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たんぽぽ舎です。【TMM:No1928】
2013年8月13日(火)地震と原発事故情報-3つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.毎週の金曜日官邸行動に思う=8月9日(金)第67回
―『長崎原爆の日、官邸前はかなり蒸し暑くデモ開始時刻には
気温33.9℃だった。そんな暑さをものとせず、続々と人が集まって
くる。このような頑張りはどこから来るのだろうか?
千葉和夫(たんぽぽ舎ボランティア)
★2.「反原発への嫌がらせの歴史展」を見てきました
原子力ワールドの隠ぺいと工作の数々は今に始まったことではなかった
一つ一つの小さな情報を共有してネットワークを作るのが大切!
永山一美 (たんぽぽ舎ボランティア)
★3.新聞・雑誌から3つ
◆<福島第1原発>汚染水流出、拡大か 1号機近くで高濃度放射性物質
(8月13日毎日新聞Web版より)
◆汚染水「地中壁越え海へ」確認 福島第一 東電、井戸の水位測定
(8月11日東京新聞Web版より)
◆福島第一 10人が放射性物質汚染
バスを待つ5分の間に放射能被ばく、霧発生器が原因?
(8月13日東京新聞Web版より抜粋)
━━━━━━━
※8/21学習会にご参加を!
槌田ゼミpart2
エントロピー入門第5章「科学技術と貿易が失業と貧困をもたらす」
日 時:8月21日(水)19時より
お 話:槌田 敦さん
会 場:「スペースたんぽぽ」ダイナミックビル4F
参加費:800円
━━━━━━━
┏┓
┗■1.毎週の金曜日官邸行動に思う=8月9日(金)第67回
| ―『長崎原爆の日、官邸前はかなり蒸し暑くデモ開始時刻には
| 気温33.9℃だった。そんな暑さをものとせず、続々と人が集まって
| くる。このような頑張りはどこから来るのだろうか?
└──── 千葉和夫(たんぽぽ舎ボランティア)
○8月9日、長崎原爆の日、官邸前はかなり蒸し暑く午後6時のデモ開始時刻に
は気温33.9℃だった。(終了間際33.2℃)そんな暑さをものとせず、続々と人が
集まってくる。今回のシュプレヒコールで気がついたのは「(放射能)汚染水を
すぐ止めろ」「海を汚すな」など参議院選挙が終わって急に浮上してきた海に流
出している放射能汚染水の危機感を反映したものが多かったように思いました。
○ 首相への抗議は
・男性:「国民と政権はねじれ状態にあること」「核不拡散条約(NPT)核廃
絶を求め る共同声明に、日本政府が署名しなかったこと」などを指摘していた。
・福島から来た女性:普段の生活で、3歳の娘に「此の石触ってもいいの?」と
聞かれ絶句したことなど、毎日の生活に放射能はいかに害があるかを話した。
・男性:「福島は終わっていない、規制委員会は福島第一原発の放射能汚染水の
処理に総力をあげよ」
・男性:「今日の長崎原爆の日のニュース、長崎市長の呼びかけ『被爆国の原点
に返れ』に対して安倍首相はまともに答えていなかった」
これらを聞いて「この国の首相は、普通の国民の声を聞くことはしない(でき
ない)、向いている方向が違いすぎる」と残念ながら再認識した。
○ 普通の国民から普通の生活を奪い続けている福島第一原発の事故の反省もな
く、原発を推進してきた責任を取ることをしないばかりか、“なりふり構わず”
原発の再稼働にむけ突っ走っている。
8月6日広島の原爆の日の首相発言「エネルギーの安定供給とコスト低減とい
う観点を含め、責任あるエネルギー政策を構築していく」(驚くことに今でも原
発の電気が安いと思っている←一国の首相なのだから少しは勉強をしてほしい、
まるで、再稼働がなければ経済の再生ができないかのような言い方)、 “責任
ある...”と言われても?マークしか思い浮かばないのは私だけだろうか?
責任とは再稼働/輸出を言う前に
1.フクイチ避難民一人残らず普通の生活に戻す。2.核のゴミ、使用済み燃料
をどうするのか。3.先が見えないフクイチの収束はどのようにするのか、等な
どを国民に示して欲しい。
○ そもそも、日本(民族)は二度の原爆投下、ビキニ環礁での第五福竜丸の被
ばく、そして今回の“人類史上最大の事故”と言われる福島第一原発の事故と4
度の放射能汚染にさらされ何十万人もの人が亡くなったことなど、少しも気にし
ない「健康とお金はどちらが大事だ」と言いたくなる。本来ならば此の日本が核
廃絶、原発廃炉の先頭に立って世界をリードする自覚と責任が必要ではないでし
ょうか?
○ 私が首相官邸前デモに足を運ぶのはそれなりの理由があります。「何もしな
いのは、結果として向こう側を利することになるのだ」ということと、ここへき
てみんなとつながっていることを実感できる、「決して孤立していないのだ」な
ど、単純なことです。
ここへ来るようになって、友達が増えたこと、現役時代の同じ職場の人に6名
も会うことができたことも収穫と思います。また今回も、ここでは音楽隊、ドラ
ム隊、自転車部隊に大きな勇気をもらうことができました。
最近はまた参加する人が増えてきたように思います。茨城県の海岸近く(鹿嶋
市)からは電車→高速バス→電車を乗り継いで4時間近くかかりますが、この場
所に来る意義が十分にあると思っています。またここに来れないときは、水戸の
抗議集会に参加しています。場所は茨城県庁近くで日本原電、東海第二原発の近
くでもあります。
この原発は稼働34年と古く、東京圏に100kmといちばん近い原発です。
今後も、あきらめず、ねばり強く続けていきたいと思っています。
┏┓
┗■2.「反原発への嫌がらせの歴史展」を見てきました
│ 原子力ワールドの隠ぺいと工作の数々は今に始まったことではなかった
│ 一つ一つの小さな情報を共有してネットワークを作るのが大切!
└──── 永山一美 (たんぽぽ舎ボランティア)
○開場13時少し過ぎに到着したら、すでに老若男女、沢山の方で混み合っており
ました。
会場内は、今までの反原発への嫌がらせの数々や、その証拠書類や写真が多数
展示されていました。
十数年前はただの嫌がらせで済まされてしまうであろう内容も、現在、改めて
その過程の展示物をみると、嫌がらせの範疇を超え、ストーカー行為や付きまと
いの事件になり得る貴重な証拠の数々。
具体的には覚えのないトラクター購入、金塊、語学教材購入、いやらしい文書
や脅迫まがいの文書、いつも見ているんだぞ!的な隠し撮り写真、それ以外にも
証拠の残らない、残せないもの、例えば生理用品、吸殻、枯れ草、恐ろしい数の
無言電話などもあったとのこと。
段ボールが、そういったものでいくつも積み上がる状態だったそうです。
○もんじゅ事件の奥様の西村さんのお話を聞きました。
事件当時、動燃から囲まれてメディアから隔離され、自分の思いや意見を発信す
ることができなかった、と。
あの頃からインターネットがあれば自分から発信できたのにと思い、その後、イ
ンターネット環境を知り、必死に勉強されて使えるようになった事、というくだ
りが胸にきました。
亡くなったご主人の様々な記録が段ボールから出てきて、どうしたら良いか手に
負えなかったそう。
その資料に関連した話も含めて、今月新しく書籍にまとまり出版されることにな
ったとのことで、出版されたらぜひ読んで見たいと思います。
○これからの時期、再稼働、増設等々、原発を推進したい人たちの攻勢が強まっ
てくるのは必至。
そんな中、電力会社や国に対して「原発NO 」を掲げる沢山の人たちにも、こ
の展示会にあるような内容が、いつ身近に起き、自分らと遠からずの出来事にな
るかもしれないと思いました。
また、主催の皆様のご苦労多いかと思いますが、今回限りの開催ではなく、各地
区でも開催をして頂いて、(スペースたんぽぽでも!)
この今までのなにがしかの歴史を少しでもみなさんに知っていてもらいたい、
そして、身近で何かあっても皆でその情報を共有して、一人きりで怖い思い、
嫌な思いをせず活動していける環境つくりも大事ではないかなと切に感じました。
┏┓
┗■3.新聞・雑誌から3つ
└────
◆<福島第1原発>汚染水流出、拡大か 1号機近くで高濃度放射性物質
更田委員「1号機の前でも高濃度の放射線物質が検出されたことは重く見ざる
を得ない」
東京電力福島第1原発2号機東側の護岸から放射性汚染水が海へ流出している
問題で、原子力規制委員会は12日、1号機東側の護岸でも高濃度の放射性物質
が検出されたとして、護岸周辺の地中にある1号機のトレンチ(配管などが通る
地下トンネル)の調査を東電に指示した。地下水の「汚染源」とみられる2号機
トレンチ内に残る高濃度汚染水が、1号機のトレンチに移動している可能性があ
る。規制委は、23日に現地調査することも決めた。
この日、規制委の作業部会が開かれ、1号機東側の護岸に掘った観測用井戸
で10日に採取した水からトリチウム(三重水素)を1リットル当たり3万40
00ベクレル検出したことが東電から報告された。3、4号機東側の護岸での検
出値1500~210ベクレルと比べて高く、規制委の更田豊志委員は「1号機
の前でも高濃度の放射性物質が検出されたことは重く見ざるを得ない」との見方
を示した。
東電によると、1号機トレンチには低濃度の汚染水(放射性セシウム137
が89ベクレル)が残されているのが分かっているが、最後に調査したのは昨年
12月で、最近の濃度は把握していない。規制委は2号機から1号機方向に延び
るトレンチを通じて高濃度汚染水が移動している可能性もあるとみて、1号機ト
レンチ内の水の再検査と周辺に井戸を掘ってモニタリング調査をするよう指示し
た。 【鳥井真平】(8月13日毎日新聞Web版より)
◆汚染水 「地中壁越え海へ」確認 福島第一 東電、井戸の水位測定
東京電力福島第一原発から放射性物質が海に漏れている問題で、東電は十日、
汚染された地下水の水位が流出防止用の地中壁の上端を上回ったと発表した。以
前から地下水が壁を越えて海へ出ていると指摘されていたが、実測値で壁が機能
していないことが確認された。
地中壁は1、2号機と海の間の地中に薬剤(水ガラス)を注入し土を固める工
法で、七月上旬から今月九日までに順次造られた。陸から海へ流れる地下水をせ
き止め、流出を防ぐとされていた。
しかし、技術的な理由で、地表から一・八メートルより下の部分しか壁になら
ず、上部は普通の土のまま残る。このため、水位が壁より高くなれば地下水は海
側へ漏れ出す。
東電は、壁のすぐ陸側に井戸を掘って水位を測定。地表から一・二メートル下
に達していた。地中壁の高さを越える〇・六メートル(60センチ)分は海に流れ
出ていることになる。
流出の可能性は原子力規制委員会が指摘していて、東電は地下水のくみ上げ作
業を始めている。今回の測定結果を受け、東電は「地下水や海水の監視をさらに
強化する。地下水の汚染源とみられるトレンチ(地下トンネル)内の汚染水も移
送する」としている。(8月11日東京新聞Web版より)
◆福島第一 10人が放射性物質汚染
バスを待つ5分の間に放射能被ばく、霧発生器が原因?
東京電力は十二日、作業を終えて福島第一原発の敷地から出ようとした社員十
人の顔面と頭から、社内基準の最大約五倍に当たる一平方センチあたり一九ベク
レルの放射性物質を検出したと発表した。
いずれも男性で二十~五十代。免震重要棟前でバスを待っていた午後零時半ご
ろから約五分の間に、何らかの原因で放射性物質に触れたらしい。
周辺の放射性物質の濃度を測る機器で警報が鳴ったが、社員はバスに乗って出
発。正門近くにある作業員の出入りを管理する施設で汚染が確認された。
免震重要棟前には「霧発生器」があり、東電は原因の可能性があるとみている。
近くのダムから引いた水を霧状にして作業員の頭上からまき、局所的に温度を下
げる仕組み。東電は、同じ水源の水を使うトイレや洗面所などの使用を停止し、
免震重要棟前では全面マスクを着用するよう指示した。
その後、水に汚染がないことが確認され、放射線量も下がったため、いずれも
解除した。今後は霧発生器の噴射口などを詳しく調べる。また、バスが放射性物
質を巻き上げた可能性や十人の行動なども調べ、原因の特定を進める。
(8月13日東京新聞Web版より抜粋)
2013年8月13日(火)地震と原発事故情報-3つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.毎週の金曜日官邸行動に思う=8月9日(金)第67回
―『長崎原爆の日、官邸前はかなり蒸し暑くデモ開始時刻には
気温33.9℃だった。そんな暑さをものとせず、続々と人が集まって
くる。このような頑張りはどこから来るのだろうか?
千葉和夫(たんぽぽ舎ボランティア)
★2.「反原発への嫌がらせの歴史展」を見てきました
原子力ワールドの隠ぺいと工作の数々は今に始まったことではなかった
一つ一つの小さな情報を共有してネットワークを作るのが大切!
永山一美 (たんぽぽ舎ボランティア)
★3.新聞・雑誌から3つ
◆<福島第1原発>汚染水流出、拡大か 1号機近くで高濃度放射性物質
(8月13日毎日新聞Web版より)
◆汚染水「地中壁越え海へ」確認 福島第一 東電、井戸の水位測定
(8月11日東京新聞Web版より)
◆福島第一 10人が放射性物質汚染
バスを待つ5分の間に放射能被ばく、霧発生器が原因?
(8月13日東京新聞Web版より抜粋)
━━━━━━━
※8/21学習会にご参加を!
槌田ゼミpart2
エントロピー入門第5章「科学技術と貿易が失業と貧困をもたらす」
日 時:8月21日(水)19時より
お 話:槌田 敦さん
会 場:「スペースたんぽぽ」ダイナミックビル4F
参加費:800円
━━━━━━━
┏┓
┗■1.毎週の金曜日官邸行動に思う=8月9日(金)第67回
| ―『長崎原爆の日、官邸前はかなり蒸し暑くデモ開始時刻には
| 気温33.9℃だった。そんな暑さをものとせず、続々と人が集まって
| くる。このような頑張りはどこから来るのだろうか?
└──── 千葉和夫(たんぽぽ舎ボランティア)
○8月9日、長崎原爆の日、官邸前はかなり蒸し暑く午後6時のデモ開始時刻に
は気温33.9℃だった。(終了間際33.2℃)そんな暑さをものとせず、続々と人が
集まってくる。今回のシュプレヒコールで気がついたのは「(放射能)汚染水を
すぐ止めろ」「海を汚すな」など参議院選挙が終わって急に浮上してきた海に流
出している放射能汚染水の危機感を反映したものが多かったように思いました。
○ 首相への抗議は
・男性:「国民と政権はねじれ状態にあること」「核不拡散条約(NPT)核廃
絶を求め る共同声明に、日本政府が署名しなかったこと」などを指摘していた。
・福島から来た女性:普段の生活で、3歳の娘に「此の石触ってもいいの?」と
聞かれ絶句したことなど、毎日の生活に放射能はいかに害があるかを話した。
・男性:「福島は終わっていない、規制委員会は福島第一原発の放射能汚染水の
処理に総力をあげよ」
・男性:「今日の長崎原爆の日のニュース、長崎市長の呼びかけ『被爆国の原点
に返れ』に対して安倍首相はまともに答えていなかった」
これらを聞いて「この国の首相は、普通の国民の声を聞くことはしない(でき
ない)、向いている方向が違いすぎる」と残念ながら再認識した。
○ 普通の国民から普通の生活を奪い続けている福島第一原発の事故の反省もな
く、原発を推進してきた責任を取ることをしないばかりか、“なりふり構わず”
原発の再稼働にむけ突っ走っている。
8月6日広島の原爆の日の首相発言「エネルギーの安定供給とコスト低減とい
う観点を含め、責任あるエネルギー政策を構築していく」(驚くことに今でも原
発の電気が安いと思っている←一国の首相なのだから少しは勉強をしてほしい、
まるで、再稼働がなければ経済の再生ができないかのような言い方)、 “責任
ある...”と言われても?マークしか思い浮かばないのは私だけだろうか?
責任とは再稼働/輸出を言う前に
1.フクイチ避難民一人残らず普通の生活に戻す。2.核のゴミ、使用済み燃料
をどうするのか。3.先が見えないフクイチの収束はどのようにするのか、等な
どを国民に示して欲しい。
○ そもそも、日本(民族)は二度の原爆投下、ビキニ環礁での第五福竜丸の被
ばく、そして今回の“人類史上最大の事故”と言われる福島第一原発の事故と4
度の放射能汚染にさらされ何十万人もの人が亡くなったことなど、少しも気にし
ない「健康とお金はどちらが大事だ」と言いたくなる。本来ならば此の日本が核
廃絶、原発廃炉の先頭に立って世界をリードする自覚と責任が必要ではないでし
ょうか?
○ 私が首相官邸前デモに足を運ぶのはそれなりの理由があります。「何もしな
いのは、結果として向こう側を利することになるのだ」ということと、ここへき
てみんなとつながっていることを実感できる、「決して孤立していないのだ」な
ど、単純なことです。
ここへ来るようになって、友達が増えたこと、現役時代の同じ職場の人に6名
も会うことができたことも収穫と思います。また今回も、ここでは音楽隊、ドラ
ム隊、自転車部隊に大きな勇気をもらうことができました。
最近はまた参加する人が増えてきたように思います。茨城県の海岸近く(鹿嶋
市)からは電車→高速バス→電車を乗り継いで4時間近くかかりますが、この場
所に来る意義が十分にあると思っています。またここに来れないときは、水戸の
抗議集会に参加しています。場所は茨城県庁近くで日本原電、東海第二原発の近
くでもあります。
この原発は稼働34年と古く、東京圏に100kmといちばん近い原発です。
今後も、あきらめず、ねばり強く続けていきたいと思っています。
┏┓
┗■2.「反原発への嫌がらせの歴史展」を見てきました
│ 原子力ワールドの隠ぺいと工作の数々は今に始まったことではなかった
│ 一つ一つの小さな情報を共有してネットワークを作るのが大切!
└──── 永山一美 (たんぽぽ舎ボランティア)
○開場13時少し過ぎに到着したら、すでに老若男女、沢山の方で混み合っており
ました。
会場内は、今までの反原発への嫌がらせの数々や、その証拠書類や写真が多数
展示されていました。
十数年前はただの嫌がらせで済まされてしまうであろう内容も、現在、改めて
その過程の展示物をみると、嫌がらせの範疇を超え、ストーカー行為や付きまと
いの事件になり得る貴重な証拠の数々。
具体的には覚えのないトラクター購入、金塊、語学教材購入、いやらしい文書
や脅迫まがいの文書、いつも見ているんだぞ!的な隠し撮り写真、それ以外にも
証拠の残らない、残せないもの、例えば生理用品、吸殻、枯れ草、恐ろしい数の
無言電話などもあったとのこと。
段ボールが、そういったものでいくつも積み上がる状態だったそうです。
○もんじゅ事件の奥様の西村さんのお話を聞きました。
事件当時、動燃から囲まれてメディアから隔離され、自分の思いや意見を発信す
ることができなかった、と。
あの頃からインターネットがあれば自分から発信できたのにと思い、その後、イ
ンターネット環境を知り、必死に勉強されて使えるようになった事、というくだ
りが胸にきました。
亡くなったご主人の様々な記録が段ボールから出てきて、どうしたら良いか手に
負えなかったそう。
その資料に関連した話も含めて、今月新しく書籍にまとまり出版されることにな
ったとのことで、出版されたらぜひ読んで見たいと思います。
○これからの時期、再稼働、増設等々、原発を推進したい人たちの攻勢が強まっ
てくるのは必至。
そんな中、電力会社や国に対して「原発NO 」を掲げる沢山の人たちにも、こ
の展示会にあるような内容が、いつ身近に起き、自分らと遠からずの出来事にな
るかもしれないと思いました。
また、主催の皆様のご苦労多いかと思いますが、今回限りの開催ではなく、各地
区でも開催をして頂いて、(スペースたんぽぽでも!)
この今までのなにがしかの歴史を少しでもみなさんに知っていてもらいたい、
そして、身近で何かあっても皆でその情報を共有して、一人きりで怖い思い、
嫌な思いをせず活動していける環境つくりも大事ではないかなと切に感じました。
┏┓
┗■3.新聞・雑誌から3つ
└────
◆<福島第1原発>汚染水流出、拡大か 1号機近くで高濃度放射性物質
更田委員「1号機の前でも高濃度の放射線物質が検出されたことは重く見ざる
を得ない」
東京電力福島第1原発2号機東側の護岸から放射性汚染水が海へ流出している
問題で、原子力規制委員会は12日、1号機東側の護岸でも高濃度の放射性物質
が検出されたとして、護岸周辺の地中にある1号機のトレンチ(配管などが通る
地下トンネル)の調査を東電に指示した。地下水の「汚染源」とみられる2号機
トレンチ内に残る高濃度汚染水が、1号機のトレンチに移動している可能性があ
る。規制委は、23日に現地調査することも決めた。
この日、規制委の作業部会が開かれ、1号機東側の護岸に掘った観測用井戸
で10日に採取した水からトリチウム(三重水素)を1リットル当たり3万40
00ベクレル検出したことが東電から報告された。3、4号機東側の護岸での検
出値1500~210ベクレルと比べて高く、規制委の更田豊志委員は「1号機
の前でも高濃度の放射性物質が検出されたことは重く見ざるを得ない」との見方
を示した。
東電によると、1号機トレンチには低濃度の汚染水(放射性セシウム137
が89ベクレル)が残されているのが分かっているが、最後に調査したのは昨年
12月で、最近の濃度は把握していない。規制委は2号機から1号機方向に延び
るトレンチを通じて高濃度汚染水が移動している可能性もあるとみて、1号機ト
レンチ内の水の再検査と周辺に井戸を掘ってモニタリング調査をするよう指示し
た。 【鳥井真平】(8月13日毎日新聞Web版より)
◆汚染水 「地中壁越え海へ」確認 福島第一 東電、井戸の水位測定
東京電力福島第一原発から放射性物質が海に漏れている問題で、東電は十日、
汚染された地下水の水位が流出防止用の地中壁の上端を上回ったと発表した。以
前から地下水が壁を越えて海へ出ていると指摘されていたが、実測値で壁が機能
していないことが確認された。
地中壁は1、2号機と海の間の地中に薬剤(水ガラス)を注入し土を固める工
法で、七月上旬から今月九日までに順次造られた。陸から海へ流れる地下水をせ
き止め、流出を防ぐとされていた。
しかし、技術的な理由で、地表から一・八メートルより下の部分しか壁になら
ず、上部は普通の土のまま残る。このため、水位が壁より高くなれば地下水は海
側へ漏れ出す。
東電は、壁のすぐ陸側に井戸を掘って水位を測定。地表から一・二メートル下
に達していた。地中壁の高さを越える〇・六メートル(60センチ)分は海に流れ
出ていることになる。
流出の可能性は原子力規制委員会が指摘していて、東電は地下水のくみ上げ作
業を始めている。今回の測定結果を受け、東電は「地下水や海水の監視をさらに
強化する。地下水の汚染源とみられるトレンチ(地下トンネル)内の汚染水も移
送する」としている。(8月11日東京新聞Web版より)
◆福島第一 10人が放射性物質汚染
バスを待つ5分の間に放射能被ばく、霧発生器が原因?
東京電力は十二日、作業を終えて福島第一原発の敷地から出ようとした社員十
人の顔面と頭から、社内基準の最大約五倍に当たる一平方センチあたり一九ベク
レルの放射性物質を検出したと発表した。
いずれも男性で二十~五十代。免震重要棟前でバスを待っていた午後零時半ご
ろから約五分の間に、何らかの原因で放射性物質に触れたらしい。
周辺の放射性物質の濃度を測る機器で警報が鳴ったが、社員はバスに乗って出
発。正門近くにある作業員の出入りを管理する施設で汚染が確認された。
免震重要棟前には「霧発生器」があり、東電は原因の可能性があるとみている。
近くのダムから引いた水を霧状にして作業員の頭上からまき、局所的に温度を下
げる仕組み。東電は、同じ水源の水を使うトイレや洗面所などの使用を停止し、
免震重要棟前では全面マスクを着用するよう指示した。
その後、水に汚染がないことが確認され、放射線量も下がったため、いずれも
解除した。今後は霧発生器の噴射口などを詳しく調べる。また、バスが放射性物
質を巻き上げた可能性や十人の行動なども調べ、原因の特定を進める。
(8月13日東京新聞Web版より抜粋)
PR
たんぽぽ舎です。【TMM:No1927】
2013年8月10日(土)その2地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.サクラ調査報告集(第10集)がホームページに掲載されました。ダウンロ
ードできます。
サクラと環境・原発-異変桜みつかる。環境悪化・原発放射能か?
山田昌郎(サクラ調査ネットワーク)
★2.つぎはぎだらけの規制基準(規制委員会批判) パッチワークで安全性は
さらに低下する
規制委員会が宣伝する新たな「安全神話」を斬る(下)
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★3.伊方原発を止め、ふるさと瀬戸内を守りましょう!
-過ちをくり返さないために 語り継ごう8・6
(被爆68周年8・6ヒロシマのつどい)(上) 堀内美鈴(愛媛県・松山市)
★4.新聞・雑誌より2つ
◆ 反原発に品性なき妨害 いやがらせの手紙・はがき歴史展
10・11日新宿で (8月9日朝日新聞より抜粋)
◆ 東電の「お手上げ」を恐れる、原子力規制委
放射能汚染水の流出阻止へ、異例のテコ入れ
(東洋経済オンラインより抜粋)
━━━━━━━
┏┓
┗■1.サクラ調査報告集(第10集)がホームページに掲載されました。
| ダウンロードできます。
| サクラと環境・原発-異変桜みつかる。環境悪化・原発放射能か?
└──── 山田昌郎(サクラ調査ネットワーク)
サクラ調査報告集(第10集)(PDFファイル,3.48MB)が完成し,たんぽぽ舎
ホームページからダウンロードできるようになりました。
今回の報告集は71ページで,表紙,目次,序文の後,51ページまで各地からの
調査報告が続きます。今年は宮崎,佐賀,愛媛,大阪,愛知,岐阜,富山,神奈
川,東京,埼玉,福島,宮城,北海道の13都道府県の90本のサクラの木が調査さ
れました。調査方法は,各樹木について1000個を目安に花を一つずつ観察し,花
弁(花びら)の枚数(5枚が正常),がくの数(5個が正常),花弁のギザギザ・
切れ込み・重なり・変形・つき方異常,がくの花弁化,雄しべの花弁化,花その
ものの矮小化の有無を確認していくものです。各樹木について,立地環境などの
所定の情報,異常花数,異常の内訳,調査を実施しての感想,異常花などの写真
を掲載しました。
52-54ページには,継続的に調査が行われている樹木について,昨年までの異
常花率と比較するグラフを掲載しました。
55-56ページに今回の調査要綱と調査票,57-71ページに2004年の第1回調査か
らの全結果の表を掲載しました。この表には今回は結果の数字のみ羅列しており
ますが,今後このデータを基にいろいろな角度から分析していくことが可能と思
います。さしあたり,原発からの距離,原発の前年度の稼働状況,空間放射線量,
最寄の道路の交通量,日照条件,ゴミ焼却場からの距離,前年の夏の気温などを
説明変数とし,異常花率および各異常項目の発生率を目的変数として重回帰分析
を行うことなどが考えられます。
この報告集を参考にしていただいて,来春さらに多くのサクラの木について調
査がなされましたら幸いです。以上,ご紹介まで。
┏┓
┗■2.つぎはぎだらけの規制基準(規制委員会批判) パッチワークで安全性
はさらに低下する
| 規制委員会が宣伝する新たな「安全神話」を斬る(下)
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
○ 見通し立たず放置されている「想定外」=格納容器は低圧でも破損
格納容器と圧力容器の破損も又、想定外のまま放置されている。
2号機の破損は、ベント失敗によるものではない。そもそも原因は分かってい
ない。サプレッションチェンバ付近で破壊されたと見られているものの、破損場
所さえ特定できていない。
圧力容器は密封された容器と思われがちだが実際には圧力容器の蓋はボルトで
止めているだけであり、隙間は炭素繊維で作られたシートで漏えいを防いでいる。
しかしこの炭素繊維製シートの耐熱は400度程度だという。
圧力容器に取り付けられている温度計は、最高使用温度400度とされている
が、事故の際にこの温度を超えてしまった。燃料は最終的に冷却水を失った結果、
2000度を超える温度に達したとみられることから、圧力容器や配管のシール
部分は熱で破壊されたと考えられている。つまり燃料が溶融又は崩壊するような
事故では容器のシール部分は持たない。
同様に、格納容器の配管や電線貫通部(ペネトレーションという)もシール材
はエポキシ樹脂などで耐熱温度は250度程度、これでは200度を超える高温
気体が噴出すれば持たない。実際に1から3号機全てにおいて格納容器からの放
射能漏えいの原因がそれである。
圧力容器と格納容器の密封性が維持できなければ、いくら格納容器ベントを実
施しても格納容器を守れない。
加圧水型軽水炉であっても事情は変わらない。体積が大きいから余裕があると
いうのは単なる机上の計算であり、高温の漏えい気体が圧力容器や系統配管のど
こから噴出するかによっては、それで格納容器を破損する可能性があるかもしれ
ない。
○見通し立たず放置されている「想定外」=制御棒挿入失敗
福島第一原発でも起こらなかったため、解析の対象にさえ上げられていないの
が「制御棒挿入失敗」ATWSである。
地震により制御棒駆動機構が破損すれば、正しく挿入されるという保証はない
のだが、沸騰水型軽水炉で110万kwで180体ある制御棒が全て正常に挿入
できるという想定は、楽観的に過ぎよう。
加圧水型軽水炉でも事情は余り変わらない。重力加速度を超える大きな上下の
揺れが襲えば、そもそも自由落下で「落とす」構造の制御棒がすんなり入るとは
思えない。どこの加圧水型軽水炉の解析でも上下動について重力加速度を超える
想定をしていない。重力加速度を超える揺れは過去にいくらでも観測されている
というのに。
特に西日本の原発は加圧水型軽水炉である。さらに、立地している場所は固い
地盤であることが多いので、大きな上下動が減衰せずに伝わるかもしれない。
強い上下動により、制御棒が一瞬宙に浮くような状態になれば挿入が遅れ、そ
の間に大きな揺れにより燃料棒がぶつかり合うなどして挿入困難な事態を招くか
もしれない。
制御棒挿入失敗は荒唐無稽と言えるほど可能性が低いとは思えない。
○ 見通し立たず放置されている「想定外」=緊急対策要員
福島第一原発でも大問題になった「東電撤退」。70人ほど残ったとされるが、
彼らは原子炉の状態を知ることもできないまま、計器を読む作業だけを延々と続
けていた。3、4号機の建屋が吹き飛び、中に入ることも出来ないので、有効な
活動はそもそも不可能であった。
規制基準においては、緊急対策所で活動することになっているが、原子炉を冷
温停止に持って行くには、シビアアクシデントを前提とするならば1000人規
模の大人数が人海戦術で事に当たる必要があると思われる。
そもそも、大規模な収束作業要員を一体どうやって集めるのであろうか。福島
第一原発は6機のうち4機まで危機的な状況になっている。数千人の対策要員が
必要である。現在でも毎日3000人が働いている。緊急時ともなると、時間と
の勝負であり、専門的な訓練を受けた緊急対策要員が大量に必要なのだが、そん
な人材は今はどこにもいない。米国のような緊急対策組織を作るというのだろう
か。いつまでに、誰が。
避難計画を実行する防災要員も決定的に不足している。消防、警察、自治体職
員を動員してもわずかな人数でしかない。大都市は混乱のうちにパニックになる
だろうし、地方は地震や津波に寸断された道を逃げ惑うことになる。それをコン
トロールできる組織は今はない。しかしこれもまた、自治体に丸投げか、放置さ
れたままである。
┏┓
┗■3.伊方原発を止め、ふるさと瀬戸内を守りましょう!
| -過ちをくり返さないために 語り継ごう8・6
| (被爆68周年8・6ヒロシマのつどい)(上)
└──── 堀内美鈴(愛媛県・松山市)
私は瀬戸内海の向かい側の愛媛県松山市に住んでいます。「3・11」の福島
第一原発事故を目の当たりにして、愛媛県の伊方原発をはじめとして原発のない
社会を目指して、一市民として出来ることに取り組んでいます。そのご縁で、今
日、呼びかけをさせていただくことになりました。心から感謝申し上げます。
伊方原発は日本で一番長い45kmほどの長さの佐田岬半島の根元の、瀬戸内海に
面した場所にあります。広島市からは約100キロはなれています。全国の原発で、
内海に面しているのはこの伊方原発だけです。「3・11」原発大震災後、伊方
は定期検査のために1~3号機、全てが停止しています。四国電力は今年の夏の
電力需給見通しについて、余力5%以上で、節電要請や計画停電の準備はしない
と発表しています。すでに四国では原発に全く依存しなくても電気は足りていま
す。
愛媛県には原子力センターもあります。この原子力センターは福島第一原発か
ら約800キロ離れていますが、東日本大震災後、3月23~24日にかけて、はじめ
てヨウ素131を観測しました。ひとたび原発が重大な事故を起こせば、日本の
どこに住んでいようとも、みな影響を受けます。また、国連報告によると、この
事故で放出された放射性セシウム137の量は広島に落とされた原爆の168倍と
推測されています。私たちはいま、世界で最も深刻な原子力災害の真っただ中を
生きているのです。
国全体がこのように非常事態にあるにも関わらず、四国電力は先月8日に原子
力規制委員会に伊方原発3号機の再稼働申請をしました。他にも、北海道電力・
泊原発、関西電力高浜原発、九州電力川内原発と玄海原発も審査中ですが、伊方
は他の原発と比べて一番審査回数が多く、再稼働のトップランナーになるのでは
ないかと心配です。
私は「3・11」で、原発のない社会を作りたいと心から思いました。とにか
くまずは、現地で原発とともに暮らしてきた方々に会ってお話しを聞きたいと思
い、伊方の地元でチラシの戸別配布をしたり、長年反対運動をしてこられた方々
や伊方から30キロ圏内で暮らす人々ともお会いしました。そして、伊方について
これまで知らなかった事をたくさん教えられました。
原発建設予定地では、それを阻止しようと立ち上がった住民たち、特にお母さ
んや子どもたちがいました。また、日本で初めて住民が国を訴えて原発裁判を起
こして、20数年間、闘いぬきました。けれども電力会社や行政に携わる人たちは、
現地の住民を切り崩し、引き裂き、中には自殺にまで追い込まれた住民がいたこ
とを知りました。
表に出されることが無かったこのような現地の声を聞けば聞くほど、それまで
自分が無意識に使っていた電力が、いかにむごい方法で立てられた原発が生み出
したものであったかを思い知らされました。原発再稼働は電力供給の問題ではな
く、私たちの人権が踏みにじられ、立ち上がれなくされた後に初めてやってくる、
人権侵害の結果なのです。
※ 8月6日広島の集会(200名)で発表された内容です。
次号に(下)を掲載します。
┏┓
┗■4.新聞・雑誌より2つ
└────
◆反原発に品性なき妨害
いやがらせの手紙・はがき 歴史展 10・11日新宿で
反原発運動に参加する人たちに届いた嫌がらせの手紙などを集めた風変わりな展
示会「反原発へのいやがらせの歴史展」が10,11両日東京・新宿のギャラリーで
開かれる。主催者は「原発が推進されてきた裏で、陰湿な圧力が合った事実を知
ってほしい」と話している。
(中略)
企画した海渡雄一弁護士は長く原発の運転差し止め訴訟などに関わり、こうし
た資料を集めてきた。「原発再稼働をめぐる攻防は、これから本格化する。今後
また、過去のような反対運動への妨害工作が起きる可能性がある」と話す。
10日は午後1時―5時 11日は午前10時-午後4時、
新宿区西新宿2丁目の区立区民ギャラリーで。入場無料。
(8月9日朝日新聞より抜粋)
◆ 東電の「お手上げ」を恐れる、原子力規制委
放射能汚染水の流出阻止へ、異例のテコ入れ
東京電力・福島第一原発の放射能汚染水が海に流れ出している問題で、原子力
規制委員会と原子力規制庁が、有効な手だてを欠く東電へのテコ入れに乗り出し
た。
規制委は8月2日夕刻に「汚染水対策検討ワーキンググループ」を急きょ開催。
汚染水と混じり合った地下水の海への漏出を防ぐために、水抜き用の井戸を掘っ
て地下水をくみ上げる方策を早急に講じるように東電に求めた。
○ のしかかる40万トンの汚染水 (本文略)
○ 増え続ける汚染水に解決の道は?(本文略)
○ 火中の栗を拾う原子力規制委 (本文略)
岡田 広行 :東洋経済 記者
(東洋経済オンラインより抜粋)
※ 事務局より
東洋経済オンライン岡田広行記者の記事は『東電の「お手上げ」を恐れる、原
子力規制委放射能汚染水の流出阻止へ、異例のテコ入れ』
http://toyokeizai.net/articles/-/16968
汚染水問題が深刻化していることを報じています。
これを解決するには東電解体しかない。というのは私の意見。
どうぞ岡田記者に応援を。(山崎久隆)
2013年8月10日(土)その2地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.サクラ調査報告集(第10集)がホームページに掲載されました。ダウンロ
ードできます。
サクラと環境・原発-異変桜みつかる。環境悪化・原発放射能か?
山田昌郎(サクラ調査ネットワーク)
★2.つぎはぎだらけの規制基準(規制委員会批判) パッチワークで安全性は
さらに低下する
規制委員会が宣伝する新たな「安全神話」を斬る(下)
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★3.伊方原発を止め、ふるさと瀬戸内を守りましょう!
-過ちをくり返さないために 語り継ごう8・6
(被爆68周年8・6ヒロシマのつどい)(上) 堀内美鈴(愛媛県・松山市)
★4.新聞・雑誌より2つ
◆ 反原発に品性なき妨害 いやがらせの手紙・はがき歴史展
10・11日新宿で (8月9日朝日新聞より抜粋)
◆ 東電の「お手上げ」を恐れる、原子力規制委
放射能汚染水の流出阻止へ、異例のテコ入れ
(東洋経済オンラインより抜粋)
━━━━━━━
┏┓
┗■1.サクラ調査報告集(第10集)がホームページに掲載されました。
| ダウンロードできます。
| サクラと環境・原発-異変桜みつかる。環境悪化・原発放射能か?
└──── 山田昌郎(サクラ調査ネットワーク)
サクラ調査報告集(第10集)(PDFファイル,3.48MB)が完成し,たんぽぽ舎
ホームページからダウンロードできるようになりました。
今回の報告集は71ページで,表紙,目次,序文の後,51ページまで各地からの
調査報告が続きます。今年は宮崎,佐賀,愛媛,大阪,愛知,岐阜,富山,神奈
川,東京,埼玉,福島,宮城,北海道の13都道府県の90本のサクラの木が調査さ
れました。調査方法は,各樹木について1000個を目安に花を一つずつ観察し,花
弁(花びら)の枚数(5枚が正常),がくの数(5個が正常),花弁のギザギザ・
切れ込み・重なり・変形・つき方異常,がくの花弁化,雄しべの花弁化,花その
ものの矮小化の有無を確認していくものです。各樹木について,立地環境などの
所定の情報,異常花数,異常の内訳,調査を実施しての感想,異常花などの写真
を掲載しました。
52-54ページには,継続的に調査が行われている樹木について,昨年までの異
常花率と比較するグラフを掲載しました。
55-56ページに今回の調査要綱と調査票,57-71ページに2004年の第1回調査か
らの全結果の表を掲載しました。この表には今回は結果の数字のみ羅列しており
ますが,今後このデータを基にいろいろな角度から分析していくことが可能と思
います。さしあたり,原発からの距離,原発の前年度の稼働状況,空間放射線量,
最寄の道路の交通量,日照条件,ゴミ焼却場からの距離,前年の夏の気温などを
説明変数とし,異常花率および各異常項目の発生率を目的変数として重回帰分析
を行うことなどが考えられます。
この報告集を参考にしていただいて,来春さらに多くのサクラの木について調
査がなされましたら幸いです。以上,ご紹介まで。
┏┓
┗■2.つぎはぎだらけの規制基準(規制委員会批判) パッチワークで安全性
はさらに低下する
| 規制委員会が宣伝する新たな「安全神話」を斬る(下)
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
○ 見通し立たず放置されている「想定外」=格納容器は低圧でも破損
格納容器と圧力容器の破損も又、想定外のまま放置されている。
2号機の破損は、ベント失敗によるものではない。そもそも原因は分かってい
ない。サプレッションチェンバ付近で破壊されたと見られているものの、破損場
所さえ特定できていない。
圧力容器は密封された容器と思われがちだが実際には圧力容器の蓋はボルトで
止めているだけであり、隙間は炭素繊維で作られたシートで漏えいを防いでいる。
しかしこの炭素繊維製シートの耐熱は400度程度だという。
圧力容器に取り付けられている温度計は、最高使用温度400度とされている
が、事故の際にこの温度を超えてしまった。燃料は最終的に冷却水を失った結果、
2000度を超える温度に達したとみられることから、圧力容器や配管のシール
部分は熱で破壊されたと考えられている。つまり燃料が溶融又は崩壊するような
事故では容器のシール部分は持たない。
同様に、格納容器の配管や電線貫通部(ペネトレーションという)もシール材
はエポキシ樹脂などで耐熱温度は250度程度、これでは200度を超える高温
気体が噴出すれば持たない。実際に1から3号機全てにおいて格納容器からの放
射能漏えいの原因がそれである。
圧力容器と格納容器の密封性が維持できなければ、いくら格納容器ベントを実
施しても格納容器を守れない。
加圧水型軽水炉であっても事情は変わらない。体積が大きいから余裕があると
いうのは単なる机上の計算であり、高温の漏えい気体が圧力容器や系統配管のど
こから噴出するかによっては、それで格納容器を破損する可能性があるかもしれ
ない。
○見通し立たず放置されている「想定外」=制御棒挿入失敗
福島第一原発でも起こらなかったため、解析の対象にさえ上げられていないの
が「制御棒挿入失敗」ATWSである。
地震により制御棒駆動機構が破損すれば、正しく挿入されるという保証はない
のだが、沸騰水型軽水炉で110万kwで180体ある制御棒が全て正常に挿入
できるという想定は、楽観的に過ぎよう。
加圧水型軽水炉でも事情は余り変わらない。重力加速度を超える大きな上下の
揺れが襲えば、そもそも自由落下で「落とす」構造の制御棒がすんなり入るとは
思えない。どこの加圧水型軽水炉の解析でも上下動について重力加速度を超える
想定をしていない。重力加速度を超える揺れは過去にいくらでも観測されている
というのに。
特に西日本の原発は加圧水型軽水炉である。さらに、立地している場所は固い
地盤であることが多いので、大きな上下動が減衰せずに伝わるかもしれない。
強い上下動により、制御棒が一瞬宙に浮くような状態になれば挿入が遅れ、そ
の間に大きな揺れにより燃料棒がぶつかり合うなどして挿入困難な事態を招くか
もしれない。
制御棒挿入失敗は荒唐無稽と言えるほど可能性が低いとは思えない。
○ 見通し立たず放置されている「想定外」=緊急対策要員
福島第一原発でも大問題になった「東電撤退」。70人ほど残ったとされるが、
彼らは原子炉の状態を知ることもできないまま、計器を読む作業だけを延々と続
けていた。3、4号機の建屋が吹き飛び、中に入ることも出来ないので、有効な
活動はそもそも不可能であった。
規制基準においては、緊急対策所で活動することになっているが、原子炉を冷
温停止に持って行くには、シビアアクシデントを前提とするならば1000人規
模の大人数が人海戦術で事に当たる必要があると思われる。
そもそも、大規模な収束作業要員を一体どうやって集めるのであろうか。福島
第一原発は6機のうち4機まで危機的な状況になっている。数千人の対策要員が
必要である。現在でも毎日3000人が働いている。緊急時ともなると、時間と
の勝負であり、専門的な訓練を受けた緊急対策要員が大量に必要なのだが、そん
な人材は今はどこにもいない。米国のような緊急対策組織を作るというのだろう
か。いつまでに、誰が。
避難計画を実行する防災要員も決定的に不足している。消防、警察、自治体職
員を動員してもわずかな人数でしかない。大都市は混乱のうちにパニックになる
だろうし、地方は地震や津波に寸断された道を逃げ惑うことになる。それをコン
トロールできる組織は今はない。しかしこれもまた、自治体に丸投げか、放置さ
れたままである。
┏┓
┗■3.伊方原発を止め、ふるさと瀬戸内を守りましょう!
| -過ちをくり返さないために 語り継ごう8・6
| (被爆68周年8・6ヒロシマのつどい)(上)
└──── 堀内美鈴(愛媛県・松山市)
私は瀬戸内海の向かい側の愛媛県松山市に住んでいます。「3・11」の福島
第一原発事故を目の当たりにして、愛媛県の伊方原発をはじめとして原発のない
社会を目指して、一市民として出来ることに取り組んでいます。そのご縁で、今
日、呼びかけをさせていただくことになりました。心から感謝申し上げます。
伊方原発は日本で一番長い45kmほどの長さの佐田岬半島の根元の、瀬戸内海に
面した場所にあります。広島市からは約100キロはなれています。全国の原発で、
内海に面しているのはこの伊方原発だけです。「3・11」原発大震災後、伊方
は定期検査のために1~3号機、全てが停止しています。四国電力は今年の夏の
電力需給見通しについて、余力5%以上で、節電要請や計画停電の準備はしない
と発表しています。すでに四国では原発に全く依存しなくても電気は足りていま
す。
愛媛県には原子力センターもあります。この原子力センターは福島第一原発か
ら約800キロ離れていますが、東日本大震災後、3月23~24日にかけて、はじめ
てヨウ素131を観測しました。ひとたび原発が重大な事故を起こせば、日本の
どこに住んでいようとも、みな影響を受けます。また、国連報告によると、この
事故で放出された放射性セシウム137の量は広島に落とされた原爆の168倍と
推測されています。私たちはいま、世界で最も深刻な原子力災害の真っただ中を
生きているのです。
国全体がこのように非常事態にあるにも関わらず、四国電力は先月8日に原子
力規制委員会に伊方原発3号機の再稼働申請をしました。他にも、北海道電力・
泊原発、関西電力高浜原発、九州電力川内原発と玄海原発も審査中ですが、伊方
は他の原発と比べて一番審査回数が多く、再稼働のトップランナーになるのでは
ないかと心配です。
私は「3・11」で、原発のない社会を作りたいと心から思いました。とにか
くまずは、現地で原発とともに暮らしてきた方々に会ってお話しを聞きたいと思
い、伊方の地元でチラシの戸別配布をしたり、長年反対運動をしてこられた方々
や伊方から30キロ圏内で暮らす人々ともお会いしました。そして、伊方について
これまで知らなかった事をたくさん教えられました。
原発建設予定地では、それを阻止しようと立ち上がった住民たち、特にお母さ
んや子どもたちがいました。また、日本で初めて住民が国を訴えて原発裁判を起
こして、20数年間、闘いぬきました。けれども電力会社や行政に携わる人たちは、
現地の住民を切り崩し、引き裂き、中には自殺にまで追い込まれた住民がいたこ
とを知りました。
表に出されることが無かったこのような現地の声を聞けば聞くほど、それまで
自分が無意識に使っていた電力が、いかにむごい方法で立てられた原発が生み出
したものであったかを思い知らされました。原発再稼働は電力供給の問題ではな
く、私たちの人権が踏みにじられ、立ち上がれなくされた後に初めてやってくる、
人権侵害の結果なのです。
※ 8月6日広島の集会(200名)で発表された内容です。
次号に(下)を掲載します。
┏┓
┗■4.新聞・雑誌より2つ
└────
◆反原発に品性なき妨害
いやがらせの手紙・はがき 歴史展 10・11日新宿で
反原発運動に参加する人たちに届いた嫌がらせの手紙などを集めた風変わりな展
示会「反原発へのいやがらせの歴史展」が10,11両日東京・新宿のギャラリーで
開かれる。主催者は「原発が推進されてきた裏で、陰湿な圧力が合った事実を知
ってほしい」と話している。
(中略)
企画した海渡雄一弁護士は長く原発の運転差し止め訴訟などに関わり、こうし
た資料を集めてきた。「原発再稼働をめぐる攻防は、これから本格化する。今後
また、過去のような反対運動への妨害工作が起きる可能性がある」と話す。
10日は午後1時―5時 11日は午前10時-午後4時、
新宿区西新宿2丁目の区立区民ギャラリーで。入場無料。
(8月9日朝日新聞より抜粋)
◆ 東電の「お手上げ」を恐れる、原子力規制委
放射能汚染水の流出阻止へ、異例のテコ入れ
東京電力・福島第一原発の放射能汚染水が海に流れ出している問題で、原子力
規制委員会と原子力規制庁が、有効な手だてを欠く東電へのテコ入れに乗り出し
た。
規制委は8月2日夕刻に「汚染水対策検討ワーキンググループ」を急きょ開催。
汚染水と混じり合った地下水の海への漏出を防ぐために、水抜き用の井戸を掘っ
て地下水をくみ上げる方策を早急に講じるように東電に求めた。
○ のしかかる40万トンの汚染水 (本文略)
○ 増え続ける汚染水に解決の道は?(本文略)
○ 火中の栗を拾う原子力規制委 (本文略)
岡田 広行 :東洋経済 記者
(東洋経済オンラインより抜粋)
※ 事務局より
東洋経済オンライン岡田広行記者の記事は『東電の「お手上げ」を恐れる、原
子力規制委放射能汚染水の流出阻止へ、異例のテコ入れ』
http://toyokeizai.net/articles/-/16968
汚染水問題が深刻化していることを報じています。
これを解決するには東電解体しかない。というのは私の意見。
どうぞ岡田記者に応援を。(山崎久隆)
たんぽぽ舎です。【TMM:No1926】
2013年8月10日(土)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.九州・川内原発から玄海原発へ-再稼働阻止めざして交流
福島・チェルノブイリ報告会4ヶ所、各地からの声
青山晴江(たんぽぽ舎ボランティア・再稼働阻止全国ネットワーク)
★2.何の津波対策もとらなかった東電免責はあり得ない
強制捜査による関係資料の押収がぜひ必要-解明のために
河合 弘之(弁護士・福島原発告訴団弁護団代表)
★3.つぎはぎだらけの規制基準(規制委員会批判) パッチワークで安全性は
さらに低下する
規制委員会が宣伝する新たな「安全神話」を斬る(中)
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★4.新聞・雑誌より2つ
◆基準以下の地下水 経産相「海放出を」 福島第一原発
(8月9日 朝日新聞より抜粋)
◆徳島知事「四電は知恵がない」~再値上げ言及の社長批判
(8月9日愛媛新聞より抜粋)
━━━━━━━
┏┓
┗■1.九州・川内原発から玄海原発へ-再稼働阻止めざして交流
| 福島・チェルノブイリ報告会4ヶ所、各地からの声
└────青山晴江(たんぽぽ舎ボランティア・再稼働阻止全国ネットワーク)
鹿児島川内集会参加の後、川内・水俣・糸島・中津市の4ヶ所で福島報告(黒
田節子さん)と、チェルノブイリ報告(青山)をしてきました。各地からの声を
お届けします。
○ 鹿児島川内市…2日間の集会の後で集まってくれた皆さん。東京から避難の
若い夫妻が低線量・内部被曝について、参加していた医師の方に心配そうに質問
していました。「早い時期に避難できたのは、たんぽぽ舎や原子力資料情報室の
情報のおかげです。」と話されていました。また活動を長く続けてこられた男性
が「負け戦とわかっていても、疲れていてもやらねばならん」と自らを励ますよ
うに言われたのが心に残っています。
○ 熊本水俣市…千葉県松戸から11年3月に3家族で避難した青年が遠慮がちに
「田舎の古い体質みたいなものにつきあたることもあるんですよね。」と。60代
の女性は「チェルノブイリ後54基まで増やさせてしまった世代としての責任があ
る。」と語り、岐阜・大分から移住した女性たちからは、福島の子供たちの保養
について、個人や熊本大0円キャンプの取り組みなど報告がありました。
○ 福岡糸島市…11年4月郡山・ビッグパレットで被災者支援ボランティアをさ
れた方のお宅での報告会。脱原発糸島ネットワークを最近立ち上げ、活気に満ち
た地元の人々の集まりでした。7・28川内集会と同時に玄海でも風船を飛ばし、
熊本方面へも飛んで行った話や玄海原発周辺での白血病の多いことなど聞きまし
た。糸島市への避難家族は30名程だそうです。
○ 大分中津市…東京から避難の女性が娘さんと参加。祝島に関わってきた女性
は「大分の椎茸も風評被害で打撃をうけこれからどうしたものか」と話されてい
ました。多方面で活動している若い人や家族での参加も多く、交流会でも再稼働
などとんでもないと活発な議論でした。
○ 移動の間に石丸さん(玄海原発プルサーマル裁判)が車で案内してくださり、
玄海に行くことができました。PR館や公共施設は"異様な"と思えるほどのりっ
ぱさ。でも町は心なしか重苦しい空気が流れていました。泊・伊方・川内などと
同じように「ここが一番先に再稼働か…」そういう口に出せない不安な思いが澱
のように淀んでいるように感じられました。
町役場にアポなしで女3人「再稼働しないで。福島の声を聞いて」と入りまし
た。町長は不在?で企画課の青年が20分程丁寧に応対。初めて聞く話も多いらし
く、黒田さんが「一度爆発したらどうにもならない。この美しい玄海を福島のよ
うにしないで。玄海原発をどうするか、日本中が世界中がみてますよ」と話すと
メモをとりながらじっと聞き入っていました。
佐賀の唐津図書館には避難者のために新聞ラックに福島民報・岩手日報・河北
新報が置かれていました。
博多では経産省前テントよりも前からある九州電力本社前テントに寄らせても
らいました。どこの地でも福島を憂い、再稼働などありえないと怒る人々の良心
の声がありました。この思いをつないでいきたいです。
┏┓
┗■2.何の津波対策もとらなかった東電免責はあり得ない
| 強制捜査による関係資料の押収がぜひ必要-解明のために
└──── 河合 弘之(弁護士・福島原発告訴団弁護団代表)
※「東電等を不起訴」の推測記事が流れています。とんでもないことですが、こ
れに対して福島原発告訴壇弁護団長の河合弘之弁護士が緊急声明を発しましたの
で、転載いたします。
声明文はもともと朝日新聞の記事 http://www.asahi.com/shinsai_fukkou/articles/TKY201308080461.html
に対する反論として書かれたのですが、朝日新聞が掲載を断ってきたことで、
不起訴報道の不当性を広めるために告訴団ホームページに掲載されています。
(山崎久隆)
--------------------------------------
☆朝日新聞「東電等を不起訴」の推測記事に対して
▼何の津波対策もとらなかった東電免責はあり得ない
河合 弘之(弁護士・福島原発告訴団弁護団代表)
去る8月9日本紙朝刊に、月内にも福島原発事故について、我々が行っていた
告訴・告発について不起訴処分がなされる方向で検察庁が調整に入っているとい
う報道がなされた。記事において不起訴理由とされている点を取り上げ、告訴人
らの考えを述べ、検察官・検察庁の再考を強く求めたい。
本紙報道によると不起訴の理由は、「事故と災害関連死との因果関係はないと
は言い切れない。今回のM9規模の大地震と津波は、専門家の間で予測されてい
たと言えず、事前に想定できたのはM8.3までだった。巨大津波の発生と対策
の必要性を明確に指摘していた専門家も少なかった。東電が2008年に津波高
さ15.7メートルと試算していた点についても、専門家の間で賛否が分かれ、
東電も『実際には起きないだろう』と受け止め、対策を検討したものの、具体化
は見送った。東電の津波対策は十分ではなかったものの、刑事責任を問うことは
困難。」とされている。
検察官の立脚する予見可能性の議論には次の疑問がある。15.7メートルの
津波は東電内部の検討において確かに試算されていた。この原発の想定津波高は
わずか6メートルであった。この地域でマグニチュード8.3程度の地震と高さ
10メートル程度の津波が来ることは、地震と津波の専門家なら、だれもが頷く
普通の想定であった。
電源喪失を防止するための対策としては、防潮堤の設置だけでなく、外部電源
の耐震性強化、非常用ディーゼル発電機とバッテリーの分散と高所設置等、構内
電源設備の耐震性,耐津波性の強化など多様な措置がありえた。
浜岡原発においては、老朽化した1,2号機は耐震補強を断念し、2008年
には廃炉の決定がなされていた。福島第1原発1-3号機についても、同様の措
置は十分あり得た。にもかかわらず、東京電力は一切何の対策もとらなかった。
予測されたレベルの地震と津波対策を講じたにもかかわらず、それが不十分であ
ったわけではない。東京電力自身が、原子力改革特別タスクフォースの報告にお
いて、結果を回避できた可能性を認めているのだ。
事故以前の東京電力社内のすべての証拠を収集し、どのような検討がなされて
いたのかを解明するには、強制捜査による関係資料の押収が欠かせない。このこ
とは、捜査機関として当然の責務だ。検察庁は、テレビ会議録画や社内メールな
どの任意提出を受けただけで、今日まで強制捜査を実施していない。
多くの市民の生命と生活、生業を根こそぎ奪ったこの事故について、強制捜査も
しないで捜査を終結するような事態は絶対にあってはならない。検察内部の良心
が検察庁を揺り動かし、強制捜査の実施と起訴が実現することを心から願ってや
まない。
MLホームページ: http://www.freeml.com/toden-daihyo
【拡散希望】朝日新聞報道を受けて。
http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/2013/08/blog-post_10.html
┏┓
┗■3.つぎはぎだらけの規制基準(規制委員会批判) パッチワークで安全性
| はさらに低下する
| 規制委員会が宣伝する新たな「安全神話」を斬る(中)
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
○フィルターベントの設計に問題
格納容器ベントで容易に想像できる欠陥をもう一つ上げておく。
燃料が溶融又は崩落して大量の希ガスや水素ガスが発生する事態になり、圧力
容器から放射性物質とともに蒸気が大量漏えいすることが、格納容器の圧力を急
激に増加させる原因の一つであり、福島第一原発で経験したことだが、その気体
への対策が取られていない。
格納容器ベントは、あくまでも格納容器を減圧するために気体を大気放出する
が、その気体が200度から300度に達する高温だったら、そのまま格納容器
からベント装置に流れ込めば、タンクに内蔵しているフィルター用の液体成分は
あっという間に蒸発してしまうだろう。柏崎刈羽原発7号機に取り付けるベント
装置につながるフィルターの量は、直径4m高8mのタンクに半分入っていると
仮定すれば、40トン程度に過ぎない。高温気体により蒸発するだけでなく、こ
れだけの液体が短い時間で気化すると急激に圧力が上昇し、タンクそのものも高
圧状態になる。つまり追加で水を入れようとしても入らないか、あるいは最悪の
場合タンクや接続配管が破裂するおそれもある。
まず、実機と同規模の試験装置を使い、様々な条件を模擬して繰り返し実験を
行わないと、作ったことも使ったこともない装置が設計、想定どおり動く保証な
どないのは常識だ。
○改造計画中の「想定外」
これから改造予定の中にも、どうにも理解不能な構造物がある。例えば水素を
抜くため建屋の上に付けている開閉装置。最上階だけにしか水素が溜まらないの
だったらそれでも良いが、配管内、格納容器内に溜まる水素はどうやって取り除
くのだろうか。
1号機の例えば隔離時復水器(IC)に溜まったと思われる、水素などの「非
凝縮性ガス」は、蒸気の流れを阻害したためICは機能しなくなった。
これを「他の原発にICがないから問題にならない」というのは早計で、原子
炉の蒸気を引いて動作させる機能を持つものは全て非凝縮性ガスの影響を受ける
と思うべきで、例えば隔離時冷却系統やタービン駆動の高圧注入系がそれに当た
る。これらタービン駆動動力装置にはタービンを回し終わった蒸気を凝縮させる
ために復水機能が付いているので、そこに水素が溜まる可能性がある。
フクイチで明らかになった「想定外」で最大のものは、炉心溶融やジルコニウ
ム水蒸気反応により非凝縮性のガスや放射性希ガスが大量に出ることだ。そのガ
スは系統内の各所に流れ込み、ついには冷却水や駆動用蒸気の流れを阻害したた
め、設計どおりに冷却できない事態となり、さらに炉心損傷を加速した。
重大事故でも仮想事故でも燃料は破壊される前に冷却水が復帰して再冠水する
ことにされていたため、このような事態を想定さえしなかった。
今回それを想定したところで、系統設計が基本的にそれに対応していないのだ
から無理である。例えば浜岡原発で発生した戻り水配管の爆発は水素が予想外の
場所に溜まったからだが、このときに燃料損傷など起きてはいない。
燃料が損傷し系統内に大量の非凝縮性ガスが溜まった場合、それが原因で外か
らいくらポンプで押し込んでも冷却水が入らないとか、タービンポンプの復水器
内で水素爆発が起き、ポンプそのものが破壊されるなどの事態が、次の「想定外」
になるのであろう。
外部からの代替注水設備として設けられた消防車のポンプを使った注水は、こ
のような「想定外」のできごとで、注水できなくなる恐れがある。
○見通し立たず放置されている「想定外」欠陥計装系
この代表格は何と言っても「壊れた温度計」「誤読させた水位計」「何の役に
も立たなくなったモニタリング」などなど、いわゆる「パラメータ」を知るため
のセンサーや測定器などの欠陥だ。
人間が的確に判断できるためには、現状を可能な限り正確に把握し、次の行動
が間違わないようにサポートするシステムが不可欠だが、今回の福島第一原発震
災では、計器類が全滅状態になり、次に何をすべきかが分からなくなり、やって
はならないことをやったり手遅れだったりと、現場の混乱が事故を拡大させてい
る。特に深刻なのは、この事故を「冷却材喪失事故」と捉えて、冷却水を投入す
るために可能な限りの手を打っていたかというと、少なくても1号機においては
ほとんど何も出来ていない。これなども、水位計が機能しない上、原子炉内部の
温度も圧力も分からないまま推移した時間に、炉心から水が抜けてしまった。こ
の経過については、今に至るも分かっていない。全ては測定値が何も残っていな
いことと測定不可能になっていたことが原因である。
この再発防止は、ほとんど何もされていない。せいぜい「バッテリーなどの代
替電源の強化」だけであり、電源があれば記録できる「はず」とした、新たな神
話のもとに対策されていないのである。地震により構内電源設備が損壊し、さら
に津波によりバッテリーが水没し、結局8時間持つはずの直流電源さえ失ったこ
とで起きた手探り状態を、今後も起こりえるものとして、どのようにして代替計
測計と誤差の出ない計測装置に強化するかという本質議論は放棄されたままであ
る。
┏┓
┗■4.新聞・雑誌より2つ
└────
◆基準以下の地下水 経産相「海放出を」 福島第一原発
東京電力福島第一原発の汚染水が増え続けている問題で、茂木敏充経済産業相
は8日、政府の汚染水処理対策委員会に、発電所にたまった基準値以下の地下水
の海への放出を検討するよう指示した。(後略)
(8月9日 朝日新聞より抜粋)
◆徳島知事「四電は知恵がない」~再値上げ言及の社長批判
徳島県の飯泉嘉門知事は8日、伊方原発3号機(伊方町)が再稼働できない場
合の電力料金再値上げに言及した四国電力の千葉昭社長を「原発ありきで知恵が
ない」と厳しく批判した。県庁で千葉社長と面会した際、発言した。知事が民間
会社の社長を面前で直接批判するのは異例。
知事はさらに「経営の軸足が企業側にあり、この状態が続くなら公共性はない
に等しい」と強調した。これに対し千葉社長は「再稼働できない場合は、歯を食
いしばってでも頑張る」と釈明した。
(8月9日愛媛新聞より抜粋)
2013年8月10日(土)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.九州・川内原発から玄海原発へ-再稼働阻止めざして交流
福島・チェルノブイリ報告会4ヶ所、各地からの声
青山晴江(たんぽぽ舎ボランティア・再稼働阻止全国ネットワーク)
★2.何の津波対策もとらなかった東電免責はあり得ない
強制捜査による関係資料の押収がぜひ必要-解明のために
河合 弘之(弁護士・福島原発告訴団弁護団代表)
★3.つぎはぎだらけの規制基準(規制委員会批判) パッチワークで安全性は
さらに低下する
規制委員会が宣伝する新たな「安全神話」を斬る(中)
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★4.新聞・雑誌より2つ
◆基準以下の地下水 経産相「海放出を」 福島第一原発
(8月9日 朝日新聞より抜粋)
◆徳島知事「四電は知恵がない」~再値上げ言及の社長批判
(8月9日愛媛新聞より抜粋)
━━━━━━━
┏┓
┗■1.九州・川内原発から玄海原発へ-再稼働阻止めざして交流
| 福島・チェルノブイリ報告会4ヶ所、各地からの声
└────青山晴江(たんぽぽ舎ボランティア・再稼働阻止全国ネットワーク)
鹿児島川内集会参加の後、川内・水俣・糸島・中津市の4ヶ所で福島報告(黒
田節子さん)と、チェルノブイリ報告(青山)をしてきました。各地からの声を
お届けします。
○ 鹿児島川内市…2日間の集会の後で集まってくれた皆さん。東京から避難の
若い夫妻が低線量・内部被曝について、参加していた医師の方に心配そうに質問
していました。「早い時期に避難できたのは、たんぽぽ舎や原子力資料情報室の
情報のおかげです。」と話されていました。また活動を長く続けてこられた男性
が「負け戦とわかっていても、疲れていてもやらねばならん」と自らを励ますよ
うに言われたのが心に残っています。
○ 熊本水俣市…千葉県松戸から11年3月に3家族で避難した青年が遠慮がちに
「田舎の古い体質みたいなものにつきあたることもあるんですよね。」と。60代
の女性は「チェルノブイリ後54基まで増やさせてしまった世代としての責任があ
る。」と語り、岐阜・大分から移住した女性たちからは、福島の子供たちの保養
について、個人や熊本大0円キャンプの取り組みなど報告がありました。
○ 福岡糸島市…11年4月郡山・ビッグパレットで被災者支援ボランティアをさ
れた方のお宅での報告会。脱原発糸島ネットワークを最近立ち上げ、活気に満ち
た地元の人々の集まりでした。7・28川内集会と同時に玄海でも風船を飛ばし、
熊本方面へも飛んで行った話や玄海原発周辺での白血病の多いことなど聞きまし
た。糸島市への避難家族は30名程だそうです。
○ 大分中津市…東京から避難の女性が娘さんと参加。祝島に関わってきた女性
は「大分の椎茸も風評被害で打撃をうけこれからどうしたものか」と話されてい
ました。多方面で活動している若い人や家族での参加も多く、交流会でも再稼働
などとんでもないと活発な議論でした。
○ 移動の間に石丸さん(玄海原発プルサーマル裁判)が車で案内してくださり、
玄海に行くことができました。PR館や公共施設は"異様な"と思えるほどのりっ
ぱさ。でも町は心なしか重苦しい空気が流れていました。泊・伊方・川内などと
同じように「ここが一番先に再稼働か…」そういう口に出せない不安な思いが澱
のように淀んでいるように感じられました。
町役場にアポなしで女3人「再稼働しないで。福島の声を聞いて」と入りまし
た。町長は不在?で企画課の青年が20分程丁寧に応対。初めて聞く話も多いらし
く、黒田さんが「一度爆発したらどうにもならない。この美しい玄海を福島のよ
うにしないで。玄海原発をどうするか、日本中が世界中がみてますよ」と話すと
メモをとりながらじっと聞き入っていました。
佐賀の唐津図書館には避難者のために新聞ラックに福島民報・岩手日報・河北
新報が置かれていました。
博多では経産省前テントよりも前からある九州電力本社前テントに寄らせても
らいました。どこの地でも福島を憂い、再稼働などありえないと怒る人々の良心
の声がありました。この思いをつないでいきたいです。
┏┓
┗■2.何の津波対策もとらなかった東電免責はあり得ない
| 強制捜査による関係資料の押収がぜひ必要-解明のために
└──── 河合 弘之(弁護士・福島原発告訴団弁護団代表)
※「東電等を不起訴」の推測記事が流れています。とんでもないことですが、こ
れに対して福島原発告訴壇弁護団長の河合弘之弁護士が緊急声明を発しましたの
で、転載いたします。
声明文はもともと朝日新聞の記事 http://www.asahi.com/shinsai_fukkou/articles/TKY201308080461.html
に対する反論として書かれたのですが、朝日新聞が掲載を断ってきたことで、
不起訴報道の不当性を広めるために告訴団ホームページに掲載されています。
(山崎久隆)
--------------------------------------
☆朝日新聞「東電等を不起訴」の推測記事に対して
▼何の津波対策もとらなかった東電免責はあり得ない
河合 弘之(弁護士・福島原発告訴団弁護団代表)
去る8月9日本紙朝刊に、月内にも福島原発事故について、我々が行っていた
告訴・告発について不起訴処分がなされる方向で検察庁が調整に入っているとい
う報道がなされた。記事において不起訴理由とされている点を取り上げ、告訴人
らの考えを述べ、検察官・検察庁の再考を強く求めたい。
本紙報道によると不起訴の理由は、「事故と災害関連死との因果関係はないと
は言い切れない。今回のM9規模の大地震と津波は、専門家の間で予測されてい
たと言えず、事前に想定できたのはM8.3までだった。巨大津波の発生と対策
の必要性を明確に指摘していた専門家も少なかった。東電が2008年に津波高
さ15.7メートルと試算していた点についても、専門家の間で賛否が分かれ、
東電も『実際には起きないだろう』と受け止め、対策を検討したものの、具体化
は見送った。東電の津波対策は十分ではなかったものの、刑事責任を問うことは
困難。」とされている。
検察官の立脚する予見可能性の議論には次の疑問がある。15.7メートルの
津波は東電内部の検討において確かに試算されていた。この原発の想定津波高は
わずか6メートルであった。この地域でマグニチュード8.3程度の地震と高さ
10メートル程度の津波が来ることは、地震と津波の専門家なら、だれもが頷く
普通の想定であった。
電源喪失を防止するための対策としては、防潮堤の設置だけでなく、外部電源
の耐震性強化、非常用ディーゼル発電機とバッテリーの分散と高所設置等、構内
電源設備の耐震性,耐津波性の強化など多様な措置がありえた。
浜岡原発においては、老朽化した1,2号機は耐震補強を断念し、2008年
には廃炉の決定がなされていた。福島第1原発1-3号機についても、同様の措
置は十分あり得た。にもかかわらず、東京電力は一切何の対策もとらなかった。
予測されたレベルの地震と津波対策を講じたにもかかわらず、それが不十分であ
ったわけではない。東京電力自身が、原子力改革特別タスクフォースの報告にお
いて、結果を回避できた可能性を認めているのだ。
事故以前の東京電力社内のすべての証拠を収集し、どのような検討がなされて
いたのかを解明するには、強制捜査による関係資料の押収が欠かせない。このこ
とは、捜査機関として当然の責務だ。検察庁は、テレビ会議録画や社内メールな
どの任意提出を受けただけで、今日まで強制捜査を実施していない。
多くの市民の生命と生活、生業を根こそぎ奪ったこの事故について、強制捜査も
しないで捜査を終結するような事態は絶対にあってはならない。検察内部の良心
が検察庁を揺り動かし、強制捜査の実施と起訴が実現することを心から願ってや
まない。
MLホームページ: http://www.freeml.com/toden-daihyo
【拡散希望】朝日新聞報道を受けて。
http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/2013/08/blog-post_10.html
┏┓
┗■3.つぎはぎだらけの規制基準(規制委員会批判) パッチワークで安全性
| はさらに低下する
| 規制委員会が宣伝する新たな「安全神話」を斬る(中)
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
○フィルターベントの設計に問題
格納容器ベントで容易に想像できる欠陥をもう一つ上げておく。
燃料が溶融又は崩落して大量の希ガスや水素ガスが発生する事態になり、圧力
容器から放射性物質とともに蒸気が大量漏えいすることが、格納容器の圧力を急
激に増加させる原因の一つであり、福島第一原発で経験したことだが、その気体
への対策が取られていない。
格納容器ベントは、あくまでも格納容器を減圧するために気体を大気放出する
が、その気体が200度から300度に達する高温だったら、そのまま格納容器
からベント装置に流れ込めば、タンクに内蔵しているフィルター用の液体成分は
あっという間に蒸発してしまうだろう。柏崎刈羽原発7号機に取り付けるベント
装置につながるフィルターの量は、直径4m高8mのタンクに半分入っていると
仮定すれば、40トン程度に過ぎない。高温気体により蒸発するだけでなく、こ
れだけの液体が短い時間で気化すると急激に圧力が上昇し、タンクそのものも高
圧状態になる。つまり追加で水を入れようとしても入らないか、あるいは最悪の
場合タンクや接続配管が破裂するおそれもある。
まず、実機と同規模の試験装置を使い、様々な条件を模擬して繰り返し実験を
行わないと、作ったことも使ったこともない装置が設計、想定どおり動く保証な
どないのは常識だ。
○改造計画中の「想定外」
これから改造予定の中にも、どうにも理解不能な構造物がある。例えば水素を
抜くため建屋の上に付けている開閉装置。最上階だけにしか水素が溜まらないの
だったらそれでも良いが、配管内、格納容器内に溜まる水素はどうやって取り除
くのだろうか。
1号機の例えば隔離時復水器(IC)に溜まったと思われる、水素などの「非
凝縮性ガス」は、蒸気の流れを阻害したためICは機能しなくなった。
これを「他の原発にICがないから問題にならない」というのは早計で、原子
炉の蒸気を引いて動作させる機能を持つものは全て非凝縮性ガスの影響を受ける
と思うべきで、例えば隔離時冷却系統やタービン駆動の高圧注入系がそれに当た
る。これらタービン駆動動力装置にはタービンを回し終わった蒸気を凝縮させる
ために復水機能が付いているので、そこに水素が溜まる可能性がある。
フクイチで明らかになった「想定外」で最大のものは、炉心溶融やジルコニウ
ム水蒸気反応により非凝縮性のガスや放射性希ガスが大量に出ることだ。そのガ
スは系統内の各所に流れ込み、ついには冷却水や駆動用蒸気の流れを阻害したた
め、設計どおりに冷却できない事態となり、さらに炉心損傷を加速した。
重大事故でも仮想事故でも燃料は破壊される前に冷却水が復帰して再冠水する
ことにされていたため、このような事態を想定さえしなかった。
今回それを想定したところで、系統設計が基本的にそれに対応していないのだ
から無理である。例えば浜岡原発で発生した戻り水配管の爆発は水素が予想外の
場所に溜まったからだが、このときに燃料損傷など起きてはいない。
燃料が損傷し系統内に大量の非凝縮性ガスが溜まった場合、それが原因で外か
らいくらポンプで押し込んでも冷却水が入らないとか、タービンポンプの復水器
内で水素爆発が起き、ポンプそのものが破壊されるなどの事態が、次の「想定外」
になるのであろう。
外部からの代替注水設備として設けられた消防車のポンプを使った注水は、こ
のような「想定外」のできごとで、注水できなくなる恐れがある。
○見通し立たず放置されている「想定外」欠陥計装系
この代表格は何と言っても「壊れた温度計」「誤読させた水位計」「何の役に
も立たなくなったモニタリング」などなど、いわゆる「パラメータ」を知るため
のセンサーや測定器などの欠陥だ。
人間が的確に判断できるためには、現状を可能な限り正確に把握し、次の行動
が間違わないようにサポートするシステムが不可欠だが、今回の福島第一原発震
災では、計器類が全滅状態になり、次に何をすべきかが分からなくなり、やって
はならないことをやったり手遅れだったりと、現場の混乱が事故を拡大させてい
る。特に深刻なのは、この事故を「冷却材喪失事故」と捉えて、冷却水を投入す
るために可能な限りの手を打っていたかというと、少なくても1号機においては
ほとんど何も出来ていない。これなども、水位計が機能しない上、原子炉内部の
温度も圧力も分からないまま推移した時間に、炉心から水が抜けてしまった。こ
の経過については、今に至るも分かっていない。全ては測定値が何も残っていな
いことと測定不可能になっていたことが原因である。
この再発防止は、ほとんど何もされていない。せいぜい「バッテリーなどの代
替電源の強化」だけであり、電源があれば記録できる「はず」とした、新たな神
話のもとに対策されていないのである。地震により構内電源設備が損壊し、さら
に津波によりバッテリーが水没し、結局8時間持つはずの直流電源さえ失ったこ
とで起きた手探り状態を、今後も起こりえるものとして、どのようにして代替計
測計と誤差の出ない計測装置に強化するかという本質議論は放棄されたままであ
る。
┏┓
┗■4.新聞・雑誌より2つ
└────
◆基準以下の地下水 経産相「海放出を」 福島第一原発
東京電力福島第一原発の汚染水が増え続けている問題で、茂木敏充経済産業相
は8日、政府の汚染水処理対策委員会に、発電所にたまった基準値以下の地下水
の海への放出を検討するよう指示した。(後略)
(8月9日 朝日新聞より抜粋)
◆徳島知事「四電は知恵がない」~再値上げ言及の社長批判
徳島県の飯泉嘉門知事は8日、伊方原発3号機(伊方町)が再稼働できない場
合の電力料金再値上げに言及した四国電力の千葉昭社長を「原発ありきで知恵が
ない」と厳しく批判した。県庁で千葉社長と面会した際、発言した。知事が民間
会社の社長を面前で直接批判するのは異例。
知事はさらに「経営の軸足が企業側にあり、この状態が続くなら公共性はない
に等しい」と強調した。これに対し千葉社長は「再稼働できない場合は、歯を食
いしばってでも頑張る」と釈明した。
(8月9日愛媛新聞より抜粋)
たんぽぽ舎です。【TMM:No1925】
2013年8月9日(金)地震と原発事故情報-3つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.つぎはぎだらけの規制基準(規制委員会批判)
パッチワークで安全性はさらに低下する
規制委員会が宣伝する新たな「安全神話」を斬る(上)
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★2.御前崎に夏だけ巨大地震"予兆"?
毎年夏になると、御前崎の下降が止まったのではないか、と
肝を冷やす年が続いていた。真夏の怪談
巨大地震の"予兆"かと思われた夏の怪談のナゾがようやく解けた
コラムその13:「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」
島村英紀(地震学者)
★3.新聞・雑誌より3つ
◆福島第一、汚染水封じ込めピンチ 地中の壁で地下水急増
3週間で地表に到達の可能性 廃炉計画破綻招く恐れ
すでに20兆~40兆ベクレル流出
(8月3日朝日新聞デジタルより抜粋)
◆汚染水流出不確か試算
政府「300トン」単純に井戸くみ上げ量
東電「400トン」ただし高濃度は100トン
(8月9日東京新聞より抜粋)
◆原発事故 全員不起訴へ
検察 東電前会長・菅元首相ら 津波予見困難と判断
(8月9日朝日新聞より抜粋)
━━━━━━━
┏┓
┗■1.つぎはぎだらけの規制基準(規制委員会批判)
| パッチワークで安全性はさらに低下する
| 規制委員会が宣伝する新たな「安全神話」を斬る(上)
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
ビンテージのジーンズではあるまいに、色々な「対策」が付け足された「規制
基準」。しかし土台が腐っているのに、見せかけをいくら塗装しても、それは単
なる張り子である。そのうえ追加される対策のどれも、様々な可能性を考慮して
作られたものとは到底言えない代物で、場当たり的でずさんなものばかりである。
規制基準を作った側の更田豊志委員さえ「普通に考えれば5年はかかる」基準
を規制委員会発足と同時に10ヶ月で作れとされたため、突貫作業になったという。
(ロイター7/8付)
原発のように、重大事故が起きれば取り返しの付かない危険性を持つ施設は、
設計段階であらゆる可能性を考慮し、設置工事認可手続きで基本設計を審査し、
さらに現場の工事を指揮監督して、十分に基準を満たす工事が行われていること
を確認し、使用前検査において現場に立ち入り、保安官ら規制当局が計画して実
施する検査項目に、正しく合格した設備であるかを確認した上で合格証を交付し
たものを「基準に合致した設備」というのである。これらは原子炉等規制法など
で定められている。
今実施されているのは、二世代も三世代も前の技術で作られた設備を、見せか
けの検査で「合格」させてきた「実はポンコツ」の設備に、さらにいくつかの
「基準」を定めて机上の審査と通り一遍の現場検査を経て「合格」させようとす
るだけのものだ。そのうえ「規制基準」もまた、思いつきや、やっつけの代物
(実際には米国のコピー)で、それが本当に「安全性を向上させる」かどうか技
術者間でも議論のあるものを、さしたる検証(何しろモックアップ試験さえして
いない)もなしでいきなり実機に取り付けるなどと、他の産業ではあり得ないこ
とまでしての改造を強行しようとしている。
たとえて言うならば、空中分解事故を起こした機体を「リベット留めでは弱い
から」と全部電気溶接で作るようなもの。もちろん現代航空技術は、全溶接など
したら却って疲労割れが多発して墜落することを理解しているから、リベットで
応力を逃がす設計をしていることは常識だから、そんな飛行機を作ることはない。
原発はどうか。
規制基準を満たすために行われたのは、福島第一原発で「予想外」「想定外」
の事態が起きたため改造したもの、又は改造計画を作ったものが目立つが、実は、
改造しようにも不可能なものは放置されているなど、様々なレベルの問題が多発
している。目先の解析で強度を「上げる」改造を繰り返しても、これでは安全性
はもっと低下する。
改造された「想定外」
これで顕著なのは格納容器ベントだ。
もともと福島第一など沸騰水型原子炉には「格納容器ベント」という圧力抜き
配管が取り付けられていた。2002年のシビアアクシデント対策として付けられた
のだが、これがいい加減な設備で、既存の格納容器換気系から分岐して排気筒に
抜けるようになっていた。後付けのつぎはぎなので、いざというときに使えるか
どうかの試験もされず、実際に使えたかどうか分からない2号機など、ベントそ
のものが効果があったか分からない上、住民に重大な被曝をさせた原因の一つで
もある。
このベント、フィルターを付け、信頼を向上させ、非常時に確実に働くように
する再改造が指示され、柏崎刈羽原発7号機では工事さえ始めている。
しかし本来は密封すべき格納容器に穴を開けるに等しいベント装置。原子炉設
計の思想を逸脱している。さらに地震や津波、あるいは火山の噴火などの自然災
害にみまわれて、途中の配管に破損や漏えいがあれば、動作させた瞬間に敷地内
に大量の放射性ガスが噴出、拡散し電力社員や防災関係者、さらに避難している
住民までが巻き込まれて大量被爆を起こす危険性もある。
格納容器を守るのは放射能の外部放出を防ぐためだが、その装置が破壊される
と、たちまち放射能放出パスに変貌してしまうことを、何処まで認識しているの
だろうか。加圧水型軽水炉も実態は同じで、ベント装置などを付ければ却って格
納容器の健全性を阻害する。さらに加圧水型軽水炉の場合、内部に水素ガスが充
満すると爆発の危険性が高まるが、ベント装置を作動させれば通電時の弁の動作
が起爆装置になってしまう恐れも否定できない。そうなれば人が手で開けるほか
なく、命を捨てての作業になる。〔次回(中)につづく〕
┏┓
┗■2.御前崎に夏だけ巨大地震"予兆"?
| 毎年夏になると、御前崎の下降が止まったのではないか、と
| 肝を冷やす年が続いていた。真夏の怪談
| 巨大地震の"予兆"かと思われた夏の怪談のナゾがようやく解けた
| コラムその13:「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」
└──── 島村英紀(地震学者)
静岡県御前崎(おまえざき)。浜岡原発のすぐ近くで遠州灘と駿河湾を区切っ
ているこの岬は、日本の地震予知でいちばん注目されている岬である。
フィリピン海プレートが沈み込むことによって、御前崎の載っている西日本の
プレートが引きずり込まれ、このため尖端にある御前崎が少しずつ沈んでいって
いる。その大きさは50年間で25センチほどだ。
状況は千葉県の房総半島の南端にある野島崎も同じで、大地震と大地震の間に
は沈み込みが進んでいき、大正関東地震(1923年)のような大地震が起きると、岬
は一挙に数メートルも飛び上がる、というのを繰り返してきている。
御前崎では、いまの沈み込みが止まってその後ゆっくり上昇をはじめると、恐
れられている南海トラフや駿河トラフの巨大地震が近い、というのが有力な学説
になっている。このため精密な「測地測量(そくちそくりょう)」が定期的に行
われて、御前崎の上がり下がりが測られてきていた。
この測量はもちろん専門家の手によるもので、細心の注意をはらって行われて
いた。その精度は何十キロもの測線全体でも誤差が数ミリという高いものだ。
しかし、測量の結果には不思議なことがあった。御前崎は全体としては少しず
つ沈んでいくのは確かなのだが、毎年、春には沈み方が少なく、秋には多いので
あった。つまり、毎年夏になると、御前崎の下降が止まったのではないか、と肝
を冷やす年が続いていた。真夏の怪談――。
御前崎は海に突き出しているから、潮の満ち干の影響を受ける。潮が満ちてい
るときには御前崎のまわりの海底に重いものが載っていることになるから、御前
崎はわずかながら沈む。逆に潮が引いているときにわずかに持ち上がるのである。
精密な測量のこと、そんなことはとうに分かっていたはずなのだが、実際の測
量は何日もかけて往復で行われていたので、そのあいだに何度も潮の干満がある。
それゆえ満ち干の影響は平均化されて消えるものだと思われていた。げんに、月
間で平均を取ってみると、潮位はどの月もそんなには違わない。
だが、巨大地震の"予兆"かと思われた夏の怪談のナゾがようやく解けた。意外
なところに落し穴があった。
測量は標尺を目で見ながら行う野外作業だから昼間しか行われない。
ところが昼間だけの潮位の平均は、じつは一日の平均潮位とは違ったのである。
それは、月の引力はもちろんだが、そのほかに、昼間は頭の上にある太陽の引
力も、潮の満ち干のひとつの原因だからである。引力の大きさは、月も太陽もほ
ぼ同じくらいだ。
地球の公転の軌道のせいで地球から太陽までの距離が季節によって違う。この
ため太陽の引力による昼間だけの潮位の平均を計算してみたら、夏と冬とで60セ
ンチも違っていたのだ。
測地測量は地球測定のプロの仕事だ。そのプロにもぬかりがあったのである。
『夕刊フジ』2013年8月2日(金曜)5面。
┏┓
┗■3.新聞・雑誌より3つ
└────
◆福島第一、汚染水封じ込めピンチ 地中の壁で地下水急増
3週間で地表に到達の可能性 廃炉計画破綻招く恐れ
すでに20兆~40兆ベクレル流出
東京電力福島第一原発の放射能汚染水が海に流出し続けている問題で、原子力
規制委員会は2日、初めての検討作業部会を開いた。しかし、抜本的な対策は示
されず、東電が進めている対策では海への流出が止められない。事故から2年半
たった今も八方ふさがりで、汚染の拡大を防げない危機的な状態が続いている。
このままの状態が続けば、廃炉計画は破綻(はたん)しかねない。
問題になっているのは、1~3号機の海側の敷地と港湾。地中に汚染水がしみ
出し、海に漏れていると見られる。
東電は岸壁近くの土を薬剤で固めて遮水壁を造り、汚染水が海へ流出するのを
防ぐ工事を進めている。遮水壁ができあがっていくにつれ、観測井戸の水位が地
表から1メートルほどまでに急上昇した。遮水壁で地下水がせき止められ、行き
場がなくなったためとみられる。
遮水壁は工法の制約で地下1・8メートルより深い部分しか造れない。すでに、
観測井戸の水位が遮水壁の上端を上回っており、完成しても海への流出が止めら
れないのではと懸念されている。このままのペースで上昇すれば3週間で、水が
地面にあふれ出す計算だ。
地下には配管や電線などを通す坑道が張り巡らされている。事故直後に超高濃
度の汚染水が2、3号機の坑道に流れ込み、計約1万1千トンの水がたまったま
まになっている。この汚染水が、地震などで壊れた坑道から地中に広がっている
とみられている。建屋から坑道はつながったままで、汚染水の流れを止めるのは
難しい。(中略)
◇〈福島第一原発の放射能汚染水問題〉 事故で溶けた燃料を冷やした水に地
下水が混ざり、1日約400トンずつ汚染水が増えている。浄化装置で放射性物
質を取り除いているが完全に取り切れないため、敷地内のタンクにため続けてい
る。汚染水は7月30日現在で約42万トンにのぼる。
一方、4月には地下貯水槽から地中に汚染水が漏れていたことが発覚。さらに、
海への汚染水漏れが今も続いており、東電は汚染水を管理できない状態が続いて
いる。 (8月3日朝日新聞デジタルより抜粋)
◆汚染水流出不確か試算
政府「300トン」単純に井戸くみ上げ量
東電「400トン」ただし高濃度は100トン
東京電力福島第一原発から放射性物質が海に漏れている問題で、汚染拡大の原
因となる地下水の海への流出量の試算値を、東電が1日当たり400トンとはじい
たのに対し、政府は300トン。食い違う数字が混乱を招いている。試算のやり方
を詳しくみていくと、どちらも不確かなことが多い。こんな数字を基に対策を立
てていいのか、疑問が多い(後略)。(8月9日東京新聞より抜粋)
◆原発事故 全員不起訴へ
検察 東電前会長・菅元首相ら 津波予見困難と判断
東京電力福島第一原発の事故をめぐり、検察当局が、業務上過失致死傷などの
疑いで告訴・告発された東電幹部や政府関係者ら全員を、不起訴処分にする方向
で調整していることが8日、わかった。今月中にも処分を出す見通しだ。(後略)
(8月9日朝日新聞より抜粋)
2013年8月9日(金)地震と原発事故情報-3つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.つぎはぎだらけの規制基準(規制委員会批判)
パッチワークで安全性はさらに低下する
規制委員会が宣伝する新たな「安全神話」を斬る(上)
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★2.御前崎に夏だけ巨大地震"予兆"?
毎年夏になると、御前崎の下降が止まったのではないか、と
肝を冷やす年が続いていた。真夏の怪談
巨大地震の"予兆"かと思われた夏の怪談のナゾがようやく解けた
コラムその13:「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」
島村英紀(地震学者)
★3.新聞・雑誌より3つ
◆福島第一、汚染水封じ込めピンチ 地中の壁で地下水急増
3週間で地表に到達の可能性 廃炉計画破綻招く恐れ
すでに20兆~40兆ベクレル流出
(8月3日朝日新聞デジタルより抜粋)
◆汚染水流出不確か試算
政府「300トン」単純に井戸くみ上げ量
東電「400トン」ただし高濃度は100トン
(8月9日東京新聞より抜粋)
◆原発事故 全員不起訴へ
検察 東電前会長・菅元首相ら 津波予見困難と判断
(8月9日朝日新聞より抜粋)
━━━━━━━
┏┓
┗■1.つぎはぎだらけの規制基準(規制委員会批判)
| パッチワークで安全性はさらに低下する
| 規制委員会が宣伝する新たな「安全神話」を斬る(上)
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
ビンテージのジーンズではあるまいに、色々な「対策」が付け足された「規制
基準」。しかし土台が腐っているのに、見せかけをいくら塗装しても、それは単
なる張り子である。そのうえ追加される対策のどれも、様々な可能性を考慮して
作られたものとは到底言えない代物で、場当たり的でずさんなものばかりである。
規制基準を作った側の更田豊志委員さえ「普通に考えれば5年はかかる」基準
を規制委員会発足と同時に10ヶ月で作れとされたため、突貫作業になったという。
(ロイター7/8付)
原発のように、重大事故が起きれば取り返しの付かない危険性を持つ施設は、
設計段階であらゆる可能性を考慮し、設置工事認可手続きで基本設計を審査し、
さらに現場の工事を指揮監督して、十分に基準を満たす工事が行われていること
を確認し、使用前検査において現場に立ち入り、保安官ら規制当局が計画して実
施する検査項目に、正しく合格した設備であるかを確認した上で合格証を交付し
たものを「基準に合致した設備」というのである。これらは原子炉等規制法など
で定められている。
今実施されているのは、二世代も三世代も前の技術で作られた設備を、見せか
けの検査で「合格」させてきた「実はポンコツ」の設備に、さらにいくつかの
「基準」を定めて机上の審査と通り一遍の現場検査を経て「合格」させようとす
るだけのものだ。そのうえ「規制基準」もまた、思いつきや、やっつけの代物
(実際には米国のコピー)で、それが本当に「安全性を向上させる」かどうか技
術者間でも議論のあるものを、さしたる検証(何しろモックアップ試験さえして
いない)もなしでいきなり実機に取り付けるなどと、他の産業ではあり得ないこ
とまでしての改造を強行しようとしている。
たとえて言うならば、空中分解事故を起こした機体を「リベット留めでは弱い
から」と全部電気溶接で作るようなもの。もちろん現代航空技術は、全溶接など
したら却って疲労割れが多発して墜落することを理解しているから、リベットで
応力を逃がす設計をしていることは常識だから、そんな飛行機を作ることはない。
原発はどうか。
規制基準を満たすために行われたのは、福島第一原発で「予想外」「想定外」
の事態が起きたため改造したもの、又は改造計画を作ったものが目立つが、実は、
改造しようにも不可能なものは放置されているなど、様々なレベルの問題が多発
している。目先の解析で強度を「上げる」改造を繰り返しても、これでは安全性
はもっと低下する。
改造された「想定外」
これで顕著なのは格納容器ベントだ。
もともと福島第一など沸騰水型原子炉には「格納容器ベント」という圧力抜き
配管が取り付けられていた。2002年のシビアアクシデント対策として付けられた
のだが、これがいい加減な設備で、既存の格納容器換気系から分岐して排気筒に
抜けるようになっていた。後付けのつぎはぎなので、いざというときに使えるか
どうかの試験もされず、実際に使えたかどうか分からない2号機など、ベントそ
のものが効果があったか分からない上、住民に重大な被曝をさせた原因の一つで
もある。
このベント、フィルターを付け、信頼を向上させ、非常時に確実に働くように
する再改造が指示され、柏崎刈羽原発7号機では工事さえ始めている。
しかし本来は密封すべき格納容器に穴を開けるに等しいベント装置。原子炉設
計の思想を逸脱している。さらに地震や津波、あるいは火山の噴火などの自然災
害にみまわれて、途中の配管に破損や漏えいがあれば、動作させた瞬間に敷地内
に大量の放射性ガスが噴出、拡散し電力社員や防災関係者、さらに避難している
住民までが巻き込まれて大量被爆を起こす危険性もある。
格納容器を守るのは放射能の外部放出を防ぐためだが、その装置が破壊される
と、たちまち放射能放出パスに変貌してしまうことを、何処まで認識しているの
だろうか。加圧水型軽水炉も実態は同じで、ベント装置などを付ければ却って格
納容器の健全性を阻害する。さらに加圧水型軽水炉の場合、内部に水素ガスが充
満すると爆発の危険性が高まるが、ベント装置を作動させれば通電時の弁の動作
が起爆装置になってしまう恐れも否定できない。そうなれば人が手で開けるほか
なく、命を捨てての作業になる。〔次回(中)につづく〕
┏┓
┗■2.御前崎に夏だけ巨大地震"予兆"?
| 毎年夏になると、御前崎の下降が止まったのではないか、と
| 肝を冷やす年が続いていた。真夏の怪談
| 巨大地震の"予兆"かと思われた夏の怪談のナゾがようやく解けた
| コラムその13:「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」
└──── 島村英紀(地震学者)
静岡県御前崎(おまえざき)。浜岡原発のすぐ近くで遠州灘と駿河湾を区切っ
ているこの岬は、日本の地震予知でいちばん注目されている岬である。
フィリピン海プレートが沈み込むことによって、御前崎の載っている西日本の
プレートが引きずり込まれ、このため尖端にある御前崎が少しずつ沈んでいって
いる。その大きさは50年間で25センチほどだ。
状況は千葉県の房総半島の南端にある野島崎も同じで、大地震と大地震の間に
は沈み込みが進んでいき、大正関東地震(1923年)のような大地震が起きると、岬
は一挙に数メートルも飛び上がる、というのを繰り返してきている。
御前崎では、いまの沈み込みが止まってその後ゆっくり上昇をはじめると、恐
れられている南海トラフや駿河トラフの巨大地震が近い、というのが有力な学説
になっている。このため精密な「測地測量(そくちそくりょう)」が定期的に行
われて、御前崎の上がり下がりが測られてきていた。
この測量はもちろん専門家の手によるもので、細心の注意をはらって行われて
いた。その精度は何十キロもの測線全体でも誤差が数ミリという高いものだ。
しかし、測量の結果には不思議なことがあった。御前崎は全体としては少しず
つ沈んでいくのは確かなのだが、毎年、春には沈み方が少なく、秋には多いので
あった。つまり、毎年夏になると、御前崎の下降が止まったのではないか、と肝
を冷やす年が続いていた。真夏の怪談――。
御前崎は海に突き出しているから、潮の満ち干の影響を受ける。潮が満ちてい
るときには御前崎のまわりの海底に重いものが載っていることになるから、御前
崎はわずかながら沈む。逆に潮が引いているときにわずかに持ち上がるのである。
精密な測量のこと、そんなことはとうに分かっていたはずなのだが、実際の測
量は何日もかけて往復で行われていたので、そのあいだに何度も潮の干満がある。
それゆえ満ち干の影響は平均化されて消えるものだと思われていた。げんに、月
間で平均を取ってみると、潮位はどの月もそんなには違わない。
だが、巨大地震の"予兆"かと思われた夏の怪談のナゾがようやく解けた。意外
なところに落し穴があった。
測量は標尺を目で見ながら行う野外作業だから昼間しか行われない。
ところが昼間だけの潮位の平均は、じつは一日の平均潮位とは違ったのである。
それは、月の引力はもちろんだが、そのほかに、昼間は頭の上にある太陽の引
力も、潮の満ち干のひとつの原因だからである。引力の大きさは、月も太陽もほ
ぼ同じくらいだ。
地球の公転の軌道のせいで地球から太陽までの距離が季節によって違う。この
ため太陽の引力による昼間だけの潮位の平均を計算してみたら、夏と冬とで60セ
ンチも違っていたのだ。
測地測量は地球測定のプロの仕事だ。そのプロにもぬかりがあったのである。
『夕刊フジ』2013年8月2日(金曜)5面。
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┗■3.新聞・雑誌より3つ
└────
◆福島第一、汚染水封じ込めピンチ 地中の壁で地下水急増
3週間で地表に到達の可能性 廃炉計画破綻招く恐れ
すでに20兆~40兆ベクレル流出
東京電力福島第一原発の放射能汚染水が海に流出し続けている問題で、原子力
規制委員会は2日、初めての検討作業部会を開いた。しかし、抜本的な対策は示
されず、東電が進めている対策では海への流出が止められない。事故から2年半
たった今も八方ふさがりで、汚染の拡大を防げない危機的な状態が続いている。
このままの状態が続けば、廃炉計画は破綻(はたん)しかねない。
問題になっているのは、1~3号機の海側の敷地と港湾。地中に汚染水がしみ
出し、海に漏れていると見られる。
東電は岸壁近くの土を薬剤で固めて遮水壁を造り、汚染水が海へ流出するのを
防ぐ工事を進めている。遮水壁ができあがっていくにつれ、観測井戸の水位が地
表から1メートルほどまでに急上昇した。遮水壁で地下水がせき止められ、行き
場がなくなったためとみられる。
遮水壁は工法の制約で地下1・8メートルより深い部分しか造れない。すでに、
観測井戸の水位が遮水壁の上端を上回っており、完成しても海への流出が止めら
れないのではと懸念されている。このままのペースで上昇すれば3週間で、水が
地面にあふれ出す計算だ。
地下には配管や電線などを通す坑道が張り巡らされている。事故直後に超高濃
度の汚染水が2、3号機の坑道に流れ込み、計約1万1千トンの水がたまったま
まになっている。この汚染水が、地震などで壊れた坑道から地中に広がっている
とみられている。建屋から坑道はつながったままで、汚染水の流れを止めるのは
難しい。(中略)
◇〈福島第一原発の放射能汚染水問題〉 事故で溶けた燃料を冷やした水に地
下水が混ざり、1日約400トンずつ汚染水が増えている。浄化装置で放射性物
質を取り除いているが完全に取り切れないため、敷地内のタンクにため続けてい
る。汚染水は7月30日現在で約42万トンにのぼる。
一方、4月には地下貯水槽から地中に汚染水が漏れていたことが発覚。さらに、
海への汚染水漏れが今も続いており、東電は汚染水を管理できない状態が続いて
いる。 (8月3日朝日新聞デジタルより抜粋)
◆汚染水流出不確か試算
政府「300トン」単純に井戸くみ上げ量
東電「400トン」ただし高濃度は100トン
東京電力福島第一原発から放射性物質が海に漏れている問題で、汚染拡大の原
因となる地下水の海への流出量の試算値を、東電が1日当たり400トンとはじい
たのに対し、政府は300トン。食い違う数字が混乱を招いている。試算のやり方
を詳しくみていくと、どちらも不確かなことが多い。こんな数字を基に対策を立
てていいのか、疑問が多い(後略)。(8月9日東京新聞より抜粋)
◆原発事故 全員不起訴へ
検察 東電前会長・菅元首相ら 津波予見困難と判断
東京電力福島第一原発の事故をめぐり、検察当局が、業務上過失致死傷などの
疑いで告訴・告発された東電幹部や政府関係者ら全員を、不起訴処分にする方向
で調整していることが8日、わかった。今月中にも処分を出す見通しだ。(後略)
(8月9日朝日新聞より抜粋)
たんぽぽ舎です。【TMM:No1924】
2013年8月8日(木)地震と原発事故情報-5つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.広島通信その4
移住して2回目の広島原爆記念日(8月6日)へ参加、(おかしま)
★2.なし崩しの「国費投入」に反対する。東電の「整理」が絶対条件だ。
国に汚染水対策資金を支出させる最悪の"口実"を得た東電 (山崎久隆)
★3.8月22日(木)のアーサー・ビナードさんの講演会で
氏の絵本とエッセイを販売します その3(山野容子)
★4.新聞・雑誌から
◇「脱原発で復興を」都内で開催された仕事フェアでシンポ(8/7東京新聞)
◇原発映画 上映させて 「朝日のあたる家」どこも難色(8/5東京新聞)
★5.テント日誌 8月4日(日)経産省前テントひろば 694日目
女性8人がテント前に勢ぞろい、そこへ原発賛成の若者がきて・・・(I.K.)
━━━━━━━
┏┓
┗■1.広島通信その4
│ 移住して2回目の広島原爆記念日(8月6日)へ参加、
│ 平和記念公園へ行く、娘と共にデモ参加、
│ 黄色いのぼりのたんぽぽ舎の人々と出会う
└────(広島在住 おかしま)
移住して二回目の広島原爆記念日です。黙祷の時間に間に合うように平和記
念公園に行ったのですが、すでにすごい人でした。公園入り口に反原発を野次
る団体が居たせいか、首相が来ているせいか警官も多かったです。黄色いのぼ
りのおかげでたんぽぽ舎の懐かしい面々にもすぐに会えました。
徐々に気温が上がる中、いろんな団体があちこちでスピーチをしたり、音楽
を奏でたりしているうちにデモ出発の時間になりました。
私は今年も娘とデモに参加しました。昨年はスリング(抱っこ紐)の中で半分
寝たままだった娘が、今年は数メートルですが自分で歩きました、周りの雰囲
気に圧倒されたのかその後は抱っこでしたが、感慨深かったです。
中電までは沿道の人が写真を撮ったり、手を振ってくれたり(子供が多かっ
たです)しました。外国人旅行客も多いので国民が大人しいと言われる日本で
もこういう風に動いている人がいることを知って欲しいです。
中電前では原発に関係する各団体や有志個人のメッセージを発表しました。
たんぽぽ舎からはYさんが簡潔で熱いスピーチをしてくれました。自分の知ら
ない話がまだまだあり、活動をしてくれている人がいることを知ると心強く感
じ自分も微力ながらやり続けようと思います。途中で東京から岡山に移住した
Oさんにも再会できました。
私と娘は帰宅しましたが、午後もあちこちでイベントや講演会があり、私の
友人たちもそれぞれ目的の場所に出掛けました。いつか娘が大きくなったら夕
方までいて、原爆ドーム前からの灯篭流しを見たいと思っています。
┏┓
┗■2.なし崩しの「国費投入」に反対する。東電の「整理」が絶対条件だ。
│ ついに東電は国に汚染水対策資金を支出させる最悪の「口実」を得た。
└────(山崎久隆 たんぽぽ舎)
○汚染水大量漏出
毎日300トンの汚染水が、地下水とともに海に流れ込んでいるという。資
源エネルギー庁が試算を明らかにした。
8月7日に開かれた政府の「原子力災害対策本部会議」では、このこともあ
り「福島第1原発の汚染水問題は対応すべき喫緊の課題。東電のみに任せるの
ではなく国として対策を講じる必要がある」(安倍首相)と、税金を投入して
の対策に乗り出すことを検討し始めている。
この対策、おそらくは「地下凍土方式の陸側止水壁建設」と見られているが、
400億円の建設費と、凍土を維持するために莫大な電力が必要とされる。鹿
島建設が提案した方式で、国は以前から東電に実施を迫っていた。
東電は経費が掛かりすぎることを主な理由に、陸側止水壁の建設を先行させ
たが、これが予想以上に地下水の流路を変えてしまった。
○とてつもない高線量
海に流れる地下水は、止水壁で止められる。すると自然の流れとして溜まっ
た地下水が上昇し始める。当初は三週間程度で地上に到達するかと思われたが、
実際には既に止水壁を越えて海に流出しており、事実上止水壁は機能しなくな
りつつある。そのうえ、地上の放射線量が上昇し、地表面で8ミリシーベルト
/時(マイクロではない)を超えている。その上空の空間線量も1.8ミリシ
ーベルト/時と、数時間作業をしただけで制限値の20ミリシーベルトを超え
る。
この情報は、東電のHPに載っており、
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/surveymap/images/f1-sv-20130
805-j.pdf で誰でも見ることが出来るが、どういうわけかマスコミでは取り
上げられていない。
こんな環境では作業が出来ない。(しかし作業は続行している)地下水が地
上に達する前からこのありさまだから、地上に噴出したらどうなるかは想像に
難くない。誰も立ち入れなくなる。
その時の線量は同じ図の「移送配管表面線量」と「雰囲気線量」でわかる。
一番高いのは表面160ミリシーベルト/時、雰囲気25ミリシーベルト/時。
汚染水が噴き出すと、こんな規模の線量になる可能性があり、これでは作業は
不可能だ。何としても汚染水の噴出は阻止しなければならない。
○実は知っている東電
しかし、東電はこのくらいのことはとっくに知っていた。知っていたのに海
側止水壁を先に作り、陸側は作らなかった。何故か。
国が業を煮やして「登場」する状況を「あえて」作ったとしか思えない。
最初は規制委員会、次は資源エネルギー庁、しかしこれではまだまだ「政
府」ではない。
「原子力災害対策本部会議」が出てくるまで事態の悪化を知りながら対策を
遅らせてきたとしか思えないのだ。
ここで国が支援をせざるを得なくなったのは、放置して汚染水大量流出など
という事態を招くと福島の人々に大変な打撃を与える。さらにもっと政府が心
配なのは再稼働に大きなマイナスになることと、海外からの批判や訴訟の危機
が迫っているからだ。
汚染水の放射能はトリチウムが大きく取り上げられているが、当然ながらス
トロンチウムも大量に含まれているだろうし、もっと恐ろしいのは、汚染水が
原子炉内部や格納容器に落下している核燃料そのものを「溶かしだして」
流れている可能性があることだ。
このまま東電が、海を汚染するに任せていては、国際問題化する。
東電は、今までどおり東電の責任で汚染水対策を進めていたのでは、現在も
起こされている訴訟だけでなく、今後大規模な国際訴訟になった場合、全て東
電の責任となってしまうことを回避するために国を巻き込む戦略を立てたので
あろう。
その布石が3月に社外取締役うちそろっての「辞任を迫る首相会見」だった。
この場で慰留した安倍首相は、「国も一歩前に出る」と発言している。
その約束を果たさせるために、東電は汚染水問題を利用している。
この期に及んで自己の利益追求に汲々とする東電は、だから解体しておくべ
きであった。
今から税金を投入するのであれば、直ちに東電を解体して福島第一原発廃炉
機関を作り、そこに人材と資金を東電から引きずり出して、国営として行うべ
きだ。
国が責任を持つのならば、国が作業員を全員雇用し、極めて危険になってし
まった敷地を全面的に除染し、汚染水を大量に備蓄できる地下貯蔵水槽を建造
するとともに、そのつなぎとして専用港を埋め立てて、外側に大型タンカーが
接岸できるバースを作るくらいの根本的解決を図るべきだろう。
そのための資金は、国の電源三法交付金を充てれば良い。年間3000億円
近い資金だ。もちろん再稼働だの地元支援は一切福島支援のために中止するこ
とになる。原発再稼働のためのばらまき予算など、一切認めるべきではない。
┏┓
┗■3.8月22日(木)のアーサー・ビナードさんの講演会で
│ 氏の絵本とエッセイを普及=販売します その2
└────(山野容子 たんぽぽ舎ボランティア)
急きょ、追加の一冊が決まりました。本の紹介 その3 です。
「泥沼はどこだ」 2012年出版
憲法九条の会の小森陽一さんとアーサーさんの対談。福島原発事故から、
沖縄、そして、憲法や経済問題など多方面にわたって、ことばを大事にする
お二人が「言葉を疑い、言葉でたたかう」という、読み応えのある内容。
巻頭対談でアーサーさんがたんぽぽ舎を「骨のある市民団体」と紹介して
います。
┏┓
┗■4.新聞・雑誌から
└────
◆「脱原発で復興を」 都内で開催された仕事フェアでシンポ
(8月7日 東京新聞より)
東日本大震災の被災地支援を掲げ、6日に東京国際フォーラムで開幕した大
商談会「2013‘よい仕事おこし’フェア」は、初日から2万1千人が訪れる盛
況となった。全国の信用金庫が連携しての催しで、二度目の開催。
東北からの参加者を含む400を超える企業、団体がブースを出し、さかん
に商談が行われた。
多彩なイベントも開かれ、ステージでは、音楽家の坂本龍一さんと、主催す
る城南信金(本店・品川区)の吉原毅理事長らが「未来への福島、そして脱原
発」をテーマにシンポジウムを開いた。
坂本さんは、処理できない原発の核廃棄物を「非倫理的」と批判し「地震や
テロ攻撃で大変なことが起きる」と原発の存在する危機を訴えた。原発再稼働
の動きには「都市の人間は、原発がないと電気が止まってしまうと恐れる『電
気欠乏恐怖症』に陥っている」と指摘した。(後略)
◆原発映画 上映させて 「朝日のあたる家」どこも難色
完成4カ月、ようやく公開へ。 太田監督「事故追体験の機会を」
(8月5日 東京新聞)
福島原発事故を題材にした映画「朝日のあたる家」が完成から4カ月以上た
って、ようやく9月に愛知県内などの4つの映画館で上映される。しかし、
「原発がテーマだと売れない」と、上映を要望したほとんどの映画館は難色を
示している。(中略)原発被災者の避難が続き、放射能の健康被害への不安が
募る。事故は収束していないのに、急速に風化していく。危機感を覚え、何か
できないかと考えた末、「自分には映画を撮ることしかできない」と思い至っ
た。(中略)
最終的に市民の寄付で1000万円の製作費をまかなった。脱原発を呼びかける
三上元(はじめ)市長がいる静岡県湖西市を舞台に決定。いしだ壱成さんや山
本太郎さんらの俳優陣、400人の市民エキストラに参加してもらった。(中略)
太田監督は「原発反対を訴える映画ではない。賛否以前に福島の現実を追体
験してもらいたいと製作した。再稼働の前に原発に関心のない人にこそ、現在、
起きている事実を知ってほしい」と話している。
┏┓
┗■5.テント日誌 8月4日(日)
│ 経産省前テントひろば 694日目 わがテントにはアイドルもいる
│ 女性8人がテント前に勢ぞろい、そこへ原発賛成の若者がきて・・・
└────(I.K)
のどかな一日でした。 テントに着くといつものように乱鬼龍さんが反原発川
柳を書いたボードをたくさん椅子に立てかけていました。「こうやって置くと
通りがかりの人が結構読んで行くんだよ」と、そして観光バスが通るとその一
枚を掲げてアピールしています。(中略)
-- 2時過ぎには、日曜日に来るのは初めてと言うたんぽぽ舎のMさんはじめ
女性8人がテント前に勢ぞろいでした。またもレディースディねと笑い! 某
アンケートによれば再稼動反対は女性が男性をかなり上回っているとか?女性
の頑張り時ですね。今日は幸い、雲の多い天候で、時折涼しい風が吹いてくれ
たので、座り込んで楽しいおしゃべりが出来ました。普段あまり個人的な話は
しない人とも、打ち解けて話せて良かったです。(中略)
-- 夕方原発賛成の若い男性がテントをしげしげと眺めていました。そして大
飯原発9月2日3号機停止、9月15日4号機停止の表示を見て「大飯ってどこです
か?」とあんなに騒がれているのに知らない人もいるんだ、まさにじぇじぇ!
かく言う私も3・11の前は知らなかったけれど…
-- 彼は日本は石油が取れないから原発が必要と思っているらしい。
原発の危険なことを話し、処理できない高レベル放射性廃棄物をどうするか尋
ねると、それは科学者が考えることだという。
最後にあなたたちのスローガンは良いけれど、理想論だと、そして原発賛成と
言って帰っていった。まだまだ同じような人がいっぱい居るのですね。
チャント判ってもらえるように話せなかったのが残念です。(I.K)
☆★☆★ 次回、第三回目口頭弁論期日は、9月12日(木)☆★☆★
9月12日(木)はテント2周年の翌日です。
第一回、第二回を上回るように、東京地裁にお集まり下さい!
2013年8月8日(木)地震と原発事故情報-5つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.広島通信その4
移住して2回目の広島原爆記念日(8月6日)へ参加、(おかしま)
★2.なし崩しの「国費投入」に反対する。東電の「整理」が絶対条件だ。
国に汚染水対策資金を支出させる最悪の"口実"を得た東電 (山崎久隆)
★3.8月22日(木)のアーサー・ビナードさんの講演会で
氏の絵本とエッセイを販売します その3(山野容子)
★4.新聞・雑誌から
◇「脱原発で復興を」都内で開催された仕事フェアでシンポ(8/7東京新聞)
◇原発映画 上映させて 「朝日のあたる家」どこも難色(8/5東京新聞)
★5.テント日誌 8月4日(日)経産省前テントひろば 694日目
女性8人がテント前に勢ぞろい、そこへ原発賛成の若者がきて・・・(I.K.)
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┏┓
┗■1.広島通信その4
│ 移住して2回目の広島原爆記念日(8月6日)へ参加、
│ 平和記念公園へ行く、娘と共にデモ参加、
│ 黄色いのぼりのたんぽぽ舎の人々と出会う
└────(広島在住 おかしま)
移住して二回目の広島原爆記念日です。黙祷の時間に間に合うように平和記
念公園に行ったのですが、すでにすごい人でした。公園入り口に反原発を野次
る団体が居たせいか、首相が来ているせいか警官も多かったです。黄色いのぼ
りのおかげでたんぽぽ舎の懐かしい面々にもすぐに会えました。
徐々に気温が上がる中、いろんな団体があちこちでスピーチをしたり、音楽
を奏でたりしているうちにデモ出発の時間になりました。
私は今年も娘とデモに参加しました。昨年はスリング(抱っこ紐)の中で半分
寝たままだった娘が、今年は数メートルですが自分で歩きました、周りの雰囲
気に圧倒されたのかその後は抱っこでしたが、感慨深かったです。
中電までは沿道の人が写真を撮ったり、手を振ってくれたり(子供が多かっ
たです)しました。外国人旅行客も多いので国民が大人しいと言われる日本で
もこういう風に動いている人がいることを知って欲しいです。
中電前では原発に関係する各団体や有志個人のメッセージを発表しました。
たんぽぽ舎からはYさんが簡潔で熱いスピーチをしてくれました。自分の知ら
ない話がまだまだあり、活動をしてくれている人がいることを知ると心強く感
じ自分も微力ながらやり続けようと思います。途中で東京から岡山に移住した
Oさんにも再会できました。
私と娘は帰宅しましたが、午後もあちこちでイベントや講演会があり、私の
友人たちもそれぞれ目的の場所に出掛けました。いつか娘が大きくなったら夕
方までいて、原爆ドーム前からの灯篭流しを見たいと思っています。
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┗■2.なし崩しの「国費投入」に反対する。東電の「整理」が絶対条件だ。
│ ついに東電は国に汚染水対策資金を支出させる最悪の「口実」を得た。
└────(山崎久隆 たんぽぽ舎)
○汚染水大量漏出
毎日300トンの汚染水が、地下水とともに海に流れ込んでいるという。資
源エネルギー庁が試算を明らかにした。
8月7日に開かれた政府の「原子力災害対策本部会議」では、このこともあ
り「福島第1原発の汚染水問題は対応すべき喫緊の課題。東電のみに任せるの
ではなく国として対策を講じる必要がある」(安倍首相)と、税金を投入して
の対策に乗り出すことを検討し始めている。
この対策、おそらくは「地下凍土方式の陸側止水壁建設」と見られているが、
400億円の建設費と、凍土を維持するために莫大な電力が必要とされる。鹿
島建設が提案した方式で、国は以前から東電に実施を迫っていた。
東電は経費が掛かりすぎることを主な理由に、陸側止水壁の建設を先行させ
たが、これが予想以上に地下水の流路を変えてしまった。
○とてつもない高線量
海に流れる地下水は、止水壁で止められる。すると自然の流れとして溜まっ
た地下水が上昇し始める。当初は三週間程度で地上に到達するかと思われたが、
実際には既に止水壁を越えて海に流出しており、事実上止水壁は機能しなくな
りつつある。そのうえ、地上の放射線量が上昇し、地表面で8ミリシーベルト
/時(マイクロではない)を超えている。その上空の空間線量も1.8ミリシ
ーベルト/時と、数時間作業をしただけで制限値の20ミリシーベルトを超え
る。
この情報は、東電のHPに載っており、
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/surveymap/images/f1-sv-20130
805-j.pdf で誰でも見ることが出来るが、どういうわけかマスコミでは取り
上げられていない。
こんな環境では作業が出来ない。(しかし作業は続行している)地下水が地
上に達する前からこのありさまだから、地上に噴出したらどうなるかは想像に
難くない。誰も立ち入れなくなる。
その時の線量は同じ図の「移送配管表面線量」と「雰囲気線量」でわかる。
一番高いのは表面160ミリシーベルト/時、雰囲気25ミリシーベルト/時。
汚染水が噴き出すと、こんな規模の線量になる可能性があり、これでは作業は
不可能だ。何としても汚染水の噴出は阻止しなければならない。
○実は知っている東電
しかし、東電はこのくらいのことはとっくに知っていた。知っていたのに海
側止水壁を先に作り、陸側は作らなかった。何故か。
国が業を煮やして「登場」する状況を「あえて」作ったとしか思えない。
最初は規制委員会、次は資源エネルギー庁、しかしこれではまだまだ「政
府」ではない。
「原子力災害対策本部会議」が出てくるまで事態の悪化を知りながら対策を
遅らせてきたとしか思えないのだ。
ここで国が支援をせざるを得なくなったのは、放置して汚染水大量流出など
という事態を招くと福島の人々に大変な打撃を与える。さらにもっと政府が心
配なのは再稼働に大きなマイナスになることと、海外からの批判や訴訟の危機
が迫っているからだ。
汚染水の放射能はトリチウムが大きく取り上げられているが、当然ながらス
トロンチウムも大量に含まれているだろうし、もっと恐ろしいのは、汚染水が
原子炉内部や格納容器に落下している核燃料そのものを「溶かしだして」
流れている可能性があることだ。
このまま東電が、海を汚染するに任せていては、国際問題化する。
東電は、今までどおり東電の責任で汚染水対策を進めていたのでは、現在も
起こされている訴訟だけでなく、今後大規模な国際訴訟になった場合、全て東
電の責任となってしまうことを回避するために国を巻き込む戦略を立てたので
あろう。
その布石が3月に社外取締役うちそろっての「辞任を迫る首相会見」だった。
この場で慰留した安倍首相は、「国も一歩前に出る」と発言している。
その約束を果たさせるために、東電は汚染水問題を利用している。
この期に及んで自己の利益追求に汲々とする東電は、だから解体しておくべ
きであった。
今から税金を投入するのであれば、直ちに東電を解体して福島第一原発廃炉
機関を作り、そこに人材と資金を東電から引きずり出して、国営として行うべ
きだ。
国が責任を持つのならば、国が作業員を全員雇用し、極めて危険になってし
まった敷地を全面的に除染し、汚染水を大量に備蓄できる地下貯蔵水槽を建造
するとともに、そのつなぎとして専用港を埋め立てて、外側に大型タンカーが
接岸できるバースを作るくらいの根本的解決を図るべきだろう。
そのための資金は、国の電源三法交付金を充てれば良い。年間3000億円
近い資金だ。もちろん再稼働だの地元支援は一切福島支援のために中止するこ
とになる。原発再稼働のためのばらまき予算など、一切認めるべきではない。
┏┓
┗■3.8月22日(木)のアーサー・ビナードさんの講演会で
│ 氏の絵本とエッセイを普及=販売します その2
└────(山野容子 たんぽぽ舎ボランティア)
急きょ、追加の一冊が決まりました。本の紹介 その3 です。
「泥沼はどこだ」 2012年出版
憲法九条の会の小森陽一さんとアーサーさんの対談。福島原発事故から、
沖縄、そして、憲法や経済問題など多方面にわたって、ことばを大事にする
お二人が「言葉を疑い、言葉でたたかう」という、読み応えのある内容。
巻頭対談でアーサーさんがたんぽぽ舎を「骨のある市民団体」と紹介して
います。
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┗■4.新聞・雑誌から
└────
◆「脱原発で復興を」 都内で開催された仕事フェアでシンポ
(8月7日 東京新聞より)
東日本大震災の被災地支援を掲げ、6日に東京国際フォーラムで開幕した大
商談会「2013‘よい仕事おこし’フェア」は、初日から2万1千人が訪れる盛
況となった。全国の信用金庫が連携しての催しで、二度目の開催。
東北からの参加者を含む400を超える企業、団体がブースを出し、さかん
に商談が行われた。
多彩なイベントも開かれ、ステージでは、音楽家の坂本龍一さんと、主催す
る城南信金(本店・品川区)の吉原毅理事長らが「未来への福島、そして脱原
発」をテーマにシンポジウムを開いた。
坂本さんは、処理できない原発の核廃棄物を「非倫理的」と批判し「地震や
テロ攻撃で大変なことが起きる」と原発の存在する危機を訴えた。原発再稼働
の動きには「都市の人間は、原発がないと電気が止まってしまうと恐れる『電
気欠乏恐怖症』に陥っている」と指摘した。(後略)
◆原発映画 上映させて 「朝日のあたる家」どこも難色
完成4カ月、ようやく公開へ。 太田監督「事故追体験の機会を」
(8月5日 東京新聞)
福島原発事故を題材にした映画「朝日のあたる家」が完成から4カ月以上た
って、ようやく9月に愛知県内などの4つの映画館で上映される。しかし、
「原発がテーマだと売れない」と、上映を要望したほとんどの映画館は難色を
示している。(中略)原発被災者の避難が続き、放射能の健康被害への不安が
募る。事故は収束していないのに、急速に風化していく。危機感を覚え、何か
できないかと考えた末、「自分には映画を撮ることしかできない」と思い至っ
た。(中略)
最終的に市民の寄付で1000万円の製作費をまかなった。脱原発を呼びかける
三上元(はじめ)市長がいる静岡県湖西市を舞台に決定。いしだ壱成さんや山
本太郎さんらの俳優陣、400人の市民エキストラに参加してもらった。(中略)
太田監督は「原発反対を訴える映画ではない。賛否以前に福島の現実を追体
験してもらいたいと製作した。再稼働の前に原発に関心のない人にこそ、現在、
起きている事実を知ってほしい」と話している。
┏┓
┗■5.テント日誌 8月4日(日)
│ 経産省前テントひろば 694日目 わがテントにはアイドルもいる
│ 女性8人がテント前に勢ぞろい、そこへ原発賛成の若者がきて・・・
└────(I.K)
のどかな一日でした。 テントに着くといつものように乱鬼龍さんが反原発川
柳を書いたボードをたくさん椅子に立てかけていました。「こうやって置くと
通りがかりの人が結構読んで行くんだよ」と、そして観光バスが通るとその一
枚を掲げてアピールしています。(中略)
-- 2時過ぎには、日曜日に来るのは初めてと言うたんぽぽ舎のMさんはじめ
女性8人がテント前に勢ぞろいでした。またもレディースディねと笑い! 某
アンケートによれば再稼動反対は女性が男性をかなり上回っているとか?女性
の頑張り時ですね。今日は幸い、雲の多い天候で、時折涼しい風が吹いてくれ
たので、座り込んで楽しいおしゃべりが出来ました。普段あまり個人的な話は
しない人とも、打ち解けて話せて良かったです。(中略)
-- 夕方原発賛成の若い男性がテントをしげしげと眺めていました。そして大
飯原発9月2日3号機停止、9月15日4号機停止の表示を見て「大飯ってどこです
か?」とあんなに騒がれているのに知らない人もいるんだ、まさにじぇじぇ!
かく言う私も3・11の前は知らなかったけれど…
-- 彼は日本は石油が取れないから原発が必要と思っているらしい。
原発の危険なことを話し、処理できない高レベル放射性廃棄物をどうするか尋
ねると、それは科学者が考えることだという。
最後にあなたたちのスローガンは良いけれど、理想論だと、そして原発賛成と
言って帰っていった。まだまだ同じような人がいっぱい居るのですね。
チャント判ってもらえるように話せなかったのが残念です。(I.K)
☆★☆★ 次回、第三回目口頭弁論期日は、9月12日(木)☆★☆★
9月12日(木)はテント2周年の翌日です。
第一回、第二回を上回るように、東京地裁にお集まり下さい!