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たんぽぽ舎です。【TMM:No1198】
                        転送歓迎
 
         ◆ 地震と原発事故情報 その183 ◆
            6つの情報をお知らせします(9月24日)
 
 
  ★1.日本の原発輸出を阻止しよう
     脱原発は口先だけの野田首相、国連演説のまちがい
  ★2.自然エネルギーにも“?”をつけよう
     自然エネルギーのマイナスな点をいくつか、
      今ある火力・水力で電気は足りるのだ
         9/19・5万人デモに参加して-感想
  ★3.今日は。最近、メルマガを取り始めました
      興味深く読んでいます
  ★4.九州電力で原発を作った代表的な社員が、3/11原発惨事を見て
      自問して、今「脱原発」へ変わった。
      原発が緑豊かな街作りに支障を来すようになった、と実感
  ★5.9/25世田谷集会『原子力発電と人権・差別』のご案内
   ★6.福島県産の桃をおいしくいただいた
 
 
★1.日本の原発輸出を阻止しよう
      脱原発は口先だけの野田首相、国連演説のまちがい
 
                                                  山崎久隆
 
○ 野田首相は国連に行って「脱原発」宣言をするのかと思ったら、原発の売り
込みを強調していた。首相が、国の内外で言うことがちぐはぐなのは今に始まっ
たことでもないが、これほどひどいのもめずらしい。
 脱原発を進める国が、仮に「世界一安全な原発」に出来たからと言って、やめ
てしまう原発を売り込むなど、信義にももとる行為だ。ということは「脱原発は
口先だけ」と解釈するほかはなかろう。
 
○ まだ原発震災さえ終わっていない
 そうはいっても、今世界中で動いている約430基の原発を、より安全にする
ためには日本の技術が役に立つという向きもあろう。しかし、それ以前に日本が
売り込む資格など無い。
 原発震災で世界に例を見ない3機同時メルトダウンを引き起こした責任をまず
取る必要がある。まだ賠償さえはじまってすらいない。原因究明どころか収束さ
え出来ていない。放射能は放出され続けている。日本の技術はまず福島原発震災
の収束に全力を投入すべきであり、売り込みに費やす時間も資金もあるはずが無
い。そんなものがあるのだったら直ちに福島に投入すべきだ。しかもこれは数年
で済む話では無いのだ。
 
○ 売り込む資格もないくせに
 4月4日、原子力安全条約の再検討会合においてIAEAの天野之弥事務局長
は冒頭演説を行い、日本での原発事故の発生を受け「原子力に対する一般市民の
信頼を取り戻すためには、安全基準の厳守と完全な透明性が欠かせない」と述べ
た。
 はっきり言って、原子力を推進している国に「完全な透明性」などあったため
しがない。日本は今となっては、その中でも最悪の国である。その国が欠陥原発
を他国に売り渡そうとするなど、悪夢以外の何物でも無い。
 私は東電と20年以上にわたり対話してきたが、ことあるごとに情報は「黒塗
り」であった。別に東電に限ったことではない。国の原子力行政もまた、「黒塗
り」の連続で、安全基準に関わる重要情報や経済性をめぐってはまともな情報は
今もって公開されていない。東電の黒塗り手順書公開はつい半月前のことだ。
 何処でも良いから、原発の収支明細(一年間の原発稼働に伴う収入と経費)を
明らかにしたところが一つでもあっただろうか。
 
○ 原発はエネルギー源ではない…原発導入の動機は、「核兵器に近づくこと」
 どの国であろうと原発を導入する動機は、ひとえに核兵器に近づくこと、そし
て国家のステータスを上げること。国民の生活などは念頭にさえない。
 本当に電気が必要なのだったら、ガスタービン火力を導入する方が遙かに早道
だし、低コストだ。ベトナムなど天然ガスや石油など資源は豊富で、電力生産の
ため、いまさら原発を導入する必要など無いのだから。
 成長戦略の名の下に、原子力産業に莫大な資金を流す目的で、原発輸出という
「ニーズ」を作り上げた結果、いまさら止めるわけにも行かないと、そんなこと
をまだやっていられるほど政府には危機感が無いらしい。これでは福島原発震災
は何度でも繰り返すだろう。
 
 
★2.自然エネルギーにも”?”をつけよう
   自然エネルギーのマイナスな点いくつか。
   今ある火力・水力で電気は足りるのだ
      9/19・5万人デモに参加して-感想
 
                     会員 さはしやよい
 
○ 千駄ヶ谷駅下車して改札口を出るまでに15分程かかり、嬉しい悲鳴をあげな
がら、その間にチャッカリとチラシ配りをしました。やっとこさっとこ会場に着
いた途端、目に飛び込んできたのが、多くの幟旗や横断幕に書かれた”脱原発!
 自然エネルギーへ”の文字です。”100%自然エネルギーへ”のプラカードに
は、腰を抜かさんばかりにびっくり!
 
○ 「原発は安心・安全・クリーン」という宣伝文句に疑問を持たなかった多く
の人がいたことも、恐ろしい原発が54基も建ってしまった要因の一つだと思いま
す。今、私が一番恐れているのは、同じキャッチフレーズで宣伝報道されている
“太陽光・風力発電”が、すごい勢いで建設されていることです。太陽・風、そ
れ自体は、もちろん“安心・安全・クリーン”です。しかし、それらを電気に変
えるために何が必要なのか、しっかりと考えてください。
 
○ 広大な土地、膨大な資源を使う装置、装置を作るために使用する大量の電気
が必要です。その資源の中には、レアアースというものがありますが、その採掘
現場では、放射線被曝や化学薬品による健康被害で、多くの人が苦しみ亡くなっ
ています。風車の低周波、太陽光発電の電磁波による健康被害も出ています。
“今ある火力・水力で電気は足りる”と反原発運動をしてきた人々までもが、自
然エネルギーを何故押し進めるのか理解に苦しみます。
 
○ 気がついた時には、自然破壊も健康被害も進み、修復不可能な事態になって
いたなどという、原発と同じ愚を繰り返さぬよう、代替エネルギーについて、ひ
とりひとりが自分で考え、ゆっくりと時間をかけて話し合いましょう。
 未来の子どもたちに、電気は余っていても、安全に住める場所も、安全な食べ
物もない地球など残さぬように!
 次のデモでは、”自然エネルギーへ”の文字が減っていることを祈ります。
 
 
★3.今日は。最近、メルマガを取り始めました。
   興味深く読んでいます。
                 メールマガジン読者 ゆうき
 
 我儘を言わせて頂くと、読むスピードが、凄く遅い私は、面白いから全部読み
たいけれど、時間的に、辛いものがあって、焦りながら、読んでいます。
 
所で、
 ★1.デモ警備警官は多すぎ それへの税金はムダ使い
    都知事はデモ警官への税金支出をやめよ
 
 私も同感です。私は、Aコースで行きましたが、一番後ろではありませんでし
たが、代々木公園に着いた時は、スッカリ暗くなっていました。
デモの途中、警察の妨害に待たされること度々で、精神的にとても疲れました。
時間も、アンナにかかるのでは、参加を諦める人も出てくるでしょう。
これも、彼らが、狙うことの一つかもしれないと、思ってしまいます。
 あなたが書いていらっしゃる様に、私も、これは、表現の自由に対する妨害だ
と思い、国民の側に立った発想の出来ない警察、ひいては国に、ハラが、凄く立
ちます。共感をしたので、勝手な事を、書かせて貰いました。
お元気で。これからも、楽しみに、読んでいきます。
 
 
★4.九州電力で原発を作った代表的な社員が、3/11原発惨事を見て
   自問して、今「脱原発」へ変わった。
   原発が緑豊かな街作りに支障を来すようになった、と実感
 
○九州電力が建設した、全ての原子力発電所に関わり、地元対策の最前線に立っ
た元社員が、自問の日々を送っている。
「原子力は日本の命綱」と信じていたが、東京電力福島第一原発の事故は、仕事
に捧げた28年間の自負を根底から揺さぶった。
一住民として「脱原発」に向け動き出した。
鹿児島県薩摩川内市の川内原発から6キロの峰山地区に住む徳田勝章さん(73)。
 
○1956年入社。76年以降、発電所の立地業務に携わってきた。住民への説明や理
解取り付けを担う「立地屋」一筋だ。97年に川内原発次長(副所長)で定年を迎
え、2004年まで嘱託社員として3号機増設計画が軌道に乗るのを見届けた。
反対派の元住民が当時を振り返る。各種集会に現れ、社内の「技術屋」から得た
知識を元に、とうとうと安全性を説く「九電の顔」。それが徳田さんだった。
安全神話を信じていた。「スリーマイルやチェルノブイリのような事故は日本で
は起きない」と確信。だが、3月11日の震災と原発事故で、あっさり覆された。
 
○「反対派が言っていたことが、現実に起きた」7月には九電の「やらせメール」
問題が発覚。官民挙げての世論操作を「小手先のやり方だ。住民目線に立ち、不
安に向き合う姿勢がない」と批判。自身が自治組織の長を務める峰山地区は緑豊
かな田園地帯。自然環境の魅力で定住促進を目指すが、福島の事故後、土地取得
寸前だった2家族が心変わりしたという。
 「(原発が)街づくりに支障を来たすようになった」と徳田さは嘆く。事故直後、
安全対策の徹底や3号機増設「凍結」を1人で要望書にまとめ、原発10キロ圏の
自治組織の賛同を得て市長に提出した。
 「再生可能エネルギーへの切り替えを、お題目でなく、確実に進めなければ」。
 それを言い続けることが、原発立地を進めた自分の「最後の責任」だと感じて
いる。朝日新聞西日本版(2011年9月24日)30面に掲載を要約
                                              「宮崎県 幸田晋作」
 
 
★5.9/25世田谷集会のご案内
 
 タイトル:『原子力発電と人権・差別』-切り捨てられるアメリカ先住民-
  講  師:鎌田 遵(大学非常勤講師)
       石山徳子(明治大学准教授)
 日  時:9月25日(日)13:30から16:30
 会  場:北沢タウンホール第1集会室(TEL 03-5478-8006)
       東京都世田谷区北沢2-8-18  下北沢駅南口から徒歩4分
 主  催:女は戦争への道を許さない世田谷集会
 連 絡 先:TEL FAX 03-3300-3627(石山正子)
 
 
★6.福島県産の桃をおいしくいただいた
                     柳田 真
 
○都庁時代の友人から、福島県産の桃をたくさん頂いた。
 頂いた桃は家族で美味しく食べたが、その友人は福島県出身で父母が丹精込め
て作っている桃が、原発大惨事であまり売れぬので、郷里の父母を思いやって多
分、私や他の友人にも送られたものだと思われる。
 美味しい桃だった(多少の放射能は含まれているかもしれないが…)
 福島県産の桃が売れず、たとえ売れたとしても価格が下って、生産者の皆さん、
親族の皆さんは、とてもつらいおもいをされている。
○「原発の罪作り」なことをおもう。原発大事故が福島の人々の生活を破壊した。
大地を、食物を、汚染した。この重い事実が今後何年も続く。
 (すこし前に書いた原稿です)
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たんぽぽ舎です。【TMM:No1197】
                         転送歓迎
                          重複ご容赦願います
 
         ◆ 地震と原発事故情報 その182 ◆
            6つの情報をお知らせします(9月23日)
 
     9/4四国電力・伊方原発1号機(56.6万kw・PWR)
     定期検査の為運転停止
     残る稼働中の原発はあと11基
 
  ★1.「世界最高の安全性の欺瞞」-野田総理の国連演説について
  ★2.9.19「さよなら原発5万人集会(明治公園)」に参加して
  ★3.「再稼働ノー」山本太郎さん 告発される
  ★4.静岡・牧之原市議会、「浜岡永久停止」決議へ
  ★5.人工衛星が落下予定。予想軌道は原発銀座・福井上空を通過。
  ★6.訂正2点
 
★1.「世界最高の安全性の欺瞞」-野田総理の国連演説について
                                                                                        原田裕史
 
 9月22日朝(現地時間)野田総理が米国ニューヨークの国連本部で行われた
「原子力安全に関するハイレベル会合」で演説をしました。
 
 まず困ったのが全文がみつかりません。首相官邸でも公開されていません。ど
ういうことでしょうか。仕方ないので、インターネットで見ることのできるビデ
オや英文や新聞情報を元にこの文書を書きます。
 
 まずビデオを見ると会場がガラガラです。国際社会から全く期待されていない
演説です。
 
 「日本は原子力発電の安全性を世界最高水準に高めます。」という首相の声が
むなしく響きます。世界の人からは「いまさら言うなよ」という感じではないで
しょうか。3・11大惨事で木っ端微塵に砕かれた安全神話の焼き直しはごめん
です。かつても日本の原子力村は世界最高水準の安全性とうそぶいていたではな
いですか。世界一の地震と火山の国日本で自然災害に耐える原発などありませ
ん。
 
 首相は「事故のすべてを迅速かつ正確に国際社会に開示する」と表明しました
が、そもそも6ヶ月も経っているのに未だに事故が終息していないのだから国際
社会に信用しろというのも無理な話です。
 
 そのような国が原発輸出の継続にも意欲を示し「原子力利用を模索する国々の
関心に応える」ことになったらどうなるのか。恐ろしいことです。
 
 「福島第一原発の事故は人類が原子力にどのように関わっていくべきかという
深遠の問いを我々に改めて投げかけています。」もう後片付けをするだけです。
新たな原発など言語道断です。
 
 「福島が『人々の強い意思と勇気によって人類の未来を切り開いた場所』とし
て思い起こされる日が訪れると確信する。」福島の犠牲の上に更なる原発を作り
続ける意思表明に対しては強く反対しなければなりません。
 
 同日国連前では市民団体による原発に反対する集会が開かれました。
 世界がこちら側を選択することを祈ります。またそうなるよう行動しましょ
う!
 
 蛇足ですが、会合の名前の英文は"high-level U.N. meeting on nuclear safety and security"なので、セキュリティの部分が抜けているのが気にかかり
ます。核セキュリティ、つまり核には常に兵器の問題が付随することを意識させ
る名称です。日本のマスコミはこれを意図的に国民の目に触れないように細心の
注意を払っているのでしょう。
 
 
★2.9.19「さよなら原発5万人集会(明治公園)」に参加して
                           岩田深雪(ストップ原発&再処理・意見広告の会)
 
●12時少し前に指定された場所に着くと、傍らでは、もう独自集会を始めていた
団体もあった。たんぽぽ舎関係団体・個人が揃ったところで打ち合わせの後、10
ヶ所ほどの公園入り口に分かれて、5点セット(6千組)の共同ビラ播き、東海第
2原発の廃炉を求める署名集め、9.11新宿デモでの不当逮捕者救援カンパ集めを1
時間弱行った。集会が始まる1時頃には身動きできないくらいの人の波。主催者
発表で参加者は6万人とか。デモ出発は先頭集団のはずだったので(実際は警察
のデモ分断作戦と他の隊列が優先され、出発は2時間半待ち)、出口近くに陣取
っていたため、集会の様子は見えないし、聞こえないし。
 
 あとで、youtubeなどで、この集会の呼びかけ人ら、登壇者のあいさつを聞い
た。それぞれに共感もし、勇気づけられもしたが、「ハイロアクション福島」の
武藤類子さんの話は、もし自分が被災者の立場であったなら、と考えなければな
らないこと、実際、いつ「明日は我が身・・」という立場に置かれるかもしれな
いことを考えて、原発を一刻も早くなくすことに1人でも多くの人が本気で取り
組まなければ、と考えさせられた。
 
●9/18夜のNHKのETV特集「日本原発史」(前編)では、日本の原子力導入に
関しては、何をやればよいのかさえ、だれも何も分かっていないのに、数人の
「とに角導入」という思い込みによって、予算が付けられ、それが数年で何十倍
にもなり、人々が幻想をもたされ、商社の参入競争となり、・・という過程が描
かれていた。科学技術導入には基礎研究があって、納得できるまで試行錯誤の
上、導入、というのが当然なのに、こと原発に関してだけは政財界が主導してし
まった、そして原子力村が形成され、安全は2の次、という歴史が作られ、今日
のこの結果を招いている。
 
 日常使うエネルギー源に原子力を使ってしまった、というボタンの掛け間違い
にすべての人が気付き、今だに「原子力は必要」などととんでもない勘違いして
いる権力者の洗脳状態を解くきっかけになる年に、そういう歴史が始る年に、今
年がなって欲しい。75%の国民が「脱原発」を願っているのだから。それは早
いに超したことはない。
 
●現在「全原発を止めて」と「浜岡原発を廃炉に」の2つの意見広告を来春に出
すことに取り組んでいます。集会やデモに参加できなくても「脱原発」の思いを
意思表示する手段として、どうぞご協力ください。チラシはご請求頂ければ何枚
でもお送りします。
 
 
★3.「再稼働ノー」山本太郎さん 告発される
佐賀県庁で抗議 対話の場 求めただけが…
「整然と行動」、「冷静で見識ある行動」
 
 佐賀県の九州電力玄海原発2,3号機の再稼働をめぐり、同県庁で抗議行動を
した俳優の山本太郎さん(三六)ら数人が建造物侵入などの疑いで、京都市の行
政書士の男性(二七)から告発され、佐賀地検に受理されていた。山本さんらは
徹底抗戦の構えだ。いったい何があったのか。
 抗議行動は七月十一日。九州一円から集まった脱原発団体のメンバーら約二百
人が県庁に詰め掛けた。今や脱原発運動の象徴的存在となっている山本さんも飛
び入りで参加した。(中略)古川康知事との面会を求めて庁舎内に入ろうとした
が、県側は正面玄関などの出入り口にカギをかけて封鎖した。しかし、一般県民
用に開放していた別の出入り口から庁舎内に入った参加者の一部が、内側から正
面玄関のカギを解除。なだれこんだ参加者は、知事室に向かったが、県側は机な
どで築いたバリケードで抵抗した。騒然とした雰囲気に包まれる中、山本さんは
「話し合うための最低限の環境をつくってください」と県側に粘り強く要求。結
局、原子力安全対策課の職員が知事宛ての請願書を受け取ることで収まった。
(中略)抗議行動の様子などを収めたドキュメンタリー映画「脱原発いのちの闘
争」を撮った映画監督の西山正啓さん(六三)は「整然とした抗議行動だった
が、県は職員やガードマンを駆り出して拒否した。最初から請願書を受け取れば
無用な混乱は避けられた。原因はすべて県にある。告発者は状況が全く分かって
いない」と憤る。山本さんについては「非常に冷静で見識があった。世の中のお
手本だ」と擁護する。「県の異常な対応は今に始まったことではない」と指摘す
るのは、玄海原発プルサーマル裁判の会代表の石丸初美さん(六〇)。西山さん
と石丸さんは、すべての元凶は「知事本人」
…「中立を装い原発を推進してきた。九州電力のやらせメール問題は、知事の発
言が発端…県職員も知事の独裁体質の被害者だ」
                                (2011.9.23.東京新聞より抜粋)
 
 
★4.静岡・牧之原市議会、「浜岡永久停止」決議へ
     安全優先を地元が決意
      原発 富生まない 企業流出に危機感
      「福島」後、茶に風評被害も スズキ移転なら「町が寂れる」
 
「停止中の原発を再稼働させなければ日本の経済は後退する」と野田佳彦首相は
主張する。しかし原発は富を生み続けるのか。静岡県牧之原市の議会が中部電力
浜岡原発の永久停止を求める決議をすると決めた。大きな理由のひとつに自動車
メーカーのスズキ(浜松市)が市内に構える工場の移転問題がある。「原発事故
に備えてリスク分散をする」がスズキの方針。つまり原発の存在が地域経済に危
機をもたらそうとしている。
 
 「市民の意思に沿った行動を取れたと確信している」。二十二日、同市議会の
田村兼夫議長は同原発から約十キロしか離れていない同市相良庁舎の一室でこう
切りだした。同市議会は二十一日の全員協議会で、同原発の永久停止を求める決
議案を二十六日の本会議に提出することを決めた。反対は十六人中四人だけで、
可決される見通しだ。田村議長は「近くに原発がある自治体の議会として、何も
しないわけにはいかなかった。議論を重ね、意見書よりも強い意思を示すことに
なる決議を提出することにした」と説明する。決議文には「原子力発電は安全で
あるという神話が根底から崩れ去った」「浜岡原発は、確実な安全・安心が担保
されない限り、永久停止にすべきである」などと厳しい文言が並ぶ。田村議長は
「事故から半年もたったのに、福島では収束に向かうどころか問題が広がってい
るように感じる。市民の安全・安心を最優先に考えるとこういう言い方になった。
周辺市にも同様な動きが広がってくれれば」と期待する。
 
 市も議会と同様のスタンスだ。西原茂樹市長は「福島で事故が起きた以上、原
発の近くに住んでいる者の素直な気持ちとして止めておいたままにしてほしい」
と話す。市は中部電力や国などに再稼働しないよう求めていくほか、防災計画の
見直しなどにも着手。これまで原発十キロ圏内に限っていた小中学校への安定
ヨウ素剤の配布を市内全域に広げるという。中部電力は停止中の浜岡原発につい
て、津波対策などを施した後、早ければ二年後の再稼働を目指している。しか
し、再稼働には中電と安全協定を結ぶ県と地元の御前崎、牧之原、掛川、菊川の
四市の同意が必要になる。牧之原市があくまでも反対すれば、再稼働はできな
い。(中略)ただでさえ地域経済への貢献は少ない上に、新たな問題も浮上し
た。大手自動車メーカーのスズキは、牧之原市にある相良工場の機能の一部を、
浜岡原発から五十キロ以上離れた湖西工場(同県湖西市)に移すことを検討して
いる。相良工場は同社の四輪エンジンの製造拠点。浜岡原発から十一キロの地点
にあり、もし原発事故が起きれば、全社的に打撃を受ける。(中略)同市では、
ほかにも工場移転の動きが出てきている。六月に市内に工場のある大手企業十
社に聞き取り調査をしたところ、六社が「リスクの分散を考えている」と回答し
たという。(中略)農業への影響もある。牧之原台地は、国内最大の茶の産地。
(中略)地元の販売業者は「例年よりも二~三割も売り上げが減っている。これ
から持ち直してくれればよいが…」と嘆く。「福島の事故でこの騒ぎだから、も
し浜岡原発で事故が起きれば大変なことになる」。業者の中には、再稼働しない
でほしいという声もでてきているという。
 
(中略)西原市長は語る。「われわれはこれまで、原発の問題を国任せにして避
けてきた。何もなければそれで良かったかもしれないが、これからは自分たち自
身で判断する必要がある。自分の土地や古里を追われることまで了解して立地を
認めたわけではないのだから」
                                         (2011.9.23.東京新聞より抜粋)
 
★5.人工衛星が落下予定。予想軌道は原発銀座・福井上空を通過。
 文部科学省によると、米国の大気観測衛星(UARS)が日本時間の24日未
明から午前にかけて、落下する見込みです。その間衛星が日本付近の上空を通過
する可能性は3回。24日午前3時半に愛知、岐阜、福井県など中部地方付近の
上空を通過すると見込まれています。破片が誰か人にあたる確率は1/3200と見込
まれています。福井の原発にあたらないことを祈ります。
 
★6.2点訂正があります。
 原発事故情報その181の4.短信3つの1で東海第2の防護壁の完成が2011年9
月と記載しましたが、正しくは2010年9月です。
 同じく短信3つの3、米国詩人の方の名前をアーサービラードさんとしてしま
いましたが、正しくは、アーサー・ビナードさんです。
 
 訂正してお詫びします。大変申し訳ありませんでした。
たんぽぽ舎です。【TMM:No1196】
                        転送歓迎
 
         ◆ 地震と原発事故情報 その181 ◆
             4つの情報をお知らせします(9月22日)
 
     9/4四国電力・伊方原発1号機(56.6万kw・PWR)
     定期検査の為運転停止
     残る稼働中の原発はあと11基
 
 
  ★1.デモ警備警官は多すぎ それへの税金はムダ使い
     都知事はデモ警官への税金支出をやめよ
  ★2.9/30JCO臨界被曝事故12周年行動に参加しよう(9/30 朝と夕方)
      臨界事故のいくつもの教訓を福島第一原発事故に生かそう
  ★3.放射能について2つの講演会のご案内(東京三多摩)
  ★4.短信3つ
 
 
★1.デモ警備警官は多すぎ それへの税金はムダ使い
   都知事はデモ警官への税金支出をやめよ
 
〇9月19日の明治公園は、いつにもまして多くの警官隊と警察車両(何十台も)
が6万人のデモをきつく規制し、デモの隊列をブツブツと切り、信号の度にむや
みやたら規制した。おかげでデモ出発が私達も2時間近く遅れた。デモの最終隊
列は午後7時過ぎに代々木の解散地に着いたという。
 
〇警察車両が、何故こんなに多いのか疑問だ。全く必要ない人数だ。
それは地方都市の反原発デモに行ってみるとよくわかる。
青森の4.9デモの時も東海村の9.30前後のデモも静岡・浜岡のデモも警察
官はほんのわずかでチョロチョロ程度だ。しかるに東京は桁違いに多い。憲法に
保障されたデモ行進(表現の自由)を大きく制限している。9月11日の素人の
乱への警察の規制・弾圧も酷いものだった。
 
〇9月19日は祝日出勤で警官に出される手当(税金)や諸費用は億に近い金額
とみる。税金のムダ使いだ。
東京都知事と東京都議会にはデモ出動予算は税金のムダ使い故、大幅に削減する
事を要求したい。日本を警察国家にしてはいけない。 (柳田 真)
 
 
★2.9/30JCO臨界被曝事故12周年行動に参加しよう(9/30 朝と夕方)
   臨界事故のいくつもの教訓を福島第一原発事故に生かそう。
 
 福島第一原発事故は、いまだに収束が見えず、放射能汚染の広がりは続いてい
ます。広大な汚染地帯の除染は絶望的です。
 わずか1mgのウラン235がJCOの沈殿槽で臨界反応し、2人が死亡し667
名も被曝者を出したのは12年前の9月30日です。(茨城県東海村)
 10時間にわたるこの臨界事故の教訓は今日の福島第一原発事故にもそのまま当
てはまります。
 それは次の点です。
 
1.ひとたび事故がおきると、多大な被曝者が生み出され、事故の収束作業は高
い放射線(中性子線)の飛び交う中の困難さと共に、多くの時間を要すること。
2.事故を矮小に見せかけ、放出放射能の情報を隠したり、被ばく線量を半分の
値で発表した。
3.国の無対応。それゆえ村上村長(東海村)の独自の判断で屋内退避を実施。
4.事故の責任を3名の労働者に押し付け、核燃料サイクル機構や原子力安全委
員会や原子力委員会などの責任は一切問われなかった。
5.コスト削減による安全の放棄(4億円の溶解施設建設費を浮かし5名の労動
者の「手作業」を強いていた)。
6.被曝線量を半減し、健康被害の保障を一切しなかった(大泉夫妻の健康被害
補償要求に敵対し、支払いを拒否した)。また、JCOは風評被害に200億円を
支払っている。しかし、これとて請求額の半分だという。
 
 このように、これらの教訓の多くは福島第一原発事故にも当てはまります。
原子力を推進してきた政府、原子力安全・保安院など官僚、安全委員会、原子
炉メーカー、電力会社、裁判所、マスコミなどの罪はいかに大きいということが
わかります。
 
         9月30日(金)JCO臨界被曝事故12周年東京圏行動
 
 ◇朝:経済産業省別館前にて追悼と抗議行動
     10時集合 11時まで(喪章を用意して下さい)
 
 ◇夕方:講演集会・JCO臨界事故の教訓と福島第一原発事故
     会場:スペースたんぽぽ(千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル4F)
        18:15開場、18:45開演 21:00まで
     講師:なすびさん(福島原発事故緊急会議被曝労働分科会)
        『ヒバク労働について…山谷の経験から』
     講師:山崎久隆さん(たんぽぽ舎副代表)
        『臨界被曝事故の教訓を福島第一原発事故へ生かそう』
     各団体からアピール
     資料代:1000円
  主 催:9/30JCO臨界被曝事故12周年東京圏行動実行委員会
  連絡先:たんぽぽ舎 東京都千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル5F
      TEL 03-3238-9035  FAX 03-3238-0797
    ※出店・ビラ受け付けます。賛同個人・団体募集中
    ※詳しくは、実行委員会までお問い合わせ下さい。
 
 
★3.放射能について2つの講演会のご案内(東京三多摩)
 
日 時:10月22日(土)14時~16時半
講 師:山田 真さん
          (子どもたちを放射能から守る全国小児科医ネットワーク代表)
テーマ:「放射能って大丈夫?」
会 場:武蔵野商工会館市民会議室・4F 吉祥寺駅・北口5分
会場費:500円 ・定員90名
メール予約 che@ac.bb-east.ne.jp 担当・田中ヒサコ
 
 
日 時:10月30日(日)13時~15時半
講 師:山田 真さん
          (子どもたちを放射能から守る全国小児科医ネットワーク代表)
テーマ:「放射能って大丈夫?」
会 場:サンヴァリエ桜堤団地・中央集会所 JR武蔵境駅下車・バス7分
会場費:無料・定員50名
10月1日よりメール予約   nene-timers@t.vodafone.ne.jp 担当・田中ヒサコ
 
 
★4.短信3つ
 
1.3月11日 もう1つの原発大惨事が発生寸前だった
  東海第2の幸運-危機防いだ1メートルの対策
 
 たんぽぽ舎が定期購入している原発現地の新聞の1つに茨城新聞がある。原子
力のメッカと言われる東海村の事が多く載っている茨城県の有力新聞。
 その9月11日号に「東海第2原発の幸運」=「危機を防いだ1メートルの堤
防カサ上げ工事」の記事が載っていた。東海第2の防護壁は従来は4.9メート
ルだったが茨城県の要請によりカサ上げし、6.1メートルに改造した(201
1年9月完成)
 2011年3月11日は高さ5.4メートルの津波が襲いかかった。防護壁は
以前の4.9メートルのままだったら第2の原発惨事になっていた。「危機を防
いだ1メートルの対策」といわれるゆえんだ。3月11日は東北電力の女川原発
も危なかったと伝え聞く。
危なかったのは福島第1原発だけでは無かったという話。
 
2.ドイツのシーメンス原発撤退
  世界の主要メーカーで初
 
 ドイツ誌シュピーゲルは十八日、同国の総合電機最大手シーメンスのレッシャ
ー社長が原発事業から撤退する意向を表明したと報じた。福島第一原発事故以降、
世界の主要原発メーカーで撤退を表明したのは初めて。具体的には原発建設から
手を引く。
 レッシャー氏は、ドイツ政府が事故後「脱原発」に方針転換したことを受けて
「原子力エネルギーからの撤退について、ドイツの社会と政治ははっきりした意
志を示している」と指摘、事業撤退を決定したと述べた。決定に際し、政治的な
圧力は無かったとした。(9/19東京新聞より抜粋)
 
3.友人がおしえてくれた話
 
 文化放送(ラジオ)の朝の吉田照美氏の番組でアーサービラードさん(米国詩
人)と上杉隆さんが話の中でたんぽぽ舎を紹介していたという。(2ヵ月位前)
あちこちで、私達の知らない所でたんぽぽ舎の活動を評価して頂いて有り難い事
だと思う。
たんぽぽ舎です。【TMM:No1195】
                                転送歓迎
 
          ◆ 地震と原発事故情報 その180 ◆
             5つの情報をお知らせします(9月22日)
 
       四国電力・伊方原発1号機が9月4日より定期検査の為運転停止
                      残る稼働中原子炉はあと11基
 
 
編集部よりお知らせ
 
○運動が高揚し、新しい人が増え、メルマガ読者からのもたくさんの中身の濃い
原稿が寄せられてきています。このため日刊で出しているメルマガにもかかわら
ず、せっかくの投稿原稿をはじめとした原稿が載せきれず、残ります。メルマガ
1回集会の分量をあまり大きくできないので、原稿の多い日は1日2回発信し
(朝刊・夕刊みたいに)させていただきます。
 
○尚、9月21日東京新聞(朝刊)に原発ストレステストにまとまった文が載っ
ていますので、最速で紹介します。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2011092102000072.html
 
 
★1.9・19明治公園デモに参加して
     -すごい人の波、よかったデモ、チリの女性の話にビックリ。
★2.講演会のお知らせ
  ベーベル・ヘーンさん(ドイツ緑の党・副代表、連邦議員)を囲む会
★3.9.11の「経産省を人間の鎖で囲もう!1万人アクション」
     に参加して - 報告記
★4.学ぶ母親たち。わが子を内部被曝から守ろう
     ~安田節子さん講演会の報告
                       フリーライター 鈴木 博喜
★5.メルマガ読者より講演会のお知らせ
  原発って何だろう? 座談会 in 小林
 
 
 
★1.9・19明治公園デモに参加して
     -すごい人の波、よかったデモ、チリの女性の話にビックリ。
 
                        東京・メルマガ読者 O子
 
○菅首相が辞任して新野田首相になって、経産省鉢呂大臣が反原発の政策をやろ
うとした矢先に陥れられて辞めてしまったり、新宿デモでの12人の不当逮捕...。
原子力村の見えない力がメキメキと勢力をあげている感じがする。
 
○そんな中、9・19の明治公園でのデモに参加した。千駄ヶ谷駅に着くともう
人が溢れ返っていて、警備員が誘導ロープを張っていた。人、人、人の波に身体
を任せ少しずつ進む。公園が見えると道路では係員がトラメガで「もういっぱい
で入れません。ここからデモに合流して下さい。」と叫んでいる。公園から溢れ
かえる群衆、六万人!!歴史的瞬間に居合わせた感動に鳥肌が立つ。
 
○デモが始まると警察が隊列を細かく切りなかなか出発できない。暑い中待たせ
疲れさせる、待ちきれず帰る人もいた。それが警察の狙いなのかもしれない。デ
モはとても盛り上がり良いデモだった。沢山の人の力を感じた。
 
○デモの、帰りの打ち上げでチリの女性と話した。「最近、フランスのパリで福
島の子供を守れという五万人のデモがあったのよ。」と彼女は話してくれた。私
は全く知らなかった。彼女が言うには7月末に通ってしまった『ネット規制法
案』により、政府がアメリカのTEPCO社に委託して海外の反原発のデモなど
の情報をカットし日本に入らないようにしているそうだ。日本の6月頃にあった
大きい地震も海外の人達は知らされていないそうだ。
 
○私は唖然としてしまった。フランスで今日と同じくらいの人々が福島の子供達
を救おうと立ち上がった声が消されて知ることが出来ないなんて!!はたして今
は戦争時代なのだろうか??日本は孤立してどこへ進もうというのか…。
 
○でも、政府が、原子力村が私達を止めようとすればするだけ、人々は立ち上が
り立ち向かうのだ。昔の農民の一揆の様に。六万人という人々が集まったのはそ
の証だと希望を持ちたい。
 
 
★2.講演会のお知らせ
 
  ベーベル・ヘーンさん(ドイツ緑の党・副代表、連邦議員)を囲む会
 
・テーマ「脱原発ーどんな社会を目指すのか」
・10月12日(水)、18時―21時(17時半開場)
・場所:たんぽぽ舎(100名限定)
・司会進行:高橋順一(早稲田大学)
・参加費1000円
<ヘーンさんを囲んでドイツ緑の党の歴史と活動、特に反原発の考え方などを学
びたいと思います。>
 呼びかけ:情況出版(大下)・反原発自治体議員・市民連盟、他
 協  力:たんぽぽ舎
 
 
★3.9.11の「経産省を人間の鎖で囲もう!1万人アクション」
     に参加して - 報告記
 
                    たんぽぽ舎ボランティア 中村 徹
 
○3月11日の東日本大震災から半年、そして、2001年9月11日のアメリ
カ同時多発テロ事件から10年目という2011年9月11日、「経産省を人間
の鎖で囲もう!1万人アクション」が行われた。主催は「9・11再稼働反対・
脱原発!全国アクション実行委員会」。主催者発表による参加人数は2千人。経
産省は、原発の管轄省であるだけでなく、「やらせ」「情報隠蔽・操作」の総本
山であることが明らかになっている。この経産省を人間の鎖で取り囲み、原発再
稼働を打ち砕こうというアクションである。
 
○集合場所の日比谷公園には、集合時間前から続々と人々が集まり、13:00
からデモ出発前の小集会が行われた。各地の原発立地現地からの報告に続き、た
んぽぽ舎の柳田真氏は3つの事実を示した。
 
1.気象庁が近い将来、マグニチュード7クラスの地震が起きることを発表して
いる。東日本大震災を起こした東北地方太平洋沖地震は、福島原発事故を想定外
とするために、イレギュラーな形でマグニチュード9とされた。これによってマ
グニチュード7クラスの地震はたいしたことがないような印象になってしまった
が、阪神・淡路大震災を起こした兵庫県南部地震はマグニチュード7.3、関東
大震災を起こした大正関東地震はマグニチュード7.9である。これらの大地震
がどれだけの災害であったのかを忘れてはならない。そして、このような大地震
が起こった場合、原発が安全であるという保証は全くないのだ。
 
2.東京電力の電力不足キャンペーンは大嘘である。震災直後、東京電力管轄内
で計画停電が行われ、あたかも原発がないと電気が足りないかのようなキャン
ペーンが行われた。しかし最大の電力需要ピーク時である、今年の7・8月はど
うだったか。電気が足りなくなることはまるでなく、1千万kW(原発10基
分!)も電気が余る状態が続いている。
 
3.現在、日本全国で稼動している原発は11基だけである。54基の原発のう
ちの11基、つまり、既に80%の脱原発が成功しているのである。それでも電
気が足りないということにはなっていない。
 
 以上、3つの事実に基づき、柳田氏は全ての原発の即時停止を訴えた。
 
○13:30からデモ出発。日比谷公園から東京電力本店前、新橋駅前、経産省
前を通り、日比谷公園に戻るという短いルートである。3台の車輌が先導し、合
計4つの隊列で、長大なデモが進行した。東京電力本店前を通る時は、警備をす
る警察・機動隊・公安にも緊張が走り、怒声を浴びせて威嚇・挑発するような行
為も見られた。それでも平和に、逮捕者も出さずに進行したのは、デモ隊の方が
はるかに良識があったからだと思う。平和的なデモに対して、権力の横行が空回
りしているように見えた。デモは無事にコースをめぐり、日比谷公園に到着し
た。
 
 しばらくの休憩をはさみ、15:15頃から経産省前に移動。経産省の周囲を
続々と人々が取り囲み、15:30頃に、周囲1千メートルを超える人間の鎖が
完成した。たんぽぽ舎の柳田氏によると、反原発の人間の鎖は、JCO臨界事故
直後(2001年)にも試みられたそうだが、その時は人数が足りず、完全に包
囲することはできなかった。今回、日本の反原発運動の歴史の中で、初めて人間
の鎖が経産省を包囲した。それはすなわち、福島原発事故の重大さを表してい
る。人々の思いは、経産省に伝わったのだろうか?日曜日とはいえ、経産省の建
物の中には、人影も見えた。彼らは窓から人間の鎖を見下し、「バカなことをや
ってるな」とでも言いたげに嘲笑していた。その表情が、経産省の全てを表現し
ている。
 
○人間の鎖は完成したが、そこから先の行動に物足りなさも感じた。正面では街
宣車から、さまざまな人たちの発言が続いていたが、その声が届く範囲は限られ
る。複数台のスピーカーを経産省周囲に配置してはいたが、その長大な鎖をフォ
ローすることはできなかった。自主的にシュプレヒコールを繰り返したり、楽器
演奏などで盛り上げている一角もあったが、情報が伝わらず、ただ茫然と立って
いるだけという一角もあった。「何をやっているのかわからない」「つまらな
い」「たいくつだ」という声も聞こえた。主催者側も、その情報を早い時間にキ
ャッチし、迅速に対応していたが、途中で帰っていく参加者も多かった。多かっ
たとはいっても、もちろん全体からみると僅かである。むしろ、どんなに退屈で
あっても、最後まで残った人の方が圧倒的に多い。
 17:00に人間の鎖が終了しても、多くの人々が残り、それぞれの思いを表
現した。若者たちはハンガーストライキに入り、それを見守るように年配者たち
は座り込みに入った。運動はまだまだ続いているのである。
 
 
★4.学ぶ母親たち。わが子を内部被曝から守ろう
     ~安田節子さん講演会の報告
 
                       フリーライター 鈴木 博喜
 
テーマ:放射と食品汚染
 
 多量の放射性物質が撒き散らされた福島原発の爆発事故から半年。食の秋を迎
え、わが子に少しでも安全な食べ物を与えようと、母親たちは必死だ。たんぽぽ
舎(東京都千代田区)で5日に開かれた学習会も、100人近くの母親たちで座
席は埋め尽くされた。講師の言葉に時にはうなづき、時にはメモをとり、質疑応
答では一斉に手が挙がる…。内部被曝を避けたい母親たちに、専門家は力強く呼
びかけた。「基準値以下=安全ではない。放射性物質は絶対に飲食してはならな
い。特に子どもたちにはこの大原則を徹底してほしい」
 
【産地公表ではなく数値測定を】
 
 熱心に講演を聞き入った親たちは、質疑応答になると一斉に手を挙げた。
 最初に質問したのは千葉県成田市の男性。
「放射性物質が検出されないと言ってもゼロではない。ゼロの食べ物だけを買う
のは現実的にはなかなか難しい。仕方ないことなのか」
 安田節子さんはていねいに答えた。
「私も孫がおり、不安は良く分かる。。やはり、ドイツ放射線防護協会が示した
基準値(乳児、子ども、青少年に対しては、1kgあたり4Bq以上の基準核種セシ
ウム137 を含む飲食物を与えないよう推奨されるべきである。成人は、1kgあた
り8Bq以上の基準核種セシウム137 を含む飲食物を摂取しないことが推奨され
る)を適用したい。日本政府の暫定基準は安全基準ではない」
 東京都大田区の女性は「生後9か月の子どもに授乳している。今は完全授乳だ
が、どこで断乳しようか悩んでいる」と尋ね、別の母親は「まもなく離乳食を与
えようと考えている。脱脂乳は加工食品にも入っているようだが大丈夫か」と不
安を口にした。
 安田さんは「いまのところ、母乳から検出された放射性物質は非常に微量。ほ
とんど心配いらないと思う。むしろ、母乳のもつ生命力を活用してほしい」「日
本のメーカーは、海外から輸入した脱脂粉乳を使うことが多く、今回はこれが幸
いしている。もし疑問に感じたらメーカーに直接尋ねることが大事。そうするこ
とでメーカーに消費者の不安が伝わる。メーカーを変えることが、一番力のある
消費者運動だ」と勧めた。
 「給食の食材に関して産地を公表するようになったが、あまり学校に口を出す
とモンスターペアレントだと思われそうで、躊躇してしまう。いろいろ申し入れ
て良いものか」。東京都港区の母親が学校給食について質問したときは、安田さ
んの口調がさらに強くなった。
 「学校給食こそ、産地の公表ではなく放射性物質の測定が必要。教育委員会に
ガンガン要求してほしい。みんなが言うしかない。安全かどうか分からない食べ
物を学校給食に入れるなんて犯罪的だ」
 
【暫定基準値は異常な数値】
 
 この日の講師・安田節子さん(http://www.yasudasetsuko.com/ )は、食政策
センタービジョン21の主宰者。NPO法人「日本有機農業研究会」理事も務
め、埼玉大学の非常勤講師でもある。
 講演では「拡散された放射性物質の量は、チェルノブイリ事故を超えているん
じゃないか、と思う。汚染されたものは絶対に出荷・販売されてはいけない。飲
食してはいけない。妊婦や胎児、幼い子どもたちにはこの大原則を適用してほし
い」「今後の課題は内部被曝。放射性物質は含まれてはいけないものであって、
しきい値はない。国の暫定基準値以下なら安全という保障はどこにもない」「測
定のやり方がお粗末で、『安全なものだけが出回っている』は嘘。ただ、福島に
もホットスポットではない地域もあるので、細かい数値を表示して流通させるべ
き。検査体制には、とことんお金をかけるべき」などと説明。
 特に国の示している暫定基準値に対しては「科学的な根拠などない『非常時の
我慢値』。途方もない我慢値だ。異常な数値。体内被曝の94%が食べ物からな
ので、きちんとした基準値を設けるべきだ」と話した。
 調理方法によっては放射線量を減らすことができる。栄養のバランスがとれた
食事が大事、として「マゴワヤサシイ(豆、胡麻、ワカメ、野菜、魚、椎茸、
芋)に玄米加えた食生活」を推奨。魚介類に関しては「政府はストロンチウムを
測っていない。海洋汚染がそれだけ酷いのではないか、という疑念を持たれたく
ないなら、水揚げされる漁港ごとに測るべき」「マグロをなぜ測らないのか。回
遊魚は日本全国を回る。われわれは産地で選ぶしかないが、水揚げ漁港がそのま
ま産地ではない。魚こそ詳細な計測を、と声をあげてほしい。計測のためには行
政に費用を惜しませてはならない」と訴えた。
 講演後、取材に応じた安田さんは「避難している方々が元の地域に帰れるなん
て幻想。立入禁止にして移住するべき」「生産者も消費者もどちらも被害者。買
わない消費者を責める生産者は敵を間違えている。今回の事故は一企業が起こし
た公害だ」と力を込めた。
 
【学習こそ最大の事故防衛】
 
 講演会に先立ち、主催者を代表してあいさつした
 「たんぽぽ舎」(http://www.tanpoposya.net/main/index.php?id=202
共同代表の柳田真さんは、過去の苦い経験を例に挙げてお母さんたちに訴えた。
 「チェルノブイリ原発事故の直後も、今と同じような熱気があった。多くの人
が立ち上がった。だが、徐々にすっと消えていってしまった。もう一歩広がらな
かった。われわれは、もう後には引かない決意でいる。福島原発の事故はまだ終
わっていない。日々放射能を出している。学習すれば、自分も家族も守れる。お
母さんたちが学んで、つながれる場として活用してほしい」
柳田さんには、23年にわたって食の安全という観点から原発政策に反対してき
た自負があると同時に、それでも原発建設を止められなかったという悔しさがあ
る。
 
そこに起きてしまった原発事故。
 
 小さいビルとはいえJR水道橋駅の近く。学習会用としてさらに一室を借り受
けるには家賃などで数百万円の負担増となり「迷いもずいぶんあった」と吐露す
る。それでも「学ぶことが最大の自己防衛」という信念を曲げることはできない
と増室と保育付き学習会の開催に踏み切った。
 「現在、43基の原発が止まっている。動いているのはわずか11基。それで
も停電することない。この事実がすべてを物語っているのです」
 スタッフが子どもと遊んでくれることも手伝い、学習会は毎回、資料が足りな
くなるほどの参加者を集めるようになった。東京都三鷹市から5歳の息子を連れ
て参加した母親も「子どもは環境を選べない。学ぶのは大人の責任だと思う。こ
ういう場に来ることで、幼いながらもこの子も自覚してくれると思う」と話し
た。
 柳田さんも集まったお母さんたちも、願いは一つ。
 未来ある子どもたちの内部被曝を食い止めたい…。
 
               (了)
 
[編集部より]
 
 掲載が遅くなったことをお詫びします。次回(第4回)日時・講師・テーマは
近日お知らせします。
 
 
★5.メルマガ読者より講演会のお知らせ
 
  原発って何だろう? 座談会 in 小林
 
 ◎原発って、何? 放射能って、何?
 ◎福島は今、どうなっているの?
 ◎鹿児島の原発で事故が起これば、小林市はどうなるの?
 
 福島事故から、約半年。あなたは、原子力発電について、どのくらいのことを
知っていますか?福島で今、何が起こっているか、知っていますか?
 
 今回は講演会ではなく、座談会という形で、参加者の皆さんの疑問・質問に、
鹿児島大学元准教授、橋爪健郎先生がお答えします。
 「原発って何?」という質問から「子供に安全な世界を残すにはどうしたらい
いの?」という疑問まで、一緒に考えてみませんか?
 
日 時:9月23日(金・祝日)13:30~15:00
場 所:小林市慈敬園
参加費:300円
電 話:090-2391-4436(中原)
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