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たんぽぽ舎です。【TMM:No1295】
転送歓迎
◆ 地震と原発事故情報 その280 ◆
3つの情報をお知らせします(12月26日)
12月25日、九州電力玄海4号機が定期検査で停止、
日本の稼働している原発は6基、全原発停止へあと一歩
★1.学習会『ストレステスト評価による危険な再稼働への道
―そもそも机上のシミュレーション』
参加のお誘い
★2.原発再稼働などとんでもない
「Ss」の1.1倍で壊れる原発
★3.<テント日誌 12/22(木)>
経産省防災課による「査察」 コトもなく
―― 経産省前テントひろば 103日目 ――
★1.学習会『ストレステスト評価による危険な再稼働への道
―そもそも机上のシミュレーション』
参加のお誘い
明日、12月26日(月)に「11.11-12.11再稼働反対!全国ア
クション」主催による学習会『ストレステスト評価による危険な再稼働への道
―そもそも机上のシミュレーション』とタイトルでの学習会を開催します。
この間5回にわたって開催された「発電用原子炉施設の安全性に関する総合
評価に係る意見聴聞会」に実行委に仲間が数名参加し、「反対派」委員である
後藤委員、井野委員の発言に対してはエールを送り、保安院の傀儡と化した他
の委員に対しては不規則発言を繰り返し、その欺瞞性を暴く闘いを繰り返して
きました。
そもそもこの聴聞会はストレステストの評価の透明性を「担保」する目的で
「広く」一般民間人にに対しても門戸が開かれているのだが、参加者の殆どは
電力会社、プラント会社等の原発村関係者ばかりのいわゆる「さくら」ばか
り。不規則発言をしようにもネクタイ族に挟まれて、中々そのチャンスが見い
だせない。しかし、何人かの仲間が確実に場外から「推進派委員」とりわけ
「議長役」を仰せつかった岡本委員に対して鋭い指摘の矢を浴びせていく。
聴聞会後の短い時間に後藤・井野委員と話す時間を持てたが、ああした援護
射撃でも官僚だけが集まったシャンシャン会議では有効なそうだ。
それにしてもこのストレステストの評価方法は酷い。保安院は管理側である
にもかかわらず完全に電力会社の下僕と化した代弁を繰り返し、実質提出され
たストレステストの評価を行うJNESも原発メーカーOBばかり。この体制
でまともな安全審査などできやしない。そもそもストレステストの範疇や、方
法論、評価基準でさえ曖昧なまま、ひたすら「ストレステストの報告は概ね妥
当」の着地点だけがハッキリしている。後藤・井野委員も当然このことに対し
て鋭い質問を発しているが、官僚特有ののらりくらいり戦術で正面切って回答
しようとしない。
このままでは折角「公開性」と「透明性」を担保するという名目で開かれた
公聴会そのもので、彼ら保安院の出来レースを許しかねません。そのためにも
公聴会内部で奮闘する後藤・井野委員とどう連帯し、公聴会を「暴露の演壇」
と化すか、後藤・井野委員のお仲間である「プラント技術者の会」の井川さ
ん、小川さん両氏をお招きして、ストレステストの「技術的側面」よりもその
「実体構造」に焦点を当て、公聴会内外における運動の道を探るべく勉強会を
行いたいと思います。
スペースたんぽぽの今年最後の学習会となりますが、皆さんのご参加をお待
ちしております。
日 時:12月26日(月)開場18:00 開演19:00
場 所:スペースたんぽぽ(たんぽぽ舎入居のビルの4階)
http://maps.google.com/maps?rlz=1I7GGLL_ja&oe=UTF-8&um=1&ie=UTF-8&q=%E3%81%9F%E3%82%93%E3%81%BD%E3%81%BD%E8%88%8E&fb=1&hq=%E3%81%9F%E3%82%93%E3%81%BD%E3%81%BD%E8%88%8E&cid=0,0,10132845393293958024&ei=8MDsTselBYzPmAWCo434CQ&sa=X&oi=local_result&ct=image&ved=0CAgQ_BI
資料代:500円
★2.原発再稼働などとんでもない
「Ss」の1.1倍で壊れる原発
山崎 久隆 たんぽぽ舎 劣化ウラン研究会
○耐震設計とは
原発の耐震性能を決める手法をまず簡単に説明する。
原発の耐震性を決めるための基礎になる「揺れの大きさ」を「基準地震動・
Ss」という。耐震設計審査指針が改定された2006年から適用されており、原
発の耐震性能を評価する基準の揺れの大きさを加速度で表現したものだ。それ
までの耐震設計審査指針では「設計用最強地震」に対してS1、それより大き
い「設計用限界地震」についてはS2という基準が使われていた。Ssの考え
方はS2に近いが同じでは無い。
現在の一般建築物においても「レベル1(希に発生する地震動)」「レベル
2(極めて希に発生する地震動)」という基準を使っている。おおむねレベル
1は200ガルで、損傷を受けないこと。レベル2は400ガルで、倒壊しな
いことなどとなっている。以前は原発が一般建築物の「3倍程度強固に作って
いる」と宣伝していた根拠は、このレベル1の3倍程度でも破損せず、レベル
2の3倍程度でも倒壊しないという趣旨だったと考えても良いだろう。(3倍
というのは単純に600ガルと言うことではない)
地震とは、地下数百キロからゼロキロの間にあるであろう震源断層が活動す
ることにより生ずる。揺れは地盤を通って原発の基礎に到達し、さらに原発内
部に侵入して構造物や機器類を揺らす。その際重要なのは、構造物が耐えられ
るかどうかだ。そのためには耐震力のある設計が必要だ。
理学的にいえば、地震が起きることも、その大きさも、一定の確率の下でし
か評価できない。最大限、ある断層が「100%動く」とは言えても、いつ、
どれだけの大きさの地震として、と問われれば「わからない」としか言えな
い。そのため「30年以内に99%」などと表現している。
しかし構造物を作るのに確率は役に立たない。揺れの大きさを特定しないと
設計が出来ない。そのため工学的に「割り切りが必要」と裁判所の法定で堂々
と言ったのが斑目春樹原子力安全委員会委員長だった。ただし、この発言には
重大な前提が欠けていた。それは「割り切りが必要な場所」などに、そもそも
立地してはならないことだ。「原子力施設の立地指針の判断目安」(64年原
子力委員会決定)に、はっきりそう書いてあるのだから反論の余地は無い。
基本的考え方の冒頭に「大きな事故の誘因となるような事象が過去において
なかったことはもちろんであるが、将来においてもあるとは考えられないこ
と。また、災害を拡大するような事象も少ないこと」とあるのだから。
日本で最も巨大かつ頻繁な海溝型地震を起こすとされる場所に、原発を建て
ることを許可した理由を釈明すべき立場の安全委員長が、「割り切り」と言っ
たのは浜岡原発に対してだ。驚くべき開き直りと無責任さは、この国の原子力
行政のデタラメぶりを象徴するものだ。
○原発の地震動評価手法
原発などの構造物は、一定の条件の下に定める工学的基盤、いわゆる「解放
基盤面」において、どれだけの揺れを想定するかにより耐震設計が決まってく
る。これは原発ごとに決められる。
「解放基盤面」を決めるのは、地下の地盤の堅さであり、地震の横波と呼ば
れるS波(剪断波とも言う)が地中を伝わる速度が毎秒700メートル以上の
地盤を「解放基盤面」としている。この値は全国の原発で共通で、従って解放
基盤面が地下196メートル以上の場所にある福島第一や、地下8.6メート
ルのところにある女川原発などの違いが出る。一般的に地下浅いところにある
ということは固い地盤がすぐ下にあると言うことであり、100メートル以上
も離れている場合は軟弱な地盤であると言えるだろう。
解放基盤面では、地震の際には上に地盤が乗ったまま揺れることになるの
で、地震の波が地表面に反射して跳ね返り、基盤面の揺れが干渉により変化す
る。上部地盤の影響を受けてしまうと揺れの大きさや周期などを元に建屋内部
の影響を計算し評価することが困難なため、上部地盤を取り除いた「仮想的な
地盤」をコンピュータ上で作る。地盤を「はぎ取って」地震波形を作ることに
なるので、それを「はぎ取り波」という。
この波は単純に「地震加速度600ガル」などという数値ではない。これで
は設計は出来ない。ここで言う600ガルというのは、周期0.1秒における
地震加速度でしかない。実際に設計する際には、基準地震動の波形を作らなけ
ればならない。特に0.3秒や1秒付近の周期でどれだけの大きさの速度、加
速度になるかは重要だ。この周期は配管などの構造物や建屋の固有周期が多く
存在しているので、共振により損傷することも考慮しなければならない。それ
ら「卓越周期」「周期ごとの加速度、速度」「変位量」などが分からなければ
設計は出来ない。これらを代表して「周期0.1秒の加速度」をSsの数値と
して発表しているに過ぎない。
なお、中越沖地震を踏まえて現在の柏崎刈羽原発のSsはぎ取り波は実に
2280ガルにもなっている。これらを踏まえて以下をお読みください。
○福島第一のSsと実測値
福島第一はSs600ガルに対して実測値は675ガル、さらに震源域に近
かった女川ではSs580に対して636ガル、いずれも実測値がSsを上回
った。しかし柏崎刈羽原発が2007年に中越沖地震で記録した1699ガル
(Ssは以前は600ガル)という大きな差は無かった。
そういう意味では、地震動の大きさは基準地震動を超えたが、そのために機
器類が破壊されることは本来は無いはずだった。東電も中間報告で「地震の大
きさはほぼ想定通り」と書いたくらいだ。
実際、柏崎刈羽では、2700カ所以上の機器類の破損があった。津波は無
かったが地震動だけでも原子炉を破壊する危険性はあった。3号機の起動変圧
器は炎上し、外部電源も失われた。非常用ディーゼル発電機も起動したものが
多かったが、全体的に電力不足に陥り、タービン駆動給水ポンプを動かすため
に補助ボイラーが起動したが、1から5号機と6,7号機でそれぞれ一台しか
使用できなかった。そのため運転していた3、4号機で一台を取り合う結果と
なり、起動変圧器が炎上していた3号機を優先したため4号機の冷温停止には
丸2日掛かっている。これなど、後一歩深刻な事態に陥っていたら、メルトダ
ウンにはならなかったとしても燃料が露出し損傷する事態に至っていたかもし
れない。
しかしこれが教訓にはならなかった。見過ごされた問題は、地震だけで十分
深刻な事態になっていたことだ。
いまストレステストが各地の原発で行われているが、そのうち一次テストの
結果が公表された大飯原発3、4号機と伊方原発3号機では、最も厳しい配管
類についてもSsによる揺れに対して約1.8倍程度の「余裕」があることに
なっている。
福島第一原発でも現在の大飯原発などで実施されているテストで使われてい
る計算手法を使えば。同程度の「余裕」があるという結果になると思われる。
従って1.8倍程度の「余裕」は、もはや余裕ではないと考えるべきなのでは
ないだろうか。だからこそ福島第一のストレステストこそ一番に行うべきだっ
たのだ。
福島第一原発で観測した揺れはSsの1.1倍ほどだった。それが多くの機
器類を破損させ、おそらく冷却系配管の一部を破壊した。それが正確に評価で
きるテストでなければ意味は無い。
具体的にどこがどのように破壊されたかは依然として不明だが、1号機では
隔離時復水器(IC・非常用復水器と誤って表記されることが多い)につなが
る配管、あるいはICそのもの、2、3号機はおそらくECCS系の配管や再
循環系配管、これまでのバックチェックでも一番弱いとみられている原子炉隔
離時冷却系配管が損傷しているかもしれない。
この原子炉隔離時冷却系・RCICというのは、電源喪失を起こした際に最
後まで冷却水を炉内に送るためのタービン駆動ポンプがつながっている系統
で、本来ならば電源喪失後も最後まで破壊されないように、最も強固に作るべ
きものだと思うのだが、実際には安全保護系の中では最も脆弱である。つまり
Ssに匹敵する地震に襲われると最初に破壊されるのが最後まで駆動を期待さ
れているポンプだという、実に信じられないほど強度不足の装置なのだ。
こんな指摘をすれば、以前の東電は「そのような事態になればECCSが働
く」「必要なポンプ駆動用電力は非常用ディーゼル発電機で供給する」と答え
ていた。
今回の事故の謎(たくさんあるがそのうちのひとつ)は、RCICがどうし
て止まったか(または止めたか)が分からないことだ。地震による損傷が原因
の一つである可能性は高いと思われる。
★3.<テント日誌 12/22(木)>
経産省防災課による「査察」 コトもなく
―― 経産省前テントひろば 103日目 ――
12月22日(木)曇り。日射しがないと寒い。
午後、経産省防災課が「査察」として、テントにやってくる。10日程前で
あったか、経産省防災課が警告書なるものを持ってきた。要するに火気厳禁と
いうことで、電気であれ、ガスであれ、暖房器具やコンロの使用は一切ダメ、
照明もダメというものであった。凍死者が出ようが、そんなことはお構いな
し、というような警告書であった。
もとより、防火については、右翼による放火等に対する備えということもあ
り、早くから万全の注意と体制を取っている。今日やってきたのは、その警告
書に基づく「査察」ということであった。テントの中は綺麗に整理され、彼ら
はなんら問題となるものを見つけることはできなかった。そして「何か見つけ
た時はビデオを撮るから」と捨てゼリフを残して引き上げていった。
女性テントは、椎名さんが戻ってきてからは相変わらず賑わっている。訪問
者が絶えないようだ。昨日もお知らせした、28日の【女たちの御用納め行
動!!】の案内です。
わたしたちの人生を、生活を、環境を、めちゃくちゃに破壊した福島原発事
故から9カ月が過ぎ、2011年も終わろうとしています。しかしこの間、避
難も、防御も、除染も、補償も、東電および政府への責任追及も十分には行わ
れず、その上、原発の再稼働や輸出といった信じ難い暴挙が行われようとして
います。
「こんな気持ちじゃ、とても年を越せない!」
「東電にも、仕事納めなんかさせないわ!」
という声が、「福島の女たち」の中からわき上がってきました。そこで師走の
慌ただしい時期ではありますが、「女たちの御用納め」を企画しました。
東電に今年最後のご挨拶に参りましょう!
■日 程 12月28日(水)、昼12時に東京電力本社
(東京都千代田区内幸町1丁目1ー3)前
に集合し、霞ヶ関経産省前でもアクションを行う予定です。あなたも、あふれ
る思いの丈を叫びに行きませんか。
■往復無料バスツアー(福島→郡山→須賀川→西郷バスストップを経由して東
電へ)も企画しました。(対象者は福島)
呼応して、できるだけ多くの方が東電本社前に集まって、今年1年の怒りの
声を東電に!年末年始、テントでは多くの企画が検討されています。反原発紅
白歌合戦、ゆく年くる年リレートーク、元旦霞ヶ関マラソン等々です。1月4
日は新年餅つき大会が予定されています。
(am10時~準備 pm3時~餅つき)
( Y・T )
転送歓迎
◆ 地震と原発事故情報 その280 ◆
3つの情報をお知らせします(12月26日)
12月25日、九州電力玄海4号機が定期検査で停止、
日本の稼働している原発は6基、全原発停止へあと一歩
★1.学習会『ストレステスト評価による危険な再稼働への道
―そもそも机上のシミュレーション』
参加のお誘い
★2.原発再稼働などとんでもない
「Ss」の1.1倍で壊れる原発
★3.<テント日誌 12/22(木)>
経産省防災課による「査察」 コトもなく
―― 経産省前テントひろば 103日目 ――
★1.学習会『ストレステスト評価による危険な再稼働への道
―そもそも机上のシミュレーション』
参加のお誘い
明日、12月26日(月)に「11.11-12.11再稼働反対!全国ア
クション」主催による学習会『ストレステスト評価による危険な再稼働への道
―そもそも机上のシミュレーション』とタイトルでの学習会を開催します。
この間5回にわたって開催された「発電用原子炉施設の安全性に関する総合
評価に係る意見聴聞会」に実行委に仲間が数名参加し、「反対派」委員である
後藤委員、井野委員の発言に対してはエールを送り、保安院の傀儡と化した他
の委員に対しては不規則発言を繰り返し、その欺瞞性を暴く闘いを繰り返して
きました。
そもそもこの聴聞会はストレステストの評価の透明性を「担保」する目的で
「広く」一般民間人にに対しても門戸が開かれているのだが、参加者の殆どは
電力会社、プラント会社等の原発村関係者ばかりのいわゆる「さくら」ばか
り。不規則発言をしようにもネクタイ族に挟まれて、中々そのチャンスが見い
だせない。しかし、何人かの仲間が確実に場外から「推進派委員」とりわけ
「議長役」を仰せつかった岡本委員に対して鋭い指摘の矢を浴びせていく。
聴聞会後の短い時間に後藤・井野委員と話す時間を持てたが、ああした援護
射撃でも官僚だけが集まったシャンシャン会議では有効なそうだ。
それにしてもこのストレステストの評価方法は酷い。保安院は管理側である
にもかかわらず完全に電力会社の下僕と化した代弁を繰り返し、実質提出され
たストレステストの評価を行うJNESも原発メーカーOBばかり。この体制
でまともな安全審査などできやしない。そもそもストレステストの範疇や、方
法論、評価基準でさえ曖昧なまま、ひたすら「ストレステストの報告は概ね妥
当」の着地点だけがハッキリしている。後藤・井野委員も当然このことに対し
て鋭い質問を発しているが、官僚特有ののらりくらいり戦術で正面切って回答
しようとしない。
このままでは折角「公開性」と「透明性」を担保するという名目で開かれた
公聴会そのもので、彼ら保安院の出来レースを許しかねません。そのためにも
公聴会内部で奮闘する後藤・井野委員とどう連帯し、公聴会を「暴露の演壇」
と化すか、後藤・井野委員のお仲間である「プラント技術者の会」の井川さ
ん、小川さん両氏をお招きして、ストレステストの「技術的側面」よりもその
「実体構造」に焦点を当て、公聴会内外における運動の道を探るべく勉強会を
行いたいと思います。
スペースたんぽぽの今年最後の学習会となりますが、皆さんのご参加をお待
ちしております。
日 時:12月26日(月)開場18:00 開演19:00
場 所:スペースたんぽぽ(たんぽぽ舎入居のビルの4階)
http://maps.google.com/maps?rlz=1I7GGLL_ja&oe=UTF-8&um=1&ie=UTF-8&q=%E3%81%9F%E3%82%93%E3%81%BD%E3%81%BD%E8%88%8E&fb=1&hq=%E3%81%9F%E3%82%93%E3%81%BD%E3%81%BD%E8%88%8E&cid=0,0,10132845393293958024&ei=8MDsTselBYzPmAWCo434CQ&sa=X&oi=local_result&ct=image&ved=0CAgQ_BI
資料代:500円
★2.原発再稼働などとんでもない
「Ss」の1.1倍で壊れる原発
山崎 久隆 たんぽぽ舎 劣化ウラン研究会
○耐震設計とは
原発の耐震性能を決める手法をまず簡単に説明する。
原発の耐震性を決めるための基礎になる「揺れの大きさ」を「基準地震動・
Ss」という。耐震設計審査指針が改定された2006年から適用されており、原
発の耐震性能を評価する基準の揺れの大きさを加速度で表現したものだ。それ
までの耐震設計審査指針では「設計用最強地震」に対してS1、それより大き
い「設計用限界地震」についてはS2という基準が使われていた。Ssの考え
方はS2に近いが同じでは無い。
現在の一般建築物においても「レベル1(希に発生する地震動)」「レベル
2(極めて希に発生する地震動)」という基準を使っている。おおむねレベル
1は200ガルで、損傷を受けないこと。レベル2は400ガルで、倒壊しな
いことなどとなっている。以前は原発が一般建築物の「3倍程度強固に作って
いる」と宣伝していた根拠は、このレベル1の3倍程度でも破損せず、レベル
2の3倍程度でも倒壊しないという趣旨だったと考えても良いだろう。(3倍
というのは単純に600ガルと言うことではない)
地震とは、地下数百キロからゼロキロの間にあるであろう震源断層が活動す
ることにより生ずる。揺れは地盤を通って原発の基礎に到達し、さらに原発内
部に侵入して構造物や機器類を揺らす。その際重要なのは、構造物が耐えられ
るかどうかだ。そのためには耐震力のある設計が必要だ。
理学的にいえば、地震が起きることも、その大きさも、一定の確率の下でし
か評価できない。最大限、ある断層が「100%動く」とは言えても、いつ、
どれだけの大きさの地震として、と問われれば「わからない」としか言えな
い。そのため「30年以内に99%」などと表現している。
しかし構造物を作るのに確率は役に立たない。揺れの大きさを特定しないと
設計が出来ない。そのため工学的に「割り切りが必要」と裁判所の法定で堂々
と言ったのが斑目春樹原子力安全委員会委員長だった。ただし、この発言には
重大な前提が欠けていた。それは「割り切りが必要な場所」などに、そもそも
立地してはならないことだ。「原子力施設の立地指針の判断目安」(64年原
子力委員会決定)に、はっきりそう書いてあるのだから反論の余地は無い。
基本的考え方の冒頭に「大きな事故の誘因となるような事象が過去において
なかったことはもちろんであるが、将来においてもあるとは考えられないこ
と。また、災害を拡大するような事象も少ないこと」とあるのだから。
日本で最も巨大かつ頻繁な海溝型地震を起こすとされる場所に、原発を建て
ることを許可した理由を釈明すべき立場の安全委員長が、「割り切り」と言っ
たのは浜岡原発に対してだ。驚くべき開き直りと無責任さは、この国の原子力
行政のデタラメぶりを象徴するものだ。
○原発の地震動評価手法
原発などの構造物は、一定の条件の下に定める工学的基盤、いわゆる「解放
基盤面」において、どれだけの揺れを想定するかにより耐震設計が決まってく
る。これは原発ごとに決められる。
「解放基盤面」を決めるのは、地下の地盤の堅さであり、地震の横波と呼ば
れるS波(剪断波とも言う)が地中を伝わる速度が毎秒700メートル以上の
地盤を「解放基盤面」としている。この値は全国の原発で共通で、従って解放
基盤面が地下196メートル以上の場所にある福島第一や、地下8.6メート
ルのところにある女川原発などの違いが出る。一般的に地下浅いところにある
ということは固い地盤がすぐ下にあると言うことであり、100メートル以上
も離れている場合は軟弱な地盤であると言えるだろう。
解放基盤面では、地震の際には上に地盤が乗ったまま揺れることになるの
で、地震の波が地表面に反射して跳ね返り、基盤面の揺れが干渉により変化す
る。上部地盤の影響を受けてしまうと揺れの大きさや周期などを元に建屋内部
の影響を計算し評価することが困難なため、上部地盤を取り除いた「仮想的な
地盤」をコンピュータ上で作る。地盤を「はぎ取って」地震波形を作ることに
なるので、それを「はぎ取り波」という。
この波は単純に「地震加速度600ガル」などという数値ではない。これで
は設計は出来ない。ここで言う600ガルというのは、周期0.1秒における
地震加速度でしかない。実際に設計する際には、基準地震動の波形を作らなけ
ればならない。特に0.3秒や1秒付近の周期でどれだけの大きさの速度、加
速度になるかは重要だ。この周期は配管などの構造物や建屋の固有周期が多く
存在しているので、共振により損傷することも考慮しなければならない。それ
ら「卓越周期」「周期ごとの加速度、速度」「変位量」などが分からなければ
設計は出来ない。これらを代表して「周期0.1秒の加速度」をSsの数値と
して発表しているに過ぎない。
なお、中越沖地震を踏まえて現在の柏崎刈羽原発のSsはぎ取り波は実に
2280ガルにもなっている。これらを踏まえて以下をお読みください。
○福島第一のSsと実測値
福島第一はSs600ガルに対して実測値は675ガル、さらに震源域に近
かった女川ではSs580に対して636ガル、いずれも実測値がSsを上回
った。しかし柏崎刈羽原発が2007年に中越沖地震で記録した1699ガル
(Ssは以前は600ガル)という大きな差は無かった。
そういう意味では、地震動の大きさは基準地震動を超えたが、そのために機
器類が破壊されることは本来は無いはずだった。東電も中間報告で「地震の大
きさはほぼ想定通り」と書いたくらいだ。
実際、柏崎刈羽では、2700カ所以上の機器類の破損があった。津波は無
かったが地震動だけでも原子炉を破壊する危険性はあった。3号機の起動変圧
器は炎上し、外部電源も失われた。非常用ディーゼル発電機も起動したものが
多かったが、全体的に電力不足に陥り、タービン駆動給水ポンプを動かすため
に補助ボイラーが起動したが、1から5号機と6,7号機でそれぞれ一台しか
使用できなかった。そのため運転していた3、4号機で一台を取り合う結果と
なり、起動変圧器が炎上していた3号機を優先したため4号機の冷温停止には
丸2日掛かっている。これなど、後一歩深刻な事態に陥っていたら、メルトダ
ウンにはならなかったとしても燃料が露出し損傷する事態に至っていたかもし
れない。
しかしこれが教訓にはならなかった。見過ごされた問題は、地震だけで十分
深刻な事態になっていたことだ。
いまストレステストが各地の原発で行われているが、そのうち一次テストの
結果が公表された大飯原発3、4号機と伊方原発3号機では、最も厳しい配管
類についてもSsによる揺れに対して約1.8倍程度の「余裕」があることに
なっている。
福島第一原発でも現在の大飯原発などで実施されているテストで使われてい
る計算手法を使えば。同程度の「余裕」があるという結果になると思われる。
従って1.8倍程度の「余裕」は、もはや余裕ではないと考えるべきなのでは
ないだろうか。だからこそ福島第一のストレステストこそ一番に行うべきだっ
たのだ。
福島第一原発で観測した揺れはSsの1.1倍ほどだった。それが多くの機
器類を破損させ、おそらく冷却系配管の一部を破壊した。それが正確に評価で
きるテストでなければ意味は無い。
具体的にどこがどのように破壊されたかは依然として不明だが、1号機では
隔離時復水器(IC・非常用復水器と誤って表記されることが多い)につなが
る配管、あるいはICそのもの、2、3号機はおそらくECCS系の配管や再
循環系配管、これまでのバックチェックでも一番弱いとみられている原子炉隔
離時冷却系配管が損傷しているかもしれない。
この原子炉隔離時冷却系・RCICというのは、電源喪失を起こした際に最
後まで冷却水を炉内に送るためのタービン駆動ポンプがつながっている系統
で、本来ならば電源喪失後も最後まで破壊されないように、最も強固に作るべ
きものだと思うのだが、実際には安全保護系の中では最も脆弱である。つまり
Ssに匹敵する地震に襲われると最初に破壊されるのが最後まで駆動を期待さ
れているポンプだという、実に信じられないほど強度不足の装置なのだ。
こんな指摘をすれば、以前の東電は「そのような事態になればECCSが働
く」「必要なポンプ駆動用電力は非常用ディーゼル発電機で供給する」と答え
ていた。
今回の事故の謎(たくさんあるがそのうちのひとつ)は、RCICがどうし
て止まったか(または止めたか)が分からないことだ。地震による損傷が原因
の一つである可能性は高いと思われる。
★3.<テント日誌 12/22(木)>
経産省防災課による「査察」 コトもなく
―― 経産省前テントひろば 103日目 ――
12月22日(木)曇り。日射しがないと寒い。
午後、経産省防災課が「査察」として、テントにやってくる。10日程前で
あったか、経産省防災課が警告書なるものを持ってきた。要するに火気厳禁と
いうことで、電気であれ、ガスであれ、暖房器具やコンロの使用は一切ダメ、
照明もダメというものであった。凍死者が出ようが、そんなことはお構いな
し、というような警告書であった。
もとより、防火については、右翼による放火等に対する備えということもあ
り、早くから万全の注意と体制を取っている。今日やってきたのは、その警告
書に基づく「査察」ということであった。テントの中は綺麗に整理され、彼ら
はなんら問題となるものを見つけることはできなかった。そして「何か見つけ
た時はビデオを撮るから」と捨てゼリフを残して引き上げていった。
女性テントは、椎名さんが戻ってきてからは相変わらず賑わっている。訪問
者が絶えないようだ。昨日もお知らせした、28日の【女たちの御用納め行
動!!】の案内です。
わたしたちの人生を、生活を、環境を、めちゃくちゃに破壊した福島原発事
故から9カ月が過ぎ、2011年も終わろうとしています。しかしこの間、避
難も、防御も、除染も、補償も、東電および政府への責任追及も十分には行わ
れず、その上、原発の再稼働や輸出といった信じ難い暴挙が行われようとして
います。
「こんな気持ちじゃ、とても年を越せない!」
「東電にも、仕事納めなんかさせないわ!」
という声が、「福島の女たち」の中からわき上がってきました。そこで師走の
慌ただしい時期ではありますが、「女たちの御用納め」を企画しました。
東電に今年最後のご挨拶に参りましょう!
■日 程 12月28日(水)、昼12時に東京電力本社
(東京都千代田区内幸町1丁目1ー3)前
に集合し、霞ヶ関経産省前でもアクションを行う予定です。あなたも、あふれ
る思いの丈を叫びに行きませんか。
■往復無料バスツアー(福島→郡山→須賀川→西郷バスストップを経由して東
電へ)も企画しました。(対象者は福島)
呼応して、できるだけ多くの方が東電本社前に集まって、今年1年の怒りの
声を東電に!年末年始、テントでは多くの企画が検討されています。反原発紅
白歌合戦、ゆく年くる年リレートーク、元旦霞ヶ関マラソン等々です。1月4
日は新年餅つき大会が予定されています。
(am10時~準備 pm3時~餅つき)
( Y・T )
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たんぽぽ舎です。【TMM:No1293】
転送歓迎
◆ 地震と原発事故情報 その278 ◆
4つの情報をお知らせします(12月22日)
編集部より:本日送信しました地震と原発事故情報その277の★1の記事中
被曝量の表記にミリをマイクロと表記する誤りがありました。編集部により表記
統一時に誤変換をしてしまいました。お詫びして再掲させていただきます。
★1.食品に含まれる放射性物質の新たな基準値について
国民の内部被曝を許容する政府の姿勢・基準は
今後改めさせねばならない
乳幼児食品は限りなくゼロに近い基準であるべきだ
★2.<テント日誌 12/21(水)>
テント前で反原発アピール 目白押しの年末への企画
―― 経産省前テントひろば 102日目 ――
★3.メルマガ読者から講演会のお知らせ
イ.さようなら原発 鎌田慧 江東講演会 1/30(東京・江東区)
ロ.『隠された内部被爆の危険』矢ケ崎克馬氏講演 2/12
(東京・四谷)
★4.新聞・雑誌から
イ.脱原発を国策にして原発からの計画的な脱却を
負の遺産である放射性廃棄物処理の問題に真面目に取り組むべき
チェルノブイリ被害視察の福島県調査団―清水修二団長に聞く
ロ.再稼働推進論に打撃 耐震指針見直しも
大量水漏れ裏付け 炉心溶融の引き金か―
「国会事故調 徹底調査を」
ハ.日本版ピュリツァー賞「原発崩壊」樋口さん受賞
★1.食品に含まれる放射性物質の新たな基準値について
国民の内部被曝を許容する政府の姿勢・基準は
今後改めさせねばならない
乳幼児食品は限りなくゼロに近い基準であるべきだ
安田 節子(食政策センター・ビジョン21)
厚生労働省は、一般食品は現在の暫定基準値の5分の1に当たる、1キログ
ラム当たり100ベクレル、乳児用の食品と牛乳は50ベクレルなどとする方
針を発表。厚労省によると、世界保健機関(WHO)の基準を踏まえ、年間被
曝許容上限1ミリシーベルトのうち0.1ミリシーベルトを「飲料水」に振り
分け、1キロ当たり10ベクレルと設定。その上で食品中の放射性セシウムに
よる年間被曝を残る0.9ミリシーベルト以内に抑えられるよう、平均食品摂
取量などを考慮し、「一般食品」はセシウムで100ベクレルとした。「乳児
用食品」と「牛乳」はセシウムで50ベクレルとした。
5分の1になったから、よかったと思う向きが多いかもしれない。しかし、
暫定基準を正式の基準に改め、今後長く運用される基準としてみると、国民の
内部被ばくを許容する政府の姿勢が見て取れるのだ。
ICRPの勧告をもとに、日本では、法律で定めた公衆の年間被曝限度は外
部被ばく、内部被ばく合わせて1ミリシーベルト(自然放射線被ばくと医療被
曝を除く)となっている。暫定基準値はこれを大幅に上げて設定された。内部
被曝だけで17ミリシーベルトを許容し、これを4つの核種グループに割り振
り、セシウムは5ミリシーベルトとした。5つの食品ジャンルに1ミリシーベ
ルトづつ割り当て導き出したのが500ベクレル/kgの基準だ。暫定基準は
通常の食品安全基準とは異なり、安全を担保するものではない。非常時のがま
ん値なのだ。今回それを5分の1の100ベクレルに引き下げるというが、依
然高すぎる。この規制値で出回る食品を国民が今後ずっと食べ続けるなら、内
部被ばくによって計り知れない数の健康被害を生み続けるだろう。放射線には
これ以下なら安全という閾値は存在しない。閾値の定められない汚染物は食品
に残留してはならないのが食品衛生法の原則だ。非常時の暫定から通常規制に
もどすのだから、国民の内部被ばくを防ぐ基準にならなければおかしい。飲料
水はWHO基準の10ベクレル採用というが、WHOは放射能関係の基準策定
においては、IAEAの了解を得なければならない協定が結ばれており、その
ためWHOの基準は推進の立場にたっていると批判されている。飲料水はアメ
リカの0.111やドイツの0.5のように、コンマ以下でなければいけない
だろう。
ドイツ放射線防護協会は内部被ばくは年間0.3ミリシーベルト以下として
いる。そして、日本政府に対し、乳児、子ども、青少年に対しては4ベクレル
/kg以上のセシウム137を含む飲食物を与えないように、成人は8ベクレ
ル/kg以上のセシウム137を含む飲食物を摂取しないことを推奨してい
る。
日本の高い数値設定には希釈率0.5を採用していることがある。汚染され
た食品だけを口にするわけではないとし、汚染されていない食品を食べること
で汚染が薄まる「希釈」を考慮しているのだ。この希釈政策を停止するよう、
ドイツ放射線防護協会は11月27日に緊急勧告を発している。放射線防護に
おいては、汚染されたものを汚染されていないものと混ぜて希釈し通用させる
ことを禁止する国際的合意がある。日本の瓦礫処理や食品基準はこれに接触す
ると指摘。
チェルノブイリ以降、わかってきたのは幼いものたちがこれまで考えられて
いた以上に感受性が高く低い線量で影響を受けていることだ。このことを考慮
して乳児用食品は大人の半分の50ベクレルにしたと厚労省は説明している
が、先の明治の粉ミルク「ステップ」で判明した30.8ベクレルくらいの汚
染があっても今後ずっと許容されることになる。ミルクは薄めて飲むからとい
うが、小さな体にそれだけを飲むのだし、体内被ばくは避けられない。乳児用
食品は限りなくゼロに近い基準であるべきだ。日本では汚染されていない原料
の入手は可能なのだから。
基準値が緩いと、汚染の低いものと混ぜることで基準を容易にクリアーでき
てしまう。厳しい基準ではそれが困難になる。なによりも放射性物質につい
て、希釈すれば安全という誤った認識は払拭されなければならない。そして内
部被ばくを容認するような基準は改めさせねばなりません。
★2.<テント日誌 12/21(水)>
テント前で反原発アピール 目白押しの年末への企画
―― 経産省前テントひろば 102日目 ――
12月21日(水) 空はどんよりした鉛色。午後になって晴れ間が見え始め、
だんだんに広がる。
ドイツの芸術家がテント訪問。31・11皆さんはどうしていたのですか、テ
ントはどういう風に出来たのですか当等熱心に取材。女性テントでも椎名さんに
熱心に取材があったとのこと。海外の方々に一層有名になるのかなー。 今度
12月27日(火)pm3時~5時に、テント談話室「放射能と月と再生語り合おう
再生可能文化 を!」を開催される川元祥一さん(作家、ルポライター)が、下
見を兼ねてテントに来訪。 夕方はテント前で、テントひろば主催の反原発アピ
ール。冷温停止宣伝怒りのアピール。被曝労働問題の院内集会報告、福島出身メ
ンバーは、その当事者として、母として、妻として、女としてのアピール。線量
の高い千葉メンバーからは、きちんと対応しない森田県政批判も。道行く人々に
ア ピール。テント前もすっかり冬景色になってしまった。経済産業省前もほと
んど枯れ葉は無く、冷たい風がアスファルトの上を舞う。午前3時の見回り。寒
い。経済産業省、文部科学省、外務省ビルにはまだ灯りがついた部屋が。テント
に戻り朝まで、語りこんだ。
( T・H )
年末までテントでの企画は目白押しである。 23日(金・祝)は、いわき市
からリゾート施設「ハワイアンズ」のフラガールの有志がやって来て、 古
代フラダンスを披露する。テントには過去に2度来ておられる。 (pm2時~)
24日(土)は、兵庫から平和のピアニスト池邊幸恵さんを迎えて、クリスマ
スコンサート。(pm3時~) 26日(月)は、群馬からギタリストの南條倖
司さんが、まあさんと一緒にやってきて、ギターと歌を 披露する。(pm
2時~) 27日(火)は 上でも触れた川元さんのテント談話室 第1回「半減
期に学ぶ」 (pm3時~) 28日(水)は 「女たちの御用納め行動」 福
島から大型バスをチャーターして駆けつけてくるとのこと。 12時東電前
に集まる → 経産省前テント という行動予定です。 その後もまだまだ続
きますが、とりあえず。
( Y・T )
★3.メルマガ読者から講演会のお知らせ
イ.さようなら原発 鎌田慧 江東講演会
「脱原発社会に向けて~福島原発事故が問いかけるもの」
1月30日(月)18時半開始 江東区総合区民センター・第5会議室(都営
新宿線「西大島」駅の上)参加費500円
主催:さようなら原発一千万人署名江東実行委員会
連絡先:03-3638-3366(江東ユニオン)
ロ.テーマ『隠された内部被爆の危険』
講師:矢ケ崎克馬氏(琉球大学名誉教授)
日時:2012年2月12日(日)14時半~17時
場所:四ツ谷ニコラバレ9階ホール
(四ツ谷駅 麹町口すぐ前)
申込:不要
資料代:500円
(ただし被災された方、避難しておられる方は無料)
"年間100ミリシーベルト以下の健康被害はわからない"と
信じている方、それは"わからない"のではなく"隠されてきた"のです。
意図的に隠されてきた内部被爆のメカニズムを知り、
子ども達とその未来を守るために力を合わせましょう。
主催:脱原発・自然エネルギーを考えるカトリック市民の会
共催:カトリック東京正義と平和委員会
連絡先:090-4396-7446 三上
l.ermitebethanie@ae.auone-net.jp
★4.新聞・雑誌から
イ.脱原発を国策にして原発からの計画的な脱却を
負の遺産である放射性廃棄物処理の問題に真面目に取り組むべき
チェルノブイリ被害視察の福島県調査団―清水修二団長に聞く
福島県のチェルノブイリ原発事故調査団が十一月、深刻な被害を受けたベラル
ーシ、ウクライナを視察した。現場には石棺で覆われた事故炉が残り、放射性物
質で汚染されたとされる地域にはなお、ベラルーシだけで約百十四万人が住み続
ける。福島第一原発事故で放射線による汚染との"共存"を強いられた福島県はチ
ェルノブイリから何を学ぶのか。調査団長の清水修二・福島大学副学長に聞いた。
「チェルノブイリ原発から約三十キロのベラルーシ東南部コマリン村では、学
校に放射性物質についての情報センターが設けられ、子どもたちが各家庭の食料
品を持ち寄っては測定器に入れ、放射線量を調査していた。測定器は円換算で一
台数十万円ほど。福島市長にさっそく、測定器を福島市内すべての学校に設置し
てはどうかと提案した。ベラルーシでは農地の除染は行っていない。一方で平均
十一ヘクタールごとの区画に分けて詳細な汚染地図を作り、汚染の状態と土壌の
性質を見た上で、作目を選びながら耕作を進めていった。ゼロか百かという考え
方ではなく、これは福島の農業復興にとって参考になる。(村域の一部が警戒区
域に指定されている)川内村の遠藤雄幸村長が"(毎時放射線量が)一マイクロ
シーベルトでも村に戻れますか"と質問したのに対し、ベラルーシの専門家は、
被ばくリスクのほとんどは内部被ばくによるもの、と説明していた。内部被ばく
の大半は食物経由で、空間線量による外部被ばくに比べ、コントロールしやすい。
学校など身近な場所で、自分で測って納得できる仕組みをつくることが重要だ。
(中略)福島第一原発事故で、一万人を超える子どもたちが福島県外に出て行っ
てしまい、事故前約二百二万人だった県の人口は百九十九万人を割ってしまった。
避難した人としない人などの人間関係の分断も起きている。"脱原発"を国策に位
置付けて原発からの計画的な脱却を図り、負の遺産である放射性廃棄物処理の問
題に真面目に取り組むべきだ」
(11.12.19. 東京新聞『こちら特報部』より抜粋)
ロ.再稼働推進論に打撃 耐震指針見直しも
大量水漏れ裏付け 炉心溶融の引き金か―「国会事故調 徹底調査を」
東京電力が声高に主張し続ける「津波原因説」に風穴があいた。経済産業省原
子力安全・保安院が、福島第一原発1号機の原子炉系配管に地震の揺れで亀裂が
入った可能性のあることを認めたのだ。地震で重要機器が損傷したとなれば、津
波対策だけでお茶を濁そうとする原発再稼働計画は破綻する。なぜ保安院は、今
になって全原発が長期間停止しかねないような見方を示したのか。
今月六日、東京・永田町の衆院第一議員会館。民主党の川内博史衆院議員は、
保安院の担当者と向き合っていた。いずれも元原発エンジニアで、福島第一原発
の設計にも携わったサイエンスライターからの田中三彦、沼津工業高等専門学校
特任教授の渡辺敦雄の両氏が同席していた。保安院から示されたのが「福島第一
原発1号機 非常用復水器(IC)作動時の原子炉挙動解析」。最後にこう結論
付けていた。「破損による漏洩等の可能性が議論されているため、漏洩を仮定し
た感覚解析を行った。漏洩を仮定した感度解析を行った。漏洩面積0・三平方セ
ンチ以下の場合は、原子炉圧力・原子炉水位のp解析結果と実機データとに有意
な差はない」難解な表現だが、要するに、地震によって原子炉系の配管に0・三
平方センチの亀裂が入った可能性があるということだ。0・三平方センチという
と、ごくわずかな印象を受けるが、「ヘアクラック(髪の毛のひび)」という言
葉もある原発の世界では非常に大きな穴だ。一時間当たり何トンもの水が噴き出
し、炉心溶融につながる冷却材喪失事故の引き金にもなる。
川内氏は「東電は事故原因を津波と決め付けてきたが、地震による重要機器の損
傷の可能性を否定できなくなった」と力を込める。
"物証"ない津波原因説
可能性ではあるが、津波原因説も一つの仮説にすぎない。"物証"がないからだ。
原子炉内は今後十年、あるいは二十年は人が立ち入ることはできない。仮にカメ
ラなどで確認できたとしても、断熱材などで覆われた配管の細部までは分からな
い。「だからこそ、あらゆる可能性を否定してはならない」(川内氏)(略)で
は、なぜ東電や保安院は「津波原因説」に固執するのか。地震の揺れは、1号機
では耐震設計の基準値内だった。この程度の揺れで配管が損傷したとなれば、
「ストレステスト(耐性評価)」はもちろん、現行の「耐震設計審査指針」の全
面見直しはすべての機器の取り換えが必要になるかもしれない。再稼働をもくろ
む保安院、責任回避に躍起の東電は、そう簡単には「地震原因説」に乗れない。
【デスクメモ】今回の件でよくわかったのは、東電が発表する"原子炉の状態"と
は、計算の結果にすぎず、入力条件を変えてしまえば、どんな結果でも導き出せ
るという事実だろう。つまり誰も真実をわかっていないのだ。政府は、これで冷
温停止状態を宣言するというのだからあきれる。暴走としかいいようがない。(.
『こちら特報部』東京新聞12.15.より抜粋)
ハ.日本版ピュリツァー賞「原発崩壊」樋口さん受賞
原発労働者を四十年近く撮り続けてきたフォトジャーナリスト 樋口健二さん
(七四)が、「平和・協同ジャーナリスト基金(PCJF)」の第十七回大賞を
受賞した。同賞は市民が選ぶ日本版ピュリツァー賞と言われ、反核・平和、協同
・連帯、人権擁護などに寄与したジャーナリストらに贈られる。樋口さんは一九
七四年から電力会社の下請けや孫請けなどとして働く被曝労働者をカメラで追い
続けてきた。七七年には報道カメラマンとして初めて定期検査中の原発内部に入
り、パイプや床などに付着した放射能を雑巾などで拭き取る労働者の生々しい姿
を撮影した。(略)樋口さんの地元、東京都国分寺市では「写真展を開催する市
民実行委員会」(委員長・汐見稔幸白梅学園大学学長)が結成され、来年三月二
十七日~四月一日に同市東元町二の「カフェスロー」で写真展が開かれる。(略)
樋口さんは「『原発崩壊』は、ぼろ雑巾のように捨てられた被曝労働者たちの鎮
魂の書です。原発をやめて、あるべき本当の日本をつくりたい」と挨拶した。
(11.12.15.東京新聞より抜粋)
転送歓迎
◆ 地震と原発事故情報 その278 ◆
4つの情報をお知らせします(12月22日)
編集部より:本日送信しました地震と原発事故情報その277の★1の記事中
被曝量の表記にミリをマイクロと表記する誤りがありました。編集部により表記
統一時に誤変換をしてしまいました。お詫びして再掲させていただきます。
★1.食品に含まれる放射性物質の新たな基準値について
国民の内部被曝を許容する政府の姿勢・基準は
今後改めさせねばならない
乳幼児食品は限りなくゼロに近い基準であるべきだ
★2.<テント日誌 12/21(水)>
テント前で反原発アピール 目白押しの年末への企画
―― 経産省前テントひろば 102日目 ――
★3.メルマガ読者から講演会のお知らせ
イ.さようなら原発 鎌田慧 江東講演会 1/30(東京・江東区)
ロ.『隠された内部被爆の危険』矢ケ崎克馬氏講演 2/12
(東京・四谷)
★4.新聞・雑誌から
イ.脱原発を国策にして原発からの計画的な脱却を
負の遺産である放射性廃棄物処理の問題に真面目に取り組むべき
チェルノブイリ被害視察の福島県調査団―清水修二団長に聞く
ロ.再稼働推進論に打撃 耐震指針見直しも
大量水漏れ裏付け 炉心溶融の引き金か―
「国会事故調 徹底調査を」
ハ.日本版ピュリツァー賞「原発崩壊」樋口さん受賞
★1.食品に含まれる放射性物質の新たな基準値について
国民の内部被曝を許容する政府の姿勢・基準は
今後改めさせねばならない
乳幼児食品は限りなくゼロに近い基準であるべきだ
安田 節子(食政策センター・ビジョン21)
厚生労働省は、一般食品は現在の暫定基準値の5分の1に当たる、1キログ
ラム当たり100ベクレル、乳児用の食品と牛乳は50ベクレルなどとする方
針を発表。厚労省によると、世界保健機関(WHO)の基準を踏まえ、年間被
曝許容上限1ミリシーベルトのうち0.1ミリシーベルトを「飲料水」に振り
分け、1キロ当たり10ベクレルと設定。その上で食品中の放射性セシウムに
よる年間被曝を残る0.9ミリシーベルト以内に抑えられるよう、平均食品摂
取量などを考慮し、「一般食品」はセシウムで100ベクレルとした。「乳児
用食品」と「牛乳」はセシウムで50ベクレルとした。
5分の1になったから、よかったと思う向きが多いかもしれない。しかし、
暫定基準を正式の基準に改め、今後長く運用される基準としてみると、国民の
内部被ばくを許容する政府の姿勢が見て取れるのだ。
ICRPの勧告をもとに、日本では、法律で定めた公衆の年間被曝限度は外
部被ばく、内部被ばく合わせて1ミリシーベルト(自然放射線被ばくと医療被
曝を除く)となっている。暫定基準値はこれを大幅に上げて設定された。内部
被曝だけで17ミリシーベルトを許容し、これを4つの核種グループに割り振
り、セシウムは5ミリシーベルトとした。5つの食品ジャンルに1ミリシーベ
ルトづつ割り当て導き出したのが500ベクレル/kgの基準だ。暫定基準は
通常の食品安全基準とは異なり、安全を担保するものではない。非常時のがま
ん値なのだ。今回それを5分の1の100ベクレルに引き下げるというが、依
然高すぎる。この規制値で出回る食品を国民が今後ずっと食べ続けるなら、内
部被ばくによって計り知れない数の健康被害を生み続けるだろう。放射線には
これ以下なら安全という閾値は存在しない。閾値の定められない汚染物は食品
に残留してはならないのが食品衛生法の原則だ。非常時の暫定から通常規制に
もどすのだから、国民の内部被ばくを防ぐ基準にならなければおかしい。飲料
水はWHO基準の10ベクレル採用というが、WHOは放射能関係の基準策定
においては、IAEAの了解を得なければならない協定が結ばれており、その
ためWHOの基準は推進の立場にたっていると批判されている。飲料水はアメ
リカの0.111やドイツの0.5のように、コンマ以下でなければいけない
だろう。
ドイツ放射線防護協会は内部被ばくは年間0.3ミリシーベルト以下として
いる。そして、日本政府に対し、乳児、子ども、青少年に対しては4ベクレル
/kg以上のセシウム137を含む飲食物を与えないように、成人は8ベクレ
ル/kg以上のセシウム137を含む飲食物を摂取しないことを推奨してい
る。
日本の高い数値設定には希釈率0.5を採用していることがある。汚染され
た食品だけを口にするわけではないとし、汚染されていない食品を食べること
で汚染が薄まる「希釈」を考慮しているのだ。この希釈政策を停止するよう、
ドイツ放射線防護協会は11月27日に緊急勧告を発している。放射線防護に
おいては、汚染されたものを汚染されていないものと混ぜて希釈し通用させる
ことを禁止する国際的合意がある。日本の瓦礫処理や食品基準はこれに接触す
ると指摘。
チェルノブイリ以降、わかってきたのは幼いものたちがこれまで考えられて
いた以上に感受性が高く低い線量で影響を受けていることだ。このことを考慮
して乳児用食品は大人の半分の50ベクレルにしたと厚労省は説明している
が、先の明治の粉ミルク「ステップ」で判明した30.8ベクレルくらいの汚
染があっても今後ずっと許容されることになる。ミルクは薄めて飲むからとい
うが、小さな体にそれだけを飲むのだし、体内被ばくは避けられない。乳児用
食品は限りなくゼロに近い基準であるべきだ。日本では汚染されていない原料
の入手は可能なのだから。
基準値が緩いと、汚染の低いものと混ぜることで基準を容易にクリアーでき
てしまう。厳しい基準ではそれが困難になる。なによりも放射性物質につい
て、希釈すれば安全という誤った認識は払拭されなければならない。そして内
部被ばくを容認するような基準は改めさせねばなりません。
★2.<テント日誌 12/21(水)>
テント前で反原発アピール 目白押しの年末への企画
―― 経産省前テントひろば 102日目 ――
12月21日(水) 空はどんよりした鉛色。午後になって晴れ間が見え始め、
だんだんに広がる。
ドイツの芸術家がテント訪問。31・11皆さんはどうしていたのですか、テ
ントはどういう風に出来たのですか当等熱心に取材。女性テントでも椎名さんに
熱心に取材があったとのこと。海外の方々に一層有名になるのかなー。 今度
12月27日(火)pm3時~5時に、テント談話室「放射能と月と再生語り合おう
再生可能文化 を!」を開催される川元祥一さん(作家、ルポライター)が、下
見を兼ねてテントに来訪。 夕方はテント前で、テントひろば主催の反原発アピ
ール。冷温停止宣伝怒りのアピール。被曝労働問題の院内集会報告、福島出身メ
ンバーは、その当事者として、母として、妻として、女としてのアピール。線量
の高い千葉メンバーからは、きちんと対応しない森田県政批判も。道行く人々に
ア ピール。テント前もすっかり冬景色になってしまった。経済産業省前もほと
んど枯れ葉は無く、冷たい風がアスファルトの上を舞う。午前3時の見回り。寒
い。経済産業省、文部科学省、外務省ビルにはまだ灯りがついた部屋が。テント
に戻り朝まで、語りこんだ。
( T・H )
年末までテントでの企画は目白押しである。 23日(金・祝)は、いわき市
からリゾート施設「ハワイアンズ」のフラガールの有志がやって来て、 古
代フラダンスを披露する。テントには過去に2度来ておられる。 (pm2時~)
24日(土)は、兵庫から平和のピアニスト池邊幸恵さんを迎えて、クリスマ
スコンサート。(pm3時~) 26日(月)は、群馬からギタリストの南條倖
司さんが、まあさんと一緒にやってきて、ギターと歌を 披露する。(pm
2時~) 27日(火)は 上でも触れた川元さんのテント談話室 第1回「半減
期に学ぶ」 (pm3時~) 28日(水)は 「女たちの御用納め行動」 福
島から大型バスをチャーターして駆けつけてくるとのこと。 12時東電前
に集まる → 経産省前テント という行動予定です。 その後もまだまだ続
きますが、とりあえず。
( Y・T )
★3.メルマガ読者から講演会のお知らせ
イ.さようなら原発 鎌田慧 江東講演会
「脱原発社会に向けて~福島原発事故が問いかけるもの」
1月30日(月)18時半開始 江東区総合区民センター・第5会議室(都営
新宿線「西大島」駅の上)参加費500円
主催:さようなら原発一千万人署名江東実行委員会
連絡先:03-3638-3366(江東ユニオン)
ロ.テーマ『隠された内部被爆の危険』
講師:矢ケ崎克馬氏(琉球大学名誉教授)
日時:2012年2月12日(日)14時半~17時
場所:四ツ谷ニコラバレ9階ホール
(四ツ谷駅 麹町口すぐ前)
申込:不要
資料代:500円
(ただし被災された方、避難しておられる方は無料)
"年間100ミリシーベルト以下の健康被害はわからない"と
信じている方、それは"わからない"のではなく"隠されてきた"のです。
意図的に隠されてきた内部被爆のメカニズムを知り、
子ども達とその未来を守るために力を合わせましょう。
主催:脱原発・自然エネルギーを考えるカトリック市民の会
共催:カトリック東京正義と平和委員会
連絡先:090-4396-7446 三上
l.ermitebethanie@ae.auone-net.jp
★4.新聞・雑誌から
イ.脱原発を国策にして原発からの計画的な脱却を
負の遺産である放射性廃棄物処理の問題に真面目に取り組むべき
チェルノブイリ被害視察の福島県調査団―清水修二団長に聞く
福島県のチェルノブイリ原発事故調査団が十一月、深刻な被害を受けたベラル
ーシ、ウクライナを視察した。現場には石棺で覆われた事故炉が残り、放射性物
質で汚染されたとされる地域にはなお、ベラルーシだけで約百十四万人が住み続
ける。福島第一原発事故で放射線による汚染との"共存"を強いられた福島県はチ
ェルノブイリから何を学ぶのか。調査団長の清水修二・福島大学副学長に聞いた。
「チェルノブイリ原発から約三十キロのベラルーシ東南部コマリン村では、学
校に放射性物質についての情報センターが設けられ、子どもたちが各家庭の食料
品を持ち寄っては測定器に入れ、放射線量を調査していた。測定器は円換算で一
台数十万円ほど。福島市長にさっそく、測定器を福島市内すべての学校に設置し
てはどうかと提案した。ベラルーシでは農地の除染は行っていない。一方で平均
十一ヘクタールごとの区画に分けて詳細な汚染地図を作り、汚染の状態と土壌の
性質を見た上で、作目を選びながら耕作を進めていった。ゼロか百かという考え
方ではなく、これは福島の農業復興にとって参考になる。(村域の一部が警戒区
域に指定されている)川内村の遠藤雄幸村長が"(毎時放射線量が)一マイクロ
シーベルトでも村に戻れますか"と質問したのに対し、ベラルーシの専門家は、
被ばくリスクのほとんどは内部被ばくによるもの、と説明していた。内部被ばく
の大半は食物経由で、空間線量による外部被ばくに比べ、コントロールしやすい。
学校など身近な場所で、自分で測って納得できる仕組みをつくることが重要だ。
(中略)福島第一原発事故で、一万人を超える子どもたちが福島県外に出て行っ
てしまい、事故前約二百二万人だった県の人口は百九十九万人を割ってしまった。
避難した人としない人などの人間関係の分断も起きている。"脱原発"を国策に位
置付けて原発からの計画的な脱却を図り、負の遺産である放射性廃棄物処理の問
題に真面目に取り組むべきだ」
(11.12.19. 東京新聞『こちら特報部』より抜粋)
ロ.再稼働推進論に打撃 耐震指針見直しも
大量水漏れ裏付け 炉心溶融の引き金か―「国会事故調 徹底調査を」
東京電力が声高に主張し続ける「津波原因説」に風穴があいた。経済産業省原
子力安全・保安院が、福島第一原発1号機の原子炉系配管に地震の揺れで亀裂が
入った可能性のあることを認めたのだ。地震で重要機器が損傷したとなれば、津
波対策だけでお茶を濁そうとする原発再稼働計画は破綻する。なぜ保安院は、今
になって全原発が長期間停止しかねないような見方を示したのか。
今月六日、東京・永田町の衆院第一議員会館。民主党の川内博史衆院議員は、
保安院の担当者と向き合っていた。いずれも元原発エンジニアで、福島第一原発
の設計にも携わったサイエンスライターからの田中三彦、沼津工業高等専門学校
特任教授の渡辺敦雄の両氏が同席していた。保安院から示されたのが「福島第一
原発1号機 非常用復水器(IC)作動時の原子炉挙動解析」。最後にこう結論
付けていた。「破損による漏洩等の可能性が議論されているため、漏洩を仮定し
た感覚解析を行った。漏洩を仮定した感度解析を行った。漏洩面積0・三平方セ
ンチ以下の場合は、原子炉圧力・原子炉水位のp解析結果と実機データとに有意
な差はない」難解な表現だが、要するに、地震によって原子炉系の配管に0・三
平方センチの亀裂が入った可能性があるということだ。0・三平方センチという
と、ごくわずかな印象を受けるが、「ヘアクラック(髪の毛のひび)」という言
葉もある原発の世界では非常に大きな穴だ。一時間当たり何トンもの水が噴き出
し、炉心溶融につながる冷却材喪失事故の引き金にもなる。
川内氏は「東電は事故原因を津波と決め付けてきたが、地震による重要機器の損
傷の可能性を否定できなくなった」と力を込める。
"物証"ない津波原因説
可能性ではあるが、津波原因説も一つの仮説にすぎない。"物証"がないからだ。
原子炉内は今後十年、あるいは二十年は人が立ち入ることはできない。仮にカメ
ラなどで確認できたとしても、断熱材などで覆われた配管の細部までは分からな
い。「だからこそ、あらゆる可能性を否定してはならない」(川内氏)(略)で
は、なぜ東電や保安院は「津波原因説」に固執するのか。地震の揺れは、1号機
では耐震設計の基準値内だった。この程度の揺れで配管が損傷したとなれば、
「ストレステスト(耐性評価)」はもちろん、現行の「耐震設計審査指針」の全
面見直しはすべての機器の取り換えが必要になるかもしれない。再稼働をもくろ
む保安院、責任回避に躍起の東電は、そう簡単には「地震原因説」に乗れない。
【デスクメモ】今回の件でよくわかったのは、東電が発表する"原子炉の状態"と
は、計算の結果にすぎず、入力条件を変えてしまえば、どんな結果でも導き出せ
るという事実だろう。つまり誰も真実をわかっていないのだ。政府は、これで冷
温停止状態を宣言するというのだからあきれる。暴走としかいいようがない。(.
『こちら特報部』東京新聞12.15.より抜粋)
ハ.日本版ピュリツァー賞「原発崩壊」樋口さん受賞
原発労働者を四十年近く撮り続けてきたフォトジャーナリスト 樋口健二さん
(七四)が、「平和・協同ジャーナリスト基金(PCJF)」の第十七回大賞を
受賞した。同賞は市民が選ぶ日本版ピュリツァー賞と言われ、反核・平和、協同
・連帯、人権擁護などに寄与したジャーナリストらに贈られる。樋口さんは一九
七四年から電力会社の下請けや孫請けなどとして働く被曝労働者をカメラで追い
続けてきた。七七年には報道カメラマンとして初めて定期検査中の原発内部に入
り、パイプや床などに付着した放射能を雑巾などで拭き取る労働者の生々しい姿
を撮影した。(略)樋口さんの地元、東京都国分寺市では「写真展を開催する市
民実行委員会」(委員長・汐見稔幸白梅学園大学学長)が結成され、来年三月二
十七日~四月一日に同市東元町二の「カフェスロー」で写真展が開かれる。(略)
樋口さんは「『原発崩壊』は、ぼろ雑巾のように捨てられた被曝労働者たちの鎮
魂の書です。原発をやめて、あるべき本当の日本をつくりたい」と挨拶した。
(11.12.15.東京新聞より抜粋)
たんぽぽ舎です。【TMM:No1292】
転送歓迎
◆ 地震と原発事故情報 その277 ◆
4つの情報をお知らせします(12月22日)
12月16日、関西電力大飯原発2号機が定期検査で停止、
日本の稼働している原発は7基、全原発停止へあと一歩
★1.食品に含まれる放射性物質の新たな基準値について
国民の内部被曝を許容する政府の姿勢・基準は
今後改めさせねばならない
乳幼児食品は限りなくゼロに近い基準であるべきだ
★2.<テント日誌 12/20(火)>
「わたり土湯ぽかぽかプロジェクト」と
イギリスからの訪問者の興味ある話
―― 経産省前テントひろば 101日目 ――
★3.メルマガ読者から講演会・集会のお知らせ、2つ
イ.インターネット放送について
「福島原発事故『収束宣言』大嘘の皮を剥ぐ」
ロ.「12.23原発さよならデモ@草加」
「12.25クリスマス脱原発浦安パレード」
★4.新聞・雑誌報道から
「問題なし」結論が先にあり
―福島の子ども被ばく調査
調査対象は10月以降、事故当初3月から9月は無視した調査
★1.食品に含まれる放射性物質の新たな基準値について
国民の内部被曝を許容する政府の姿勢・基準は
今後改めさせねばならない
乳幼児食品は限りなくゼロに近い基準であるべきだ
安田 節子(食政策センター・ビジョン21)
○厚生労働省は、一般食品は現在の暫定基準値の5分の1に当たる、1キログ
ラム当たり100ベクレル、乳児用の食品と牛乳は50ベクレルなどとする方
針を発表。厚労省によると、世界保健機関(WHO)の基準を踏まえ、年間被
曝許容上限1ミリシーベルトのうち0.1ミリシーベルトを「飲料水」に振り
分け、1キロ当たり10ベクレルと設定。その上で食品中の放射性セシウムに
よる年間被曝を残る0.9ミリシーベルト以内に抑えられるよう、平均食品摂
取量などを考慮し、「一般食品」はセシウムで100ベクレルとした。「乳児
用食品」と「牛乳」はセシウムで50ベクレルとした。
5分の1になったから、よかったと思う向きが多いかもしれない。しかし、
暫定基準を正式の基準に改め、今後長く運用される基準としてみると、国民の
内部被ばくを許容する政府の姿勢が見て取れるのだ。
ICRPの勧告をもとに、日本では、法律で定めた公衆の年間被曝限度は外
部被ばく、内部被ばく合わせて1マイクロシーベルト(自然放射線被ばくと医
療被曝を除く)となっている。暫定基準値はこれを大幅に上げて設定された。
内部被曝だけで17マイクロシーベルトを許容し、これを4つの核種グループ
に割り振り、セシウムは5マイクロシーベルトとした。5つの食品ジャンルに
1マイクロシーベルトづつ割り当て導き出したのが500ベクレル/kgの基
準だ。暫定基準は通常の食品安全基準とは異なり、安全を担保するものではな
い。非常時のがまん値なのだ。今回それを5分の1の100ベクレルに引き下
げるというが、依然高すぎる。この規制値で出回る食品を国民が今後ずっと食
べ続けるなら、内部被ばくによって計り知れない数の健康被害を生み続けるだ
ろう。放射線にはこれ以下なら安全という閾値は存在しない。閾値の定められ
ない汚染物は食品に残留してはならないのが食品衛生法の原則だ。非常時の暫
定から通常規制にもどすのだから、国民の内部被ばくを防ぐ基準にならなけれ
ばおかしい。飲料水はWHO基準の10ベクレル採用というが、WHOは放射
能関係の基準策定においては、IAEAの了解を得なければならない協定が結
ばれており、そのためWHOの基準は推進の立場にたっていると批判されてい
る。飲料水はアメリカの0.111やドイツの0.5のように、コンマ以下で
なければいけないだろう。
○ドイツ放射線防護協会は内部被ばくは年間0.3ミリシーベルト以下として
いる。そして、日本政府に対し、乳児、子ども、青少年に対しては4ベクレル
/kg以上のセシウム137を含む飲食物を与えないように、成人は8ベクレ
ル/kg以上のセシウム137を含む飲食物を摂取しないことを推奨してい
る。
日本の高い数値設定には希釈率0.5を採用していることがある。汚染され
た食品だけを口にするわけではないとし、汚染されていない食品を食べること
で汚染が薄まる「希釈」を考慮しているのだ。この希釈政策を停止するよう、
ドイツ放射線防護協会は11月27日に緊急勧告を発している。放射線防護に
おいては、汚染されたものを汚染されていないものと混ぜて希釈し通用させる
ことを禁止する国際的合意がある。日本の瓦礫処理や食品基準はこれに接触す
ると指摘。
チェルノブイリ以降、わかってきたのは幼いものたちがこれまで考えられて
いた以上に感受性が高く低い線量で影響を受けていることだ。このことを考慮
して乳児用食品は大人の半分の50ベクレルにしたと厚労省は説明している
が、先の明治の粉ミルク「ステップ」で判明した30.8ベクレルくらいの汚
染があっても今後ずっと許容されることになる。ミルクは薄めて飲むからとい
うが、小さな体にそれだけを飲むのだし、体内被ばくは避けられない。乳児用
食品は限りなくゼロに近い基準であるべきだ。日本では汚染されていない原料
の入手は可能なのだから。
基準値が緩いと、汚染の低いものと混ぜることで基準を容易にクリアーでき
てしまう。厳しい基準ではそれが困難になる。なによりも放射性物質につい
て、希釈すれば安全という誤った認識は払拭されなければならない。そして内
部被ばくを容認するような基準は改めさせねばなりません。
★2.<テント日誌 12/20(火)>
「わたり土湯ぽかぽかプロジェクト」と
イギリスからの訪問者の興味ある話
―― 経産省前テントひろば 101日目 ――
朝 の5時から7時まで不寝番だった。やはり冷える。寝る時は毛布も寝袋も
あってそんなに寒くはないが、小型のガスストーブで温たまる。あれこれ自問
しながら 時間を過ごす。
それにしても野田首相の「事故収束」宣言は納得がいかない。誰もがそう思
うのだろうが、事情を知らない(正確な情報の伝わらない)外国などでは案外
と通ってしまうのかも知れない。それを想うと腹立たしい気持ちになり、寒さ
も増す気がする。
福島市渡利地区で「放射能汚染から子供を守る活動」をしているKさんがテ
ントに寄った。渡利地区は福島市の中で得に空間線量が高い地域で毎時2マイ
クロシーベトを超す場所も多いと言われている。いろいろと活動を聞かせてい
ただいたが、「除染がはじまって効果が上がるまで、せめて子どもたちを一時
避難させて欲しい」と訴えている。そして、その一つとして「わたり土湯ぽか
ぽかプロジェクト」を展開しておられる。これは渡利から車で30分くらいの
ところにある土湯温泉(ここは空間線量が低い)に週末やウィークディに渡利
の親子に滞在してもらおうというものである。寄付を求めているが、その案内
のオンラインは http://goo.gl/5K9H1.
夜になるとイギリスから帰ったという女性がテントを訪れた。彼女はレイバ
―ネットでこのテントのことを知ったらしいが、探すのに一苦労した様子。イ
ギリスには1970年代に行き、もう30年を過ぎた滞在とのことであるが、
通訳などもやっておられて面白い話を聞かせてもらった。
一つはイギリスでは太陽光エネルギーの取り込み展開されていること、各家
が地方行政に申請し、支度金申請をし、外注の業者が現場確認見積もりした
後、行政が枠幅内の金額で許可するもので、自宅で消費する電気量より多く電
気が得られた場合は、買取システム式にしていて、最初の取り付け費用の還元
効果をねらい、最初の資金がかからないため、懐が豊かでない一般市民も参加
できる形になっている。また全国的な取り組みをしいるのではないかとのこと
だった。
さらに彼女は3月11日を前後する頃、日本からの原発の視察団に欧州で通
訳をする仕事をしていた。原発見学も含んで、それぞれお互いの国の設備安全
対策(長中期)などについて話し合っていたとのことだが、3月11日の地
震・津波発生直後、福島原発のことを大変懸念し、皆顔が真っ青であったとの
ことだ。
さらに彼女の家に部屋借りにきたロシアの女性の話をしてくれた。この女性
はチエルノブイリの事故のだいぶ後で」乳がんに罹っていたことが判明し、医
者からは原発の爆発の影響で、残り2年の余命であると宣言され、わらをもつ
かむ気持ちでNHSというイギリスの医療保険制度を利用し、イギリスに手術
を受けにきたらしいが、(彼女の場合はイギリスにいたことがあるため無料)
彼女の周りには乳がん罹り亡くなった人は多数いると。まさか自分が事故後だ
いぶたってから癌にかかるなんてと凄く怒っていて、なんとしても直したいと
いう意気込みの反面、時折見せる諦めの表情が、実態を知らされていなかった
一般の人々の本当の意味での悲しみを如実に物語っていたようだ。
我々はやはりチエルノブイリのことは知らないのだ。あるいは知らせられて
はいないのである。このように私達は、今の日本の状況はおろか、5年後、1
0年後、50年後の被爆の影響について国や機関が海外の記録などとの比較を
しながら統計・数値的な予測記録及び効果的で実質的な財政援助も含む対応策
を取っているかどうかを知る必要があるし、あるならばそれを公開するよう働
きかける必要があるのではないかとも彼女は言っていた。
金正日氏の死去の報道もあり昨日は新橋駅が騒がしかったらしいが、今日の
霞ヶ関界隈はいつもよりは静か目である。年末まで余すところ、わずかとなっ
た。いろいろ忙しいのだろが、テントは手薄になりがちである。時間があれば
テントに顔を出してもらいた、と思う。比較的多くの時間をテントに詰めてい
る人からのメッセージである。
(M/O)
★3.メルマガ読者から講演会・集会のお知らせ、2つ
イ.インターネット放送について
「福島原発事故『収束宣言』大嘘の皮を剥ぐ」
広瀬 隆
今年は本当に色々とありがとうございました。
12月23日の夜9時に週刊朝日のインターネット ustreamに、私が登場す
る番組について、視聴方法をお知らせします。お時間のある方は、ぜひ御覧に
なってください。ustream なので、後日にも見られると思います。
【番組名】週刊朝日UST劇場
「福島原発事故『収束宣言』大嘘の皮を剥ぐ」広瀬隆
(http://www.wa-dan.com/)
【出演者】山口一臣(前週刊朝日編集長)、成瀬久美(アシスタント)
【放送日時】12月23日(金)21:00~22:00
番組は下記のようにすれば、無料で見られるそうです。
●下記のURLをクリックしてください
http://www.ustream.tv/channel/%E9%80%B1%E5%88%8A%E6%9C%9D%E6%97%A5ust%E5%8A%87%E5%A0%B4%E3%81%A7%E3%81%A3%E3%81%99
生放送なので、放送前には何も映っていませんが、放送開始時間(23日2
1:00~)になると自動的に番組が始まります。
ロ.「12.23原発さよならデモ@草加」
「12.25クリスマス脱原発浦安パレード」
(1) 「12.23原発さよならデモ@草加」
12月23日(金・休)
14時 東武伊勢崎線草加駅前集合
14時半 デモ出発
東口ロータリーから、旧日光街道の古い煎餅屋さんなどがある商店街を通る1
時間弱のコースです。
注:原発と関係のない、特定の政治団体や政治的テーマに関するのぼりや旗・
プラカード等はご遠慮下さい。
問合せ:白田(sirotama@kbf.biglobe.ne.jp)
(2) 「12.25クリスマス脱原発浦安パレード」
12月25日(日)13時 新浦安駅前広場集合 雨天中止
パレード出発 14時
●脱原発宣言を、浦安市民に向かって行います。お時間がある方は是非パレー
ドに参加して下さい。
新浦安駅前交差点→美浜→入船→→イトーヨーカ堂→日の出おひさま公園解散
☆連絡先 浦安市脱原発宣言実行委員会 稲井邦利 tatujin-inai@auone.jp
★4.新聞・雑誌報道から
「問題なし」結論が先にあり
―福島の子ども被ばく調査
調査対象は10月以降、事故当初3月から9月は無視した調査
福島県郡山市は八日、小中学生を対象に、十月五日から三十三日間測定した
累積放射線量を保護者に通知した。平均値は0.12ミリシーベルトで、これ
は年換算で1.33ミリシーベルト。最大値は0.45ミリシーベルトで、年
換算では4.98ミリシーベルトにも達した。(略)
専門家の評価の根拠を市学校管理課に尋ねたが、「総合的な判断」の一点張
り。「平常時の法的な上限は一ミリシーベルトだが、今は平常時ではない。除
染などによって、1ミリシーベルトに近づけようと努力している」と繰り返し
た。そもそも、なぜ十月なのか。事故発生から数カ月間はどうだったのか。福
島県が子どもと妊婦計約三十万人に、個人線量計を配布すると発表したのは六
月。県が購入日として、一台あたり一万五千円を上限として市町村に補助する
事業だ。郡山市は八月の臨時議会で予算を計上。保護者の意向確認やアドバイ
ザーの人選などに時間がかかったため、配布は十月にずれ込んだ。三月から九
月までの被ばくの影響については「(内部被ばくを検査する)ホールボディカ
ウンターを導入して対応する」と説明するが、その時期は「早くても来年
夏」。福島市は十月二十八日、小中学生を対象に九月の約一カ月間実施した累
積放射線量の測定結果を保護者に通知した 。平均値は出しておらず、最大値
の0.6ミリシーベルトが3人。0.5ミリシーベルトが11人、0.4ミリ
シーベルトが44人など。医師らでつくる市健康管理検討委員会の評価は「健
康に影響を与える数値ではない」。(略)
郡山市では、児童や生徒ら14人が市に疎開する措置を求め、福島地裁郡山
支部に仮処分を申し立てている。警戒区域と計画的避難区域以外では自主避難
任せで、あくまでも”定住政策”にこだわる国や行政への批判は根強い。福島
子どものいのちを守る会代表の佐藤幸子さん(53)は「本気で子どもを守る
気持ちはないのだろうか。最近の線量を測定して、大丈夫というようなパフ
ォーマンスはやめてほしい」お憤りを隠さなかった。
(東京新聞12月14日付け『こちら特報部』より抜粋)
※【編集部より】
明後日12月24日午後6時30分より、「ふくしま集団疎開裁判」を闘う
弁護団長・柳原敏夫氏を招いて「【緊急報告会】ふくしま集団疎開裁判不当判
決弾劾」を開催いたします。皆さんのご参加をお待ちしています。
転送歓迎
◆ 地震と原発事故情報 その277 ◆
4つの情報をお知らせします(12月22日)
12月16日、関西電力大飯原発2号機が定期検査で停止、
日本の稼働している原発は7基、全原発停止へあと一歩
★1.食品に含まれる放射性物質の新たな基準値について
国民の内部被曝を許容する政府の姿勢・基準は
今後改めさせねばならない
乳幼児食品は限りなくゼロに近い基準であるべきだ
★2.<テント日誌 12/20(火)>
「わたり土湯ぽかぽかプロジェクト」と
イギリスからの訪問者の興味ある話
―― 経産省前テントひろば 101日目 ――
★3.メルマガ読者から講演会・集会のお知らせ、2つ
イ.インターネット放送について
「福島原発事故『収束宣言』大嘘の皮を剥ぐ」
ロ.「12.23原発さよならデモ@草加」
「12.25クリスマス脱原発浦安パレード」
★4.新聞・雑誌報道から
「問題なし」結論が先にあり
―福島の子ども被ばく調査
調査対象は10月以降、事故当初3月から9月は無視した調査
★1.食品に含まれる放射性物質の新たな基準値について
国民の内部被曝を許容する政府の姿勢・基準は
今後改めさせねばならない
乳幼児食品は限りなくゼロに近い基準であるべきだ
安田 節子(食政策センター・ビジョン21)
○厚生労働省は、一般食品は現在の暫定基準値の5分の1に当たる、1キログ
ラム当たり100ベクレル、乳児用の食品と牛乳は50ベクレルなどとする方
針を発表。厚労省によると、世界保健機関(WHO)の基準を踏まえ、年間被
曝許容上限1ミリシーベルトのうち0.1ミリシーベルトを「飲料水」に振り
分け、1キロ当たり10ベクレルと設定。その上で食品中の放射性セシウムに
よる年間被曝を残る0.9ミリシーベルト以内に抑えられるよう、平均食品摂
取量などを考慮し、「一般食品」はセシウムで100ベクレルとした。「乳児
用食品」と「牛乳」はセシウムで50ベクレルとした。
5分の1になったから、よかったと思う向きが多いかもしれない。しかし、
暫定基準を正式の基準に改め、今後長く運用される基準としてみると、国民の
内部被ばくを許容する政府の姿勢が見て取れるのだ。
ICRPの勧告をもとに、日本では、法律で定めた公衆の年間被曝限度は外
部被ばく、内部被ばく合わせて1マイクロシーベルト(自然放射線被ばくと医
療被曝を除く)となっている。暫定基準値はこれを大幅に上げて設定された。
内部被曝だけで17マイクロシーベルトを許容し、これを4つの核種グループ
に割り振り、セシウムは5マイクロシーベルトとした。5つの食品ジャンルに
1マイクロシーベルトづつ割り当て導き出したのが500ベクレル/kgの基
準だ。暫定基準は通常の食品安全基準とは異なり、安全を担保するものではな
い。非常時のがまん値なのだ。今回それを5分の1の100ベクレルに引き下
げるというが、依然高すぎる。この規制値で出回る食品を国民が今後ずっと食
べ続けるなら、内部被ばくによって計り知れない数の健康被害を生み続けるだ
ろう。放射線にはこれ以下なら安全という閾値は存在しない。閾値の定められ
ない汚染物は食品に残留してはならないのが食品衛生法の原則だ。非常時の暫
定から通常規制にもどすのだから、国民の内部被ばくを防ぐ基準にならなけれ
ばおかしい。飲料水はWHO基準の10ベクレル採用というが、WHOは放射
能関係の基準策定においては、IAEAの了解を得なければならない協定が結
ばれており、そのためWHOの基準は推進の立場にたっていると批判されてい
る。飲料水はアメリカの0.111やドイツの0.5のように、コンマ以下で
なければいけないだろう。
○ドイツ放射線防護協会は内部被ばくは年間0.3ミリシーベルト以下として
いる。そして、日本政府に対し、乳児、子ども、青少年に対しては4ベクレル
/kg以上のセシウム137を含む飲食物を与えないように、成人は8ベクレ
ル/kg以上のセシウム137を含む飲食物を摂取しないことを推奨してい
る。
日本の高い数値設定には希釈率0.5を採用していることがある。汚染され
た食品だけを口にするわけではないとし、汚染されていない食品を食べること
で汚染が薄まる「希釈」を考慮しているのだ。この希釈政策を停止するよう、
ドイツ放射線防護協会は11月27日に緊急勧告を発している。放射線防護に
おいては、汚染されたものを汚染されていないものと混ぜて希釈し通用させる
ことを禁止する国際的合意がある。日本の瓦礫処理や食品基準はこれに接触す
ると指摘。
チェルノブイリ以降、わかってきたのは幼いものたちがこれまで考えられて
いた以上に感受性が高く低い線量で影響を受けていることだ。このことを考慮
して乳児用食品は大人の半分の50ベクレルにしたと厚労省は説明している
が、先の明治の粉ミルク「ステップ」で判明した30.8ベクレルくらいの汚
染があっても今後ずっと許容されることになる。ミルクは薄めて飲むからとい
うが、小さな体にそれだけを飲むのだし、体内被ばくは避けられない。乳児用
食品は限りなくゼロに近い基準であるべきだ。日本では汚染されていない原料
の入手は可能なのだから。
基準値が緩いと、汚染の低いものと混ぜることで基準を容易にクリアーでき
てしまう。厳しい基準ではそれが困難になる。なによりも放射性物質につい
て、希釈すれば安全という誤った認識は払拭されなければならない。そして内
部被ばくを容認するような基準は改めさせねばなりません。
★2.<テント日誌 12/20(火)>
「わたり土湯ぽかぽかプロジェクト」と
イギリスからの訪問者の興味ある話
―― 経産省前テントひろば 101日目 ――
朝 の5時から7時まで不寝番だった。やはり冷える。寝る時は毛布も寝袋も
あってそんなに寒くはないが、小型のガスストーブで温たまる。あれこれ自問
しながら 時間を過ごす。
それにしても野田首相の「事故収束」宣言は納得がいかない。誰もがそう思
うのだろうが、事情を知らない(正確な情報の伝わらない)外国などでは案外
と通ってしまうのかも知れない。それを想うと腹立たしい気持ちになり、寒さ
も増す気がする。
福島市渡利地区で「放射能汚染から子供を守る活動」をしているKさんがテ
ントに寄った。渡利地区は福島市の中で得に空間線量が高い地域で毎時2マイ
クロシーベトを超す場所も多いと言われている。いろいろと活動を聞かせてい
ただいたが、「除染がはじまって効果が上がるまで、せめて子どもたちを一時
避難させて欲しい」と訴えている。そして、その一つとして「わたり土湯ぽか
ぽかプロジェクト」を展開しておられる。これは渡利から車で30分くらいの
ところにある土湯温泉(ここは空間線量が低い)に週末やウィークディに渡利
の親子に滞在してもらおうというものである。寄付を求めているが、その案内
のオンラインは http://goo.gl/5K9H1.
夜になるとイギリスから帰ったという女性がテントを訪れた。彼女はレイバ
―ネットでこのテントのことを知ったらしいが、探すのに一苦労した様子。イ
ギリスには1970年代に行き、もう30年を過ぎた滞在とのことであるが、
通訳などもやっておられて面白い話を聞かせてもらった。
一つはイギリスでは太陽光エネルギーの取り込み展開されていること、各家
が地方行政に申請し、支度金申請をし、外注の業者が現場確認見積もりした
後、行政が枠幅内の金額で許可するもので、自宅で消費する電気量より多く電
気が得られた場合は、買取システム式にしていて、最初の取り付け費用の還元
効果をねらい、最初の資金がかからないため、懐が豊かでない一般市民も参加
できる形になっている。また全国的な取り組みをしいるのではないかとのこと
だった。
さらに彼女は3月11日を前後する頃、日本からの原発の視察団に欧州で通
訳をする仕事をしていた。原発見学も含んで、それぞれお互いの国の設備安全
対策(長中期)などについて話し合っていたとのことだが、3月11日の地
震・津波発生直後、福島原発のことを大変懸念し、皆顔が真っ青であったとの
ことだ。
さらに彼女の家に部屋借りにきたロシアの女性の話をしてくれた。この女性
はチエルノブイリの事故のだいぶ後で」乳がんに罹っていたことが判明し、医
者からは原発の爆発の影響で、残り2年の余命であると宣言され、わらをもつ
かむ気持ちでNHSというイギリスの医療保険制度を利用し、イギリスに手術
を受けにきたらしいが、(彼女の場合はイギリスにいたことがあるため無料)
彼女の周りには乳がん罹り亡くなった人は多数いると。まさか自分が事故後だ
いぶたってから癌にかかるなんてと凄く怒っていて、なんとしても直したいと
いう意気込みの反面、時折見せる諦めの表情が、実態を知らされていなかった
一般の人々の本当の意味での悲しみを如実に物語っていたようだ。
我々はやはりチエルノブイリのことは知らないのだ。あるいは知らせられて
はいないのである。このように私達は、今の日本の状況はおろか、5年後、1
0年後、50年後の被爆の影響について国や機関が海外の記録などとの比較を
しながら統計・数値的な予測記録及び効果的で実質的な財政援助も含む対応策
を取っているかどうかを知る必要があるし、あるならばそれを公開するよう働
きかける必要があるのではないかとも彼女は言っていた。
金正日氏の死去の報道もあり昨日は新橋駅が騒がしかったらしいが、今日の
霞ヶ関界隈はいつもよりは静か目である。年末まで余すところ、わずかとなっ
た。いろいろ忙しいのだろが、テントは手薄になりがちである。時間があれば
テントに顔を出してもらいた、と思う。比較的多くの時間をテントに詰めてい
る人からのメッセージである。
(M/O)
★3.メルマガ読者から講演会・集会のお知らせ、2つ
イ.インターネット放送について
「福島原発事故『収束宣言』大嘘の皮を剥ぐ」
広瀬 隆
今年は本当に色々とありがとうございました。
12月23日の夜9時に週刊朝日のインターネット ustreamに、私が登場す
る番組について、視聴方法をお知らせします。お時間のある方は、ぜひ御覧に
なってください。ustream なので、後日にも見られると思います。
【番組名】週刊朝日UST劇場
「福島原発事故『収束宣言』大嘘の皮を剥ぐ」広瀬隆
(http://www.wa-dan.com/)
【出演者】山口一臣(前週刊朝日編集長)、成瀬久美(アシスタント)
【放送日時】12月23日(金)21:00~22:00
番組は下記のようにすれば、無料で見られるそうです。
●下記のURLをクリックしてください
http://www.ustream.tv/channel/%E9%80%B1%E5%88%8A%E6%9C%9D%E6%97%A5ust%E5%8A%87%E5%A0%B4%E3%81%A7%E3%81%A3%E3%81%99
生放送なので、放送前には何も映っていませんが、放送開始時間(23日2
1:00~)になると自動的に番組が始まります。
ロ.「12.23原発さよならデモ@草加」
「12.25クリスマス脱原発浦安パレード」
(1) 「12.23原発さよならデモ@草加」
12月23日(金・休)
14時 東武伊勢崎線草加駅前集合
14時半 デモ出発
東口ロータリーから、旧日光街道の古い煎餅屋さんなどがある商店街を通る1
時間弱のコースです。
注:原発と関係のない、特定の政治団体や政治的テーマに関するのぼりや旗・
プラカード等はご遠慮下さい。
問合せ:白田(sirotama@kbf.biglobe.ne.jp)
(2) 「12.25クリスマス脱原発浦安パレード」
12月25日(日)13時 新浦安駅前広場集合 雨天中止
パレード出発 14時
●脱原発宣言を、浦安市民に向かって行います。お時間がある方は是非パレー
ドに参加して下さい。
新浦安駅前交差点→美浜→入船→→イトーヨーカ堂→日の出おひさま公園解散
☆連絡先 浦安市脱原発宣言実行委員会 稲井邦利 tatujin-inai@auone.jp
★4.新聞・雑誌報道から
「問題なし」結論が先にあり
―福島の子ども被ばく調査
調査対象は10月以降、事故当初3月から9月は無視した調査
福島県郡山市は八日、小中学生を対象に、十月五日から三十三日間測定した
累積放射線量を保護者に通知した。平均値は0.12ミリシーベルトで、これ
は年換算で1.33ミリシーベルト。最大値は0.45ミリシーベルトで、年
換算では4.98ミリシーベルトにも達した。(略)
専門家の評価の根拠を市学校管理課に尋ねたが、「総合的な判断」の一点張
り。「平常時の法的な上限は一ミリシーベルトだが、今は平常時ではない。除
染などによって、1ミリシーベルトに近づけようと努力している」と繰り返し
た。そもそも、なぜ十月なのか。事故発生から数カ月間はどうだったのか。福
島県が子どもと妊婦計約三十万人に、個人線量計を配布すると発表したのは六
月。県が購入日として、一台あたり一万五千円を上限として市町村に補助する
事業だ。郡山市は八月の臨時議会で予算を計上。保護者の意向確認やアドバイ
ザーの人選などに時間がかかったため、配布は十月にずれ込んだ。三月から九
月までの被ばくの影響については「(内部被ばくを検査する)ホールボディカ
ウンターを導入して対応する」と説明するが、その時期は「早くても来年
夏」。福島市は十月二十八日、小中学生を対象に九月の約一カ月間実施した累
積放射線量の測定結果を保護者に通知した 。平均値は出しておらず、最大値
の0.6ミリシーベルトが3人。0.5ミリシーベルトが11人、0.4ミリ
シーベルトが44人など。医師らでつくる市健康管理検討委員会の評価は「健
康に影響を与える数値ではない」。(略)
郡山市では、児童や生徒ら14人が市に疎開する措置を求め、福島地裁郡山
支部に仮処分を申し立てている。警戒区域と計画的避難区域以外では自主避難
任せで、あくまでも”定住政策”にこだわる国や行政への批判は根強い。福島
子どものいのちを守る会代表の佐藤幸子さん(53)は「本気で子どもを守る
気持ちはないのだろうか。最近の線量を測定して、大丈夫というようなパフ
ォーマンスはやめてほしい」お憤りを隠さなかった。
(東京新聞12月14日付け『こちら特報部』より抜粋)
※【編集部より】
明後日12月24日午後6時30分より、「ふくしま集団疎開裁判」を闘う
弁護団長・柳原敏夫氏を招いて「【緊急報告会】ふくしま集団疎開裁判不当判
決弾劾」を開催いたします。皆さんのご参加をお待ちしています。
たんぽぽ舎です。【TMM:No1291】
転送歓迎
◆ 地震と原発事故情報 その276 ◆
4つの情報をお知らせします(12月21日)
12月16日、関西電力大飯原発2号機が定期検査で停止、
日本の稼働している原発は7基、全原発停止へあと一歩
★1.食品基準100ベクレル(厚生省案)をどう考えるか?
500ベクレルの暫定基準値がそもそも滅茶苦茶だった。
★2.<テント日誌 12/19(月)>
遂にテント100日目 激動の日
―― 経産省前テントひろば 100日目 ――
★3.読者からの質問に答えて
焼却施設の問題点と埋め立ての問題点について
★4.新聞・雑誌報道から
東電、電気料金に上乗せ 保養所維持管理費 高利子の財形貯蓄
★1.食品基準100ベクレル(厚生省案)をどう考えるか?
500ベクレルの暫定基準値がそもそも滅茶苦茶だった。
柳田 真
20日、厚労省案の食品基準100ベクレルが出された。(この数値自体の
妥当性についての分析は明日、専門家の手による評論をお知らせできる予定で
す。)
そもそも「暫定基準値500ベクレル」そのものが不当なもので滅茶苦茶高
い(人体に悪影響を及ぼす)ものであった。今回の5分の1の100ベクレル
へ減らしたというが、新設の乳児用食品は50ベクレルだから、全部を50ベ
クレルとすればもう少し評価できたのに。乳幼児に悪いものは少年・少女にも
悪いのである。
今後、放射能レベルが下がることを見越して出してきた数字だろうから、後
だしジャンケンみたいだ。また500ベクレルの暫定基準値を経過措置と称し
て半年~9ヶ月も延長するのもおかしな話だ。厚労省が国民の健康を守る気が
あるなら暫定基準値は即刻廃止すべきだ。
○食品基準100ベクレルに厳格化
厚労省案 乳児用・牛乳50ベクレル 来年4月から適用
食品に含まれる放射性物質をめぐり、厚生労働省は20日、現行の暫定基準
値に代わる放射性セシウム(半減期は約30年)の新たな基準値案をまとめ
た。従来の5分類から変更することが決まっている4分類のうち「一般食品」
は1キログラム当たり100ベクレル、「牛乳」と新たに設ける「乳児用食
品」が同50ベクレル、「飲料水」は同10ベクレル。
暫定基準値は「野菜類」「穀類」「肉・卵・魚・その他」が同500ベクレ
ル、「牛乳・乳製品」「飲料水」が同200ベクレル。(略)新基準値の設定
にあたり、厚労省は基準値の算定根拠となる年間の被ばく限度線量を、現行の
「年5ミリシーベルト」から5分の1の「年1ミリシーベルト」に引き下げ
た。「飲料水」は、全ての人が摂取し、代替品がない点などを踏まえ、世界保
健機関(WHO)の基準に従い、年間の被ばく限度線量を0.1ミリシーベル
ト、基準値を1キログラム当たり10ベクレルとした。残りの0.9ミリシー
ベルトを「一般食品」に割り当てた。年代や男女別、妊婦など10区分に細分
化し、各区分の平均的な食事の摂取量や、放射性セシウムによる影響の受けや
すさを加味して許容できる限度値を算出。最も低い限度値は、食事量が多い1
3~18歳の男性で1キログラム当たり120ベクレルとなったが、より安全
な基準にする必要があるとして一般食品は1キログラム当たり100ベクレル
とした。さらに子どもは放射性物質の影響を受けやすいとされる点に配慮。粉
ミルクやベビーフード、服薬補助ゼリーなど、乳児しか摂取しない「乳児用食
品」や、子どもの摂取量が特に多い「牛乳」(化工乳、乳酸料を含む)は一般
食品の半分となる同50ベクレルに設定した。厚労省は、仮に新基準値上限の
食品を一年間食べ続けることも考えにくいため、実際には0.7ミリシーベル
トをかなり下回るとみている。
【解説】チェルノブイリ原発事故後、周辺の子どもは、白血病や甲状腺がんの
リスクが高まったとのデータもある。このため厚労省は、年齢や男女の違いに
よる食事量を基に、放射線の影響の受けやすさをきめ細かく分析。暫定基準値
の際には「成人」「幼児」「乳児」の3区分だけだったが、「1~6歳」「7
~12歳」「妊婦」など10区分とした。(略)厚労省は年明けにも、家庭の
食卓に実際に並ぶ料理のサンプル検査も始め、日々の食事を通じて放射性物質
が体内にどれだけ取り込まれているかを把握する方針。こうした検査で新基準
値が妥当かを確認し、結果を消費者に分かりやすく伝える努力が必要だ。
(茨城新聞12月21日付より抜粋)
★2.<テント日誌 12/19(月)>
遂にテント100日目 激動の日
―― 経産省前テントひろば 100日目 ――
12月19日(月) 今日も快晴。今日でテントは100日目を迎えた。でも
そういう歓びに浸っている余裕はない。今日はあの世紀のペテン「冷温停止状
態・事故収束」宣言をした野田首相が昼間に新橋のSL広場でその演説をする
のだという。
メルトダウン・メルトスルーしている燃料のの状態や原子炉内の状況が全く
わからず、放射性物質も未だ放出し続け、被災者の救済も進んでない中での、
冷温停止状態とか事故収束などというのは、政治的意図をもったペテン以外の
ものではない。原発輸出、再稼働、避難阻止がその政治的意図であるのはミエ
ミエだ。(宣言をした翌日から、冷却水漏れや、地下トンネルでの高濃度汚染
水の漏出が生じている。)
抗議のためにテントひろばからも何人も駆けつける。SLひろばは人で埋め
尽くされ、それを異常な数の警察・公安・SPが取り囲んでいる。テントから
行った某君、プラカードを上げようとすると両脇にSPが来て、「○○、どこ
から来たのか、テントからか」と怒鳴られたという。(えっ SPまでテント
に神経をとがらせているのか!!)
プラカードが上がり、原発いらないコールも始まる中、野田首相は金総書記
死去のため急遽、官邸にとって返したということで登場せず。後は大コールが
広場を制する。
午後には再稼働に反対する対政府交渉が行われ、テントからも参加。80人
程の参加であったが、資料には全国300程の団体・グループ名が記されてい
る。その時間帯、テントにはアジアのジャーナリストが熱心に取材。
夜、もんじゅ西村裁判の原告でご遺族である西村トシ子さんがDVDを携え
てテントに来訪。もんじゅのナトリウム漏れ事故とその調査過程での情報隠蔽
問題、そして調査担当員であった動燃職員の強制死。もんじゅの闇は深い。詳
しくは「もんじゅ・西村裁判へようこそ」をご覧下さい。
スペインのジャーナリストも来訪し、テントにいた若い女性の通訳で話題が
広がる。彼は3・11後、何度か日本に来ているそうである。先月、ポルトガ
ルのジャーナリストとブラジル人の通訳が、バルセロナでテントのことを知っ
て来訪したということを伝えると、バルセロナで発信したのは彼であり、ポル
トガルのジャーナリストは彼の知人だという。世界はこんなにも繋がっている
のだと感動!野田首相のペテンはもう全世界に知れ渡っていることだろう。
12月21日(水)18時半からテント前で、テントひろば主催の集会が開催
されます。再稼働問題、野田宣言の問題、輸出問題、避難の権利など、現在の
焦眉の問題についてアピールしていきたい。ぜひ、ご参加を待ってま~す。
( Y・T )
★3.読者からの質問に答えて
焼却施設の問題点と埋め立ての問題点について
※【編集部より】メルマガ読者より、12月12日付の「地震と原発事故情報
その266」の「東京に震災廃棄物(被災ごみ)がやってくる。 23区と
多摩 地域で女川町(宮城県)のごみ焼却受け入れ始まる」の報告記事に関
連して他の第三者のメールを引用する形でご質問を戴きました。内容的にも
12月8日にスペースたんぽぽで行われた反原発自治体議員・市民連盟主催
の学習会「どうする!原発事故による放射性廃棄物」の内容と重なる部分が
ありますので、「読者からの質問」とその質問に対する「回答」としてここ
に掲載します。
【質問】
ボイラーがどういうものか分からない人には全く理解できない内容だなあ…
まあ、平たく言うと焼却施設の内部全体が汚染されて、困ってしまうんでない
の?って話です。(ボイラーのスペックが分からないので温度等の数値は必ず
しも正しくありません)100℃程度のボイラー給水は、燃焼ガスの熱を受け
ながら、節炭器管、蒸発管、過熱器管を経て300数十度の蒸気になる。ボイ
ラーの各セクションにおける管の表面温度は、150~400℃前後であると
思われる。
一方、燃焼ガスは焼却炉で900℃前後、ボイラーセクションやバグフィル
タ(集塵器)を通過しながら最終的には200℃以下程度で煙突から放出され
る。焼却炉が900℃前後ということは、セシウムは気化した状態にある(沸
点671℃)。大半はガス状で下流のセクションへ流れて行くことになるが、
まずここで気になる事は、蒸発管や過熱管表面に付着している灰や、断熱材
(耐火レンガやキャスター)にガスが浸透し汚染が蓄積するのではないか、と
いうこと。
そして、ガスが過熱管を通過する段階から、徐々にガス温度が低下する。気
化したセシウムが固体析出するのは200℃程度と言われており、下流へ行く
に従い析出しやすい状態となる。給水が最初に入る節炭器管の表面温度は15
0℃程度と思われるので、管表面に接触することで固体に戻る。それが他の汚
れ物質(灰)とともに管表面に付着堆積する。従って、連続的に排出される主
灰とは別に、これはボイラーセクションの中に蓄積していくことになる。
ボイラーセクションを通過した段階では、ガス温度は200℃以下まで低下
しているため、セシウム気体の多くは固体として析出しバグフィルタにて捕捉
される。バグフィルタは捕集効率100%ではないため、全てが捕捉される訳では
なく、一部は通過し大気へ放出される。
大気放出される直前のバグフィルタが話題になるのは当然として、上記の如
く焼却炉ならびにガスの通過する所そのものが汚染されてしまいますよという
こと。ボイラー管のある各セクションだけではなく、当然それらを納めている
煙道ダクトに堆積するのは言うまでもない。何年おきかにボイラーの開放清掃
点検が行われるが、そこで問題の発生することが想定される。施設全体が汚染
された状態であるため(どの程度かは想像つかない)、内部清掃における安全
対策をいかにするのか、灰の処分はどうするのか、明確にする必要がある。
苫小牧市沼ノ端の焼却炉に関する資料リンク
http://www.jfe-steel.co.jp/research/giho/019/pdf/019-18.pdf
http://www.jfe-eng.co.jp/release/news04/news_e04025_1.html
http://www.jefma.or.jp/jefma/57/pdf/jefma57-12.pdf
http://www.city.tomakomai.hokkaido.jp/sisetukanri/numasyoukyaku.htm
それから、http://www.city.tomakomai.hokkaido.jp/sisetukanri/numa.htm
このページ下方に埋め立て処分場の概要パンフがあり、浸出水の処理について
記載されています。放射性物質は、おそらくろ過する部分に蓄積したり、汚泥
に混ざったり、最終的な排水として下水道にスルーしたり、ということだとイ
メージします。これらについても考慮が必要になるものと思います。下水道に
流れたら下水処理施設も考慮か…。
焼却炉にしても、埋め立て処分場にしても、管理基準や安全対策やなんかを
明確にすべき所が沢山あると思います。逆にそれが出来ないなら、謙虚になっ
てもらうしかないのではないかな?と。
【回答】
坂東 喜久恵
ボイラー全般についてはおおむね書かれていることと同じです。
ここでは廃棄物焼却炉についてコメントします。都市ごみの焼却炉は燃料の
ごみが石油やガスのように高カロリーではないので、火格子面積は大きく、又
伝熱面積も大きいのが普通です。(自燃させるので)ストーカ式では、ごみを
投入してから1時間半から2時間位かけ燃焼させます。ダイオキシンの発生を
抑制するため、炉の上部で800℃以上(法規制)で2秒間以上のガス撹拌領
域を作ります。そのあとガスは2パス、スーパーヒーター・水平蒸発管等を流
れ、ボイラー出口へ。(配置は各メーカーで多少変わります)そのあとダイオ
キシンの再生成を防ぐため、減温塔を通し温度を急激に下げます。(ゆっくり
下げると再生成しやすい)そのあとバグフィルター、洗塩装置で塩化水素と硫
黄酸化物、水銀を取り、再加熱して触媒反応塔で窒素酸化物を減らし煙突から
ガスを排出します。
現在の当方の廃棄物焼却炉はGAHは使っていません。(SAHのみです)
焼却炉の中、ボイラーは廃棄物(多種多様)を焼却しているため、クリンカー
や灰がつきやすいので清掃は欠かせません。年一回のオーバーホールでは炉
内、ボイラー、各機器、煙道等清掃します。炉内はその間・中間点検でも清掃
します。ごみ焼却場の集じん器で集められたばいじんは特別管理一般廃棄物で
す。付着しているものはこれに準じて扱っています。
ダイオキシン特別措置法が施行されて以来、炉やボイラー、集塵器等は特別
管理区域になり、中に入るにはタイベックスや防塵内容が規定されていて、防
備が必要です。清掃作業には、炉などを全部囲い中で作業をしています。もち
ろん清掃委託の業者も同じです。
今度の放射能問題でタイベックスを着て行う作業場所が増えました。レンガ
やキャスタブルの交換・補修もかなりの頻度で行われています。東京23区の
場合は、(幸いなことに)専用の埋め立て地があるので、そこに持って行って
処分しています。今問題なのは、処分の基準がこれでよいのかということをき
ちんとしないで、トップダウンで降りてきていることです。
★4.新聞・雑誌報道から
東電、電気料金に上乗せ 保養所維持管理費 高利子の財形貯蓄
東京電力が、保養所や接待施設の維持管理費、年8・5%もの利子が付く財
形貯蓄などさまざまな社員優遇に必要な費用を、電気料金を決める際の原価に
算入し、電気料金で回収していたことが本紙の調査で分かった。こうした事実
を東電も認めている。東電の手厚い福利厚生は、電力会社を選ぶことができな
い消費者の負担によって維持されてきたことになる。
電力料金は「総括原価方式」と呼ばれる方法で算出される。施設の修繕費や
燃料費など発電に必要な費用を積み上げ、電力会社の利益を上乗せし、その総
額を電力料金で回収する仕組み。
ただ、費用に何を計上するかは電力会社の判断に任されている面が強い。既
に、官庁OBを受け入れている財団法人への拠出金や広告宣伝費など発電とは
関係のない費用に入れられていたことが判明している。経済産業省の有識者会
議(座長・安念潤司中央大教授)は今後、これらの費用は計上を認めない考え
を示し、同省もその考えに従う方針だ。
発電とは無関係のものが費用計上されていると新たに判明したのは、ハード
面では静岡県熱海市など各地にある保養所や社員専用の飲食施設、PR施設な
どの維持管理費。
ソフト面では、財形貯蓄の高金利、社内のサークル活動費、一般企業より大
幅に高い自社株を買う社員への補助、健康保険料の会社負担など。
福島第一原発事故を受け、東電の電力料金引き上げが検討される中、経産省
の有識者会議は、手厚い福利厚生費用を電力料金に転嫁することを問題視して
いる。燃料費などに比べれば金額は小さいが、不透明な部分はなくすため、原
価から除外させる方向で議論を進める見通しだ。東電自身も保養所の廃止や福
利厚生の縮小などを決めている。
東電は原価に計上してきた事実を認めた上で、「(電気料金を決める)経産
省の省令に基づいて、福利厚生の費用は過去の実績や社内計画に基づき適切に
原価に算入してきた」とコメントしている。
以下リストは電気料金に上乗せされてきた発電コスト外費用
・社員専用の飲食施設「東友クラブ」、接待用飲食施設「明石倶楽部」の維持
管理費
・熱海などに所在する保養所の維持管理費
・女子サッカーチーム「マリーゼ」、東京電力管弦楽団の運営費
・総合グラウンドの維持管理費と減価償却費
・野球やバレーボールなど社内のサークル活動費
・PR施設(渋谷電力館とテプコ浅草館)
・一人当たり年間8万5000円の福利厚生の補助(他産業平均では6万6000円)
・健康保険料の70%負担(他企業の会社負担は50~60%)
・社員の自社株式の購入奨励金(代金の10%)
・年3.5%の財形貯蓄の利子(利子補てんがない企業がほとんど)
・年8.5%のリフレッシュ財形貯蓄の利子(制度自体がない企業がほとんど)
・電力と関係のない書籍の購入代金
・業界団体、財団法人への拠出金と出向者の人件費
・原発立地自治体への寄付金
・オール電化PRの広告宣伝費
(東京新聞電子版12月20日付けより抜粋)
転送歓迎
◆ 地震と原発事故情報 その276 ◆
4つの情報をお知らせします(12月21日)
12月16日、関西電力大飯原発2号機が定期検査で停止、
日本の稼働している原発は7基、全原発停止へあと一歩
★1.食品基準100ベクレル(厚生省案)をどう考えるか?
500ベクレルの暫定基準値がそもそも滅茶苦茶だった。
★2.<テント日誌 12/19(月)>
遂にテント100日目 激動の日
―― 経産省前テントひろば 100日目 ――
★3.読者からの質問に答えて
焼却施設の問題点と埋め立ての問題点について
★4.新聞・雑誌報道から
東電、電気料金に上乗せ 保養所維持管理費 高利子の財形貯蓄
★1.食品基準100ベクレル(厚生省案)をどう考えるか?
500ベクレルの暫定基準値がそもそも滅茶苦茶だった。
柳田 真
20日、厚労省案の食品基準100ベクレルが出された。(この数値自体の
妥当性についての分析は明日、専門家の手による評論をお知らせできる予定で
す。)
そもそも「暫定基準値500ベクレル」そのものが不当なもので滅茶苦茶高
い(人体に悪影響を及ぼす)ものであった。今回の5分の1の100ベクレル
へ減らしたというが、新設の乳児用食品は50ベクレルだから、全部を50ベ
クレルとすればもう少し評価できたのに。乳幼児に悪いものは少年・少女にも
悪いのである。
今後、放射能レベルが下がることを見越して出してきた数字だろうから、後
だしジャンケンみたいだ。また500ベクレルの暫定基準値を経過措置と称し
て半年~9ヶ月も延長するのもおかしな話だ。厚労省が国民の健康を守る気が
あるなら暫定基準値は即刻廃止すべきだ。
○食品基準100ベクレルに厳格化
厚労省案 乳児用・牛乳50ベクレル 来年4月から適用
食品に含まれる放射性物質をめぐり、厚生労働省は20日、現行の暫定基準
値に代わる放射性セシウム(半減期は約30年)の新たな基準値案をまとめ
た。従来の5分類から変更することが決まっている4分類のうち「一般食品」
は1キログラム当たり100ベクレル、「牛乳」と新たに設ける「乳児用食
品」が同50ベクレル、「飲料水」は同10ベクレル。
暫定基準値は「野菜類」「穀類」「肉・卵・魚・その他」が同500ベクレ
ル、「牛乳・乳製品」「飲料水」が同200ベクレル。(略)新基準値の設定
にあたり、厚労省は基準値の算定根拠となる年間の被ばく限度線量を、現行の
「年5ミリシーベルト」から5分の1の「年1ミリシーベルト」に引き下げ
た。「飲料水」は、全ての人が摂取し、代替品がない点などを踏まえ、世界保
健機関(WHO)の基準に従い、年間の被ばく限度線量を0.1ミリシーベル
ト、基準値を1キログラム当たり10ベクレルとした。残りの0.9ミリシー
ベルトを「一般食品」に割り当てた。年代や男女別、妊婦など10区分に細分
化し、各区分の平均的な食事の摂取量や、放射性セシウムによる影響の受けや
すさを加味して許容できる限度値を算出。最も低い限度値は、食事量が多い1
3~18歳の男性で1キログラム当たり120ベクレルとなったが、より安全
な基準にする必要があるとして一般食品は1キログラム当たり100ベクレル
とした。さらに子どもは放射性物質の影響を受けやすいとされる点に配慮。粉
ミルクやベビーフード、服薬補助ゼリーなど、乳児しか摂取しない「乳児用食
品」や、子どもの摂取量が特に多い「牛乳」(化工乳、乳酸料を含む)は一般
食品の半分となる同50ベクレルに設定した。厚労省は、仮に新基準値上限の
食品を一年間食べ続けることも考えにくいため、実際には0.7ミリシーベル
トをかなり下回るとみている。
【解説】チェルノブイリ原発事故後、周辺の子どもは、白血病や甲状腺がんの
リスクが高まったとのデータもある。このため厚労省は、年齢や男女の違いに
よる食事量を基に、放射線の影響の受けやすさをきめ細かく分析。暫定基準値
の際には「成人」「幼児」「乳児」の3区分だけだったが、「1~6歳」「7
~12歳」「妊婦」など10区分とした。(略)厚労省は年明けにも、家庭の
食卓に実際に並ぶ料理のサンプル検査も始め、日々の食事を通じて放射性物質
が体内にどれだけ取り込まれているかを把握する方針。こうした検査で新基準
値が妥当かを確認し、結果を消費者に分かりやすく伝える努力が必要だ。
(茨城新聞12月21日付より抜粋)
★2.<テント日誌 12/19(月)>
遂にテント100日目 激動の日
―― 経産省前テントひろば 100日目 ――
12月19日(月) 今日も快晴。今日でテントは100日目を迎えた。でも
そういう歓びに浸っている余裕はない。今日はあの世紀のペテン「冷温停止状
態・事故収束」宣言をした野田首相が昼間に新橋のSL広場でその演説をする
のだという。
メルトダウン・メルトスルーしている燃料のの状態や原子炉内の状況が全く
わからず、放射性物質も未だ放出し続け、被災者の救済も進んでない中での、
冷温停止状態とか事故収束などというのは、政治的意図をもったペテン以外の
ものではない。原発輸出、再稼働、避難阻止がその政治的意図であるのはミエ
ミエだ。(宣言をした翌日から、冷却水漏れや、地下トンネルでの高濃度汚染
水の漏出が生じている。)
抗議のためにテントひろばからも何人も駆けつける。SLひろばは人で埋め
尽くされ、それを異常な数の警察・公安・SPが取り囲んでいる。テントから
行った某君、プラカードを上げようとすると両脇にSPが来て、「○○、どこ
から来たのか、テントからか」と怒鳴られたという。(えっ SPまでテント
に神経をとがらせているのか!!)
プラカードが上がり、原発いらないコールも始まる中、野田首相は金総書記
死去のため急遽、官邸にとって返したということで登場せず。後は大コールが
広場を制する。
午後には再稼働に反対する対政府交渉が行われ、テントからも参加。80人
程の参加であったが、資料には全国300程の団体・グループ名が記されてい
る。その時間帯、テントにはアジアのジャーナリストが熱心に取材。
夜、もんじゅ西村裁判の原告でご遺族である西村トシ子さんがDVDを携え
てテントに来訪。もんじゅのナトリウム漏れ事故とその調査過程での情報隠蔽
問題、そして調査担当員であった動燃職員の強制死。もんじゅの闇は深い。詳
しくは「もんじゅ・西村裁判へようこそ」をご覧下さい。
スペインのジャーナリストも来訪し、テントにいた若い女性の通訳で話題が
広がる。彼は3・11後、何度か日本に来ているそうである。先月、ポルトガ
ルのジャーナリストとブラジル人の通訳が、バルセロナでテントのことを知っ
て来訪したということを伝えると、バルセロナで発信したのは彼であり、ポル
トガルのジャーナリストは彼の知人だという。世界はこんなにも繋がっている
のだと感動!野田首相のペテンはもう全世界に知れ渡っていることだろう。
12月21日(水)18時半からテント前で、テントひろば主催の集会が開催
されます。再稼働問題、野田宣言の問題、輸出問題、避難の権利など、現在の
焦眉の問題についてアピールしていきたい。ぜひ、ご参加を待ってま~す。
( Y・T )
★3.読者からの質問に答えて
焼却施設の問題点と埋め立ての問題点について
※【編集部より】メルマガ読者より、12月12日付の「地震と原発事故情報
その266」の「東京に震災廃棄物(被災ごみ)がやってくる。 23区と
多摩 地域で女川町(宮城県)のごみ焼却受け入れ始まる」の報告記事に関
連して他の第三者のメールを引用する形でご質問を戴きました。内容的にも
12月8日にスペースたんぽぽで行われた反原発自治体議員・市民連盟主催
の学習会「どうする!原発事故による放射性廃棄物」の内容と重なる部分が
ありますので、「読者からの質問」とその質問に対する「回答」としてここ
に掲載します。
【質問】
ボイラーがどういうものか分からない人には全く理解できない内容だなあ…
まあ、平たく言うと焼却施設の内部全体が汚染されて、困ってしまうんでない
の?って話です。(ボイラーのスペックが分からないので温度等の数値は必ず
しも正しくありません)100℃程度のボイラー給水は、燃焼ガスの熱を受け
ながら、節炭器管、蒸発管、過熱器管を経て300数十度の蒸気になる。ボイ
ラーの各セクションにおける管の表面温度は、150~400℃前後であると
思われる。
一方、燃焼ガスは焼却炉で900℃前後、ボイラーセクションやバグフィル
タ(集塵器)を通過しながら最終的には200℃以下程度で煙突から放出され
る。焼却炉が900℃前後ということは、セシウムは気化した状態にある(沸
点671℃)。大半はガス状で下流のセクションへ流れて行くことになるが、
まずここで気になる事は、蒸発管や過熱管表面に付着している灰や、断熱材
(耐火レンガやキャスター)にガスが浸透し汚染が蓄積するのではないか、と
いうこと。
そして、ガスが過熱管を通過する段階から、徐々にガス温度が低下する。気
化したセシウムが固体析出するのは200℃程度と言われており、下流へ行く
に従い析出しやすい状態となる。給水が最初に入る節炭器管の表面温度は15
0℃程度と思われるので、管表面に接触することで固体に戻る。それが他の汚
れ物質(灰)とともに管表面に付着堆積する。従って、連続的に排出される主
灰とは別に、これはボイラーセクションの中に蓄積していくことになる。
ボイラーセクションを通過した段階では、ガス温度は200℃以下まで低下
しているため、セシウム気体の多くは固体として析出しバグフィルタにて捕捉
される。バグフィルタは捕集効率100%ではないため、全てが捕捉される訳では
なく、一部は通過し大気へ放出される。
大気放出される直前のバグフィルタが話題になるのは当然として、上記の如
く焼却炉ならびにガスの通過する所そのものが汚染されてしまいますよという
こと。ボイラー管のある各セクションだけではなく、当然それらを納めている
煙道ダクトに堆積するのは言うまでもない。何年おきかにボイラーの開放清掃
点検が行われるが、そこで問題の発生することが想定される。施設全体が汚染
された状態であるため(どの程度かは想像つかない)、内部清掃における安全
対策をいかにするのか、灰の処分はどうするのか、明確にする必要がある。
苫小牧市沼ノ端の焼却炉に関する資料リンク
http://www.jfe-steel.co.jp/research/giho/019/pdf/019-18.pdf
http://www.jfe-eng.co.jp/release/news04/news_e04025_1.html
http://www.jefma.or.jp/jefma/57/pdf/jefma57-12.pdf
http://www.city.tomakomai.hokkaido.jp/sisetukanri/numasyoukyaku.htm
それから、http://www.city.tomakomai.hokkaido.jp/sisetukanri/numa.htm
このページ下方に埋め立て処分場の概要パンフがあり、浸出水の処理について
記載されています。放射性物質は、おそらくろ過する部分に蓄積したり、汚泥
に混ざったり、最終的な排水として下水道にスルーしたり、ということだとイ
メージします。これらについても考慮が必要になるものと思います。下水道に
流れたら下水処理施設も考慮か…。
焼却炉にしても、埋め立て処分場にしても、管理基準や安全対策やなんかを
明確にすべき所が沢山あると思います。逆にそれが出来ないなら、謙虚になっ
てもらうしかないのではないかな?と。
【回答】
坂東 喜久恵
ボイラー全般についてはおおむね書かれていることと同じです。
ここでは廃棄物焼却炉についてコメントします。都市ごみの焼却炉は燃料の
ごみが石油やガスのように高カロリーではないので、火格子面積は大きく、又
伝熱面積も大きいのが普通です。(自燃させるので)ストーカ式では、ごみを
投入してから1時間半から2時間位かけ燃焼させます。ダイオキシンの発生を
抑制するため、炉の上部で800℃以上(法規制)で2秒間以上のガス撹拌領
域を作ります。そのあとガスは2パス、スーパーヒーター・水平蒸発管等を流
れ、ボイラー出口へ。(配置は各メーカーで多少変わります)そのあとダイオ
キシンの再生成を防ぐため、減温塔を通し温度を急激に下げます。(ゆっくり
下げると再生成しやすい)そのあとバグフィルター、洗塩装置で塩化水素と硫
黄酸化物、水銀を取り、再加熱して触媒反応塔で窒素酸化物を減らし煙突から
ガスを排出します。
現在の当方の廃棄物焼却炉はGAHは使っていません。(SAHのみです)
焼却炉の中、ボイラーは廃棄物(多種多様)を焼却しているため、クリンカー
や灰がつきやすいので清掃は欠かせません。年一回のオーバーホールでは炉
内、ボイラー、各機器、煙道等清掃します。炉内はその間・中間点検でも清掃
します。ごみ焼却場の集じん器で集められたばいじんは特別管理一般廃棄物で
す。付着しているものはこれに準じて扱っています。
ダイオキシン特別措置法が施行されて以来、炉やボイラー、集塵器等は特別
管理区域になり、中に入るにはタイベックスや防塵内容が規定されていて、防
備が必要です。清掃作業には、炉などを全部囲い中で作業をしています。もち
ろん清掃委託の業者も同じです。
今度の放射能問題でタイベックスを着て行う作業場所が増えました。レンガ
やキャスタブルの交換・補修もかなりの頻度で行われています。東京23区の
場合は、(幸いなことに)専用の埋め立て地があるので、そこに持って行って
処分しています。今問題なのは、処分の基準がこれでよいのかということをき
ちんとしないで、トップダウンで降りてきていることです。
★4.新聞・雑誌報道から
東電、電気料金に上乗せ 保養所維持管理費 高利子の財形貯蓄
東京電力が、保養所や接待施設の維持管理費、年8・5%もの利子が付く財
形貯蓄などさまざまな社員優遇に必要な費用を、電気料金を決める際の原価に
算入し、電気料金で回収していたことが本紙の調査で分かった。こうした事実
を東電も認めている。東電の手厚い福利厚生は、電力会社を選ぶことができな
い消費者の負担によって維持されてきたことになる。
電力料金は「総括原価方式」と呼ばれる方法で算出される。施設の修繕費や
燃料費など発電に必要な費用を積み上げ、電力会社の利益を上乗せし、その総
額を電力料金で回収する仕組み。
ただ、費用に何を計上するかは電力会社の判断に任されている面が強い。既
に、官庁OBを受け入れている財団法人への拠出金や広告宣伝費など発電とは
関係のない費用に入れられていたことが判明している。経済産業省の有識者会
議(座長・安念潤司中央大教授)は今後、これらの費用は計上を認めない考え
を示し、同省もその考えに従う方針だ。
発電とは無関係のものが費用計上されていると新たに判明したのは、ハード
面では静岡県熱海市など各地にある保養所や社員専用の飲食施設、PR施設な
どの維持管理費。
ソフト面では、財形貯蓄の高金利、社内のサークル活動費、一般企業より大
幅に高い自社株を買う社員への補助、健康保険料の会社負担など。
福島第一原発事故を受け、東電の電力料金引き上げが検討される中、経産省
の有識者会議は、手厚い福利厚生費用を電力料金に転嫁することを問題視して
いる。燃料費などに比べれば金額は小さいが、不透明な部分はなくすため、原
価から除外させる方向で議論を進める見通しだ。東電自身も保養所の廃止や福
利厚生の縮小などを決めている。
東電は原価に計上してきた事実を認めた上で、「(電気料金を決める)経産
省の省令に基づいて、福利厚生の費用は過去の実績や社内計画に基づき適切に
原価に算入してきた」とコメントしている。
以下リストは電気料金に上乗せされてきた発電コスト外費用
・社員専用の飲食施設「東友クラブ」、接待用飲食施設「明石倶楽部」の維持
管理費
・熱海などに所在する保養所の維持管理費
・女子サッカーチーム「マリーゼ」、東京電力管弦楽団の運営費
・総合グラウンドの維持管理費と減価償却費
・野球やバレーボールなど社内のサークル活動費
・PR施設(渋谷電力館とテプコ浅草館)
・一人当たり年間8万5000円の福利厚生の補助(他産業平均では6万6000円)
・健康保険料の70%負担(他企業の会社負担は50~60%)
・社員の自社株式の購入奨励金(代金の10%)
・年3.5%の財形貯蓄の利子(利子補てんがない企業がほとんど)
・年8.5%のリフレッシュ財形貯蓄の利子(制度自体がない企業がほとんど)
・電力と関係のない書籍の購入代金
・業界団体、財団法人への拠出金と出向者の人件費
・原発立地自治体への寄付金
・オール電化PRの広告宣伝費
(東京新聞電子版12月20日付けより抜粋)
たんぽぽ舎です。【TMM:No1290】
転送歓迎
◆ 地震と原発事故情報 その275 ◆
5つの情報をお知らせします(12月20日)
★1.毒物をまいて「無主物」という東電の主張のまちがい…続
汚染者負担の原則が大事(原稿)-公害裁判の基本 槌田 敦
★2.12月の学習会・デモ等の予定~5つ 参加歓迎
◯12/22『放射能と食の安全について』
◯12/23東電前「年末ジャンボアクション」~柏崎刈羽原発を廃炉に!
◯12/24優しく心と体を強くするヨーガ教室
◯12/24福島の子どもを守ろう!疎開裁判から考える
◯12/26ストレステストのインチキ・地震でこわれた福島第一原発
★3.子どもを守るだけでなく、放射能汚染の時代を生き抜く力を!
お母さんお父さんの為の保育付き講座に参加して 塚越 都
★4.<テント日誌 12/18(日)>
小熊英二氏のお子さんの絵と配管工のおじさん
― 経産省前テントひろば 99日目 ―
★5.内部被ばく軽視の源は放影研 原爆調査で米に追随し被害を隠した
琉球大名誉教授「医の安全神話」に対して警告
★1.毒物をまいて「無主物」という東電の主張のまちがい…続
汚染者負担の原則が大事(原稿)-公害裁判の基本 槌田 敦
そもそも、水俣第一訴訟の前年の1972年、OECD(経済協力開発機構)は、公
害対策をして出費した企業と公害対策をしないで費用を節約した企業の不公平を
解決するため、汚染者が汚染により生じる費用を支払うという原則(poluter‐
pays principle PPP)を勧告した。
日本では、この原則を、企業と企業の関係だけではなくて、被害者と加害者の
関係にも適用し、「汚染原因者の負担」という意味で多くの公害裁判で使われる
ことになった。
汚染による損害の「支払い」の原則だけではなく、支払いを含む広義の「負担」
の原則なのである。今回の福島第一原発事故による災害についても、この汚染者
負担の原則により、解決が進められることになる。
「汚染者負担の原則」は、具体的には、刑法と民法の適応で実施される。
刑法第211条1には、「業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者」に
対する罪が規定されている。元チッソ幹部2人に有罪判決が出たと同じように、
多数の東電幹部の有罪判決となるであろう。
また民法第709条には、「故意または過失によりて他人の権利を侵害したる者
はこれによりて生じたる損害を賠償する責めに任ず」とあり、また同法第710条
には、「前条の規定によりて損害賠償の責めに任ずる者は財産以外の損害に対し
てもその賠償をなすことを要す」とある。この条項によって精神的苦痛に対する
慰謝料の請求が可能となる。
この問題は次章で詳しく論ずることにして、まず、東電への賠償請求を整理す
るために、汚染日本で暮らすために必要なことを考えたい。(以下、略)
※編集部・注
(この原稿は、来春に槌田敦さんたちが出版される本の中の「原稿」の一部
です。現在の状勢に合った内容なので、その部分をぬきがきして紹介します)
★2.12月の学習会・デモ等の予定~5つ 参加歓迎
◯『放射能と食の安全について』ヒバク=自然被曝+外部被曝+内部被曝
日 時:12月22日(木)18:45(開場18:30)~21:00
お 話:槌田博さん(放射能汚染食品測定室)
会 場:「スペースたんぽぽ」ダイナミックビル4F
参加費:1000円
◯東電前「年末ジャンボアクション」~柏崎刈羽原発を廃炉に!@12・23~
東電への責任追及の手を緩めない!
日 時:12月23日(金・休)18:00~20:00(予定)
東電本社前へ集合
◯優しく心と体を強くするヨーガ教室~毎週土曜日開催中~
日 時:12月24日(土)朝10:00~12:00
講 師:河野秀海先生(インド中央政府科学技術省公認療術師、
元浄土真宗寺院副住職etc)
会 場:「スペースたんぽぽ」ダイナミックビル4F
参加費:1500円
詳細・ご予約は『優しく心と体』で検索!
Eメール:kokorokaradayoga@gmail.com
◯福島の子どもを守ろう!疎開裁判から考える
日 時:12月24日(土)18:30(開場18:00)~21:00
お 話:柳原敏夫さん(ふくしま集団疎開裁判弁護士団)
会 場:「スペースたんぽぽ」ダイナミックビル4F
参加費:500円
◯ストレステストのインチキ・地震でこわれた福島第一原発
「津波対策で再稼働」は根拠を失った
日 時:12月26日(月)19:00(開場18:30)~21:00
お 話:プラント技術者の会、山崎久隆
会 場:「スペースたんぽぽ」ダイナミックビル4F
参加費:500円
★3.子どもを守るだけでなく、放射能汚染の時代を生き抜く力を!
お母さんお父さんのための保育付き講座に参加して 塚越 都
小児科医、山田真さんの講座に動画撮影のお手伝いで参加しました。
この講座の特徴はなんと言っても保育。当日はお母さんお父さんに連れられて22
人の子どもたちが、保育士やボランティアの方と一緒に約3時間の長丁場でした
が静かに遊んでいました。
山田真先生は、能力主義や優生思想に対して積極的に反対しており、予防接種
を進めないなど、とてもユニークな先生です。
そして、放射能への対応については、子どもの目線で考えていらっしゃること
が良くわかり、子どもたちへの深い愛情を感じました。
子どもの目線というのは、子どもを守るだけでなく、これからの放射能汚染時
代を生き抜いて行くための力を付けさせなければいけないという事です。
チェルノブイリ原発事故から25年経ったベラルーシの学校では、給食の放射線
量を子どもたちに測らせて、食べてよいか判断させるそうです。
山田先生のお話から私が理解したことは、子供たちへの謝罪や申し訳ないとい
う気持ちでは、彼らが楽になるわけではない、汚染を許した私たちが出来る事は、
これからの時代を生き抜くためのすべを、子供たちへ伝えることだと思いました。
また、放射能の安全数値は人それぞれ個体差により違う。身体的影響が出る人
もいればでない人もいるが、影響が出る人が過敏なのではなく、出ない人が不過
敏なんだという意識をもつことにより、より被曝について問題意識を持つことが
出来るというお話も伺いました。
放射能のしきい値は無く、自分が自分の体に責任を持って、自分で判断するし
かないということ。その判断の基準を子供達が持てるよう、正しい情報を与え自
分の信念を持って生きる生き方を見せることが、私たちがしなければいけないん
だと思います。
最後に、更なる事故原発を防ぎ、未来の人の負担を少しでも軽くするために、
私たちがすべきこと。全ての原発を廃炉にする事です。
無くせない放射能とは違い未来を守るために絶対にやらなければいけないことです。
今後も保育付き講座では、いろいろな企画をしているそうなので期待しております。
※編集部・注
(来年1月~2月にも、「お母さんお父さんのための保育付き講座」が企画
される予定、内容が決まり次第、メールマガジンでお知らせします)
★4.<テント日誌 12/18(日)>
小熊英二氏のお子さんの絵と配管工のおじさん
― 経産省前テントひろば 99日目 ―
ついに経産省前テントも99日目。間もなく大台に乗る。
今日は社会学者の小熊英二氏が来テント。お子さんが書いたという絵を見せてい
ただいた。大きな段ボールに大きく「げんぱつやめろ!」と書かれたその絵には
地球と自然と人間への愛が描かれていた。
小熊氏は6月11日の原発やめろデモ(素人の乱主催)でもスピーチを行っている。
寒い日が続くがテントでは日々新しい出会いがある。
夜には、通りすがりの福島の男性と話をした。配管工をしていて霞ヶ関でも仕
事をしているというその男性は寒い中、福島のこと(特に地下水の心配)、官庁
の仕事ぶりのこと、公共事業のこと、有馬記念や生活のことなどを1時間以上も話した。
直接的に政治に訴えることが気性に合わない多くの人たちの分まで、訴えてい
かなければならないと強く感じる。(HH)
テントひろば100日目を迎える夜
日曜夜8時にテントに到着、6人程がテントの中で歓談中。つまみを回しなが
ら焼酎やワインを片手に、兵庫県から来た男性がしばし芝居談義。テントにい
るとたくさんの雑学が入ってくる、年寄りには通り過ぎるだけだけれど。
と、若いお嬢さんがテントを覗く、どうぞどうぞと一同大歓迎。ワインを勧め
ると、原発のことが心配で立ち寄ってくれたという。千葉の高線量のことなどし
ばし話したあと、「こういう話はなかなか身近でできない、お話できて良かった、
木更津に戻ったら仲間を増やします」と笑顔で寒空を地下鉄駅に消えていく。
23時の消灯時間。寝ずの番の当番を確認したあと夜の宴会はお開き。直ぐに寝
袋にもぐる人、いそいそ帰途につく人、引き続きしゃべる人。
2時に起こされて外に出ると空っ風が吹いている。コンビニまで駆けつけてト
イレを借りる。地下鉄駅もコンビニも親切だ。見上げるとビルの間に半月が明る
い、少ないが星も見える。この時間でも金融庁ビルから出てくる官僚を待つタク
シーが数台。平日は長蛇の列のタクシーがアイドリングしていて、放射線量だけ
でなく排気ガスも心配。
再び寝袋に潜って眠るが、朝方にはトラックの大エンジン音で起こされる。テ
ントは空気も水も遮断するが車の音は遮断してくれない。次回からは耳栓を用意
しよう。既に早起きさんがテント前の落ち葉を掃き集め、そこを早出のネクタイ
男たちがいそいそと歩いてビルに吸い込まれて行く。また一週間が始まる。テン
ト100日目の朝を迎えた。(KM)
★5.内部被ばく軽視の源は放影研
原爆調査で米に追随し被害を隠した
琉球大名誉教授「医の安全神話」に対して警告
福島第一原発の事故で、放射性物質を体内に取り込む被害が現実化し始めた。
しかし政府は、この内部被ばくを軽視する傾向を崩していない。矢ケ崎克馬・琉
球大名誉教授によると、広島・長崎の原爆被害の調査に当たった放射線影響研究
所(放影研)の情報操作が、こうした偏向を生み出しという。同氏は警告する。
「福島で広島・長崎の悲劇を繰り返してはならない」放影研は一九七五年、被爆
者の健康を調査する日米共同の研究機関として発足した。前身は、米国が四七年
に設けた原爆傷害調査委員会(ABCC)だ。(略)
米国は、原爆を残虐兵器とみなされないために犠牲者を隠し、原子力の平和利
用名目で日本に商業原発を押し付けるため、内部被ばくを見えないようにした。
この悪名高いABCCを丸ごと引き継いだのが放影研だ」この結果、五七年に施
行された旧原爆医療法は、米国の内部被ばく隠しに追随する被ばく者認定基準を
設けた。「初期放射線だけに被ばくを限定し、被ばく範囲を爆心地から二キロ以
内にした。内部被ばくは一切無視した」(略)
先月末、放影研の隠蔽体質を象徴するような問題が発覚した。原爆投下後に高
い残留放射線が見つかった長崎市西山地区の住民からセシウム検出など内部被ば
くの影響を確認していたにもかかわらず、八九年で健康調を査打ち切っていたのだ。(略)
内部被ばく軽視の姿勢は、米国が主導する国際放射線防護委員会(ICRP)
の手でグローバルスタンダード化した。原爆やチェルノブイリ事故の内部被ばく
データは公式記録から徹底的に排除され、犠牲者は切り捨てられた。(略)
「内部被ばくは、がんだけでなく、下痢や鼻血、のどの腫れなどさまざまな症
状の原因になる。それなのに、医者たちの間で『福島事故での低線量被ばくで今
ごろ、健康被害がでるはずがない』という医の安全神話が形成されてしまってい
る。病人の心配を笑い飛ばすのではなく、命を救うために原因を虚心坦懐に科学
してほしい」(2011.12.16東京新聞『こちら特報部』より抜粋)
転送歓迎
◆ 地震と原発事故情報 その275 ◆
5つの情報をお知らせします(12月20日)
★1.毒物をまいて「無主物」という東電の主張のまちがい…続
汚染者負担の原則が大事(原稿)-公害裁判の基本 槌田 敦
★2.12月の学習会・デモ等の予定~5つ 参加歓迎
◯12/22『放射能と食の安全について』
◯12/23東電前「年末ジャンボアクション」~柏崎刈羽原発を廃炉に!
◯12/24優しく心と体を強くするヨーガ教室
◯12/24福島の子どもを守ろう!疎開裁判から考える
◯12/26ストレステストのインチキ・地震でこわれた福島第一原発
★3.子どもを守るだけでなく、放射能汚染の時代を生き抜く力を!
お母さんお父さんの為の保育付き講座に参加して 塚越 都
★4.<テント日誌 12/18(日)>
小熊英二氏のお子さんの絵と配管工のおじさん
― 経産省前テントひろば 99日目 ―
★5.内部被ばく軽視の源は放影研 原爆調査で米に追随し被害を隠した
琉球大名誉教授「医の安全神話」に対して警告
★1.毒物をまいて「無主物」という東電の主張のまちがい…続
汚染者負担の原則が大事(原稿)-公害裁判の基本 槌田 敦
そもそも、水俣第一訴訟の前年の1972年、OECD(経済協力開発機構)は、公
害対策をして出費した企業と公害対策をしないで費用を節約した企業の不公平を
解決するため、汚染者が汚染により生じる費用を支払うという原則(poluter‐
pays principle PPP)を勧告した。
日本では、この原則を、企業と企業の関係だけではなくて、被害者と加害者の
関係にも適用し、「汚染原因者の負担」という意味で多くの公害裁判で使われる
ことになった。
汚染による損害の「支払い」の原則だけではなく、支払いを含む広義の「負担」
の原則なのである。今回の福島第一原発事故による災害についても、この汚染者
負担の原則により、解決が進められることになる。
「汚染者負担の原則」は、具体的には、刑法と民法の適応で実施される。
刑法第211条1には、「業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者」に
対する罪が規定されている。元チッソ幹部2人に有罪判決が出たと同じように、
多数の東電幹部の有罪判決となるであろう。
また民法第709条には、「故意または過失によりて他人の権利を侵害したる者
はこれによりて生じたる損害を賠償する責めに任ず」とあり、また同法第710条
には、「前条の規定によりて損害賠償の責めに任ずる者は財産以外の損害に対し
てもその賠償をなすことを要す」とある。この条項によって精神的苦痛に対する
慰謝料の請求が可能となる。
この問題は次章で詳しく論ずることにして、まず、東電への賠償請求を整理す
るために、汚染日本で暮らすために必要なことを考えたい。(以下、略)
※編集部・注
(この原稿は、来春に槌田敦さんたちが出版される本の中の「原稿」の一部
です。現在の状勢に合った内容なので、その部分をぬきがきして紹介します)
★2.12月の学習会・デモ等の予定~5つ 参加歓迎
◯『放射能と食の安全について』ヒバク=自然被曝+外部被曝+内部被曝
日 時:12月22日(木)18:45(開場18:30)~21:00
お 話:槌田博さん(放射能汚染食品測定室)
会 場:「スペースたんぽぽ」ダイナミックビル4F
参加費:1000円
◯東電前「年末ジャンボアクション」~柏崎刈羽原発を廃炉に!@12・23~
東電への責任追及の手を緩めない!
日 時:12月23日(金・休)18:00~20:00(予定)
東電本社前へ集合
◯優しく心と体を強くするヨーガ教室~毎週土曜日開催中~
日 時:12月24日(土)朝10:00~12:00
講 師:河野秀海先生(インド中央政府科学技術省公認療術師、
元浄土真宗寺院副住職etc)
会 場:「スペースたんぽぽ」ダイナミックビル4F
参加費:1500円
詳細・ご予約は『優しく心と体』で検索!
Eメール:kokorokaradayoga@gmail.com
◯福島の子どもを守ろう!疎開裁判から考える
日 時:12月24日(土)18:30(開場18:00)~21:00
お 話:柳原敏夫さん(ふくしま集団疎開裁判弁護士団)
会 場:「スペースたんぽぽ」ダイナミックビル4F
参加費:500円
◯ストレステストのインチキ・地震でこわれた福島第一原発
「津波対策で再稼働」は根拠を失った
日 時:12月26日(月)19:00(開場18:30)~21:00
お 話:プラント技術者の会、山崎久隆
会 場:「スペースたんぽぽ」ダイナミックビル4F
参加費:500円
★3.子どもを守るだけでなく、放射能汚染の時代を生き抜く力を!
お母さんお父さんのための保育付き講座に参加して 塚越 都
小児科医、山田真さんの講座に動画撮影のお手伝いで参加しました。
この講座の特徴はなんと言っても保育。当日はお母さんお父さんに連れられて22
人の子どもたちが、保育士やボランティアの方と一緒に約3時間の長丁場でした
が静かに遊んでいました。
山田真先生は、能力主義や優生思想に対して積極的に反対しており、予防接種
を進めないなど、とてもユニークな先生です。
そして、放射能への対応については、子どもの目線で考えていらっしゃること
が良くわかり、子どもたちへの深い愛情を感じました。
子どもの目線というのは、子どもを守るだけでなく、これからの放射能汚染時
代を生き抜いて行くための力を付けさせなければいけないという事です。
チェルノブイリ原発事故から25年経ったベラルーシの学校では、給食の放射線
量を子どもたちに測らせて、食べてよいか判断させるそうです。
山田先生のお話から私が理解したことは、子供たちへの謝罪や申し訳ないとい
う気持ちでは、彼らが楽になるわけではない、汚染を許した私たちが出来る事は、
これからの時代を生き抜くためのすべを、子供たちへ伝えることだと思いました。
また、放射能の安全数値は人それぞれ個体差により違う。身体的影響が出る人
もいればでない人もいるが、影響が出る人が過敏なのではなく、出ない人が不過
敏なんだという意識をもつことにより、より被曝について問題意識を持つことが
出来るというお話も伺いました。
放射能のしきい値は無く、自分が自分の体に責任を持って、自分で判断するし
かないということ。その判断の基準を子供達が持てるよう、正しい情報を与え自
分の信念を持って生きる生き方を見せることが、私たちがしなければいけないん
だと思います。
最後に、更なる事故原発を防ぎ、未来の人の負担を少しでも軽くするために、
私たちがすべきこと。全ての原発を廃炉にする事です。
無くせない放射能とは違い未来を守るために絶対にやらなければいけないことです。
今後も保育付き講座では、いろいろな企画をしているそうなので期待しております。
※編集部・注
(来年1月~2月にも、「お母さんお父さんのための保育付き講座」が企画
される予定、内容が決まり次第、メールマガジンでお知らせします)
★4.<テント日誌 12/18(日)>
小熊英二氏のお子さんの絵と配管工のおじさん
― 経産省前テントひろば 99日目 ―
ついに経産省前テントも99日目。間もなく大台に乗る。
今日は社会学者の小熊英二氏が来テント。お子さんが書いたという絵を見せてい
ただいた。大きな段ボールに大きく「げんぱつやめろ!」と書かれたその絵には
地球と自然と人間への愛が描かれていた。
小熊氏は6月11日の原発やめろデモ(素人の乱主催)でもスピーチを行っている。
寒い日が続くがテントでは日々新しい出会いがある。
夜には、通りすがりの福島の男性と話をした。配管工をしていて霞ヶ関でも仕
事をしているというその男性は寒い中、福島のこと(特に地下水の心配)、官庁
の仕事ぶりのこと、公共事業のこと、有馬記念や生活のことなどを1時間以上も話した。
直接的に政治に訴えることが気性に合わない多くの人たちの分まで、訴えてい
かなければならないと強く感じる。(HH)
テントひろば100日目を迎える夜
日曜夜8時にテントに到着、6人程がテントの中で歓談中。つまみを回しなが
ら焼酎やワインを片手に、兵庫県から来た男性がしばし芝居談義。テントにい
るとたくさんの雑学が入ってくる、年寄りには通り過ぎるだけだけれど。
と、若いお嬢さんがテントを覗く、どうぞどうぞと一同大歓迎。ワインを勧め
ると、原発のことが心配で立ち寄ってくれたという。千葉の高線量のことなどし
ばし話したあと、「こういう話はなかなか身近でできない、お話できて良かった、
木更津に戻ったら仲間を増やします」と笑顔で寒空を地下鉄駅に消えていく。
23時の消灯時間。寝ずの番の当番を確認したあと夜の宴会はお開き。直ぐに寝
袋にもぐる人、いそいそ帰途につく人、引き続きしゃべる人。
2時に起こされて外に出ると空っ風が吹いている。コンビニまで駆けつけてト
イレを借りる。地下鉄駅もコンビニも親切だ。見上げるとビルの間に半月が明る
い、少ないが星も見える。この時間でも金融庁ビルから出てくる官僚を待つタク
シーが数台。平日は長蛇の列のタクシーがアイドリングしていて、放射線量だけ
でなく排気ガスも心配。
再び寝袋に潜って眠るが、朝方にはトラックの大エンジン音で起こされる。テ
ントは空気も水も遮断するが車の音は遮断してくれない。次回からは耳栓を用意
しよう。既に早起きさんがテント前の落ち葉を掃き集め、そこを早出のネクタイ
男たちがいそいそと歩いてビルに吸い込まれて行く。また一週間が始まる。テン
ト100日目の朝を迎えた。(KM)
★5.内部被ばく軽視の源は放影研
原爆調査で米に追随し被害を隠した
琉球大名誉教授「医の安全神話」に対して警告
福島第一原発の事故で、放射性物質を体内に取り込む被害が現実化し始めた。
しかし政府は、この内部被ばくを軽視する傾向を崩していない。矢ケ崎克馬・琉
球大名誉教授によると、広島・長崎の原爆被害の調査に当たった放射線影響研究
所(放影研)の情報操作が、こうした偏向を生み出しという。同氏は警告する。
「福島で広島・長崎の悲劇を繰り返してはならない」放影研は一九七五年、被爆
者の健康を調査する日米共同の研究機関として発足した。前身は、米国が四七年
に設けた原爆傷害調査委員会(ABCC)だ。(略)
米国は、原爆を残虐兵器とみなされないために犠牲者を隠し、原子力の平和利
用名目で日本に商業原発を押し付けるため、内部被ばくを見えないようにした。
この悪名高いABCCを丸ごと引き継いだのが放影研だ」この結果、五七年に施
行された旧原爆医療法は、米国の内部被ばく隠しに追随する被ばく者認定基準を
設けた。「初期放射線だけに被ばくを限定し、被ばく範囲を爆心地から二キロ以
内にした。内部被ばくは一切無視した」(略)
先月末、放影研の隠蔽体質を象徴するような問題が発覚した。原爆投下後に高
い残留放射線が見つかった長崎市西山地区の住民からセシウム検出など内部被ば
くの影響を確認していたにもかかわらず、八九年で健康調を査打ち切っていたのだ。(略)
内部被ばく軽視の姿勢は、米国が主導する国際放射線防護委員会(ICRP)
の手でグローバルスタンダード化した。原爆やチェルノブイリ事故の内部被ばく
データは公式記録から徹底的に排除され、犠牲者は切り捨てられた。(略)
「内部被ばくは、がんだけでなく、下痢や鼻血、のどの腫れなどさまざまな症
状の原因になる。それなのに、医者たちの間で『福島事故での低線量被ばくで今
ごろ、健康被害がでるはずがない』という医の安全神話が形成されてしまってい
る。病人の心配を笑い飛ばすのではなく、命を救うために原因を虚心坦懐に科学
してほしい」(2011.12.16東京新聞『こちら特報部』より抜粋)