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たんぽぽ舎です。【TMM:No1254】
                               転送歓迎
 
         ◆ 地震と原発事故情報 その239 ◆
         4つの情報をお知らせします(11月20日)
 
 ◇ 残念ながら、玄海原発4号機が稼働したため、日本の原発・全54基の
  うち、現在43基(80%)が停止、稼働しているのは11基(20%)。
   今後、再稼働をみんなの活動で阻止できれば、2012年春頃には全原発
  の停止が実現する。
  原発なくとも電気はだいじょうぶ(天然ガス、火力、その他)。
  今、運転中の11基も早く停めてほしい-地震・余震が心配。
 
 
★1.「第8回劣化ウラン兵器禁止を求める国際行動デー」集会の報告
     劣化ウラン兵器廃止の運動と脱・反原発の運動との結合を!
★2.福島の子どもを守ろう-野菜カフェ
     -「経産省前テントひろば」の会話から
★3.<テント日誌 11/18>
     世界史の現在が脈動するテントの一日
        ―― 経産省前テントひろば 69日目 ――
★4.唱歌『ふるさと』の大合唱によせて
     我々の故郷を、命をこれ以上は奪われたくないと-心の叫び
 
 
 
★1.「第8回劣化ウラン兵器禁止を求める国際行動デー」集会の報告
     劣化ウラン兵器廃止の運動と脱・反原発の運動との結合を!
 
             岡田恵美子(劣化ウラン兵器禁止・市民ネットワーク事務局)
 
1 主催者挨拶(事務局 柳田)
2 基調報告 (事務局 稲月)
3 講演
 
(1)  豊田直巳氏の見たフクシマとイラク
-原発の放射能と劣化ウランのヒバクャ
 フォトジャーナリストの豊田直巳氏は、1999年から取材を開始したイラクの
写真及び原発事故一ヶ月後にフクシマ入りし、そこで見た生々しい現地の様子
など写真を交えて紹介しました。
 豊田氏は、「フクシマの避難区域にいた住人の方が、雨樋の下にたまった水
が500ミリシーベルトもあることを知らされ、近づかない方がよいと言わ
れ、驚いた際に言った『目に見えない戦争と戦っているみたいだ』『震災とい
う天災は止められなくても(放射能という)戦争は止められるのに』という言
葉が印象的でした」と話されました。その他、2004年に起きたスマトラ地震
後、アチェが救援を渋った原因が、過去にあったアチェの虐殺、村焼き払いな
どを隠蔽することであったとのショッキングな話もありました。また、自殺に
追い込まれた相馬市のある酪農家の話では、自殺場所の壁に書かれた「原発さ
えなければと思います。…仕事をする気がなくなりました」という文字に、フ
クシマの深刻な実態が垣間見えた気がしました。
 「アラブの子どもたちと仲良くする会」イラク支部長のアリード氏は、1993
年から、イラクの子どもたちの支援をしているが、1991年の米軍による劣化ウ
ラン弾の使用以降、ファルージャの女性たちが、劣化ウランの被害を恐れて出
産を控えている実態などを話されました。
 
(2)山崎久隆氏-劣化ウラン兵器と福島原発最新情報
 「劣化ウラン研究会」代表の山崎久隆氏は、最初に、劣化ウランについて、
体内侵入方法から内部被曝への移行などについて話した後、原発事故によるフ
クシマの放射線の実態、それに伴う内部被曝の危険性などについて、膨大な
データとともに説明しました。
 山崎氏の話の中で、内部被曝のリスク係数というのは、ガンになる確率とさ
れている現在の基準では、実際ガンにはならなくても免疫力低下による前ガン
状態はカウントされず、実際の内部被曝のリスク係数は、もっと高いというお
話に驚きました。
 最後に、全世界で核実験が行われていた時代と比較しても、現在の日本、特
に東京以北の放射能量はかなり高いというお話に戦慄が走りました。
 
4 医療救援カンパアピール
 医療救援カンパを呼びかけたところ、42,000円のカンパが集まり、「劣化ウ
ラン兵器禁止市民ネットワーク」の医療カンパ会計の支出と併せて、92,000円
のカンパを会場でワリード氏に手渡しました。
 
5 賛同団体からのアピールが次の7人の方からありました
○「たんぽぽ舎」 坂東さん
○「原発を考える品川の女たち」 小川さん
○「劣化ウラン廃絶みなとネットワーク」 宮口さん
○「原発・核燃とめようかい」 福島さん
○「もんじゅ西村裁判を支援する会」 西村さん
○「ストップ原発&再処理工場・意見広告の会」 岩田さん
○「経産省前テントひろば」 原田さん
 
 3月11日に起きた原発事故は、われわれ「劣化ウラン兵器禁止ネットワー
ク」の活動にもあらたな出発点となりました。
 
『核のゴミ=劣化ウラン』
 
 劣化ウラン兵器廃止の運動と脱・反原発の運動とを結合させ、ともに戦って
いかなければならないと再認識した集会でした。
 
 
★2.福島の子どもを守ろう-野菜カフェ
     -「経産省前テントひろば」の会話から
 
                              冨塚 元夫
 
○11月3日と4日、「原発いらない全国の女たち」経産省座り込み連動アク
ションの応援に行きました。いろいろの方のお話を聞くことが出来ました。北
海道、山形、福島、栃木、長野、千葉、埼玉、東京、大阪、佐賀、沖縄、etc.
全国各地から参加していました。
 
○北海道の女性(山口さん)は夏休みに一か月福島の子ども200人ほどをサ
マーキャンプに招待したそうです。この子供たちはこの一か月だけ野外でのび
のび遊べたのですが、いまは外で遊べません。
 札幌の「結び場」の女性(ミカミさん)は福島の母子500人ほど疎開・避
難のお手伝いをしています。福島に残っているのは、おじいさん、おばあさ
ん、お父さんが多いですが、その人たちが今日来てました。郡山に残っている
おばあさんは、会津にいる孫に会えなくてさびしいと言っていました。
 
○11月4日は福島から10人ほど参加しました。武藤類子さんはお母さんを
連れてきました。この日も感動的なスピーチを聞かせてくれました。若い曹洞
宗のお坊さんも参加しました。
 デモでは日本山妙法寺の何時もの御坊さんと一緒に「南無妙法蓮華経」を合
唱していました。この若い御坊様はお寺を離れて、奥様・子どもを避難させ
て、一人で雲水のように県内でお勤めしているそうです。私の家(田村市)も
曹洞宗です。
 
○11月3日には佐藤幸子さんと話しました。5人の子どもを山形に避難させ
て、子供ふくしまの活動をしています。前日は子どもを二人連れてきました。
この日は一人でした。連日のように「福島からの報告」、レーバーネットTV
出演、集会での連帯あいさつ、etc.の予定があります。11月15日には東京
外国人記者クラブの共同記者会見がありました。他の共同会見者は肥田舜太郎
医師、大石又七氏、梅田隆亮氏、竹野内真理さんでした。
 
○佐藤幸子さんは「原発いらない福島の女たち」座り込みアクションのときに
「野菜カフェ開店にあたって」というビラを配布しました。現代の食品は添加
物や農薬などすでに化学物質を多々含んでいますが、さらに放射能に汚染され
るとその相乗効果が出て毒性が増します。避難できないたくさんの子どもたち
は、福島産のコメ、野菜、牛乳を給食でも家でも食べなければならないので、
内部被曝が日々蓄積します。福島の子どもたちに農薬・放射能のない食品を届
けようとする生産者団体の協力で、「野菜カフェ」という農産物集配所が開設
されました。生産者団体は全国にまたがっているようです。
 
○この方々に十分お支払できないかもしれないと佐藤さんは心配しています。
「野菜カフェ」の設立・運営資金に是非ご協力お願いいたします。
カンパ送付先は下記のとおりです。
 
ゆうちょ銀行
名義 いのちのせんたくひろば
番号 02210-6-94422 
 
なお12月1日からは下記の口座にお願いいたします。
ゆうちょ銀行
名義 野菜カフェはもる
番号 02270-3-118444
 
 
★3.<テント日誌 11/18>
     世界史の現在が脈動するテントの一日
        ―― 経産省前テントひろば 69日目 ――
 
 昨17日、テント広場全体会議の波紋は、激しく、静かに、拡がりつつあ
る。会議であきらかになるのは、同一性より、個性的(主体的)闘争姿勢の独
自性のようだった。
 
 10時過ぎて、霞が関経産省前テントを訪ねた、小生には、坐る椅子とてな
い。全体会議は闘争勢力の拡大が目的であってみれば、好調な結果だ。たんぽ
ぽ舎のH氏は、右翼や公安警察を圧倒するには、全然、テント防衛の人間が足
りないといきりたっていたようだったが。
 
 誰にも挨拶せず第3テントで寝る。右翼は、神風が放射能被ばくしているこ
ととテントの主人公が70代を超える人々が少なくないことに圧倒されていた
というのが、小生の子守唄だった。
 
 午前10時、イラクからIFCサミール・アディル議長がテントを訪れる。
新聞記者の前で、会見がもたれるのだった。テントで待機していた渕上氏と固
い握手。渕上氏は、「日本とおんなじですね」と唇をかみしめる。広島・長
崎・第五福竜丸・福島第一原発工場事故とアメリカの覇権主義と武器商人に翻
弄される日本とイラクがCIAなどの工作によって多大な犠牲を払わされてい
ることの同一性のことだろうか? 記者会見でアディル氏は「福島第一事故も
イラクへの米軍攻撃も、政府が人民・民衆に真実をつたえられぬところは、ま
ったく、かわりありません」と明言した。「日本国憲法9条をイラクが獲得す
るためには、大変な努力を要することは分かっていますが、非暴力・反宗派主
義・人民・市民主義をもって闘ってゆきます。イラクの主要都市の工場での闘
争は衰えることなくつづいています」と語り、経産省への要請書を提出するぎ
りぎりの時間まで冷静に、インタビューに応じてくださった。夜には第2テン
トで歓迎なべパーティ!
 テントには、辺野古のテント村から安次冨浩さんも訪ねてこられた。歴史的
邂逅は、魂の質の次元にもある。貧しいテントではあるが、ここには、世界史
の現在が脈動している。この次元は、官憲も札束も極右も冒せはしない!沖縄
の人達は年明けには訪米団を派遣する予定でいるという。800万円の経費の
ためのカンパ運動が始まっている。 安次冨浩さんのところへ、『伊達判決を
生かす会共同代表』土屋源太郎さんが来訪。土屋さんは80近い年齢にもかか
わらず、すでに何回かテントでの泊まり込みをされている。泊まり込みの最長
老。
 辺野古の基地建設反対運動テントは7年目を迎え、2770日目をむかえた
そうである。原発再稼働を断固許さない経産省前テント広場は、辺野古の環境
評価表提出拒否闘争と連帯の絆を強めた。グローバルな福島第一原発の放射能
漏洩の世界規模の破壊性は、辺野古周辺の自然環境調査の名目による、サンゴ
礁破壊、ジュゴンの来れる生態系破壊と共犯関係にある。戦争とは最高の自然
破壊であるとの宇井純博士の警告は、権力の耳にはとどかないようである。し
かし、世界の良心は、鉛の箱の中にいるわけではないだろう!       
 
                      ( 文責 QUEMA記 )
 
 
★4.唱歌『ふるさと』の大合唱によせて
     我々の故郷を、命をこれ以上は奪われたくないと-心の叫び
 
 
 11月11日は雨と寒さで、人間の鎖がどうなるかと危ぶまれた中、予想を
上回る1400人が集まり、皆、雨も寒さも吹き飛ばす勢いで、鎖をつなぎ、
多いに盛り上がった。そんな中、最後に『ふるさと』をたんぽぽ舎のみんなで
経産省を囲みながら大合唱できたことはとってもうれしく、感謝に堪えませ
ん。
 
 できたら、ここで『ふるさと』の歌について少し述べさせて頂きたいと思
う。歌の発表は大正3年、第一次世界大戦開戦の年だ。富国強兵論は軽工業か
ら重工業へと転換し、人々は故郷を離れ、都市へ移住していった。作詞者であ
る高野辰之は故郷を失った人々の『心のふるさと』を歌ったとも言われる。
 
 それから、第2次世界大戦、敗戦、高度成長、バブル期を経て、日本の自然
風景は様変わりした。
 
 経済功利主義の中で壊されたきた日本の自然。
 
 それも、この便利さを享受する為だったのだから、仕方がないと思ってい
た。正直に言うと、深く考えもしなかった。
 
 しかし、311を経て、私の中で大きく変わった。
 
 山は蒼きふるさと、水は清きゆるさとを失っただけではない、今や人の命さ
えも見捨てられようとしている。福島の人たちの命は功利主義の中で軽んじら
れ、見捨てられようとしているのだ。国は大企業の利益を国民の命より優先し
た。壊されていく自然と一緒に私達の命、子供や孫の未来も経済功利主義の前
では邪魔にされ、自然と一緒に捨てられようとしている。
 
 もう、理屈ではない。
 
 富国強兵論も所得倍増論も原発安全論も今となっては空々しいだけだ。
 
 直感がこれらは私達の為では決してなかったと看破したのだ。
我々の故郷を、命をこれ以上は奪われたくないと心が叫びだしたのである。
 
 私は『ふるさと』を歌う事で、未だこの恐ろしい事実を見ようとしない人達
の心を揺さぶりたいと思う。
 
   音楽隊有志ふるさとを歌う会 島田和子furusatowoutaudemo@gmail.com
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たんぽぽ舎です。【TMM:No1253】
                               転送歓迎
 
         ◆ 地震と原発事故情報 その238 ◆
         4つの情報をお知らせします(11月19日)
 
 ◇ 残念ながら、玄海原発4号機が稼働したため、日本の原発・全54基の
  うち、現在43基(80%)が停止、稼働しているのは11基(20%)。
   今後、再稼働をみんなの活動で阻止できれば、2012年春頃には全原発
  の停止が実現する。
  原発なくとも電気はだいじょうぶ(天然ガス、火力、その他)。
  今、運転中の11基も早く停めてほしい-地震・余震が心配。
 
 
★1.山谷労働者に温かな支援物資を届けよう。
    荒川、堅川などの河川敷の野宿者のテントが強制撤去されています。
    命を守り、凍死者を防ぐ「年末助け合い運動」にご協力下さい。
★2.<テント日誌 11/17(木)>
     テントは着実に霞ヶ関の内部にも浸透
       ―― 経産省前テントひろば 68日目 ――
★3.メルマガ読者からの講演会・集会のご案内
 イ.茨城県・「美しい地球を子どもたちに」~大震災と原発事故の真相~
   11月20日(日)13:00~16:30
 ロ.国分寺・【連続講座 原発に頼らない電力のしくみ No.1】
   12月3日 (土)14:00~16:30
★4.除染費ピンハネ批判
     原発事故「身内処理」 原子力機構 モデル事業を再委託
         賠償審にも”ムラ”の影 委員2人に利益相反の疑い
 
 
 
★1.山谷労働者に温かな支援物資を届けよう。
    荒川、堅川などの河川敷の野宿者のテントが強制撤去されています。
    命を守り、凍死者を防ぐ「年末助け合い運動」にご協力下さい。
 
受付け期間
  物 資:12月5日(月)到着分~12月14日(水)到着分まで
  送付先:〒101‐0061東京都千代田区三崎町2-6-2 タ゛イナミックヒ゛ル5F
      「たんぽぽ舎」支援物資担当宛 (tel 03‐3238‐9035)
  現 金:12月1日(木)から12月14日(水)まで受け付けます。
      * 現金カンパは郵便振込みでお願いします。
  口座番号:00180-1-403856 加入者名:たんぽぽ舎
      [山谷支援カンパ]と明記して下さい。
◎都労連交流会の仲間から始まった支援活動に「たんぽぽ舎」も加わり。今 
 回で30回目になります。今年も皆様方の心温まるご協力をお願いします。
◎「3.11大震災」後、家族を亡くし仕事を失った人々は未だに復興の希望
 を見出せず、地域社会の崩壊も始まっています。
 又、欧州各国の財政危機は世界的な不況をもたらし、貧困と差別の拡大は
 益々激しくなっており、国の財政が破綻する事態すら引き起こしています。
◎雇用状況の悪化は日々仕事を探さなければならない労働者にとっては極めて
 深刻な影響をもたらしていますが、国、行政機関の対応は居住テントを撤去
 するなど生存権すら奪う対応を行ってきています。
◎たんぽぽ舎は職を失った多くの人々が福島原発を始め、全国の原発の下請け
 労働者として被曝労働に借り出される懸念がある事態に際し、例年以上の支
 援行動を呼びかけるしだいです。山谷労働者福祉会館では年末緊急支援とし
 て「共同炊事」が実施されますが、衣類、毛布、お米などの物資が大量に必
 要になります。1枚の毛布で一人の命が守られます。皆様の支援をお待ちし
 ております。
 
送ってほしいもの 
 特に必要なもの
[毛布 防寒着 お米 現金]
 通年的に必要なもの
[米券 調味料 インスタントコーヒー お茶 粉末ミルク 野菜(要事前連
 絡)]
[作業着 下着 ズボン 靴下 軍手 靴]
[テント 寝袋 タオル 石鹸 洗剤 歯ブラシ かばん テレホンカード]
 * 以下のものは需要がありませんので送って頂かないようお願いします。
  (背広 ワイシャツ 子供用、女性用衣類 どてら かいまき 食器)
 
【たんぽぽ舎から支援スタッフ募集のお願い】
 12月5日から14日までたんぽぽ舎に送られてくる支援物資の整理をお手
伝いして下さるスタッフを募集しています。
 作業内容[宅配便で送られてきた荷物の点検、仕分け、差出人の記帳、電
話]
 * 次回、スタッフ会議を11月30日18時30分よりたんぽぽ舎で行います。
   ぜひご参加願います。(当日、出席できなくとも協力可能な方はご連絡
   下さい)
 
 
★2.<テント日誌 11/17(木)>
     テントは着実に霞ヶ関の内部にも浸透
       ―― 経産省前テントひろば 68日目 ――
 
 11月17日、小春日和。この天候に似て、テントは穏やかな一日であっ
た。
 朝9時半より、反対側の保安院前で、浜岡原発の運転停止を求めて署名活動
をしてきた。「原発震災を防ぐ全国連絡会」が、百万人署名を達成してそれを
首相・経産相に提出すべく行動を行った。
 2004年から開始されたこの署名活動は11月9日現在で100万172
6筆となったそうである。会は浜岡原発の永久停止に向け、新たに廃炉作業で
の雇用確保などを提言している。(中日新聞より)
 
 午後、メンバーの1人である静岡の方が、テントを訪問。歓談する。
 
 午後7時からテント全体会議。40名前後の参加者で、緊張感のある真剣な
議論。その一端は近日中に表明される予定。  
 
 このところ、霞ヶ関の官庁に勤務する職員のテント訪問が増えてきている。
とくに女性。受付で記帳し、カンパをしていく。官僚が君臨するその足下から
も反=脱原発の気運が静かに広がっていくのだろうか。テントは池に投げ込ま
れた石になっているのかも。先日の11/11アクションでも、経産相の職員
であることを宣言してキャンドル包囲の列に加わった人もいた。
 
 テントでは、霞ヶ関~虎ノ門~新橋方面での宣伝活動を強めていくことも検
討されている。
 
 是非、テントに集うことの一つとして参加をお願いしておきたい。
 
                         ( 文責 Y・T )
 
 
★3.メルマガ読者からの講演会・集会のご案内
 
 イ.茨城県・「美しい地球を子どもたちに」~大震災と原発事故の真相~
 
議題:「美しい地球を子どもたちに」~大震災と原発事故の真相~
講師:NPO法人ネットワーク「地球村」代表高木善之氏
日時:11月20日(日)13:00~16:30
場所:古河福祉の森会館
   茨城県古河市新久田271-1
   http://yahoo.jp/TMkr89
会費:1,000円(前売り)、1,500円(当日)
主催:かきくけこどもハウス 柿沼(かきぬま)
連絡:090-5500-6537(柿沼)
   070-6921-4271(横田)
   wataruyokota@willcom.com (横田)
 
 
 ロ.国分寺・【連続講座 原発に頼らない電力のしくみ No.1】
 
【連続講座 原発に頼らない電力のしくみ No.1】
 
 脱原発の一歩として“脱東電”と発送電分離を進めましょう。ぜひあなたの
市町村や事業者の電力を、独占電力会社からPPS(特定規模電気事業者)に
契約変更するよう、働きかけて下さい!なぜPPSは割安なのか、発送電分離
とは何か、電力自由化はこれからどうなる?PPS事業者のお話を聞き、公正
で安全な電力のしくみを考えます。
 
2011年12月3日(土)14:00~16:30  
国分寺労政会館(JR中央線国分寺駅南口下車5分)
テーマ:PPSから見た電力自由化の実態と発送電分離
講 師:谷口直行 さん(株式会社エネット経営企画部)
聞き手:大沢ゆたかさん(立川市議) 資料代 500円 
主 催 発送電分離プロジェクト準備会 
    http://d.hatena.ne.jp/ao0332646475/
 
 電磁波問題全国ネットワークhttp://www.gsn.jp/ 
 電話 042-565-7478 fwnp7112@mb.infoweb.ne.jp
 
 
★4.除染費ピンハネ批判
     原発事故「身内処理」 原子力機構 モデル事業を再委託
         賠償審にも”ムラ”の影 委員2人に利益相反の疑い
 
○東京電力福島原発事故から約8カ月。「のど元過ぎれば…」といわんばかり
に原子力ムラによる事故処理が進んでいる。役所用語の羅列も、読み直せば
「ピンハネ」「利益相反」といった疑惑が見え隠れする。そもそもムラが祭っ
た安全神話が崩れた以上、除染や賠償問題は第三者に委ねられて当然なはず
だ。だが、現実には「身内でうやむや」というムラの空気が色濃く漂ってい
る。
 
○「除染事業はなぜ日本原子力研究開発機構(原子力機構)に一度委託して、
(企業などに)再委託するのか。これをやると機構に三十数億円のお金が落ち
る。民主党が批判していた中抜き、ピンハネそのものでは」
 今月一日の衆院本会議各党代表質問。みんなの党の渡辺喜美代表は、国の除
染事業に迫った。再委託は事業仕分けでいさめられた経緯がある。
 文部科学省所管の独立行政法人・原子力機構は2005年、日本の原子力研究を
けん引してきた日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構が統合して発足し
た。サイクル機構の前身は高速増殖原型炉「もんじゅ」事故の不手際などで解
体された旧動燃。「原子力ムラの本丸」だが、除染事業の中核を担っている。
渡辺氏が問題視したのは、原子力機構が約百十九億円で内閣府から委託された
「除染実証業務」。渡辺氏が文科省に確認したところ、警戒区域、計画的避難
区域の十二市町村でのモデル実証事業は、相場では七十二億円程度だが、予算
上は九十二億円も積んでいた。
 この差額二十億円と、一般管理費五億円や人件費六億五千万円など計三十七
億五千万円が「ピンハネ」疑惑の対象だ。(略)
 
○「人件費などの名目で、中間団体にカネを落とすのが中抜きだ」と反論す
る。渡辺氏は原子力機構の役員についても「天下りを拡大させるつもりか」と
指弾した。理事七人のうち、二人が文科省と経済産業省出身、一人が文科省か
らの現役出向。この十月には、会計検査員出身者が公募で監事に就任した。
「会計処理で後ろめたいことがあると、検査院OBに天下りポストを提供する
ことがある」(略)
 渡辺氏は「原子力関連予算が削られることは明らかなので、除染事業にシフ
トして、お取りつぶしや大幅縮小を免れようと云う魂胆だ。天下り組織の活用
を画策するとは、いかにも役人が考えそうなアイデア。除染事業は民間主導が
一番いい」と言い切った。
 
○政府の原子力損害賠償紛争審査会にも、“原子力ムラ”の影がある。(略)
審査会の九人の委員のうち二人が「日本エネルギー法研究所」から百二十万円
の報酬を受けていた。同研究所は原子力損害賠償などに関する研究者でつくる
民間機関。中立が建前だが、各電力会社が出資する財団法人「電力中央研究
所」から研究委託を受けているほか、東電社員もスタッフとして派遣されてい
る。つまり、中立性を保てない「利益相反」の疑いがある。(略)
 
○賠償問題に取り組む久保木亮介弁護士は「例えば、賠償対象では政府が綱引
きした避難区域のみを前提とし、区域外からの自主避難者は除かれた」と批判
する。反原発市民団体「たんぽぽ舎」の柳田真代表も「賠償額を左右する紛争
審査会は、東電という企業にとっては主戦場だ。それだけに東電が(審査会
に)影響を及ぼしていると疑われても仕方がないだろう」と話す。
 
○九州電力のやらせメール問題では、公正さを強調して第三者委員会を設け
た。委員会報告書は古川康・佐賀県知事の関与を認定したが、九電側は国に提
出した最終報告書でこの点を無視した。
 ただ四委員のうち、社会心理学者の一人は委員会報告書の一部で「組織風土
は良好」とする調査結果をまとめており、この部分は九電の最終報告書に添付
された。
 元委員長の郷原信郎弁護士は「社員アンケートを基にした、。その調査で
「九電は素晴らしい」…(略)証拠を廃棄した原子力発電本部の風土も『良
好』というのだから…」と振り返る。(略)
 
○原子力安全委員会では十一日からホームページで、専門審査会委員の経歴の
公開を始めた。原子力委員会の審議会に新たに加わった原子力資料情報室の伴
英幸共同代表は「(略)原発関連の公的な会議にも、脱原発派のメンバーが加
わり始めている。それでも圧倒的に少ない。半分は批判派にしてゆかねば」と
語る。「逆に公正というポーズづくりに利用されかねない」(柳田氏)危険が
伴っているといえる。
 
           (東京新聞『こちら特報部』11月16日より抜粋)
たんぽぽ舎です。【TMM:No1252】
                           転送歓迎
 
         ◆ 地震と原発事故情報 その237 ◆
         4つの情報をお知らせします(11月17日)
 
 
 ★1.肥田舜太郎(広島原爆被爆医師)氏の発言-低線量被曝の時代を生き抜く
 ★2.<テント日誌 11/16(水)>
        広がりを見せる「みんなの反原発ひろば」
        ―経産省前テントひろば 67日目―
 ★3.メルマガ読者からの講演会・集会のご案内
     11/29鎌田慧(さとし)さんの講演会
 ★4.「原発住民投票」の提唱者の民主主義観の底の浅さ-今必要なのは、
       原発廃止の運動の強化だ
 
 
 
★1.肥田舜太郎(広島原爆被爆医師)氏の発言-低線量被曝の時代を生き抜く
 
◯1945年8月、私は広島陸軍病院に勤務していました。6日朝は6キロ離れた村
に深夜往診をして幸い原爆の直爆死を免れました。
 それから65年間、私は多くの被爆者を診察してきました。直爆を受けた人々の
死は壮絶でした。火傷や外傷とともに、発熱、紫斑、目、鼻、口、陰部を含む体
中からの出血の急性原爆症で死んでいったのです。
 しかし、医師である私にさらに強烈なショックをもたらしたのは、あとから入
市した人々が似たような症状を呈して死んでいった姿でした。
 以来私は、生涯、不明の病気で苦しんだ、放射性物質を体内に取込んだ内部被
曝者を数多く診察しており、彼らこそ核の時代の最大の被害者だと感じてきました。
 
◯ところがマッカーサー将軍が、原爆被害を米軍の軍事機密に指定し、被爆者に
は「喋るな、書き残すな」と命じ、医師、学者には被害の研究を禁止して、違反
者は重罪に処すと宣言したため、占領下の7年間、被爆者は放置されたままにさ
れました。
 さらに、1949年に廣島と長崎に設置されたABCC(後の放射線影響協会)が、
「内部被曝は放射線が微量で、人体には全く無害」と強力に宣伝したため、「だ
るさ」を訴える内部被曝者の慢性症状「ブラブラ病」は神経症状とされ、中には
仮病とまで言われて、被爆者の苦しみをさらに広げました。
 
◯私は原発労働者の中にも、ぶらぶら病の症状を呈した患者を診たことがありま
す。電力会社は今までたびたび放射線の放出を伴った原発事故の直後に「健康に
影響がない」と発表してきました。医師でもないのに電力会社の責任者がなぜそ
のようなことが言えるのか。真面目に言っているとしたら茶番です。
 今回の福島原発事故でも、労働者三人が亡くなっていますが、電力会社は放射
能との因果関係を否定しています。どのような根拠で否定できるのでしょうか。
 実際私の元には、数百人の相談者が既に来ており、鼻血、下痢、発熱、甲状腺
の腫れ、紫斑の出ている子どもも出ています。福島や東北地方はもちろん、東京
を含む関東、遠くは山梨県や静岡県からの相談もあります。
 子供さんに放射線被害の初期症状がでた福島や関東平野の母親は、これから、
どう生きたらよいのか深刻に悩んでいます。放射能は自分の家族だけの安全を許
しません。
 人類にとって唯一の生き延びる道は原爆、原発を全廃することだけです。あり
がとうございます。
 
◇(編集部より)
 この文章は、11月15日の記者会見(午後)の時に配布された肥田(ひだ)さんの文
章です。夕方からの「スペースたんぽぽ」での講演内容と同趣旨ですので、参加
されなかった方のために掲載しました。
 なお、11月15日の講演での4人の発言(肥田舜太郎さん、竹野内真理さん、佐
藤幸子さん、梅田隆亮さん)の内容を含んだDVDは、10日ほどで完成する予定
です。ご希望の方はたんぽぽ舎あてご連絡下さい。
(DVD1枚1000円、送料1枚80円、合計1080円)
 
 
★2.<テント日誌 11/16(水)>
      広がりを見せる「みんなの反原発ひろば」
      ― 経産省前テントひろば 67日目 ―
 
今日の経産省前テントひろばは、平和な一日でした。
寒さの厳しい朝にかかわらず、9時過ぎから座り込みを始める人がおり、ひとり、
またひとりと増えていきました。
お昼ころには7人くらいが座り込んでいました。
 
愛知から来た男性は用事のついでに寄ってくださり、お菓子の差し入れも。
反原発のステッカーを置いていってくださいました。
 
日中は、毛布や手袋の差し入れも頂き、大変ありがたかったです。
寒さが厳しさを増す中、風雨に弱いテントをいかに補強し、宿泊や集会を快適に
行うことができるかが課題です。
 
午後18時ころには、東京電力本社前にて「TEPCO kills US」というテーマで、
反原発パフォーマンスをしたアーティストの方々(主催は、「原発いらない全国
の女たち」座り込みアクションで、絵を描くパフォーマンスをした増山麗奈さん)
がテントひろばの座り込みに加わり、ますますにぎやかになりました。
  この日は、栃木や茨城、東京から兵庫に避難されている方、医療関係の方がい
 た関係で、放射能の危険性について率直な意見交換が行われました。
また、個人的に東海村の村長に手紙を送った方が、村長からの返事を読み上げ、
村長に対する支持を呼びかけました。
 
夜は、飲食物の差し入れが多くあり、その場に集まった20人ほどのみなさんで
分け合い、思い思いに語り合いました。
 
ここが霞が関の真ん中で、日々権力と闘争している最前線の拠点であるというこ
とを一瞬忘れそうなほど、穏やかな時間でした。
しかし、テントひろばに集まる方々は、テントひろばの存在意義を強く認識され
ており、口々に持続させたいとおっしゃっていました。
また、どうやって原発を止めればいいのか、どうやって生きていけばいいのか、
穏やかな交流の中で、真剣に話し合っているのです。
 
人の輪は確実に広がっています。「反原発のみんなのひろば」である経産省テン
トひろばは、まさに「みんなのひろば」になりつつあります。(文責 ひまわり)
 
 
★3.メルマガ読者からの講演会・集会のご案内
 
 脱原発1000万人署名の推進を目的に、鎌田慧(さとし)さんの講演会が
 実現しました。
 
日 時:11月29日(火)18:30~
会 場:船橋市勤労市民センター
 
※鎌田慧さんは青森県弘前市出身。青森県立弘前高等学校卒業後に上京し、零細
工場で働く。ガリ版印刷の会社を退社した後、早稲田大学第一文学部露文科に入
学。大学卒業後、業界紙(鉄鋼新聞社)記者を経てフリーライターとなる。トヨ
タ本社工場の季節労働者の実態を自身の経験から描いた『自動車絶望工場』以来、
一貫して社会の中で虐げられた側に立って、現地を足で巡ってルポルタージュを
書き続けている方です。
 原発関係でも著作が多く、さようなら原発1000万人署名の呼びかけ人です。
福島瑞穂さんとの対談の動画がアップされています。
    http://www.youtube.com/watch?v=dakWWLvW-oE
 
400人の会場をいっぱいにしましょう。
お誘いあわせてご来場ください。  市民ネットワークふなばし
 
 
★4.―複眼単眼―
   「原発住民投票」の提唱者の民主主義観の底の浅さ
 
 「原発国民投票」を呼びかけていた「みんなで決めよう『原発』国民投票」
(今井一事務局長)が突然、東京や大阪での「原発住民投票」運動を呼びかけ始
めた。
 今井氏たちは、今年六月末、この原発国民投票運動の構想として、「私たちが
要請している『原発』国民投票法の制定を立法府に受け入れさせるべく、二〇一
一年十一月十一日までに『原発』国民投票の実施を求める『請求人』を百十一万
人、本会の活動に賛同しサポートしてくれる『賛同人』を十一万人獲得するとい
う(語呂合わせのような)目標」を掲げ、運動を始めた。しかし、間もなく、目
標期限が来るのに達成率は一%程度に過ぎない。
 そこで今度は「原発『住民』投票」を東京都、大阪市などで行うことを呼びか
けている。今井氏の説明によれば、「原発は、立地先だけの問題ではなく、消費
地の問題であるということを多くの国民に理解してもらう。主権者が、消費地の
人間が、自身で決定して責任を取ることを実現させよう。
 そのことによって同志、仲間の輪を飛躍的に広げていく可能性を見出せる。こ
の機会を逃すと、国民投票運動は、近々、尻すぼみになって運動が滞り、結果と
して、署名やカンパを頂戴した大勢の方を裏切ることになる」という。「みんな
で決めよう」「私たちの未来は、政治家に委ねず、自分で決めよう」ということ
を強調し、直接民主制の重要性をいう。このコピーに、あまり深く考えないまま
乗っている人びともいる。
 しかし、この今井氏の「国民投票」や民主主義に対する立場には、かつてナチ
スの台頭を許したドイツの「ワイマールの悲劇」の例を挙げるまでもなく、重大
な落とし穴がある。「一票投票」「国民投票」は無前提的に「善」ではない経験
を民主主義の歴史は持っている。
 
 第一に、東京電力福島第一原子力発電所が未曾有の事故を起こし、立地地元の
福島県民をはじめ、近隣住民に多大な被害を与えているのに、電力「大消費地」
の東京都民・大阪市民にたいして、原発賛成でも、反対でもない立場を強調して
「原発稼働か、廃止か」を提起し、選ばせるという運動の思想は、原発の問題を
まったく理解していない底の浅い提起だ。まさに原発とは都市に象徴される弱肉
強食の資本主義がこうした過疎地(辺境)に立地を押しつけて、弱者が原発を受
け入れざるを得ないような構造の下で、存在してきた。
 東京都民に福島県民を犠牲にする「原発稼働」を投票で選択する「権利」など
ない。「辺境」を犠牲にした「都市」の電力の浪費はやめなくてはならない。
「辺境」にあぐらをかいて、繁栄を謳歌する「民主主義」は、かつて奴隷制のう
えに特権市民の「民主主義」を展開したギリシャの民主主義のレベルの思想だ。
 
 第二に、地方自治法の規定に基づく住民投票条例制定の直接請求に必要な「有
権者数の五〇分の一」の署名を集めても、条例制定がその議会で否決されたら、
それは元の黙阿弥だ。
 原発維持論者の石原慎太郎都知事のもとで、都議会では民主、自民、公明各党
が圧倒的な議席数を占めている。これらの人びとが、いまのままで脱原発を選択
する可能性のある原発住民投票条例制定賛成にまわることはありえない。
 
 第三に、いかなる住民投票条例が議会で作られるのかの問題だ。今回、今井氏
たちが発表した「条例案」は、この間の「憲法国民投票」や「原発国民投票」で
の論争を経て、他の重要な問題が残る(住民投票運動期間、若ものの将来を左右
する原発問題で意思表示する権利の年齢は一六歳でいいのか、テレビ・ラジオ・
新聞の有料広告などマスメディアでの宣伝の公平性をいかに保障するか、などな
ど)とはいえ、最低投票率が設定されたことや、投票権者の「国籍」問題、「年
齢」などでは従来の今井氏らの主張より、一定の「前進」が見られる。しかし、
現在の東京都議会、大阪市議会がこうした市民の要求する条例案を支持し、その
条例制定が実現可能だと考えるのか。例えば投票権者の「国籍」の問題(永住外
国人など)で、世論が盛り上がっていないもとでは、民主党の大半の議員や自民
党の議員の条例の拒否の理由になるのは明らかだ。
 
 第四に、このような「実現不可能」な運動に多くの市民活動家のエネルギーを
投入し、浪費することは、脱原発運動に亀裂を持ち込むことになる恐れがあり、
問題が大きい。いま、緊急に必要なことは、被災地の子どもたちをはじめ住民の
救援を優先させつつ、脱原発の世論を盛り上げながら、ひとつひとつ、原発立地
や周辺自治体に確実に脱原発の橋頭堡を作っていく運動だ。福島県議会につづい
て、浜岡での牧ノ原市議会や焼津市長の永久停止要求や、東海での村長の脱原発
宣言、上関での建設計画の中止の運動などなど、ひとつひとつ民衆の運動で脱原
発を実現するための橋頭堡を作っていくことだ。いま、全国各地で無数に取り組
まれている大小の集会やデモ・パレードなど、これらが世論を作っていく。これ
らこそが脱原発の実現と民主主義をたたかいとっていくことに連なる。(T)
       「人民新報」2011年11月15日号・第1283号(統合376号)より
        (注):「人民新報」編集部の了解を得て掲載
たんぽぽ舎です。【TMM:No1251】
                           転送歓迎
                      重複ご容赦願います
 
         ◆ 地震と原発事故情報 その236 ◆
         6つの情報をお知らせします(11月16日)
 
 ★1.GNF-J(神奈川県横須賀市)から東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)へ
        核燃料輸送 - 危険な輸送に反対!
 ★2.もんじゅツアー2011のお知らせ 12月3日(土)、4日(日)
        福井県敦賀市へ
 ★3.<テント日誌 11/15(火)> 穏やかな中にも見え隠れするKKU
        三位一体 ―― 経産省前テントひろば 66日目 ――
 ★4.知人、友人76名にメルマガを転送して メルマガ読者 Y
 ★5.メルマガ読者からの講演会・集会のご案内2つ
      イ.反戦と抵抗のフェスタ2011 がんばれねーよ、ニッポン
      ロ.さよなら原発品川アクション 講演会part2のお知らせ
 ★6.「まもなく大地震が来る」-研究者たちが声をそろえるその場所
        週刊現代 2011.11.14
 
 
★1.GNF-J(神奈川県横須賀市)から東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)へ
      核燃料輸送- 危険な輸送に反対!
 
 11/16 03:00、神奈川県横須賀市にあるグローバル・ニュークリア・フュエル

ジャパンから東京電力柏崎刈羽原発まで核燃料が輸送されました。午前3:00
日立物流4台、3:25 日立物流3台、3:50 上組4台でした。
 
 出発の様子が「神奈川にも基地があるんだよねTV」(キチアルtv)によって
中継されました。
http://kichiarutv.blogspot.com/2011/11/201111163am.html
 
 今回は要員の関係で「追っかけ」が出来ませんでした。通例であれば、横浜
横須賀道路→保土ヶ谷バイパス→東名高速→首都高→関越自動車道と運ばれま
す。追いかけた経験はありませんが、最終的に北陸自動車道経由で柏崎刈羽原
発まで運ばれるでしょう。
 
 核燃料輸送の経路や予定は警察には知らされますが、消防には知らされませ
ん。一般車両がひしめく日本の高速道路を核燃料輸送車が通行する危険性は計
り知れません。原発が稼働する限り、核燃料輸送が行われ続けます。是非原発
を止めましょう。
 
 
★2.もんじゅツアー2011のお知らせ 12月3日(土)、4日(日)
      福井県敦賀市へ
 
 12月3日11:00~12:00敦賀市のもんじゅが一望できる白木海岸で「201
1もんじゅを廃炉へ!全国集会」主催の集会に参加、原子力研究開発機構へ申
し入れ。
 午後13:00~敦賀市内のプラザ万象で「もんじゅ廃炉を求める全国集会」講
演は前福島県知事の佐藤栄佐久さん("フクシマ原発の真実"プルサーマル凍結、
欺瞞の原子力政策を衝く)、弁護士の海渡雄一さん("核燃料サイクルの終焉"
どれもが半端、もんじゅ・六ヶ所再処理・プルサーマルの現状)、元京大原子炉
実験所講師の小林圭二さん("再、再開はもっとあぶない傷だらけの「もんじゅ」
"初歩的設計ミスの見過ごしを繰り返す旧動燃体質)。その後敦賀駅前まで市中
行進。
 
 12月3日午前06:26東京発ひかり501号 新大阪行の自由席に乗ります。東京駅
 東海道新幹線16番ホーム5号車付近に6:15までに集合してください。
 
乗車券       7670円
新幹線特急券 4410円
在来線特急券  360円(新幹線と同時に購入の場合)
バス         1500円
------------------------------
計          13940円
 
宿泊される方は上記金額に5500円追加となります。
 
 お申し込みはたんぽぽ舎まで、FAXまたはEメールで。氏名、年齢、性別、
住所、電話番号を明記の上、「もんじゅツアー申込」としてください。
    FAX番号:03-3238-0797
    Eメール:nonukes@tanpoposya.net
                                                           担当:原田
 
★3.<テント日誌 11/15(火)> 穏やかな中にも見え隠れするKKU
      三位一体 ―― 経産省前テントひろば 66日目 ――
 
 小春日和というのだろうか。テント広場に穏やかな陽がさしている。
 テント前の歩道には急を聞き駆けつけた20名程度のテントに集う人の列が
あった。 テントと集う人々との間には12日に設置され、14日に補強された
バリガと鎖が横たわっていた。みんなそれを気にする風でもなく、歓談する人、
前を見据える人等屈託がなかった。今日も真ん中のテントではカフェが開かれ、
テントに集う人は100名を超えた。福島二本松出身だという在東京の中年女
性と話し込む。
 
 このところ、右翼の訪問が増えている。毎回違う県の違う団体であるが発言
は決まって、「不法占拠している経産省(国)の土地からテントを撤収しろ」と
いうのが骨子になっている。以前にも右翼はテント前の国会通りや桜田通りを
街宣車で通り過ぎた。時には7,8台の車を連ねていることすらあった。しか
し、どの街宣車も「原発反対、東京電力、経産省は原因をあきらかにし、早く
被災民の補償を実行しろ」というもので我々の主張とさして変わらなかった。
 不思議にこの右翼の情宣活動には制服警官隊、私服、公安の姿は少なかった。
しかし今は違う。右翼の到着と同時に50人前後の制服、公安、私服の警官隊
が集合する。時には右翼よりも早く来る。
 
 正午過ぎ、丸の内警察の警備課長、課長代理を筆頭に16名の警官隊がテン
トの周辺を囲んだ。
 いつもより少ない体制だがこの体制は右翼7~8名の参上を予測させる。テ
ント側は全員バリガの前に立った。体制を取っている間に警備課長に訊いた。
「右翼と警察はいつも同じ頃に来ますね」 警備課長は応えて言った。「話し合
っているわけではないですよ。情報に基づき、警察独自の判断で出動します」
この警備課長の会話に違和感を感じる人もいるだろう。警備課長はあることを
切っ掛けにこのような話し方をするようになった。
 
 それはさておき、待てど暮らせど(本当は来て欲しくないのだが)右翼は来
ない。1時間後に車尾に日章旗と旭日旗をはためかした小型ジープが音量を絞
ったアジを流しながら通り過ぎた。警官隊は撤収した。私達は呆気にとられた。
 午後3時45分、軽のバン型警察車輌がテントの前に回転灯をつけたまま駐
車した。「すわっ、右翼の襲来か……」と緊張する。軽の街宣車が1台来て「不
法占拠はモラルに反する」と声を出し続ける。しかし、車上の二人は車を降り
ることなく去っていった。
 
 5日に経産省にトイレを借りに行って逮捕された某氏が釈放された。私達は
ささやかな釈放祝いをした。某氏は、「涙は心の汗だ」と言いながら、私達の本
当にささやかな釈放祝いを喜んでくれた。
 大阪でも、関西電力前で若者達が120時間座り込み行動を始めた。数十人
が支援に駆けつけているという。テントも立ててない中で、今夜は4人が泊ま
り込むそうだ。今後の展開に注目したい。頑張れ!と心の中で叫びながら。
 
 夜半、風雨がつよくなった。テントが風にはためき大きな音をたてる。強風
がテント内を襲う。寒い。寝ずの番をしている小生とMr.Uはその寒さに震
える。これから益々寒くなる。平均72歳(推測)のテント人には辛い冬がく
る。精神力と信念で乗り切るだろうが防寒対策を考えるのも悪いことではない。
                                                 (文責・テント住人R)
 
 
★4.知人、友人76名にメルマガを転送して - メルマガ読者 Y
 
 先週11日(金)霞ヶ関周辺でのビラまきと『人間の鎖』で経産省包囲に参
加した、報告と、その模様が掲載されている、◆地震と原発事故情報その23
1◆と当日配布した、原発なしで電気は足りる(データが証明)を添付して、
知人、友人、76名に転送しましたところ、今日16日(水)現在12名より
返信がありまして、3・11以降『原発』に対する考えが、変わりましたとの
声が全てでした。
 
(私は『原発維持』と言いにくいのかも、知れませんが?)
 
 とにかく、政府、東電の『真実の隠蔽・嘘とデタラメ』が明らかになって来
ている、証拠と思われます。(大メディヤを除く皆さんの運動の賜物と思ってお
ります)今後も微力ながら、全原発停止まで『反原発運動』に参加していくつ
もりです。
 
★5.メルマガ読者からの講演会・集会のご案内2つ
      イ.反戦と抵抗のフェスタ2011 がんばれねーよ、ニッポン
      ロ.さよなら原発品川アクション 講演会part2のお知らせ
 
イ.反戦と抵抗のフェスタ2011 がんばれねーよ、ニッポン
 
 お上も下々も、右も左も「がんばろう」? 「日本はひとつ」じゃない!
ずっと異常事態だったでしょ? 3.11にはじまったことじゃない!
 
日時 11月23日(水・休日) 午後1時開始予定 
場所 千駄ヶ谷区民会館(JR原宿駅徒歩10分)
http://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/kmkaikan/km_sendagaya.html
 
基調よびかけ(紙幅の都合により省略)
 
反戦と抵抗のフェスタ2011 実行委員会
といあわせ war_resisters_fes11 あっとまーく yahoo.co.jp 
ブログ http://d.hatena.ne.jp/KYfesta2011/
 
ヘルプページ:   http://help.yahoo.co.jp/help/jp/groups/
グループページ: http://groups.yahoo.co.jp/group/occupy_meti/
グループ管理者: mailto:occupy_meti-owner@yahoogroups.jp
 
ロ.さよなら原発品川アクション 講演会part2のお知らせ
 
脱原発社会をめざして!
 
日 時:11月27日(日)開場13:00 開会13:30~16:30
会 場:品川区立荏原第5地域センター 第1集会室
     (品川区二葉1-3-37/TEL 03-3785-2000
           東急大井町線下神明駅徒歩5分)
 
テーマ:脱原発社会をめざして
 
講 師:山崎久隆氏(たんぽぽ舎)
      ○福島原発の今
      ○原発は本当に安全で安いのか
      ○自然エネルギー利用の現状と将来
      ○自然エネルギーの利用を妨げるもの
 
 ☆コーヒーブレイク~お楽しみコーナー
 ☆参加者によるフリートーク
 ☆資料代 500円
 
主 催:さよなら原発品川アクション
 
連絡・問合せ先
 〒142-0043 品川区二葉1-8-6 平和共同事務所気付 
 
★6.「まもなく大地震が来る」週刊現代 2011.11.14
 
あらゆるデータが示す「まもなく大地震が来る」
研究者たちが声をそろえる、その場所 -房総沖・関東が危ない
 
 
ズバリ房総沖
 M9という超巨大地震のエネルギーは、簡単に消えてなくならない。1000年に
一度の地震が、別の1000年に一度を誘発する。それが、有史以前から揺れ
続ける島、日本列島の逃れられない現実だ。「これから起きるであろう地震は、
3・11の"余震"と考えるべきではありません。別の地震の"本震"が、これから
来ると考えなければならない。3月11日の東日本大震災の震源は海洋でしたが、
あまりに地震の規模が巨大だったため、その影響は日本列島内陸部の断層にま
で影響を及ぼしています。今後は海が震源域になる海溝型のM8級地震だけで
なく、内陸部での直下型地震にも注意が必要になってきます」(元北海道大学地
震火山研究観測センター長で武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏)(略)前
出・島村氏はこう解説する。「津波で20万人以上の死者を出した2004年のス
マトラ島沖の大地震の時にも、3ヶ月後に隣接した場所へと震源が移り、再び
M8級の大地震が起きました。3・11の大地震も、隣接する茨城沖~房総沖に
震源が移って再び大地震が起きても、なんら不思議はないということです」
 
 次は房総沖と関東が危ない―。研究者たちは、そう口を揃えている。琉球大
学理学部の木村政昭名誉教授もこう指摘する。「3月の地震により、三陸沖では
プレート同士の接触面のストレス(歪み)が解消されましたが、代わりにその
南側にプレッシャーがかかっている状態です。3・11の大地震が起きた東北沖
の日本海溝は、南に向かって伊豆小笠原海溝と繋がっています。この周辺から
房総沖にかけて、"地震の目"と言うべき、大地震が発生しやすい場所ができ
てしまっている」
 
地震エコーが増え始めた
 
 この「房総沖」の巨大地震については、あらゆるデータが"黄色信号"を発
していると言って過言ではない。たとえば、防災科学技術研究所が公表した
調査結果によれば、最近、房総沖のプレート境界面で、プレートがゆっくりと
滑りを起こす「スロースリップ」現象が起きているという。本来この現象は約
6年間隔で発生していたが、この10月に、前回から4年2カ月という短いイン
ターバルで観測された。発生間隔が短くなったのは東日本大震災の影響とみら
れるが、これは、次に関東地方を襲う大地震が起きるまでの間隔が、短くなっ
たことを指している可能性がある。(略)また、房総沖は長く地震が起きていな
い「空白域」のひとつでもある。前回、房総沖で巨大地震が起きた記録は、1677
年の「延宝房総沖地震」(M8級と推定)までさかのぼらねばならない。この約
330年前の地震では大津波も発生した。現在の福島県から千葉県の沿岸部に、
最大10mという東日本大震災並みの津波が押し寄せ、大きな被害を出したとの
記録が残っている。筑波大学の八木勇治准教授(個体地球物理学)の研究では、
この330年の間に、再びM8後半レベルの地震を起こすほどの"プレートの
歪み"が溜まっている可能性があるという。(略)一方、同じく前出の木村氏は、
以前から房総沖大地震の発生時期を、2012年±3年」と予測していたという。
つまり2009年から2015年までに、ここで地震が発生する可能性が高いという
ことだ。(略)もともと、首都直下型地震の発生確率は、政府の地震調査委員会
によって「30年以内に70%」と試算されていた。この確率が、東日本大震災
の影響でさらに高まったと見られている。
                                 (『週刊現代』2011.11.26.号より抜粋)
たんぽぽ舎です。【TMM:No1250】
                               転送歓迎
 
         ◆ 地震と原発事故情報 その235 ◆
          3つの情報をお知らせします(11月15日)
 
 ◇ 残念ながら、玄海原発4号機が稼働したため、日本の原発・全54基の
  うち、現在43基(80%)が停止、稼働しているのは11基(20%)。
   今後、再稼働をみんなの活動で阻止できれば、2012年春頃には全原発
  の停止が実現する。
  原発なくとも電気はだいじょうぶ(天然ガス、火力、その他)。
  今、運転中の11基も早く停めてほしい-地震・余震が心配。
 
 
★1.事故後の福島第一原発敷地の初公開-息をのむ異様な光景
     吉田所長「高線量、まだ危険」
     「もう死ぬ」数度思った、安定したのは7、8月
★2.日本政府が原発輸出に拘泥する理由
★3.<テント日誌 11/14(月)>
     経産省の姑息な小細工 女性達のカエレコールに囲まれて
       ―― 経産省前テントひろば 65日目 ――
 
 
 
★1.事故後の福島第一原発敷地の初公開-息をのむ異様な光景
     吉田所長「高線量、まだ危険」
     「もう死ぬ」数度思った、安定したのは7、8月
 
○13日(日)の新聞は福島第一原発の事故後の敷地内初公開の記事を一斉報
道した。
原発事故の被害の巨大さ、生々しさの一部を表している。報道記事の要点を紹
介します。
                               編集部)
 
(以下は生々しい事故の傷跡を示す報道写真)
http://allatanys.jp/images/asahi/20111113/20111113021014970_TKY201111120540.jpg
 
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/images/2011111399071250.jpg
 
○政府は十二日、東京電力福島第一原発の敷地内を、三月の事故発生後初めて
報道陣に公開した。
 人の笑みが消えた警戒区域、外壁が吹き飛び、いまでも崩落が続く原子炉建
屋…。顔を覆うマスクを装着し、防護服をまとい完全防備した記者が見たの
は、思わず息をのむ異様な光景だった。
 
○収束作業の指揮を執る吉田昌郎(まさお)所長が現地で初めて取材に応じ、
「炉は最も重要な冷却が進んでおり、安定しているが、放射線量が高いなど環
境は今も厳しい」との認識を示した。
 吉田所長は福島県民と国民に対し、「心よりおわび申し上げたい」と陳謝し
た上で、「今、働いている人はほとんどが福島の人。私も十四年ここに住んで
おり、なんとかしたいと思っている」と述べた。
 
○事故発生当時を振り返り、「次がどうなるか想像もつかない中でできうる限
りやった。『死ぬだろう』と思うことが数度あった」。2号機に冷却水を入れ
られなかった三月半ばには「コントロール不能になって終わりかなと感じた」
という。
 当面の課題として放射線量の高さを挙げ、「敷地内はまだ危険な状態」との
認識を示した上で、次第に作業員の被ばく線量が増えていく状況に、「人繰り
が頭の痛いところだ」と語った。
 
○報道陣は、細野豪志原発事故担当相の現地視察に同行する名目で原発敷地内
に入った。
 敷地内の滞在時間は三時間余りで、防護服や全面マスクを着用。1~4号機
を中心に、車内から見て回った。ただ取材場所や撮影は厳しく制限された。国
は「核物質の安全や記者を被ばくから守ることを考えた」と制限の理由を説明
している。
 
 
★2.日本政府が原発輸出に拘泥する理由
 
                         たんぽぽ舎 山崎久隆
 
 COP17気候変動枠組み条約締約国会議のダーバン会議が迫っている。こ
のCOP17で日本が提案しようとしているのがCDM、クリーン開発メカニ
ズムという仕組みに原発を組み入れようというものだ。
 民主党政権による原発輸出強行の背景には単純な経済的利益追求だけでは無
く、こういう背景もあることを指摘する。
 
■クリーン開発メカニズム■
 
 クリーン開発メカニズムとは、97年12月の京都議定書に規定される「柔
軟性措置」と呼ばれる削減数値目標を達成するための仕組みのひとつ。京都議
定書第12条に定められており、直接国内の排出削減を行うほか「共同実施
(Joint Implementation: JI、第6条)」「排出量取引(Emission Trading:
ET、第17条)」と「クリーン開発メカニズム(Clean Development
Mechanism: CDM、第12条)」が認められている。これに森林面積の増大を総
称して「京都メカニズム」と呼んでいる。柔軟措置のひとつである「共同実
施」に似ているが、「発展途上国(非付属書I国)」におけるプロジェクト投
資を管理する。
 具体的には、先進国と途上国が共同で温室効果ガス削減プロジェクトを途上
国において実施し、そこで生じた削減分の一部を先進国がクレジットとして得
て、自国の削減に充当できる仕組み。なお、このとき先進国が得られる削減相
当量を「認証排出削減量(CERs)」という。2001年11月にモロッコのマ
ラケシュで開催されたCOP7で、運用に関するルールが決められた(マラケ
シュ合意)。【環境EICネットより抜粋】
 
■CDMと原発の関係■
 
 CDMには現時点では原発は含まれない。盛んに「原発はCO2を出さな
い」と国や原子力産業界は宣伝にこれつとめているが、実態として原発輸出は
CO2削減の取り組みには含まれないため、原発を輸出してもCO2の削減実
績に加えることが出来ない。もちろん輸出先の国で原発が稼働することによ
り、CO2が現実に減ればその国の削減実績になるわけだが。日本は、京都議
定書の再延長に反対しながら一方で原発をCDMに加えるよう主張する。これ
が環境NGOが日本を「化石賞」(気候変動対策に前向きな取り組みを見せな
い国に対して、NGOがバッドジョークとして与える不名誉な賞)に選んだ最
大理由だ。
 
■メディアの反応は■
 
 さて、野田首相が唐突に「日本国内では脱原発依存と言いながら原発輸出」
という二重基準に対して日本のメディアはどういうとらえ方をしたか。
 いくつかの社説を紹介する。
 例えば正当に野田政権のダブルスタンダードを社説で批判したのが沖縄タイ
ムスだ。
「国内では脱原発依存の方向性を打ち出しながら、海外へは原発を売り込む。
野田政権の原発へのスタンスは、矛盾していないか。」
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-11-05_25635/
 原発の無い沖縄の新聞社が端的に政府の矛盾を突く。
 さらに地方紙を中心に厳しい批判が続く。原発輸出を止める世論は確実に大
きくなりつつある。
 
■各新聞の論調■
 
-----◇中日新聞◇-------------------------------------------------
 野田佳彦首相がベトナムのズン首相との会談で原発輸出に道を開いた。国内
で原発依存引き下げを言い、海外には積極的に売り込む。あいまいな二重基準
であり、原発推進への前のめりが目立つ。
 両首脳は日本からベトナムへの原発輸出で合意した。原発輸出は菅直人前首
相のトップセールスで決まった経緯がある。もちろん信義は守るべきだが、野
田首相は国会で「原発依存度を可能な限り引き下げる」「安全性が確認された
原発は再稼働」「省エネルギーや再生可能エネルギーの最先端モデルを世界に
発信」と表明したのではなかったか。
 
-----◇新潟日報◇-------------------------------------------------
 国内では「脱原発依存」を掲げていながら、一方で輸出に踏み出すのは二重
基準にほかならない。政府には再考を求めたい。
 
-----◇神戸新聞◇-------------------------------------------------
 大きなトラブルが起これば、広範囲にわたって住民生活が破壊される。使用
済み燃料など廃棄物の最終的な処理方法も定まっていない。安価でクリーンと
されていた原発が致命的な問題点を抱えていることを忘れたのだろうか。
 
-----◇西日本新聞◇-------------------------------------------------
 日本は、ベトナムなど4カ国と原子力協定に署名して国会承認待ちとなって
おり、インドなど5カ国と交渉中だ。重大な事故を起こした日本には、その教
訓を生かす責任がある。まずは足元の事故を徹底的に検証し、原発輸出20+ 件
について国会や政府の論議を尽くすべきだ。
 
-----◇信濃毎日新聞◇-------------------------------------------------
 福島の深刻な事故を機に、日本は原発依存度を低めていく課題を背負った。
できるか否かは、再生可能エネルギーや省エネ技術の普及、開発にかかる。
 脱原発を明確にしたドイツは、原発以外の技術革新や研究に力を入れてい
る。日本も積極投資しないと、水をあけられる。
 国内のエネルギー政策とともに、原発の輸出問題を国会でもしっかり論議す
べきだ。
 
-----◇信濃毎日新聞◇-------------------------------------------------
 輸出推進の背景には、経済界の圧力があるとされる。米国やフランスなど原
発推進国への配慮、原発ビジネスに経済のけん引役を担わせたいという国の思
惑もあるようだ。いずれにせよ、受け入れられるものではない。
 ドイツは2002年に脱原発法を制定した。当時のシュレーダー首相が強硬
に反対する経済界と交渉を続け、合意にこぎつけた。98年は4%だった自然
エネルギーによる電力量を17%に伸ばした。現在も拡大を図っている。
 日本にもできるはずだ。問われるのは政府のやる気である。原発に過剰に依
存し、自然エネルギーの導入を先延ばしにしてきた産業や社会の構造を変えて
いくことこそ、福島の事故からくみ取るべき教訓であるはずだ。
【10月20日トルコ原発輸出に対する社説】
 
 
★3.<テント日誌 11/14(月)>
     経産省の姑息な小細工 女性達のカエレコールに囲まれて
       ―― 経産省前テントひろば 65日目 ――
 
 11月14日、晴れ、夜は小雨模様。
 
 週明けのこの日、予期していたように経産省は新たな策動に打って出た。9
時半頃、経産省の 職員だか下請けの作業員だか5~6人が警備課長に引き連
れられて登場。私服刑事10名程が見守っている。いつものように「不法占拠
の撤去」を伝えると同時に、バリカーの補強を始める。
 
 垂れ下がっていたチェーンを張り直し、黒と黄の縞模様の横棒をくくりつ
け、バリカーが下がらないように鍵をかける。作業員は何を聞かれても「経産
省の指示に従ってやってる」の1点張り。
 
 当初、20人程であったこちら側は、10時頃になると昨夜の日誌を見てと
いうことで続々増え、40人程に膨れあがる。なんとその7~8割が女性。テ
ント受付・入り口付近への横棒取り付けには女性達が座ったまま抵抗。取り囲
んでいる40名の人達の中からは期せずしてカエレコール。経産省はそれ以上
の作業を諦め撤収した。
 
 11時半頃に、テントひろばへの妨害行為を止めるようにという「緊急の申
し入れ」を経産省前テントひろば名で提出。また、個人で経産省に抗議文や要
望書を提出した人も。
 
 経産省は右翼に叱咤されての姑息な小細工など止めるべきである!
 
 昼間、女性達が真ん中のテントでカフェを開店。カレーやコーヒーをご馳走
に。夜には鍋を囲んで 盛り上がる。
 
 午後1時過ぎに大口弁護士が来訪。大衆的活動を強化することや弁護団体制
を形成すること等を打ち合わせする。夕方には一ノ瀬弁護士が来訪。
 
 今日もテントに集まった人は常時20名、合計100名を超える。寝袋、毛
布の差し入れあり。寒くなるこれからへの気遣いに感謝。
 
 吉報あり。11/13福岡1万人行動への参加者は15000人。集まった
カンパは500万円とのこと。
 
 あの玄海4号再稼働をみて、九州は怒りに燃え上がっているに違いない。
 昨日の日誌で経産省は国有地を私物化していると書いたが、少し付け加えて
おきたい。経産省・電力会社ー原子力村はこの国を私物化し、人々の命・生
活・地域社会を弄び、危険に晒しているのだと。
 
 そして全国から怒りの炎は燃え上がりつつあると。
                              ( 文責 Y・T)
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