えられるか」に置かれ、原発を運営する側の各国政府
はテストを原発の安全性を確認するための「お墨付き」の位置付けにしようとした。
 事情を変えたのは今年1~4月、他国の専門家が原発を訪問したり、書類を審
査してテストの内容を評価する「安全性相互評価(ピアレビュー)」だ。耐性検
査はそれまで各国規制当局が独自の基準や手法で行ってきたが、国際基準や他国
の先進的な尺度が持ち込まれ、多数の欠陥があぶり出された。「地震・洪水の耐
性に証拠がない(英)」など重大な結果も多く、「お墨付き」にはならず、改善
要求に変質した。(後略)(2012年10月5日 毎日新聞より抜粋)
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