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たんぽぽ舎です。【TMM:No2330】
2014年11月11日(火)地震と原発事故情報-6つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.<カマキリ>がいなくなった・・・おんぶバッタは雄ばかり、蟻も激減した。
―身のまわりに存在する放射能―東電福島事故後の小動物
奥野節子(たんぽぽ舎会員 再稼働阻止全国ネットワーク)
★2.たんぽぽの皆さん今晩は毎日メィルが届くのを楽しみにしている飯舘村の安齋です
★3.伊藤鹿児島県知事が、民意を無視し、川内原発再稼働の受け入れを表明した日
金曜官邸前抗議で、「大人の責任回避」「責任の押し付け合い」を憂う
11/7 第125回金曜官邸前抗議行動に参加して
渡辺秀之(たんぽぽ舎ボランティア)
★4.福島第一原発の状況
11月7日の金曜行動でスピーチした内容です。
春橋哲史
★5.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
◆ 被ばく労働を考えるネットワーク 結成2年 11.29 報告集会
★6.新聞より3つ
◆ 鹿児島県庁前には400人集結 「知事責任負う気ない」(11月8日東京新聞より)
◆敦賀市、原電寄付報告せず 要望受け2年間15億円 (11月6日東京新聞より抜粋)
◆ 東電に人件費など請求、放射線柏市対策 ADR申し立て検討も(11月8日毎日新聞より抜粋)
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┗■1.<カマキリ>がいなくなった・・・おんぶバッタは雄ばかり、蟻も激減した。
| ―身のまわりに存在する放射能―東電福島事故後の小動物
└──── 奥野節子(たんぽぽ舎会員 再稼働阻止全国ネットワーク)
毎年庭で出会えるカマキリが2011年以降、そして今年も又見ることはできなかった。4年間、おんぶバッタも雄ばかり、蟻も激減している。近くの湿地帯では、激やせ女郎ぐもばかり。(神奈川県鎌倉市)
気持ち悪いほど太った女郎ぐもがたくさんいた庭でも今年は、1-2匹は見たが、おおきい網は1つもいなかった。
エサ(虫)が少なくなったせいか、鳥も少なくなったように思う。2011年3・11東電福島第一原発の4基の事故で放射能が大量放出されて以降は、身のまわりの動植物に異変が生じていると思うことが少なからずある。
きくところによると、サクラと環境原発放射能調査(主催は、たんぽぽ舎サクラ調査ネットワーク)でも、3・11福島原発事故以後にいくつもの異変があらわれているという。
☆身近なこと、健康など、もしかしたら「放射能」と思うことがあったら、あなたもたんぽぽ舎へメールなりFaxを送りませんか。
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┗■2.たんぽぽの皆さん今晩は毎日メィルが届くのを楽しみにしている
| 飯舘村の安齋です
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○九州、地元、全国の皆さんが反対しているにもかかわらず聴く耳をもたず原発再稼働にまえのめりの原発村、安倍、経産、国、県、薩摩川内市、福島原発事故は世界史最大最悪の原発事故なのに、福島の皆さん原発事故による汚染被曝、避難を余儀なくしている皆さんを泥足で踏みつける原発村。
避難生活が4年になろうとしています。
借り上げ住宅、四畳半の狭い仮設ぐらし避難している皆さんの体調にも異常が見られます仮設で独り寂しく亡くなる方もいます。
原発事故がなければ、生まれ育った故郷で家族可愛いお孫さんに看取られて天国に旅立つのが人生の花ですよね。
○安全、安心、クリーン、電気代はやすく壊れない、でも大事故が起きました。責任を取らずに逃げ回る、国、原発村。 県民、地元住民の皆さんに正確な情報も伝えずに被曝をさせた国、県、行政。
自分たちは何か悪い事でもしたのでしょうかね。
今の子どもさんは原発事故にたいしては大人の行動を厳しい目で見ていますよ。
自分も原発事故前は、医師要らず、薬要らずで飯館村で暮らしていましたが、4年近い避難により、脳こうそく、心筋こうそくになりました、でもまだ生きていますよ。
○原発再稼働を止める手段はまだありますよ。
全国の皆さんと手を繋ぎ再稼働は許さない。
福島の子どもさんを見捨てないでください。
全国の皆さんにお願いします。
福島から、あんざいです。
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┗■3.伊藤鹿児島県知事が、民意を無視し、川内原発再稼働の受け入れを表明した日
| 金曜官邸前抗議で、「大人の責任回避」「責任の押し付け合い」を憂う
| 11/7 第125回金曜官邸前抗議行動に参加して
└──── 渡辺秀之(たんぽぽ舎ボランティア)
○11月7日(金)、恒例の金曜首相官邸前抗議行動が行われました。「再稼働反対」の多くの民意を無視し、伊藤祐一郎:鹿児島県知事が、九州電力川内原発再稼働の受け入れを表明したとのニュースが流れています。
今日も、様々な人たちが、多彩なスタイルで抗議しています。常連の方の思いを紹介します。
(1)千葉県在住の89歳の男性。小気味よく響く拍子木を叩く。昭和20年に徴兵検査を受け、8月25日に入営予定だった。ところが、8月15日に終戦となり、兵隊にならずに済んだ。大人の責任として、長らえた命を反原発・脱原発に捧げている。
(2)都内在住の60代の女性。川内原発再稼働を審議する鹿児島県議会傍聴のため、11月5~7日鹿児島へ行った。11月7日午後の飛行機で帰京。ちょっと休憩後、金曜官邸前抗議に駆け付けた。次世代の子供たちへの当然の責任と語る。
○作家・村上春樹氏は、毎日新聞(11/3付)のインタビューで、次のように述べた。
『…僕は日本の抱える問題に、共通して「自己責任の回避」があると感じます。45年の終戦に関しても2011年の福島第一原発事故に関しても、誰も本当に責任を取っていない。そういう気がするんです。例えば、終戦後は結局、誰も悪くないということになってしまった。悪かったのは軍閥で、天皇もいいように利用され、国民もみんなだまされて、ひどい目に遭ったと。犠牲者に、被害者になってしまっています。それでは中国の人も、韓国・朝鮮の人も怒りますよね。日本人には自分たちが加害者でもあったという発想が基本的に希薄だし、その傾向はますます強くなっているように思います。原発の問題にしても、誰が加害者であるかということが真剣は追及されていない。もちろん加害者と被害者が入り乱れているということはあるんだけど、このままでいけば「地震と津波が最大の加害者で、あとはみんな被害者だった」みたいなことで収まってしまいかねない。戦争の時と同じように。それが一番心配なことです。…』
○九州電力川内原発の再稼働にあたり、原子力規制委員会、安倍首相、薩摩川内市長、鹿児島県知事など再稼働を認める方々から伝わってくるのは、責任回避のため言い訳、責任の押し付け合いだけである。「大人の責任回避」は、日本人の習性なのだろうか。
○東電福島第一原発事故を風化させないためにも、私たちは抗議の声、知恵、力を出して行きましょう。
あせらず、あわてず、あきらめず。
私たちは、“福島”を忘れない。原発再稼働を許さない。
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┗■3.川内原発と「地元」合意
| 3.11以前と変わらぬご都合主義 その2
| 東電姉川常務は「原発の30キロ圏内の自治体の理解がなければ再稼働させるには十分ではない」と答えた
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
○ 前回、再稼働の同意が必要な地元は3.11以後は30キロまで拡大されたとすべきと書いたところ、意外な人物が同じ意見を表明していることを知った。
その人物とは、東京電力の姉川尚史常務である。
6日の衆院原子力問題調査特別委員会で菅直人元首相の質問に対して東電姉川常務は「原発の30キロ圏内の自治体の理解がなければ、再稼働させるには十分ではない」と答えた。
菅直人氏のブログに、詳しくやりとりが掲載されているが、このことを報じているのは今のところ中日新聞と東京新聞だけ。
国会の委員会でやりとりされているのに報じられない現実に、政権の意向に逆らわないことにした大手新聞などの腰砕けぶりを見る。言うまでもなく朝日新聞バッシングがこういうところで効いてくるわけだ。
「川内原発再稼動に地元同意」などと打っている新聞社が多数で、そんな記者よりも東電の常務のほうがまともな感覚なのだから、いつまでたっても原子力利権構造はなくならない。まったく悪質な世論誘導としか言いようがない。
○ 電源立地地域対策交付金が振り込まれる鹿児島県や薩摩川内市は、今後も莫大な経済的利益が約束されている。例えば薩摩川内市の場合、一人一人の市民が血が出るような苦労をして納める個人住民税(47億円)よりも、原発一つからくる収入(核燃料税39億円+交付金13億円+固定資産税α*)のほうが大きくなってしまう。原発の固定資産税や核燃料税を積み上げれば、そうなる。こんな金に物を言わせる手法で、地方議会や住民の多くを黙らせてきた。その「見返り」が何であるのか、福島第一原発事故が起きた今でさえ、全く理解されていない。
「事故があるだろうが再稼働は賛成」が世論調査で56%を占める(*参照)という、倒錯した主張の台頭が見て取れる。福島第一と同じことが起きても、被害は遙かに小さくて済むという理解のようだ。そんな根拠はどこにもないが。
○ 原発からくる利益は言うなれば電気代や税金のキックバックだ。市民の電気代と税金から支払われている。反対も賛成も関係なく全国民が「収入に応じて」徴収されている。一方、事故が起きれば反対も賛成もなく放射能は襲いかかる。量の違いは距離が近ければ多分、気象条件など偶然の要素だけだろう。ただし、原発からの利益は、等しくもたらされるわけではない。原発からの利益は原子力ムラなどに厚く、つまり「階級的に」もたらされる。
特に「階級社会」と一番無縁な人々、自然と共に暮らす人々には、放射能は最も過酷な災厄をもたらす。もとより市境も県境も関係ない。
日々を身の丈に合った、自然と共生する暮らしを続け、誰をも搾取せず、誰からも搾取されず、化学肥料や農薬を出来るだけ使わず、自然の土壌や自然の恵みを大切にする暮らしをしている人々が、最も過酷な目に遭わされる。それは福島第一原発事故の大きな教訓ではなかったのか。
*鹿児島県や薩摩川内市の原発マネーについては広島の西塔フミコさんの紹介された7日の「広島2人デモ」のチラシを参考にしました。チラシは原発の「立地自治体」の範囲をテーマとするものですので、ご一読をお勧めします。
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20141107.pdf
*NHKニュース川内原発再稼働 世論調査の賛否は(11月7日19時21分)より
NHKが行った世論調査で、鹿児島県にある川内原子力発電所の再稼働について尋ねたところ、地元・薩摩川内市では、「賛成」「どちらかといえば賛成」が49%で、「反対」「どちらかといえば反対」が44%でした。
事故のおそれについては、再稼働に「賛成」「どちらかといえば賛成」と答えた人でも、半数以上の56%が「大いにあると思う」「ある程度あると思う」と答えています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141107/k10013034601000.html
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┗■4.原子力規制委員会の川内原発再稼働許可は違法だ!
| 11/7原子力規制委員会あて「異議申し立て書」提出
└──── 冨塚元夫(たんぽぽ舎ボランティア)
1.11月7日(金)午後3時半すぎ市民10数人が原子力規制庁で規制委員会あてに川内原発設置許可処分に対する「異議申し立て書」を提出しました。
2.3時前から市民十数人(原子力規制を監視する市民の会、原発を考える品川の女たち、たんぽぽ舎など)が規制委員会あてに抗議をしました。
熊本から駆け付けた、原発避難計画を考える水俣の会の永野さんも発言されました。
3.3時半頃に九州から駆け付けた代表の方が到着し、持参したものと東京でこの日集めた「異議申立書」合計1437人分を提出しました。
九州から異議申し立ての総代でもある、鹿児島の鳥原良子さんと福岡の北岡逸人さんが来られました。
規制庁の中桐さんに対し、北岡さんは、「行政不服審査法に基づき川内原発設置基準許可処分に異議申し立てするものであり、総務省に正式な手続き方法を確かめており、速やかに審査・返答するよう」に要求しました。これに対し規制庁の中桐さんはまず確認が必要(手続等に関する形式的確認と内容の確認)だということを繰り返すだけでした。
審査の先延ばしを許さないために監視が必要です。
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┗■5.新聞より
└────
◆柏崎刈羽再稼働 知事「議論せず」
新潟県の泉田裕彦知事は7日、柏崎刈羽原発の再稼働を目指している東京電力との協議について「福島第一原発事故の検証と総括が終わらない限り、再稼働の議論はしない」と述べた。訪問先の経済産業省で記者団の質問に答えた。
泉田知事は、福島第一原発事故後、東電が炉心融解(メルトダウン)を「隠蔽していた」と指摘。「情報を正しく出せない組織と議論はできない。(東電は)本当に原発を運転する資格があるのか」と東電の経営体質を批判し、「(再稼働に向けた)手続きを含め、まったく(議論)できる段階ではない」と話した。
鹿児島県の伊藤祐一郎知事が同日、九州電力川内原発の再稼働に同意したことに関してはコメントを避けた。
たんぽぽ舎です。【TMM:No2329】
2014年11月10日(月)その2 地震と原発事故情報-5つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.鹿児島県議会・野次アラカルト-3日間の活動-民主主義って何だ?
福島、富山、伊方など全国から仲間が駆けつけてきている
山田洋子(たんぽぽ舎会員)
★2.気に入らない専門家の意見は無視 安倍政権を支える「第三者委員会」
本当にたちの悪い原発推進組織だ 再稼働の適合性審査結果は全く信用できない
原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その26
木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
★3.川内原発と「地元」合意
3.11以前と変わらぬご都合主義 その2
東電姉川常務は「原発の30キロ圏内の自治体の理解がなければ再稼働させるには十分ではない」と答えた
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★4.原子力規制委員会の川内原発再稼働許可は違法だ!
11/7原子力規制委員会あて「異議申し立て書」提出
冨塚元夫(たんぽぽ舎ボランティア)
★5.新聞より
◆柏崎刈羽再稼働 知事「議論せず」 (11月8日東京新聞より)
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※「戦争させない・9条壊すな!11.11総がかり国会行動」に集ろう!
たんぽぽ舎は明日(11日)の行動において
『「戦争する国」絶対反対! 原発並べて戦争できない!』という、
2つのアピールを行います。
「集団的自衛権」を容認する安倍政権に対し、それぞれの思いを込めた
プラカード、メッセージを携えて原発NOの立場で抗議の声をあげましょう
国会包囲行動にご参加ください。
日時:11月11日(火)18時30分~20時
場所:国会議事堂周辺(4方向から国会を取り囲み抗議の声を上げます)
主催:戦争をさせない1000人委員会
解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会
▲たんぽぽ舎は17時テントひろば前に集合し、17時30分過ぎより
チラシ配布を始めます
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┗■1.鹿児島県議会・野次アラカルト-3日間の活動-民主主義って何だ?
| 福島、富山、伊方など全国から仲間が駆けつけてきている
└──── 山田洋子(たんぽぽ舎会員)
○鹿児島到着は11月5日の午後だった。福島、富山、伊方など全国から仲間が駆けつけてきている。
私には原発の知識も社会科学の知見もあまりない。あるのは大声と、楽器替わりの鐘とステックだ。ギターや太鼓やベルなどの鳴り物を携えてきた仲間もいる。
3時から再開された臨時県議会の傍聴席に夫と共にいた。「世界最高水準の規制に適合した原発、国が責任、安全・・」ちゃんチャラ可笑しい。思わず高笑いをしてしまった。席に着くまでは品よく、知的であろうと思っていたが、日頃控えめな仲間が美しい声で「おかしくありませんか」等と凛と叫ぶのをきいて、私は濁声で「もっと勉強してこい」「責任とれないくせに」・罵声を飛ばし始めた。
今まで何度もフクシマの仮設を訪れているし、事故前から付き合いのある浪江町津島の住人だった老人の近況も知っている。「戻れるか果たして、いつの日か戻れるか。放射能降り積もる我が故郷・・」歌(望郷)より。「推進派の輩には福島の人々の生活をめちゃくちゃにし、その上に被爆までさせてしまったという罪悪感はないのかチクショウ」と怒りが込み上げてきた。
県庁職員が近づいてきて「お静かに」と言ったが・・。議長は誰かを指さして退場を命じたが、待機している職員には議長の指さす人物が特定できず、より騒然となった。
○2日目の11月6日。朝8時から県庁近くのバス停などでチラシを配った。
9時から県庁前抗議集会が始まり、10時からの特別委員会には、県外の傍聴者は4名に限られ、他は音声だけのモニター室での傍聴となった。入口が県庁職員によって封鎖された庁舎の前では県内外から大勢集まってきて抗議行動が続けられた。スピーチ、シュプレヒコール、全国各地から寄せられた原発反対の寄せ書きやイラストや友禅の絵布がロープに繋がれ、桜島の火山灰がうっすらと振り落ちたタイルの上に二筋に並べられた。私たちは委員会が続く間中、音や声を送り続けた。中にいる仲間からは「しっかり声が届いている」との知らせが入った。元気な若者がアップテンポでシュプレヒコールをリードしてくれた。地元の3人の若いアーテストが駆けつけ、ベニヤ板のキャンバスに向かった。彼らなりの方法で「再稼働反対」を訴えたかったのだろう。何度も委員会が延長された。夜も更けた。
体を動かし声や音を出しているうちに、議会棟の入り口で二重、三重に直立で警備している多くの職員と県内外から駆けつけた仲間たちとでライブが行われているような錯覚を覚えた。倒れるまで自分の声を出して終わろうと考えた。道路を隔てて病院があったので拡声器や鳴り物は控えたが。プロの歌、何人かのギター、替え歌、静かなトーク。
抗議行動の最中、国会議員の辻本清美氏、官直人氏からメッセージが入った。衆議院委員会での東電常務の再稼働に関する30キロ圏自治体理解の発言であった。
夫を操るだけの箱入り婆である私は、火山学会の発言や東電常務発言に一縷の望みを賭けていた。そして大きな濁声でドンパン節の替え歌まで歌った。0時過ぎに委員会での採決が終わり、奮闘して下さった松崎県議を交え記者会見が行われた。14時間を超える抗議行動をひとまず終え、ホテルにたどり着いたのは夜中の1時をとうに過ぎていた。
○3日目の11月7日、朝7時前の起床は辛かった。70年間もチータラ生きてきたのだから今日位は真剣に生きようと思った。10時に傍聴席に着いた。本会議が始まった。
3人の反対討論がなされたが、答弁は耳ダコである。まるで親が子供を初めてのお使いに出す時のように指図されていると感じた。下手に自分の意見を出してつつかれないようにと同じ文言を繰り返す。まさにアンダーコントロールであった。「自分の頭で考えろ」「何がほしいのか」そのうち疲れてきて頓珍漢なヤジも飛ばした。終わりころ議長が「自民党・・公明党・・」と言ったので腹の底から「南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経」と学会のお題目を唱えた。
そのうちざわついてきた。優しいピンク色の字で書かれた「川内原発再稼働 NO」の紙をほぼ全員が両手で掲げ、「再稼働反対」と叫び続けた。
私は思った「民主主義って何だ?」
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┗■2.気に入らない専門家の意見は無視 安倍政権を支える「第三者委員会」
| 本当にたちの悪い原発推進組織だ 再稼働の適合性審査結果は全く信用できない
| 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その26
└──── 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
○ 原子力規制委員会設置法にあるように「専門的知見に基づき中立公正な立場で独立して職権を行使する」べき委員会だが、5人のうち4人が「原子力マフィア」出身者で構成されている。信用できないのは当たり前。
先日の記者会見では、破砕帯調査と再稼働審査との関係でも、産経やNHKの記者の質問に対して、またまたおかしな返答をした。
○<10月28日規制庁ブリーフィング>
(産経記者)破砕帯の結果が出るまでは本格審査は入らないというところまでは決まっていたかと思うんですけれども。…。東通に限らず、一般的に敷地内に活断層があるとした場合に、審査はどうなるかというところをお伺いしたいんですけれども。
・米谷総務課長 有識者会合の評価と、それから、審査というものは別物であるというふうに私は理解をしております。
……(NHK記者)これは本当でしょうか。有識者会合で白黒つけた結論を全くゼロベースでもう一回審査で一からやるというのは、余り通常考えられない気がするんですけれども、そういう認識で本当によろしいんでしょうか。
・米谷総務課長 私の認識はそうでございます。
○<10月29日委員長記者会見>
(産経記者)東通に限らず、破砕帯、今、6箇所で調査されていますが、破砕帯で出てきた評価内容と、現状行われている新規制基準の適合性審査というのは別物と考えていいのか。
・田中委員長 要するに、有識者会合による調査というのはあくまでも参考データ、参考なのですね。それで、法的に言うと事業者は申請をし、それに対して我々が審査をして判断をするというのが1つの行政の仕組みですから、そういうことになると思います。
ただ、有識者会合の判断というのは、それなりの重みを持って我々は参考にしなければいけないと思うし、これはごく当然だと思うのですけれども。
○ 要するに、有識者の意見を尊重する(ふりをする)が、判断するのは我々規制委だと第三者委員会を振りかざす。
それゆえに、火山学者の主張を無視して川内原発に合格証を出して「楽観的過ぎる」と酷評されても、基準地震動の扱いで石橋克彦氏から川内原発の審査は違法だと指摘されても、知らぬ顔をする。イチエフ事故原因についても「地震で起きた可能性」を指摘する専門家を除いて「原子力ムラ」専門家のみで討論して地震原因説を排除する中間報告書を決定したのだ。
一方、国会に呼ばれたら田中委員長は安倍政権に寄り添って再稼働を応援する答弁に終始して「第三者」はどこかに吹っ飛んでいる。
本当にたちの悪い原発推進組織だ。再稼働の適合性審査結果は全く信用できない。
3.九州の特殊性
九州は、巨大火山活動だけでなく、地殻が引っ張られる力が活動する地域となっている(地殻応力が伸張場)。このような地域では、どこでも火山が誕生する可能性がある。この火山活動は、日本海側の石川県金沢市付近から山口県萩市周辺・北九州そして五島列島まで線状に分布している。九州の北西部では数十万年前に非常に活発な火山活動していた。多くは小型単成火山で、ハワイ島のような噴火をして、1日から数ヶ月間の非常に短期間で形成された。これらの火山は、独立である場合もあれば、いくつかが線状に群となるときもある。そして、火山が今まで無かったところに突然噴火が起こることもあり、ノーマークとなっている。火山活動は小型で噴火規模も小さいので危険視されないが、原発の近くで生じることもある。玄海原発はこのような地殻運動を生じる地域に接近している。
さらに、海域での火山の誕生やそれによる火山が大規模に崖崩れして、津波も発生する。地震による津波が注目されるが、火山の崖崩れは、時速150kmくらいの速さで流下し、到達距離は崩壊の発生した標高の10倍から20倍の距離になる。江戸時代に長崎県島原で発生した火山体崩壊で大津波が熊本県有明海沿岸に押し寄せ、多くの犠牲者が出た。また、1741年に北海道渡島大島の噴火で大崩壊が生じ、大津波が発生している。巨大噴火ばかりでなく、小型の噴火活動に対しても注意を払うべきである。
いずれにしても、私たちが生きている間に甚大な災害を生じる火山活動を経験すると考え、想像した方がよい。火山噴火のような過酷な自然現象の発生は非常に稀だが、その発生が数年後になるのか、数万年後になるのか、現代科学ではわからない。そして発生したら大きな災害をもたらす。
一方、原子力発電所の稼働期間は数十年、使用済み燃料や核廃棄物の保管期間は数万年だが、原子力発電所の事業者は原子力発電所の稼働供用期間のたかだか数十年間という時間スケールで、このような過酷な自然現象に対する原子力発電所の安全性の確保を考えている。ここが、原子力発電所事業者の考え方(政府の考えも)と科学者の常識との間の大きなずれというか、根本的な視点の違いがある。日本は、東側がプレートの沈み込み帯となって地殻がほぼ東西方向に圧縮され(圧縮場)、一方、九州の西側では逆に地殻が裂ける力が働いていて(伸張場)、極めて不安定で、活発な地殻変動地域である。どこにも安定した地域が無いのが原子力発電所にとって不幸なことである。
*伸張場・・・プレートが衝突する場所では地殻が圧縮されて圧縮場となる。日本の太平洋岸が相当する。その結果、3・11の地震が生じた。一方、日本海側や東シナ海では左右に地殻が広がる力が働き、伸張場となっている。そこでは壱岐・五島列島・韓国チェジュ島など単成火山が生じている。
4.火山灰について
火砕流だけでなく、火山灰の問題も深刻である。降下火山灰の厚みが10cm以上になれば、すべてのライフラインは失われ、原子力発電所にとって最重要な冷却水の供給が困難となろう。江戸時代、富士山が噴火したとき、江戸で数cmの火山灰が積もった。現代社会は、そのような大噴火を経験していないが、規模の小さい噴火活動は、既に多くの火山周辺で経験している。大規模な自然現象が生じ、過酷な災害となる可能性のある日本では、広域の避難は不可能となる。また、大規模災害発生時には、原子力発電所はそのまま放置されることとなる。こんなことは許されない。
たんぽぽ舎です。【TMM:No2328】
2014年11月10日(月)地震と原発事故情報-2つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.抗議声明
川内原発再稼働阻止の闘いは終わっていない
今後も現地の人々と連帯し「原発の国・日本」へ向かう道に
抗し、もてる全力で闘う たんぽぽ舎
★2.『原発と火山』
モニタリングで火山活動の予測は不可能
火山灰が10cm以上になれば原発の冷却水の供給は困難
火山物理学者 須藤靖明(九州在住)
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┗■1.抗議声明
| 川内原発再稼働阻止の闘いは終わっていない
| 今後も現地の人々と連帯し「原発の国・日本」へ向かう道に
| 抗し、もてる全力で闘う
└──── たんぽぽ舎
○川内原発の再稼働に「同意」した鹿児島県議会・薩摩川内市議会及び伊藤祐
一郎知事、岩切秀雄市長に抗議する。再稼働に賛成・支持を表明した人には、
今後、川内原発が事故を起こした際には責任を取る覚悟があるとは思えない。
住民の命と経済活動を天秤に掛け、目先の利益追求を優先させたと理解する。
○ 11月7日未明、鹿児島県議会は傍聴者の「再稼働反対」の声と、心ある県
議会議員の強い反対の主張を押し切り、川内原発の再稼働に賛成する陳情1本
を可決した。31本にものぼる、反対や懸念の声が込められた陳情は、いずれも
「少数否決」。これを受け、伊藤祐一郎知事が「川内原発の再稼働については
やむを得ない」と、再稼働に同意する記者会見を開いた。
福島原発震災は今も進行中であり、破壊され崩れ落ちた核燃料の姿すら見る
ことも出来ない有様だ。現在も大量の汚染水が日々漏れ出し続け、それを止め
る手立てもない。また、今後も20mを遙かに超える巨大な津波に襲われる可能
性があることが明らかで、その際には原発の地下にある何万トンもの放射能の
固まりが海に流れ出し、これが第二の福島震災を引き起こす危険性さえ指摘さ
れている。
原発災害を繰り返さないための方法論さえ確立してはいない。原発の稼働ど
ころか、原因究明も収束の見通しもできない現実の前に、何を持って再稼働が
出来る根拠となるのか。
川内原発は30キロ圏内に21万人以上の住民が居る。避難計画も策定不可能、
わずかに指定されている「避難所」「避難路」すら、地震や津波があれば
寸断されることが明白だ。実効性の無い避難計画は原発事故があれば、たちど
ころに住民被曝を引き起こす。要援護者に至っては、「避難させない」などと、
非人道的対応すら公言している。要援護者と施設従業員や管理者を残したまま
「逃げる」など、そもそも「原子力防災計画」の名に値しない。
日本火山学会は11月3日に、規制委員会の定めた火山影響評価ガイドライン
について、モニタリングによる巨大噴火の予測自体が不可能または困難である
として、ガイドラインの見直しを提言している。県や市が同意する前に翻意を
期待しての提言さえ無視してしまった。多数の火山により形成された自然環境
のもとに生きてきた鹿児島県や九州の人々にとって、このことが何を意味する
のかを、よくよく考えなければならない。
「巨大噴火が起きる前には何十年も前に前兆現象が起き、それを感知すれば
原子炉を停止して核燃料を運び出すことが出来る」。こんな荒唐無稽な前提で
原発を再稼働することが、如何に自然災害を軽視してギャンブル同然の行為で
あるかを一番良く理解しているのが火山地帯に住む人々だったのではないか。
火山灰が降り注げば、電気設備で安全を維持している原発が、どれだけ危険に
さらされるかを日常的に知っているのが火山のふもとに住む人々ではなかった
のか。
川内原発は、まだ稼働したわけではない。使用前検査が終わらなければ原発
が動かせる段階にはならない。耐震性は設計どおりか、安全設備は設計性能を
有しているのか、そういった検査が終わっていなければ、そもそも再稼働の是
非を論ずることさえ出来ないはずだった。
川内原発の再稼働は、単に1つの原発を動かすことではない。今後、関西電
力高浜原発などに結びつく。東電福島第一原発事故のあと、3年7ヵ月余、
「実質原発なし」でやってきた日本が再び「原発の国・日本」に戻ることをイ
ミする。
地震・津波・火山の活発期に入った日本で原発をたくさん再稼働する道は日
本滅亡への道である。この道はなんとしてでも阻止したい。
たんぽぽ舎は、2年前4つの団体・多くの個人と共に「再稼働阻止全国ネッ
トワーク」を結成し、この2年間、全国の原発現地の人々とつながって、再稼
働阻止を、持てる全力で闘ってきた。「再稼働阻止全国ネットワーク」を軸に
川内原発へも昨年から今年にかけて、数回のべ数百人の大衆動員で鹿児島へ行
き、九州現地の人々と連帯して闘ってきた。
東京では、九州電力東京支店抗議・申し入れ(100から200人、5回)や原子力
規制委員会抗議(毎月1回)、毎週の金曜官邸前抗議行動での川内原発再稼働阻
止ビラの配布などの活動を続けてきた。
この闘いをさらに広く、鋭くして、11月、12月、2015年1月、2月、3月を
大衆行動で闘い抜く。
川内原発の保安規定に基づく審査は終わっていない。さらに、火山噴火災害
に際してのモニタリングや核燃料搬出方針などといった安全確保策は検討さえ
終わっていない。これからも全国の運動をてこにして川内原発の再稼働を止め
るために結集しよう。 2014年11月9日
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┗■2.『原発と火山』
| モニタリングで火山活動の予測は不可能
| 火山灰が10cm以上になれば原発の冷却水の供給は困難
└──── 火山物理学者 須藤靖明(九州在住)
私が「地球科学からの警告 原発と火山」という冊子を書いたのは1年前であった。原発にとって火山噴火現象によるリスクが特に九州では無視できないと思ったからである。当時は少数の火山学者の発言があったが、この課題はあまり注目されていなかった。しかし、遅ればせながらあわてて日本火山学会も学会としてこの問題についての委員会を立ち上げたが、規制委員会の田中委員長をして「今更、言われても本意でない、夜も寝ないで観測してもらわないと困るんだよ」と言わしめた。地震と原発は3・11以後大きな注目を集めたのとは対称的だ。川内原発の再稼働を鹿児島県・薩摩川内市が受け入れ、再稼働が迫ってきた今日、火山島九州には大きな原発が2カ所にあり、また影響を受ける四国の原発も近くにあり、今一度原発と火山について述べたい。
1.自然現象と原発
原子力発電所事業者は、過去の大規模火山活動の痕跡が原発敷地とその周辺にないので、原発の稼働供用期間(数十年間)は安全であると言う。この考え方は、災害対策の一般論となっている「自然現象への対策を考える場合、歴史や痕跡のあるものの中で最大のものに対する備えを行う」という既往最大論から導かれたものだ。この結果、9万年前の阿蘇カルデラ形成時の大火砕流の痕跡が原発の敷地内及び周辺に見いだせないから、火砕流に対する備えは必要ないということになる。
しかし、現在、痕跡が見いだせないという調査結果は、安心材料にも不安材料にもなる。現在見いだせないだけで、過去には実際に存在していたかもしれない。原発の場合、最悪の場合はどうなるかを当然考えるべきである。川内原発では、3万年前の姶良カルデラ形成時と同じような火砕流が流れ込んでくることは、十分想定できる。
*火砕流・・・高温の岩片と火山ガスが混合し高速で流下する現象で、堆積したものを火砕流堆積物という。大規模なものは軽石を含み、軽石流という。高温で堆積し、圧密を受けると溶結凝灰岩となる。九州は多くの火砕流堆積物で覆われている。
2.モニタリングで火山活動の予測は不可能
原子力発電所事業者は、現在、大規模なマグマ溜まりの存在の兆候が無いので安全であるが、念のため、将来の巨大な火山活動に対する備えとして、モニタリングを行って対策を立てるとしている。未曾有の災害を生じさせた東北地方太平洋沖地震の教訓で分かるように、地震の発生を予知することは現段階では不可能である。火山噴火は地震活動と比べ、観測網が比較的充実しているので予測は少しは可能となっているが、火山活動の形態・推移はもちろん活動規模までの予測は不可能であるのが現状だ。つまり、モニタリングでは噴火を予測することが分からない。ある現象が前兆らしいと分かるのは、噴火活動が始まってからである。一歩譲って、前兆と判断されたとしても、既に時間的余裕がなく、予測が出来なかったことと同じとなる。また、前兆現象を前兆として把握できるかどうか、把握出来ることもあるが、出来ないことの方が多い。噴火が起こってから前兆だったことになるのが多くの場合だ。火山活動が進行中では大規模な活動に移行するかどうかの判断は、極めて難しい。
大噴火がやがて起こるかもしれない、大噴火に移行するかもしれないと考え、警戒を強めることは重要であるが、現代の社会システムが不確実なことに対応できるかどうかは非常に疑問だ。まして、原発のような簡単に止めたり稼働したりするのに多くの時間が掛かる場合は困難であろう。もっと言えば、我々は、巨大火山噴火活動を経験していないので、また、巨大噴火を近代的な物理学的観測でとらえた例もないので、モニタリングを考慮していると言っても安全対策にはならない。現在の予知技術は、これまでのたかだか数十年の観測経験に基づいている。経験しない破局的噴火を予測することは不可能と言わざるを得ない。一方、それを経験してからでは既に遅すぎ間に合わない。
*モニタリング・・・噴火を予測するために、事前にマグマの供給量(山体膨張・収縮=地盤変動)・その動き(上昇速度と量・マグマの総量)・その中の揮発性物質の量(爆発力大小)・地殻の強度(地震)などを検知するために、地震・地磁気・地殻変動・重力・火山ガス・地下水温度と組成などを観測すること。