NUCLEAIRE
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4 「事故炉の廃止措置に向けて新たに取得する設備についても同様の考え方に
立ち、例えば東京電力の場合、「東京電力(株)福島第一原子力発電所1~4号
機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」に記載の設備について、既に災害
損失引当金において見積もられた設備のほかに事故炉の廃止措置に向けて新たに
設備の取得が必要となる場合には、その減価償却費を料金原価に含め得ることと
する」について
「事故炉」の概念が明確では無い。例示されているのは福島第一原発であるが、
今後起こる可能性のある事故により福島第一原発事故よりもひどくないものの廃
炉になる場合もあるし、もっと巨大な事故になる場合もある。どのようなケース
が廃炉措置においてその減価償却費を料金原価に含めることになるのか。
また、事故の定義は、例えば仮想事故あるいは重大事故といった定義を用いるの
か、それとも新たな概念が導入されるのか。その場合の事故のシナリオは予め策
定されるのか、それとも起きてから考えるのか。いずれにしても基準が示されて
いないため、判断が出来ないセンテンスである。どのように考えているのか。
5 日本にも英国のような「原子力廃止措置機関」を設立し、原発の廃炉処理に
ついては専門機関が責任を持って取り組むべきである。その土台となる会社とし
ては日本原電(原子炉部門)と日本原燃(核燃料サイクル部門)がある。その理
由を述べる。
日本も今後、発送電分離などの大幅自由化の実施が見込まれ、小規模発電、送
電会社などが分立する。9電力時代に発生した費用部分とそれ以降の自由化時代
に発生する費用部分を明確に区分する必要があること。
電気事業への自由化並びに競争導入にあたり、リスクの高い原子力廃止事業を
民間に完全に委ねることは適切でないこと。(モラルハザードが懸念される)
9電力時代に発生した原発廃炉費用への積立てが十分なされていないこと。
これまでの原発廃炉費用引き当てでは、原発の拡大路線が前提となっており、さ
らに安全神話による「76%以上の設備利用率」を基礎としているため、40年
以前の廃炉まで考えられておらず、途中の廃炉処理では資金不足になることが確
実であること。
長期(100年以上)に亘って、責任を果たす機関が必要であること。
廃炉等に関する知見・技術を一か所に集中させる必要があること。
┏┓
┗■3.新聞・雑誌より2つ
└────
◆ 汚染水 東電「制御できていない」
民主党会合 首相発言を否定
東京電力の山下和彦フェローは13日の民主党会合で、福島第一原発の汚染水漏れ
問題について「今の状態はコントロールできているとは思わない」との認識を示
した。7日にアルゼンチンで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)総会で
「状況はコントロールされている」と断言した安倍晋三首相を真っ向から否定し
た格好だ。 (中略)
資源エネルギー庁の中西宏典審議官は、山下フェローの発言を受け「今後はし
っかりコントロールできるようにする」と述べ、対策を急ぐ姿勢を強調した。
大畑氏(民主党)は会合後、記者団に「首相の責任問題もある。臨時国会召集
を前倒しにして国民に説明するよう求めたい」表明した。民主党は首相発言の根
拠を厳しく追及する構えだ。 (後略)
(9月13日東京新聞より抜粋)
◆ あす「原発ゼロ」 「絶対に再稼働させない」
大飯4号機定期検査 国内全て停止
全国で唯一稼働中の関西電力大飯原発4号機(福井県おおい町)が15日に定
期検査入りし、全国で稼働する原発が1年2カ月ぶりにゼロになる。今後は原子
力規制委員会による安全審査を経て、どの原発がいつ再稼働するかが焦点となる。
「原発ゼロ」により、原発政策をめぐり、ふたたび国民的な議論を呼びそうだ。
電気事業連合会によると、国内の商業用原発が稼働ゼロになるのは、黎明期の
1970年4-5月と、東京電力福島第一原発事故後の昨年5-7月に続き3回目。
(中略)
関電によると、4号機は15日夕から出力を下げ始め、同日午後11時頃に発
送電を停止。16日未明には原子炉を完全に止める。
配管の交換や新規制基準の安全対策工事などに取り組む。 (中略)
全国の商業用原発では、関西電力の大飯原発3、4号機や高浜原発3、4号機
など、電力会社四社が6原発12基で再稼働のための審査を申請している。
たんぽぽ舎です。【TMM:No1962】
2013年9月14日(土)地震と原発事故情報-3つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1. 再び、全原発停止 再稼働は倫理観の欠如
このまま廃炉へとススメ 9月15日たんぽぽ舎声明文(案)
★2.パブリックコメント「原発廃炉会計制度の変更」について
勝手に原発を推進しておきながら、そのツケは電気料金や税金で
賄おうという電力業界に極めて有利なものです。
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★3.新聞・雑誌より2つ
◆ 汚染水 東電「制御できていない」
民主党会合 首相発言を否定 (9月13日 東京新聞より抜粋)
◆あす「原発ゼロ」 「絶対に再稼働させない」
大飯4号機定期検査 国内全て停止(9月14日 東京新聞より抜粋)
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※9/15集会にご参加を!
大飯原発停止、原発ゼロの日を祝う集会 原発再稼働阻止で、原発ゼロの日を
長くしよう
問題提起者:4人
槌田敦(物理学者)、山崎久隆(たんぽぽ舎)、原田裕史(たんぽぽ舎)、
かけいりえ子(原子力空母の横須賀母港化問題を考える市民の会・共同代表)、
日 時:9月15日(日)13時開場 開会:13時30分~16時30分
発 言:4人の問題提起者と参加者全員(自由発言)
会 場:「スペースたんぽぽ」ダイナミックビル4F
主 催:スペースたんぽぽ講座会議、たんぽぽ舎 参加費:1000円
━━━━━━━
┏┓
┗■1.再び、全原発停止
| 再稼働は倫理観の欠如
| このまま廃炉へとススメ
└──── 9月15日たんぽぽ舎声明文(案)
国内で唯一稼働していた大飯原発は、3号機が2日深夜に、4号機が15日に
運転を停止し、昨年7月以来、再び原発の稼働がゼロになった。金曜日に行われ
た首相官邸前抗議行動では、国会正門前・ファミリーエリアと官邸前で抗議行動
が行われた。「稼働ゼロから原発完全ゼロ」「今こそ原発やめる決断」などのプ
ラカードが見られた。
原発は止まったが、廃止されたわけではない。再稼働を止めるために、大きな
運動のうねりが必要である。
大飯原発であれ何処であれ、原発を再び動かすには規制基準に基づく審査が必
要であるが、この審査には重大な欠陥がある。
● 一つめは「福島第一原発の教訓」が生かされていないことだ。
今大きな問題になっている汚染水を含め、再度事故が起き、その対策に多くの
人々が被曝を覚悟で臨み、原子炉からの放射能放出を止めることが出来るまで、
大変な犠牲を強いられることについて、規制庁は何ら教訓化していない。
次の事故が福島第一原発と同じシナリオで来るとは考えられない。思いもしな
いところから事故は起きるだろう。しかし保安院時代の「ストレステスト」や規
制庁になってからの「新規制基準」は、福島第一原発事故をなぞっているだけで
ある。
例えば地震で圧力容器につながる配管や格納容器、原子炉建屋やタービン建屋
が破壊され、そのために冷却材喪失事故、放射能放出事故に発展したことは考慮
さえされていない。しているならば、例えば原子炉圧力計や水位計の開発に取り
組むはずだし、格納容器や建屋の貫通部分を、もっと熱や放射線に強いものに変
えさせるだろう。しかし規制委員会は何もしない。
水問題もまた、原発にとってはアキレス腱である。入れなければ炉心崩壊、入
れすぎれば汚染水漏えい、どっちに転んでも大規模な放射能放出事故になる。
水による冷却にはリスクが伴うので、代替手段も検討しなければならない。金属
か、液体窒素か、空冷か、方法論をまとめなければ福島以上の大災害を引き起こ
す可能性もある。しかし規制委員会は何もしない。
● 二つ目は、避難計画を自治体に押しつけていることだ
これまでは原発で事故が起きても、避難が必要な範囲は8~10km程度とさ
れてきた。30kmにも及ぶ避難範囲は、あり得ないことだった。ところが福島
第一原発事故では、風下80km圏内からの、少なくても子どもたちの避難が必
要だった。本来ならば。
規制基準では、何キロまで避難範囲などは定めていない。では、原子力防災範
囲30km圏内というのはどうなったのだろう。
実際には、地方自治体が「災害対策」として「原子力災害」への備えをするこ
とになっている。つまり自治体に丸投げだ。もともと原子力災害は30km離れ
た自治体には影響がないとされていたのに、突如「避難指示」が来るかもしれな
い、などとされてしまった。30km圏内の自治体は、その多くは防災計画さえ
出来ていない。住民を避難させると言っても、これまでの地震や風水害では自治
体内の広域避難施設などを準備すれば良かったのに、放射能災害では30kmよ
りも外に脱出する必要がある。他の自治体に逃げる計画を立ててきた自治体はほ
とんど無い。だから、計画そのものが立てられないのだ。
そんな自治体の困惑をよそに、規制委員会は防災体制が整っていなくても再稼
働は出来るなどと、恐ろしいことを言っている。
○ 負けない!
政府の強引な原発再稼働方針は、一方で福島を切り捨てている。東電が汚染水
を垂れ流しにしている実態に対して「コントロール出来ている」とあからさまな
ウソをついてオリンピックを取ってきた政権は、これからも福島の人々を見捨て
るであろう。福島に帰る人と帰れない人への分断もあるだろう。検察による東電
幹部の不起訴処分や、依然として解体されない東電、課題はほとんど積み残しだ。
けれど私たちは負けない。
私たちの心はいつも福島の人々の側にある。大飯原発が止まり、ゴールはもう
近づいている。原発のない世界を、遙かな夢を求めて追いかけて、今日はとりあ
えずの「ゴール」だ。
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┗■2.パブリックコメント「原発廃炉会計制度の変更」について
| 勝手に原発を推進しておきながら、そのツケは電気料金や税金で
| 賄おうという電力業界に極めて有利なものです。
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
「原発の廃炉に係る料金・会計制度」変更に関するパブコメに送った文章です。
時間も無くてあまり詳細には批判できていません。参考までにどうぞ。
パブコメは8月10日に始まり、9月9日が締め切りでした。改定骨子案は、
廃炉引当金の積立時期を10年延長、費用を電気料金や基本料金に算入できるな
どというものでした。勝手に原発を推進しておきながら、そのツケは電気料金や
税金で賄おうという電力業界に極めて有利なものです。
1 「バックフィットを求める新規制基準の導入等により、原子力発電所が想定
より早期に運転終了となる場合には、運転終了時に一定の簿価(未償却原価)が
残ることが考えられ、上記のような料金原価上の取扱い及び会計処理では、本来
的には電気料金で回収することが認められていた費用が実際には回収できなくな
る可能性がある。電気料金で回収できない多額の費用が発生した場合、円滑かつ
安全な廃止措置に支障が生じるおそれがある。」について
東京電力などの電力会社は、原発の建設、運転について、市民団体などからの
批判に対して「経営的判断で費用負担をするから問題は無い」と、常に答えてき
た。例えば、通常の核燃料に比べて数十倍にもなるプルサーマル計画など、経済
性が無いことを指摘されても「経営的判断で費用負担をする」ことにしてきた。
原発が運転中に規制基準に引っかかって予定外の停止になる場合も、当然のこと
として電力会社の経営的判断で行った事として責任を負うべきであり、過度な電
気料金への転嫁は認められない。
2 「同法に基づき東電福島第一原発が「特定原子力施設」として指定されたが、
上記のような料金原価上の取扱い及び会計処理を継続した場合には、円滑かつ安
全な廃止措置に支障が生じるおそれがある。」について
既に福島第一の汚染水処理などが、資金不足により十分な対策が取れないこと
を国や東電が認めている。しかしこれは当然予想されたことであり、今まで放置
されてきたことが問題である。東電が「柏崎刈羽原発の再開」を再建計画の柱に
したことで、福島第一原発へ資金投資をせず、3200億円を柏崎刈羽原発に投
じている。
福島第一原発を東電に処理させるスキーム自体に無理があるし、これが原因で十
分な資金がなくなり、汚染水を漏えいさせる結果になっている。他の原発も同様
であり、特に経営体力が小さい電力会社では、事故直後に資金ショートを起こす。
もともと無理があることである。
3 「想定とおりに設備利用率が76%で40年間運転する場合の引当率を点線で示
しており、点線より上側にプロットされているものは想定を上回るペースで、下
側にプロットされているものは想定を下回るペースで引き当てられていることを
表している。」について
図で見ると明らかなとおり、運転年数が長い原発ほど下側にプロットされてい
る。これは時間と共に稼働率が低下し、運転時間に比例する生産高比例法では引
き当て不足になる。さらに、新規制基準により運転が出来なくなる原発の多くは
30年を超える老朽原子炉である。20基程度が、今後は引当率が不足し、廃炉
段階で資金不足に陥ることは避けようが無い。これに対しては早い段階で廃炉処
理に移行し、無駄な再開資金を投じることが内容にすることが重要である。
たんぽぽ舎です。【TMM:No1961】
2013年9月13日(金)地震と原発事故情報-2つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.「真夏のオリンピック」の怪
猛暑、ゲリラ豪雨、電力需給はどうなった
震災リスクを「知らない」世界に警告を
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★2.新聞・雑誌より3つ
◆外洋近く溝に汚染水 「流出阻止」首相説明破綻 裏付け 福島第一
(9月13日東京新聞より抜粋)
◆震災関連死、直接死上回る 福島、避難生活疲れ
(9月8日毎日新聞より抜粋)
◆検察 原発事故「全員不起訴」の姑息なタイミング
"お祭り"に便乗し目くらまし (9月13日、日刊ゲンダイより抜粋)
━━━━━━━
※9/15集会にご参加を!
大飯原発停止、原発ゼロの日を祝う集会
原発再稼働阻止で、原発ゼロの日を長くしよう
問題提起者:4人
槌田敦(物理学者)、山崎久隆(たんぽぽ舎)、原田裕史(たんぽぽ舎)、
かけいりえ子(原子力空母の横須賀母港化問題を考える市民の会・共同代表)、
日 時:9月15日(日)13時開場 開会:13時30分~16時30分
発 言:4人の問題提起者と参加者全員(自由発言)
会 場:「スペースたんぽぽ」ダイナミックビル4F
参加費:1000円
主 催:スペースたんぽぽ講座会議、たんぽぽ舎
━━━━━━━
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┗■1.「真夏のオリンピック」の怪
| 猛暑、ゲリラ豪雨、電力需給はどうなった
| 震災リスクを「知らない」世界に警告を
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
○ 7年後の東京には、「猛暑」「ゲリラ豪雨」「電力需給逼迫」問題は存在しないことになったらしい。まるでSF映画のような激変する気候や、いまにも停電しかねないと大騒ぎした「電力需給逼迫」問題は、何故かオリンピック招致「成功」により「解消」されたようでろくに話題にならない。まともな気象予報士がブログなどで懸念の発言をしている程度だ。
汚染水問題の「消去」と共に、安倍首相らの頭からも「消去」されたようだ。
せめて1964年のように10月10日(旧体育の日はこれで制定された)からの開催であれば問題にはならなかった。10月は一年を通しても最も安定した日々が続く時期である。天候を考慮して10月にしたのは当然のことだ。
○ 今年の7月25日~8月9日はどんな日だったかというと、最高気温が35度以上の猛暑日こそ無かったが、平均で31.7度、最低気温が25度を超える熱帯夜が9日、平均も25度、二度の雷雨と豪雨を記録した。この前後はもっと過酷で、酷暑となった8月11日は最高気温38.3度と、この夏いちばんの暑さになっている。(データはいずれも大手町の気象庁)
異常気象と言われるが、最大の原因は東京湾を埋め立てた上に巨大な建築物を林立させ、海による冷却効果がなくなった上に海風の流れを阻害していることに原因の多くがある。今後オリンピック開発が湾岸部で進めば、さらに風の流れを阻害し、冷房廃熱や車の廃熱などの都市廃熱によるヒートアイランドが進行する。
この影響は、巨大な積乱雲「スーパーセル」が都市廃熱の影響で発達し、ゲリラ豪雨や雷雨の頻発、竜巻の発生へとつながっている。7年後までにこの問題を解決するためには、東京周辺への一極集中を解決するしかないのだが、むしろ現状は逆行している。
○ ただ、電力需給については、この間も含めて東電管内では全く問題が無かった。
8月1日(木)が93.42%、8月9日(金)が92.73%になったほかは、いずれも90%以下だった。
しかしオリンピックともなれば、どれほどの電力を浪費するか、想定することも難しい。このために大量の大型施設を作り、公共輸送機関(大半は電力で動くだろう)を整備し、臨海部の大規模再開発で人口やオフィス需要も増えて、電力需要は増える。
「ちぐはぐ」としか言いようもない。誰が決めたのか。
うがった見方をすれば、東電の柏崎刈羽原発運転再開のために作られた電力浪費構造であろう。
もっとも、それまで東電があるかどうか、はなはだ疑問である。私たちとしては東電を解体し、責任を取らせていなければならないのは言うまでもない。
○ 電力逼迫は問題なし
最も電力を使う真夏にオリンピックを持ってきても、東京の電力需給には何の問題も無いことを国は知っていた。東京都は湾岸地区に新たに100万kw級火力発電所を建設する計画だし、老朽火力のリプレースも行われるだろう。
何よりも、電力需要があるとなれば、IPP(電力卸販売事業者)が次々と現れる。
原発など無くても問題は無い。唯一作った発電所の電気が売れない東電だけの問題である。それも東電を解体することで解決できる。オリンピックを口実にした原発再稼働など理由にならないことを今のうちから言っておこう。
○ 震災リスク
東京はこれからかなりの期間に渡り震災と津波のリスクが高まる。オリンピック開会中に関東大震災クラスの地震に襲われる可能性は否定できない。しかも協議会場の多くは湾岸の埋め立て地であり、選手村まで晴海埠頭の突端に位置するので津波リスクは極めて高い。産業総合研究所や東大地震研などの研究者には、関東大震災を起こした相模トラフと、それにつながるプレート境界にはエネルギーが蓄積されており、これが開放されると千葉県沖から小笠原に向けて巨大地震が発生する可能性を指摘している人がいる。
この地震により三浦半島から東京湾内に大きな津波が発生、横須賀港に米原子力空母ジョージ・ワシントンなどが停泊していた場合、原発震災に発展する可能性もあるのだ。
世界中から何十万人もが訪れ、狭い東京湾岸部にひしめいているときに、そんな災害が起きたら・・・。まるでパニック映画の宣伝文のような話だが、今の日本では「荒唐無稽」ではないから恐ろしいのである。
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┗■2.新聞・雑誌より3つ
└────
◆外洋近く溝に汚染水 「流出阻止」首相説明破綻 裏付け 福島第一
東京電力福島第一原発の地上タンクから原子炉を冷やした後の処理水が漏れた問題で、東電は12日、外洋に近い排水溝で採取した水から、高い濃度の放射性ストロンチウムなどを検出したと発表した。排水溝の先は外洋で、漏れた処理水の一部が再び流れ込んだのは確実とみられる。
安倍晋三首相は国際オリンピック委員会(IOC)総会で「汚染水の影響は、港湾内で完全にブロックされている」と強調。すでに外洋への流出が確実視されていた中、発言は事実でないと批判された。今回の検出で国際社会への信用がさらに揺らぐ可能性がある。(中略)
東電は、出口近くに水の放射能濃度を連続的に検出できる監視用の計測器を設置する計画だが、処理水が溝に流れ込んだ場合、流出そのものを防ぐ対策は打ち出せていない。(後略) (9月13日東京新聞より抜粋)
◆震災関連死、直接死上回る 福島、避難生活疲れ
東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の被災者の死亡例のうち、福島県内自治体が「震災関連死」と認定した死者数が8月末現在で1539人に上り、地震や津波による直接使者数1599人(県災害対策本部調べ)に迫っていることが、毎日新聞の調査で分かった。少なくとも109人について申請中であることも判明、近く直接死を上回るのは確実だ。長引く避難生活で体調が悪化したり、自殺に追い込まれたりするケースがあり、原発事故被害の深刻さが裏付けられた。(中略)
関連死申請の相談を受けた経験がある馬奈木厳太郎弁護士は「原発事故による避難者数が多い上、将来の見通しも立たずにストレスがたまっている。今後も増える可能性がある」としている。(9月8日毎日新聞より抜粋)
◆検察 原発事故「全員不起訴」の姑息なタイミング
"お祭り"に便乗し目くらまし
うっかりニュースを見落としていた国民も多いのではないか-。
福島第一原発事故をめぐって、告訴・告発されていた東電の旧経営陣や菅元首相など40人余りが全員、不起訴処分となった1件だ。(中略)
「検察が『不起訴』を発表したのは9日、東京五輪が決定した翌日のことでした。日本中がお祝いムード一色で、新聞もテレビも五輪関連ニュースで埋め尽くされていた。国を挙げたお祭り騒ぎで、不起訴のニュースは完全にかき消されてしまったのです。おまけに、この日は休刊日。各新聞社は、あふれるほどの五輪記事を夕刊用に準備していました」(中略)
「結局、夕刊に掲載できなかった新聞もあり、翌朝の各紙の扱いもバラバラ。全国紙が足並みを揃え、『不起訴』を大きく取り上げる事態には至らなかった。 検察はこうなることはすべてお見通しで、都合の悪い発表をこっそり五輪騒ぎに合わせてきたのです。東電本社を家宅捜索せずに不起訴とした検察は、国民から批判されることを怖れていました」
4 甲状腺異常についての解明がなされていない
まず、福島県健康管理調査によると、甲状腺の細胞診の結果、悪性ないし悪
性の疑いのある検査結果が、既に28例報告されている。甲状腺ガンの一般的
な発生率をはるかに超えており、疫学的な因果関係を疑うべきだ。災害関連死
だけでなく、甲状腺ガンについての因果関係を明確にすることは捜査機関の最
低限の責任であった。このような捜査を遂げないままでの不起訴の強行には大
きな疑問を感ずる。
5 想定を上回る津波は確実に予見できたが何の対策もとられていなかった
また、検察官の立脚する予見可能性の議論には次の疑問がある。15.7
メートルの津波は2008年の段階で、東電内部の検討において確かに試算さ
れていたものだ。この原発の想定津波高はわずか6メートルであった。
推本の長期評価は原発の安全性ではなく、一般防災の観点から出されたもの
であり、これを原発事故の安全性評価について考慮するべきことは当然であっ
た。
この地域でマグニチュード8.3程度の地震と高さ10メートル程度の津波
が来ることは、地震と津波の専門家なら、2002年当時から、だれもが頷く
普通の想定であった。
検察庁は、「東京電力は、OP+10メートルを上回る津波が襲来する確率
は1万年から10万年に1回程度と試算されていた」などとする。この評価自
体が過小評価であるが、原発の安全審査は「災害が万が一にも起こらないよう
にするため」(1992年伊方最高裁判決)に行われるものであり、発生確率
10-5ないし6乗の確率で起きる災害には対応すべきことは、原子力安全の約
束事である。この確率の災害の発生を考慮しなくて良いとする検察庁の判断は、
東京電力の経済性優先・対策先送りの安全対策を免罪し、次なる重大事故発生
を準備するものと批判しなければならない。
1万年に一度といえば、稀な現象と感ずるかもしれないが、原発の寿命は
40-60年であり、国内に50基を超える厳罰が存在していることからすれ
ば、1万年に一度の災害を是認してしまえば、寿命中に重大事故が起きる確率
は4分の1である。
推本の評価が津波評価技術に取り入れられなかったのは、東京電力などの事
業者が規制機関も虜にしていたからにほかならない。福島県沖海溝沿いに津波
地震を想定しないという判断にこそ、何の科学的根拠もなかったのである。
そして、あらかじめ想定された6メートルを超える津波の確率は、相当高い
ものであった。東京電力は、このような想定に基く対策を先送りにし、何の対
策もとっていなかった。対策を講じたが不十分だったわけではない。何の対策
も講じなかったのである。これを免罪した検察官の処分を許すことはできない。
6 執ることのできた対策は多様なものであった
電源喪失を防止するための対策としては、防潮堤の設置だけでなく、外部電
源の耐震性強化、送受設備の切替設備の設置、非常用ディーゼル発電機とバッ
テリーの分散と高所設置等、構内電源設備の耐震性,耐津波性の強化など多様
な措置がありえた。
福島原発同様プレート境界地震が予測された浜岡原発においては、老朽化し
た1、2号機は耐震補強を断念し、2008年には廃炉の決定がなされていた。
福島第1原発1-3号機についても、同様の措置は十分あり得たのである。東
京電力自身が、原子力改革特別タスクフォースの報告において、結果を回避で
きた可能性を認めている。にもかかわらず、東京電力は一切何の対策もとらな
かった。予測されたレベルの地震と津波対策を講じたにもかかわらず、それが
不十分であったわけではない。
7 告訴団は不起訴に屈することなく、どこまでも闘い続ける
告訴団はこのような検察の不起訴に屈することなく、どこまでも闘い続ける
ことを宣言している。この事件について新たな告訴・告発人が新しい告訴・告
発を行うことは許されている。日本中から、新たな告訴・告発を準備する。ま
た、検察審査会への申立も準備する。
┏┓
┗■2.東電株主代表訴訟 原告団声明 2013年9月10日
│<< 新聞休刊日にこっそり発表、検察庁の歴史に汚点を残した >>
│ 東電取締役らの不当な不起訴処分は許されない
└────(東電株主代表訴訟 原告団 Blogより)
原告団声明 全文:
http://tepcodaihyososho.blog.fc2.com/blog-entry-127.html
東京地方検察庁 検事正 伊丹 俊彦殿
福島地方検察庁 検事正 山田 賀規殿
私たち、東電株主代表訴訟では、裁判において東電取締役らに対し、「津波
は予見可能であった」と主張・立証して闘っている。福島原発告訴団の被告訴
人である勝俣恒久らをはじめとした東電関係者のほとんどは私たちの訴訟の被
告である。
この裁判の過程で、東電テレビ会議の記録が保存され取締役会議事録等が開
示されるなど、被告らの過失が徐々に明らかになろうとしている。国会事故調
は、原発事故は人災であると断じ、東電自身が過失を認めたことも広く報道さ
れている。
東京地検は、数々の具体的な警告を得ていたにもかかわらず問題を先送りに
し、津波対策を何ら取らなかった東電及び被告訴人らを不起訴処分とした。
この度の福島原発告訴団の告訴事件に対する不起訴処分に関して次の点で抗
議する。
【過失は東電自身が認めている】
世界を震撼させる原発事故を起こした東京電力に対し、家宅捜索等の強制捜
査もせずに不起訴処分にしたことは、国民感情から考えても納得がいくもので
はない。
例えば、食中毒事件を起こした飲食店には間髪を入れずに捜査に入り、関係
書類を押収し、営業停止に追い込む。
本件では、被告訴・告発人である法人としての東電自身が過失を認めている
にも関わらず、強制捜査もせずに不起訴処分にした。
任意の取り調べで、犯人が自らに不都合な供述をするというのだろうか。被
告訴人らが任意で提出した、彼らに都合のよい証拠のみによって証拠不十分な
どと判断するとは、事案の真相を明らかにすべき捜査機関としてあるまじき行
為である。
昨年8月の告訴受理からの1年余もの間、検察庁は起訴をするつもりもなく、
不起訴理由をいかに説得的に書くかに終始したとしか思えない。適正に捜査を
行い、事案の真相を明らかにし、犯人を罰し、被害者の悲しみと寄り添うとい
う思いはみじんも感じられない。
これは「馴れ合い捜査」「名ばかり捜査」に他ならず、検察庁の歴史に汚点
を残すものである。
【司法の独立性】
不起訴の発表を2020年オリンピック誘致が東京に決まったその日、国民
がオリンピックの話題に浮かれているその日、更に新聞休刊日にこっそりと発
表した。この不当な不起訴処分を、ニュースの陰でこっそり行おうとしたもの
で恥ずべき行為である。去る8月30日、東京電力の汚染水問題が衆院経済産
業委員会で審議されようとした際「オリンピック誘致に不利 になる」として
自民党が先送りしたのと同様、時の政権の意向に従ったと判断せざるを得ず、
司法の独立性を疑わせる由々しき事態である。
【告訴の政治利用】
「不起訴」の正式発表の前にリークした朝日新聞、日経新聞、そして「不起
訴」の正式発表を伝えた時事通信、共同通信、東京新聞、毎日新聞、そして
NHKもすべての報道機関が「福島原発告訴団等が告訴している菅元首相ら不起
訴処分」と同様の見出しを打っている。
しかし、福島原発告訴団が告訴している中に菅元首相は含まれていない。
福島原発告訴団が告訴・告発しているのは、原発を推進して来た東電歴代取
締役、福島県による事故後の安全キャンペーンを担った学者たち33人そして
法人としての東電である。また、福島原発告訴団と同様に作家の広瀬隆氏とル
ポライターの明石昇二郎両氏も東京地検に告発していたが、その被告発人は、
東電取締役と学者16人である。いずれの被告訴・告発人に、元首相の菅直人
氏は入っていない。
唯一、菅直人氏を告発しているのは「被災地とともに日本の復興を考える
会」という団体であるが、政治家など6人を告発しているものの、その活動内
容はまったく不明である。
たしかに、福島第一原発事故による被害につき、告訴・告発は複数ある。
しかし、福島原発告訴団は、告訴後から10通以上の上申書を福島地検に提
出し続け、具体的な証拠を示し、東電幹部らの過失、被害について主張立証し
てきた唯一の市民団体であり、その告訴・告発人数も14716人で最大であ
る。彼ら、彼女らは、この事件の犯人は東電幹部ら、福島県による事故後の安
全キャンペーンを担った学者たちであると告訴に至ったのである。
にもかかわらず、上述の報道は、菅直人氏が告訴されていることを利用し、
あたかも福島原発告訴団が菅直人元首相を筆頭とする被告訴人らを告訴してい
るという印象を与え、多くの国民が誤解を招くよう誘導していると言わざるを
得ない。
これは、14716人の告訴・告発人の思いを踏みにじるもので到底許され
ない。
【不当目的の卑劣な移送】
福島原発告訴団は、福島地方検察庁に対して告訴した。被災地、被災者に最
も近い福島地検であれば、巨悪と立ち向かい、被害者と共に泣く捜査・判断を
してもらえるのではないか、そして、仮に不起訴処分となっても、日々被曝に
苦しむ福島の市民による検察審査会で判断してもらいたいと願ったからである。
にもかかわらず、決定の直前(数時間前)に東京地検に移送処分し、福島検
察審査会への申し立ての道を閉ざした。このように、自らの不起訴処分が福島
市民の手によって検討されることから逃げることは、原発の過酷事故のために
故郷を追われ、全国に移住させられた福島県民のアイデンティティを踏みにじ
る行為で許しがたい卑劣な行為である。
たんぽぽ舎です。【TMM:No1960】
2013年9月12日(木)地震と原発事故情報-2つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.福島原発告訴団 弁護団声明 2013年9月10日
<< 福島地検から東京地検への移送は、違法! >>
何の津波対策もとらなかった東電幹部不起訴はあり得ない
(福島原発告訴団弁護団)
★2.東電株主代表訴訟 原告団声明 2013年9月10日
<< 新聞休刊日にこっそり発表、検察庁の歴史に汚点を残した >>
東電取締役らの不当な不起訴処分は許されない
(東電株主代表訴訟 原告団)
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※<福島原発告訴団・「不起訴」処分に対する緊急集会>
「どうして不起訴? どうして移送? 納得できない!」
9月13日(金)17:00~18:40 東京弁護士会館10階 1006
(東京都千代田区霞が関1-1-3)
主催 福島原発告訴団 TEL 080-5739-7279 Mail info@1fkokuso.org ━━━━━━━
┏┓
┗■1.福島原発告訴団 弁護団声明 2013年9月10日
│<< 福島地検から東京地検への移送は、違法! >>
│ 何の津波対策もとらなかった東電幹部不起訴はあり得ない
│ -検察庁による不起訴理由の公表を受けて-
└────(福島原発告訴団弁護団 Blogより)
弁護団声明 全文:
https://docs.google.com/file/d/0BzG0nuqlnIlJeUVrQkpJY1l1N1k/edit?usp=sharing
1 不起訴処分
9月9日福島原発事故について、約14716人が東京電力役員・原子力安
全委員会、保安院、・福島県健康管理アドバイザーら相手取って、福島地検に
対しておこなっていた告訴・告発について、事件を突如として東京地検に移送
した上で、東京地検で不起訴とする処分がなされた。なお、告訴団は、政府関
係者も多数告発しているが、菅首相ら政治家は一人として告訴していないこと
を明記しておく。検察当局による、福島県民が菅首相らを告訴しているという、
不正確な報道へのミスリードには目に余るものがある。報道機関は正確な報道
に心がけてもらいたい。
2 福島地検から東京地検への移送は違法
まず、これまで検察庁は我々に対して、告訴団の行った告訴・告発について
は福島地検で処分を行うことを繰り返し約束していた。8月26日にも、我々
は、この方針を東京地検に確認している。このような約束に反し、事件を突然
東京に移送して一括して東京地検で処分した理由は、我々の福島検察審査会へ
の申立を妨害することを唯一の目的とするものと言わなければならない。
検察審査会制度は、「公訴権の実行に関し民意を反映させてその適正を図る
ため」の制度である(同法1条)。福島で起きた災害について、等しく被害を
うけた福島県民によって構成される検察審査会の民意によって不起訴処分の適
否を判断してもらいたいという要望は、当然のものである。検察庁は、もしも
自らの処分に自信があるなら、この不起訴の理由を福島検察審査会の場でこそ、
説明すべきであった。
オリンピック報道の狭間を狙い、きちんと報道をさせない日程を狙ったとし
か思えない、タイミングといい、検察庁の事件処理は、政治的であり、フェア
なものといえない。
まさしく、検察庁の本件に対する捜査は、「名ばかり捜査・被告訴人への思
いやり捜査・なれ合い捜査」であったといわざるを得ない。
このような、告訴人らの地元検察審査会への申立を妨害する意図に基づく事
件移送は裁量権の逸脱であって違法であり、無効である。我々は、移送の違法
性を根拠として、この事件の審査を事故によって被害を受けた福島県民の民意
が反映できる福島検察審査会で審理すべきことを訴えていきたい。
3 不起訴理由
我々には、不起訴の理由について何の説明もなされていないが、報道機関に
配布された文書によると東京電力関係の役員10名については、業務上過失致
死傷、業務上過失激発物破裂については、嫌疑不十分とされた。
不起訴の判断のポイントは、
1) 地震調査研究推進本部による2002年段階での長期評価において、福
島県沖を含む三陸沖から房総沖に欠けて、明治三陸地震の規模の津波地震
が発生する可能性があるとされた。しかし、この長期評価自体に予測を裏
付けるデータが十分にないことに留意すべきと付記され、津波評価技術で
は福島県沖海溝沿いに津波地震を想定しないこととされていた。
2) また、東電が2008年に津波高さ15.7メートルと試算していた点
についても、試算結果の数値どおりの津波の襲来を具体的に予見すること
が可能であったとは認められない。