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ニュークレール情報板
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たんぽぽ舎です。【TMM:No1933】
2013年8月21日(水)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.放射能汚染水問題で福島第一原発が、震災以来最大の危機
地下水対策を怠った結果-東電の後手・後手、東電の資金ケチリが原因
建屋は地下水に浮いたコンクリートのハコ (中)
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★2.福島原発告訴団より…不起訴を許すな!!はがき作戦
福島地検&東京地検へはがきを出そう!
★3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
◆神奈川・東電デモ 8月23日(金)第23弾行います
9月15日は大飯原発が停止し、日本の原発ゼロの日に
★4.新聞・雑誌より2つ
◆福島県の3市町村-家の中の放射線量外と変わらず
「6割下がる」甘い帰還前提=規制委の考え
◆除染後も被ばく不安 屋内、農地とも高線量 年間上限の2.5倍予想-
福島県の田村市、川内村、楢葉町
(2つとも、8月19日東京新聞より抜粋)
━━━━━━━
※8/27学習会にご参加を!
被災者と子どもの未来のために-原子力市民委員会第一部会(福島
原発災害対策)の課題
日 時:8月27日(火)19時開会
講 師:島薗 進さん(上智大学神学部教授)
会 場:「スペースたんぽぽ」ダイナミックビル4F
参加費:一般800円(学生400円)
━━━━━━━
┏┓
┗■1.放射能汚染水問題で福島第一原発が、震災以来最大の危機
| 地下水対策を怠った結果-東電の後手・後手、東電の資金ケチリが原因
| 建屋は地下水に浮いたコンクリートのハコ (中)
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
○地下水対策を怠った結果-東電の後手・後手、東電の資金ケチリが原因
建屋の周囲の地下水位が上昇すれば、容易に想像できるのは浸水被害である。
東京駅並みに地下水位が上がっている福島第一原発でも、激しく浸水しているの
は東電の公表でも明らかだ。
地下水位が一定以上高くなると、建屋にある配管や電線管の貫通口などから地
下水が流入する。これを止める方法は水位のコントロール以外には無いが、最初
は大量に流れ込んだ津波、次に原子炉圧力容器に崩落し、格納容器内部にも落ち
てしまった核燃料を冷やすために投入している冷却水も建屋に流れ出し、地下水
と混じり合っている。このため建屋周辺の地下水も汚染されてしまい、汲み出せ
ばそのまま汚染水を汲み出す結果となる。当初東電は地下水を海に放流するつも
りだったのだろうと思われるが2011年4月に起きた汚染水流出の影響で、海洋放
出は汚染のない地下水でも不可能となっている。
早い段階でサブドレンを使って建屋周辺の汚染水分布を調べ、同時に汲み上げ
た水を処理ラインに流していれば事態は今より良かっただろうが、どういうわけ
か(おそらく資金面に問題があったため)地下水対策を放置した。
その結果、既に報道されているとおり、毎日65トン(推定)の地下水が汚染水
となって海に流れ出していると見積もられている。
○ 遮水壁を作った東電の意図は-危機を演出するためだった
地下水は陸側に遮水壁がないまま、海への汚染水流出に驚いた規制委員による
強い圧力で、海側遮水壁が急ピッチで作られたようだが、それをしたら「原発が
水没する」ことは東電はよく知っていた。知っていて実行したのはどうしてか。
おそらく陸側に設けた遮水壁の上流側の30m地点に設けている「揚水井戸」か
ら地下水を海に放流することと、トリチウム汚染水を海洋投棄することを地元に
「受忍」させるための「背に腹はかえられぬ」危機を演出するためだったのでは
ないかと疑われる。
○ 東電が福島第一原発の地下水の経緯をよく知っていた根拠は、建設段階の工
事経過を論文として発表した佐伯正治東電福島原子力建設所土木課長「福島原子
力発電所土木工事の概要(土木技術22巻9号)」の記述である。それによれば
建設段階で既に多くの出水があった。そのため地下水対策で1.2m間隔の井戸を
約300本掘り、地下水を抜いている。工事では海抜33mを削って10mまで下げた。
その途中で地下水の湧水線を切っている。その場面でも地上に地下水が溢水して、
難工事になったという。
そこで7本素掘り側溝や1本の地中配管をつかって水を海に放出している。
これは1号機建設時の論文であり、1基作る段階でも既に大量の地下水との闘い
であったことが分かる。
原発の建屋周辺が建設当時から大量のサブドレンに取り囲まれていたのは、地
形と地下水の挙動をよく知っていたからだ。
図面から読み取れるのは、タービン建屋海側が、旧汀線、今の4m板はもとも
と海だった場所を埋め立てて作ったところで、地下に入っているのは砕石と埋め
戻しの土砂。その上をアスファルトやコンクリートスラブで覆っているだけ。
地震によりタービン建屋と地下トレンチのつなぎ目に損傷が発生したかもしれ
ないし、もともとトレンチが耐水性のない地盤の中にあるので、常に漏水してい
るのかも知れない。
そこに陸上部から大量の地下水が流下してくると、たちまち建屋の地下から漏
れ出る汚染水を呑み込んで海に流れることになる。おそらく今までの汚染水の漏
えいは、トレンチ内部に溜まっていたものが海側地下に漏えいしていたものであ
ろう。最近、急激に汚染濃度が高くなったのは、トレンチと建屋の間から漏れ続
けていた高濃度汚染水が2年あまりの時を経て、いよいよ海に到達してきたので
はないかと思われる。その場合、汚染水の濃度は何桁も高くなる。
海側遮水壁の一列目は作ったものの、中途半端な高さで、地上から下1.8mま
では隙間がある。つまり地下水は遮水壁上部からあふれ出ている。
また、両側からも流れ出しているとみるべきだろう。その先には二段目の海側
遮水壁が専用港内に建設中だ。しかし、こちらはあと2年ほど経たないと完成し
ないというから、間に合わない危険性が高まっている。〔以下、(下)につづく〕
┏┓
┗■2.福島原発告訴団より…不起訴を許すな!!はがき作戦
| 福島地検&東京地検へはがきを出そう!
└────
<地検住所>
福島地方検察庁 〒960-8017 福島県福島市狐塚17番地
東京地方検察庁 〒100-8903 東京都千代田区霞が関1丁目1-1
福島原発告訴団・関東事務局の白崎朝子です。8月9日の朝日新聞朝刊一面に
『原発事故、全員不起訴へ』という記事が出ました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130809-00000007-asahi-soci
ちなみに福島原発告訴団の告訴・告発だけではなく他の団体の告訴・告発のこ
ともいっしょに書かれています(福島原発告訴団では菅直人氏はじめ政治家はあ
えて告訴していませんので、お間違えなきよう…)
私事ではありますが私の遠縁は長崎の被爆者です。私が反核・反原発運動をす
るきっかけは長崎の原爆記念館に訪問したからでした。
よりによってたくさんの死者を出した長崎の原爆記念日に、不起訴の可能性を
示唆する記事が一面に掲載されたことに、強い怒りを感じます。
9日、朝一番で連絡した武藤類子団長より、福島地検&東京地検に対する『は
がき作戦』の拡散依頼がありました。
はがき作戦の詳細は関東事務局のブログにアップしましたのでご覧下さい。
「福島原発告訴団・関東」http://dainiji-fukusimagenpatsu-kokusodan.blogspot.jp/
しかし、地検からのリークの可能性もあり、このまま判断を下す可能性もあります。
このような未曾有の人災の責任が問われないことなどあってはなりません。
地検に対し、強制捜査を、そして起訴を求めるメッセージを、ハガキにしたため
て出しましょう。あなたの1枚が地検の心を動かすかもしれません!
☆上記は8月9日に届いたメールですが、諸般の事情で掲載が
遅くなりました。
┏┓
┗■3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
└────
◆神奈川・東電デモ 8月23日(金)第23弾行います
9月15日は大飯原発が停止し、日本の原発ゼロの日に
9月15日には大飯原発4号機が停止し、2度目の原発ゼロの日を向かえます。
この事を大きく伝え、原発いらない、再稼働反対を街の人々に
訴えていきましょう(^O^)
コースはいつもと同じ、 桜木町駅前広場⇒市庁舎前⇒東電神奈川支店⇒桜木
町駅前広場 の約1時間のコースです。
8月23日(金) 19:00桜木町駅前広場スタート、デモ出発前の18:00~19:00は、
スタート地点の桜木町駅前広場にてリレートーク、原発ゼロアピール、東電への
責任追及、反原発の思いなどをぶつけて下さい。
スタイルは自由、ユニークなアピールを!横浜で一緒に声を上げましょう!
デモの後、有志にて交流会もあります。ビールと餃子が美味しいですよぉ(^。^)
お問い合わせ 金子09065403771 まで
┏┓
┗■4.新聞・雑誌より2つ
└────
◆福島県の3市町村-家の中の放射線量外と変わらず
「6割下がる」甘い帰還前提=規制委の考え
東京電力福島第一原発事故で避難している住民が帰還する際に前提となる放射
線量が、除染後も国の想定ほど下がらないケースが多いことが、本紙が福島県内
で実施した実測調査で分かった。国は家屋が外の放射線を6割遮ることを前提に
しているが、家の中でもほとんど減らないためだ。
国は、住民の1日の生活パターンを屋外に8時間、屋内に16時間と想定。家の
中は壁などが放射線を遮ることで、屋外の4割しか線量がないことを前提にして
いる。
原子力規制委員会によると、屋内の線量が屋外の4割にとどまるとの考え方は
国際原子力機関(IAEA)が目安として示した値をそのまま引用したものだという。
しかし本紙が今月上旬、田村市や川内村、楢葉町で、住宅の除染が終わって一
時帰宅していた住民の協力を得て実測した結果、庭先や玄関先の線量と、居間や
寝室などの線量はほとんど変わらないケースが大半だった。
窓越しに水田や裏山がある部屋では、玄関先より線量が高いケースも散見された。
特に農家では、玄関や縁側を開けっ放しにして生活しているケースが多い。屋
外からの放射線なのか、屋内に再び入り込んだ放射性物質からの放射線なのかは
明確ではないが、少なくとも国が想定するような状況とはかなり異なっていた。
(後略)(8月19日東京新聞より抜粋)
◆除染後も被ばく不安 屋内、農地とも高線量 年間上限の2.5倍予想-
福島県の田村市、川内村、楢葉町
(前略) どこで何時間くらい活動するのか生活パターンを聞き、それぞれの場
所の線量、時間をかけ算していくと年間の被ばく線量が推定できる。渡辺さんの
場合、約2.5ミリシーベルトという結果が出た。一般人の上限値1ミリシーベル
トの2.5倍ということになる。数字を聞いた渡辺さんは「危ないのかどうか、自
分にはわからない」と当惑した表情を浮かべた。(中略)
「このまま戻れと言われても困る。誰が責任を取るのか」と語った。
本紙は、田村市のほか、川内村や楢葉町も訪ね、同様の手法で6人の年間被ば
く線量を推計した。結果は川内村の畳業者西山利夫さん(71)が1.7ミリシーベル
トだったのを除けば、他の5人はいずれも2ミリシーベルト台だった。
確信が持てたのは、屋外の放射線量が毎時0.23マイクロシーベルトを下回って
さえいれば、年間被ばく線量は上限値の1ミリシーベルトを下回る、との見方は
危いということ。(中略)
1日おきに帰宅しているという楢葉町の専業農家青木良美さん(78)は、近くの
水田に積まれた除染廃棄物入りの黒い大きな袋の山を見ながらこうつぶやいた。
「あれがある間は、避難指示が解除されても町には戻りにくい。うちも孫が避
難先で学校に通っているが、無理だろうな」 (8月19日東京新聞より抜粋)
2013年8月21日(水)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.放射能汚染水問題で福島第一原発が、震災以来最大の危機
地下水対策を怠った結果-東電の後手・後手、東電の資金ケチリが原因
建屋は地下水に浮いたコンクリートのハコ (中)
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★2.福島原発告訴団より…不起訴を許すな!!はがき作戦
福島地検&東京地検へはがきを出そう!
★3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
◆神奈川・東電デモ 8月23日(金)第23弾行います
9月15日は大飯原発が停止し、日本の原発ゼロの日に
★4.新聞・雑誌より2つ
◆福島県の3市町村-家の中の放射線量外と変わらず
「6割下がる」甘い帰還前提=規制委の考え
◆除染後も被ばく不安 屋内、農地とも高線量 年間上限の2.5倍予想-
福島県の田村市、川内村、楢葉町
(2つとも、8月19日東京新聞より抜粋)
━━━━━━━
※8/27学習会にご参加を!
被災者と子どもの未来のために-原子力市民委員会第一部会(福島
原発災害対策)の課題
日 時:8月27日(火)19時開会
講 師:島薗 進さん(上智大学神学部教授)
会 場:「スペースたんぽぽ」ダイナミックビル4F
参加費:一般800円(学生400円)
━━━━━━━
┏┓
┗■1.放射能汚染水問題で福島第一原発が、震災以来最大の危機
| 地下水対策を怠った結果-東電の後手・後手、東電の資金ケチリが原因
| 建屋は地下水に浮いたコンクリートのハコ (中)
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
○地下水対策を怠った結果-東電の後手・後手、東電の資金ケチリが原因
建屋の周囲の地下水位が上昇すれば、容易に想像できるのは浸水被害である。
東京駅並みに地下水位が上がっている福島第一原発でも、激しく浸水しているの
は東電の公表でも明らかだ。
地下水位が一定以上高くなると、建屋にある配管や電線管の貫通口などから地
下水が流入する。これを止める方法は水位のコントロール以外には無いが、最初
は大量に流れ込んだ津波、次に原子炉圧力容器に崩落し、格納容器内部にも落ち
てしまった核燃料を冷やすために投入している冷却水も建屋に流れ出し、地下水
と混じり合っている。このため建屋周辺の地下水も汚染されてしまい、汲み出せ
ばそのまま汚染水を汲み出す結果となる。当初東電は地下水を海に放流するつも
りだったのだろうと思われるが2011年4月に起きた汚染水流出の影響で、海洋放
出は汚染のない地下水でも不可能となっている。
早い段階でサブドレンを使って建屋周辺の汚染水分布を調べ、同時に汲み上げ
た水を処理ラインに流していれば事態は今より良かっただろうが、どういうわけ
か(おそらく資金面に問題があったため)地下水対策を放置した。
その結果、既に報道されているとおり、毎日65トン(推定)の地下水が汚染水
となって海に流れ出していると見積もられている。
○ 遮水壁を作った東電の意図は-危機を演出するためだった
地下水は陸側に遮水壁がないまま、海への汚染水流出に驚いた規制委員による
強い圧力で、海側遮水壁が急ピッチで作られたようだが、それをしたら「原発が
水没する」ことは東電はよく知っていた。知っていて実行したのはどうしてか。
おそらく陸側に設けた遮水壁の上流側の30m地点に設けている「揚水井戸」か
ら地下水を海に放流することと、トリチウム汚染水を海洋投棄することを地元に
「受忍」させるための「背に腹はかえられぬ」危機を演出するためだったのでは
ないかと疑われる。
○ 東電が福島第一原発の地下水の経緯をよく知っていた根拠は、建設段階の工
事経過を論文として発表した佐伯正治東電福島原子力建設所土木課長「福島原子
力発電所土木工事の概要(土木技術22巻9号)」の記述である。それによれば
建設段階で既に多くの出水があった。そのため地下水対策で1.2m間隔の井戸を
約300本掘り、地下水を抜いている。工事では海抜33mを削って10mまで下げた。
その途中で地下水の湧水線を切っている。その場面でも地上に地下水が溢水して、
難工事になったという。
そこで7本素掘り側溝や1本の地中配管をつかって水を海に放出している。
これは1号機建設時の論文であり、1基作る段階でも既に大量の地下水との闘い
であったことが分かる。
原発の建屋周辺が建設当時から大量のサブドレンに取り囲まれていたのは、地
形と地下水の挙動をよく知っていたからだ。
図面から読み取れるのは、タービン建屋海側が、旧汀線、今の4m板はもとも
と海だった場所を埋め立てて作ったところで、地下に入っているのは砕石と埋め
戻しの土砂。その上をアスファルトやコンクリートスラブで覆っているだけ。
地震によりタービン建屋と地下トレンチのつなぎ目に損傷が発生したかもしれ
ないし、もともとトレンチが耐水性のない地盤の中にあるので、常に漏水してい
るのかも知れない。
そこに陸上部から大量の地下水が流下してくると、たちまち建屋の地下から漏
れ出る汚染水を呑み込んで海に流れることになる。おそらく今までの汚染水の漏
えいは、トレンチ内部に溜まっていたものが海側地下に漏えいしていたものであ
ろう。最近、急激に汚染濃度が高くなったのは、トレンチと建屋の間から漏れ続
けていた高濃度汚染水が2年あまりの時を経て、いよいよ海に到達してきたので
はないかと思われる。その場合、汚染水の濃度は何桁も高くなる。
海側遮水壁の一列目は作ったものの、中途半端な高さで、地上から下1.8mま
では隙間がある。つまり地下水は遮水壁上部からあふれ出ている。
また、両側からも流れ出しているとみるべきだろう。その先には二段目の海側
遮水壁が専用港内に建設中だ。しかし、こちらはあと2年ほど経たないと完成し
ないというから、間に合わない危険性が高まっている。〔以下、(下)につづく〕
┏┓
┗■2.福島原発告訴団より…不起訴を許すな!!はがき作戦
| 福島地検&東京地検へはがきを出そう!
└────
<地検住所>
福島地方検察庁 〒960-8017 福島県福島市狐塚17番地
東京地方検察庁 〒100-8903 東京都千代田区霞が関1丁目1-1
福島原発告訴団・関東事務局の白崎朝子です。8月9日の朝日新聞朝刊一面に
『原発事故、全員不起訴へ』という記事が出ました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130809-00000007-asahi-soci
ちなみに福島原発告訴団の告訴・告発だけではなく他の団体の告訴・告発のこ
ともいっしょに書かれています(福島原発告訴団では菅直人氏はじめ政治家はあ
えて告訴していませんので、お間違えなきよう…)
私事ではありますが私の遠縁は長崎の被爆者です。私が反核・反原発運動をす
るきっかけは長崎の原爆記念館に訪問したからでした。
よりによってたくさんの死者を出した長崎の原爆記念日に、不起訴の可能性を
示唆する記事が一面に掲載されたことに、強い怒りを感じます。
9日、朝一番で連絡した武藤類子団長より、福島地検&東京地検に対する『は
がき作戦』の拡散依頼がありました。
はがき作戦の詳細は関東事務局のブログにアップしましたのでご覧下さい。
「福島原発告訴団・関東」http://dainiji-fukusimagenpatsu-kokusodan.blogspot.jp/
しかし、地検からのリークの可能性もあり、このまま判断を下す可能性もあります。
このような未曾有の人災の責任が問われないことなどあってはなりません。
地検に対し、強制捜査を、そして起訴を求めるメッセージを、ハガキにしたため
て出しましょう。あなたの1枚が地検の心を動かすかもしれません!
☆上記は8月9日に届いたメールですが、諸般の事情で掲載が
遅くなりました。
┏┓
┗■3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
└────
◆神奈川・東電デモ 8月23日(金)第23弾行います
9月15日は大飯原発が停止し、日本の原発ゼロの日に
9月15日には大飯原発4号機が停止し、2度目の原発ゼロの日を向かえます。
この事を大きく伝え、原発いらない、再稼働反対を街の人々に
訴えていきましょう(^O^)
コースはいつもと同じ、 桜木町駅前広場⇒市庁舎前⇒東電神奈川支店⇒桜木
町駅前広場 の約1時間のコースです。
8月23日(金) 19:00桜木町駅前広場スタート、デモ出発前の18:00~19:00は、
スタート地点の桜木町駅前広場にてリレートーク、原発ゼロアピール、東電への
責任追及、反原発の思いなどをぶつけて下さい。
スタイルは自由、ユニークなアピールを!横浜で一緒に声を上げましょう!
デモの後、有志にて交流会もあります。ビールと餃子が美味しいですよぉ(^。^)
お問い合わせ 金子09065403771 まで
┏┓
┗■4.新聞・雑誌より2つ
└────
◆福島県の3市町村-家の中の放射線量外と変わらず
「6割下がる」甘い帰還前提=規制委の考え
東京電力福島第一原発事故で避難している住民が帰還する際に前提となる放射
線量が、除染後も国の想定ほど下がらないケースが多いことが、本紙が福島県内
で実施した実測調査で分かった。国は家屋が外の放射線を6割遮ることを前提に
しているが、家の中でもほとんど減らないためだ。
国は、住民の1日の生活パターンを屋外に8時間、屋内に16時間と想定。家の
中は壁などが放射線を遮ることで、屋外の4割しか線量がないことを前提にして
いる。
原子力規制委員会によると、屋内の線量が屋外の4割にとどまるとの考え方は
国際原子力機関(IAEA)が目安として示した値をそのまま引用したものだという。
しかし本紙が今月上旬、田村市や川内村、楢葉町で、住宅の除染が終わって一
時帰宅していた住民の協力を得て実測した結果、庭先や玄関先の線量と、居間や
寝室などの線量はほとんど変わらないケースが大半だった。
窓越しに水田や裏山がある部屋では、玄関先より線量が高いケースも散見された。
特に農家では、玄関や縁側を開けっ放しにして生活しているケースが多い。屋
外からの放射線なのか、屋内に再び入り込んだ放射性物質からの放射線なのかは
明確ではないが、少なくとも国が想定するような状況とはかなり異なっていた。
(後略)(8月19日東京新聞より抜粋)
◆除染後も被ばく不安 屋内、農地とも高線量 年間上限の2.5倍予想-
福島県の田村市、川内村、楢葉町
(前略) どこで何時間くらい活動するのか生活パターンを聞き、それぞれの場
所の線量、時間をかけ算していくと年間の被ばく線量が推定できる。渡辺さんの
場合、約2.5ミリシーベルトという結果が出た。一般人の上限値1ミリシーベル
トの2.5倍ということになる。数字を聞いた渡辺さんは「危ないのかどうか、自
分にはわからない」と当惑した表情を浮かべた。(中略)
「このまま戻れと言われても困る。誰が責任を取るのか」と語った。
本紙は、田村市のほか、川内村や楢葉町も訪ね、同様の手法で6人の年間被ば
く線量を推計した。結果は川内村の畳業者西山利夫さん(71)が1.7ミリシーベル
トだったのを除けば、他の5人はいずれも2ミリシーベルト台だった。
確信が持てたのは、屋外の放射線量が毎時0.23マイクロシーベルトを下回って
さえいれば、年間被ばく線量は上限値の1ミリシーベルトを下回る、との見方は
危いということ。(中略)
1日おきに帰宅しているという楢葉町の専業農家青木良美さん(78)は、近くの
水田に積まれた除染廃棄物入りの黒い大きな袋の山を見ながらこうつぶやいた。
「あれがある間は、避難指示が解除されても町には戻りにくい。うちも孫が避
難先で学校に通っているが、無理だろうな」 (8月19日東京新聞より抜粋)
PR
たんぽぽ舎です。【TMM:No1932】
2013年8月20日(火)その2 地震と原発事故情報-
4つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.「ふるさとも生活も仕事も奪われた」被害者の深い悲しみと怒り
「福島を忘れない!全国シンポジウム」に参加して
~福島の怒りと悲しみを忘れない~
テント日誌8月19日(月)経産省前テントひろば-709日目
(K.M)
★2.地下水位上昇のもう一つの危険性
建屋は地下水に浮いたコンクリートのハコ (上)
汚染水問題で福島第一原発が、震災以来最大の危機を迎えている
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
◆8/24脱原発エネルギーは可能!~ドイツ・デンマーク探訪レポート~
会場:市川市男女参画センター(ウィズ)F室
★4.新聞・雑誌より3つ
◆女川原発近くで風船千個飛ばす 再稼働反対の住民ら
(8月18日共同通信より)
◆桜島噴煙5000メートル 昭和火口で爆発的噴火
(8月19日東京新聞より抜粋)
◆検診データ登録遅れ 原発作業員の健康管理
東電、数値修正で混乱も (8月18日茨城新聞より抜粋)
━━━━━━━
※8/24(土)-25(日)再稼働阻止「全国合宿討論集会」のお誘い
日時:8月24日(土)13:00~21:00、25日(日)9:00~13:00
会場:「スペースたんぽぽ」(東京都千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル4F)
主催:再稼働阻止全国ネットワーク 資料代:1000円
━━━━━━━
┏┓
┗■1.「ふるさとも生活も仕事も奪われた」被害者の深い悲しみと怒り
| 「福島を忘れない!全国シンポジウム」に参加して
| ~福島の怒りと悲しみを忘れない~
| テント日誌8月19日(月)経産省前テントひろば-709日目
└──── (K.M)
○ 17日(土)から18日(日)に「反原発自治体議員・市民連盟」が主催する全
国シンポジウムと現地訪問に参加し福島の厳しさを実感してきた。
17日午後からのシンポジウムでは、福島県内の地方議員他が百人を超える全国
からの議員・市民の参加者に東電福島第一原発事故の被害状況を説明し参加者は
熱心に聴き入った。シンポジウムの内容は明くる日の朝日新聞福島地域版に報道
された。
円通寺住職吉岡棟憲さんは、冊子「原発事故さえなければ通信」で本当の福島
を知らせている。阿武隈川の灯篭流しも川底の放射性物質蓄積で灯篭飾りに、防
護服を着てお墓詣りするなんて、除染に5兆円を使って「安心・安全」キャンペ
ーンがなされ、福島の自治体は総て国の下請けだ、と穏やかに怒りを伝えた。浪
江町では月一人当たり10万円の賠償費を6倍に増額を求める、当然だ。マスコ
ミが何も書いてくれない。政治家は、財界と官僚とアメリカに従っている。「被
災者」でなく「被害者」と呼ぶべき、誰かが加害者だ。福島原発でなく東京電力
福島原子力発電所と呼ぶべき、東京の為の発電所だ。
○ 川俣町議員のお話:フクイチの現場を見れば津波は関係ない、ベント前に高
濃度放射能汚染が起こった、除染後の廃棄物を農地に5段重ねしている、福島の
ワタムシの1割に奇形が出た、虫の異常が多く鳥が減っていて生態系異常が心配
だ、県も市町村も生態系調査をやる気がない。
飯館村酪農家のお話:4月に計画的避難地域を発表。そこで遊んでも大丈夫、
マスク外して大丈夫などの「安全説法」。村長は村を守るが、私は命を守る。末
端の行政が悪い、除染は国のいいなり、帰りたい帰れない人へのケアが全く無い、
なぜ飯館村だけ年間5mSvなのか?「帰りたいけれど帰れない人」へのケアが
全くない。
質疑応答も活発になされ、積み残しは交流会で個別に話あった。
○ 18日(日)はバスで現地を回った。最初に福島市内の仮設住宅。平屋建てプ
レハブ住宅がずらっと並ぶ。通路を年配の方が歩いている。怒りと悲しみが込み
上げてきた、原発事故後2年5カ月も経っていまだに仮設住宅生活を強いられて
いる人たちが沢山いる!
福島市を南下して川俣町に。絹の町として羽二重を輸出して栄え、日銀福島支
店がこの町にあり、昭和46年まで鉄道があった。学校の体育館まわりに400
戸が避難して入居した。富士山が見える北限の山がある。
飯館村に入ると田んぼに稲穂がなく草ぼうぼう。家という家に人の気配無くミ
ートプラザと大書したドライブインも閉鎖。11年3月15日に放射能の雨が降
った。計画的避難区域で作付も禁止。あちこちの道が通行止め。
○ 川俣町山木屋も同様で、人の気配が無く家が泣いているよう。放射性物質は
谷沿いの上昇気流に乗り木に当たって落ちた。田んぼには沢山のブルーシートや
黒円盤5枚重ね。空間線量は7μSv、バスの中でも2.3μSv。
葛尾村では住居回り20mが除染された。道路沿いに掲げられた「除染作業中」
の旗とジョイントベンチャーの立て看板。田んぼの茶色の塊は減量化してから仮
置きする。一日に300tも除染廃棄物が溜まっていく。
○ 「福島を忘れない!全国シンポジウム」と現地見学に参加して、一番に感じ
たことは、今まで何も分かっていなかったとの実感。人の気配のない家々、牛一
匹もいない牛舎、JVによる除染廃棄物と雑草に覆われた田んぼ。線量計を手放
せない不安な生活。被害者の方々がもっと怒らないことが不思議だ。
「ふるさとも生活も仕事も奪われた」被害者の深い悲しみと怒りを胸に、闘おう。
┏┓
┗■2.地下水位上昇のもう一つの危険性
| 建屋は地下水に浮いたコンクリートのハコ (上)
| 汚染水問題で福島第一原発が、震災以来最大の危機を迎えている
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
汚染水問題で福島第一原発が、震災以来最大の危機を迎えている。ところが、
その危機の全貌は東電からも規制庁からも明らかにされていない。
現実には高濃度汚染水の流出問題に加えて、建屋への大規模な浸水と液状化、
建屋傾斜あるいは倒壊の危機すら迫っている。
福島第一原発の建屋周辺には「サブドレン」と呼ばれる地下水くみ上げ井戸が
作られており、事故前には毎日地下水が汲み上げられて海に放出されていた。
1号機と2号機の周辺には27本、3号機と4号機の周りには30本、しかし地震と
津波の影響で使えなくなり、昨年5月までに、いくつかの井戸を汚染浄化対象と
して汲上が再開されたものの大半は動いていない。
地下水対策は大型構造物に必須であるのに…東京駅の対策の実例
地下水対策は、地下構造を持つ建物にとっては必須であることは、東京駅や上
野駅の地下水対策を見ても分かる。
東京では高度経済成長期に大量の地下水が工業、上水目的で汲み上げられてい
た。そのため大規模な地盤沈下が発生し、ゼロメートル地帯が出現、大雨や高潮
時の度重なる浸水被害や建物が破壊されるなどの影響が出てしまい、地下水の汲
み上げを規制した。地下水位は徐々に回復し、地盤沈下は収まったが、こんどは
地下水の水位上昇により地下構造への浸水や建物の浮き上がりが問題になった。
例えば東京駅の場合、地下水位は駅の建設時で地下35mあったのが、2000年段
階では地下15mと、20mも上昇している。最下層には総武横須賀線が入っている
が、この地点は地下27mで、建設時は地下水位よりも高かったが今では「水没」
している。そのため大量の地下水が流入する。対策として毎日4000トンから5000
トンも汲み出している。さらに駅構造は空洞なので、ほっておけば浮き上がる。
駅舎やトンネル構造に重大な損傷を招くから、それを防止するために「グラウン
ド・アンカー」と呼ばれる鋼鉄製の重りを大量に入れている。1999年段階で総数
は130本に達し、1本あたり100トン相当の浮力に対応できるそうなので、13000
トンもの浮力を支えている。
地下水(総武線馬喰町駅に汲み上げポイントがある)は総武・横須賀線の脇に
設置された配管で品川区を流れる立会川に放流している。地下水はきれいなので
以前は東京でも一、二を争う汚い河川が排水のおかげで浄化され、ボラの大群が
遡上し話題になっていた。〔以下、(中)につづく〕
┏┓
┗■3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
└────
◆8/24脱原発エネルギーは可能!~ドイツ・デンマーク探訪レポート~
国や電力会社の社会的責任が問われる中、ドイツ・デンマークの例から脱原発
理念を学びましょう。
テーマ 脱原発エネルギーは可能!~ドイツ・デンマーク探訪レポート~
お 話 大野ひろみ さん(佐倉・市民ネットワーク/市議会議員)
日 時 2013年8月24日(土) 13:30~
場 所 市川市男女参画センター(ウィズ)F室 市川西消防署上
JR市川・京成真間駅より5分 TEL(047)322-6700
資料代 500円
主 催:戦争はいやだ!市川市民の会 問合せ:(菊池)047-337-5786
┏┓
┗■4.新聞・雑誌より3つ
└────
◆女川原発近くで風船千個飛ばす 再稼働反対の住民ら
東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)の再稼働に反対する県内の地元住
民らが18日、事故発生時に放射性物質がどこまで拡散するか調べようと同原発
から約7キロ離れた女川港(女川町)で約千個の風船を飛ばした。
家族連れなど約100人が参加し、色とりどりの風船に付けたカードに「子ども
たちの未来に原発は残しません」などのメッセージを書き込んだのち、一斉に青
空に向けて飛ばした。南西の風が吹いていたため石巻市雄勝方面への飛来が予想
されるという。
カードには風船を拾った人に発見場所を報告してもらえるよう連絡先などが書
かれてあり、主催団体で集約して公表する予定。(8月18日共同通信より)
◆桜島噴煙5000メートル 昭和火口で爆発的噴火
鹿児島市の桜島・昭和火口(標高約800メートル)で18日午後4時31分に爆発的
噴火があり、噴煙が高さ約5000メートルに達した。鹿児島地方気象台によると、
昭和火口としては2006年6月の観測開始以降で最高の高さ。噴火は今年500回目
となった。(中略)
18日の噴火では、大きな噴石が約1800メートル離れた3合目に落下したほか、
小規模の火砕流が火口から南東約1キロ地点まで流れた。(中略) 噴煙は風で北
西方向に流れ、鹿児島市などに大量の灰が降った。(後略)
気象台はさらに大きな噴火が起きる兆候はないとして、噴火警戒レベルはレベ
ル3を維持し、火口から半径2キロの入山規制を継続する。
(8月19日東京新聞より抜粋)
◆検診データ登録遅れ 原発作業員の健康管理
東電、数値修正で混乱も
東京電力福島第一原発で、事故直後に緊急作業をした作業員の健康管理の不備
が目立っている。健康診断結果のデータベースへの登録が6割程度と遅れている
ほか、7月には東電が登録の前提となる被ばく線量を修正し、混乱を招いた。事
故から2年5カ月が経過しているが、国や事業者による健康管理は厳格さを欠い
たままだ。(中略)
累積被ばく量が100ミリシーベルトを超えると、がんの発症リスクが高まると
される。国は高い被ばく量が見込まれる緊急作業に従事した約2万人をデータベ
ースに登録する方針。長期的に健康管理するため東電や協力企業などの事業者に
対し、作業員の被ばく量に応じて年1,2回の健康診断やがん検診などの検査を
受けさせ、結果を提出するよう求めている。(中略)
東電は7月、厚労省の指導をきっかけに、2011年~12年度の作業員の被ばく量
を修正した。452人が既に報告していた値よりも大きくなり、最大約49ミリシー
ベルト高くなった。100ミリシーベルト超の人は6人増えて173人で、ほとんどが
事故直後に働いた作業員だった。(中略)
修正に合わせて東電は、特に健康リスクが指摘される作業員の甲状腺被ばく線
量(等価線量)についても公表。これまでは実測データがある522分しか明らかに
しておらず、100ミリシーベルト超は178人から1972人と10倍以上に増えた。この
うち東電が実施している甲状腺の超音波検査を受けたのは半数以下だった。
(8月18日茨城新聞より抜粋)
──────────
【編集部より】
メルマガ読者からの集会・デモ・講演会のお知らせ、その他投稿歓迎。
「集会・デモ・講演会のお知らせ」に関しては、平等に掲載するため
日時、会場、タイトル及び内容、主催者、主催者の連絡先などを400文字
以内で、またその他投稿に関しては400~800文字以内でタイトル及び
内容をお送り下さい。宛先は、magazine@tanpoposya.net です。
なお、お送り頂いた投稿は集会・デモ・講演会のお知らせを含めて紙面の
都合上すべてを掲載できない場合があります。予めご了承ください。
☆ひきつづき、たんぽぽ舎の活動・日刊メルマガ=「地震と原発事故情報」
へのカンパを受け付けていますので、よろしくお願い致します。
郵便振込 加入者名 たんぽぽ舎 口座番号 00180-1-403856
2013年8月20日(火)その2 地震と原発事故情報-
4つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.「ふるさとも生活も仕事も奪われた」被害者の深い悲しみと怒り
「福島を忘れない!全国シンポジウム」に参加して
~福島の怒りと悲しみを忘れない~
テント日誌8月19日(月)経産省前テントひろば-709日目
(K.M)
★2.地下水位上昇のもう一つの危険性
建屋は地下水に浮いたコンクリートのハコ (上)
汚染水問題で福島第一原発が、震災以来最大の危機を迎えている
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
◆8/24脱原発エネルギーは可能!~ドイツ・デンマーク探訪レポート~
会場:市川市男女参画センター(ウィズ)F室
★4.新聞・雑誌より3つ
◆女川原発近くで風船千個飛ばす 再稼働反対の住民ら
(8月18日共同通信より)
◆桜島噴煙5000メートル 昭和火口で爆発的噴火
(8月19日東京新聞より抜粋)
◆検診データ登録遅れ 原発作業員の健康管理
東電、数値修正で混乱も (8月18日茨城新聞より抜粋)
━━━━━━━
※8/24(土)-25(日)再稼働阻止「全国合宿討論集会」のお誘い
日時:8月24日(土)13:00~21:00、25日(日)9:00~13:00
会場:「スペースたんぽぽ」(東京都千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル4F)
主催:再稼働阻止全国ネットワーク 資料代:1000円
━━━━━━━
┏┓
┗■1.「ふるさとも生活も仕事も奪われた」被害者の深い悲しみと怒り
| 「福島を忘れない!全国シンポジウム」に参加して
| ~福島の怒りと悲しみを忘れない~
| テント日誌8月19日(月)経産省前テントひろば-709日目
└──── (K.M)
○ 17日(土)から18日(日)に「反原発自治体議員・市民連盟」が主催する全
国シンポジウムと現地訪問に参加し福島の厳しさを実感してきた。
17日午後からのシンポジウムでは、福島県内の地方議員他が百人を超える全国
からの議員・市民の参加者に東電福島第一原発事故の被害状況を説明し参加者は
熱心に聴き入った。シンポジウムの内容は明くる日の朝日新聞福島地域版に報道
された。
円通寺住職吉岡棟憲さんは、冊子「原発事故さえなければ通信」で本当の福島
を知らせている。阿武隈川の灯篭流しも川底の放射性物質蓄積で灯篭飾りに、防
護服を着てお墓詣りするなんて、除染に5兆円を使って「安心・安全」キャンペ
ーンがなされ、福島の自治体は総て国の下請けだ、と穏やかに怒りを伝えた。浪
江町では月一人当たり10万円の賠償費を6倍に増額を求める、当然だ。マスコ
ミが何も書いてくれない。政治家は、財界と官僚とアメリカに従っている。「被
災者」でなく「被害者」と呼ぶべき、誰かが加害者だ。福島原発でなく東京電力
福島原子力発電所と呼ぶべき、東京の為の発電所だ。
○ 川俣町議員のお話:フクイチの現場を見れば津波は関係ない、ベント前に高
濃度放射能汚染が起こった、除染後の廃棄物を農地に5段重ねしている、福島の
ワタムシの1割に奇形が出た、虫の異常が多く鳥が減っていて生態系異常が心配
だ、県も市町村も生態系調査をやる気がない。
飯館村酪農家のお話:4月に計画的避難地域を発表。そこで遊んでも大丈夫、
マスク外して大丈夫などの「安全説法」。村長は村を守るが、私は命を守る。末
端の行政が悪い、除染は国のいいなり、帰りたい帰れない人へのケアが全く無い、
なぜ飯館村だけ年間5mSvなのか?「帰りたいけれど帰れない人」へのケアが
全くない。
質疑応答も活発になされ、積み残しは交流会で個別に話あった。
○ 18日(日)はバスで現地を回った。最初に福島市内の仮設住宅。平屋建てプ
レハブ住宅がずらっと並ぶ。通路を年配の方が歩いている。怒りと悲しみが込み
上げてきた、原発事故後2年5カ月も経っていまだに仮設住宅生活を強いられて
いる人たちが沢山いる!
福島市を南下して川俣町に。絹の町として羽二重を輸出して栄え、日銀福島支
店がこの町にあり、昭和46年まで鉄道があった。学校の体育館まわりに400
戸が避難して入居した。富士山が見える北限の山がある。
飯館村に入ると田んぼに稲穂がなく草ぼうぼう。家という家に人の気配無くミ
ートプラザと大書したドライブインも閉鎖。11年3月15日に放射能の雨が降
った。計画的避難区域で作付も禁止。あちこちの道が通行止め。
○ 川俣町山木屋も同様で、人の気配が無く家が泣いているよう。放射性物質は
谷沿いの上昇気流に乗り木に当たって落ちた。田んぼには沢山のブルーシートや
黒円盤5枚重ね。空間線量は7μSv、バスの中でも2.3μSv。
葛尾村では住居回り20mが除染された。道路沿いに掲げられた「除染作業中」
の旗とジョイントベンチャーの立て看板。田んぼの茶色の塊は減量化してから仮
置きする。一日に300tも除染廃棄物が溜まっていく。
○ 「福島を忘れない!全国シンポジウム」と現地見学に参加して、一番に感じ
たことは、今まで何も分かっていなかったとの実感。人の気配のない家々、牛一
匹もいない牛舎、JVによる除染廃棄物と雑草に覆われた田んぼ。線量計を手放
せない不安な生活。被害者の方々がもっと怒らないことが不思議だ。
「ふるさとも生活も仕事も奪われた」被害者の深い悲しみと怒りを胸に、闘おう。
┏┓
┗■2.地下水位上昇のもう一つの危険性
| 建屋は地下水に浮いたコンクリートのハコ (上)
| 汚染水問題で福島第一原発が、震災以来最大の危機を迎えている
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
汚染水問題で福島第一原発が、震災以来最大の危機を迎えている。ところが、
その危機の全貌は東電からも規制庁からも明らかにされていない。
現実には高濃度汚染水の流出問題に加えて、建屋への大規模な浸水と液状化、
建屋傾斜あるいは倒壊の危機すら迫っている。
福島第一原発の建屋周辺には「サブドレン」と呼ばれる地下水くみ上げ井戸が
作られており、事故前には毎日地下水が汲み上げられて海に放出されていた。
1号機と2号機の周辺には27本、3号機と4号機の周りには30本、しかし地震と
津波の影響で使えなくなり、昨年5月までに、いくつかの井戸を汚染浄化対象と
して汲上が再開されたものの大半は動いていない。
地下水対策は大型構造物に必須であるのに…東京駅の対策の実例
地下水対策は、地下構造を持つ建物にとっては必須であることは、東京駅や上
野駅の地下水対策を見ても分かる。
東京では高度経済成長期に大量の地下水が工業、上水目的で汲み上げられてい
た。そのため大規模な地盤沈下が発生し、ゼロメートル地帯が出現、大雨や高潮
時の度重なる浸水被害や建物が破壊されるなどの影響が出てしまい、地下水の汲
み上げを規制した。地下水位は徐々に回復し、地盤沈下は収まったが、こんどは
地下水の水位上昇により地下構造への浸水や建物の浮き上がりが問題になった。
例えば東京駅の場合、地下水位は駅の建設時で地下35mあったのが、2000年段
階では地下15mと、20mも上昇している。最下層には総武横須賀線が入っている
が、この地点は地下27mで、建設時は地下水位よりも高かったが今では「水没」
している。そのため大量の地下水が流入する。対策として毎日4000トンから5000
トンも汲み出している。さらに駅構造は空洞なので、ほっておけば浮き上がる。
駅舎やトンネル構造に重大な損傷を招くから、それを防止するために「グラウン
ド・アンカー」と呼ばれる鋼鉄製の重りを大量に入れている。1999年段階で総数
は130本に達し、1本あたり100トン相当の浮力に対応できるそうなので、13000
トンもの浮力を支えている。
地下水(総武線馬喰町駅に汲み上げポイントがある)は総武・横須賀線の脇に
設置された配管で品川区を流れる立会川に放流している。地下水はきれいなので
以前は東京でも一、二を争う汚い河川が排水のおかげで浄化され、ボラの大群が
遡上し話題になっていた。〔以下、(中)につづく〕
┏┓
┗■3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
└────
◆8/24脱原発エネルギーは可能!~ドイツ・デンマーク探訪レポート~
国や電力会社の社会的責任が問われる中、ドイツ・デンマークの例から脱原発
理念を学びましょう。
テーマ 脱原発エネルギーは可能!~ドイツ・デンマーク探訪レポート~
お 話 大野ひろみ さん(佐倉・市民ネットワーク/市議会議員)
日 時 2013年8月24日(土) 13:30~
場 所 市川市男女参画センター(ウィズ)F室 市川西消防署上
JR市川・京成真間駅より5分 TEL(047)322-6700
資料代 500円
主 催:戦争はいやだ!市川市民の会 問合せ:(菊池)047-337-5786
┏┓
┗■4.新聞・雑誌より3つ
└────
◆女川原発近くで風船千個飛ばす 再稼働反対の住民ら
東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)の再稼働に反対する県内の地元住
民らが18日、事故発生時に放射性物質がどこまで拡散するか調べようと同原発
から約7キロ離れた女川港(女川町)で約千個の風船を飛ばした。
家族連れなど約100人が参加し、色とりどりの風船に付けたカードに「子ども
たちの未来に原発は残しません」などのメッセージを書き込んだのち、一斉に青
空に向けて飛ばした。南西の風が吹いていたため石巻市雄勝方面への飛来が予想
されるという。
カードには風船を拾った人に発見場所を報告してもらえるよう連絡先などが書
かれてあり、主催団体で集約して公表する予定。(8月18日共同通信より)
◆桜島噴煙5000メートル 昭和火口で爆発的噴火
鹿児島市の桜島・昭和火口(標高約800メートル)で18日午後4時31分に爆発的
噴火があり、噴煙が高さ約5000メートルに達した。鹿児島地方気象台によると、
昭和火口としては2006年6月の観測開始以降で最高の高さ。噴火は今年500回目
となった。(中略)
18日の噴火では、大きな噴石が約1800メートル離れた3合目に落下したほか、
小規模の火砕流が火口から南東約1キロ地点まで流れた。(中略) 噴煙は風で北
西方向に流れ、鹿児島市などに大量の灰が降った。(後略)
気象台はさらに大きな噴火が起きる兆候はないとして、噴火警戒レベルはレベ
ル3を維持し、火口から半径2キロの入山規制を継続する。
(8月19日東京新聞より抜粋)
◆検診データ登録遅れ 原発作業員の健康管理
東電、数値修正で混乱も
東京電力福島第一原発で、事故直後に緊急作業をした作業員の健康管理の不備
が目立っている。健康診断結果のデータベースへの登録が6割程度と遅れている
ほか、7月には東電が登録の前提となる被ばく線量を修正し、混乱を招いた。事
故から2年5カ月が経過しているが、国や事業者による健康管理は厳格さを欠い
たままだ。(中略)
累積被ばく量が100ミリシーベルトを超えると、がんの発症リスクが高まると
される。国は高い被ばく量が見込まれる緊急作業に従事した約2万人をデータベ
ースに登録する方針。長期的に健康管理するため東電や協力企業などの事業者に
対し、作業員の被ばく量に応じて年1,2回の健康診断やがん検診などの検査を
受けさせ、結果を提出するよう求めている。(中略)
東電は7月、厚労省の指導をきっかけに、2011年~12年度の作業員の被ばく量
を修正した。452人が既に報告していた値よりも大きくなり、最大約49ミリシー
ベルト高くなった。100ミリシーベルト超の人は6人増えて173人で、ほとんどが
事故直後に働いた作業員だった。(中略)
修正に合わせて東電は、特に健康リスクが指摘される作業員の甲状腺被ばく線
量(等価線量)についても公表。これまでは実測データがある522分しか明らかに
しておらず、100ミリシーベルト超は178人から1972人と10倍以上に増えた。この
うち東電が実施している甲状腺の超音波検査を受けたのは半数以下だった。
(8月18日茨城新聞より抜粋)
──────────
【編集部より】
メルマガ読者からの集会・デモ・講演会のお知らせ、その他投稿歓迎。
「集会・デモ・講演会のお知らせ」に関しては、平等に掲載するため
日時、会場、タイトル及び内容、主催者、主催者の連絡先などを400文字
以内で、またその他投稿に関しては400~800文字以内でタイトル及び
内容をお送り下さい。宛先は、magazine@tanpoposya.net です。
なお、お送り頂いた投稿は集会・デモ・講演会のお知らせを含めて紙面の
都合上すべてを掲載できない場合があります。予めご了承ください。
☆ひきつづき、たんぽぽ舎の活動・日刊メルマガ=「地震と原発事故情報」
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郵便振込 加入者名 たんぽぽ舎 口座番号 00180-1-403856
たんぽぽ舎です。【TMM:No1931】
2013年8月20日(火)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.8月16日 金曜デモに参加して
自分の頭で考え世の中を疑うことを知らない人々が増えた
宮崎則子(たんぽぽ舎ボランティア)
★2.再処理工場 核燃料サイクルについて
パブリックコメントに応募する予定だった文章(下)
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★3.テント日誌8月18日(日)経産省前テントひろば-708日目
まだお盆休中なのか…
無関心な人たちに反原発を如何に訴えるかがこれからのみんなの課題
暑い中、毎週座りに来て下さる方も何人かいて感謝です(I.K)
★4.新聞・雑誌から2つ
◆中部電系、都へ供給 大手、異例の域外販売 10月から48施設
(8月17日茨城新聞より抜粋)
◆電力会社の出向批判 規制委、もんじゅ改革で
(8月15日福島民報より抜粋)
━━━━━━━
┏┓
┗■1.8月16日 金曜デモに参加して
| 自分の頭で考え世の中を疑うことを知らない人々が増えた
└──── 宮崎則子(たんぽぽ舎ボランティア)
○お盆の最中であり帰省しておられる人々も多いだろうし、ましてこの暑さ。
今日は、少し参加する人が少ないかな?とおもいながら、68回目の官邸前デモに
新兵器のカートにビラを乗せお茶の水にある、たんぽぽ舎の事務所を4時に出発。
地下鉄千代田線霞が関を下車して階段を登ると目の前の巨大な富国生命のビル。
その中に関西電力が入っていますが、外には看板も無いので殆どの人は、気が付
かないと思う。
昔、国策会社としてつくられた富国生命のビルに入居している電力会社。
いかにも・・・あやしすぎる。
いつもの様に、まず関西電力(富国生命ビル)の前で「大飯原発を止めろ」とシ
ュプレヒコールを行う。
○私の担当するチラシ配りの場所はスピーチエリヤからは遠いのですが、この日
は翌日「福島を忘れない、全国シンポジューム」に参加する人達が用意した寄せ
書きに沢山の人が書き込みをしている様子が見られました。
又、夏休みとあって、大きなリュックを背負って、北海道から来る友人と待合
せをしている高校生がいたり、外国人の姿も見かけられました。
国民の願っている事と真反対の事を行っているこの国の政治家の悪質さ。
子供たちにそんな彼らがもくろんでいる負の遺産は残したくない。
ともかく気を取り戻しチラシを手渡す。
○しかし、若いきれいな女性達の反応は全く興味が無い様で、受け取ってくれな
いのはいつもの事ですが好奇心をもって何故受け取ってくれないのか何時も残念
におもいます。
ともかく、用意したチラシは、全て配布終了いたしましたが、何故、そんなに
かたくなになっているのか不思議だなと何時もおもいます。
少し前に空気を読む等と世間では言っておりましたが、全く空気を読んだ事の
ない私にとって教育の問題も有るのではと思う事があります。
それは、自分の頭で考え世の中を疑う事を知らない人々が増えた事ではないか?
みなさんはどう思われますか?
┏┓
┗■2.再処理工場 核燃料サイクルについて
│ パブリックコメントに応募する予定だった文章 (下)
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
3.実行性の無い対策
―最初に「枯渇」したのは「人」であった
どんな対策を考えるにしても、最後は「誰が行うか」が問題となる。
福島第一原発の事故でも誰が現場に行くのか、最初から混乱し、最後までドタ
バタが続いた。最初に「枯渇」したのは「人」であった。
運転員は事実上交代無しで(免震棟で休んでいても放射能が充満する環境であ
り休息にはならない)何日も対策に追われ、ついに700名の従業員が70名にまで
減っていったのに原子炉の停止に係る人員の交代はなかった。建屋の外で冷却水
を投入していた実施部隊は東京消防庁ハイパーレスキュー隊など自治体消防であ
り、外部電源を繋いでいたのは他の電力会社からの応援だった。 事故発生後7
日間は自力で対処し、6日目に外部からの支援が入る。これが重大事故対策だと
いうのだが、これで収束できると誰が考えるだろう。
福島第一原発でも毎日3000人(一基あたり1000人)の人員が必要である。これ
が事故当初から投入できていたら、今よりは格段にましだったかも知れないが、
3.11直後にそれだけの人を動員する体制も法的根拠もなかった。
今福島第一に毎日3000人規模で入っているが、それを3.11から行うために
は何が必要であっただろうか。
それが「出来ていた」旧ソ連のチェルノブイリ原発事故対策要員「リクビダー
トル」である。総数は60万人とも80万人ともいわれ、多くは軍人だ。
死亡率は一般人の3倍を超え、ガンをはじめ様々な病に冒されている。旧ソ連
時代は医療費も住居費も無料だったがソ連崩壊後は、経済難でそれもなくなり、
貧困と病に多くの人々が苦しんでいる。
日本で、そのような組織を作り、生涯面倒を見るなど、およそ想像もつかない
だろう。募集をしても多く集まらないだろうし、強制する法的根拠はない。そん
な組織を作れば、その時点で基本的人権を侵害する。
冷戦時代から、国家のために命を捨てる教育をしてきたソ連だから、そんな組
織が作れたのであって、こんな人権を侵害することが出来るのは核武装国くらい
である。
すなわち、命を投げ捨てても原子炉または核施設に飛び込んで事故を収束させ
るような、実効ある組織が作れる国では「無い」ことが、真に「誇れる」国である。
逆説的だが人権上の問題が解決しないため、実効ある組織が作れないことが、
日本で原子力が出来ない大きな理由でもある。
4.その他の核燃料サイクル施設
―東海村のJCOである。1999年9月30日に発生した臨界被曝事故
再処理工場が最も大きな規模の災害を起こす施設であることは確かだが、それ
だけではないことも私たちはよく知っているはずである。
日本で最も重大な放射線死亡事故を起こしたのは、東海村のJCOである。
1999年9月30日に発生した臨界被曝事故は、核燃料加工中にウランを臨界にし、
大量の中性子線と核分裂生成物(放射性物質で主に希ガスとヨウ素)を発散させ
た。
核燃料施設としては余り目立たない核燃料加工施設における重大事故であった
が、半径10キロ圏内屋内退避指示が出て、日本で最初の放射線による大量被曝
(後に2名死亡)及び公衆被曝(667名)を含む原子力事故となった。(INE
Sレベル4)
この事故を引き起こした会社は、通常取り扱う原発用燃料ウランではなく、高
速炉「常陽」のウランを扱っていた。このウランは濃縮度が18.8%と高く
(原発用ウランは濃縮度5%前後)、臨界管理が難しいものであったが、ウラン
燃料と同じ程度の注意しか払わなかった。そのようなずさんな取り扱いを引き起
こした元凶は、発注者の核燃料サイクル機構の責任であったが、事故を起こした
会社と個人にのみ責任が問われた。
もともと取り扱う能力も無い会社に、機微な管理を要求される高濃縮ウランな
どを扱わせる「デタラメぶり」を問題にした者はほとんど無かった。これが核燃
料サイクル施設の安全性問題に大きな影を落としている。
核燃料加工等を行う企業は、発注者の求めに応じて加工し、製品出荷を行う。
当然ながら発注者において、受注した企業に適切な安全対策や核物質防護等の能
力と意識があることを確認する義務がある。それを怠れば、事故を起こした企業
だけではなく発注者にも責任を問うべきである。
このような至極当然のことが、これまでも何ら定義されてこなかった。今回の
新規制基準でも同様である。
5.核燃料輸送
―高速道路における爆発・火災事故の安全性は、規制基準のどこに
書かれているのだろうか。
核燃料サイクル施設は日本各地にあり、その間を結ぶ核燃料輸送も大変な量に
なる。通過するだけの自治体も含めて膨大な数の市町村や都道府県が関連するが、
ほとんど情報も無く、自治体の多くは事故が起きて始めて「報道により事態を知
る」ことになるだろう。
JCOの場合は、立地していた東海村の村上村長が比較的迅速に350m圏内避
難を指示したが、県はすぐには動かなかったし、国はもっと悠長であった。
核燃料サイクル施設が集まる東海村だったから対策もとれたが、これが核燃料
がたまたま通っていただけの高速道路における爆発、火災事故だったら、核燃料
輸送が巻き込まれたことを知ることさえ難しい。
大地震や津波や火山噴火などの自然災害との遭遇なども含めて考えれば、海上、
陸上、航空輸送のどれでも「突如降ってくる」原子力災害になりかねない。
原子力事故を考える場合、この輸送中の重大事故を特に定義し、対策を要求す
る必要があるのに、全くの無策である。世界ではウラン輸送中のフェリー衝突沈
没事故や核燃料輸送中の交通事故などが多く起きている。また、核燃料輸送では
ないが、核兵器を搭載した航空機や艦船の事故も多数起きており、その影響が今
も残る場所もある。
東京都内も走っている核燃料輸送に対しても、厳しく安全性を問わなければな
らないが、それはいったい規制基準の何処に書かれているのだろうか。
┏┓
┗■3.テント日誌8月18日(日)経産省前テントひろば-708日目
│ まだお盆休中なのか…
│ 暑い中、毎週座りに来て下さる方も何人かいて感謝です
└─ 無関心な人たちに反原発を如何に訴えるかがこれからのみんなの課題
○まだお盆休みの続きなのかテント前の人通りはいつもより少なかったです。
午前中は時折涼しい風が吹き日陰になっているので楽でしたが、午後からはやは
り猛暑、出てくる言葉は「暑いですね!」ばかり。椅子をわずかの日陰を求めて
移動させながら、座っていました。昼少し前、不安そうに現れた女性、にぎやか
なところは苦手なので官邸前行動とかには参加していないけれど、原発のことを
いろいろ知りたいとのことでした。
幸い、ちゃんと説明できるHさんがいらしたのでそちらにバトンタッチ、泊ま
り開けのSさんも交えて長時間話し合って帰られましたけれど、納得できたかな?
昼前には川崎の方が車で来て梅ジュースやコーヒーお菓子などたくさん差し入れ
て下さいました。金曜日に物騒な客が現れたことを心配して来てくださったよう
です。7月までは平和な日が続いていたのに8月になって、8日、9日そして15
日と平和が乱されています。
夕方群馬から来てくださった方、映画「標的の村」見に来たけれど、満員で入
れなかったとか。群馬でも金曜行動があるけれど、決まったメンバーになってし
まって広がらないと嘆いていました。そして再稼動反対のシュプレヒコールに外
野から左翼!左翼!との野次がとぶそうです。阿部首相の影響のようです。
無関心な人たちに反原発を如何に訴えるかがこれからのみんなの課題ですね。
○自転車で通りがかった男性、信号待ちをしながら、もう此処長いよね(!)大
変だね(!) 熱中症に気をつけて頑張って下さい!スイカに塩振って食べると
良いらしいですよとアドバイスを残していきました。脱原発はあなたの問題でも
あるのだけれど・・・と言いたかった!
暑い中、毎週座りに来て下さる方も何人かいて感謝です。(I.K)
┏┓
┗■4.新聞・雑誌から2つ
└────
◆中部電系、都へ供給 大手、異例の域外販売 10月から48施設
中部電力系の特定規模電気事業者(新電力)が、東京都所管の48施設に電力を供
給することが16日分かった。地域ごとに電力市場を独占してきた大手電力会社が、
自社域外の販売に本格的に乗り出す異例のケースが具体化する。
都の新たな契約先は、中部電が80%出資する予定の新電力「ダイヤモンドパワ
ー」(東京)。(中略) 猪瀬直樹都知事は記者会見で「真に開かれた電力市場を育
成するとともに、大手が地域の壁を越えて互いに競い合うことが重要だ」と述べ
た。(中略)
都は年間約3億円の節約になると見込んでいる。(8月17日茨城新聞より抜粋)
◆電力会社の出向批判 規制委、もんじゅ改革で
原子力規制委員会は14日の定例会合で、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉
もんじゅ(福井県)の点検漏れを受けて文部科学省がまとめた機構の改革案を議論
した。田中俊一委員長は電力会社からの出向者をもんじゅの担当幹部に配置する
案を「電力会社に指導を任せるようでは駄目だ」と厳しく批判した。(中略)
田中氏は「電力会社は高速増殖炉には素人。もんじゅを動かすことが目的にな
ると問題が起こる」と指摘した。(中略)
更田豊志委員は「責任ある部署に電力会社からの出向者を配置するのは矛盾し
ないか」と疑問を投げかけた。(後略) (8月15日福島民報より抜粋)
2013年8月20日(火)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.8月16日 金曜デモに参加して
自分の頭で考え世の中を疑うことを知らない人々が増えた
宮崎則子(たんぽぽ舎ボランティア)
★2.再処理工場 核燃料サイクルについて
パブリックコメントに応募する予定だった文章(下)
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★3.テント日誌8月18日(日)経産省前テントひろば-708日目
まだお盆休中なのか…
無関心な人たちに反原発を如何に訴えるかがこれからのみんなの課題
暑い中、毎週座りに来て下さる方も何人かいて感謝です(I.K)
★4.新聞・雑誌から2つ
◆中部電系、都へ供給 大手、異例の域外販売 10月から48施設
(8月17日茨城新聞より抜粋)
◆電力会社の出向批判 規制委、もんじゅ改革で
(8月15日福島民報より抜粋)
━━━━━━━
┏┓
┗■1.8月16日 金曜デモに参加して
| 自分の頭で考え世の中を疑うことを知らない人々が増えた
└──── 宮崎則子(たんぽぽ舎ボランティア)
○お盆の最中であり帰省しておられる人々も多いだろうし、ましてこの暑さ。
今日は、少し参加する人が少ないかな?とおもいながら、68回目の官邸前デモに
新兵器のカートにビラを乗せお茶の水にある、たんぽぽ舎の事務所を4時に出発。
地下鉄千代田線霞が関を下車して階段を登ると目の前の巨大な富国生命のビル。
その中に関西電力が入っていますが、外には看板も無いので殆どの人は、気が付
かないと思う。
昔、国策会社としてつくられた富国生命のビルに入居している電力会社。
いかにも・・・あやしすぎる。
いつもの様に、まず関西電力(富国生命ビル)の前で「大飯原発を止めろ」とシ
ュプレヒコールを行う。
○私の担当するチラシ配りの場所はスピーチエリヤからは遠いのですが、この日
は翌日「福島を忘れない、全国シンポジューム」に参加する人達が用意した寄せ
書きに沢山の人が書き込みをしている様子が見られました。
又、夏休みとあって、大きなリュックを背負って、北海道から来る友人と待合
せをしている高校生がいたり、外国人の姿も見かけられました。
国民の願っている事と真反対の事を行っているこの国の政治家の悪質さ。
子供たちにそんな彼らがもくろんでいる負の遺産は残したくない。
ともかく気を取り戻しチラシを手渡す。
○しかし、若いきれいな女性達の反応は全く興味が無い様で、受け取ってくれな
いのはいつもの事ですが好奇心をもって何故受け取ってくれないのか何時も残念
におもいます。
ともかく、用意したチラシは、全て配布終了いたしましたが、何故、そんなに
かたくなになっているのか不思議だなと何時もおもいます。
少し前に空気を読む等と世間では言っておりましたが、全く空気を読んだ事の
ない私にとって教育の問題も有るのではと思う事があります。
それは、自分の頭で考え世の中を疑う事を知らない人々が増えた事ではないか?
みなさんはどう思われますか?
┏┓
┗■2.再処理工場 核燃料サイクルについて
│ パブリックコメントに応募する予定だった文章 (下)
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
3.実行性の無い対策
―最初に「枯渇」したのは「人」であった
どんな対策を考えるにしても、最後は「誰が行うか」が問題となる。
福島第一原発の事故でも誰が現場に行くのか、最初から混乱し、最後までドタ
バタが続いた。最初に「枯渇」したのは「人」であった。
運転員は事実上交代無しで(免震棟で休んでいても放射能が充満する環境であ
り休息にはならない)何日も対策に追われ、ついに700名の従業員が70名にまで
減っていったのに原子炉の停止に係る人員の交代はなかった。建屋の外で冷却水
を投入していた実施部隊は東京消防庁ハイパーレスキュー隊など自治体消防であ
り、外部電源を繋いでいたのは他の電力会社からの応援だった。 事故発生後7
日間は自力で対処し、6日目に外部からの支援が入る。これが重大事故対策だと
いうのだが、これで収束できると誰が考えるだろう。
福島第一原発でも毎日3000人(一基あたり1000人)の人員が必要である。これ
が事故当初から投入できていたら、今よりは格段にましだったかも知れないが、
3.11直後にそれだけの人を動員する体制も法的根拠もなかった。
今福島第一に毎日3000人規模で入っているが、それを3.11から行うために
は何が必要であっただろうか。
それが「出来ていた」旧ソ連のチェルノブイリ原発事故対策要員「リクビダー
トル」である。総数は60万人とも80万人ともいわれ、多くは軍人だ。
死亡率は一般人の3倍を超え、ガンをはじめ様々な病に冒されている。旧ソ連
時代は医療費も住居費も無料だったがソ連崩壊後は、経済難でそれもなくなり、
貧困と病に多くの人々が苦しんでいる。
日本で、そのような組織を作り、生涯面倒を見るなど、およそ想像もつかない
だろう。募集をしても多く集まらないだろうし、強制する法的根拠はない。そん
な組織を作れば、その時点で基本的人権を侵害する。
冷戦時代から、国家のために命を捨てる教育をしてきたソ連だから、そんな組
織が作れたのであって、こんな人権を侵害することが出来るのは核武装国くらい
である。
すなわち、命を投げ捨てても原子炉または核施設に飛び込んで事故を収束させ
るような、実効ある組織が作れる国では「無い」ことが、真に「誇れる」国である。
逆説的だが人権上の問題が解決しないため、実効ある組織が作れないことが、
日本で原子力が出来ない大きな理由でもある。
4.その他の核燃料サイクル施設
―東海村のJCOである。1999年9月30日に発生した臨界被曝事故
再処理工場が最も大きな規模の災害を起こす施設であることは確かだが、それ
だけではないことも私たちはよく知っているはずである。
日本で最も重大な放射線死亡事故を起こしたのは、東海村のJCOである。
1999年9月30日に発生した臨界被曝事故は、核燃料加工中にウランを臨界にし、
大量の中性子線と核分裂生成物(放射性物質で主に希ガスとヨウ素)を発散させ
た。
核燃料施設としては余り目立たない核燃料加工施設における重大事故であった
が、半径10キロ圏内屋内退避指示が出て、日本で最初の放射線による大量被曝
(後に2名死亡)及び公衆被曝(667名)を含む原子力事故となった。(INE
Sレベル4)
この事故を引き起こした会社は、通常取り扱う原発用燃料ウランではなく、高
速炉「常陽」のウランを扱っていた。このウランは濃縮度が18.8%と高く
(原発用ウランは濃縮度5%前後)、臨界管理が難しいものであったが、ウラン
燃料と同じ程度の注意しか払わなかった。そのようなずさんな取り扱いを引き起
こした元凶は、発注者の核燃料サイクル機構の責任であったが、事故を起こした
会社と個人にのみ責任が問われた。
もともと取り扱う能力も無い会社に、機微な管理を要求される高濃縮ウランな
どを扱わせる「デタラメぶり」を問題にした者はほとんど無かった。これが核燃
料サイクル施設の安全性問題に大きな影を落としている。
核燃料加工等を行う企業は、発注者の求めに応じて加工し、製品出荷を行う。
当然ながら発注者において、受注した企業に適切な安全対策や核物質防護等の能
力と意識があることを確認する義務がある。それを怠れば、事故を起こした企業
だけではなく発注者にも責任を問うべきである。
このような至極当然のことが、これまでも何ら定義されてこなかった。今回の
新規制基準でも同様である。
5.核燃料輸送
―高速道路における爆発・火災事故の安全性は、規制基準のどこに
書かれているのだろうか。
核燃料サイクル施設は日本各地にあり、その間を結ぶ核燃料輸送も大変な量に
なる。通過するだけの自治体も含めて膨大な数の市町村や都道府県が関連するが、
ほとんど情報も無く、自治体の多くは事故が起きて始めて「報道により事態を知
る」ことになるだろう。
JCOの場合は、立地していた東海村の村上村長が比較的迅速に350m圏内避
難を指示したが、県はすぐには動かなかったし、国はもっと悠長であった。
核燃料サイクル施設が集まる東海村だったから対策もとれたが、これが核燃料
がたまたま通っていただけの高速道路における爆発、火災事故だったら、核燃料
輸送が巻き込まれたことを知ることさえ難しい。
大地震や津波や火山噴火などの自然災害との遭遇なども含めて考えれば、海上、
陸上、航空輸送のどれでも「突如降ってくる」原子力災害になりかねない。
原子力事故を考える場合、この輸送中の重大事故を特に定義し、対策を要求す
る必要があるのに、全くの無策である。世界ではウラン輸送中のフェリー衝突沈
没事故や核燃料輸送中の交通事故などが多く起きている。また、核燃料輸送では
ないが、核兵器を搭載した航空機や艦船の事故も多数起きており、その影響が今
も残る場所もある。
東京都内も走っている核燃料輸送に対しても、厳しく安全性を問わなければな
らないが、それはいったい規制基準の何処に書かれているのだろうか。
┏┓
┗■3.テント日誌8月18日(日)経産省前テントひろば-708日目
│ まだお盆休中なのか…
│ 暑い中、毎週座りに来て下さる方も何人かいて感謝です
└─ 無関心な人たちに反原発を如何に訴えるかがこれからのみんなの課題
○まだお盆休みの続きなのかテント前の人通りはいつもより少なかったです。
午前中は時折涼しい風が吹き日陰になっているので楽でしたが、午後からはやは
り猛暑、出てくる言葉は「暑いですね!」ばかり。椅子をわずかの日陰を求めて
移動させながら、座っていました。昼少し前、不安そうに現れた女性、にぎやか
なところは苦手なので官邸前行動とかには参加していないけれど、原発のことを
いろいろ知りたいとのことでした。
幸い、ちゃんと説明できるHさんがいらしたのでそちらにバトンタッチ、泊ま
り開けのSさんも交えて長時間話し合って帰られましたけれど、納得できたかな?
昼前には川崎の方が車で来て梅ジュースやコーヒーお菓子などたくさん差し入れ
て下さいました。金曜日に物騒な客が現れたことを心配して来てくださったよう
です。7月までは平和な日が続いていたのに8月になって、8日、9日そして15
日と平和が乱されています。
夕方群馬から来てくださった方、映画「標的の村」見に来たけれど、満員で入
れなかったとか。群馬でも金曜行動があるけれど、決まったメンバーになってし
まって広がらないと嘆いていました。そして再稼動反対のシュプレヒコールに外
野から左翼!左翼!との野次がとぶそうです。阿部首相の影響のようです。
無関心な人たちに反原発を如何に訴えるかがこれからのみんなの課題ですね。
○自転車で通りがかった男性、信号待ちをしながら、もう此処長いよね(!)大
変だね(!) 熱中症に気をつけて頑張って下さい!スイカに塩振って食べると
良いらしいですよとアドバイスを残していきました。脱原発はあなたの問題でも
あるのだけれど・・・と言いたかった!
暑い中、毎週座りに来て下さる方も何人かいて感謝です。(I.K)
┏┓
┗■4.新聞・雑誌から2つ
└────
◆中部電系、都へ供給 大手、異例の域外販売 10月から48施設
中部電力系の特定規模電気事業者(新電力)が、東京都所管の48施設に電力を供
給することが16日分かった。地域ごとに電力市場を独占してきた大手電力会社が、
自社域外の販売に本格的に乗り出す異例のケースが具体化する。
都の新たな契約先は、中部電が80%出資する予定の新電力「ダイヤモンドパワ
ー」(東京)。(中略) 猪瀬直樹都知事は記者会見で「真に開かれた電力市場を育
成するとともに、大手が地域の壁を越えて互いに競い合うことが重要だ」と述べ
た。(中略)
都は年間約3億円の節約になると見込んでいる。(8月17日茨城新聞より抜粋)
◆電力会社の出向批判 規制委、もんじゅ改革で
原子力規制委員会は14日の定例会合で、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉
もんじゅ(福井県)の点検漏れを受けて文部科学省がまとめた機構の改革案を議論
した。田中俊一委員長は電力会社からの出向者をもんじゅの担当幹部に配置する
案を「電力会社に指導を任せるようでは駄目だ」と厳しく批判した。(中略)
田中氏は「電力会社は高速増殖炉には素人。もんじゅを動かすことが目的にな
ると問題が起こる」と指摘した。(中略)
更田豊志委員は「責任ある部署に電力会社からの出向者を配置するのは矛盾し
ないか」と疑問を投げかけた。(後略) (8月15日福島民報より抜粋)
たんぽぽ舎です。【TMM:No1930】
2013年8月19日(月)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.桜島の噴煙5000m、原発は大丈夫か!?
55km先に九州電力川内原発あり 柳田真(たんぽぽ舎)
★2.「現地と結んでどう再稼働を阻止するか8・8討論集会」の報告
8月24日(土)~25日(日)「全国討論集会」へ参加しよう
「再稼働阻止全国ネットワーク」
★3.8/22(木)アーサー・ビナードさん講演会
参加申込み受付中(予約者優先です)
★4.再処理工場 核燃料サイクルについて
パブリックコメント募集に出した文章を参考までに (上)
山崎久隆(たんぽぽ舎)
━━━━━━━
※8/21学習会にご参加を!
槌田ゼミpart2
エントロピー入門第5章「科学技術と貿易が失業と貧困をもたらす」
日 時:8月21日(水)19時より
お 話:槌田 敦さん
会 場:「スペースたんぽぽ」ダイナミックビル4F
参加費:800円
━━━━━━━
┏┓
┗■1.桜島の噴煙5000m、原発は大丈夫か!?
| 55km先に九州電力川内原発あり
└──── 柳田真(たんぽぽ舎)
8月18日、鹿児島市の桜島が爆発的に噴火し、噴煙が5000m、大きな噴石が3
合目に落下、火砕流が火口から南東1km地点まで流れた。
原発は大丈夫か?テレビも新聞もなぜか報道しなかったが、55km先に九州電力
川内原発がある(大事故を起こした東電福島第一原発から飯舘村は50km以内)。
この川内原発は、再稼働候補の一番手。それゆえ、テレビ、新聞は報道しない
のか-誰もが火山の爆発の時、すぐ近くの原発を心配するのに。噴煙は風で北西
方向に(つまり原発の方へ)流れた。
九州電力は、市民との交渉の時、原発の方へは風は吹かないと言っていたのに
…(電力会社はウソをつく)
┏┓
┗■2.「現地と結んでどう再稼働を阻止するか8・8討論集会」の報告
| 8月24日(土)~25日(日)「全国討論集会」へ参加しよう
└──── 「再稼働阻止全国ネットワーク」
「再稼働阻止全国ネットワーク」(以下「阻止ネット」)は,8月8日(木)午
後7時ころから同9時30分ころまでの間、「スペースたんぽぽ」において48人の
参加で「現地と結んでどう再稼働を阻止するか8・8討論集会」(以下「討論集
会」)を開催した。
討論集会の開催状況は次のとおりである。
○緊急報告
緊急報告では,山崎久隆さんが,レジメとOHPを活用しながら,今回の汚染
水問題及び福島第1原発事故の現状などについて説明した。
この中で、山崎さんは、
・今回の汚染水問題で,東電にとってはようやく国から税金を投入させる口実が
出来たこと
・国が税金を投入するのなら,国は東電を国有化し,東電を解体,福島第1原発
廃炉機関を作るべきである
と主張した。
○問題提起
問題提起では,規制委員会の動向と課題について木村雅英さん,防災と原発立
地・周辺の闘いについて布施哲也さん,原発現地の活動について柳田真さん,今
後の行動について岩下雅裕さんがそれぞれ発言を行った。
この中で,木村さんは「規制委は,既存原発を再稼働させるための新規制基準
を作っているだけである」と,規制委を強く批判した。
また,布施さんは「原発立地自治体は,交付金がもらえるので再稼働には賛成
だが,周辺自治体は,交付金はもらえないが放射能は容赦なく降り注ぐため再稼
働には反対という構造になっている。今後,国は,再稼働に反対する周辺自治体
にあらゆる『縛り』をかけてくる危険性がある」と述べた。
柳田さんは,これまで「阻止ネット」が,原発現地に赴き,現地の反対派らと
共闘した事例を紹介した後,「今年の9月に大飯原発が停止すれば,また原発ゼ
ロがやってくる。そこから12月までの4ヶ月が再稼働阻止の歴史的な闘いの時期
なので,全力で闘おう」と強調した。
最後に,岩下さんが,この間,様々な場面で出た行動のアイデアなどを紹介し,
今後の現地での行動に生かすことを提案した。
○討論
討論では,参加者から次のような意見が出た。
・放射能による自然生態系の影響を調査するような全国的なネットワークを作り,
放射能による被害状況を全国的に網羅し発信
・3.11を中心とする時期に「福島展」を開催,パネル展示,講演会などを実
施
・なぜ,再稼働阻止の闘いに柏崎刈羽が対象になっていないのか疑問
・ふるさと納税制度の活用
・規制庁・規制委に対して,適合性審査を即刻中止し,福島第一原発の汚染水対
策に最優先に取り組むよう要請
・島崎委員の任期切れ(2年)までに声を挙げる
・原発現地に首都圏から1万人を動員して座り込みを行う
・鹿児島市議会の周辺自治体議員に質問(案)を提出
・日米原子力協定の2018年改定に向け行動を起こす
・MOX燃料の危険性を訴える
・役に立たない防災計画を追及,風船飛ばしなどの運動の可視化
・福島県議会議員を全国へ派遣,除染技術者の活用
・ツイッターなどSNSを活用して再稼働反対の運動を宣伝
○まとめ
今回の討論集会は、8月24日(土)~25日(日)「スペースたんぽぽ」で行われる
「全国合宿討論集会」に向け,これまでの問題点を整理し,今後どのように運動
を展開していくかを討論する場として開かれたものである。参加者からの様々な
意見を参考にしながら「全国合宿討論集会」で原発現地の方々とさらに突っ込ん
だ討論を展開して行きたい。
☆9.15の大飯原発停止から年末までの約4ヶ月間
各団体が意欲を持っていけるような取り組みを考えよう!
福島の海洋汚染問題は規制庁の責任問題であると追及していこう!
全国の組織と連帯して、「全停止したら電気が足りなくなるのでは?」という
国民の心配を払拭し、「原発ゼロで電気は大丈夫」を広く周知していこう!
☆全国合宿討論集会のお誘い
日時:8月24日(土)13:00~21:00、25日(日)9:00~13:00
会場:「スペースたんぽぽ」(東京都千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル4F)
主催:再稼働阻止全国ネットワーク (文責:岡田)
┏┓
┗■3.8/22(木)アーサー・ビナードさん講演会
| 参加申込み受付中(予約者優先です)
└────
日 時:8月22日(木)18:30開場 19時開会 21時終了予定
テーマ:『本当の「アメリカ」のその本当の話』
核開発と平和利用の過去と今、そしてTPPを語る
会 場:「スペースたんぽぽ」ダイナミックビル4F
参加費:1000円
申込み:ご氏名と電話番号を下記の連絡先にお願い致します。
たんぽぽ舎 TEL:03-3238-9035
MAIL: nonukes@tanpoposya.net
☆アーサー・ビナードさんのプロフィール、著作の一部紹介
1967年アメリカミシガン州生まれ、20歳でヨーロッパへ渡り、ミラノでイタリ
ア語を習得。ニューヨーク州コルゲート大学英米文学部を卒業。卒業論文を書く
際に漢字・日本語に興味を持ち、1990年6月に単身来日。日本語での詩作を始め
る。現在は活動の幅をエッセイ、絵本、ラジオパーソナリティなどに広げており、
日本国内各地で講演活動等も行っている。
現在、サタデー夢ラジオ(青森放送)-月1回
吉田照美 飛べ!サルバドール(文化放送)-サルバドール知恵袋 木曜に出演
主な詩集に、『釣り上げては』(思潮社)、『ゴミの日』(理論社)など。
絵本に、『くうきのかお』(福音館書店)、『はらのなかのはらっぱで』(フ
レーベル館)、『さがしています』(童心社)など。
┏┓
┗■4.再処理工場 核燃料サイクルについて
| パブリックコメント募集に出した文章を参考までに (上)
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
パブリックコメント募集
規制委員会が行うパブリックコメント。再処理工場を含む核燃料サイクル施設
に関する募集締め切りが8月15日でした。夏休みの宿題ならぬ核燃サイクルを
止めるための課題として取り組んでみようと思い書いていました。
締め切り前に文章化できなくて済みません。せっかく書いたので、メルマガに
て送ります。
1 そもそも論
この「規制基準」には、大飯原発と同様の問題がある。それは「稼働していな
がら規制基準が決まっていない」ことだ。これは本質的問題であり、これで良い
のならば規制基準など尻抜けである。核燃料サイクル施設の全てを停止させ、規
制基準の議論が終わるまで運転を認めるべきではない。
「バックチェック」と「バックフィット」という言葉がある。どちらも「新た
に決まった規制に合致しているかを検証する」ことであるが、バックフィットの
場合は適合すると確認できるまで稼働認可をしない。(適合を義務づける)一方、
バックチェックは動かしながら(操業しながら)適合しているかどうかを調べる
が、不適合であっても止める必要はなく、一定期間の間に改修をすれば良い。
(適合を義務づけない)
新たな規制法が後から出来たり、改正されたりした場合、それまで合法であっ
たプラントが使えなくなると事業者には大きな損失を与えるため、規制法は「そ
れ以後を規制するが、それ以前は規制適合は努力目標」などとされることがある。
これがバックチェックである。
日本の原子力規制の中の耐震設計審査指針に基づく規制はバックチェックであ
ったため、今建っている原発はどれも旧指針(または指針ができる以前)の設計
なので、3.11以前はバックチェックにより耐震性の確認を行っていた。福島
第一原発も、一部はバックチェックを終えている。原発震災を防ぐ役には立たな
かった。
その反省があるならば、原子力施設は全部「バックフィット」、規制基準を通
らない限り稼働を認めないとしなければおかしい。ところが原発の場合は大飯原
発の2基だけが稼働中であるのに対し、核燃料サイクル施設は、ほとんど稼働を
認めながら基準適合性を調べることになる。それではそもそも基準の意味がない。
2 再処理工場の過酷事故
核燃料を使う原発は止まっているのだから、再処理工場を除く核燃サイクル施
設を動かす理由はないのであり、規制基準が決まるまでは稼働を停止して安全性
確保以外の作業を認めるべきではない。
再処理工場については、規制基準以前の問題として建設、稼働させる必要があ
るのかが問題になる。核燃サイクル全般をどうするか決めるのが先決であり、稼
働ありきで規制基準作りをする方が間違っている。
ただし現在貯蔵されている使用済燃料や高レベル放射性廃棄物の安全対策は急
務であり、再処理をするかしないかにかかわらず安全を確保する緊急対策をただ
ちに実施すべきである。核燃料ならば、使用済燃料輸送容器を使っての密封貯蔵
高レベル廃液ならば冷却能力の多重化と安定化などが考えられるであろう。
核燃料の場合、今の冷却プール貯蔵方式は、そもそも地震など滅多に無い英仏
のそれを真似ているに過ぎず、地震大国の日本には到底そぐわない。
例えば六ヶ所再処理工場の巨大な使用済燃料貯蔵プールは、直下に断層があり
大きな地震で破壊される危険性が高く、一端水が抜けてしまうと3000トンの使用
済核燃料が破壊され溶融する恐れがある。この際、大量の水素ガスなどの可燃性
ガスと希ガス(不活性の放射性ガス)が施設内に立ちこめ、爆発を引き起こすな
どの事態を招く。しかも人が入って冷却装置を繋ぐなどの作業はとても出来ない。
核燃料の量が多すぎて(100万kw級原発100基分)消防用ホースで水を入れる程
度では冷却をまかなえない。
あらかじめ設置されている非常用電源等が破壊されれば、福島第一原発事故を
何十倍にもした巨大事故が起こることになる。
そのような災害が起きれば、もはや国際的な大事件になる。そのようなリスク
を冒しても作らなければならない核燃料サイクルなど、本当に必要なのか考える
ときである。(以下、下につづく)
2013年8月19日(月)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.桜島の噴煙5000m、原発は大丈夫か!?
55km先に九州電力川内原発あり 柳田真(たんぽぽ舎)
★2.「現地と結んでどう再稼働を阻止するか8・8討論集会」の報告
8月24日(土)~25日(日)「全国討論集会」へ参加しよう
「再稼働阻止全国ネットワーク」
★3.8/22(木)アーサー・ビナードさん講演会
参加申込み受付中(予約者優先です)
★4.再処理工場 核燃料サイクルについて
パブリックコメント募集に出した文章を参考までに (上)
山崎久隆(たんぽぽ舎)
━━━━━━━
※8/21学習会にご参加を!
槌田ゼミpart2
エントロピー入門第5章「科学技術と貿易が失業と貧困をもたらす」
日 時:8月21日(水)19時より
お 話:槌田 敦さん
会 場:「スペースたんぽぽ」ダイナミックビル4F
参加費:800円
━━━━━━━
┏┓
┗■1.桜島の噴煙5000m、原発は大丈夫か!?
| 55km先に九州電力川内原発あり
└──── 柳田真(たんぽぽ舎)
8月18日、鹿児島市の桜島が爆発的に噴火し、噴煙が5000m、大きな噴石が3
合目に落下、火砕流が火口から南東1km地点まで流れた。
原発は大丈夫か?テレビも新聞もなぜか報道しなかったが、55km先に九州電力
川内原発がある(大事故を起こした東電福島第一原発から飯舘村は50km以内)。
この川内原発は、再稼働候補の一番手。それゆえ、テレビ、新聞は報道しない
のか-誰もが火山の爆発の時、すぐ近くの原発を心配するのに。噴煙は風で北西
方向に(つまり原発の方へ)流れた。
九州電力は、市民との交渉の時、原発の方へは風は吹かないと言っていたのに
…(電力会社はウソをつく)
┏┓
┗■2.「現地と結んでどう再稼働を阻止するか8・8討論集会」の報告
| 8月24日(土)~25日(日)「全国討論集会」へ参加しよう
└──── 「再稼働阻止全国ネットワーク」
「再稼働阻止全国ネットワーク」(以下「阻止ネット」)は,8月8日(木)午
後7時ころから同9時30分ころまでの間、「スペースたんぽぽ」において48人の
参加で「現地と結んでどう再稼働を阻止するか8・8討論集会」(以下「討論集
会」)を開催した。
討論集会の開催状況は次のとおりである。
○緊急報告
緊急報告では,山崎久隆さんが,レジメとOHPを活用しながら,今回の汚染
水問題及び福島第1原発事故の現状などについて説明した。
この中で、山崎さんは、
・今回の汚染水問題で,東電にとってはようやく国から税金を投入させる口実が
出来たこと
・国が税金を投入するのなら,国は東電を国有化し,東電を解体,福島第1原発
廃炉機関を作るべきである
と主張した。
○問題提起
問題提起では,規制委員会の動向と課題について木村雅英さん,防災と原発立
地・周辺の闘いについて布施哲也さん,原発現地の活動について柳田真さん,今
後の行動について岩下雅裕さんがそれぞれ発言を行った。
この中で,木村さんは「規制委は,既存原発を再稼働させるための新規制基準
を作っているだけである」と,規制委を強く批判した。
また,布施さんは「原発立地自治体は,交付金がもらえるので再稼働には賛成
だが,周辺自治体は,交付金はもらえないが放射能は容赦なく降り注ぐため再稼
働には反対という構造になっている。今後,国は,再稼働に反対する周辺自治体
にあらゆる『縛り』をかけてくる危険性がある」と述べた。
柳田さんは,これまで「阻止ネット」が,原発現地に赴き,現地の反対派らと
共闘した事例を紹介した後,「今年の9月に大飯原発が停止すれば,また原発ゼ
ロがやってくる。そこから12月までの4ヶ月が再稼働阻止の歴史的な闘いの時期
なので,全力で闘おう」と強調した。
最後に,岩下さんが,この間,様々な場面で出た行動のアイデアなどを紹介し,
今後の現地での行動に生かすことを提案した。
○討論
討論では,参加者から次のような意見が出た。
・放射能による自然生態系の影響を調査するような全国的なネットワークを作り,
放射能による被害状況を全国的に網羅し発信
・3.11を中心とする時期に「福島展」を開催,パネル展示,講演会などを実
施
・なぜ,再稼働阻止の闘いに柏崎刈羽が対象になっていないのか疑問
・ふるさと納税制度の活用
・規制庁・規制委に対して,適合性審査を即刻中止し,福島第一原発の汚染水対
策に最優先に取り組むよう要請
・島崎委員の任期切れ(2年)までに声を挙げる
・原発現地に首都圏から1万人を動員して座り込みを行う
・鹿児島市議会の周辺自治体議員に質問(案)を提出
・日米原子力協定の2018年改定に向け行動を起こす
・MOX燃料の危険性を訴える
・役に立たない防災計画を追及,風船飛ばしなどの運動の可視化
・福島県議会議員を全国へ派遣,除染技術者の活用
・ツイッターなどSNSを活用して再稼働反対の運動を宣伝
○まとめ
今回の討論集会は、8月24日(土)~25日(日)「スペースたんぽぽ」で行われる
「全国合宿討論集会」に向け,これまでの問題点を整理し,今後どのように運動
を展開していくかを討論する場として開かれたものである。参加者からの様々な
意見を参考にしながら「全国合宿討論集会」で原発現地の方々とさらに突っ込ん
だ討論を展開して行きたい。
☆9.15の大飯原発停止から年末までの約4ヶ月間
各団体が意欲を持っていけるような取り組みを考えよう!
福島の海洋汚染問題は規制庁の責任問題であると追及していこう!
全国の組織と連帯して、「全停止したら電気が足りなくなるのでは?」という
国民の心配を払拭し、「原発ゼロで電気は大丈夫」を広く周知していこう!
☆全国合宿討論集会のお誘い
日時:8月24日(土)13:00~21:00、25日(日)9:00~13:00
会場:「スペースたんぽぽ」(東京都千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル4F)
主催:再稼働阻止全国ネットワーク (文責:岡田)
┏┓
┗■3.8/22(木)アーサー・ビナードさん講演会
| 参加申込み受付中(予約者優先です)
└────
日 時:8月22日(木)18:30開場 19時開会 21時終了予定
テーマ:『本当の「アメリカ」のその本当の話』
核開発と平和利用の過去と今、そしてTPPを語る
会 場:「スペースたんぽぽ」ダイナミックビル4F
参加費:1000円
申込み:ご氏名と電話番号を下記の連絡先にお願い致します。
たんぽぽ舎 TEL:03-3238-9035
MAIL: nonukes@tanpoposya.net
☆アーサー・ビナードさんのプロフィール、著作の一部紹介
1967年アメリカミシガン州生まれ、20歳でヨーロッパへ渡り、ミラノでイタリ
ア語を習得。ニューヨーク州コルゲート大学英米文学部を卒業。卒業論文を書く
際に漢字・日本語に興味を持ち、1990年6月に単身来日。日本語での詩作を始め
る。現在は活動の幅をエッセイ、絵本、ラジオパーソナリティなどに広げており、
日本国内各地で講演活動等も行っている。
現在、サタデー夢ラジオ(青森放送)-月1回
吉田照美 飛べ!サルバドール(文化放送)-サルバドール知恵袋 木曜に出演
主な詩集に、『釣り上げては』(思潮社)、『ゴミの日』(理論社)など。
絵本に、『くうきのかお』(福音館書店)、『はらのなかのはらっぱで』(フ
レーベル館)、『さがしています』(童心社)など。
┏┓
┗■4.再処理工場 核燃料サイクルについて
| パブリックコメント募集に出した文章を参考までに (上)
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
パブリックコメント募集
規制委員会が行うパブリックコメント。再処理工場を含む核燃料サイクル施設
に関する募集締め切りが8月15日でした。夏休みの宿題ならぬ核燃サイクルを
止めるための課題として取り組んでみようと思い書いていました。
締め切り前に文章化できなくて済みません。せっかく書いたので、メルマガに
て送ります。
1 そもそも論
この「規制基準」には、大飯原発と同様の問題がある。それは「稼働していな
がら規制基準が決まっていない」ことだ。これは本質的問題であり、これで良い
のならば規制基準など尻抜けである。核燃料サイクル施設の全てを停止させ、規
制基準の議論が終わるまで運転を認めるべきではない。
「バックチェック」と「バックフィット」という言葉がある。どちらも「新た
に決まった規制に合致しているかを検証する」ことであるが、バックフィットの
場合は適合すると確認できるまで稼働認可をしない。(適合を義務づける)一方、
バックチェックは動かしながら(操業しながら)適合しているかどうかを調べる
が、不適合であっても止める必要はなく、一定期間の間に改修をすれば良い。
(適合を義務づけない)
新たな規制法が後から出来たり、改正されたりした場合、それまで合法であっ
たプラントが使えなくなると事業者には大きな損失を与えるため、規制法は「そ
れ以後を規制するが、それ以前は規制適合は努力目標」などとされることがある。
これがバックチェックである。
日本の原子力規制の中の耐震設計審査指針に基づく規制はバックチェックであ
ったため、今建っている原発はどれも旧指針(または指針ができる以前)の設計
なので、3.11以前はバックチェックにより耐震性の確認を行っていた。福島
第一原発も、一部はバックチェックを終えている。原発震災を防ぐ役には立たな
かった。
その反省があるならば、原子力施設は全部「バックフィット」、規制基準を通
らない限り稼働を認めないとしなければおかしい。ところが原発の場合は大飯原
発の2基だけが稼働中であるのに対し、核燃料サイクル施設は、ほとんど稼働を
認めながら基準適合性を調べることになる。それではそもそも基準の意味がない。
2 再処理工場の過酷事故
核燃料を使う原発は止まっているのだから、再処理工場を除く核燃サイクル施
設を動かす理由はないのであり、規制基準が決まるまでは稼働を停止して安全性
確保以外の作業を認めるべきではない。
再処理工場については、規制基準以前の問題として建設、稼働させる必要があ
るのかが問題になる。核燃サイクル全般をどうするか決めるのが先決であり、稼
働ありきで規制基準作りをする方が間違っている。
ただし現在貯蔵されている使用済燃料や高レベル放射性廃棄物の安全対策は急
務であり、再処理をするかしないかにかかわらず安全を確保する緊急対策をただ
ちに実施すべきである。核燃料ならば、使用済燃料輸送容器を使っての密封貯蔵
高レベル廃液ならば冷却能力の多重化と安定化などが考えられるであろう。
核燃料の場合、今の冷却プール貯蔵方式は、そもそも地震など滅多に無い英仏
のそれを真似ているに過ぎず、地震大国の日本には到底そぐわない。
例えば六ヶ所再処理工場の巨大な使用済燃料貯蔵プールは、直下に断層があり
大きな地震で破壊される危険性が高く、一端水が抜けてしまうと3000トンの使用
済核燃料が破壊され溶融する恐れがある。この際、大量の水素ガスなどの可燃性
ガスと希ガス(不活性の放射性ガス)が施設内に立ちこめ、爆発を引き起こすな
どの事態を招く。しかも人が入って冷却装置を繋ぐなどの作業はとても出来ない。
核燃料の量が多すぎて(100万kw級原発100基分)消防用ホースで水を入れる程
度では冷却をまかなえない。
あらかじめ設置されている非常用電源等が破壊されれば、福島第一原発事故を
何十倍にもした巨大事故が起こることになる。
そのような災害が起きれば、もはや国際的な大事件になる。そのようなリスク
を冒しても作らなければならない核燃料サイクルなど、本当に必要なのか考える
ときである。(以下、下につづく)
たんぽぽ舎です。【TMM:No1929】
2013年8月14日(水)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.北海道岩内原発研が北海道電力へ質問状
最大波高をなぜ2.5メートル下げたのか?ほか
佐藤英行(北海道岩内町)
★2.九州・鹿児島県で川内原発について要望書
再稼働阻止全国ネットワークの人々も参加
東京・福島・京都・伊方・富山など12名も参加
かごしま反原発連合有志 代表 岩井哲
★3.富士山噴火を煽る予知連の広言を衝く
気象庁は予算と権限拡大を狙って
気象庁は噴火の前兆は確認できるというが予知連メンバーには疑問が一杯
島村英紀(地震学者)
★4.新聞・雑誌より1つ
◆被曝早見図 説明せず改訂 周知不足で混乱―放射線医学総合研究所の問題点
(7月24日朝日新聞より抜粋)
━━━━━━━
※8/16(金) 第68回首相官邸前抗議行動にご参加を! (お盆休みなしです)
日時:8月16日(金)18:00から20:00 第68回首相官邸前抗議行動
主催:首都圏反原発連合(たんぽぽ舎も参加・構成団体)
たんぽぽ舎では、13:00からビラ、プラカードなどの用意をして、16:00、たん
ぽぽ舎出発。17:00「経産省前テントひろば」集合。1~5班にわかれて官邸前、
国会前へ出発。20:20経産省前テント横でまとめの集会(短時間)。
━━━━━━━
┏┓
┗■1.北海道岩内原発研が北海道電力へ質問状
| 最大波高をなぜ2.5メートル下げたのか?ほか
└──── 佐藤英行(北海道岩内町)
7月31日付で岩内原発問題研究会代表斎藤武一が公開質問状を出した回答が北電
から8月9日付けで届きました。
○最大津波高を9.8メートルから7.3メートルに変えた(2.5メートル減らした)
ことを踏まえて、計算根拠を南西沖地震としたことを踏まえて質問
1 泊原発周辺の津波堆積物は北海道庁調べでは4Mとなっているが、いつの時
代の堆積物なのか把握しているか。
2 再稼働申請書に「明確な堆積物のデータが得られておらず、西南沖地震が最
も高い津波高とされている」とあるがその根拠はなにか。
3 津波堆積物と津波の高さは一致しないことが考えられるが、崖が多く堆積物
が風化、飛散も考えられるが、津波堆積物と津波高の関係性は?
○北電の回答
北海道の報告書(平成24年度日本海沿岸の津波浸水想定の点検・見直し報告
書、平成25年3月)では、「岩内平野(平成24年6月~8月実施)では、明
瞭な堆積物のデータ見つからなかった」とされています。また、北海道の報告書
では、津波堆積物の可能性がある地点がいくつか示されていますが、これらは奥
尻島、瀬棚町等、泊発電所敷地から離れた地点での結果であり、これらの結果を
踏まえても、泊発電所敷地付近においては、1993年北海道南西沖地震津波が最も
高い津波高とされております。
当社は、新規性基準および審査ガイドの内容を踏まえ、「原子力発電所の津波
評価技術」(土木学会2002)に基づき、泊発電所の基準津波を策定しています。
「原子力発電所の津波評価技術」では、日本海東縁部に想定する最大のMwは、
既往最大津波の痕跡高を説明できる断層モデルのMwと同等以上とされています。
また、日本海東縁部で最大の津波は1993年北海道南西沖地震による津波とされて
おり、この津波高を再現できる波源が示されていることから、当社は同等以上の
波源を設定して検討を行っており、今回の申請は妥当なものと考えています。
今後、審査会合のの場でしっかりと説明して参る所存です。
北海道電力株式会社 広報部広報推進グループ エネルギー広報担当課長 内山
洋
○以下、佐藤記
北電の回答は北海道の報告を基本としている。その北海道の報告書では、「太平
洋沿岸よりよも日本海沿岸は、津波波源が陸域に近いため、津波到達時間が極め
て短く、地震の規模の割には、局所的な大きな津波も想定されることから、云々」
とある。現行の日本海沿岸の想定概要(H20-21年度実施)で岩内港の最大遡上高
は4Mであり、泊原発の隣の茶津漁港は6Mを超えている。
「日本海での地震活動は未解明な部分も多いことから、本道周辺だけではなく日
本海全体の広い領域で系統的に再検討する必要がある」ことから国でも、H25~
H32で日本海地震・津波調査を概算要求している。
「日本海沿岸は津波堆積物を確認できる保存状態の地点が極めて少ないことに留
意」ともあり、詳細については今後という状況である。
それを、自分では調べずに、つまみ食いをして、想定、申請は妥当だなどという
北電!!
北電を追い詰めて再稼働を阻止しよう!!
┏┓
┗■2.九州・鹿児島県で川内原発について要望書
│ 再稼働阻止全国ネットワークの人々も参加
│ 東京・福島・京都・伊方・富山など12名も参加
└─── かごしま反原発連合有志 代表 岩井哲
薩摩川内市長 岩切 秀雄 殿
かごしま反原発連合有志
申し入れ―川内原発再稼動を認めないで下さいー
○福島第一原発事故から2年以上が経過しました。歴史上最大・最悪の事故と言
われています。3.11事故以来膨大な放射能が拡散し、そして現在も大気中に発
生し霧散し続けています。汚染水が海中に垂れ流されていることも、最近明らか
になりました。事故の真の原因を東電も政府も、真剣に究明する動きが聞こえて
きません。東日本に生活する人々は放射能の恐怖に怯え、15万人以上の避難生活
者の方々の展望も全く見えていません。多くの人々の生活の根幹が破壊されたま
ま、アベノミクスによるこの日本経済の崩壊さえ予測されています。
○そのような極めて悲観的な状況の中、この7月8日に九電は川内原発の再稼動に
伴う安全審査を原子力規制委員会に提出しました。未曾有の猛暑が続いている状
況においてさえ、どこからも電力の不足や計画停電などという事は聞こえて来ま
せん。昨年5.15以降の原発全基停止(大飯原発を除き)という状況においても、
真夏の電力消費ピークに際して余りある電力供給が出来たことは、まぎれもない
事実であることを誰も否定できません。したがって、再稼動の根拠は、経済的理
由(電力会社経営の延命のため)以外、まるで不明です。
○貴方がた行政の第一の責務は、なにより住民の安全な生活を確保すること、命
を守ることです。活断層をめぐる見解において、九電の見地と規制委員会の見地
には大きな隔たりがあることも明確になりました。甑(こしき)断層等何十Kmに
も及ぶ活断層が川内原発のすぐ近くに存在します。このことからすれば、再稼動
がいかに危険な事かは誰の目にも明らかなことです。ましてや、この南九州とい
う地は「世界にも稀な密集した」火山地帯であり、地震と桜島の噴火による火砕
流の影響からどうやって原発事故を回避できるのでしょうか?
○電力供給はまさしく「公共事業」です。「公共性」の大原則に踏まえるならば、
「防災対策」はじめ、万民に対する「安心と安全」を前提に実施されなければな
らないはずです。九電のまったくもって無責任な再稼動申請に対し、満身の怒り
を持って抗議しないわけには行きません。
例え、川内原発の再稼動に関する原子力規制委員会の審査が「OK」でも、周
辺自治体の市民・鹿児島県民・南九州、そして日本の安全を確実に護るべき市長
の責務を全うすることを強く要望します。川内原発の再稼動を認めない判断をき
っちりとして下さい。生活者の、子どもの、生きる権利、育つ権利を保障するた
めに、川内原発再稼動を認めない明確な約束を、われわれに対しておこなってく
ださい。
2013年7月29日
かごしま反原発連合有志 代 表 岩 井 哲
鹿児島市上荒田1-43‐30(連絡先;090-3419‐6153)
┏┓
┗■3.富士山噴火を煽る予知連の広言を衝く
| 気象庁は予算と権限拡大を狙って
|気象庁は噴火の前兆は確認できるというが予知連メンバーには疑問が一杯
└────島村英紀(地震学者)
■噴火予知連は長官の私的機関
7月中旬の3連休、富士山は昨年同時期の約1・5倍もの登山者であふれ返
った。 6月下旬、ユネスコ(国連教育・科学・文化機構)の諮問機関「国際記
念物遺跡会議=イコモス」から世界文化遺産として登録された結果だ。富士山の
世界遺産登録は、2度目の挑戦だった。地元は当初、「世界自然遺産」としての
登録を目指していた。ところが、ゴミやし尿処理などの問題があったため、'03
年、環境省と林野庁からなる検討会は国内候補からさえ外してしまった。その後、
富士山頂の信仰遺跡群や登山道、富士山本宮浅間大社、富士五湖、忍野八海など
をまとめて、日本古来の重要な信仰対象であり続けてきただけでなく、江戸時代
後期の浮世絵師・葛飾北斎らの作品の題材としても世界的に有名であり、海外に
も影響を与えた「世界文化遺産」として登録する路線に戦略を変更し、成功した
のだった。 世界文化遺産に登録されたのを機に、もう一つの課題もクローズ
アップされることになった。いうまでもなく、富士山噴火とその予知問題だ。富
士山が噴火して大災害になれば、世界文化遺産どころではなくなる。
3・11東日本大震災は、気象庁や、気象庁と連携する地震予知連絡会議はノ
ーマークだったことがわかって醜態をさらけ出したが、火山噴火についても同様
の問題が指摘されている。'74年に発足した「火山噴火予知連絡会議」(会長、
藤井敏嗣東京大学名誉教授。以下予知連)だ。 予知連は文部省(現、文部科
学省)の測地学審議会(現、文科省科学技術学術・審議会測地学分科会)の建議
による火山噴火予知計画に沿って設置された。委員は臨時委員も含めて31人。学
者だけでなく、文科省、国土地理院、国土交通省、気象庁、内閣府、海上保安庁
や独法など官庁系機関から、12人参加しているのが特徴だ。さらに気象庁長官の
私的諮問機関という位置づけで、事務局は気象庁が担当、招集も取り仕切る。
■噴火の前兆をめぐって迷走中
問題の一つは、事務局を与る気象庁は国交省が所管する機関だが、一方、学
者が所属する大学や各研究機関の予算は文科省が握っていることだ。そんな大学
の教授や研究者たちが、予知連という気象庁の下部組織に集められているのだ。
さらに問題なのは、予知連を牛耳る気象庁が「大規模な噴火が起こる場合、ほ
ぼ確実に前兆を観測できる」('12年8月3日共同通信)と広言していることだ。
気象庁は富士山の前回の宝永噴火(1707年)の例をもとに、例えば「噴
火開始数日前までに山中で有感地震が多発=噴火警戒レベル3」など、警戒の度
合いを公表している。それもあり、3・11東日本大震災 (M9・0)から4日
後の3月15日、富士山直下15キロメートルの深さでM6・4の地震が発生したと
き、地震学者や火山学者たちは「富士山噴火に繋がる」と緊張した。富士山噴火
と巨大地震が連動したケースも過去に2回(約300年前と約1千100年前)あった。
また箱根では火山性の小規模地震が頻発、富士五湖では今年に入って水位が
3メートル以上低下したり滝沢村林道では約300メートルにわたって地割れが発
生した。 しかし、'00年5月、予知連が活火山の選定と長期的活動性の評価を
するため「活火山ワーキンググループ」を設置したとき、共同座長を務めた北海
道大学名誉教授の宇井忠英氏が語る。 「気象庁は過去300年間も噴火していない
富士山を観測して、噴火を予知し警報を出そうとしている。宝永噴火など限られ
た事例の再来だけに目を向けているようだが、火口の位置や噴火の規模など多様
なはず。事前に的確な噴火警戒レベルを出して警戒が可能だとするのは危険だ」
また、予知連会長の藤井氏は昨年10月、記者会見で語った。 「(富士山につ
いて)地殻変動などに異常はなく、噴火の兆候は認められない。(中略)富士山
のような玄武岩質の火山で噴火の前兆が現れるのはほんの少し前。数日か数時間
前かもしれない。今が大丈夫だからといって何年も大丈夫ということはない」
いったい、どちらにウエートがかかっているのかわからない。 また、火山
学者としての実績には疑問がある。地震学者で武蔵野学院大学特任教授の島村英
紀氏が語る。 「現在4代目予知連会長の藤井氏は火山地質学者で、火山噴出物
の研究を専門分野にする人。火山を観測し、どういう前兆で噴火に至るなどとい
った物理学的なアプローチをする火山物理学者ではない。2代目の下鶴大輔氏は
火山物理学者。3代目の井田喜明氏は東大の海洋研究所から東大地震研に来た人
で、“本籍”は火山学ではなく地球内部物理学だ。火山物理学者がほとんどいな
かったため、海洋研で地球電磁気研究をしていた井田氏が呼ばれた。 会長が
現在の藤井氏になった際、'00年噴火に伴い、予知連の『有珠山部会』座長を務
めた岡田弘北海道大学名誉教授が適任という声もあったが、東京に住んでいなか
ったり、気象庁に厳しい意見を持っていたので会長にはなれなかった」
■的確な地震予知は研究段階だ
いま、気象庁や予知連に求められているのは、富士山噴火に関連して、どれ
が噴火の前兆なのか、噴火したらどのくらい続くのか――の判断だ。ところが現
在、それができる体制になっていないのである。 前出、宇井氏がいう。 「気
象庁は多数、多項目の観測網で、火山性低周波地震や山体膨張など異常な現象は
捉えられる。しかし、それを噴火の前兆であると判断したり、噴火警戒レベルを
上げるのは、管区気象台の担当官(責任者は気象台長)だ。噴火記録の少ない火
山について的確な噴火予知や噴火開始後の推移予測を期待するほうが無謀という
もので、現状はまさに何が前兆現象なのかを探る研究段階だ。ただ、防災という
観点からは、何も備えないわけにはいかない、できることはやるというのが行政
に求められる」 予知連の学者委員たちは気象庁に利用されている面もある。
「予知連の審議では、同席している気象庁の委員が、学者の見解に納得しないケ
ースが確かにあった。そして、より問題なのは、審議の場に居ない上司の判断を
仰ぐために、発表が急がれる審議の収束が遅れることがあったことだ」(前出、
宇井氏) 静岡、山梨、神奈川の3県でつくる「富士山火山防災対策協議」の
コアグループ会議は、さる5月、富士山噴火に伴う3県の避難対象者は最大1万
6千人を事前に避難させ、山麓の最大13万人に避難準備を促す見込みとした。東
日本大震災のあの悲惨な教訓を生かすことができるのだろうか。予知連と防災体
制が気象庁などの予算取りと権限拡大に利用されていたら、日本は救われない。
(THEMIS 2013年8月号掲載)
┏┓
┗■4.新聞・雑誌より1つ
└────
◆被曝早見図 説明せず改訂 周知不足で混乱
放射線医学総合研究所の問題点
放射線医学総合研究所(放医研)が一般向けの「放射線被ばくの早見図」を十
分な説明なしに改訂している。100ミリシーベルト以下の被曝では「がんの過剰
発生がみられない」との記述を、100ミリ超で「リスクが増える」に変えた。食
品や宇宙線による日本人の自然放射線量も周知せずに1・4倍に引き上げたことで、
公的文書などで複数の自然放射線量が使われ、混乱している。
<放射線医学総合研究所>
放医研は、放射線の健康影響の研究などを担う国の中核的な研究所。東京電力福
島第一原発事故の直後、事故由来の被曝と他の被曝を比較できるよう、サイトに
早見図を掲載した。 その早見図で、100ミリシーベルト以下の健康影響の記述
を消し、100ミリ超えで「がん死亡のリスクが線量とともに徐々に増える」に書
き換えた。放医研は取材に「『(100ミリ以下で)がんが過剰発生しないと科学
的に証明されている』と誤解する人もおり、表現を改めた」と説明した。改訂は
昨春だが、変更の履歴も理由も書かれておらず、ツイッターなどで最近、「(こ
っそり変更は)ひどい。多くの人にしらせないといけない」「(100ミリ以下で
がんが出た時の)責任逃れの証拠隠滅?」と話題になった。
自然放射線量についても5月末、1・5ミリシーベルトから2・1ミリに引き上げ
た。「根拠とする報告書が改訂されたため」という。報告書は電力会社幹部らが
役員を務める原子力安全研究協会が2011年12月に出した。国内外の論文を検証し
たという。原発事故の影響は考慮されていない。(後略)
(7月24日朝日新聞より抜粋)
2013年8月14日(水)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.北海道岩内原発研が北海道電力へ質問状
最大波高をなぜ2.5メートル下げたのか?ほか
佐藤英行(北海道岩内町)
★2.九州・鹿児島県で川内原発について要望書
再稼働阻止全国ネットワークの人々も参加
東京・福島・京都・伊方・富山など12名も参加
かごしま反原発連合有志 代表 岩井哲
★3.富士山噴火を煽る予知連の広言を衝く
気象庁は予算と権限拡大を狙って
気象庁は噴火の前兆は確認できるというが予知連メンバーには疑問が一杯
島村英紀(地震学者)
★4.新聞・雑誌より1つ
◆被曝早見図 説明せず改訂 周知不足で混乱―放射線医学総合研究所の問題点
(7月24日朝日新聞より抜粋)
━━━━━━━
※8/16(金) 第68回首相官邸前抗議行動にご参加を! (お盆休みなしです)
日時:8月16日(金)18:00から20:00 第68回首相官邸前抗議行動
主催:首都圏反原発連合(たんぽぽ舎も参加・構成団体)
たんぽぽ舎では、13:00からビラ、プラカードなどの用意をして、16:00、たん
ぽぽ舎出発。17:00「経産省前テントひろば」集合。1~5班にわかれて官邸前、
国会前へ出発。20:20経産省前テント横でまとめの集会(短時間)。
━━━━━━━
┏┓
┗■1.北海道岩内原発研が北海道電力へ質問状
| 最大波高をなぜ2.5メートル下げたのか?ほか
└──── 佐藤英行(北海道岩内町)
7月31日付で岩内原発問題研究会代表斎藤武一が公開質問状を出した回答が北電
から8月9日付けで届きました。
○最大津波高を9.8メートルから7.3メートルに変えた(2.5メートル減らした)
ことを踏まえて、計算根拠を南西沖地震としたことを踏まえて質問
1 泊原発周辺の津波堆積物は北海道庁調べでは4Mとなっているが、いつの時
代の堆積物なのか把握しているか。
2 再稼働申請書に「明確な堆積物のデータが得られておらず、西南沖地震が最
も高い津波高とされている」とあるがその根拠はなにか。
3 津波堆積物と津波の高さは一致しないことが考えられるが、崖が多く堆積物
が風化、飛散も考えられるが、津波堆積物と津波高の関係性は?
○北電の回答
北海道の報告書(平成24年度日本海沿岸の津波浸水想定の点検・見直し報告
書、平成25年3月)では、「岩内平野(平成24年6月~8月実施)では、明
瞭な堆積物のデータ見つからなかった」とされています。また、北海道の報告書
では、津波堆積物の可能性がある地点がいくつか示されていますが、これらは奥
尻島、瀬棚町等、泊発電所敷地から離れた地点での結果であり、これらの結果を
踏まえても、泊発電所敷地付近においては、1993年北海道南西沖地震津波が最も
高い津波高とされております。
当社は、新規性基準および審査ガイドの内容を踏まえ、「原子力発電所の津波
評価技術」(土木学会2002)に基づき、泊発電所の基準津波を策定しています。
「原子力発電所の津波評価技術」では、日本海東縁部に想定する最大のMwは、
既往最大津波の痕跡高を説明できる断層モデルのMwと同等以上とされています。
また、日本海東縁部で最大の津波は1993年北海道南西沖地震による津波とされて
おり、この津波高を再現できる波源が示されていることから、当社は同等以上の
波源を設定して検討を行っており、今回の申請は妥当なものと考えています。
今後、審査会合のの場でしっかりと説明して参る所存です。
北海道電力株式会社 広報部広報推進グループ エネルギー広報担当課長 内山
洋
○以下、佐藤記
北電の回答は北海道の報告を基本としている。その北海道の報告書では、「太平
洋沿岸よりよも日本海沿岸は、津波波源が陸域に近いため、津波到達時間が極め
て短く、地震の規模の割には、局所的な大きな津波も想定されることから、云々」
とある。現行の日本海沿岸の想定概要(H20-21年度実施)で岩内港の最大遡上高
は4Mであり、泊原発の隣の茶津漁港は6Mを超えている。
「日本海での地震活動は未解明な部分も多いことから、本道周辺だけではなく日
本海全体の広い領域で系統的に再検討する必要がある」ことから国でも、H25~
H32で日本海地震・津波調査を概算要求している。
「日本海沿岸は津波堆積物を確認できる保存状態の地点が極めて少ないことに留
意」ともあり、詳細については今後という状況である。
それを、自分では調べずに、つまみ食いをして、想定、申請は妥当だなどという
北電!!
北電を追い詰めて再稼働を阻止しよう!!
┏┓
┗■2.九州・鹿児島県で川内原発について要望書
│ 再稼働阻止全国ネットワークの人々も参加
│ 東京・福島・京都・伊方・富山など12名も参加
└─── かごしま反原発連合有志 代表 岩井哲
薩摩川内市長 岩切 秀雄 殿
かごしま反原発連合有志
申し入れ―川内原発再稼動を認めないで下さいー
○福島第一原発事故から2年以上が経過しました。歴史上最大・最悪の事故と言
われています。3.11事故以来膨大な放射能が拡散し、そして現在も大気中に発
生し霧散し続けています。汚染水が海中に垂れ流されていることも、最近明らか
になりました。事故の真の原因を東電も政府も、真剣に究明する動きが聞こえて
きません。東日本に生活する人々は放射能の恐怖に怯え、15万人以上の避難生活
者の方々の展望も全く見えていません。多くの人々の生活の根幹が破壊されたま
ま、アベノミクスによるこの日本経済の崩壊さえ予測されています。
○そのような極めて悲観的な状況の中、この7月8日に九電は川内原発の再稼動に
伴う安全審査を原子力規制委員会に提出しました。未曾有の猛暑が続いている状
況においてさえ、どこからも電力の不足や計画停電などという事は聞こえて来ま
せん。昨年5.15以降の原発全基停止(大飯原発を除き)という状況においても、
真夏の電力消費ピークに際して余りある電力供給が出来たことは、まぎれもない
事実であることを誰も否定できません。したがって、再稼動の根拠は、経済的理
由(電力会社経営の延命のため)以外、まるで不明です。
○貴方がた行政の第一の責務は、なにより住民の安全な生活を確保すること、命
を守ることです。活断層をめぐる見解において、九電の見地と規制委員会の見地
には大きな隔たりがあることも明確になりました。甑(こしき)断層等何十Kmに
も及ぶ活断層が川内原発のすぐ近くに存在します。このことからすれば、再稼動
がいかに危険な事かは誰の目にも明らかなことです。ましてや、この南九州とい
う地は「世界にも稀な密集した」火山地帯であり、地震と桜島の噴火による火砕
流の影響からどうやって原発事故を回避できるのでしょうか?
○電力供給はまさしく「公共事業」です。「公共性」の大原則に踏まえるならば、
「防災対策」はじめ、万民に対する「安心と安全」を前提に実施されなければな
らないはずです。九電のまったくもって無責任な再稼動申請に対し、満身の怒り
を持って抗議しないわけには行きません。
例え、川内原発の再稼動に関する原子力規制委員会の審査が「OK」でも、周
辺自治体の市民・鹿児島県民・南九州、そして日本の安全を確実に護るべき市長
の責務を全うすることを強く要望します。川内原発の再稼動を認めない判断をき
っちりとして下さい。生活者の、子どもの、生きる権利、育つ権利を保障するた
めに、川内原発再稼動を認めない明確な約束を、われわれに対しておこなってく
ださい。
2013年7月29日
かごしま反原発連合有志 代 表 岩 井 哲
鹿児島市上荒田1-43‐30(連絡先;090-3419‐6153)
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┗■3.富士山噴火を煽る予知連の広言を衝く
| 気象庁は予算と権限拡大を狙って
|気象庁は噴火の前兆は確認できるというが予知連メンバーには疑問が一杯
└────島村英紀(地震学者)
■噴火予知連は長官の私的機関
7月中旬の3連休、富士山は昨年同時期の約1・5倍もの登山者であふれ返
った。 6月下旬、ユネスコ(国連教育・科学・文化機構)の諮問機関「国際記
念物遺跡会議=イコモス」から世界文化遺産として登録された結果だ。富士山の
世界遺産登録は、2度目の挑戦だった。地元は当初、「世界自然遺産」としての
登録を目指していた。ところが、ゴミやし尿処理などの問題があったため、'03
年、環境省と林野庁からなる検討会は国内候補からさえ外してしまった。その後、
富士山頂の信仰遺跡群や登山道、富士山本宮浅間大社、富士五湖、忍野八海など
をまとめて、日本古来の重要な信仰対象であり続けてきただけでなく、江戸時代
後期の浮世絵師・葛飾北斎らの作品の題材としても世界的に有名であり、海外に
も影響を与えた「世界文化遺産」として登録する路線に戦略を変更し、成功した
のだった。 世界文化遺産に登録されたのを機に、もう一つの課題もクローズ
アップされることになった。いうまでもなく、富士山噴火とその予知問題だ。富
士山が噴火して大災害になれば、世界文化遺産どころではなくなる。
3・11東日本大震災は、気象庁や、気象庁と連携する地震予知連絡会議はノ
ーマークだったことがわかって醜態をさらけ出したが、火山噴火についても同様
の問題が指摘されている。'74年に発足した「火山噴火予知連絡会議」(会長、
藤井敏嗣東京大学名誉教授。以下予知連)だ。 予知連は文部省(現、文部科
学省)の測地学審議会(現、文科省科学技術学術・審議会測地学分科会)の建議
による火山噴火予知計画に沿って設置された。委員は臨時委員も含めて31人。学
者だけでなく、文科省、国土地理院、国土交通省、気象庁、内閣府、海上保安庁
や独法など官庁系機関から、12人参加しているのが特徴だ。さらに気象庁長官の
私的諮問機関という位置づけで、事務局は気象庁が担当、招集も取り仕切る。
■噴火の前兆をめぐって迷走中
問題の一つは、事務局を与る気象庁は国交省が所管する機関だが、一方、学
者が所属する大学や各研究機関の予算は文科省が握っていることだ。そんな大学
の教授や研究者たちが、予知連という気象庁の下部組織に集められているのだ。
さらに問題なのは、予知連を牛耳る気象庁が「大規模な噴火が起こる場合、ほ
ぼ確実に前兆を観測できる」('12年8月3日共同通信)と広言していることだ。
気象庁は富士山の前回の宝永噴火(1707年)の例をもとに、例えば「噴
火開始数日前までに山中で有感地震が多発=噴火警戒レベル3」など、警戒の度
合いを公表している。それもあり、3・11東日本大震災 (M9・0)から4日
後の3月15日、富士山直下15キロメートルの深さでM6・4の地震が発生したと
き、地震学者や火山学者たちは「富士山噴火に繋がる」と緊張した。富士山噴火
と巨大地震が連動したケースも過去に2回(約300年前と約1千100年前)あった。
また箱根では火山性の小規模地震が頻発、富士五湖では今年に入って水位が
3メートル以上低下したり滝沢村林道では約300メートルにわたって地割れが発
生した。 しかし、'00年5月、予知連が活火山の選定と長期的活動性の評価を
するため「活火山ワーキンググループ」を設置したとき、共同座長を務めた北海
道大学名誉教授の宇井忠英氏が語る。 「気象庁は過去300年間も噴火していない
富士山を観測して、噴火を予知し警報を出そうとしている。宝永噴火など限られ
た事例の再来だけに目を向けているようだが、火口の位置や噴火の規模など多様
なはず。事前に的確な噴火警戒レベルを出して警戒が可能だとするのは危険だ」
また、予知連会長の藤井氏は昨年10月、記者会見で語った。 「(富士山につ
いて)地殻変動などに異常はなく、噴火の兆候は認められない。(中略)富士山
のような玄武岩質の火山で噴火の前兆が現れるのはほんの少し前。数日か数時間
前かもしれない。今が大丈夫だからといって何年も大丈夫ということはない」
いったい、どちらにウエートがかかっているのかわからない。 また、火山
学者としての実績には疑問がある。地震学者で武蔵野学院大学特任教授の島村英
紀氏が語る。 「現在4代目予知連会長の藤井氏は火山地質学者で、火山噴出物
の研究を専門分野にする人。火山を観測し、どういう前兆で噴火に至るなどとい
った物理学的なアプローチをする火山物理学者ではない。2代目の下鶴大輔氏は
火山物理学者。3代目の井田喜明氏は東大の海洋研究所から東大地震研に来た人
で、“本籍”は火山学ではなく地球内部物理学だ。火山物理学者がほとんどいな
かったため、海洋研で地球電磁気研究をしていた井田氏が呼ばれた。 会長が
現在の藤井氏になった際、'00年噴火に伴い、予知連の『有珠山部会』座長を務
めた岡田弘北海道大学名誉教授が適任という声もあったが、東京に住んでいなか
ったり、気象庁に厳しい意見を持っていたので会長にはなれなかった」
■的確な地震予知は研究段階だ
いま、気象庁や予知連に求められているのは、富士山噴火に関連して、どれ
が噴火の前兆なのか、噴火したらどのくらい続くのか――の判断だ。ところが現
在、それができる体制になっていないのである。 前出、宇井氏がいう。 「気
象庁は多数、多項目の観測網で、火山性低周波地震や山体膨張など異常な現象は
捉えられる。しかし、それを噴火の前兆であると判断したり、噴火警戒レベルを
上げるのは、管区気象台の担当官(責任者は気象台長)だ。噴火記録の少ない火
山について的確な噴火予知や噴火開始後の推移予測を期待するほうが無謀という
もので、現状はまさに何が前兆現象なのかを探る研究段階だ。ただ、防災という
観点からは、何も備えないわけにはいかない、できることはやるというのが行政
に求められる」 予知連の学者委員たちは気象庁に利用されている面もある。
「予知連の審議では、同席している気象庁の委員が、学者の見解に納得しないケ
ースが確かにあった。そして、より問題なのは、審議の場に居ない上司の判断を
仰ぐために、発表が急がれる審議の収束が遅れることがあったことだ」(前出、
宇井氏) 静岡、山梨、神奈川の3県でつくる「富士山火山防災対策協議」の
コアグループ会議は、さる5月、富士山噴火に伴う3県の避難対象者は最大1万
6千人を事前に避難させ、山麓の最大13万人に避難準備を促す見込みとした。東
日本大震災のあの悲惨な教訓を生かすことができるのだろうか。予知連と防災体
制が気象庁などの予算取りと権限拡大に利用されていたら、日本は救われない。
(THEMIS 2013年8月号掲載)
┏┓
┗■4.新聞・雑誌より1つ
└────
◆被曝早見図 説明せず改訂 周知不足で混乱
放射線医学総合研究所の問題点
放射線医学総合研究所(放医研)が一般向けの「放射線被ばくの早見図」を十
分な説明なしに改訂している。100ミリシーベルト以下の被曝では「がんの過剰
発生がみられない」との記述を、100ミリ超で「リスクが増える」に変えた。食
品や宇宙線による日本人の自然放射線量も周知せずに1・4倍に引き上げたことで、
公的文書などで複数の自然放射線量が使われ、混乱している。
<放射線医学総合研究所>
放医研は、放射線の健康影響の研究などを担う国の中核的な研究所。東京電力福
島第一原発事故の直後、事故由来の被曝と他の被曝を比較できるよう、サイトに
早見図を掲載した。 その早見図で、100ミリシーベルト以下の健康影響の記述
を消し、100ミリ超えで「がん死亡のリスクが線量とともに徐々に増える」に書
き換えた。放医研は取材に「『(100ミリ以下で)がんが過剰発生しないと科学
的に証明されている』と誤解する人もおり、表現を改めた」と説明した。改訂は
昨春だが、変更の履歴も理由も書かれておらず、ツイッターなどで最近、「(こ
っそり変更は)ひどい。多くの人にしらせないといけない」「(100ミリ以下で
がんが出た時の)責任逃れの証拠隠滅?」と話題になった。
自然放射線量についても5月末、1・5ミリシーベルトから2・1ミリに引き上げ
た。「根拠とする報告書が改訂されたため」という。報告書は電力会社幹部らが
役員を務める原子力安全研究協会が2011年12月に出した。国内外の論文を検証し
たという。原発事故の影響は考慮されていない。(後略)
(7月24日朝日新聞より抜粋)