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たんぽぽ舎です。【TMM:No1300】
                               転送歓迎
 
         ◆ 地震と原発事故情報 その285 ◆
          4つの情報をお知らせします(1月4日)
 
    12月25日、九州電力玄海4号機が定期検査で停止、
    日本の稼働している原発は6基、全原発停止へあと一歩
 
 
★1.国・事故調の中間報告と問題点
     原発事故、人災で拡大=東電の事故後対応極めて不適切と指摘、
     が、「地震での損傷を認めない」のはおかしく、恣意的な報告書
★2.東京新聞で3人の専門家が批判と注文(12月27日付け)
     「報告書」を国民や世界の疑問に答えていない、
     50点満点なら25点の文章だと、酷評
★3.福島原発事故=調査委「中間報告」の責任問題回避を許さない
     地震による配管破断の事実を隠ぺいした「中間報告」
     事故の要因を狭く切りちぢめた「中間報告」
     「聞き取り重視」を言い訳にした「責任追及」の欠落
★4.テント日誌より
 イ.<テント日誌 12/30(金)>
     年末~年始のイベント始まる オールナイト映画鑑賞会
       ―― 経産省前テントひろば 111日目 ――
 ロ.<テント日誌 12/31(土)>
     テントひろばの盛り上がる熱気  
     様々な思いが交差する中、年は暮れていく  
       ―― 経産省前テントひろば 112日目 ――
 
 
 
★1.国・事故調の中間報告と問題点
     原発事故、人災で拡大=東電の事故後対応極めて不適切と指摘、
     が、「地震での損傷を認めない」のはおかしく、恣意的な報告書
 
 福島第1原発事故をめぐり、国の事故調査・検証委員会(委員長・畑村洋太
郎東京大学名誉教授)は26日、多角的に事故原因を検証する中間報告を公表
した。非常用ディーゼル発電機のほか配電盤も地下に会ったため津波で水没
し、全交流電源喪失を招いたと指摘。吉田昌郎(まさお)所長(当時)ら東京
電力側が、原子炉に注水して冷やす非常用装置が稼働していると誤認して代り
の冷却手段の準備が、被害が拡大した可能性があると述べた。
 
※テレビ朝日系列で12月28日放映された「報道ステーション年末SP メ
ルトダウン5日間の真実」で、詳細な再現が試みられています。ネットで検索
すればご覧になることが出来ると思います。
 
 
★2.東京新聞で3人の専門家が批判と注文(12月27日付け)
     「報告書」を国民や世界の疑問に答えていない、
     50点満点なら25点の文章だと、酷評
 
 公表された中間報告に専門家からは「踏み込みが足りない」「国の方針と擦
り合わせたのでは」との批判や最終報告に向けた注文が相次いだ。
 「事故の教訓を共有しようという視点がなく事実を並べただけで分析が足り
ない。中間報告が50点満点なら25点」と話すのは谷口武俊東大大学院客員
教授(リスク管理)。
 地震による影響の分析、水素爆発の原因、風評被害、自治体の動きへの踏み
込んだ言及がほとんどないことも挙げ「中間報告は事故調の問題意識を裏付け
る情報だけで作られたようだ。反対の証拠もそろえ、分析してこそ事故調査だ
ろう。国民や世界の疑問に答えていない」とばっさり。
 民間の事故調査プロジェクトに加わる東京工業大学の飯尾俊二准教授(核融
合学)は「福島第1原発1~5号機の形式は欠陥が指摘されているが、こうし
たハードウエアの問題がほとんど論じられていない。同じ形式を他の原発でも
採用しているため、原発推進派の意向が反映されたのかもしれない」と指摘す
る。
 報告書の信用性が十分に担保されていないとの意見も。松岡猛宇都宮大学客
員教授(安全工学)は「相手の説明をうのみにしていないか、第三者がチェッ
クできる仕組みが必要だ」と指摘。委員の論議まで非公開とした方針について
「調査に自身があるなら公開すべきだ」と断じた。
 
 
★3.福島原発事故=調査委「中間報告」の責任問題回避を許さない
     地震による配管破断の事実を隠ぺいした「中間報告」
     事故の要因を狭く切りちぢめた「中間報告」
     「聞き取り重視」を言い訳にした「責任追及」の欠落
 
                  立川自衛隊監視テント村 岩下 雅裕
 
 12月26日、政府の事故調査・検証委員会の「中間報告」が公表された。
関係者456人からの聞き取りを行ったとのことで、資料を含め700ページ
を越える膨大なレポートだ。だがそれは、以下の3点で根本的な欠陥を持つ。
 
(1) 事故原因を津波にしぼり、政府・東電の「想定外の事故」という言い分に
  半ば妥協している
(2) 政府の対応の混乱など事故拡大要因も列挙はしているが、全体的に要因分
  析が狭い
(3) 「聞き取り重視」という手法を隠れ蓑に、事故の責任問題に踏み込むこと
  を回避している
 
 実は私は、委員長が畑村洋太郎であることに関心をもち、「中間報告」の内
容にそれなりの期待を持っていた。なぜなら仕事の関係で彼の著書『失敗学の
すすめ』(注1)を読んだことがあり、参考になる点が多かったからだ。だが
今回の報告は、彼の著書の内容も裏切っていると言わざるをえない。
 
●地震による配管破断の事実を隠ぺいした「中間報告」
 
 事故原因に関しては、東電は「中間報告」発表を前にして、事故の直接的原
因は13メートルに及ぶ津波だったと発表していた。これに対し委員会の大勢
は地震説だったという(12/8、ルモンド紙)。吉岡斉委員は、「仮に津波
への防御があったとしても、何も問題が起こらなかったと証明する事実は何も
ない」と述べている。また田中三彦委員は、事故現場の技術者の水位と圧力に
関する生データをベースに、配管系の損傷と冷却水の喪失の可能性を主張して
いた(注2)。この「可能性」は、後に配管損傷レベルと冷却水喪失スピード
のシミュレーションで確かめられた。保安院も「配管の損傷の可能性」を認め
ていた。ところがこの地震説は、「中間報告」公表の1週間前に「踏み込んだ
判断を見送る」こととなり(12/19、中国新聞)、そして結局、なんらの
判断も「中間報告」には見当たらないことになったのである。
 
 いま電力各社からストレステストの報告が上がっており、年明けにはIAE
Aが来日してストレステストの判断を「オーソライズ」する目論見が進んでい
る。また原発立地自治体の3月議会では、原発再稼働への判断が問われること
になろう。そのタイミングで地震説が消え去ったことは、まさに「政治的判
断」というしかない。「中間報告」では、スリーマイルやチェルノブイリの事
故後のことに触れている。安全委員会は92年、「過酷事故対策」の導入を決
めたが、発生の可能性は小さいと電力会社の自主対策に委ねた。地震などの
「外的事象」は対策手法が未確立と、対象にさえしなかったのである。「中間
報告」はそれを批判しつつ、再びこの轍を踏もうとしている。そして過酷事故
を津波被害にしぼり、さらに「非常用冷却だけは守れるようにするのが工学的
に適した設計」と問題を矮小化するのである。「中間報告」は、当事者の
「(設計基準を越える自然災害を)想定しはじめるときりがない」という証言
を採録しているが、それはエンジニアの「認識の甘さ」の問題ではない。その
背後には、政府の原発推進の戦略、資本の原発の経済性確保の意図がある。地
震説の放棄と矮小な工学論議は、「中間報告」の政治的・経済的そして技術的
な屈服を象徴していると言わざるをえない。
 
●事故の要因を狭く切りちぢめた「中間報告」
 
 委員会は原子炉自体の技術者を含まなかったことから、当初「事故原因にテ
クニカルに踏み込めるのか」という危惧が表明されていた。畑村氏の仕事も、
技術そのものというよりは技術管理の分野に属する。それにもかかわらず私は
さきほど、畑村委員長にそれなりの期待感を持っていたと述べた。なぜなら彼
は、『失敗学のすすめ』のなかで「失敗原因の階層性」を力説し、下図(http://yo3only.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2011/12/28/failure.jpg
のような概念を与えていたからである(P63)。それは事故の究明にあた
り、個々人に責任や組織運営上の問題に止まることなく、企業組織・政府・社
会システムにまで原因を深く掘る必要性を論じている。また「未知への遭遇」
(地震・津波などによる過酷事故)に際しては、すべてを止めて一から技術開
発をやり直すこと、またはすべてを放棄することを求めている。
 
 このような概念は企業でいまかなり一般化されており、それにもとづき例え
ば技術開発の場面では通常、FTA (Failure Tree Analysis)という手法で
事故要因の洗い出しと真因の究明が行われる(注3)。その全項目に対し是正
措置が定められ、実行が確認されなければ対策は終了しない(注4)。ところ
が「中間報告」は、6つの層のうち「個々人に責任のある失敗」と「組織運営
不良」のレベルを論ずるだけで、「企業経営不良」以上の層にはほとんど手を
つけていない。そして地震については一方で「未知への遭遇」の層に棚上げし
つつ、すべてを止めて一からやり直す、すべてを放棄するという義務をネグレ
クトしているのである。
 
●「聞き取り重視」を言い訳にした「責任追及」の欠落
 
 この中途半端さはどこから来るのだろうか? 畑村氏は「失敗の当事者から
話を聞きだし、その失敗を知識化するときのコツ」について、「一番大切なの
は、聞き手がいっさい批判をしないことです」と述べている(P134~13
5)。原因の究明に当たり、この聞き取りの「コツ」は必要かつ有効である。
だが是正措置の決定や実行(何故、誰が、何を、どこで、何時までに、いくら
かけて)に当たっては、責任の所在が明確になる必要がある。この「下向」と
「上向」のプロセスがなければ、実際に原発(とその事故)を無くすことがで
きない。しかし委員会は、個々に問題を指摘するだけで責任の所在を明確にす
ることがない。そしてこれは、事故の要因を狭く切り縮めることと関連してい
る。なぜなら失敗原因の上級階層において責任を追及することは、政治的・経
済的・社会的な、歴史的に形成・蓄積された「力」を追及することになるから
だ。また畑村氏の学問的な目的が「失敗を知識化する」ことであることにも関
連している。それはせいぜい、個人や組織が二度と失敗を繰り返さないために
参照するデータベースの構築にすぎず、そもそも責任概念や原発を無くす/無
くさないという判断からは遠くにあろうとしているのである。
 
 畑村創造工学研究所は「失敗知識データベース」を公開している(注5)。
そのなかで「原子力」の分野では31事例があるが、その約3分の1にあたる
10件が様々な要因による配管の損傷と冷却材の漏えいだ(そこからの2次災
害の火災を加えると11件)。これだけの「知識化」が行われながら、「中間
報告」から地震説が消え、配管損傷による冷却水喪失の推定を無視したこと
は、畑村氏の破産を意味している。
 
*********************************
 「中間報告」は、ストレステストや再稼働の動きに対する闘いと並行しなが
ら、徹底的に批判されていく必要があるだろう。私たちは、原発事故の原因と
運動の課題を広く見極め、あらゆる責任者を継続的に追及することで、すべて
の原発の停止と廃炉を目指していきたい。次の闘いのヤマは来年の3/11、
原発事故勃発の1周年の日である。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(注1)講談社刊。最初はハードカバーで出版されたが、05年に文庫版が出
た。引用は文庫版による
(注2)雑誌『科学』9月号、「福島第一原発1号機事故・東電シミュレーシ
ョン解析批判と、地震動による冷却材喪失事故の可能性の検討」。なお『科
学』9月号は品切れとなっている
(注3)関連して、http://yo3only.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/post-eeaf.html 参照
(注4)福島原発事故緊急会議では、いま反/脱原発運動の全課題を整理する
(マトリクス作成)を行っているが、その前提となるのはFTAである
(注5)http://www.sozogaku.com/fkd/index.html 参照
 
 
★4.テント日誌より
 イ.<テント日誌 12/30(金)>
     年末~年始のイベント始まる オールナイト映画鑑賞会
       ―― 経産省前テントひろば 111日目 ――
 
 12月30日(金)快晴、風が強い
 
 「東電、経産省の仕事納めはなりません」の福島の女性たちののべ100名
を超える抗議行動の翌日の早朝、女性テントは、ひとしきり、主の不在である
かのような「館」となっていた。強い風がテントのキャンバスをはためかせ、
記帳窓口を開けようという男テントをわずらわす。いらいらしているスタッフ
のところへ、女性がキャンバスをかき分け、お顔をのぞかせて、「これ皆さん
で、召しあがってください」とのこと。女性のテントの分はもうとってありま
すので、と白い発泡スチロールの箱には、一つ一つ透明なラップでくるんであ
るおにぎりの行列。触ると温かい。女性テントでどの程度とられたのか、分か
りませんが、こちらでも、30個ほどはあった。しょうゆ味に鮭肉がまぶされ
ている。
 
 ある先輩がこうおっしゃっていた。「このテントでは、食べ物の心配はいら
ないよ。じっと待っていれば、誰かが差し入れてくれるから…」こういうこと
か! 暫くして、女性が「鍋はどこで洗いましょう?」。大なべ3つ、パック
3つほど、携えて、ふたりで公園に向かう。さすが、女性のお仕事は、丁寧か
つ速い。
 
 夕刻、おとといさしいれてくれたたんぽぽ舎のSさんが鍋を回収しに来た。
「よごれていてもよかったんだけどね、ポトフの次は、イタリア風のミネスト
ローネ・スープにしてみようかな?」とにかく間に合ってよかった!火器使用
禁止のテントでは、差し入れだけが、本格的食事だ。 
 
 午後、私用で2時間ほど開けて、テントへ帰ると、随分のにぎわい。反原
発・年越しOccupy経産省前テント実行委員会主催の「こんなんじゃ、よい年迎
えらんない99%のための祭り~みんなでつくろう!年末年始大生放送!の舞
台づくりその他で、かいがいしい風情。
 
 ギャラリーも徐々に増えて、一昨日のテント前の抗議集会の勢いが蘇りそう
だ。冷気もひとしおの4時過ぎ、新しいレイバーネットのネット生中継への出
演者が来始めたが、なぜか、寒風に唇ひきむすぶかとおもいきや、ファイトが
微笑を浮かべている。福島の人々への「救援」になんらかの助けになればとい
う祈りと含羞と連帯感のほほえみはよいものだ。キャスター役の女性二人はリ
ハーサルもふくめて6時間、寒風に耐え抜いて、唇も蒼ざめていたのはいたま
しいことではあった。
 
 そのあと、オールナイトの映画鑑賞会が開かれ、女子テントは江戸時代の歌
舞伎場の様だった。ポルトガル、ブラジル、フィリッピン、オーストラリアな
どの男女青年たちから、マスコミでは無理なパーソナル・オーラル・コミュニ
ケーションによって、大切な情報をもらった。
 
 オールナイト映画上映会は、俊英、早川由美子監督の自作「ブライアンと仲
間たち」から始まり、計5番組放映された。コマーシャリズムから自由な、新
しいリアリズム、ドキュメンタリー作品が相次ぎ、新しい年を迎える予習とし
ては、最高だった。早川監督の紹介してくれたブライアンさんは、今年6月亡
くなられたそうです。国会議事堂前で、反戦・平和を訴えるためテント暮らし
を続け、家族にも会いにゆかぬ闘争を敢行した。8年以上家にも帰らず、一日
も休まず、英米政府のテロ撲滅戦争に抗議してきた男とその仲間のドキュメン
タリー映画こそ、このテントで観たいものだった。監督は最後まで、映像放映
のお世話をしてくださった。テント座り込み111日めの告示は、この日、ポ
ルトガルのアーティストが描いてくださった。
 
                               (Q記)
 
 
 ロ.<テント日誌 12/31(土)>
     テントひろばの盛り上がる熱気  
     様々な思いが交差する中、年は暮れていく  
       ―― 経産省前テントひろば 112日目 ――
 
 12月31日(土)快晴、微風。
 
 反原発・年越しOccupy@経産省テント実行委員会主催の「大生放送」のプロ
グラムに、大きく影響される。午前中も昨日の映画祭の影響で、早朝帰宅のか
たが去るまでは、熱気が消えない。いつもの座り込みのメンバーやスタッフが
そろう頃には、大みそかのイヴェントの準備がまた始まる。寒中の「野」ざら
しの中継の激務で、パートナーが倒れたとレイバーネットのMさんがブツブツ
交換の敷物を準備しながら、ブツブツ……。
 
 カンパの年越しそばをかたじけなくいただいてる頃、経産省の警備員が、ビ
デオスタッフを連れて、だまったまま蒼ざめたような風情で会場を横断する。
 
 『紅白歌合戦』は17時ころ開始。観戦しているところに、幹部のEさんが
帰ってきた。国際結婚したお孫さんと会うのを日本で果たすことができなかっ
た。イギリス人のおむこさんが、お孫さんの被ばくを警戒して、間の国で『正
月祝い』とお孫さんとの邂逅をされることになった。日本=被爆国がヴェトナ
ム、ヨルダンなどへ「最高級の原発技術」を輸出し、憲法9条のある国が、南
スーダンへ駐留軍を長期派遣する。事故報告もいい加減な政府関係者が、首相
に「収束宣言」をさせる…。こうした二重基準の中で、福島の住民は、こども
は信ずるものは、自己自身のほかにはなくなる危機に追い込まれる。医師や学
校の先生が、虚言を弄する時代!
 
 受付に機動隊がひとり立ちふさがり、じっとこちらをねめつけている。ビ
ニール扉をめくると、黙ったまま、カンパをいれてくれる。おそらく、郵貯の
現金輸送車の警備スタッフだったのだ。角松はとびきり立派だ。この門松も、
若い御嬢さんのカンパだった。こうした支持の金東雲があるかぎり、この魔法
のテントは限りなく飛ぶ。
 
 いよいよ、感動の歌合戦が終わってカウントダウンに入ったとき、不当雇
用・解雇抗議の座り込みを工場でしている韓国自動車工場とアクセス。新年は
韓国のソウルの労働者と連帯することに。F夫妻のまわりには、海外からのお
客様が二人をとりかこんでいる。
 
 紅組最終は、椎名千栄子さんの「原爆許すまじ」、白組は、ジョニーさんの
傑作替え歌集。老若男女、ジョニーさんのギターひきがたりと国際的な映像交
換とともに、バークレーの大学占拠からNYのウォールストリートへと歌いつ
がれた、「乗合電車」を大合唱する。合衆国だけで、340ほどの0ccupyテン
トがあったそうだ。いまは、増えているか、減っているか? 
 
 午前1時から4時まで、第二テントの外は、打楽器の嵐、中では、関電前座
り込み、福島、寿、山谷、渋谷炊き出し隊とのUST上の情報交換(歌合戦の
おりおり)の後での、トーク・セッションとなった。東電前アクションから、
高橋幸子、テントから、椎名千恵子が出演。雨宮処凛、素人の乱の松本哉、青
年ユニオン委員長、反貧困グループ、TVディレクターなどが、新年のゆくえ
を語り合った。
 
 2011年9月11日から建ち上がったこのテントは、世界情報の池への一
石となり、国内外に波紋を広げている。角松の寄進は、このテントの支持層の
多種多様さを物語ってあまりある。福島の避難地域それは、冥土イン・Japan
であり、原発の冥土の旅の一里塚となっていると信じたい。カウント・ダウン
のおり、社民党委員長の福島みずほさんが、SPなしで立ち現われ、マイクを
差し出されて、再稼働許すまじの演説をされた。民衆の海のほかに、信ずべき
ものは、今ないと実感して、新しい年を迎えた。
                                   
                                          (Q記)
PR
たんぽぽ舎です。【TMM:No1299】
                               転送歓迎
 
         ◆ 地震と原発事故情報 その284 ◆
          4つの情報をお知らせします(1月3日)
 
    12月25日、九州電力玄海4号機が定期検査で停止、
    日本の稼働している原発は6基、全原発停止へあと一歩
 
 
★1.2012年へのメッセージ
     原子力帝国の利権構造を壊し、
     第二の大惨事を起こさないうちに原発の即時廃止を!
★2.「山谷支援ありがとうございました」
★3.テント日誌より
 イ.<テント日誌 12/27(火)>
     テントに年賀状到着 
     テント談話室『語り合おう再生可能文化』第1回盛況のうちに
       ―― 経産省前テントひろば 108日目 ――
 ロ.<テント日誌 12/29(木)>
     “脱原発門松”が構え、新年への決意を示す
       ―― 経産省前テントひろば 110日目 ――
★4.槌田博さんの講演会『放射能と食の安全について』参加報告
     明治の粉ミルクのセシウム汚染は空気汚染のせいでした。
 
 
 
★1.2012年へのメッセージ
     原子力帝国の利権構造を壊し、
     第二の大惨事を起こさないうちに原発の即時廃止を!
 
                               柳田 真
 
1.福島原発事故は予見されていた。
  心ある人々が何年も前から、原発の根本問題(放射能汚染)と利益優先の
  電力会社運営の危うさに警鐘を鳴らし、加えて地震大国日本の原発の大危
  険性を訴え続けてきた。
 
2.事故は現在の日本社会の姿を映し、今後の在り方を問うた。どういう社会
  を目指し、どう生きるかと。
 
3.自らと子供たちを「放射能と汚染食物から守る」ために、たくさんの市民
  が立ち上がった。
  3.11以前には「東京で20人のデモ」だったが今では万人を超す。大
  小たくさんの学習会が開かれ、多くの人が立ち上がった。25年間少数の
  支持者の共に孤立無援の苦闘をしてきた者にとってこれは画期的なこと
  だ。これらの市民の立ち上がりの中に「未来の希望」を見る。この力をみ
  んなで3~4倍に大きくできれば、原子力帝国の利権構造を壊せる。第二
  の大惨事を起こさないうちに原発を廃止出来る。
 
4.21世紀を責任ある大人として生き抜きたい。みなさんと共に全力で考
  え、行動したい。
 
 
★2.「山谷支援ありがとうございました」
 
 たんぽぽ舎から皆様へ
 
 「山谷労働者越冬支援・年末助け合い物資カンパ」ご協力ありがとうござい
ました。今年で30回目になる年末助け合い運動も全国の皆様のご協力のおか
げで、山谷労働者の皆さんに物資とカンパ金をお届けできることになりまし
た。この場を借りてお礼申し上げます。
 
 今年は福島第一原発の事故対応により、たんぽぽ舎においても連日、会議が
行われたり、問い合わせ電話に追われる中で、物資の置き場がないなどの問題
を抱え、実施も危ぶまれた中での期間を短縮しての取り組みとなりました。物
資受け入れ作業を手伝っていただいた皆さんのご尽力でスムーズに荷物の整理
が出来、三度の搬送作業を終えることが出来ました。
 
 本日、28日、山谷労働福祉会館における「越冬支援集会」にボランテア活
動に協力して頂いた皆さんとご挨拶に行く予定となっております。日雇い労働
者が置かれている厳しい状況をお伺いすることになると思いますが、皆様から
送られた支援が命を救う活動に役立てられていることを報告できるかと思いま
す。
 
 今回、福島の方から新品の靴が数え切れないほど「経産省前テントひろば」
を通じて届いたり、お米券やテレカがお手紙に添えられて同封されておりまし
た。テレカについては一日一日の契約補償しかない労働者にとって、次の仕事
を探す上で大変貴重なものとなります。また、毎年茨城で手作りで野菜を作っ
ているグループの皆さんから、カブ、ダイコン、ネギが届けられました。皆様
からのお米とともに29日から始まる「共同炊事」-越冬支援炊き出しに使っ
ていただくことになります。
 
 社民党ー福島みずほ事務所より急遽連絡があり、物資受入日を延長しての取
り組みとなりましたが受け入れ荷物170個、カンパ金64万円になりまし
た。カンパ金を送って頂いた皆様へは「山谷労働福祉会館運営委員会」より領
収書をお届けする予定になっております。年明けになりますが、受け渡しの確
認とさせていただきます。
 
 2012年は、福島原発事故の一刻も早い収束と、被曝労働の根絶のために
も「原発いらない」の声を皆さんと共に大きくしていく年になることを心に期
し、ご報告に変えさせていただきます。   
 
2011年12月28日
               たんぽぽ舎「運営委員会」・ボランテア一同
 
 
★3.テント日誌より
 イ.<テント日誌 12/27(火)>
     テントに年賀状到着 
     テント談話室『語り合おう再生可能文化』第1回盛況のうちに
       ―― 経産省前テントひろば 108日目 ――
 
 テント前広場に早々と年賀状を届けていただいた人がいました。紙面をかり
てお礼を申し上げる次第ですが、年賀状をお寄せいただく方は下記のところに
お願いします。〒100-0013東京都千代田区霞ケ関1-3-1経産省前
テント広場です。
 
 12月28日派御用納めですが、このテント前広場は1月3日まで特別態勢
に入ります。テント前広場はいつものように24時間態勢で維持されます。今
年は帰省や温泉行きなどを変更してテントで年末を過ごす決意をした人もいま
す。時間のある人はテント前広場に参じて欲しいですね。
 
 また、何かの企画を持ち込んでやってもらいたいのですが、年賀状などいた
だければ嬉しいですね。テントにも張り出して年賀の風景を飾りたいと思って
います。来年の春になると原発は全部止まります。現在稼働しているのは6基
ですが春ころには止まるはずです。そして再稼働の動きが出てきます。再稼働
を許さな決意やみなさんの周辺の動きを伝えていただければ励みになると思い
ます。年賀状等で全国的交流をいたしましよう。
 
 テントに岩波書店でチエルノブイリで起こったことについての本の翻訳を進
めている女性5人のグループが訪れました。以前にイギリス在住の女性が訪問
された折にチエルノブイリ事故で乳がんになってイギリスまで手術を受けにき
た女性のことを話されました。日誌で紹介したのですが僕らはチエルノブイリ
事故について、そこで起こったことについてほとんど知らないのが実際です。
ですから本として刊行を期待したいところ大です。彼女たちは15時から開か
れていた『テント談話室 放射能と月と再生 語り合おう再生可能文化』に参
加された。
 
 上記のテント談話室は作家でルポライターであり『脱原発・再生文化論』の
著者である川元祥一さんが主催するものでその第1回目でした。今回は「半減
期」に学ぶこととしてなされました。
 
 川元さんは原発事故で拡散する放射能については多くの専門知識は必要な
く、生活者として放射能が再生不能のもので人の手で制御不能であることが確
認すれば十分であるという観点から、放射能や環境破壊の心配のない再生可能
文化を提起しています。3・11以降を生活者として生きる再生文化運動を提
唱していますが、これは「自然と生命力」という人類の歴史から学び未来を生
きようということであります。
 
 今回は自然の生命力としての「半減期に学ぶこと」と題されたお話で、参加
者も多数で盛会でした。再生という概念を物質的観点ではなく、自然と人間の
関係の再生という視点を持つ川元さんの話は興味深いものです。みなさんとの
討議《談話》として進めようと意図も良くわかります。今後も継続されるとの
ことですが、日程が決まればお知らせしたいと思います。
 
 沖縄では政府の辺野古アセス評価書の提出に抗議する闘いが盛り上がりそれ
を押しとどめています。こちらでは防衛省や首相官邸にたいする抗議行動が
「辺野古への基地建設を許さない実行委員会」の主催で展開されています。こ
の行動はアメリカに追随し、沖縄の人々の意志を無視する政府の暴挙に抗議す
るものです。テントに集う人達もこの行動に連帯しています。 
 
                              (M/O)
 
 
 ロ.<テント日誌 12/29(木)>
     “脱原発門松”が構え、新年への決意を示す
       ―― 経産省前テントひろば 110日目 ――
 
 12月29日(木) 晴れ。テントの入り口の両側に大きな門松が置いてあ
る。昨夜、国立市の植木職人をしている若い女性が届けてくれたそうである。
その時居合わせた人達は、見知らぬ若い女性が車をいきなり乗り付け運び出し
た時、大変驚き、そして大変喜んだそうである。“脱原発門松”は霞ヶ関を睨
み付けるように立っている。
 
 今夜は第1テントも第2テントも賑わっている。第1テント内には先日訪れ
てこられた千代田区労協からのカラフルなバナーが張られている。午後8時経
産省の役人3人が、マスク姿にビデオカメラをもってテント近辺を徘徊する。
公安かと見まがうようないでたちである。どうやら、テント内外に火気はない
かと見ながら録画しているようである。撤去の口実を探り出そうとすることな
のか。時々、夜8時きっかりに登場するとのことだ。
何人かが「人の顔を勝手にビデオに撮って、肖像権の侵害だ。取り消せ」と抗
議すると、ほうほうのていで逃げ帰った。
 
 椎名さんが帰ってきて、昨日(?)にあった、「3・11福島県民集会」の
実行委員会の話を伺う。この集会が脱原発を柱とする“県民大会”として成功
することを願いつつ、首都圏-全国から支援・連帯に駆けつけようと、ボル
テージは上がる。
 
 年末・年始、テントひろばでのイベントはめじろおしである。さしあたり、
30・31の紹介を。
 
                              (Y・T)
 
★4.槌田博さんの講演会『放射能と食の安全について』参加報告
     明治の粉ミルクのセシウム汚染は空気汚染のせいでした。
 
                              冨塚 元夫
 
 12月22日(木)スペースたんぽぽ槌田博さんの講演会「『放射能と食の
安全について』ヒバク=自然被曝+外部被曝+内部被曝」に参加しました。
 
1.チェルノブイリ爆発事故では事故から4年後の1990年から子どもの甲
状腺癌が急増しています。広く知られている統計ではベラルーシ、ウクライ
ナ、ロシアの順に人数が多いのですが、バラルーシがチェルノブイリの北に位
置し、汚染が風によって主に北に広がったためです。
 
 1992年以降は各年100人を超えています。その後減少に転じますが、
患者が子どもでなく大人になったからこの統計から外れたためです。原発推進
派も認める公式統計はこの甲状腺癌だけですが、甲状腺癌は1986年以前は
100万人に一人という統計があり、隠しようがなかったためです。
 
 その他の癌、病気も増えていますが、2倍・3倍という増え方のため、原発
推進派は別の原因だと言っています。一般には十分な証拠がないとされていま
す。(手間暇のかかる疫学調査を役人もIEAEもやろうとしないからと私は
思います)
 
2.1ベクレルの放射能は、1秒間に1回放射線を出す。1ベクレルの放射能
が出す放射線の数は、核種によって異なる。ヨウ素はα(アルファー)線とγ
(ガンマ)線1本ずつですが、セシウム134はα線1本とγ線2本出しま
す。1ベクレルの放射線が出す放射線の強さは核種によって異なる。
 
 放射線の生物への影響の強さを示すのがシーベルトです。まず水にあたえる
エネルギーをグレイという単位で表し、人に対する影響については、核種によ
って係数を変えて換算します。数字はあくまでも概算結果ですから、かなり怪
しい数字で、信頼できるのは一桁です。つまり0.52ミリシーベルトと0.
55ミリシーベルトの違いは実際はない(気にする必要ない)ということで
す。
 
3.低線量被曝の影響は直線しきい値なし(LNTモデル)が一般に認めれて
います。(ICRPも認めている)ICRP等の公式見解では100人が10
0ミリシーベルト(1万人が1ミリシーベルトでも同じ)浴びると1人癌にな
ります。(その半数が死亡します。子どもは5人、Gofman氏によれば一般で4
人、子供は20人です。)
 
 自然被曝はこの世に生きるための重荷(負荷)で避けられません。外部と内
部被曝はさらに重い荷物になりますから、おなじ負荷でも体力のない人がまず
倒れるのです。
 
4.概算暗算の勧め---これば便利!
 
(1) 外部被曝空間線量の概算:Xマイクロシーベルト/時間->10ミリシー
ベルト/年。政府などはもっと低くなる換算をしますが(昼8時間以外は屋内
にいるから低く計算しているが、そうでない人もいるので最大で計算すべき)
 たんぽぽ舎4階は大体0.07マイクロシーベルト/時間ですから、年間に
すると0.7ミリシーベルトになります。1ミリシーベルトまであと0.3ミ
リシーベルトしか残りありません。
 
(2) 内部被曝(放射線に汚染した食品)ベクレルとシーベルトの換算式(IC
RP方式)の概算式:50ベクレル/kg->1マイクロシーベルト(汚染食
品のベクレル数を50で割ればマイクロシーベルトの値が求まる。ICRP方
式ではヨウ素とセシウムの経口摂取実効線量計数は約2×10のマイナス8乗
シーベルト/ベクレル)1年に1000食として、年にすると1ミリシーベル
ト(365×3で1095ですが、あくまで概算ですから)。
例1)200ベクレル/kgの肉100gの場合50で割り、4マイクロシー
ベルト、さらに10で割り(100gだから)0.4マイクロシーベルト、し
たがって0.4ミリシーベルト/年
例2)100ベクレルのお米を一回に140g食べる場合、140を50で割
り、0.28マイクロシーベルト、0.3ミリシーベルト/年。
 野菜や水を加えると内部被曝だけですぐ1ミリシーベルトになります。気を
付けましょう!
 
5.来年4月から暫定基準ではない食品の新基準案でる。
 
 上記のように100ベクレル/kgに近いもの取り続ければ、0.3ミリ
シーベルト/年になります。飲料水は10ベクレル/kgですが、通常の短時
間分析ではNDになります。膨大な数の飲料水(ジュース等含む)は測りきれ
ません。さらに空気中の埃にあるセシウムは計算できません。明治の粉ミルク
を見て下さい。空気のせいでした。東京も避難勧奨地域では?
たんぽぽ舎です。【TMM:No1298】
                           転送歓迎
 
         ◆ 地震と原発事故情報 その283 ◆
           4つの情報をお知らせします(12月28日)
 
 ★1.基準「100ベクレル」は妥当か?-食品や飲料水の新基準について
    全体としては「まだ10倍以上は高すぎる」。子どもたちはゼロベースに、
    少なくとも5ベクレル以下に
                         山崎久隆
 ★2.<テント日誌 12/25(日)>
    九州電力玄海4号停止で残り6基に
    テントから霞ヶ関に響く歌声、
    ― 経産省前テントひろば 106日目 ―
 ★3.<テント日誌 12/26(月)>
    寒さ厳しき中に熱気溢れるテント
    ― 経産省前テントひろば 107日目 ―
 ★4.メールマガジン読者からの情報
        『マンガで見る原爆と原発』出版
       長崎で被曝したマンガ家、西山進さん(83歳)原発事故に
       怒りの書き下ろし!
 
 
 
★1.基準「100ベクレル」は妥当か?-食品や飲料水の新基準について
   全体としては「まだ10倍以上は高すぎる」、ゼロベースに、
   少なくとも5ベクレル以下に
                       山崎久隆
 
 食料品や飲料水からの放射線被曝限度をどのように捉えるかについては、既
に一定の基準がある。いろいろな場面や物質から様々に被曝するのが現実の社
会なので、全体を足して1ミリシーベルトを限度とした場合、個々の限度は
10マイクロシーベルト(100分の1ミリシーベルト)相当に割り当てると
考える。
 例えば「飲料水から10マイクロシーベルト」「主食から10マイクロシー
ベルト」「副食から10マイクロシーベルト」「空間から10マイクロシーベ
ルト」「医療用線源から10マイクロシーベルト」などという具合にである。
 この逆算から出てくる一つの被曝源が「震災廃棄物」であり、それを処理処
分した場合の被曝線量を10マイクロシーベルトに抑えるには100ベクレル
/kgとすると決めたのがクリアランスレベルの考え方を踏襲したものだ。実際
にそうなるかどうかは条件が多岐に変化するため分からないが、この程度に抑
えておけば、悪い条件が重なっても10マイクロシーベルトを超えないだろう
と判断したと言うことだ。
 問題は多く、私は反対だが、クリアランスレベルは既に2004年に導入さ
れている。原子炉等規制法の改正として実施されているので、今回の原発震災
によって決められたということではない。キロあたり8000ベクレルとか、
10万ベクレルなどといった恐ろしい環境省の「暫定処理基準値」のほうは、
これに照らせば違法であると言わざるを得ない。(放射性廃棄物として適切な
施設で焼却するか、または密封管理した専用処分場に処分する)
 食品の限度を100ベクレル/kgにした場合、どの程度の被曝量に相当する
のか、これについてはおおむね飲食物の摂取で「1ミリシーベルトには達しな
い」ということで導入されるようだが、これは今までの考え方からは10倍以
上も高すぎる。
 「厚労省は、仮に新基準値上限の食品を一年間食べ続けることも考えにくい
ため、実際には0.7ミリシーベルトをかなり下回るとみている。」という厚
労省の「解説」が茨城新聞に載っていたが、これも間違った考え方である。基
準値というのは、これを超える場面も想定をして、悪い条件が重なっても十分
安全側に入る程度に設定しなければならない。つまり、規制値一杯の食品ばか
り食べたとしても目標の被曝限度の10分の1(厚労省の言い方に沿うならば
100マイクロシーベルト)程度に収まるようにすべきなのだ。
 安全規制値とは、そのような考え方で決めるものなのである。
 さて、この「100ベクレル/kg」にしろ「500ベクレル/kg」にしろ、
これはいわば「我慢量」である。原発震災により日本中に拡散した放射能を誰
がどれだけ「引き受けるか」という問題だ。極めてパーソナルな問題であると
同時に、責任を分担すべき人とそうでない人がいるだろう。そこをはき違えて
はならない。
 「未来の世代にツケを回すな」これは反原発運動がチェルノブイリ原発事故
の頃に私たちが主張したスローガンだったが、いつしか「未来の世代に負担を
残すな」という言葉が「高レベル放射性廃棄物処理処分」の場面でNUMOに
より主張されだした。この本末転倒振りに唖然としたが、今度は未来の世代を
「過度に」被曝させるような「被曝基準」を政府自ら作り出した。それも「安
全基準だ」として。
 依然として安全神話が形を変えて再生産されてるだけで無く、とうとう自ら
言っていることの論理矛盾にも気づかなくなっているらしい。
 成人、子どもたち、乳幼児、産婦別に、さらに「水<牛乳<主食<野菜類<
魚肉類<その他」という段階を設けた摂取限度をもうけるべきだろう。
 既に原発を作り続けてしまった世代からの、最後の罪滅ぼしが出来るとした
ら、未来の世代を可能な限り「飲食物を通じてはゼロ被曝」に近づける努力を
こそ今すべきなのだ。特に学校給食のように、子どもたちが摂取するシーンで
は、ゼロベース、現実的には少なくても5ベクレル以下を測定できる装置で
「測定限界以下」とするべきだ。40ベクレル/kgはやはり10倍高すぎる。
 全体としては「まだ10倍以上は高すぎる」これが今回の「100ベクレル
/kgなどの新規制値」に対する私の意見である。
 
☆2011.12.22発信「地震と原発事故情報その278」掲載の安田節子さんの文章も
ご参照下さい。
☆1/18学習会もあります。
 2012年1月18日(水)18:30~「牛乳が汚染-食の安全対策」
 お話:安田節子さん
 
 
 ★2.<テント日誌 12/25(日)>
    九州電力玄海4号停止で残り6基に
    テントから霞ヶ関に響く歌声、
    ― 経産省前テントひろば 106日目 ―
 
12月25日(日)晴。
 テント前で歌声集会。「月桃の花」歌舞団だそうだ。一般参加者を巻き込みギ
ターに合わせて寒い中、元気な歌声が霞ヶ関に響く。
曲目は「線路は続くよどこまでも」の曲に乗せて「放出続くよどこまでも」など
 
原発止めよーう いーますぐに―
原発止めよーう もーいらなーい
世界の国かーら 原発をー
なーくしてしまおーう いーますぐに
なーくしてしまおーう いーますぐに
 
25日の夜には九州電力玄海原発4号機が止まり、日本で稼働中の原発は6基のみ
になる。54基あるうちの6基。日本は89%脱原発状態になる。あとたった一割だ。
去年の実績から考えると、電力需要のピーク時の3~4%を担うに過ぎない。
テントの正面に掲げられた横断幕には「再稼働反対」のメッセージ。このまま再
稼働を許さなければ5月には全ての原発が止まる。
日本の電力会社は様々な理由により、原発を止めても停電が起きないくらいの発
電設備を抱えている。一番の理由は「総括原価方式」だろう。投資したらした分
だけ電力料金に上乗せできるのだから、発電所を作りすぎても不思議ではない。
次にバブル経済が挙げられる。バブルの頃の電力需要の伸びが将来も続くとして
発電所の建設を行いバブルがはじければ発電所は余る。電力会社の高コスト体質
が嫌われ自家発電や特定規模電気事業者(PPS)が増えたこともある。
2011年現在、計算上日本の電力供給力は、原発を全部止めてもまだ余力がある。
テントの正面には再稼働反対の横断幕が掲げられている。このまま再稼働を許さ
なければもうすぐ実証される。(H.H)
 
 
 ★3.<テント日誌 12/26(月)>
    寒さ厳しき中に熱気溢れるテント
    ― 経産省前テントひろば 107日目 ―
 
12月26日(月)晴れ。冷え込みは一段と厳しい。
午後、先日テントを来訪された折、お願いしていた南條倖司&まあさんのライブ
が行われる。群馬県南部の下仁田町で半自給的音楽生活を送っておられるとのこ
とで、下仁田ネギをいっぱいお土産に持参してこられた。
30名あまりの聴衆を前に、美しい声音でたっぷりと歌っていただいた。
聴衆からは「テントへのカンパ投げ銭」がたっぷり!
夕刻から、第2テントでは若い人達の鍋パーティーが賑やかに行われている。
第1テントにはポルトガル・ブラジルからの青年達(?)が3名来訪。やはりバル
セロナで知ったのだそうだ。
明日の夜から、何日間かテントに泊まり込みで詰めていたいとのこと。ここは是
非、泊まり込み体制の有力な「戦力」として加わっていただこうということに。
そしてその 体験を広く世界に伝えてもらえれば・・・。
同じ時間帯に、スペースたんぽぽでは重要な学習会が開催されているはず。スト
レステストの意見聴取会にあわせて、ストレステストの問題点は何か、意見聴取
会で何が議論されているのか、一連の手続きの何が問題か、などについて学習し
て、意見聴取会の積極的な傍聴や保安院への具体的な働きかけなどにつなげて、
再稼働を止める力にする、というものである。
そちらの方も気にしながら、テントでの交流をおこなう。
今夜は第2テントに女性2人(中年とシニアの)が泊まり込むということで、
いっぱい荷物を抱えて、用意万端である。(Y・T)
 
 
 ★4.メールマガジン読者からの情報
 
 『マンガで見る原爆と原発』出版
 長崎で被曝したマンガ家、西山進さん(83歳)原発事故に怒りの書き下ろし!
 
 著者の西山進さんは、17歳の時に長崎で被曝。戦後、上京してマンガ家にな
った。現在は福岡市で被爆者団体の役員として活動している。311の震災に伴う
原発事故に心を痛めていたところ政府、財界、マスコミの無責任な対応ぶりに怒
りをこめてペンをとって描き上げたのが『マンガで見る原爆と原発』だ。
 政府、東電は、放射能被害は大したことがなく終息にむかっているという。し
かし、西山さんは反論。「被害は甚大で広がっていること」をわかりやすく指摘。
さらに、原発と核兵器は、密接な関係にあると言及する。しかし、政府はその点
をひた隠しにし、マスコミもそのことには故意にふれない。
若いお母さんたちにも手軽に手にとってもらえるようにと一気に書き上げたのが
『原爆と原発』だ。 http://cr21.web.fc2.com
『マンガで見る原爆と原発』2011年/B5判並製/30頁/630円(税込)
 
<< ご注文方法 >>氏名・住所・電話番号・ご希望の冊数をご明記のうえ、
FAX:03-3226-5292、またはメール:creative21@joy.ocn.ne.jpでご連絡下さい。
後日、記載されたご住所に振込用紙と書籍をお届け致します。
(送料は実費をご負担下さい。1~3冊では100円になります)
☆ ご一緒に西山さんの「あの日の事」もご購入いただけます。
「あの日のこと」2005年/B5判上製/120頁/1,890円(税込)
長崎で被曝したマンガ家がやさしい絵で自らの被曝体験と平和への思いを書く。
たんぽぽ舎です。【TMM:No1297】
                               転送歓迎
 
         ◆ 地震と原発事故情報 その282 ◆
          4つの情報をお知らせします(12月27日)
 
    12月25日、九州電力玄海4号機が定期検査で停止、
    日本の稼働している原発は6基、全原発停止へあと一歩
 
 
★1.学習会『ストレステスト評価による危険な再稼働への道
                  ―そもそも机上のシミュレーション』
     で討論・確認された再稼働阻止にむけた具体的活動方針
★2.「もんじゅ」と永平寺
     「もんじゅ」(文殊菩薩に由来)の命名への懺悔
     住みやすさランキング1位の裏側にあるもの
★3.新聞、雑誌から、1つ
 「お母さん革命」息長く―放射能から子ども守りたい
   給食の産地公開要求・線量計測
★4.東京電力へ 女たちの御用納め
     東電に今年最後のご挨拶に参りましょう!
 
 
 
★1.学習会『ストレステスト評価による危険な再稼働への道
                  ―そもそも机上のシミュレーション』
     で討論・確認された再稼働阻止にむけた具体的活動方針
 
 昨日26日、スペースたんぽぽで開催された学習会『ストレステスト評価に
よる危険な再稼働への道―そもそも机上のシミュレーション』には約50名の
参加のもと、年末最後の学習会に相応しい熱気にあふれた討論の中、いよいよ
正念場を向けえた原発の再稼働阻止にむけた幾つかの具体的な方針が提起され
ました。
 
 詳細な報告は別稿にゆずるとして、ここでは討議された方針の一部を紹介す
ることで学習会の報告としたいと思います。
 
 論議された具体的活動方針
 
 ○意見聴取会の傍聴と議論内容の周知・拡散を
  ・意見聴取会に合わせて経産省前でのビラまき等を含む
  ・意見聴取会に向けた大衆的な取り組み、聴取会前後での意思一致と意見
   交流
 ○EPZ(30km圏内緊急時計画区域)の自治体、運動体への働きかけ
  当該地域への働きかけと共闘に向けて一歩前に踏み出そう
 ○JNES(独立行政法人原子力安全基盤機構)、御用委員の追及
  ・JNES、御用委員の問題点の情報周知・拡散
  ・保安院へ抗議・質問のメール、ファックスを集中送付
 
 
★2.「もんじゅ」と永平寺
     「もんじゅ」(文殊菩薩に由来)の命名への懺悔
     住みやすさランキング1位の裏側にあるもの
 
               山崎 久隆 たんぽぽ舎 劣化ウラン研究会
 
 
 住みやすさランキングというものがある。第一位は福井県、二位富山県、三
位は石川県だそうだ。北陸三県が上位を占めた。出身者としては何となく面映
ゆいところだが、この地域には、ある事情がある。
 
 福井は若狭湾に電力二社の原発13基と日本原子力研究開発機構の「もんじ
ゅ」が建っている。それに伴う交付金は半端な金額ではない。2010年度で
204億円、市町村と福井県はほぼ半々。石川県にも北陸電力唯一の志賀原発
が二基、能登半島のど真ん中に建っている。その交付金は2010年度で25
億円にもなる。
 
 住みやすさの中には、インフラ整備や公共事業の多さというものもあるのだ
ろうから、原発交付金がなにがしかの「貢献」をしてきたと思われる。ちなみ
に北陸電力の本店は第二位の富山県にある。北陸三県の一人あたり所得額は全
国で9から20位くらい。トップ3では無い。従って他地域に比べて特に収入
が多いというわけでは無い。一方、冬は雪が降り、夏は暑い日もある。エネル
ギー消費量は住戸の床面積が比較的広い(1位富山2位福井9位石川)ことも
あり、他地域に比べると多くトップ3を独占し、福井、石川、富山の順であ
る。
 
 住みやすさランキングが高い理由は、おそらく就業率の高さ(2位福井、5
位富山、6位石川)、比較的長い労働時間による平均収入の高さが所以だろ
う。高額所得者は少ないが、困窮世帯も少ないということだ。自ずと平均化す
るから、町に高級品を扱う店は少なく、比較的に低価格の商品が多く並ぶ。地
元産の農産物はいわゆる「有機農産物」など付加価値の高い商品でも断然安
い。地産地消の良い面が出ている。
 
 原発推進は地元に行けば分かるが、空気のようなものであり、反原発運動は
息の詰まるような閉塞感の中で取り組まれてきた。町民の多数が本人、家族、
親戚のどこかで原発や電力につながっている。若狭湾の多くの町はそうだ。 
 
 その町の真ん中に立つ、曹洞宗の総本山、道元が1244年に開創した古
刹、永平寺が主催して11月2日に一つのシンポジウムが開かれた。発言者と
して招かれたのは小浜市の明通寺(真言宗)住職の中島哲演さんと福島県飯舘
村の酪農家、長谷川健一さんらだ。「いのちを慈しむ~原発を選ばないという
生き方」は、まさに反(脱)原発講演会なのだが、永平寺は、現在の日本原子
力研究開発機構、当時は動力炉・核燃料開発事業団が福井県に建設した「ふげ
ん」(もちろん普賢菩薩に由来)と「もんじゅ」(文殊菩薩に由来)の命名に
かかわった経緯があるという。いわば「名前使用権」を認めたと言うことらし
い。法的な裏付けがあるわけでは無いが、お墨付きにはなっていた。
 
 このシンポジウムを運営する「禅を学ぶ会」事務局長で永平寺の布教部長の
西田正法さんは「原発に対する認識が足りなかった私たちの責任は重く、間違
いだった。懺悔することから始めたい」。「使用済み核燃料を残し、DNAに
作用する放射線という危険をはらむ原発は、子孫への負の遺産となる。命を長
い時間の視座に置く仏教の教えと相反する」「今の生活を見直すきっかけにし
てほしい」と呼び掛けている。(毎日新聞2011年10月14日大阪朝刊より)
 
 これについては何年も前から「偽「もんじゅ」と批判をしてきた槌田敦さん
の存在を忘れてはならないだろう。「ひらがな「もんじゅ」はそもそも偽物。
智慧どころか愚かさの象徴」と喝破していた。高速炉「もんじゅ」そのもの
は、文殊菩薩のお導きか?今止まっているが、他の13基ある原発の一部がま
だ動いている。定期検査のために全部止まるにはあと一ヶ月程度かかる。それ
までの間、神経をすり減らして生きなければならない人たちが大勢いる。3.
11以前ならば最悪でも福井県の一部が被災するだけと思っていた人も多かっ
ただろう。しかしこれからの季節の風は日本海側から太平洋に向けて卓越す
る。もし大規模放射能放出事故が起きれば、わずか30キロ先にある琵琶湖に
大量の放射能が降り注ぐ事態になる。
 
 琵琶湖沿岸や琵琶湖の水を使う滋賀県だけではなく、京都、大阪の人々にと
っても死活的重大な問題だ。これがリアリティを持って関西の人々にも迫って
きている。琵琶湖のある滋賀県では、断固運転再開反対で活動が始まってい
る。既に差止の仮処分申請も行われた。嘉田知事も運転再開には慎重で「卒原
発」との立場だそうだ。橋下前大阪府知事らは関西広域連合を動かし、原発再
稼働に待ったをかけるという。市民グループも次々に反対の声を上げ始めてい
る。
 
 原発運転再開をもくろむ電力をはじめとした企業や国にとって、立地自治体
を丸め込むならば、手慣れた手法でいくらでも工作するのだろうが、遙かに離
れた自治体の長が次々に叛旗を翻すのに何ら打つ手を持っていないらしい。後
は国と経済界だのみ、電力危機キャンペーンに、ストレステストの結果と安全
性のお墨付きがあれば、運転を強行できるだろうと踏んでいる。
 
 こんなバカげた連中に、危険な原発をいじらせていては福島原発震災を繰り
返すだけだ。直ちに原発の運転を全部停止させ、電力ではなく公害などの社会
問題の専門家とNGOのメンバーと地域住民で、この「巨大な核のゴミ」をど
うするか、検討し始める必要がある。
 
 
★3.新聞、雑誌から、1つ
 
 「お母さん革命」息長く―放射能から子ども守りたい
   給食の産地公開要求・線量計測
 
○福島第一原発の事故後、「放射能から子どもを守りたい」との一心で各地域
で立ち上がり、果敢に行動する母親たちの姿が目立った。それはたった一人か
ら、仲間やグル―プ同士、インターネットによるネットワーク化まで見られ
た。行政に働きかけて動かした成果もあれば、厚い壁にあえぎ続けるケースも
多い。
 
 アラブの春になぞらえた今年の社会現象の名は「お母さん革命」――。「福
島の原発が廃炉になるころには、小学生のうちの子は四十歳を過ぎている。そ
れを考えたら『お母さん革命』じゃなく、『おばあちゃん革命』になるまで、
息長く続けなきゃいけない」こう話すのは、東京都練馬区の主婦宮崎みどりさ
ん(四六)だ。(略)
 
 「仕事と育児を両立させるほど器用じゃないので」と、今は小学四年の長男
(一○)と年長児の次男(五つ)の子育てに専念する。(略)最初は一人で思
い悩んでいた。練馬区内では五月ごろから、子どもを放射性物質から守るため
の母親グループが結成され始めていた。(略)「学校は何もしない。働きかけ
なきゃ」と思ったのは、原発の爆発から間もない三月十八日。(略)自身の活
動を、アンデルセン童話「裸の王様」に出てくる子どもにたとえる。詐欺師に
騙された王様や家来たちが言い出せない状況で「王様は裸だよ!」と叫ぶ。
(略)
 
 「もう危険じゃない、という心理操作に惑わされないように、忍耐強く活動
を続けたい。それが大人の責任だと思うから」。「ホットスポットハンター」
とも呼ばれ、放射線測定器を持ち歩く川崎市中原区の長戸清美さん(四七)も
二児の母親だ。八月、市民グループの一員として市内の公園の放射線量を調
べ、周囲より線量が高い「ホットスポット」を次々と見つけた。市がそれまで
公園の中央部などを計測し、安全の目安とした毎時0・一九マイクロシーベル
トを上回る場所はなく「問題はない」との姿勢を、変えさせた。(略)
 
 「お母さん革命」について「国が情報をちゃんと出さないから、自分たちで
動かなければいけないと思った人が多いのでは」。長戸さんは子どもへの愛情
と「本能的な種の保存」といい、国への不信は続く。「食品の規制値も一キロ
当たり二、三ベクレルでないと。草の根でまだまだ頑張らないと、子どもたち
を守れない」。
 
「青鞜」創刊 原水爆禁止訴え発信
先駆らいてうの志継ぐ―「存命なら『原発廃止』のひと言でしょう」
 
○一九五四年三月、マーシャル諸島ビキニ環礁で米国が行った水爆実験を機に
世界に広がった原水爆禁止運動。その発端は杉並区の母親たちの署名活動だっ
た。遠洋マグロ漁船・第五福竜丸の被ばくや、汚染されたマグロは母親たちを
嘆かせた。その流れの中心で、原水爆禁止の訴えを発信したのが、平塚らいて
う(一八八六~一九七一)。女性解放運動と自立をけん引した作家だった。そ
の生涯を紹介する写真集「わたくしは永遠に失望しない」(ドメス出版)を出
した「らいてう研究会」代表の折井美耶子さん(七六)は「もし生きていたら
『原発廃止』の一言でしょう。らいてうの思想の中心は、命の問題でした」と
語る。(略)
 
 日頃、主張も異なる女性たちが東京連合婦人会を組織し、復興に力を合わせ
た。らいてうも加わった。会は行政と協力し、ふとん作りなど被災女性の受産
活動に動いた。大正デモクラシーを経て、女性の活動範囲は広がり、戦前から
の婦人参政権運動も戦後ようやく実る。らいてうは晩年も八十五歳で亡くなる
まで平和運動に身を尽くす。七〇年安保に反対し、自宅近くをデモ行進した。
当時を知る折井さんは「小柄で、とってももの静かな方。銀髪がおきれいでし
た」とその思いを代弁する。「原発再稼働を許すらいてうではない。命を守る
運動を積極的に進めることが、志を継ぐこと。男性たちにも頑張ってもらいた
い」
 
           (東京新聞12月26日『こちら特報部』より抜粋)
 
 
★4.東京電力へ 女たちの御用納め
     東電に今年最後のご挨拶に参りましょう!
 
 わたしたちの人生を、生活を、環境を、めちゃくちゃに破壊した福島原発事
故から9ヵ月が過ぎ、2011年も終わろうとしています。
 
 しかしこの間、避難も、防御も、除染も、補償も、東電および政府への責任
追及も十分には行われず、その上、原発の再稼働や輸出といった信じ難い暴挙
が行われようとしています。
 
「こんな気持ちじゃ、とても年を越せない!」
「東電にも、仕事納めなんかさせないわ!」という声が、「福島の女たち」の
中からわき上がってきました。
 
 そこで師走の慌ただしい時期ではありますが、「女たちの御用納め」を企画
しました。東電に今年最後のご挨拶に参りましょう!
 
日時:12月28日(水)昼12時
場所:東京電力本社前~経産省前
 
昼12時に東京電力本社(東京都千代田区内幸町1丁目1-3)前に集合し、
霞ヶ関経産省前でもアクションを行う予定です。
 
呼びかけ:原発いらない福島の女たち(http://onna100nin.seesaa.net/
 
☆なお、午後6時30分から7時まで経産省への抗議・申し入れ行動も行われ
 ます。
 
 主催:再処理止めたい首都圏市民の集い
たんぽぽ舎です。【TMM:No1296】
                               転送歓迎
 
         ◆ 地震と原発事故情報 その281 ◆
          5つの情報をお知らせします(12月26日)
 
    12月25日、九州電力玄海4号機が定期検査で停止、
    日本の稼働している原発は6基、全原発停止へあと一歩
 
 
★1.原発予算4,200億円(案)反対=>震災復興費へまわせ
     野田(民主党)内閣の原発推進路線を打ち破ろう
★2.「脱原発」意志しめさず 野田内閣 12年度予算案決定
     原発関連4188億円、再生エネは原発の半分(2100億円)
★3.東電前年末ジャンボ・アクション
     熱気と元気にあふれた集会
     東電柏崎・刈羽原発2基の即時停止を求める
★4.<テント日誌 12/23(金)>
     ハワイ伝統舞踊の講座 そして東電前行動へ
         ―― 経産省前テントひろば 104日目 ――
   <テント日誌 12/24(土)>
     厳しい寒さの中、平和のピアノコンサート
         ―― 経産省前テントひろば 105日目 ――
★5.メルマガ読者からの講演会・集会のお知らせ
 ◆判決不服従アクションin郡山
  12月27日(火)判決に対する異議申立&判決勉強会
  「子どもたちを救わないという結論はいかにして導かれたか」
 
 
 
★1.原発予算4,200億円(案)反対=>震災復興費へまわせ
     野田(民主党)内閣の原発推進路線を打ち破ろう
 
                             (柳田 真)
 
 民主党野田内閣の来年度予算案(2012年度)が24日、閣議決定され
た。一般会計90兆円余、税収が42兆円、国債が44兆円。つまり、半分強
は国債(借金)で賄うという3年連続の異常予算。
 
 原発推進予算は、4,188億円。震災からの復旧・復興費用は新たな特別
会計で3兆7,754億円。うち、除染・汚染廃棄物処理など原子力災害復興
関連費が4,811億円。(原発災害復興は巨費がかかる!)
 
 問題は原発推進予算の4,200億円だ。3.11福島大惨事を経験して前
菅内閣は脱原発をきめたはず。しかるに、野田内閣は原発予算をほとんど前年
並みで、削減していない。全く“脱原発”になっていない不当な予算案だ。私
たちは原発推進予算4.200億円に大反対し、それらを震災復興費へまわす
ことを要求する。
 
 
★2.「脱原発」意志しめさず 野田内閣 12年度予算案決定
     原発関連4188億円、再生エネは原発の半分(2100億円)
 
 政府は24日午前の臨時閣議で、東日本大震災と東京電力第一原発事故後、
初の予算となる2011年度予算案を閣議決定した。注目の原子力予算は前年
度からほぼ横ばいで、野田政権の「脱原発」の意志は明確に示されなかった。
一方、予算案では歳入に占める国債の割合が過去最悪となり、借金依存の構図
が一層強まった。
 
 12年度の主な原子力予算は、安全・事故対策の研究開発費を大幅に増やす
などの変化はあったものの前年度予算より1・1%減の4188億円と横ば
い。原発の代替電源として期待されている再生可能エネルギー関連は、技術開
発費を増やしたが、総額は11年度の補正予算などを加えても2100億円余
と原子力の半分にとどまった。
 
 政策仕分けで在廃を含めた検討が提言された高速増殖原型炉「もんじゅ」
(福井県敦賀市)は前年度比二割減の175億円。「安全の確保できるぎりぎ
りまで絞った。」(財務省)結果という。(中略)
 
 政策的な削減は、原発推進の研究開発費を86億円と半減したことや、原子
力関連シンポジウムでの「やらせ」問題を受けた原発推進広報費の全廃(11
年度は15億円)などにとどまった。
 
 再生エネでは、普及を促す電力の固定価格買い取り制度が来夏に始まるた
め、同じ効果を持つ導入補助金を大幅に削減。経産省の当初予算で比べると、
関連予算の総額は二割減の809億円となった。ただ11年度第三次補正予算
で住宅用太陽光発電の導入補助金を1200億円近くも計上しており、他省庁
分も含めると再生エネ関連は2100億円程度となる。
 
                 (東京新聞12月24日付けより抜粋)
 
 
★3.東電前 年末ジャンボ・アクション
     熱気と元気にあふれた集会
     東電柏崎・刈羽原発2基の即時停止を求める
 
 12月23日、夕方、寒風、吹きさす中、東電前アクションの呼びかけに応
じて、今年度、最後となる東電前抗議行動が行われた。この日は3連休の初
日、クリスマス気分に浮かれる街で、一体どのくらい人が集まるのかと思った
が、東電のあまりの無責任さは、クリスマスの気分を吹き飛ばし、約180名
が東電本社前に集まった。参加者は寒さをものともせず、警察の嫌がらせにも
めげず、自作プラカード、ライト、ドラム等で自分の思いを表した。賑やかな
ドラムの音をバックに、福島からの参加者を始め、次々とマイクで福島の被災
者に対する賠償や柏崎・刈羽原発の停止を東電本社に向けて訴えた。その後、
東電前アクションによる、自作劇、有志によるフラメンコダンスが披露され
た。
 
 激動の2011年ももうすぐ終わろうとしている。東電は未だ、原発を停止
しようとはしていない。地震はいつくるかわからない。しかし、参加者のこの
熱気、元気さに希望がある。3.11以降、わずか3人の若者の行動で始まっ
た東電前アクション。これまでなかったような若者の活躍が目立った1年でも
あった。全原発停止まであと7基。原発ゼロを目指し、東電の責任逃れを許さ
ず、抗議行動を続けることを誓って行動は終了した。
 
☆なおその後、たんぽぽ舎へ戻り、たんぽぽ舎と東電前アクションの合同忘年
会を2時間弱楽しみ交流しました。
 
 
★4.<テント日誌 12/23(金)>
     ハワイ伝統舞踊の講座 そして東電前行動へ
         ―― 経産省前テントひろば 104日目 ――
 
 12月23日(金)晴
 
 早朝、冷たい空気を入れたくないので、8時過ぎても、幕を開けないで置
く。テントの幕がひきつり、みなれた公安警察が首をさしだす。「あっちで手
薄になるから、こっちになにが来ても、難しいかもな。気をつけなさい!」
「あっち」でズラ―ッと白いテントが並んでいることは知っている。キャンバ
ス自体に差異はなさそうだが、お偉いかたのお誕生日だそうな…白と紺の幕が
テントの壁となっている。
 
 小生、水道橋と霞が関を自転車で往復していることが生きがいとなってい
る。まさしく、「共同幻想」の枢軸に住もうとしていることになる。霞が関
は、共同幻想の壮大な楼閣だが、その足元に立っているテントの御常連は、ひ
たすら現実を確認しなければならぬ日々であり、これは闘争であり、暮らしと
なった。
 
 本日、104日目。弾圧担当のH氏に、防衛動員いるかな…という連絡入れ
る。「あちらのためには、この日ばっかりは、さわがしくならないように! 
と応じてみては?」 とアドバイスが即メール返信され、ご本人もそのあと、
すぐ現れた。二人ともT舎に出かけなければならなかったが、テントの御常連
は、なにもないだろうという反応だった。まさしく、結果、右利きのお客様は
一切こなかったそうである。
 
 テントから「東電前アクション年末ジャンボ」に、ほぼ同時に十月十日(と
つきとおか)座り込みのSさんに、この日の第二テントのイベントについてお
伺いしながら同道させていただく。こちらは、第二テント、女性の園なので、
別件でテント広場にいなかった記者として取材させて頂いた。
 
 午後2時より、フラダンス・USAの観光事業として作り上げられたあのフ
ラダンスなどではなく、民族祭祀の芸能としての本来のハワイ伝統舞踊の講座
があった。フランスでもロシアでも舞踊家は大学教授に匹敵するかそれ以上。
日本では、舞踊家ほどおとしめられているものは無い…ハワイの古式正統舞踊
の講座に20人以上参集し、男性も2名いたという。TPPテント地下大学に
ついでのこの企画、すぐれて弁証法的ですね。
 
 東電前アクションの集会のあと、ひとり、トイレに向かった記者を朝の公安
警察が追いかけてくる。28日、「どうなるのか、テントの中にいれてもらえ
るか? こっちもやりたくないからな、どうなるのか、誰に聞けばいい?」 
記者は「椎名さんに聞いてみて下さい」と答えた。まずかったろうか?記者は
公安に与しやすしと思われているらしい。というわけで、これからどうしまし
ょう?
 
 寒風の中、ウクレレでひとり歌を歌っていらした女性は、たくさんのうたを
持っていて、福島原発以後の民衆の気持ちを替え歌で歌ってくれ、座り込みも
座禅だけのようなものではないことを教えてくれました。相変わらず、I上人
の南無妙法蓮華経の続く中で…。
 
                               (Q記)
 
 
   <テント日誌 12/24(土)>
     厳しい寒さの中、平和のピアノコンサート
         ―― 経産省前テントひろば 105日目 ――
 
 12月24日(土)晴。無風。
 
昨日23日は、風に悩まされた。議事堂から吹き下ろす風は、入口を直撃。凍
て風と枯れ葉を吹き込む。テーブルの紙は、震え、落ち、舞い狂う。脱原発の
旗は、ばたばた、なぎ倒される。敷石に触れる足は冷え、毛布を巻きつけなけ
ればいられない。現代化学カイロのさしいれもないではないけれど。
 
 夜11時を過ぎれば、消灯時間となり、昨日の立ち入り検査の結果、火器、
ガスタンク、ガスレンジ、石油ストーブ、喫煙、トイレなど一切、禁じられて
いる。風の強い夜は、古代の穴居人のような恐怖と戦慄にみまわれるばかり。
北海道のアイヌ・モシリで、山の中の砂防ダムづくりを体験している記者も、
この第二の自然コンクリート・ジャングルも結構キビシイ。投石を恐れて、デ
ザインされた敷石はアスファルトで固められた。疑心暗鬼にかられる権力派は
「おもちゃ」を使いたくてうずうずしている。何重ものモニターをしかけ、こ
れ見よがしに、ビデオを撮影に来る。ハイテク公安の練習台としては、うって
つけの「島」であろう。人間の鎖に対抗して、封鎖した鎖を、やっとのことま
たいで、その人は来た。
 
 「原発もトイレなきマンションと言われていますが、このテントもトイレが
ありません。(音楽家が尿意や便意で悩まされていれば、おのずから、演奏は
おちつきのないものになる、とかつて先輩が語っていた)。ピアノもこんなも
のですが、これもTさんの御好意なので…「ちょっと、指ならしさせて…」リ
ハーサルで、ユダヤ人のゲットーから脱走する「ピアニスト」のテーマをひい
て下さった。福島の子どもたちの「ゲットー」は放射能の霧の中にある。福島
市も福島県も文科省も「脱走」しなくてもいいよ、という。転校はご自由です
から…金持ちにしか、転校などできるものではない。
 
  平和のピアニスト、池邊幸恵さんは、ご自身で編集制作されたDVDをスク
リーンに映しながら、演奏された。風か何かのせいで、発電機の配線が乱れ、
電圧がさがり、白いテントのなかでの映像はかげろうのごとく、音は、ふきす
ぎる風のように、はかない響きとなる。 スーザン・ソンタグは、コソボで
「ゴド―を待ちながら」の公演をした。ベケットは、「大切なのは、台詞の意
味ではありません。役者の言葉の響きなんです」と初演のインタビューにこた
えている。スーザン・ソンタグは、日本の雑誌文明に苛立っていった、「ぜい
たくすぎるのよ」。
 
 テントの中で、ひとりの女性が演奏と歌を聴いて、目をうるませている。琴
線を啓くということがわかるか、とかつて、非暴力の闘士が訴えていたことを
思い出す。105日目、闘争は始まったばかりである。辺野古のテントは、九
電本社前テントは、立川テント村は…世界のオキュパイテントの闘志たちは、
ピアノの音がきこえるだろうか?福島の子どもたちの心に、ショパンの心が届
くだろうか?池邊さんは、2時間を超えなんとするコンサートのあとで、今度
は、ピアニカでやってみようかしら…とほほえんでいた。
 
 それから、「スペースたんぽぽ」で、福島の学童疎開裁判の柳原弁護士の報
告を聞きにいらっしゃっていた。大学のピアノ教師が演奏会にでなければと思
い詰めたのは、阪神淡路大震災に対応できない政治意識の無力さを痛感してか
らと語られた。柳原氏は、日本の人権擁護精神は、世界最悪であることが、白
日のもとにさらされた、と慨嘆を隠さない。福島市はチェルノブイリのデータ
や放射能被ばくの研究成果を「不知」として退け、学童疎開の義務を怠った福
島市訴追裁判は、地裁却下となった。
 
 国際刑事裁判所に訴え出る意思もあると弁護士は語られた。経産省安全保安
院のお役人は、モニターデータのほかには、信ずべきデータとはならないので
す、と語っていたことを思い出す。コンピュートピアの宣伝マンは、福島の子
どもの怒りも涙も、テクノサウンドでなければ感じないらしい。たんぽぽ舎の
柳田さんは、経産省自体のモニターデータが頼りにならないことを立証するコ
ピーを配布された。ガンジーは、行動の根底的動機を自己実現とかつて語った
そうである。ガンジーの自己とは、仏陀だった。福島のこどもたちは、日本政
府や経産省安全保安院や東電の人間をまず、自己実現モデルとして励む意思は
まず、いやなことだろうことはまちがいない。文科省やら医者やらが、自分た
ちが殺されるのを励ます側にまわっていようとは!しかし、歌手になりたい子
供たちは、たくさんいるにちがいない!    
 
                               (Q記)
 
 
★5.メルマガ読者からの講演会・集会のお知らせ
 
 ◆判決不服従アクションin郡山
 
  12月27日(火)判決に対する異議申立&判決勉強会
  「子どもたちを救わないという結論はいかにして導かれたか」
 
 今月16日、福島地裁郡山支部は、年1mSv以下の安全な環境で教育を実
施せよという14人の小中学生の申立を認めない(却下する)という判断を下
しました。これは子どもの人権侵害の歴史に永遠の汚点を残す最も恥ずべき判
決(決定)です。
 
 申立人はこの誤りをただすために27日(火)、以下の通り、異議申立の手
続をします。そして、なぜ、このような恥ずべき判決が出現したのか、被ばく
した子どもたちを救わないという結論を導くためにどのような事実と理屈が採
用されたのか、判決の中身を勉強したいと思います。
 
日 時:2011年12月27日(火)午後1時集合
場  所:福島地方裁判所郡山支部 隣麓山公園入り口広場
     (郡山市麓山一丁目347番)
スケジュール 午後1時 集合
       午後1時10分 裁判所に即時抗告申立書を提出。
       午後1時40分 労働福祉会館で記者会見
               (2階中会議室 郡山市虎丸町7-7)
       午後3時    同会議室 判決勉強会
               講師 弁護団 柳原敏夫
               資料 裁判所の判決(決定)
《参考》   裁判所の判決(決定)に対するコメント(1)コメント(2)
       コメント(3)
連絡先:ふくしま集団疎開裁判の会
    代表/井上利男  電話 024-954-7478
    子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク 国・県への対応部会
    世話人/駒崎ゆき子 携帯 090-2608-7894
    メール office.sokai@gmail.com
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